黒服A「いたぞ!」ガチャ

アスカ「!!?」

マナ「いやぁ!シンジ!!」

シンジ「くっ…」バッ

黒服A「悪く思うなよ」

マナ「ダメ!!シンジ!!!」

ズドン

318: 2013/06/27(木) 01:29:50
シンジ「………あれ?」

加持「逃げろ!!早く!」

シンジ「!?」

シンジ「マナ!アスカ!!」

マナ「うん!」ダッ

アスカ「…」ダッ

シンジ「ありがとうございます!」

加持「絶対に捕まるなよ。ほら、早く行け行け」バンッ

319: 2013/06/27(木) 01:30:29




シンジ「はあ…はあ…」

シンジ「ここまで来れば大丈夫か…」

マナ「よかった…助かった…」

アスカ「ごめん…私のせいで…」

シンジ「そのことだけど、そろそろ詳しく教えてくれないかな?もちろん、惣流さんが嫌ならしょうがないけど…」

アスカ「…………」

アスカ「いいわ…話すわよ…」

シンジ「………」

マナ「………」

320: 2013/06/28(金) 03:44:46
アスカ「多分あんた達も察しがついていたみたいだけど、私は……スパイよ」

シンジ「………」

アスカ「戦自所属の少年兵である私は、ネルフの対使徒決戦兵器であるエヴァンゲリオンについての情報を手に入れるという任務の為にここに送られた」

アスカ「そして、それと関係してもう一つの任務があったわ」

マナ「……エヴァンゲリオンパイロットへの接触ね」

アスカ「そうよ。特に異性である碇シンジが重要人物だったわ」

マナ「それって…」

アスカ「そう。男は女にめっそう弱いから」

アスカ「でも、現実は違った。シンジには霧島マナという心の支えがいたから、私は色仕掛けを断念したわ」

アスカ「それからは、友達として接触することによって情報を得ようとした」

アスカ「だけど、それでも殆ど情報は得られなかった…」

シンジ「じゃあ惣流さんは、僕らに対して何の感情も持ってないの?」

シンジ「ただ、任務だったから一緒にいたの?」

アスカ「それは!…………」

アスカ「………いえ…そうよ…」

321: 2013/06/28(金) 03:45:24
マナ「惣流さん…」

アスカ「だからさ、ここで友達ごっこは終わり」

シンジ「何を言ってるんだよ!」

アスカ「それが任務だったからしょうがないのよ」

アスカ「私はここで消える。私はムサシのところに戻るわ」

シンジ「ムサシ?」

アスカ「トライデントのもう一人のパイロット。私の仲間よ」

アスカ「それと、絶対私の事は追わないで。追ってきたら私も闘わないといけなくなる」

シンジ「ダメだ!そっちに行ったら氏んじゃうかもしれない!こっちに…」

アスカ「ありがとシンジ…この数日間、あんたたちのお陰で少しだけ楽しかったわ」

322: 2013/06/28(金) 03:47:30




マナ「これでよかったのかな…?」

シンジ「分からない…だけど、僕たちが惣流さんを止める方法は無かったよ…」

マナ「惣流さん…」

プルルルルル

シンジ「ミサトさんからだ!」

シンジ「はい。はい…出撃ですか!?」

マナ「えっ!?」

323: 2013/06/28(金) 03:48:01


シンジ「………」ピッ

マナ「出撃ってまさか…」

シンジ「トライデントだ…」

マナ「嘘…でしょ…」

シンジ「僕達が出撃しなかったら確実に惣流さんとそのパイロットが氏んじゃう」

シンジ「そうなるくらいなら僕達で助けよう。あの二人を」

マナ「そうね。このまま見頃しにするのは嫌だもんね」

シンジ「そういうこと。急ごう、マナ」

324: 2013/06/28(金) 03:48:42




ミサト「みんな聞こえる?」

ミサト「先程芦ノ湖から例のロボットが現れました。目標は今は戦略自衛隊による足留めで移動はしていなませんが、進行は時間の問題です」

ミサト「なんとしてでも目標の進行を阻止して下さい」

シンジ「もしも進行を開始して、エヴァ3機を振り切った場合、目標はどうなるのですか?」

ミサト「その時は戦略自衛隊の航空部隊がN2爆雷にて処分するとのことよ」

シンジ「そんな!あの中には惣流さんが乗っているんですよ!」

ミサト「それでもあなた達は闘わないといけないの。このまま目標が市街地に出た場合の被害は計り知れないわ」

シンジ「でも…」

日向「目標、進行を開始!早い!!」

ミサト「みんな!作戦を開始して!!」

レイ「はい」

シンジ「くそっ!」

325: 2013/06/30(日) 00:42:16
マナ「トライデントが市街地の方に!!」

シンジ「惣流さん!そっちはだめだ!!」

トライデント「」ダッダッダ

シンジ「このままだとN2爆雷で殺されちゃうんだ!!」

ミサト「シンジくん!何を…」

トライデント「」ダッダッダ

シンジ「お願いだよ!そっちに行っちゃだめだ!!」

シンジ「君が氏ぬのを見たくないんだ!」

マナ「お願い惣流さん!ムサシさん!逃げて!!」

トライデント「」ピタッ

シンジ「海だ!海の方へ!!」

326: 2013/06/30(日) 00:42:53
マヤ「厚木基地から飛び立ちました爆撃機があと1分で目標に接触します!」

ミサト「シンジくん!マナちゃん!レイ!これ以上追いかけたらあなた達も巻き込まれるわ!撤退して!」

シンジ「マナ!」

マナ「うん!」

マヤ「初号機、弐号機止まりません!」

ミサト「今すぐ戦自に連絡!爆撃機による爆撃を遅らせるように要請!」

日向「了解!」

シンジ「海が見えて来た!」

マナ「あと少し!」

日向「戦自より通信!これ以上は待てないとのことです!」

ミサト「エヴァがいるのよ!なんとしても中止させなさい!」

日向「ダメです!爆雷の投下は…10秒後です!!」

ミサト「二人とも止まりなさい!あなた達も巻き添えになるわよ!!」

327: 2013/06/30(日) 00:45:11
日向「10」

アスカ「早く逃げなさい馬鹿シンジ!霧島マナ!」

日向「9」

マナ「惣流さん!」

日向「8」

アスカ「惣流さんか…」

日向「7」

アスカ「最期くらいは名前で呼びなさいよ」

日向「6」

アスカ「あんたらは生き残りなさいよ」

日向「5」

シンジ「そんなこと言うなよ!氏んじゃだめだ!」

328: 2013/06/30(日) 00:45:41
日向「4」

アスカ「私さ…」

日向「3」

アスカ「本当はあんたら二人のこと…」

日向「2」

アスカ「………」

日向「1」

アスカ「好きだったのよ」

日向「0」

バシャン ピカッ

シンジ・マナ「アスカ~!!!!」

329: 2013/06/30(日) 00:47:02
ミサト「………」

ミサト「状況は…?」

青葉「あと3秒でモニターが回復します」

青葉「回復しました」

日向「うっ…」

マヤ「酷い…」

ミサト「目標は…?」

リツコ「残骸一つないわね。恐らく…消滅」

ミサト「……………」

ミサト「エヴァは」

マヤ「多少損傷はありますが問題ありません」

ミサト「そう…」

ミサト「現時刻をもって作戦を終了。初号機と弐号機を回収。及び爆撃地の復旧作業を急いで」

330: 2013/07/01(月) 00:35:32
葛城宅

シンジ「…………」

マナ「…………」

シンジ「アスカ…助かったよね…」

マナ「…………」

シンジ「アスカは氏んでないよね…」

マナ「…………」

シンジ「だって何もトライデントの残骸が無いじゃないか」

マナ「シンジ……」

シンジ「嘘だ…嘘だ嘘だ!どうして…!!!」

シンジ「僕の所為だ!僕がちゃんと作戦を考えられなかったから…」

マナ「そんなことない!シンジは良くやったよ!」

マナ「ダメなのは私なの!私…何も出来なかった…何にも出来なかったんだよ!」

331: 2013/07/01(月) 00:36:27
マナ「どうにかしようって動いたシンジは何も悪くないんだよ!」

マナ「私がちゃんとしてれば…」ヒック

シンジ「そんなことない…僕の所為なんだ…」

シンジ「結局アスカを助けられなかった。そんなのじゃ何もしてないも同然だよ!」

シンジ「どうしてこんな事に…」

シンジ「!?」

マナ「どうしたの?」

シンジ「留守電だ!」

ピッ

アスカ「あーもしもし」

332: 2013/07/01(月) 00:37:11
アスカ「馬鹿シンジ、霧島マナ。聞いてるわね」

アスカ「多分これを聞いている時には私は消えるなり捕まるなりしてるわね」

アスカ「そしてシンジにも迷惑をかけたと思う。それはごめん…」

アスカ「だけど、私のことでシンジが気に病む必要はないわ。そもそも私がスパイだったってことが原因なんだから」

アスカ「もしも、私の事を助けられなかった~なんてこと思ってたら絶対アンタのことを恨むから」

アンタ「シンジは私の事を気にせずに、霧島マナと幸せに生きていきなさい」

アスカ「そして、霧島マナ。アンタにも悪い事しちゃったわね」

アスカ「前にシンジの事で色々言っちゃったけど、あれは本心ではないからさ。ただ、からかってやろうと思っただけ」

アスカ「まさかあそこまで反発があるとは思わなかったのよ」

アスカ「本当にごめん…」グスッ

333: 2013/07/01(月) 00:38:02
アスカ「……短かったけど、ここに来て私は楽しかった。…もっとここに居たいって思えるくらいに…」

アスカ「それはあなた達二人のおかげなのよ……」

アスカ「ありがとう。私はあなた達の事を氏んでも忘れない」

アスカ「もしも…もしも私が生き残る事が出来たら…絶対に会いに行くから」

アスカ「それまではサヨナラよ」

アスカ「…………」

アスカ「それと、最後に……」

アスカ「馬鹿シンジ、やっと私の事をアスカって呼んでくれたわね。嬉しかったわよ」ブチ

ツーツーツーツーツー

シンジ「…………」ポロポロ

マナ「」ポロポロ

シンジ「なんなんだよ……!!氏んでも忘れないって……氏んじゃったら意味がないじゃないか!!」

マナ「アスカさん……」グスッ

334: 2013/07/01(月) 00:39:44







シンジ「僕、決めたよ…」

シンジ「何があっても、もう友達を失いたくない…」

シンジ「だからこの命にかけてでも絶対に助ける…」

シンジ「何があっても……絶対に…」

マナ「でも…そしたらシンジが……」

シンジ「僕の命なんか…」

マナ「それはダメだよ!そんなことは絶対にアスカさんは望んでない!!言ってたじゃない!幸せになってって!」

マナ「シンジにとってそれが幸せなの!?」

マナ「それに私だってシンジが氏んじゃったら生きていけないって言ったじゃない!」

マナ「私をもっと頼ってよ!一人で背追い込まないでよ!!」

マナ「お願いだから一人で苦しまないで…」ポロポロ

335: 2013/07/01(月) 00:40:14
シンジ「ごめん…マナ……」

シンジ「……苦しい時、僕一人じゃどうしようもない時はマナに頼っていいかな?」

マナ「当たり前だよ」

シンジ「ありがとう…」

マナ「いいの…」

マナ(アスカさん…これでいいんだよね…?私が必ずシンジを幸せにしてみせるから…)

336: 2013/07/02(火) 01:26:09
数日後

看護婦A「12号室のクランケ?」

看護婦B「例のE事件の救急でしょ?ここに入院してからずいぶん経つわね」

看護婦A「なかなか難しいみたいよ、あの怪我」

看護婦B「まだ小学生なのに…」

看護婦A「今日もきてるんでしょ、あの子」

看護婦B「そうそう。週2回は必ず顔出してるのよ。妹思いのいいお兄さんよねぇ」

看護婦A「ほんと、今時珍しいわね、あんな男の子」

337: 2013/07/02(火) 01:26:50
ヒカリ「起立、礼、着席!」

老教師「あ、ああ…今日の休みはいつもの綾波と、相田か。あと、今日は小池先生がお休みで、4時限目の現国が自習となります」

シンジ「ケンスケ、どうしたの?」

トウジ「新横須賀。今日も軍艦の追っかけや。妙高とかいうんが入港しとるんやと」

老教師「鈴原!」

トウジ「は、はい!」

老教師「後で、綾波にプリントを届けておくように」

トウジ「はい!」

338: 2013/07/02(火) 01:27:25
日向「とにかく、第一支部の状況は、無事なんだな!?いいんだよ!計算式やデータ誤差はMAGIに判断させる!」

冬月「消滅!?確かに、第2支部が消滅したんだな?」

青葉「はい、すべて確認しました。消滅です」

ミサト「まいったわね~」

日向「上の管理部や調査部は大騒ぎ、総務部はパニクってましたよ!」

ミサト「で、原因は?」

リツコ「未だ分からず。手がかりはこの静止衛星からの映像だけで、後は何も残ってないのよ」

339: 2013/07/02(火) 01:28:19
マヤ「テンマイナス、エイト、セブン、シックス、ファイブ、フォア、スリー、ツー、ワン、コンタクト」

ミサト「酷いわね…」

マヤ「エヴァンゲリオン肆号機ならびに半径89キロ以内の関連研究施設はすべて消滅しました」

リツコ「数千の人間を道連れにね」

青葉「タイムスケジュールから推測して、ドイツで修復したS2機関の搭載実験中の事故と思われます」

マヤ「予想される原因は、材質の強度不足から設計初期段階のミスまで、32768通りです」

ミサト「妨害工作の線もあるわね」

日向「でも爆発でなく消滅なんでしょう?つまり、消えた…と」

リツコ「多分、ディラックの海に飲み込まれたんでしょうね、先の初号機みたく」

ミサト「じゃあせっかく直したS2機関も?」

リツコ「パーよ。夢は潰えたわね」

ミサト「訳の分からないものを無理して使うからよ」

リツコ(それらエヴァも同じだわ…)

341: 2013/07/02(火) 01:32:01
ミサト「で、残った参号機はどうするの?」

リツコ「ここで引き取ることになったわ。米国政府も第1支部までは失いたくないみたいね」

ミサト「参号機と肆号機はあっちが建造権を主張して強引に作っていたんじゃない!いまさら危ないところだけうちに押し付けるなんて、虫のいい話ね」

リツコ「あの惨劇の後じゃ誰だって弱気になるわよ」

ミサト「で、起動試験はどうするの?例のダミーを使うのかしら?」

リツコ「…これから決めるわ」

342: 2013/07/02(火) 01:33:03




リツコ「試作されたダミープラグです。レイのパーソナルが移植されています」

リツコ「ただ、人の心…魂のデジタル化はできません。あくまでフェイク、擬似的なものです」

リツコ「パイロットの思考の真似をする、ただの機械です」

ゲンドウ「信号パターンをエヴァに送り込む。エヴァがそこにパイロットがいると思い込み、シンクロさえすればいい」

ゲンドウ「初号機と弐号機にはデータを入れておけ」

リツコ「まだ問題が残っていますが」

ゲンドウ「構わん。エヴァが動けばいい」

リツコ「はい」

343: 2013/07/02(火) 01:33:41
ゲンドウ「機体の運搬はUNに一任してある。週末には届くだろう」

ゲンドウ「後は君のほうでやってくれ」

リツコ「はい。調整ならびに起動試験は、松代で行います」

ゲンドウ「テストパイロットは?」

リツコ「ダミープラグはまだ危険です。現候補者の中から…」

ゲンドウ「4人目を選ぶか」

リツコ「はい。一人、速やかにコアの準備が可能な子供がいます」

ゲンドウ「任せる」

リツコ「はい」

ゲンドウ「レイ、上がっていいぞ」

レイ「はい」

ゲンドウ「食事にしよう」

レイ「はい」

リツコ「…」

344: 2013/07/02(火) 01:35:45
ヒカリ「起立!礼!」

トウジ「さ~って、メシやメシ、学校最大の楽しみやからなぁ!」

マナ「お弁当、ないの?」

シンジ「ごめん、昨日は宿題で作る暇なかったんだ…」

マナ「そうだと思って…」

マナ「ジャーン!私が全部作っといたよ!」

シンジ「えっ!?でも今日のお弁当は僕が一人で作るはずだったのに…」

シンジ「それに今朝マナが作ってるとこを見てないよ?」

マナ「実は昨日シンジが夜遅くまで勉強してたから、朝早くに起きて作っておいたんだ~」

345: 2013/07/02(火) 01:36:19
シンジ「なんで何も言ってくれなかったの?」

マナ「サプライズだよ、サプライズ」

マナ「そっちの方が嬉しいでしょ!」

シンジ「うん。ありがとう」

トウジ「なんや、また夫婦で惚気とるんかいな!」

クラスメイト「ワハハハハ!」

シンジ「ちがっ…」

マナ「私、シンジが大好きだからいいでしょ!」ギュー

クラスメイト「ヒューヒュー」

ヒカリ「マナちゃん!」

マナ「ごめんなさ~い」

346: 2013/07/03(水) 01:14:23
ミサト「何よ改まって」

リツコ「松代での参号機の起動実験、テストパイロットは4人目を使うわよ」

ミサト「4人目?フォースチルドレンが見つかったの?」

リツコ「昨日ね」

ミサト「マルドゥック機関からの報告は受けてないわよ」

リツコ「正式な書類は明日届くわ」

ミサト「赤木博士。また私に隠し事してない?」

リツコ「別に」

ミサト「まあいいわ、で、その選ばれた子って誰?」 ペラッ

ミサト「えっ、よりにもよって、この子なの!?」

347: 2013/07/03(水) 01:15:21
リツコ「仕方ないわよ、候補者を集めて保護してあるのだから」

ミサト「話づらいわね、このこと」

ミサト「レイはいいとして、シンジ君とマナちゃんは傷付くわね…」

ミサト「いい事無いもの…私たちとエヴァに関わったって。それを一番よく知っているのがシンジ君だものね」

ミサト「これ以上辛い思いは、させたくないわ」

ミサト「この前のロボット騒ぎの件もあるし…」

リツコ「でも、私たちにはそういう子供たちが必要なのよ、みんなで生き残るためにはね」

ミサト「奇麗事はやめろ、というの?」

348: 2013/07/03(水) 01:16:11
男子A「じゃぁな~」

ヒカリ「鈴原、今日から週番なんだから、ちゃんとやりなさいよ!」

トウジ「何の事や?」

ヒカリ「プリント!届けてくれって先生が言ったでしょう!」

トウジ「なんやイインチョ、相方がおるやろう」

ヒカリ「綾波さんは今日休み!」

トウジ「綾波とワシなんか。そりゃしゃーないなぁ」

トウジ「でも、女の家に一人じゃ行けへんしなぁ」

ヒカリ「それなら私が一緒に…」

トウジ「シンジ!帰り頼むわ」

ヒカリ「…」

349: 2013/07/03(水) 01:17:05
マナ「あれ?シンジどっか行っちゃうの?」

シンジ「うん。トウジと綾波のプリントを渡しにね」

マナ「そう?私も行こうか?」

シンジ「まあ、今日は大丈夫かな。マナは先に帰ってて

マナ「分かったよ~早く帰ってきてね」

シンジ「出来るだけ早く帰るよ」

マナ「は~い」

マナ「それじゃあヒカリちゃん、帰ろうか?」

ヒカリ「あ、うん」

350: 2013/07/03(水) 01:17:50
綾波宅

シンジ「綾波、入るよ」

トウジ「女の部屋に黙って入るんは良うないと思うで」

シンジ「しょうがないよ、ここに入れても見ないだけだし」

シンジ「お邪魔するよ」

トウジ「なんや、これが女の部屋かいな!無愛想やなぁ」

トウジ「なんや、勝ってにいじって、叱られるで」

シンジ「片づけてるだけだよ」

トウジ「ワシは手伝わんで!男のする事やない!」

シンジ「うん…でもミサトさんに嫌われるよ、そういうの」

トウジ「……」

トウジ「かまへん!ワシの信念やからなぁ!」

351: 2013/07/03(水) 01:18:36
トウジ「ほんま、変わったなぁ」

シンジ「何が?」

トウジ「シンジや」

シンジ「え?」

トウジ「初めて会うたときは、正直いけ好かんやっちゃと思うとったけど、人のために何かやる奴とも思えんかったし」

トウジ「ま、要するに余裕なんやろなぁ、そないなことは」

シンジ「それはマナが居てくれたからだよ」

ガチャ

トウジ「お邪魔しとるで」

レイ「何?」

トウジ「あれが溜まってたプリントや」

レイ「…?」

シンジ「ごめん、勝手に片づけたよ。ごみ以外は触ってない」

レイ「あ、ありがとう…」

352: 2013/07/03(水) 01:19:41




アナウンス「第三管区の形態移行ならびに指向兵器試験は予定通り行われます。技術局3課のニシザイ博士、ニシザイ博士、至急開発2課までご連絡ください」

加持「せっかくここの迎撃システムが完成するのに、祝賀パーティーの一つも予定されていないとは、ネルフってお堅い組織だねぇ」

マヤ「碇司令がああですもの」

加持「君はどうなのかな?」

マヤ「いいんですかぁ?加持さん。葛城さんや赤木先輩に言っちゃいますよぉ?」

加持「その前にその口をふさぐよ…」 スッ

ミサト「お仕事進んでるぅ?」

加持「ま、ぼちぼち、だな」 パッ

マヤ「では、私は仕事がありますので、これで…」

353: 2013/07/03(水) 01:26:00
ミサト「あなたのプライベートに口出すつもりはないけど、この非常時にうちの若い娘に手ぇ出さないでくれる?」

加持「君の管轄ではないだろう?葛城ならいいのかい?」

ミサト「これからの返事次第ね」

ミサト「地下のアダムとマルドゥック機関の秘密、知ってるんでしょ?」

加持「ハテ?」

ミサト「とぼけないで!」

加持「他人に頼るとは、君らしくないな」

ミサト「なりふり構ってらんないの、余裕ないのよ、今!」

ミサト「都合よくフォースチルドレンが見つかる。この裏は何? 」

加持「一つ教えとくよ。マルドゥック機関は存在しない。影で操っているのは、ネルフそのものだ」

ミサト「ネルフそのもの…碇司令が?」

加持「コード707を調べてみるんだな」

ミサト「707…シンジ君の学校を?」

354: 2013/07/03(水) 01:26:30
シンジ「ミサトさん」

ミサト「なに?」

シンジ「リツコさんが、明日からの出張の打ち合わせだって」

ミサト「分かったわ、ありがとう」

ミサト「また今度ね」

加持「はいはい」

加持「」ストン

加持「たまにはどうだ?お茶でも」

シンジ「僕…男ですよ?」

シンジ「加持さんって、もっとまじめな人だと思ってました」

加持「安心してる相手だと遠慮がないな。碇シンジ君」

シンジ「あ、すみません!」

加持「いや、こっちこそすまない。嫌味のつもりはないんだ」

加持「そうだ、一つ、いいものを君に見せよう」

355: 2013/07/03(水) 01:27:01
シンジ「スイカ…ですか?」

加持「ああ、可愛いだろう?俺の趣味さ。みんなには内緒だけどな」

加持「何かを作る、何かを育てるのはいいぞぉ~。いろんな事が見えるし分かってくる。楽しい事とかな」

シンジ「楽しい事ですか?」

加持「ああ。シンジ君は楽しい事、見つけたかい?」

シンジ「…はい」

加持「野暮な事を聞くが、シンジ君にとって楽しいことってなんだ?」

シンジ「それは…友達と平和に過ごすこと。そして、マナとずっと一緒にいることです」

加持「そうか…」

シンジ「だけどこの前、僕は友達を…アスカを助ける事が出来ませんでした…」

シンジ「もう僕は友達を失いたくないんです…」

加持「では、もしもシンジ君の友達の身に危険が迫ったら君はどうする?」

シンジ「それはなんとかして助けようとします」

加持「なんとかして助けるか…」

加持「甘いな…シンジ君」

356: 2013/07/03(水) 01:27:32
シンジ「どういう事ですか?」

加持「君には覚悟が足りない」

シンジ「でも!僕はアスカが氏んでからずっと悩んで!!」

加持「では聞くが、君は友達をその手で殺せるか?」

シンジ「何を言ってるんですか!?そんなの本末転倒じゃないですか!」

加持「ちゃんと答えてくれ。君は友達を救う為なら友達を殺せるか?」

シンジ「………」

シンジ「無理ですよ…友達を頃すなんて僕には無理です!」

加持「すまんな、俺の言い方が悪かった」

加持「改めて聞くが、君は友達を救うためなら友達を頃す覚悟で挑む事が出来るか?」

シンジ「………」

加持「もしもその覚悟が無いのならば、君は恐らく友達を助けることは出来ない。そしてマナが危険な目に合っても助けることは出来ないだろうな」

シンジ「そんな……」

357: 2013/07/03(水) 01:28:02
加持「すまん。厳しいことを言って悪かったな」

加持「ただ、俺が言いたかったのは、時には友達を助ける為に、自らの手で友達を頃す覚悟が無いと助ける事が出来ない時があるってことなんだ」

加持「まあ、頭の片隅に置いといてくれればそれでいいさ」

加持「尤も、そんなことを決断する機会が無いことを願うがな」

シンジ「友達を自分の手で頃す覚悟ですか…」

シンジ「難しいですね…それって……」

加持「ああ、凄く難しいよ。下手をしたら自分で護るべき友達を頃すことになるのだからな」

シンジ「はい…」

加持「俺はシンジ君なら出来ると信じてる。絶対に後悔をする様な道は選ぶなよ」

シンジ「はい。ありがとうございます」

マナ「シンジ~」キョロキョロ

加持「ほら、お姫様が来たぞ。今日はこれでお開きだ」

シンジ「加持さんってお兄さんみたいですね。今日は本当にありがとうございました」ペコリ

加持「………」

加持「弟……か…」

358: 2013/07/04(木) 02:14:00
ヒカリ「起立、気を付け、礼!」

トウジ「さーって、メシやメシ!」

放送「2年A組の鈴原トウジ、鈴原トウジ。至急職員室まで…」

トウジ「何や?」

ケンスケ「なんかやったの?」

トウジ「いや、心当たり、ないわ」

トウジ「ほな、ちょっくら行ってくるわ」

シンジ「…?」

359: 2013/07/04(木) 02:14:56




シンジ「昨日の新横須賀、どうだったの?」

ケンスケ「バッチシ!ところで、ちょいと気になる情報を仕入れたんだけど…」



シンジ「エヴァ参号機?」
ケンスケ「そう。アメリカで建造中だった奴さ。完成したんだろ?」
シンジ「知らないなぁ」

ケンスケ「隠さなきゃならない事情も分かるけど、なぁ、教えてくれよ!」

シンジ「ほんとに聞いてないよ!」

ケンスケ「松代の第2実験場で起動試験をやるって噂、知らないのか?」

シンジ「知らないよ」

ケンスケ「パイロットはまだ決まってないんだろ?」

シンジ「分からないよ、そんなの…」

360: 2013/07/04(木) 02:15:32
ケンスケ「俺にやらしてくんないかなぁ、ミサトさん。なぁ、シンジからも頼んでくれよ!乗りたいんだよ、エヴァに!」

シンジ「ほんとに知らないんだよ…」

ケンスケ「じゃあ、肆号機が欠番になったっていう話は?」

シンジ「何それ?」

ケンスケ「ほんとにこれも知らないの?第2支部ごと吹っ飛んだって、パパのところは大騒ぎだったみたいだぜ?」

シンジ「ほんとに?」

ケンスケ「おそらくは」

シンジ「ミサトさんからは何も聞いてない…」

ケンスケ「やっぱ、末端のパイロットには関係ないからな、言わないって事は、知らなくてもいいことなんだろ?シンジにはさ」

シンジ「…」

ケンスケ「すまなかったな、変な事聞いて。しかし、トウジの奴、遅いなぁ」

361: 2013/07/04(木) 02:16:54
放課後

放送「下校の時刻です。教室に残っている生徒は、早く帰りましょう」

ヒカリ「鈴原!」

トウジ「ん?」

ヒカリ「あの、週番なんだから、ちゃんと机ならべて、日誌付けなさいよ」

トウジ「ワシ、昼飯まだやったんやで。終わったらやるわ」

ヒカリ「鈴原っていつも購買部のお弁当だね」

トウジ「作ってくれる奴もおらんからなぁ」

362: 2013/07/04(木) 02:17:57
ヒカリ「鈴原…君……」

トウジ「ん?」

ヒカリ「私姉妹が二人いてね、名前はコダマとノゾミ。いつもお弁当あたしが作ってるんだけど…」

トウジ「そら難儀やなぁ」

ヒカリ「だから、こう見えても、あたし意外と料理上手かったりするんだ」

トウジ「へぇ~」

ヒカリ「だからあたし、いつもお弁当の材料、余っちゃうの…」

トウジ「そらもったいないなぁ…」

ヒカリ「え? 」

トウジ「残飯処理なら、いくらでも手伝うで」

ヒカリ「え…うん、手伝って!」

363: 2013/07/04(木) 02:18:33
シンジ「今日トウジ元気無かったな…」

マナ「うん。職員室から帰ってきてからだよね」

シンジ「うん。トウジがあんなに元気が無いの珍しいよ」

マナ「鈴原組、どうしたんだろうね?」

シンジ「………分からない…明日聞いてみようと思う」

マナ「そうだね、その方がいいかも」

マナ「もしもシンジ一人じゃどうしようもないことだったら私にも相談してね。私も出来る限り助けるから」

シンジ「うん。そうさせてもらうね」

364: 2013/07/05(金) 01:35:35




シンジ「おはようございます」

ミサト「おはよう。マナちゃんは?」

シンジ「まだ寝てますよ」

ミサト「そう。マナちゃんがこの時間まで寝てるなんて珍しいわね」

シンジ「たまにはゆっくり休ませてあげましょうよ」

ミサト「そうね」

シンジ「あの…」

ミサト「ところで…」

ミサト「あはっ、どうぞ」

シンジ「肆号機が欠番っていう噂、本当ですか?何か事故があって爆発したって」

ミサト「ええ、本当よ。肆号機はネルフ第二支部と共に消滅したわ。S2機関の実験中にね」

365: 2013/07/05(金) 01:36:19
ミサト「ここは大丈夫よ。3体ともちゃんと動いてるじゃない。パイロットもスタッフも優秀だし」

シンジ「でも、アメリカから参号機が来るって。松代でするんでしょ?起動実験」

ミサト「う~ん、ちょっち4日ほど留守にするけど、加持が面倒見てくれるから心配ないわよ」

シンジ「でも実験は…」

ミサト「リツコも立ち会うんだし、問題ないわよ」

シンジ「でもパイロットは…?」

ミサト「その、パイロットなんだけど…」

ミサト「シンジ君のクラスの鈴原君なのよ…」

シンジ「えっ!?」

366: 2013/07/05(金) 01:39:11
シンジ「どうしてトウジが!?」

ミサト「彼が4人目のパイロット……フォースチルドレンに昨日選出されたの」

シンジ「でも!トウジの妹さんのサクラちゃんはエヴァの所為で怪我をしたし、トウジもエヴァに乗りたいなんて思ってないんですよ!?」

ミサト「パイロットの選出はマルドゥック機関がするから細かい事は分からないの」

ミサト「だから、私に言っても困るわ」

ミサト「もしも私に選ぶ権利があったとしたら、絶対に鈴原君は選ばないわよ」

シンジ「………」

ミサト「大丈夫、シンちゃん!彼の安全は私とリツコが保証するわ」

シンジ「………」

ミサト「じゃあ、行ってくるわね。加持によろしくね」

シンジ「………はい…」

368: 2013/07/06(土) 01:48:23




マナ「おはよ~!」

マナ「今日、ゆっくり寝すぎちゃったよ~」

シンジ「………」

マナ「シンジ、おはよ!!」

シンジ「あ、ああ…おはよ…」

マナ「どうしたの?元気ないよ?」

シンジ「うん…ちょっと……」

マナ「ちゃんと言ってよ!何かあったの?」

マナ「それに昨日約束したばっかじゃない」

シンジ「………そうだね…」

シンジ「じゃあさ…驚かないで聞いてくれる?」

マナ「うん」

シンジ「さっきミサトさんから聞いたんだけど…」

369: 2013/07/06(土) 01:50:20




リツコ「ちゃんとシンジ君に伝えたのね?」

ミサト「ええ、まあね…」

ミサト「でも、これで本当に良かったのかなって思うのよ」

リツコ「しっかりしなさいよ。自分で保護者役を買って出たんじゃない」

ミサト「そう…なんだけどねぇ…」

ミサト「で、いつ呼ぶの?パイロット」

リツコ「そうね。明日になるわね。準備もいろいろあるし」

370: 2013/07/06(土) 01:50:52
ミサト「彼、パイロットに選ばれて喜んでた?」

リツコ「それはないわね。そこまで喜んでなかったもの」

リツコ「入院中の妹を本部の医学部に転院させてくれっていうのが彼の出した例の条件だったのよ」

ミサト「………」

リツコ「貴女の所為ではないわ。気に病む必要ないのよ」

ミサト「とは言っても…」

リツコ「シャキッとしなさいミサト。貴女らしくないわよ」

ミサト「そうね…」

371: 2013/07/06(土) 01:51:23
ケンスケ「エヴァのパイロットって誰なんだろうな~やる気なら俺が一番なんだし、予備でもいいから使ってくれりゃあいいのに。なぁ、トウジ?」

トウジ「あ?ああ」

シンジ「おはよ…」

マナ「おはよう…相田君…鈴原君……」

トウジ「なんや、何時もイチャイチャしとるクセに、今日はエラい元気ないな…」

シンジ「うん……」

シンジ「あのさ…トウジ……お昼に話しがあるんだ……」

トウジ「……なんの話しや?」

シンジ「……………」

トウジ「……………」

トウジ「……分かったわ。昼に屋上来いや」

シンジ「うん…」

372: 2013/07/06(土) 01:52:16




トウジ「待たして悪かったな」

シンジ「いいよ。それよりも話しがあるんだ…」

トウジ「ワシがパイロットに選ばれたってことやな?」

シンジ「うん」

トウジ「そいで、シンジは何を言いたいんや?」

シンジ「トウジはさ、エヴァのパイロットの危険さを知ってるよね?」

シンジ「出会ってすぐの頃、トウジとケンスケはエントリープラグの中に入ったよね。そこで僕が敵にやられて苦しんでいた姿を見たよね?」

トウジ「ああ」

シンジ「それ以外でも、僕やマナと話してればエヴァのパイロットがいかに危険だって事も分かると思う」

シンジ「下手したら氏ぬこともあり得るんだよ…」

シンジ「なのに…なのにどうしてトウジはパイロットになることを了承したんだよ!」

シンジ「僕は、これ以上危険な目に合う人を増やしたくないのに!なのにどうしてトウジは!」

トウジ「………優しいのぉ、シンジは…」

373: 2013/07/06(土) 01:53:32
トウジ「別にワシはエヴァに乗りたくて、ましてや敵と戦いたくてパイロットになった訳やない」

トウジ「むしろそないな事は真っ平御免や」

シンジ「ならどうして!?」

トウジ「サクラや…サクラのためや」

シンジ「!?」

トウジ「あいつはのぉ、今も怪我に苦しんどる…」

トウジ「そいで、今の病院じゃあ快復は無理やって言われとるのや」

トウジ「そないな時にネルフからパイロットの誘いがあった」

トウジ「ネルフの医療ならあいつを治せる。もしもネルフの病院に妹を移したいならパイロットになりなさいってな」

トウジ「こうなったらワシに選択肢は無い。勿論その場で承諾したわ」

シンジ「トウジ…」

374: 2013/07/06(土) 01:55:25
トウジ「だけどな…だけどなシンジ…」

トウジ「怖いんや…エヴァに載って敵と戦うのが怖いんや!」

トウジ「もしもあんなわけの分からん化け物と戦うのもそうやし、何よりワシが氏んだらサクラはどうなるのか考えると怖いんや!」

トウジ「ほら、見て見ぃシンジ。両手の震えがずっと止まらんのや!」

シンジ「………」

シンジ「大丈夫……トウジは氏なないよ。僕が護るから」

トウジ「シンジ!?」

シンジ「もしもトウジが大変になったら僕が護る」

シンジ「約束だ、トウジ」

トウジ「すまんのぉ、ほんますまんのぉ、シンジ」

トウジ「ワシはお前みたいな友達を持てて幸せや…」

375: 2013/07/06(土) 01:56:26




マナ「どうだった?」

シンジ「トウジがパイロットになった理由が聞けたよ」

マナ「止めなかったの?」

シンジ「うん。トウジがパイロットになった理由は大切は理由があったから…」

マナ「大切な理由?」

シンジ「そう、大切な理由…それは妹さんを助けるためなんだよ」

マナ「!?」

シンジ「ネルフの病院に入れる為にはトウジがパイロットになるしかなかった。しかもトウジの決意は凄く強かった。そんな人を説得なんて出来なかったよ」

マナ「鈴原くん…」

シンジ「だからさ、もしもトウジに何かあっても、絶対に僕等で護るんだ」

シンジ「それでいいよね?マナ」

マナ「うん」

376: 2013/07/07(日) 01:36:59
アナウンス「参号機、起動実験まで、マイナス300分です」

アナウンス「主電源、問題なし」

アナウンス「第二アポトーシス、異常無し」

アナウンス「各部、冷却システム、順調なり」

アナウンス「左腕圧着ロック、固定終了」

リツコ「了解。Bチーム作業開始」

アナウンス「エヴァ初号機とのデータリンク、問題なし」

リツコ「これだと即、実戦も可能だわ」

ミサト「そう…良かったわね」

リツコ「気のない返事ね。この機体も納品されれば、あなたの直轄部隊に配属されるのよ」

ミサト「エヴァを4機も独占か…その気になれば世界を滅ぼせるわね」

リツコ「まだ気にしてたの?」

ミサト「まあね…」

アナウンス「フォースチルドレン、到着。第2班は、速やかにエントリー準備に入ってください」

377: 2013/07/07(日) 01:38:26
ヒカリ「まだ来てないよねぇ、マナ?」

マナ「あ…今日は来ないかも…」

ヒカリ「今日こそはと思ったのに…」

ヒカリ「食べる?」





ケンスケ「参号機って、もう日本に到着してんだろ?」

シンジ「うん…昨日着いたみたいだけど…」

ケンスケ「いいなぁ、誰が乗るのかなぁ?トウジの奴かなぁ。今日休んでるしなぁ」

シンジ「ど、どうだろう…ね…」

378: 2013/07/07(日) 01:40:30
オペレータ「エントリープラグ、固定完了。第一次、接続開始」

オペレータ「パルス送信。グラフ正常位置。リスト、1350までクリア。初期コンタクト、問題なし」

リツコ「了解。作業をフェイズ2へ移行」

オペレータ「オールナーブリンク、問題なし。リスト、2550(ニーゴーゴーマル)までクリア。ハーモニクス、すべて正常位置」

オペレータ「絶対境界線、突破します」

リツコ「実験中止、回路切断!」

オペレータ「だめです、体内に高エネルギー反応!」

リツコ「まさか…」

リツコ「使徒!?」

バルディエル「ウォォォォォォ!!!!!」ドカーン

379: 2013/07/07(日) 01:41:09
青葉「松代にて、爆発事故発生」

オペレータ「被害、不明!」

冬月「救助、および第3部隊を直ちに派遣、戦自が介入する前にすべて処理しろ!」

日向「了解!」

青葉「事故現場に未確認移動物体を発見!」

日向「パターンオレンジ、使徒とは確認できません」

ゲンドウ「第一種、戦闘配置」

青葉「総員、第一種戦闘配置!」

日向「地、対地戦用意!」

マヤ「エヴァ全機、発進!迎撃地点へ緊急配置!」

オペレータ「空輸開始は20を予定」

380: 2013/07/07(日) 01:45:28
シンジ「松代で事故?そんな…じゃ、ミサトさん達は…」

レイ「まだ連絡取れない」

シンジ「そんな……どうしよう…」

マナ「今は私たちでやるしかないよ…ミサトさんなら大丈夫。絶対に氏なないわ」

シンジ「でも、使徒相手に僕らだけで…」

レイ「今は碇司令が、直接指揮を執っているわ」

シンジ「父さんが!?」

381: 2013/07/08(月) 01:33:26
青葉「野辺山で映像を捉えました。主モニターに回します」

職員「おおっ…」

冬月「やはりこれか…」

ゲンドウ「活動停止信号を発信。エントリープラグを強制射出」

プシュッ

マヤ「だめです、停止信号およびプラグ排出コード、認識しません」

ゲンドウ「パイロットは?」

日向「呼吸・心拍の反応はありますが、おそらく…」

ゲンドウ「エヴァンゲリオン参号機は現時刻をもって破棄。目標を第拾参使徒と識別する」

日向「しかし!」

ゲンドウ「予定通り野辺山で戦線を展開、目標を撃破しろ」

382: 2013/07/08(月) 01:34:34
青葉「目標接近!」

日向「全機、地上戦用意!」

シンジ「えっ?まさか、使徒…?これが使徒ですか?」

ゲンドウ「そうだ。目標だ」

シンジ「目標って、これはエヴァじゃないか…」

マナ「ねえシンジ…相手はエヴァなんだよね…」

シンジ「エヴァ…まさか!!トウジ!!!」

マナ「シンジ、どうしよう!?」

シンジ「一旦下がってマナ!早く僕のところまで!早く!!」

マナ「分かった!」ザッ

シンジ「綾波も退却して、僕の後方で待機を!!」

レイ「どうして?」

シンジ「あの中にトウジがいるんだ!」

レイ「………」

シンジ「お願いだ、綾波!」

383: 2013/07/08(月) 01:35:33
ゲンドウ「シンジ、勝手なことはするな」

シンジ「でも、父さん!このままだとトウジが!」

ゲンドウ「駄々をこねるな」

ゲンドウ「レイ、元の配置に戻れ。その場所から遠距離射撃だ」

レイ「………」

ゲンドウ「レイ、元の配置に…」

シンジ「父さ…」

青葉「碇司令、発言宜しいでしょうか?」

ゲンドウ「なんだ?」

青葉「ありがとうございます」

青葉「敵の能力が分からない以上、このままの配置では個別撃破をされる可能性が多いにあります。ここはエヴァ3機で連携をとった方が確実かと」

ゲンドウ「………」

青葉「司令!」

ゲンドウ「好きにしろ…」

青葉「はい!」

384: 2013/07/08(月) 01:36:11
青葉「シンジ君、マナちゃん、レイちゃん、聞こえたか?連携攻撃に変更だ」

レイ「了解」ザッ

シンジ「青葉さん、ありがとうございます!」

青葉「これは作戦の内だ。シンジ君の為にやったわけでは無いんだ」

シンジ「それでも、ありがとうございます!」

青葉「ああ」

マヤ「弐号機、初号機に合流しました。零号機は初号機の後方に下がって援護砲撃の準備を」

レイ「了解」

日向「目標、初号機に接近!」

青葉「シンジ君、迎撃準備だ!」

シンジ「……トウジ………」

バルディエル「ウォォォォォォ」バシュッ

シンジ「うわっ!!?」ガンッ

390: 2013/07/09(火) 08:13:29
シンジ「うわっ!!」

バルディエル「ヴォォォォ」ググッ

シンジ「ぐ…ぐあっ!」

マヤ「目標、初号機の頚部を圧迫開始!生命維持に異常発生!パイロットが危険です!!」

冬月「いかん!シンクロ率を60%にカットだ!」

ゲンドウ「待て!」

冬月「しかし、碇。このままだとパイロットが氏ぬぞ!」

ゲンドウ「シンジ、何故戦わな…」

マナ「そんなこと…させない!」ドンッ

バルディエル「ヴォッ」

シンジ「マナ!ダメだ!逃げて!!」

マナ「私…決めた……シンジを護る為なら友達とも戦う!」

391: 2013/07/09(火) 08:14:42
バルディエル「」ヒュン

シンジ「危ない!」

マナ「!?」サッ

シンジ「まずい…このままじゃマナが…」

シンジ「でも、トウジが………」

シンジ「どうしたら二人とも助け………」

シンジ「!!!?」

ただ、俺が言いたかったのは、時には友達を助ける為に、自らの手で友達を頃す覚悟が無いと助ける事が出来ない時があるってことなんだ

シンジ「友達を助けるためには………」

シンジ「…………」

シンジ「僕が……僕が助けるんだ!!」

シンジ「…待ってて…トウジ……」パカッ ギュッ

392: 2013/07/09(火) 08:16:24
マヤ「初号機、未だ沈黙を守っています」

冬月「動かないか…」

ゲンドウ「パイロットと初号機のシンクロ率を全面カットだ!」

マヤ「カットですか?」

ゲンドウ「そうだ。回路をダミープラグに切り替えろ!」

マヤ「しかし、ダミーシステムはまだ問題も多く、赤木博士の指示もなく!」

ゲンドウ「今のパイロットよりは役に立つ!やれ!」

マヤ「待って下さい!!」

マヤ「初号機、プログナイフを装備!!」

ゲンドウ「……………」

393: 2013/07/09(火) 08:26:31
シンジ「マナ、そこから離れて!!」ダッ

マナ「シンジは闘っちゃだ……えっ!?」

シンジ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ザクッ

バルディエル「ヴォォォォォ!!!」

マナ「嘘……どうしてシンジが………」

マナ「シンジの親友なのに……どうして…!?」

マナ「シンジが親友を頃すことになっちゃうんだよ!?」

シンジ「前に加持さんに教えて貰ったんだ…」

シンジ「友達を助けたいなら、時には自らの手で友達を頃す覚悟が必要になるんだって教わったんだ」

シンジ「もしもこのまま何も僕がしないで逃げ出したらトウジは助からない。だから僕が助けるんだ!」

シンジ「だからマナは下がって!」

マナ「シンジ………やっぱり私も闘う!」

マナ「一人でやるより二人でやった方が助けられる可能性は高いかもしれないから」

シンジ「……うん、お願い出来るかな?」

マナ「もちろんだよ!」ガシャン

394: 2013/07/10(水) 02:40:54
バルディエル「ヴォォォォ!!」

マナ「ッ!!」ザクッ

バルディエル「ヴォォォォォォォォ!!」ググッ

シンジ「させない!」スパッ

バルディエル「ヴォォォォ!!ヴォォォォ!!」

日向「おおっ!」

マヤ「初号機…目標の右上腕部を切断しました!!」

青葉「いいぞシンジ君!そのままいっきにいくんだ!」

シンジ「マナ!そのまま刺してて!」

マナ「分かった!」

395: 2013/07/10(水) 02:41:30
シンジ「トウジ!今助けるから!!」ギュッ

マヤ「初号機、目標の……これは…まさか……」

マヤ「目標のエントリープラグです!初号機は目標のエントリープラグを掴んでいます!」

シンジ「うわぁぁぁぁ!!」グッ ズボッ

青葉「抜けた!!」

シンジ「マナ!!」

マナ「えい!!」ザクッ ググッ バキン

バルディエル「」

マヤ「目標、沈黙しました!!」

396: 2013/07/10(水) 02:43:47




ガチャッ

シンジ「トウジ!!トウジ!!!」

マナ「鈴原くん!」

トウジ「…………」

シンジ「トウジ!」ユサユサ

トウジ「ん………なんや…シンジやないか……どないしてここに……」

シンジ「!!!!」

マナ「鈴原君!どこか痛いところは!?」

トウジ「霧島もおるんかいな……」

トウジ「そういや……ワシは………松代で参号機に……」

シンジ「もう大丈夫!!もう大丈夫だから!今すぐ救護班の人達を呼んでくるから待ってて!!」

トウジ「ああ……」

シンジ「こっちです!!!こっちに来て下さい!!!」

397: 2013/07/10(水) 02:44:22
松代

男「こっちにもいたぞーっ!生存者だ!息はある!急いで救護を廻してくれ!」

男「そうだ。レコーダーのプラグは、ペースト作業終了後、すべて、焼却処分にしろ!」

ミサト「生きてる…加持?」

加持「よかったな、葛城」

ミサト「リツコは…?」

加持「心配ない。君よりは軽傷だ」

ミサト「そう…エヴァ参号機は!?」

加持「使徒、として処理されたそうだ。」

ミサト「…私、私シンジ君に顔向け出来ない…」

ミサト「よりにもよってシンジ君の親友をシンジ君に傷つけさせるはめになるなんて…」

加持「大丈夫だ、シンジ君が彼を無事救出した」

ミサト「えっ!?シンジ君が!!?」

加持「ああ、シンジ君は強くなったよ。本当に…」

加持(本当によく頑張ったな…シンジ君…)

398: 2013/07/10(水) 02:46:06
数日後

病院

??「…はら……ずはら…」

トウジ「う………」

ヒカリ「鈴原!!」

トウジ「イインチョ?」

ヒカリ「よかった…やっと目が覚めた…」

トウジ「どうしてイインチョが…」

ヒカリ「ああっ、ここに来たのは委員長として、公務で来たのよ!それ以外の何でもないのよ…」

トウジ「ああ、分かっとるわ…」

ヒカリ「分かってないわよ…」

トウジ「済まんかったな…弁当、食えへんで…」

ヒカリ「いいのよ、そんなこと…でもごめんね、ここでお弁当食べさせちゃいけないんだって…」

トウジ「なら…退院したら食わせてくれや」

ヒカリ「う、うん!!」

399: 2013/07/10(水) 10:28:06
マナ「よかったね、シンジ」

シンジ「うん。助けることが出来て嬉しいよ」

シンジ「これが出来たのも加持さんのお陰だ。もしも加持さんが居なかったら助けられなかったかもしれない」

マナ「でも、シンジは決意した。すっごく怖いことなのにね」

マナ「あの時、シンジ…カッコよかったよ」

シンジ「えっ?僕が何?」

マナ「馬鹿……何でもないよ」

シンジ「気になるじゃないか~」

マナ「えへへ!ひ~み~つ!」

シンジ「ひどいなぁ、もう…」

マナ「ほら、鈴原君のお見舞い行こうよ!」グイグイ

シンジ「待ってよマナ~」

400: 2013/07/12(金) 01:01:55
数日後

マナ「鈴原君、今日も学校来れなかったね」

シンジ「なんか、使徒に汚染されたかどうかの検査がまだ残ってるんだってね。だけどそれもあと少しで終わるってさ」

マナ「後遺症とかそういうのはないんだよね?」

シンジ「うん。それは大丈夫だってさ」

マナ「よかったね」

シンジ「そういえば、トウジ関係でもう一つあった」

マナ「ん?」

シンジ「トウジの妹さんの手術が成功したらしいよ」

マナ「確かサクラちゃんだよね?」

シンジ「そうだよ。ネルフは医療技術も高いから手術をする事が出来たんだってさ」

マナ「よかったね、シンジ」

401: 2013/07/12(金) 01:03:29
マナ「シンジ、ずっと彼女のこと気にしてたでしょ?シンジが怪我させちゃったってさ」

シンジ「ま、まあ…」

マナ「やっぱりシンジは優しいね。私は聞いただけだけど、別にシンジが悪い訳じゃないのに責任を感じてるんだから」

シンジ「でも、やっぱり僕がちゃんと操縦出来てれば怪我をしなかったかもだし」

マナ「突然エヴァに乗せられたんでしょ?ならやっぱりしょうがないよ」

シンジ「う………どうかな…?」

マナ「少なくともシンジだけのせいじゃないよ!」

シンジ「うん…でも、お見舞いくらいは行こうと思うんだ」

マナ「なら私もついて行くよ」

シンジ「そう?ありがとう」

マナ「鈴原君は友達だし、やっぱり友達の妹とでも気になるからね」

シンジ「うん。じゃ、行こうか?」

402: 2013/07/12(金) 01:04:26
病院

シンジ「ここだ…ごめん下さい」

サクラ「はい?えっと…どなたですか?」

シンジ「トウジの友達の碇シンジと…」

マナ「霧島マナです」

サクラ「碇シンジ…もしかして……」

シンジ「そうなんだ。ごめんなさい、君をこんな目にあわせちゃって」

サクラ「いやいや、そないな事な言わないで下さい、碇さん」

サクラ「私は碇さんのこと恨んでまへん」

サクラ「それにお兄ちゃんもいつも言ってるんです。『シンジはいいやつや。せやから絶対にワシはあいつのことを見捨てへん』って」

シンジ「トウジがそんなことを…」

サクラ「お兄ちゃんには私がいったって言わんといて下さいよ」

シンジ「分かった。約束するよ」

403: 2013/07/12(金) 01:06:11




シンジ「思ったよりも元気そうだったね」

マナ「そうだね~」

マナ「それにすっごく可愛かったね!」

シンジ「うん。トウジの妹さんだなんて思えなかったよ」

マナ「あはは!同感だよ」

シンジ「また来よう、マナ」

マナ「うん!」

404: 2013/07/13(土) 02:21:55
ブーブーブーブー

放送「巡洋艦霧島、使徒を発見!使徒はネルフ本部に向けて進行中!!総員戦闘準備!総員戦闘準備!!」

マナ「えっ!?」

シンジ「使徒!!?」

マナ「ど、どうしよう…」

シンジ「とりあえず本部に戻ろうう!」

シンジ「走るよ、マナ!」

マナ「えっ!?」

シンジ「手を!」ギュッ

マナ「あっ…」

シンジ「行くよ!!」ダッ

405: 2013/07/13(土) 02:22:45




オペレータ「総員第一種戦闘配置、地対空迎撃戦用意」

冬月「目標は?」

青葉「現在、侵攻中です。駒ケ岳防衛線、突破されました!」

オペレータ「第1から18番装甲まで損壊!」

日向「18もある特殊装甲を、一瞬に?」

ミサト「エヴァの地上迎撃は間に合わないわ。弐号機をジオフロント内に配置、本部施設の直縁に廻して!」

ミサト「マナちゃんには目標がジオフロント内に侵入した瞬間を狙い撃ちさせて!」

ミサト「零号機は?」

マヤ「ATフィールド中和地点に、配置されています」

406: 2013/07/13(土) 02:23:25
ミサト「それだけじゃダメよ!零号機は弍号機の後方から援護射撃を!」

日向「了解!」

ミサト「あとは…初号機ね…」

リツコ「初号機には近接戦闘をさせることをオススメよ」

ミサト「どういうこと?」

リツコ「新兵器が完成したのよ」

ミサト「新兵器?」

リツコ「マゴロク・E・ソード」

ミサト「分かったわ。初号機は目標が地上に降りると同時に攻撃を開始して」

ミサト「みんな、今回の使徒はかなり手強いわ。だけどあなた達なら出来るって信じてる」

ミサト「あなた達のベストを尽くして」

シンジ・マナ・レイ「はい!」

日向「目標、ジオフロントに侵入して来ます!!」

ミサト「作戦開始!!」

407: 2013/07/14(日) 22:05:32
ゼルエル「」ズズズ

マナ「来た!!」ズガガガガガ

マナ「綾波さんも援護射撃お願い!」

レイ「了解」ズバババババババ

ゼルエル「………」

マナ「駄目!全く効いてない!」

マヤ「目標、地上に着陸しました!」

マナ「シンジ!お願い!」

シンジ「分かった!」ダッ

408: 2013/07/14(日) 22:06:14
シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!!」ザンッ

ゼルエル「」キンッ

リツコ「ATフィールド!?」

ミサト「こんなにもハッキリ見えるなんて…第5の使徒と同じ…いえ、それよりも……強い…」

シンジ「くっ………」

ゼルエル「………」スッ

マナ「逃げて!!シンジ!!!」

シンジ「!!?」バッ カスッ

シンジ「うわっ!!」

ミサト「マズイわね…近距離、中距離は勿論、遠距離攻撃も出来るなんて……」

409: 2013/07/14(日) 22:09:23
マナ「シンジ!近接戦闘は危険すぎるよ!!」

シンジ「でも僕が逃げたらマナや綾波が危険になる」

シンジ「だから僕は逃げない!」

シンジ「ATフィールド全開!!」

シンジ「ぐぅぅぅぅぅ!!!」

シンジ「あと……少し…」

ゼルエル「………」スッ

シンジ「えっ!?」

ゼルエル「………」ヒュン

マナ「シンジ!!!危ない!!!!」バッ

410: 2013/07/14(日) 22:11:54
弍号機「」

シンジ「マ………ナ?」

マヤ「弐号機の頭部が…」

ミサト「マナちゃん!!!」

ミサト「日向君!パイロットの状態は!?」

日向「弐号機の通信機能に以上発生!モニター出来ません!」

ミサト「何ですって!?」

シンジ「嘘だろ…マナ……返事をしてよマナ!」

シンジ「マナ!!!お願いだから返事をしてよ!!!」

弐号機「」

411: 2013/07/14(日) 22:12:26
シンジ「嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ!!!」

シンジ「マナが氏ぬなんてそんなの嘘だ!」

シンジ「僕の所為だ…僕の所為でマナは……」

ミサト「シンジ君!敵はまだ健在よ!早く体勢を…」

シンジ「…………はは…」

ミサト「シンジ…君?」

シンジ「あはははははははは!!!」

レイ「碇君…?」

412: 2013/07/14(日) 22:13:02
シンジ「はははは…はは……」

シンジ「………………」

シンジ「マナの……」

シンジ「マナのいない世界なんて………いらない!」

初号機「ウォォォォォォォォ!!!」

ミサト「一体何が!?」

マヤ「シンクロ率が!?」

ミサト「シンクロ率がどうしたの!?」

マヤ「シンクロ率が凄まじい勢いで上昇しています!!」

マヤ「100%突破!120…150……200……280……350………400!?」

マヤ「シンクロ率……400%…」

リツコ「ありえないわ!そんなことになったらパイロットは……」

ミサト「シンジ君はどうなるのよ!?」

リツコ「人の形を保っていられなくなる…」

ミサト「なっ!!?」

413: 2013/07/14(日) 22:13:57
初号機「ウォォォォォォォォ!!」ドンッ グシャ

ゼルエル「!!!!?」

初号機「」ドンッ グチュッ

ゼルエル「」

初号機「」グチュッ グチュッ グチュッ グチャッ ブチッ グシャ グシャ

ミサト「使徒を……喰ってる…」

リツコ「S2機関を自ら取り込んでいるというの!?エヴァ初号機が…」

マヤ「オエッ!!」ゲロロロロロ

初号機「」グチャッ グチャッ グチャッ グチャッ

初号機「」スタッ バリンッ

リツコ「拘束具が!?」

ミサト「拘束具?」

リツコ「そうよ。あれは装甲板ではないの。エヴァ本来の力を私たちが押え込むための拘束具なのよ」

リツコ「その呪縛が今、自らの力で解かれていく…私たちには、もうエヴァを止めることはできないわ…」

レイ「碇君…」

414: 2013/07/14(日) 22:15:08
司令室

加持「初号機の覚醒と開放。ゼーレが黙っちゃいませんな」

加持「これもシナリオの内ですか?碇司令」

冬月「始まったな」

ゲンドウ「ああ、全てはこれからだ…」

415: 2013/07/17(水) 00:43:19
数日後

ミサト「ケイジに拘束…大丈夫でしょうね」

日向「内部に熱、電子、電磁波ほか、化学エネルギー反応無し。S2機関は完全に停止しています」

ミサト「にもかかわらず、この初号機は3度も動いたわ」

ミサト「目視できる状況だけでは迂闊に触れないわよ」

日向「迂闊に手を出すと何をされるか分からない。葛城さんと同じですね」

ミサト「…」

日向「す、すみません…」

416: 2013/07/17(水) 00:44:04
司令室

加持「いやはや、この展開は予想外ですな」

加持「委員会、いえ、ゼーレの方にどう言い分けつけるつもりですか?」

冬月「初号機はわれわれの制御下ではなかった。これは不慮の事故だよ」

ゲンドウ「よって初号機は凍結。委員会の別命あるまでは…だ」

加持「適切な処置です。しかし、ご子息を取り込まれたままですが?」

ゲンドウ「………」

417: 2013/07/17(水) 00:45:58




マヤ「やはりだめです、エントリープラグ排出信号、受け付けません」

リツコ「予備と疑似信号は? 」

マヤ「拒絶されています。 直轄回路もつながりません」

マコト「プラグの映像回線つながりました。主モニターに廻します」

ミサト「何よ、これ!」

リツコ「これがシンクロ率400%の正体」

ミサト「そんな、シンジ君は一体どうなったのよ!」

リツコ「エヴァ初号機に取り込まれてしまったわ」

ミサト「何よそれ!エヴァって何なのよ!」

リツコ「人の作り出した、人に近いカタチをした物体、としか言いようがないわね」

418: 2013/07/17(水) 00:46:33
ミサト「人の作り出した?あの時南極で拾ったものをただコピーしただけじゃないの!オリジナルが聞いてあきれるわ!」

リツコ「ただのコピーとは違うわ。人の意思が込められているもの。」

ミサト「これも誰かの意志だって言うの?」

リツコ「あるいはエヴァの」

ミサト「!」

ミサト「何とかなさいよ!あんたが作ったんでしょう!?最後まで責任取りなさいよ!!」

419: 2013/07/17(水) 00:49:36
ミサト「シンジ君のサルベージ計画?」

リツコ「そう。シンジ君の生命と言うべき物は、まだ存在しているわ」

ミサト「今度は人命尊重?」

リツコ「今はシンジ君を失うわけにはいかないのよ」

ミサト「どーだか。ネルフがほしいのは彼の命ではなく、道具としての初号機でしょ?」

リツコ「否定はしないわ」

420: 2013/07/17(水) 00:50:23
マヤ「シンジ君の肉体は、自我境界線を失って、量子状態のまま、エントリープラグ内を漂っていると推測されます」

ミサト「つまりシンジ君は私たちの目では確認できない状態に変化していると?」

マヤ「そうです。プラグの中のL.C.L.成分は、化学変化を起こし、現在は原始地球の海水に酷似しています」

ミサト「生命のスープか」

リツコ「シンジ君を構成していた物質は、すべてプラグ内に保存されているし、魂と言うべき物もそこに存在している」

リツコ「現に彼の自我イメージが、プラグスーツを擬似的に実体化させているわ」

マヤ「つまりサルベージとは、彼の肉体を再構成して精神を定着させる作業です」

ミサト「そんな事できるの?」

リツコ「MAGIのサポートがあれば」

ミサト「理論上は、でしょ?何事も、やってみなくちゃ分からないわよ」

421: 2013/07/17(水) 00:51:55
葛城宅

ミサト「ただいま…」

ミサト「…………」

ミサト「誰も…いないのよね……」

ミサト「シンジ君は初号機に取りこまれてしまった…マナちゃんはシンジ君を助けて昏睡状態……いつ意識が戻るのかも分からない……」

ミサト「全部……全部私の所為だわ!」

ミサト「ごめんね…ごめんね……マナちゃん…シンジ君…」

ミサト「本来、危険なことをするのは大人で子供にやらせるのは間違ってるのに…」

ミサト「保護者……失格ね…私……」

422: 2013/07/19(金) 00:09:33
シンジ「なんだ、これ?どこだ、ここ?エントリープラグ?初号機の?でも誰もいない。僕もいない」

シンジ「なんだこれ、何だこれ、何だこれ?よくわかんないや…」

シンジ「この人達…そう、僕の知っている人たち、僕を知っている人たち。」

シンジ「そうか、みんな僕の世界なんだ」

シンジ「これは?僕の世界のはずなのに、よく分からない、外からのイメージ、嫌なイメージ」

シンジ「そうだ、敵だ!」

シンジ「てき、てき、teki、敵!使徒と呼ばれ天使の名を冠する僕らの敵!」

シンジ「エヴァの…そしてネルフの目標…ミサトさんのお父さんの仇…」

シンジ「なんで僕が戦うんだろう…こんな目に遭ってまで…」

シンジ「マナを失ってまで…」

シンジ「もう嫌だ…もう戦いなくない…」

423: 2013/07/19(金) 00:10:59
アナウンス「現在、LCLの温度は36を維持、酸素密度に問題なし」

アナウンス「放射電磁パルス異常無し。波形パターンはB」

アナウンス「各計測装置は正常に作動中」

マヤ「サルベージ計画の要綱、たった一ヶ月でできるなんて、さっすが先輩ですね!」

リツコ「残念ながら原案は私じゃないわ。10年前に実験済みのデータなのよ」

マヤ「そんなことあったんですか?エヴァの開発中に?」

リツコ「まだここに入る前の出来事よ。母さんが立ち会ったらしいけど、私はデータしか知らないわ」

マヤ「その時の結果は、どうだったんですか?」

リツコ「失敗したらしいわ」

424: 2013/07/19(金) 00:13:24



オペレータ「全探査針、打ち込み終了」

オペレータ「電磁波形、ゼロマイナス3で固定されています」

マヤ「自我境界パルス、接続完了」

リツコ「了解、サルベージ、スタート」

日向「了解、第1信号を送ります」

青葉「エヴァ、信号を受信。拒絶反応無し」

マヤ「続けて、第2、第3信号送信開始」

オペレータ「対象カテクシス異常無し」

オペレータ「デストルドー、認められません」

リツコ「了解、対象をステージ2へ移行」

ミサト「…シンジ君!」

425: 2013/07/19(金) 00:15:29
マヤ「駄目です!自我境界がループ上に固定されています!」

リツコ「全波形域を全方位で照射してみて!」

リツコ「だめだわ…発信信号がクライン空間に捕われている…」

ミサト「どういう事?」

リツコ「つまり、失敗…」

ミサト「えっ…!?」

リツコ「干渉中止、タンジェントグラフを逆転、加算数値をゼロに戻して」

青葉「Qエリアにデストルドー反応、パターンセピア」

オペレータ「…に変化無し、水温、上がります!…38、41、58、79、97、160!」

日向「コアパルスにも変化が見られます!プラス0.3を確認!」

リツコ「現状維持を最優先、逆流を防いで!」

マヤ「はい!」

オペレータ「体内アポトーシス作業、予定数値オーバー、危険域に入ります!」

マヤ「変です、塞き止められません!」

リツコ「これは…なぜ…帰りたくないの!?シンジ君…」

426: 2013/07/19(金) 00:16:15
マヤ「エヴァ、信号を拒絶!」

青葉「LCLの自己フォーメーションが分解していきます!」

日向「プラグ内、圧力上昇!」

リツコ「現作業中止、電源落として!」

マヤ「だめです、プラグがイクジットされます!」

ミサト「シンジ君!!!」

427: 2013/07/19(金) 00:17:12

















428: 2013/07/20(土) 00:02:26
マナ「ねえ、シンジくん」

シンジ「どうしたの?」

マナ「文化祭の出し物なんだけどさ、私と一緒にライブやらない?」

シンジ「えっ?ライブ!?」

マナ「そう。私が歌ってシンジくんが伴奏するの!」

シンジ「え、どうしよう…」

アスカ「ダメよ!!なんでシンジがあんたなんかと!」

マナ「別にアスカさんには関係ないもん。ねえ、シンジくん?」

シンジ「うえ!?」

アスカ「はっきりと断りなさいよバカシンジ!」

シンジ「いや、でも…」

レイ「私も…」

アスカ「何?」

レイ「私も碇くんとライブやりたい」

429: 2013/07/20(土) 00:05:53
マナ「なっ…」

シンジ「いいんじゃないかな?多分そっちの方が楽しそうだし」

シンジ「どうかな?霧島さん?」

マナ「う、うん…」

シンジ「それじゃあ綾波も…」

アスカ「私もやるわ!」

シンジ「アスカ!?」

アスカ「私も出るわ」

シンジ「そ、そう?」

アスカ「じゃあ私がボーカルね」

マナ「それは私の役目だよ!」

アスカ「むぅ……!」

マナ「むっ!!」

シンジ「二人とも喧嘩はやめてよ!」

レイ「………」オロオロ

430: 2013/07/20(土) 00:07:43




シンジ「アスカがギターボーカル、綾波がベース、霧島さんがドラムで僕がキーボード。これでいいよね?」

アスカ「私はそれでいいわよ!」

マナ「うう…」

レイ「うん」

シンジ「それじゃあ、曲は…」

マナ「洋楽がいい!」

シンジ「洋楽って言っても色々あると…」

431: 2013/07/20(土) 00:08:14
マナ「ジャネット・ジャクソン!」

シンジ「名前は知ってるけど、曲は聞いたことないな…」

マナ「今度CDを貸してあげるよ!」

シンジ「あ、ありがと」

アスカ「駄目よ!そんな甘っちょろいジャンルなんて!」

シンジ「えっと…アスカは何がいいの?」

アスカ「ジャーマン!」

シンジ「え?」

アスカ「ジャーマンメタルに決まってるじゃない!」

アスカ「だからハロウィンやマスタープランをやるわよ!」

432: 2013/07/20(土) 00:12:23
シンジ「ちょっと待ってアスカ!流石にそれは無理だって!」

アスカ「何でよ!!」

シンジ「技術的な問題だよ!」

アスカ「あっ…!」

シンジ「演奏技術のことは忘れてたでしょ」

アスカ「………」

シンジ「はあ……」

433: 2013/07/20(土) 00:12:55
シンジ「綾波はどう?」

レイ「私!?」

シンジ「うん。綾波はやりたいジャンルとかある?」

レイ「えっと……………」

レイ「………………………………林原めぐみ…………」ボソッ

マナ「!?」ビクッ

シンジ「綾波は林原めぐみか…」

レイ「えっ!?」ビクッ

シンジ「ど、どうしたの?」

レイ「な、何でもない…」

シンジ「そう?」

435: 2013/07/30(火) 22:09:07
マナ「それじゃあ、明日から練習しようよ!」

シンジ「そうだね。あんまり時間が無いから早い方がいいよ」

シンジ「アスカと綾波はそれでいい?」

アスカ「別にいいわよ」

綾波「うん」

マナ「それじゃあ決定!」

マナ「じゃあ、明日は先生連れて来るから」

シンジ「先生?誰?」

マナ「ひ・み・つ」

アスカ「もったいぶらないで教えなさいよ」

マナ「明日になれば分かるよ!」

436: 2013/07/30(火) 22:10:30
翌日

マナ「お待たせ~」

アスカ「遅いわよ!で、誰なの?先生って」

マナ「そんなに焦ってもいいことないよ?」

アスカ「あんたが遅刻してくるのが悪いのよ!」

シンジ「まあまあ、アスカ落ち着いて」

マナ「私を護ってくれてありがとうシンジくん!」ギュッ

アスカ「どさくさに紛れてなにやってるのよ!」

マナ「いいじゃない、減るもんじゃないし~」

アスカ「バカシンジもヘラヘラしてんじゃないわよ!!」

シンジ「そんなことないよ!!」

シンジ「そんなことよりも霧島さん、先生って人を呼んでよ」

マナ「はーい」

マナ「入って下さい!」

青葉「やあ」

437: 2013/07/30(火) 22:11:34
アスカ「誰だっけ、こいつ」

シンジ「青葉先生だよ!」

アスカ「ああ、そんなのもいたわね」

シンジ「失礼だよアスカ!すみません青葉先生」

青葉「ははは、別にいいよ。気にしてないから」

シンジ「でも、どうして青葉先生が?」

マナ「ギターやベースが上手いんだよ。だから来てもらったの。惣流さんも綾波さんもギターやベースやったことないでしょ?」

シンジ「でも霧島さんは?一人で出来るの?」

ドカドカドカドカドカドカシャーン

マナ「どう?」ニコッ

シンジ「す、凄い…」

438: 2013/07/30(火) 22:12:48
マナ「じゃあシンジくんは私が一緒に練習するから青葉先生は惣流さんと綾波さんに教えてあげて下さい!」

青葉「分かったよ」

アスカ「なんでマナがシンジと一緒なのよ!?」

マナ「だって惣流さんと綾波さんはギターとベース初めてだから青葉さんの補助が必要でしょ?」

アスカ「でも!」

シンジ「まあまあ、落ち着いてアスカ」

アスカ「うるさい!!」

シンジ「ごめん…」シュン

439: 2013/07/30(火) 22:13:40
マナ「じゃあシンジくんは私が一緒に練習するから青葉先生は惣流さんと綾波さんに教えてあげて下さい!」

青葉「分かったよ」

アスカ「なんでマナがシンジと一緒なのよ!?」

マナ「だって惣流さんと綾波さんはギターとベース初めてだから青葉さんの補助が必要でしょ?」

アスカ「でも!」

シンジ「まあまあ、落ち着いてアスカ」

アスカ「うるさい!!」

シンジ「ごめん…」シュン

442: 2013/07/30(火) 22:17:36
文化祭前日

アスカ「えぇ~!?何よこれぇ!!」

ケンスケ「フフフフフ…」

レイ「……………」

トウジ「クククククク」

マナ「これカワイイね!」

アスカ「なんで私たちがこんなのを着ないといけないのよ!」

ケンスケ「言ったろ、うちのクラスはコスプレ喫茶だって」ニヤニヤ

443: 2013/07/30(火) 22:18:55
シンジ「でも流石にこれは…」

トウジ「おっとシンジ。シンジにも衣装があるで」

シンジ「はい!?」

ケンスケ「シンジにはうちの制服を着てもらう」

シンジ「な、何を言って…」

ケンスケ「つまりは……女装さ…」

シンジ「!?」

ケンスケ「誰かシンジに制服を貸してあげてくれないか?」

マナ「は~い!私の貸してあげるよ!」

シンジ「で、でも!!」

ケンスケ「サンキュー霧島。ほらシンジ、行くぞ」

シンジ「…………」

444: 2013/07/30(火) 22:25:01




ケンスケ「お待たせ」

クラスメイト「おおっ!!!」

シンジ「……………」

アスカ「に、似合ってるわね…」

レイ「碇くん…」

マナ「私の服ピッタリだ!!」

ヒカリ「碇くん…可愛い…」

トウジ「ウワッハハハハハ、ゲホッ…ウワッハハハハハ」

シンジ「明日……文化祭出たくない…」

445: 2013/07/30(火) 22:26:08
翌日


アスカ「シンジ!こっち手伝いなさいよ!!」

シンジ「わ、分かったよアスカ」

レイ「いらっしゃいませ~」

ヒカリ「碇君!こっちもお願い!!」

シンジ「は、はい~!!」

ケンスケ「凄えな、シンジの奴。人気NO.1だ…」

トウジ「あぁ…」

446: 2013/07/30(火) 22:27:21
ガラガラ

シンジ「いらっしゃいませ~」

ゲンドウ「ユイ!?」

シンジ「えっ!?」

シンジ「ど、どうして父さんが…」

ユイ「ほら貴方!突っ立ってないで中に入って下さい!」

ゲンドウ「あ、あぁ…」

ユイ「ちゃんと頑張ってるわねシンジ」

シンジ「母さん!」

ユイ「よく似合ってるわよシンジ」

シンジ「や、やめてよ!!」

ユイ「ふふふ…」

ユイ「じゃあ、アイスコーヒー一つと温かい紅茶を一ついただこうかしら」

シンジ「う、うん」

ゲンドウ「ユイが……ユイが二人…」ブツブツ

447: 2013/07/30(火) 22:28:38




シンジ「そろそろ交代の時間だね」

アスカ「そうね、終わったらライブの準備をしないと…」

マナ「大変!!」ガタン

シンジ「ど、どうしたの?霧島さん」

マナ「ライブの時間が早まることになったの!!」

シンジ「えっ!?」

マナ「前の発表がキャンセルになっちゃって…」

アスカ「うそ…」

シンジ「あとどれくらい余裕が?」

マナ「あと5分…」

アスカ「5分!?着替える暇すらないじゃない!!」

マナ「そうなの!だからもうこのまま行くしか…」

シンジ「分かった。行こう」

448: 2013/07/30(火) 22:30:09
係員「来た!早く入場して下さい!!」

マナ「ありがとうございます!」

シンジ「行くよ、みんな」

レイ「ええ」

アスカ「あんたたち、つまらないミスなんてするんじゃないわよ」

マナ「うん。じゃあ行こう」スッ

観客「ワアアアアアアア」







449: 2013/07/30(火) 23:46:17
シンジ「こんな可能性もあったのか…」

シンジ「使途に脅かされずに、みんなが幸せに過ごす平和な世界」

シンジ「そしてマナもアスカも氏んでいない」

シンジ「もしもここに居続けたら
僕は幸せになれるんだろう」

シンジ「だけど……」

シンジ「ここは僕の生きるべき世界じゃない!」

シンジ「僕はあの血生臭い世界で生きていくんだ!」

シンジ「もしかしたらマナは生きていないかもしれない」

シンジ「でも…でも僕は元の世界に戻る!!」

450: 2013/07/30(火) 23:46:57
??「それで貴方はいいの?」

シンジ「うん!」

??「本当に大丈夫なの?」

シンジ「うん。大丈夫」

??「そう…なら……頑張ってね…」

シンジ「うん…ありがとう…」

シンジ「ありがとう…母さん」

ユイ「………」ニコッ





マナ「……シンジ…………」




451: 2013/07/30(火) 23:48:33
ミサト「人一人、人一人助けられなくて、何が科学よ…」

ミサト「シンジ君を返して…返してよ!」

ミサト「うぅ……」

ドサッ

ミサト「!?」バッ

ミサト「シンジ君!!」

マヤ「はい、はい。えっ!?」

リツコ「どうしたの?マヤ」

マヤ「マナちゃんの意識がたった今戻ったとのことです!!」

リツコ「何ですって!?」

ミサト「良かった…シンジ君…マナちゃん…」グスッ

452: 2013/07/30(火) 23:49:39




カーラジオ「そりゃ分かるんだけど、オーラルステージの…心理学者が…つまり、母親といつまでも一緒にいたがる… いつも何かに頼って生きているのね。そういう奴が私の知り合いにもいてさ、良く似てるんだよね、そいつと」

リツコ「初号機の修復、明後日には完了するわ」

ミサト「結局、神様の力まで道具として使っちゃうのね、人間って奴は」

リツコ「どうかしら。委員会では凍結案も出ているそうよ」

ミサト「人造人間エヴァンゲリオン。人が作ったにしては、未知のブラックボックスが大きすぎない?」

リツコ「…」

ミサト「ま、結果としてシンジ君が助かったからいいけどさ。」

リツコ「私の力じゃないわ、あなたの力ね、多分…どぉ?久しぶりに飲んでかない?」

ミサト「ん、ごめん!今日は、ちょっち、ね…」

リツコ「そう…」

453: 2013/07/30(火) 23:51:05
病院

シンジ「んっ………」パチッ

シンジ「………」チラッ

マナ「…………」スウスウ

シンジ「良かった………やっぱり生きててくれたんだね…マナ……」

マナ「……シンジの声が…聞こえたんだ…」

シンジ「起きてたの?」

マナ「うん。ちょっと前からね…」

マナ「私ね、意識を失っていた間、夢を見てたの。アスカがいて、綾波さんがいて、みんながいて、そして…シンジがいる平和な…平和な世界…」

マナ「凄く居心地のいい世界だった…」

マナ「だけどね、シンジの声が聞こえたんだ…私の名前を呼ぶシンジの声が……」

マナ「それを聞いて私、戻ってくることが出来たんだ…不思議だよね…」

シンジ「うん…本当に…不思議だね……」

シンジ「それとね…ありがとう……マナ…」

マナ「うん…」

454: 2013/07/31(水) 20:28:01
数日後

ミサト「拉致されたって、副指令が!?」

諜報部員「今より2時間前です。西の第8管区を最後に、消息を絶っています」

ミサト「うちの署内じゃない。あなたたち諜報部は何やってたの!?」

諜報部員「身内に内報、および先導したものがいます。その人物に裏をかかれました」

ミサト「諜報2課を煙に巻ける奴?…まさか!」

諜報部員「加持リョウジ。この事件の首謀者と目される人物です」

ミサト「で、私のところにきたわけね」

諜報部員「ご理解が早く、助かります。作戦課長を疑うのは、同じ職場の人間として心苦しいのですが、これも仕事ですので」

ミサト「彼と私の経歴を考えれば、当然の処置でしょうね」

諜報部員「ご協力感謝します。お連れしろ」

455: 2013/07/31(水) 20:28:38




冬月「久しぶりです、キール議長。まったく手荒な歓迎ですな」

キール「非礼を詫びる必要はない。君とゆっくり話をするためには、当然の処置だ」

冬月「相変わらずですねぇ、私の都合は関係無しですか」

ゼーレ「議題としている問題が急務なのでね。やむなくの処置だ」

ゼーレ「分かってくれたまえ」

冬月「委員会ではなく、ゼーレのお出ましとは」

ゼーレ「われわれは、新たな神を作るつもりはないのだ!」

ゼーレ「ご協力を願いますよ、冬月先生」

456: 2013/07/31(水) 20:30:24




ガチャン

冬月「君か…」

加持「ご無沙汰です。外の見張りには、しばらく眠ってもらいました」

冬月「この行動は、君の命取りになるぞ」

加持「真実に近づきたいだけなんです。僕の中のね」

457: 2013/07/31(水) 20:31:13
独房

諜報部員「ご協力、ありがとうございました」

ミサト「もういいの?」

諜報部員「はい、問題は解決しましたから」

ミサト「そう…彼は?」

諜報部員「存じません」

458: 2013/07/31(水) 20:32:19
某所

加持「………」

加持「よぅ、遅かったじゃないか…」

ズバン

459: 2013/07/31(水) 20:33:23




ミサト「ただいま…」

シンジ「………」

マナ「………ミサトさん……」ポロポロ

ミサト「!?」ピッ

加持「葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。すまない。リッちゃんにもすまないと謝っておいてくれ」

加持「あと、迷惑ついでに俺の育てていた花がある。俺の代わりに水をやってくれると嬉しい。場所はシンジ君が知ってる」

加持「葛城、真実は君とともにある。迷わず進んでくれ。もし、もう一度会える事があったら、8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃ」

電話「午後、0時2分です。」

ミサト「バカ…あんた、ほんとにバカよ…」

ミサト「うっ……うぅ………」グスッ

460: 2013/08/02(金) 00:40:55
数日後

マヤ「やっと弐号機の修復も終わりますね」

リツコ「ええ。そうね」

マヤ「これでエヴァは3機とも駆動可能になりますね」

リツコ「ええ、“3機”は動かすことは出来るわね」

マヤ「?」

青葉「しかし、初号機は凍結命令が…」

リツコ「ええ、そうよ。だから初号機は動かせないわね」

マヤ「あとは、マナちゃん次第ですね。まだあれから全快はしていないわけですから…」

リツコ「そうね…あの子にはまだ戦闘は無理かもしれないわね」

マヤ「となると、実際に戦えるのは零号機だけですか。厳しいですね」

リツコ「………」

マヤ「先輩?」

リツコ「何でもないわ。マヤ、シンクロテストの準備を手伝って」

マヤ「はい!」

461: 2013/08/02(金) 00:41:30
アナウンス「零号機の形態形成ミサト「…あのアダムより生まれし物、エヴァシリーズ」

ミサト「セカンドインパクトを引き起こした原因たるものまで流用しなければ、私たちは使徒に勝てない」

ミサト「逆に生きるためには、自分たちを滅ぼそうとしたものをも利用する」

ミサト「それが人間なのね…」

ミサト「やはり私はエヴァを憎んでいるのかもしれない。父の仇か…」

日向「葛城さん!」

462: 2013/08/02(金) 00:42:48
ミサト「エヴァ拾参号機までの建造開始!?世界7個所で?」

マコト「上海経由の情報です。ソースに信頼は置けます」

ミサト「なぜこの時期に量産を急ぐの?」

マコト「エヴァを過去に2機失い、現在は事実上2機が戦闘不可能ですからね。第2次整備に向けて予備戦力の増強を急いでいるのでは?」

ミサト「どうかしら…ここにしてもドイツで建造中の伍&陸号機のパーツを廻してもらってるのよ。最近、ずいぶんと金が動いてるわね」

マコト「ここに来て、予算倍増ですからね。それだけ上も、せっぱ詰まってる、って事でしょうか?」

ミサト「委員会の焦りらしきものを感じるわね」

マコト「では、今までのような単独ではなく、使徒の複数同時展開のケースを設定したものでしょうか?」

ミサト「そうね…でも、非公式に行う理由がないわ。何か別の目的があるのよ…」

463: 2013/08/03(土) 02:49:25
ミサト「ただいま~」

シンジ「あ、お帰りなさい。ミサトさん」

マナ「今日は早かったですね。あと少しでご飯できますから」

ミサト「そっか。ありがと」

マナ「あっ、それ取って~」

シンジ「どうぞ」

マナ「ありがと~」

シンジ「ふふふ」

マナ「どうしたの?突然笑っちゃって」

シンジ「マナの鼻の頭、小麦粉で白くなっちゃってるよ」

マナ「わっ!?も~早くいってよぉ~」ニコニコ

シンジ「あはははは」ニコニコ

ミサト(この子達はどんなに苦しくても二人でニコニコしてる……二人を引き離す訳にはいかないわ…)

マナ「どうしたんですか?ミサトさん」

ミサト「えっ、いや、何でもないわよ」

464: 2013/08/03(土) 02:52:06


マヤ「マナちゃんのシンクロ率、最近低いですね…」

ミサト「あんなことがあったのだもの。仕方がないわ。今彼女に必要なものは心の休養よ」

リツコ「貴女にしては優しいわね」

ミサト「どういうことよ…リツコ」

リツコ「言葉の通りに取ってもらって結構よ。貴女、普段は人命無視するのが当たり前じゃない」

ミサト「そんなことないわよ!私は…」

リツコ「浅間山でのマグマダイブ」

ミサト「うっ………」

リツコ「第10使徒…」

ミサト「…………」

リツコ「何か反論はあるのかしら?」

ミサト「ごめんなさい…」

リツコ「分かればいいわ」

マヤ「先輩…怖いです…」

466: 2013/08/03(土) 02:54:16
女子トイレ

ジャー

マナ「うっ………」

マナ「はあ………」キュッ

マナ「今回はちょっとキツかったな…」

マナ「でも………」キュッ

マナ「これはシンジと子供を作るためにはしょうがないんだよね」

マナ「私、いつシンジとああいうことするのかな~」

マナ「シンジってばそういうことに関しては奥手だからまだ先なのかな?」

マナ「でも、私が迫れば………」

マナ「ううん。シンジから望んでくれるまでは我慢しなきゃ」

マナ「………」

マナ「よし、シンジのところに戻らなくちゃ」

マナ「シンジ、何処にいるのかな~?」スタスタ

467: 2013/08/04(日) 01:59:03
エレベーター

マナ「あっ、綾波さん!」

レイ「………」

マナ「………」

マナ「綾波さんってさ…」

レイ「何?」

マナ「シンジのこと、好きなんだよね?」

レイ「好き?私が?碇くんを?」

マナ「うん。どうなの?」

レイ「分からないわ。好きって気持ちが分からない」

マナ「そう?じゃあさ、シンジと一緒にいるとどう思う?」

レイ「碇くんと………」

レイ「碇くんと一緒にいるとポカポカする……」

マナ「それってね、綾波さん」

マナ「好きってことじゃないかな?」

468: 2013/08/04(日) 02:02:27

レイ「これが好きって気持ちなの?」

マナ「うん。やっぱり綾波さんは人形なんかじゃないね。ちょっと鈍感だけど」

レイ「鈍感?意味が分からないわ」

マナ「鈍感だよ。だってシンジ、綾波さんのことも好きだと思うもん」

レイ「そうなの?」

マナ「そうだよ。これが女として好きなのか、その他の好きなのかは分からないよ。だけど、絶対に好きなんだと思う」

レイ「そう………」

マナ「だけど、私もシンジの事が好きだから綾波さんに渡したくはない。これも事実なんだ」

マナ「だからさ…」

マナ「お互いがんばろ?」

469: 2013/08/04(日) 02:03:15
レイ「どうして私にそんなこと言うの?」

マナ「なんかね、フェアじゃないと思ったの」

レイ「?」

マナ「だってライバルとは言っても、それ以前に友達だもん」

レイ「友達………」

マナ「そう、友達。だから私は綾波さんにこんなことを話したんだよ?」

レイ「…ありがと……」

マナ「うん!!」

470: 2013/08/04(日) 02:05:25
マナ「でもね、シンジは絶対に譲れない。それはごめんね」

レイ「いい。私達には絆があるから」

マナ「絆?」

レイ「そう…絆……」

マナ「そうだね。私達は絆で結ばれているのかもね」

マナ「私ね、綾波さんの事も大好きだからね!」

綾波「………」

マナ「忘れないでね。綾波さんがいなくなったら私、凄く悲しいからね?」

綾波「ええ。忘れないわ…」

マナ「えへへ!綾波さん、凄くいいこだね!!」ギュー

471: 2013/08/04(日) 02:06:01
レイ「ヒャッ!?」

マナ「あ!可愛い声~」

レイ「………」ジロッ

マナ「そうそう!綾波さんはもっと顔に感情を出した方がいいって!その方が絶対可愛いよ!」

レイ「……考えておくわ…」

マナ「絶対だよ!」チンッ

マナ「あ、私この階だから降りるね!また明日学校でね、レイちゃん!」

レイ「………」

レイ「絆……友達……」

472: 2013/08/05(月) 01:00:32
青葉「使徒を映像で確認、最大望遠です!」

日向「衛星軌道から動きませんねぇ」

青葉「ここからは、一定距離を保っています」

ミサト「てことは、降下接近の機会をうかがっているのか、その必要もなくここを破壊できるのか…」

日向「こりゃ迂闊に動けませんね」

ミサト「どの道目標がこちらの射程距離内にまで近づいてくれないと、どうにもならないわ。エヴァには衛星軌道の敵は、迎撃できないもの」

ミサト「レイは?」

マヤ「零号機共に順調。行けます!」

ミサト「了解、零号機発進、超長距離射撃用意!」

ミサト「バックアップは………」

リツコ「初号機はもちろん弐号機も無理よ。パイロットの状態が良くないわ」

ミサト「………そうね…しょうがない…ここは零号機だけで…」

473: 2013/08/05(月) 01:01:11
ゲンドウ「待て」

ミサト「碇指令!?しかし、他に出撃出来る機体が…」

ゲンドウ「アレを使う」

冬月「アレ…?まさかあいつを使う気か!?」

冬月「老人共が黙ってないぞ碇!」

ゲンドウ「今は使徒迎撃が優先だ。老人共も文句は言えまい…」

冬月「分かった…私からは何もないよ」

474: 2013/08/05(月) 01:01:57
ミサト「指令?」

ゲンドウ「参号機をダミープログラムで起動。その後ロンギヌスの槍を使って使徒を迎撃させる」

ミサト「し、しかし参号機は破棄したはずでは………」

リツコ「秘密裏に復元したのよ。幸い重要なパーツの損傷は少なかったわ。だから弐号機の修復という名目で伍、陸号機のパーツを回して貰って修復していたのよ」

ミサト「貴女も知っていたのね…」

リツコ「ええ」

ミサト「…………」

ミサト「分かりました。では、作戦を決行します」

475: 2013/08/05(月) 01:03:27
マナ「え?私達、出なくていいの?」

シンジ「でも、そしたら誰が使徒と戦うの?」

レイ「ダミープログラム」

マナ「それって何?聞いたことないよ」

シンジ「それって大丈夫なの?」

レイ「ええ」

シンジ「そうなんだ…」

レイ「私は待機だから行くわ。碇くんたちはここにいて」

シンジ「綾波は戦うの?」

レイ「いえ。あくまでも待機だから」

シンジ「うん。それじゃあ、また後でね、綾波」

レイ「ええ」

476: 2013/08/05(月) 01:04:41
マヤ「参号機、地上に出ます」

ミサト「…………」

参号機「」ガシャン

ミサト「目標の動きは?」

マヤ「依然動きは…えっ!?」

アラエル「」ピカー

ミサト「どうしたの!?」

マヤ「目標、何かを参号機に向かって発射!」

ミサト「敵の指向性兵器なの?」

青葉「いえ、熱エネルギー反応無し」

ミサト「参号機に異常は?」

マヤ「全くありません」

ミサト「じゃあ、この光は一体…」

477: 2013/08/05(月) 01:05:18
青葉「参号機、投擲体制!」

日向「目標確認、誤差修正よし!」

マヤ「カウントダウン入ります、10秒前、8、7、6、5、4、3、2、1、ゼロ!」

参号機「………」ビュン

アラエル「」バシュン

青葉「目標、消滅」

冬月「ロンギヌスの槍は!?」

日向「第一宇宙速度を突破、現在、月軌道に移行しています」

冬月「回収は不可能に近いな…」

日向「はい、あの質量を持ち帰る手段は、今のところ、ありません」

478: 2013/08/05(月) 07:02:55
シンジ「綾波!!」

マナ「レイちゃん!!」

レイ「何?」

シンジ「使徒はどうなったの?」

マナ「被害はあるの?」

レイ「使徒は消滅したわ。そして被害もない」

シンジ・マナ「よかった~」

マナ「そうだ!レイちゃん!一緒に御飯食べに行こうよ!私、緊張が解けたらお腹減ってきちゃった」

シンジ「そうだね。僕も少しお腹減ったかな」

レイ「…………うん」

マナ「やった!!ほら、行こ?レイちゃん!」ギュッ

レイ「あっ!?」

マナ「どうしたの?」

レイ「何でもないわ」

レイ「………ポカポカする…」ボソッ

479: 2013/08/06(火) 02:03:44
数日後

加持「葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。すまない。リッちゃんにもすまないと謝っておいてくれ」

加持「あと、迷惑ついでに俺の育てていた花がある。俺の代わりに水をやっといてくれると嬉しい。場所はシンジ君が知ってる」

加持「葛城、真実は君とともにある。迷わず進んでくれ。もし、もう一度会える事があったら、8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃ…」プープープー

ミサト「鳴らない、電話…か…」

480: 2013/08/06(火) 02:04:16
学校

シンジ・マナ「おはよう、みんな」

トウジ「おおシンジ、霧島」

ヒカリ「おはよう、二人とも」

ケンスケ「相変わらずだな、シンジたちは」

レイ「おはよう、碇くん。霧島さん」

マナ「あ、おはよう!レイちゃん!」

ケンスケ「そしてあの綾波の態度が柔らかくなった」

ケンスケ「ちょっと前じゃ考えられないよ」

ヒカリ「ほら、席について。ト……鈴原」

トウジ「しゃあないなぁ」ストン

ケンスケ「…………」ポロポロ

ケンスケ「これは涙……泣いているのは僕…?」

481: 2013/08/07(水) 02:02:43
トウジ「それにしても、人が減ったのお」

ヒカリ「もう前の半分くらいになっちゃったもんね…」

ケンスケ「疎開だっけ?まあ確かにこの街は危ないけどさ…それにしても転校しすぎだよな」

マナ「うん…なんか…さみしいな……」

シンジ「大丈夫だよマナ。この戦いが終わればみんな戻ってくるよ」

マナ「うん…そうだよね。だから早く私達がこの戦いを終わらせないとね」

シンジ「そうだよ。そして平和な世界で幸せになるんだ」

マナ「平和な世界か~。楽しみだな~」

シンジ「僕も、だよ。マナと生きる平和な世界がね」

マナ「シンジ…」

トウジ「お熱いのぉ、シンジ」ニヤニヤ

ヒカリ「こ、こんなところでキスなんかしちゃ駄目なんだからね!!」

マナ「流石にそこまで非常識じゃないもん!」

482: 2013/08/07(水) 02:03:32
放課後

シンジ「ねぇ、マナ」

マナ「なあに?」

シンジ「あとどれくらいでこの戦いは終わるんだろう?こんなこと誰も分かるはずがないけど…」

マナ「私ね、最近思うんだ。あともう少しで終わるって」

シンジ「あと少し?」

マナ「うん。確証は無いんだけどね。なんとなくそんな気がする」

シンジ「ふふ、僕もそんな気がしてきたよ」

シンジ「早くこんな戦いなんて終わればいいね」

マナ「うん!」

マナ「でも、もしもこのままでもシンジが隣に居てくれれば私は生きていける」

マナ「私にとってシンジの隣が楽園なんだから」ギュー

483: 2013/08/07(水) 02:04:09
某所

ゼーレ「ロンギヌスの槍、回収はわれらの手では不可能だよ」

ゼーレ「なぜ使用した」

ゼーレ「エヴァシリーズ。まだ予定には揃っていないのだぞ」

ゲンドウ「使徒殲滅を優先させました。やむを得ない事情です」

ゼーレ「やむを得ないか。言い訳にはもっと説得力を持たせたまえ」

ゼーレ「最近の君の行動には、目に余るものがあるな」

ゲンドウ「冬月、審議中だぞ!」

ゲンドウ「…分かった」

ゲンドウ「使徒が現在接近中です。続きはまた後ほど」

ゼーレ「その時君の席が残っていたらな」

キール「碇、ゼーレを裏切る気か?」

484: 2013/08/07(水) 02:06:16
ミサト「あと15分でそっちに着くわ」

ミサト「参号機の発信準備を…何?まだ調整中?急いで!」

ミサト「しょうがないわ。零号機を32番から地上に射出、弐号機はバックアップに廻して」

ミサト「そう、初号機は碇司令の指示に。私の権限じゃ凍結解除はできないわよ。じゃあ」プチッ

アルミサヘル「」

ミサト「使徒を肉眼で確認…か…」

485: 2013/08/07(水) 02:07:23
15分後

青葉「目標は、大涌谷上空にて滞空。定点回転を続けています」

日向「目標のATフィールドは依然健在」

ウィーン

リツコ「何やってたの?」

ミサト「言い訳はしないわ、状況は!?」

青葉「膠着状態が続いています」

日向「パターン青からオレンジへ、周期的に変化しています!」

ミサト「どういう事?」

マヤ「MAGIは回答不能を提示しています!」

青葉「答えを導くには、データ不足ですね」

リツコ「ただあの形が固定形態でない事は確かだわ」

ミサト「先に手は出せないか…」

486: 2013/08/07(水) 02:07:54
ミサト「レイ、しばらく様子を見るわよ」

レイ「いえ、来るわ!」

アルミサヘル「………」ヒュン

ミサト「レイ、応戦して!」

日向「駄目です、間に合いません!」

零号機「」ガンッ

レイ「うっ…」

青葉「目標、零号機と物理的接触!」

ミサト「零号機のATフィールドは!?」

マヤ「展開中、しかし、使徒に侵蝕されています!」

リツコ「使徒が積極的に一次的接触を試みているの?零号機と!」

マヤ「危険です!零号機の生体部品が侵されて行きます!」

ミサト「エヴァ弐号機、発進、レイの救出と援護をさせて!」

マヤ「目標、さらに侵蝕!」

リツコ「危険ね、すでに5%以上が生体融合されているわ」

487: 2013/08/07(水) 02:10:07
ミサト「マナちゃん、操縦はできそう?」

マナ「はい。なんとか」

ミサト「では、ディアルソーを装備して零号機の救援に向かって」

マナ「はい!」

ミサト「くれぐれも敵に気をつけて。うかつな行動をすると弐号機までもが侵食されてしまうわ」

マナ「わかっています!」

489: 2013/08/08(木) 01:45:37
マナ「レイちゃん、もう少し頑張ってて!私が助けるから!」

マヤ「弐号機、ディアルソーを装備しました」

青葉「目標まであと500」

マナ「レイちゃんから離れて!!」ブンッ

アルミサエル「……」キンッ

マナ「ATフィールド…」

ミサト「マナちゃん、避けて!!」

マナ「!?」バッ

アルミサエル「」ガンッ

マヤ「目標の攻撃はディアルソーに……えっ!?」

490: 2013/08/08(木) 01:49:15
ミサト「どうしたの!?」

マヤ「ディアルソーの識別が目標と同じに…」

ミサト「どういうこと?」

ミサト「まさか…!?マナちゃん!今すぐディアルソーを破棄して逃げて!!」

マナ「えっ!?」

ディアルソー「」ザクッ スパッ

マナ「あぐっ!!!?」

マヤ「弐号機、右脚を切断されました!!」

ミサト「マナちゃん!!」

マナ「あ……あ……あぁ…」

日向「パイロット、シンクロ率が低下しています」

青葉「零号機への侵食も再開されました!」

ミサト「マナちゃん!レイ!!」

491: 2013/08/08(木) 01:50:31




レイ「誰?」

レイ「私…エヴァの中の私」

レイ「いいえ、私以外の誰かを感じる」

レイ「あなた誰?使徒?私たちが使徒と呼んでいる人?」

レイ?「私と一つにならない?」

レイ「いいえ、私は私、あなたじゃないわ」

レイ?「そう…でもだめ、もう遅いわ。私の心をあなたにも分けてあげる。この気持ち、あなたにも分けてあげる」

レイ?「痛いでしょう?ほら、心が痛いでしょう?」

レイ「痛い…いえ、違うわ…寂しい…そう、寂しいのね…」

レイ?「寂しい?分からないわ」

レイ「一人が嫌なんでしょ?私たちはたくさんいるのに、一人でいるのが嫌なんでしょ?」

レイ「それを、寂しい、というの」

レイ?「それはあなたの心よ。悲しみに満ち満ちている。あなた自身の心よ」

492: 2013/08/08(木) 01:51:05
レイ「…これが…涙…?泣いているのは、私?」ポロポロ

ミサト「レイ!!」

マナ「レイちゃん!!」

シンジ「綾波!!」

ゲンドウ「初号機の凍結を現時刻をもって解除、直ちに出撃させろ」

ミサト「え…」

ゲンドウ「出撃だ」

ミサト「はい…」

493: 2013/08/08(木) 01:55:44
初号機「」ガシャン

ミサト「ATフィールド展開、レイの救出急いで!」

シンジ「はい!」

アルミサエル「!?」ヒュン

レイ「碇君!」

シンジ「はっ!?」

アルミサエル「………」

レイ「これは私の心…二人と一緒になりたい…?」

レイ「駄目!」グッ

アルミサエル「!?」

マヤ「ATフィールド反転、一気に侵蝕されます!」

リツコ「使徒を押え込むつもり!?」

ミサト「レイ、機体は捨てて、逃げて!」

レイ「だめ、私がいなくなったらATフィールドが消えてしまう。だから、駄目…」

ミサト「レイ、氏ぬ気?」

494: 2013/08/08(木) 02:00:54
シンジ「ダメだ!綾波!!!」

マヤ「初号機もアンチATフィールドを展開!」

日向「目標が初号機の方に引き寄せられています!」

レイ「碇君、逃げて!碇君も氏んじゃうわ」

シンジ「僕は逃げない!!もう誰も氏なせたくないんだ!!」

シンジ「くっ………」

マナ「アンチATフィールド全開!!」

マヤ「弐号機もアンチATフィールドを展開しました!」

マナ「私も、手伝う!!友達を助けられないなんて嫌!!」

シンジ「マナ…」

アルミサエル「」グシュグシュ

シンジ「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」

マナ「うぅぅぅぅぅ!!」

レイ「ハア…ハア…ハア…」

495: 2013/08/09(金) 01:21:28
ミサト「このままじゃ、三人共…」

ゲンドウ「参号機だ。参号機を上げろ」

リツコ「しかし、調整がまだ…」

ゲンドウ「かまわん。参号機は地上で爆破させる」

リツコ「!?」

ミサト「ど、どういうことですか?」

リツコ「つまり、参号機でアンチATフィールドを展開して自爆させるってことよ」

ミサト「しかし、いいんですか?指令」

ゲンドウ「ああ。早くやれ」

ミサト「はい。参号機、出撃準備!!」

496: 2013/08/09(金) 01:22:01
参号機「」ガシャン

マヤ「参号機、アンチATフィールドを展開」

アルミサエル「」ズズズ

青葉「目標、参号機に対し侵食開始しました」

ミサト「みんな、今すぐATフィールドを全開にしてその場から逃げて!」

シンジ・マナ・レイ「はい!!」

シンジ・マナ・レイ「フィールド全開!」

青葉「エヴァ3機、目標の侵食から解放されました」

ミサト「みんな、早くその場から逃げて!」

マヤ「コアが潰れます!臨界突破!」

参号機「」ベキッベキッ ボコッ

ドーン!!!

497: 2013/08/09(金) 01:23:32
青葉「目標、消失」

ミサト「現時刻をもって作戦を終了します。第一種警戒態勢へ移行」

日向「了解、状況イ工口ーへ、速やかに移行」

ミサト「3機は?」

マヤ「無事です!損傷は軽微です!」

リツコ「しかし、参号機はもう無理ね。これじゃあ修復は出来ない」

ミサト「しょうがないわ。あの3人が無事だっただけでお釣りが来るわよ」

リツコ「そうね」

498: 2013/08/10(土) 01:40:03
数日後

トウジ「おはようさん」ガラッ

ケンスケ「おはよう、トウジ」

トウジ「なんや、最近さらに人が減っとるな」

ヒカリ「しょうがないよ。流石にこの前の爆発で危険を感じて疎開する家族が増えてるから」

マナ「………」

シンジ「…………」

ヒカリ「あ、別に碇くんやマナちゃんの所為だとは思ってないわよ!」

ヒカリ「だけど…ほかの人が疎開しちゃうのも分かるんだ」

ヒカリ「ごめんね、3人は私達の為に戦ってくれてるのに」

マナ「そんなことないよ。そんなことよりもみんなが巻き込まれて怪我しちゃう方が嫌だもん」

シンジ「洞木さんやトウジ、ケンスケも危険を感じたらすぐに逃げてね。僕達のことは考えなくても大丈夫。ちゃんといつか戻ってきてくれればね」

トウジ「大丈夫やセンセ。わいはここに残るで」

シンジ「トウジ!」

499: 2013/08/10(土) 08:35:06
トウジ「シンジのことが心配やし、しかも妹もまだ退院できる状態にはなっとらんしな」

シンジ「サクラちゃん、経過はどう?」

トウジ「順調や。まだ出歩くのは無理やけどあともう少しで傷は消える」

マナ「よかった…」

トウジ「ああ。だからシンジは気にせんでええ。少なくとも妹が退院するまではこっちに残るで」

ヒカリ「私は鈴原に合わせるわ。一人にすると何するか分からないから」

マナ「あはは!いいね、ヒカリちゃん」

ヒカリ「ふふっ」ニコッ

シンジ「どうしたの?二人して笑っちゃってさ」

マナ「これは教えないよ」ニコッ

シンジ「うん。分かったよ」

500: 2013/08/10(土) 08:36:41
トウジ「ケンスケ、お前はどうするんや?」

ケンスケ「まあ、僕はさらにサバイバル生活が出来るようになるから街は出ないよ」

ケンスケ「人が少なくなるとゲームが出来るフィールドが広くなるんだよ」

ケンスケ「そらにパパもここを離れる訳にはいかないみたいだし」

シンジ「あはは、ケンスケらしいや」

シンジ「てことは、僕とマナ、綾波、トウジ、ケンスケ、洞木さんの6人はここに残ることになるんだね?」

マナ「よかった…」

トウジ「どないしたんや、霧島?」

マナ「あ、うん…あのね、友達が居なくなったら寂しいから、嬉しいんだ」

ヒカリ「大丈夫、もしも仮に離れ離れになったとしても私達はマナちゃん達の味方だから」

マナ「うん、ありがとう!」

シンジ「それじゃあ、そろそろ僕達はネルフに向かおうか?」

マナ「そうだね。それじゃあ、またね~」

501: 2013/08/11(日) 01:47:27




カヲル「フンフンフンフンフン♪」

カヲル「歌はいいねぇ」

シンジ・マナ「え?」

カヲル「歌は心を潤してくれる。リリンが生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?碇シンジ君、霧島マナ君」

シンジ「僕達の名を?」

カヲル「知らないものはないさ。失礼だが、君達は自分の立場をもう少しは知ったほうがいいと思うよ」

シンジ「そうかなぁ…?あの、君は?」

カヲル「僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、仕組まれた子供。フィフスチルドレンさ」

シンジ「フィフスチルドレン?君が、あの、渚君?」

カヲル「カヲルでいいよ、碇君」

シンジ「僕も、シンジでいいよ」

502: 2013/08/11(日) 01:48:46
日向「フィフスチルドレンが、今到着したそうです」

ミサト「渚カヲル。過去の経歴は抹消済み。レイと同じくね」

日向「ただ生年月日は、セカンドインパクトと同一日です」

ミサト「委員会が直で送ってきた子供よ。必ず何かあるわ」

日向「マルドゥックの報告書も、フィフスの件は非公開となっています。それもあって、ちょいと諜報部のデータに割り込みました」

ミサト「危ない事するわねぇ」

日向「その甲斐はありましたよ」スッ

日向「碇所長の本当の計画の一部です」コソッ

ミサト「!?」

日向「フィフスのシンクロテスト、どうします?」

ミサト「……今日のところは小細工をやめて、素直に彼の実力、見せてもらいましょう」

503: 2013/08/11(日) 01:49:33
リツコ「あと、0コンマ3下げて」

冬月「このデータに間違いはないな?」

日向「全ての計測システムは、正常に作動しています」

マヤ「MAGIによるデータ誤差、認められません」

冬月「よもや、コアの変換も無しに弐号機とシンクロするとはな、この少年が」

マヤ「しかし、信じられません!いえ、システム上ありえないです…」

ミサト「でも事実なのよ。事実をまず受け止めてから、原因を探ってみて」

リツコ「………」

504: 2013/08/11(日) 01:50:16




カヲル「君がファーストチルドレンだね」

レイ「…」

カヲル「綾波レイ…君は僕と同じだね」

レイ「…あなた誰?」



冬月「フィフスの少年がレイと接触したそうだ」

ゲンドウ「そうか…」

冬月「今、フィフスのデータをMAGIが全力を挙げて当たっている」



ミサト「にもかかわらず、未だ正体不明…何者なの?あの少年…」

505: 2013/08/12(月) 09:33:58
カヲル「おや?」

シンジ「カヲル君!」

カヲル「やぁ、僕を待っててくれたのかい?」

マナ「うん。ちょっと渚君に来てもらいたいんだ~」

シンジ「もしも急ぎの用が無ければ来てくれないかな?」

カヲル「いいよ。シンジ君の為なら僕は何でもするよ」

シンジ「ありがとう、カヲル君!じゃあ行こう!」

マナ「…………?」

カヲル「分かったよシンジ君。僕は君について行けばいいんだね?」

506: 2013/08/12(月) 09:34:40




葛城宅

カヲル「ここは…確か……」

トウジ「お、やっと来たで」

ケンスケ「遅いぞ碇」

ヒカリ「準備出来てるよ、碇君、マナちゃん」

シンジ「お待たせ。みんなありがとね」

マナ「ごめんね、私達だけ手伝えなくて」

ヒカリ「気にしなくていいよマナちゃん。これは私達がやりたくてやってるんだから」

マナ「うん…ありがとね!」

シンジ「みんな、彼が渚カヲル君。僕等と同じパイロットなんだ」

カヲル「シンジ君、一体これは?」

シンジ「カヲル君の歓迎パーティーだよ。みんなもカヲル君と仲良くなりたいんだよ」

カヲル「そうか…リリンとはこういうものなのか…」

507: 2013/08/12(月) 09:35:22




ヒカリ「あっ、もうこんな時間だ!」

マナ「ホントだ!みんなそろそろ帰る?」

ヒカリ「うーん…」

シンジ「今日はミサトさん帰って来ないから泊まっても大丈夫だと思うよ?」

トウジ「ホンマか!?」

シンジ「うん」

ケンスケ「それなら、僕は泊まらせて貰うよ」

トウジ「わいもそれでええけど、委員長はどうするんや?」

ヒカリ「どうしよう…ちょっとお家に電話してみるね」

マナ「うん。電話はそっちにあるから自由に使って」

ヒカリ「ありがとマナちゃん。じゃあ、ちょっと行って来るね」

508: 2013/08/12(月) 09:36:22
シンジ「カヲル君はどうする?この後予定とかはあるのかな?」

カヲル「…………」

シンジ「カヲル君?」

カヲル「本当なら今夜予定があった。だけど……このままシンジ君と…リリンと夜を明かすのも悪くないね」

シンジ「ということは」

カヲル「今夜は御世話にならせて貰うよ。シンジ君」

シンジ「ほんと!?でも予定はいいの?」

カヲル「大丈夫さ。この予定は僕が勝手に決めていた予定だ。僕の意思でどうにでも変わる。今は君達リリンと一緒に愉しみを分かち合ってみたい」

シンジ「君が何を言ってるのかわからないよ」

カヲル「それは、好きってことさ」

シンジ「え?」

ヒカリ「お待たせ。今日は泊まってもいいって。お邪魔してもいいかな!」

シンジ「えっ、あ、もちろんだよ」

ヒカリ「どうしたの?」

カヲル「何でもないよ。さあ、夜を愉しもうじゃないか」

509: 2013/08/14(水) 01:13:09




マナ「シンジ、まだ起きてる?」

シンジ「うん。みんなは寝ちゃったけど」

マナ「それはいいんだ」

シンジ「どうしたの?」

マナ「あのね…なんだか不安になっちゃって…」

シンジ「不安?」

マナ「うん…」

マナ「もしかしたら変なこと言っちゃうかもだけどいい?」

シンジ「いいよ。言ってごらん」

510: 2013/08/14(水) 01:14:18
マナ「なんか…なんかね……」

マナ「シンジと渚君の距離が妙に近いと思っちゃって…」

シンジ「へっ!?」

マナ「ごめんね!やっぱり変だったよね!今のは忘れて!」

シンジ「マナ、こっちにおいで」

マナ「うん」

シンジ「………」ギュッ

マナ「あっ…」

シンジ「大丈夫だよ、マナ。僕はそういう趣味はないから」

シンジ「それにね、僕はマナが一番だから。それは絶対に変わらないから」

マナ「シンジ…」

シンジ「どう?安心した?」

マナ「うん…シンジの胸の中…暖かい……」

マナ「いつまでもここは私専用の席にしてくれる?」

シンジ「もちろんだよ。ここはマナだけのところだから」

512: 2013/08/15(木) 09:44:41
翌日

シンジ「ん……」

シンジ「もう朝か…」

シンジ「マナは…」

マナ「………」スウスウ

シンジ「寝てるね…」

シンジ「さっ、起きる………」

トウジ「………」ニヤニヤ

ケンスケ「………」ニヤニヤ

ヒカリ「………………」

カヲル「やあ、いい朝だねシンジ君」

シンジ「どうしてみんな僕を見て………あっ!!?」バッ

513: 2013/08/15(木) 09:45:56
ケンスケ「いやあ、流石にビックリしたよ。いつの間にか二人とも抱き合って寝てるんだからな」

シンジ「いや…これは……」

トウジ「センセもなかなか男前なところあるやないか」

ヒカリ「その…碇君とマナちゃん、あの……夜ああいうことしてたの……?」

シンジ「違っ!!」

カヲル「二つの魂と身体が愛し合って入り乱れお互いの魂を補完する。リリンはこういう存在なんだね。良かったら僕にも教えてくれないかい?」

シンジ「僕達はまだそんなことしてないよ!!」

ケンスケ「う、羨ましすぎる!!」

トウジ「なあセンセ、別に恥ずかしいことやない。堂々としとるのが一番や」

ヒカリ「マナちゃんと碇君ならしょうがないよ。だってマナちゃん可愛いし、何より二人とも愛し合ってるんだもんね」

カヲル「さあ、僕にも…」

シンジ「本当に違うよ!!!みんな誤解だから!!」

514: 2013/08/15(木) 09:47:46
マナ「んんん………」

マナ「ん…シンジ……」モゾッ

シンジ「マナ、マナ。起きて」

マナ「シンジ…?」

シンジ「マナ、皆が!」

マナ「シンジの身体…あったかい……」ギュー

シンジ「マ、マナぁ!」

マナ「………」スウスウ

シンジ「…………」

トウジ「大丈夫やセンセ。ワイはちゃんと分かっとるわ」

シンジ「いや、誤解だよ!!」

515: 2013/08/15(木) 09:56:50




シンジ「うう………あらぬ誤解が…」

トウジ「そやそや、そろそろ帰るわ」

ヒカリ「あ、私も帰るね」

シンジ「そう?送ろうか?」

ケンスケ「大丈夫だよ。それよりもお前は霧島とイチャイチャしてろよ」

シンジ「ケンスケ!!」

シンジ「はあ……そうだ、カヲル君はどうだった?楽しかったかな?」

カヲル「そうだね。リリンと共に生きるのも悪くないかもしれないと思えたよ」

カヲル「ありがとうシンジ君。とても楽しかったよ」

シンジ「カヲル君が楽しんでくれたならよかったよ」

カヲル「また、皆でこうして集まるのを楽しみにしてるよ」

シンジ「うん!また皆で集まろう!!」

カヲル「ふふ…では僕達はこれでお暇するよ。お邪魔したね、シンジ君」ガチャン

518: 2013/08/17(土) 00:29:13




マナ「んん……」

シンジ「あ、起きた?」

マナ「うん……あれ?皆は?」

シンジ「もう帰ったよ。今日はお寝坊さんだったね」

マナ「だって…夜遅くまで起きてたから……」

シンジ「ずっと起きてたの?」

マナ「うん」

シンジ「どうして?」

マナ「それは…シンジが近かったから…ドキドキしちゃって……」

シンジ「へっ?」

マナ「だって…」

シンジ「可愛いよ、マナ」ギュッ

マナ「うん」ギュッ

519: 2013/08/17(土) 00:29:49
カヲル(さあ、僕はどうしようか)

カヲル(このまま使命を果たすか、それともリリンとの共生を選ぶか)

カヲル(本来なら僕はこのまま使徒として消えるかリリンを滅ぼすべきなのだろう…)

カヲル(しかし………)

カヲル(シンジ君や霧島マナ。そしてその他のリリン達と出逢ってしまった)

カヲル(リリンと一緒にいることに安らぎと愉しみを覚えてしまった…)

カヲル(もしかしたら…いや、僕自身はリリンと生きたいと願っている)

カヲル(ならば…)

カヲル「ならば僕は自分の信じる道を自分で選ぼう」

520: 2013/08/17(土) 00:31:02
某所

ゼーレ「タブリスはどうした。何故行動に出ない」

ゼーレ「まさか我らを裏切ったのか」

ゼーレ「碇に続きタブリスまで…なんてことだ」

ゼーレ「タブリスが敵に回るとなると厄介だぞ」

ゼーレ「今からでも消して…」

キール「大丈夫だ。最後に嗤うのは我らの方だ。このまま碇共々泳がせておけ」

ゼーレ「だが…」

キール「約束の時は近い…そろそろアレを使おう」

521: 2013/08/18(日) 09:10:29
数日後

マヤ「本部施設の出入りが全面禁止!?」

日向「第一種警戒体制のままか…」

マヤ「何故?まだ最後の使徒は倒して無いのに」

リツコ「最後の使徒は既に現れたわ」

マヤ「先輩!?」

リツコ「最後の使徒は個の繁栄よりもヒトと共生することを選んだ。だから『戦い』は起こらなかった」

マヤ「では、その最後の使徒っていうのは?」

リツコ「貴女達もよく知っているはずよ。渚カヲル。彼が最後の使徒であるタブリス」

マヤ・日向・青葉「!!?」

522: 2013/08/18(日) 09:11:24
青葉「しかし、彼はマルドゥック機関から選出され送られてきたチルドレンでは…」

リツコ「いいえ、彼はゼーレから直接送られて来た。そしてこの命令もゼーレが裏で糸を引いているわ」

マヤ「まさか…」

リツコ「そう…ゼーレはネルフを潰しに来たのよ」

マヤ「でも…どうしてそんなことを!同じ人間なんですよ!!」

リツコ「そんなのは関係ないのよ。ゼーレの計画の障害になり得るネルフ。計画を成就させる為には障害たるネルフを潰さねばならない。至極妥当な結論ね」

マヤ「そんな……なら私達はなんのために…」

青葉「もしも俺達が使徒に敗れていたら人類は滅ぶ。これは事実だ。だから俺たちがやって来たことには意味がある」

マヤ「青葉君…」

リツコ「恐らく近い内に何かしらのアクションが来るわ。それに備えておいて頂戴」

523: 2013/08/18(日) 09:12:30
某所

キール「約束の時が来た。ロンギヌスの槍を失った今、リリンによる補完は出来ん。唯一、リリスの分身たるエヴァ初号機による遂行を願うぞ」

ゲンドウ「ゼーレのシナリオとは違いますが」

冬月「人はエヴァを生み出すためにその存在があったのです」

ゲンドウ「人は新たな世界へと進むべきなのです。そのためのエヴァシリーズです」

ゼーレ「我らは人の形を捨ててまでエヴァという方舟に乗ることは無い」

ゼーレ「これは通過儀礼なのだ。閉塞した人類が再生するための」

ゼーレ「滅びの宿命は新生の喜びでもある。神も人も全ての生命が氏をもってやがて一つになるために」

ゲンドウ「氏は何も生みませんよ」

キール「氏は君達に与えよう」

冬月「人は生きて行こうとする所にその存在がある。それが自らエヴァに残った彼女の願いだからな」

524: 2013/08/18(日) 09:13:35
マナ「みんな、また明日ね~」

シンジ「帰ろっか、マナ」

マナ「なんかネルフに呼ばれてるんだよね、私」

シンジ「そう?なら僕も付き添うよ」

マナ「ありがと!!そうだ…レイちゃん、渚君。二人も一緒に行かない?」

カヲル「反対なんてしないよ。僕はシンジ君の行く所ならどこまでもついて行きたいからね」

レイ「私も行くわ」

マナ「うん!それじゃ行こ?」

525: 2013/08/19(月) 09:56:12
ネルフ

マナ「ついた~」

シンジ「それじゃ、マナの用事を済ませにいこうか」

マナ「うん。あ、そうだ」

シンジ「どうしたの?」

マナ「私の用事が終わったらみんなで一緒に遊びに行かない?せっかく集まったんだしさ」

シンジ「いいよ。綾波とカヲル君は?」

カヲル「僕も喜んで参加させてもらうよ」

レイ「私も」

マナ「約束だよ!」

マナ「そうと決まったら早く…」

ブーブーブーブー

マナ「えっ!?何!?まさか使徒!?」

カヲル「いや…そんなはずは……」

カヲル「まさか…!?」

526: 2013/08/19(月) 09:56:58
冬月「保安通信は青の回線に切り替えろ!衛星を開いても構わん!そうだ!敵の状況は!?」

オペレーター「外部との通信、情報回路が一方的に遮断されていきます!」

冬月「目的はMAGIか…」

青葉「全ての外部端末からデータ侵入!MAGIへのハッキングを目指しています!」

冬月「やはりか…侵入者は松代のMAGI2号か?」

青葉「いえ、少なくともMAGIタイプ5、ドイツと中国、アメリカからの侵入が確認出来ます」

冬月「ゼーレは総力を挙げているな…兵力差は1:5…分が悪いぞ」

日向「主データベース遮断…駄目です、進行をカット出来ません!」

マヤ「更に外郭部に侵入!予備回路も阻止不能です!」

冬月「まずいな…MAGIの占拠は本部のそれと同義だからな…」

リツコ「今戻ったわマヤ。私が手を打つから貴女達は何としてでも10分時間を稼いで」

マヤ「はい!」

527: 2013/08/19(月) 09:57:55
ミサト「状況は?」

日向「おはようございます。先ほど、第二東京からA-801が出ました」

ミサト「801?」

日向「特務機関NERVの特例による法的保護の破棄及び、指揮権の日本国政府への委譲」

日向「最後通告ですよ。ええ、そうです。現在MAGIがハッキングを受けています。かなり押されています」

マヤ「伊吹です。今赤木博士がプロテクト作業に入りました」

ミサト「分かったわ。貴女達は全力でサポートして。私は各ゲートの見回りに警戒要請をします」

日向「分かりました。ではこれで」ブチッ

ミサト「これはちょっちヤバイかもね…」

528: 2013/08/20(火) 01:30:24
マヤ「くっ……流石にMAGIタイプが攻めてくると……」

青葉「大丈夫だ。赤木博士がなんとかしてくれる。なんとしても氏守するぞ」

マヤ「はい!」

日向「ん?ドイツのMAGIの様子が…」

青葉「止まった…いや!今度は中国のMAGIを攻撃し始めた!」

日向「ドイツとここのMAGIが中国のMAGIをハッキング成功!今度は3つがアメリカのMAGIを攻撃開始!」

青葉「アメリカも落ちたぞ!」

日向「他の2タイプは専守防衛に入りました。こちらのMAGIに対する攻撃は0。勝ったぞ!!」

マヤ「流石先輩!!」

日向「松代のMAGIもこちらの支配下に入りました」

青葉「どうやら、情報戦はこちらの勝ちだな」

529: 2013/08/20(火) 01:32:43
某所

ゼーレ「まさか第666型防壁すら展開せずに他のMAGIを支配下に置くとは…」

キール「是非とも穏便に済ませたかったのだがな…」

ゼーレ「これは計画に支障が出るのでは?」


キール「問題はない。ネルフの目と耳を奪う事は叶わなかったが、それでもこちらの優位性は変わらない」

ゼーレ「碇め…我らの邪魔を…」

キール「仕方ない…本部施設の直接占拠を行う」





隊員「始めよう。予定通りだ」

530: 2013/08/20(火) 01:33:33
ドーン

マナ「な、何!?」

シンジ「爆発!?」

マナ「どうして爆発なんか…」

アナウンス「何者かが侵入した!数は多数!!戦闘員は第一層のバリケード内で応戦準備!非戦闘員は最下層へ……だ、誰だ!!グワッ!!」ブツッ

マナ「う…うそ……」

シンジ「早く下に!!」

カヲル「とうとう始まってしまったか…」

カヲル「シンジ君。聞いてくれ」

シンジ「どうしたの?急いでカヲル君!」

カヲル「恐らく敵は僕達パイロットを捕らえに来るだろう」

531: 2013/08/20(火) 01:36:39
マナ「どうして私達なの!?」

カヲル「敵にとって唯一の脅威であるエヴァを動かせるのは僕達だけだからさ」

レイ「なら、どうすれば?」

カヲル「君達三人はエヴァの格納庫に急行してくれ。僕は司令部に行って君達のことを伝える」

シンジ「でも…カヲル君一人じゃ危ないよ!!」

カヲル「大丈夫。僕は絶対に大丈夫だから。さあ三人共、行ってくれ」

マナ「渚君。約束、忘れないで」

カヲル「約束は守るよ。この後は必ずみんなで遊びに行こう」

カヲル「シンジ君。後は任せたよ」

シンジ「うん!カヲル君、また後で!!」

シンジ「行くよ、綾波、マナ!」

532: 2013/08/20(火) 01:38:18
ネルフ職員「きゃあぁぁぁぁ!!」

隊員「」ズダダダダダダダ

ネルフ職員「」

隊員「パイロットはいたか!?」

隊員「こっちにはいない!そっちは?」

隊員「まだだ。行くぞ、ついて来い」

隊員「ああ」ダッ

533: 2013/08/20(火) 01:38:51
シンジ「行ったか…」

マナ「………」ブルブル

シンジ「マナ……怖い…?」

マナ「………だって…同じ人間なのにどうして頃すの…?そんなのおかしいよ!」

シンジ「そうだよ。だからこそ僕達が早く止めるんだ!」

マナ「でも………」

レイ「私が貴女を護る。だから安心して」

マナ「ありがとレイちゃん…だけど私も頑張るよ」

レイ「えぇ」

シンジ「行くよ、あともう少しだから」

534: 2013/08/20(火) 01:41:04
隊員「いたぞ!!!!」

シンジ「なっ!?」

隊員「パイロットを三人発見。始末する」

隊員「悪く思うなよ」

シンジ「こ、頃すなら…」

隊員「なんだ?」

シンジ「頃すなら僕だけにして下さい!後ろの二人は助けてあげて下さい!!」

マナ「シンジ!!!駄目!!」

レイ「碇君!!」

隊員「悪いがそれは無理だ。こちらもこれが仕事なのでな」

隊員「この続きはあの世でやってくれ。じゃあな」スッ

シンジ「くそっ………」

ズドン

535: 2013/08/20(火) 01:42:06
隊員「」ドサッ

シンジ「一体何が…」

ミサト「シンジ君、マナちゃん、レイ!!」

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「間に合って良かったわ!行くわよ!!」

シンジ「格納庫でいいですよね」

ミサト「貴方たちを待ってる時間は無いわ。行き先は第七ケイジ。発進準備はもう終わってるわ」

シンジ「はい!」

隊員「こっちだ!!」

ミサト「ちっ…早いわね……みんなついて来て!」

536: 2013/08/20(火) 01:43:36




ミサト「早く入って!!」

ミサト「ふっ!」ガシャン

ミサト「これで時間を少し稼げるわね…」

シンジ「ミサトさん。この後はどうすれば…」

ミサト「そのエレベーターに乗れば第七ケイジまで直行で行けるわ。早く乗りなさい」

シンジ「ミサトさんは?」

ミサト「私はここで敵を食い止める。ここで貴方達が捕まったら元も子もないからね」

シンジ「でも、そんなことをしたらミサトさんが!!」

ミサト「シンジ君、マナちゃん、レイ、ちょっとこっちに来て」

ミサト「レイ。貴女はこの先とても厳しい人生が待ってるわ。時には白い目で見てくる人もいるでしょう。だけど貴女のことを大切に思っている人達がいることを忘れないで」

レイ「………」

537: 2013/08/20(火) 01:44:08
ミサト「シンジ君。貴方はとても優しくて、人の痛みも分かってる素晴らしい人間よ。貴方はもっと自分に誇りを持っていいの。そして貴方に愛を教えてくれたマナちゃんを絶対に手離しては駄目よ」

シンジ「………はい…」グスッ

ミサト「そしてマナちゃん。貴女は一生シンジ君に添い遂げてあげて。シンジ君はマナちゃん無しでは生きていけない。そして貴女が隣に居ればシンジ君は輝くことが出来るの。マナちゃんのその元気、忘れちゃ駄目よ」

マナ「ミサトさん……氏んじゃ嫌!!」ポロポロ

ミサト「大丈夫よ、マナちゃん。私はそんな簡単には氏なないわ」

538: 2013/08/20(火) 01:45:19
ミサト「そうだ…マナちゃん、手を出して」チャッ

マナ「これは…?」

ミサト「私の大事なペンダント。もしもまた逢うことが出来たら返して頂戴」

マナ「………………」

ミサト「約束だからね?」

マナ「はい…」

ミサト「よし。じゃあ行った行った!」ガシャン

シンジ・マナ「ミサトさん!!!」

ミサト「頑張って、シンジ君、レイ、マナちゃん…貴方達の幸せ…願ってるわ…」

シンジ・マナ「ミサトさ~ん!!!!」ウィーン

539: 2013/08/20(火) 01:46:05
ガンッガンッガンッ

ミサト「!?」

隊員「まだ空かないのか!?そこをどけ!RPGを使う!!」

ミサト「さて…最後の仕事ね……」

ズド~ン ガラガラ

隊員「空いたぞ!行…うわっ!!」ズドン

ミサト「ここは通さないわ。私の命に変えても」

隊員「敵は一人だ!弾幕を張れ!!一瞬たりとも切らすなよ!」ズダダダダダダダ

ミサト「ちっ…やりにくいわね……」

ミサト「なら…」ピッ コロコロコロ

隊員「伏せろ!!」

ズドーン!!!

ミサト「よし、これで…」クルッ

540: 2013/08/20(火) 01:46:37
隊員「お前、いい腕をしてるな。しかし、これまでだ…」スッ

ミサト「!!?」

隊員「ここまでだ…」

ミサト「くっ………」

隊員「あばよ」

ズガン

541: 2013/08/20(火) 02:09:35
ミサト「…………」

ミサト「…………」

ミサト「?」パチッ

加持「待たせてすまないな」

ミサト「なっ…………!?」

加持「こんち、久しぶりの再開だってのになんて顔してるんだ?」

ミサト「どうして…氏んだんじゃ……」

加持「詳しい話は後だ。とりあえず今は司令部に向かうぞ」

ミサト「でも!!」

加持「まあ簡単に言えば、俺も助けられたんだな、これが」

ミサト「助けられた?誰に?」

加持「それはだな…」

544: 2013/08/21(水) 10:16:07
青葉「くっ…次から次へとわらわら湧き上がりやがって…」ズダダダダダダダ

日向「くそ…ここままだと……」

隊員「進行の手を緩めるな!突げ…誰だ!!?」ズドーン

青葉「なんだ!?」

日向「敵が一気に!?」

ミサト「ごめん、待たせたわね」

日向「葛城さん!!」

加持「お久しぶり」

マヤ「か、加持さん!?どうして!?」

加持「説明は後だ。前線に居た奴らは消したが、後続の奴らはまだ来るぞ。今の内に体制を建て直してくれ」

ミサト「バリケードの再構築急いで!そして負傷者は後方に回して応急処置をして!!」

ミサト「あと伊吹二尉は、エバー三機の状況をモニターして!その他のオペレーションについては貴女の判断に任せるわ」

マヤ「はい!サツキとカエデは第三新東京市の敵の動きを、アオイは外の動きを監視して!」

ズダダダダダダダ

ミサト「来たわよ!みんな何とか持ち堪えて!」

545: 2013/08/21(水) 10:16:48
シンジ「二人とも準備は?」

マナ「大丈夫!何時でも行けるよ!」

レイ「私も大丈夫」

シンジ「出撃した後、僕らは人の命を奪ってしまう事になるかもしれない。覚悟は出来てる?」

レイ「ええ」

シンジ「マナは?」

マナ「うん……頑張るよ…」

マナ「私はレイちゃんやみんな…そしてシンジとの日常を護りたい。そのためなら…私は頑張れる」

シンジ「僕も、護るために闘う。綾波やカヲル君、トウジやケンスケ、ミサトさん、リツコさん、父さん、他のみんな…」

シンジ「そして僕が愛するマナを護るために闘うんだ」

シンジ「僕らが、また元の日常に戻るために…」

レイ「ええ。必ずみんな一緒に帰りましょう」

シンジ「必ず……約束だよ」

シンジ「行こう…綾波、マナ」

シンジ・マナ・レイ「エヴァンゲリオン発進!!」

546: 2013/08/21(水) 10:17:34
マヤ「エヴァ三機が地上に射出されました!」

ミサト「オーケー、分かったわ」

冬月「碇…このままだとマズイぞ」

ゲンドウ「ああ、分かってる…」

ゲンドウ「零号機を今すぐ戻せ!!」

マヤ「えっ!?」

ミサト「な、何を…」

ゲンドウ「これは命令だ!今すぐ零号機を戻せ。今すぐだ!」

ミサト「しかし、敵の攻撃が続いている以上零号機を戦線離脱させるのは得策ではありません」

ゲンドウ「命令だと言ったはずだ。」

ミサト「…………命令には従えません」

ミサト「それに、この馬鹿から司令の計画を聞きました。私は司令の計画には氏んでも賛同できません」

ミサト「サードインパクトを起こし、司令自らが神になるなんて!」

職員「!!?」

ゲンドウ「そうか…ならば氏をもって償うが良い…」スッ

547: 2013/08/21(水) 10:18:29
日向「止まれ!!もしもそれ以上動くなら撃つ!」チャッ

青葉「俺も司令の計画は賛同出来ません」スッ

加持「………」スッ

ゲンドウ「………面白い、撃つがいい」スッ

日向「くっ…」ズバン

キーン

ゲンドウ「………」ニヤリ

ミサト「ATフィールド…」

ゲンドウ「そうだ。俺の身体には第一の使徒アダムが寄生している。そのような銃程度では傷すらつかない」

マヤ「ば、化け物…」

ゲンドウ「もう一度言う。零号機を戻せ」

ミサト「………」ギリギリ

カヲル「その必要はないよ」

548: 2013/08/21(水) 10:19:02
カヲル「ATフィールド全開」

ゲンドウ「なっ!?」

マヤ「パターン青…17番目の使徒…」

カヲル「その醜い腕は貰うよ」ズバッ ボトン

ゲンドウ「ぐあぁぁぁぁぁぁ!」

カヲル「お父さん、貴方の考えは好意に値しないね…つまり嫌いってことさ…」

ゲンドウ「な…何故…」

カヲル「サードインパクトが起きて人類が補完されたとてシンジ君は幸せになれない。シンジ君が望んでいるのはみんなでこの日常を幸せに過ごすことなんだ。だから僕はそのお手伝いをしただけさ」

カヲル「この腕は僕が貰うよ。一応これは僕自身でもあるからね」スッ

ゲンドウ「か…返せ!」

カヲル「さあ葛城三佐、この二人を捕らえてくれ」スタスタ

ミサト「か、確保!!身柄を拘束して!!」

職員「はい!!」

549: 2013/08/21(水) 10:19:56
ゲンドウ「ユイ……ユイ…すまないユイ……やっと…やっと逢える筈だった…」

ゲンドウ「どうしてこうなった…どうして…」

カヲル「お父さん…」

ゲンドウ「……」キッ

カヲル「どうしてシンジ君の事を考えてあげない?シンジ君ももしかしたら貴方と同じ目に遭ったかもしれないのに」

カヲル「それに、きっと碇ユイはこんな事を望んではいないと思うよ」

ゲンドウ「!?」

カヲル「時間はたっぷりある。ゆっくり考えてみるといいさ」

ゲンドウ「…………」

ミサト「お連れして」

職員「はい」

550: 2013/08/21(水) 10:20:40
戦自陣営

隊員「中隊長!」

中隊長「どうした」

隊員「第二小隊より入電。敵のエヴァ及びそのパイロットの捕獲に失敗。それに加えジオフロントへの射出を許してしまったとのことです」

中隊長「そうか…了解した」

中隊長「全機動部隊及び艦艇に通達する!敵の人型兵器が現れた。全火力をもって目標を迎撃しろ!」

551: 2013/08/21(水) 10:21:13
シンジ「マナ!僕の後ろを援護して!僕は地底湖に浮かぶ巡洋艦を叩く!!」

マナ「任せて!」

レイ「私は地上の戦車部隊を掃討するわ」

シンジ「任せたよ!もしもアンビリカルケーブルを切断されたら必ず予備電源に付け替えて!」

レイ「分かってるわ」

巡洋艦「」ズドン ズドドドドド

シンジ「無駄だよ!こっちにはATフィールドがある!それくらいじゃなんてことない!」バキッ

シンジ「次!!」

552: 2013/08/21(水) 10:21:46
キール「忌むべき存在のエヴァ…またもや我らの妨げになるか…」

キール「やはり毒は毒をもって制するべきだな」

553: 2013/08/21(水) 10:22:22
シンジ「これでラスト!!」ズドーン

シンジ「よし…やっと終わっ…」

レイ「碇君、上!!」

シンジ「あれは…!?」

マナ「エヴァシリーズ…完成していたの…!?」

量産型「………」バッサバッサ ヒュン

シンジ「嘘………」

マナ「どうして…」

レイ「これを倒さなければ私達の負けになるわ」

シンジ「そうだ……僕らは勝つんだ!」

シンジ「あと一踏ん張りだよマナ!」

マナ「うん!」

量産型「…」ブンッ

レイ「来た!」

554: 2013/08/21(水) 10:22:57
量産型「………」ブンッ

シンジ「くっ…あの武器を…」

初号機「」ガッ

量産型「!?」

シンジ「よしっ!」

シンジ「まずは一つ!!」ザクッ

量産型「」バタン

レイ「………」ズドン

量産型「クギッ」バタン

マナ「絶対に負けない!!えい!」グシャ

量産型「」バタン

555: 2013/08/21(水) 10:24:28




シンジ「これで…ラスト!!!」

量産型「」バタン

シンジ「はあ…はあ……倒した……」

レイ「ええ…目標の生命反応は無いわ」

556: 2013/08/21(水) 10:25:24
シンジ「よかった……マナ」クルッ

シンジ「!!!?」

マナ「やっと終わったん…」

シンジ「マナ!!!!逃げて!!」ダッ ドンッ

マナ「キャッ!!」

シンジ「ATフィールド全開!」キンッ

諸刃の剣「」ヒュッ

ロンギヌスの槍「」

シンジ「ロンギヌスの槍…」

ロンギヌス「」ザクッ

シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!!あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

マナ「シンジ!!!!!!」

レイ「碇君!!!」

557: 2013/08/21(水) 10:26:14
ザクッ ザク ザク ザク ザク

シンジ「がぁっ!!!うわぁぁぁぁぁ!!!」

マナ「シンジ!!!!やだ!!!駄目!!!!」ポロポロ

レイ「!?」

量産型「ギィ…」ムクッ

ムクッ ムクッ ムクッ

マナ「嘘……どうして…………」

量産型「」バサバサバサ

量産型「」ブチッ ムシャムシャ

シンジ「うぐっ!!がっ!!!!!」

558: 2013/08/21(水) 10:26:45
マナ「駄目!!!」グシャッ

レイ「碇君!!!」ズドン

量産型「」ザクッ

マナ「あぁ!!」

レイ「うぐっ…」

量産型「」バサバサバサ ブチッ グシャッ

マナ「あぁぁぁ!!イヤ!!!」

レイ「あ……ぁ…あぁ…」

マナ「誰か……誰か助けて!!!シンジ!!!!!!」

559: 2013/08/21(水) 10:27:17
初号機「」

シンジ「………け……は…」

シンジ「……だけ……は……」

シンジ「君だけは護ってみせる!!」

シンジ「マナ!!!!!!」

初号機「ヴォォォォォォォォ!!!!!!!!!」

560: 2013/08/21(水) 10:42:46
シンジ「赦さない…絶対に赦さない!」

シンジ「綾波を……マナをこんなに傷付けるなんて赦さない」ザクッ

量産型「ギッ!!?」バタン

量産型「………」グジュグジュグジュ

量産型「」ムクッ

マナ「そんな……倒しても倒してもすぐに回復するなんて反則だよ!」

シンジ「くそぉ!!!」ザクッ ザクッ ザクッ

シンジ「どうすれば…どうすれば倒せるんだ!」

ズドーン!!

量産型「ギィ…」バタン

量産型「………」

??「エントリープラグだ!エントリープラグを破壊しろ!そうすれば奴らは動けなくなる」

??「あんた達ってホント馬鹿ね。少し考えればすぐに分かることなのにね」

561: 2013/08/21(水) 10:43:38
マナ「この声…」

シンジ「生きていたんだ……!」

ムサシ「騎兵隊登場!」

アスカ「はん!私はそんな簡単に氏なないわよ。マナ!シンジ!!」

シンジ「アスカ!!!」

マナ「あの爆発でよく…」

ムサシ「海に潜りゃ爆発の衝撃や熱からは逃げられる。まあ、あんた達のおかげでもあるけどな」

アスカ「そういうこと。その後私達は『氏んだ』から奴らの監視は消えて動きやすくなった」

ムサシ「とはいえ『氏んだ』人間が表世界を堂々と歩いているとマズイからお前達の前に現れることは出来なかったが、裏で色々と調べ回った。するとある人物が引っかかった」

アスカ「加持リョウジ。彼はネルフ、日本国政府、ゼーレの三つの組織のスパイをしていた」

ムサシ「そこで俺たちは加持リョウジの尾行をし始めた」

562: 2013/08/21(水) 10:44:12
アスカ「そしてある日彼がネルフの副司令を拉致した後暗殺されそうになった」

ムサシ「そこで俺たちは加持リョウジを助けて沢山の情報を教えて貰い行動を共にするようになったわけだ。『氏んだ』人間としてな」

アスカ「で、実際にこの戦争が始まったからあんた達を助けに来たってわけよ。このトライデントでね」

ムサシ「さあ、無駄話の時間は終わりだ。敵さんも攻撃して来るぜ」

ムサシ「お前達は出来る限りATフィールドを中和しておいてくれ。そしたら俺たちの攻撃も通る」

アスカ「あともう一つ追加。敵のエントリープラグには人が乗っていないわ。入っているのはダミープラグよ」

シンジ「分かった。綾波とマナは動ける?」

レイ「行けるわ」

マナ「うん…何とか……」

シンジ「狙うのはエントリープラグ」

マナ「あと8体」

シンジ「必ず皆で帰るんだ!」

シンジ「行くよ!!」

563: 2013/08/21(水) 21:31:13
シンジ「フィールド全開!!」

マナ「捕まえた!レイちゃん、今!!」

レイ「………」ザクッ

量産型「」バタン

シンジ「マナ、後ろ!!!」

量産型「……」ブンッ

ムサシ「邪魔だ!!」ズドン

量産型「!?」バタン

アスカ「あと6!!」

量産型×2「………」ブワッ

シンジ「遅い!!」スパッ

ムサシ「今の内に止めをさせ!再生するぞ!」

シンジ「分かってる!」ザクッ ザクッ

シンジ「あと4!」

ムサシ「いや…あと3だ」ズドン

564: 2013/08/21(水) 21:31:46
レイ「こっちも倒したわ」

マナ「こっちも!」

シンジ「うおぉぉぉ!!」ガキンッ

ムサシ「援護射撃!!」

レイ「分かったわ」ズババババ

量産型「ギィィィ!?」

シンジ「終わりだ!!」ザクッ

量産型「」バタン

マナ「これで…倒したの?」

シンジ「うん。僕らの勝ちだ!」

565: 2013/08/21(水) 21:32:21
第一発令所

青葉「敵が…退却していく…」

日向「何故突然…」

マヤ「エヴァが敵のエヴァシリーズを殲滅しました。その結果ではないかと」

日向「そうか…そうなのか…」

青葉「勝った…のか?」

日向「ああ、勝ったんだ!戦自相手に俺らは」

青葉「よっしゃ~!!!!」

ウオォォォォォォ!!!

マヤ「青葉君、お疲れ様」ニコッ

青葉「!?」

リツコ「まだ安心は出来ないわ。復旧作業を急いで」

ミサト「いいじゃない。少しくらい」

加持「そうだぞ。少し肩の力を抜くといいさ」

リツコ「はいはい…」

566: 2013/08/21(水) 21:32:51
マナ「ねえシンジ。これで、私達平和に暮らせるのかな?」

シンジ「暮らせるさ。僕とマナが二人で幸せに生活して、周りには友達がいる生活を」

シンジ「アスカやストラスバー…」

ムサシ「ムサシでいい」

シンジ「うん。アスカやムサシも帰って来た。これからは一緒に居られるよね?」

ムサシ「ああ、もう逃げる必要は消えたからな」

アスカ「まあ、この街に身を落ち着かせるのも悪くないわね」

シンジ「そっか」

シンジ「それじゃあ…みんな、帰ろう!」

567: 2013/08/21(水) 21:33:22
数ヶ月後

碇宅

マナ「ねえ、シンジ~」

シンジ「どうしたの?」

マナ「どう?この服変じゃない?」

シンジ「大丈夫、よく似合ってるよ」

マナ「よかった~」

シンジ「僕の方はどうかな?」

マナ「ちょっと動かないでね」ゴソゴソ

マナ「はい。ネクタイが曲がってたよ」

シンジ「ありがとう」

マナ「どういたしまして」

568: 2013/08/21(水) 21:33:55
シンジ「準備も出来たし、そろそろ行こっか」

マナ「そうだね!みんなもういるかな?」

シンジ「どうだろう。委員長や綾波はいそうだけど、トウジやアスカ達は遅刻かもね」クスクス

マナ「あはは、確かにそうかも」ニコニコ

マナ「そしてムサシ君はアスカを待ってて一緒に遅刻。渚君は…分からないや」クスクス

シンジ「そうだね、カヲル君は僕にもよく分からないよ」

マナ「こんなにずっと一緒にいるのにね。不思議だよね」

シンジ「うんうん」

569: 2013/08/21(水) 21:34:26
マナ「ねえシンジ」

シンジ「?」

マナ「私ミサトさんのウエディングドレス楽しみなんだ」

シンジ「ミサトさんなら綺麗だろうね」

マナ「うん。それにね、ミサトさんもやっと好きな人と一緒になって幸せになれるんだもん」

シンジ「ミサトさんにはこのままずっと幸せでいて欲しいね」

マナ「加持さんなら大丈夫だよね」

シンジ「もちろんだよ」

マナ「私達は…あと4年後かな?」

シンジ「うん」

マナ「私も幸せになりたいな」

シンジ「今は?」

マナ「もちろん幸せだよ。シンジと二人で暮らせてるんだもん」

マナ「でもね、もっと、もっとシンジを知りたい。私をもっと知って欲しい。今よりももっとシンジの近くに行きたいの」

シンジ「僕もだよ」

570: 2013/08/21(水) 21:35:01
シンジ「ねえマナ」

マナ「なあに?」

シンジ「僕はもう二度と君を離さない。絶対に君を裏切らないって誓うよ」ギュッ

シンジ「時にはマナとすれ違うことはあるかもしれない。意見が食い違うこともあるかもしれない。それでも僕は君を愛し続けるから」

マナ「うん…」ポロッ

シンジ「愛してるよ、マナ」チュッ

マナ「私も…愛してるよシンジ」チュッ

シンジ「…………」スッ

シンジ「そろそろ行こう」

マナ「シンジ、手を」

シンジ「うん!」ギュッ

マナ「これからもよろしくね、シンジ」

シンジ「もちろんだよ、マナ」

571: 2013/08/21(水) 21:35:50

引用元: シンジ「君だけは護ってみせる!!」