111: 2010/11/18(木) 06:39:37
碇シンジ37歳。
ネルフの営業1課主任。
最も40を前にしてまだ主任の地位にいる彼の出世が遅れているのはもっぱらキャリアウーマンでバリバリやっている奥さんのせいだというのが
ごく当たり前のように社内で囁かれている。
まあ、救いなのが、当の本人がそういうことにまったく無頓着で、家の仕切りと今年14歳になる娘の世話、それ以上に手のかかる奥さんの世話に
追われていることだ。実際時々仕事を辞めて家に入ろうかとも思っている事もあるくらいだ。35を過ぎたといっても太ったりもせず、社内の女性
陣には密やかな人気を誇っている。
14歳になる娘は奥さんに似た外見を持つ、長くつやのある黒い髪に意志の強そうな目。もっとも中身のほうはシンジよりだったらしく、親には
そこそこ従順、学校では優等生。髪を巻いたり、年頃らしくいろいろおしゃれして学校に通うのが日課だ。
名はスミレ。碇スミレ。
奥さんがセカンドインパクトで絶滅した花の名前だと教えているが、実は初号機の紫色から連想される2重の意味を持つことはまだ内緒である。
一人娘なのでわがままに育たないか心配もしたが、なかなか素直で明るく、なんといっても大のパパっ子で、そんなに手がかからないのも助かっ
ている。
そして、我が家の大黒柱・・、というか、もっとも重要人物が、ぼくの奥さん、葛城(碇)ミサトさん、52歳。
今は同じ部署、営業部、部長(サードインパクト後作戦部は解散)を務めているが、ネルフ本部本部長に一番近い人物と目されていて、今後今以上
仕事に忙殺されることが見込まれている。
もちろん歳をとり、それなりに老けたが、相変わらず明るく、おおらかで強い女性である。職場で時々怒鳴り声を聞くが、大きな声で笑ったりする
のが、一種の救いとなっていることろもある。
そして相変わらずそういうところが大好きなシンジであった。
ただ、残念なことにシンジのそういう純粋な「好き」は世間には理解できないようで、あらゆる場所で、シンジの不思議な家族構成は好奇の的であ
った。
ネルフの営業1課主任。
最も40を前にしてまだ主任の地位にいる彼の出世が遅れているのはもっぱらキャリアウーマンでバリバリやっている奥さんのせいだというのが
ごく当たり前のように社内で囁かれている。
まあ、救いなのが、当の本人がそういうことにまったく無頓着で、家の仕切りと今年14歳になる娘の世話、それ以上に手のかかる奥さんの世話に
追われていることだ。実際時々仕事を辞めて家に入ろうかとも思っている事もあるくらいだ。35を過ぎたといっても太ったりもせず、社内の女性
陣には密やかな人気を誇っている。
14歳になる娘は奥さんに似た外見を持つ、長くつやのある黒い髪に意志の強そうな目。もっとも中身のほうはシンジよりだったらしく、親には
そこそこ従順、学校では優等生。髪を巻いたり、年頃らしくいろいろおしゃれして学校に通うのが日課だ。
名はスミレ。碇スミレ。
奥さんがセカンドインパクトで絶滅した花の名前だと教えているが、実は初号機の紫色から連想される2重の意味を持つことはまだ内緒である。
一人娘なのでわがままに育たないか心配もしたが、なかなか素直で明るく、なんといっても大のパパっ子で、そんなに手がかからないのも助かっ
ている。
そして、我が家の大黒柱・・、というか、もっとも重要人物が、ぼくの奥さん、葛城(碇)ミサトさん、52歳。
今は同じ部署、営業部、部長(サードインパクト後作戦部は解散)を務めているが、ネルフ本部本部長に一番近い人物と目されていて、今後今以上
仕事に忙殺されることが見込まれている。
もちろん歳をとり、それなりに老けたが、相変わらず明るく、おおらかで強い女性である。職場で時々怒鳴り声を聞くが、大きな声で笑ったりする
のが、一種の救いとなっていることろもある。
そして相変わらずそういうところが大好きなシンジであった。
ただ、残念なことにシンジのそういう純粋な「好き」は世間には理解できないようで、あらゆる場所で、シンジの不思議な家族構成は好奇の的であ
った。
114: 2010/11/19(金) 07:48:57 ID:???
今日は忘年会。娘のために早く帰宅がちでめったにこういう場所に現われない彼も、ミサトさんにスケジュール
を調整してもらって出席した。
会場に着き、席についてしばらくすると、シンジは腕時計に目をやった。
(そろそろ電話してみるか)
携帯を取り出し、「碇ミサト」に電話を入れる。
プライベートな通話なので本当は席をはずして電話をしたいのはやまやまだが、なんとしてでも碇主任と部長の会話を聞きたい連中がそわそわ廊下に
出てきたりするのが嫌でめいっぱい公衆の面前で電話することに最近はしている。
ミサトが電話に出た。
「あ、もしもし、シンちゃーん、あたし今車の中~、後5分で家に着くところよ」
シンジはほっとしてそれに答える。
「それはよかったです」
電話の向こうからちょっとふくれた声が聞こえてきた。
「ちょっとー、ところでこれってさあ、もしかしてチェック電話??」
「もちろんですよ。最近、ミサトさん全然僕の話、聞いてないじゃないですか。忙しいからっていつもはあはあテキトーな返事ばっかりで、肝心なこと
は後で聞いたら全然聞いてなかったっていうし・・、今日のこの約束を忘れていたら、今日こそはきっちり話をつけようと思っていたところです」
シンジのそれが特徴のやさしい口調で話した。
「あははー、そんなに最近ひどいー??ごめんね、気をつけるようにするから」
「いいですよ、もうあきらめてますから。じゃ、家の事はよろしくお願いします。できるだけ早く帰ります」
「あらー、いいのよ、ちょっとくらい遅くなっても、めったにない機会だし」
「そうですね。そうさせてもらいます」
シンジが電話を切り顔を上げると、周りは興味津々な顔してこっちを見ている。
を調整してもらって出席した。
会場に着き、席についてしばらくすると、シンジは腕時計に目をやった。
(そろそろ電話してみるか)
携帯を取り出し、「碇ミサト」に電話を入れる。
プライベートな通話なので本当は席をはずして電話をしたいのはやまやまだが、なんとしてでも碇主任と部長の会話を聞きたい連中がそわそわ廊下に
出てきたりするのが嫌でめいっぱい公衆の面前で電話することに最近はしている。
ミサトが電話に出た。
「あ、もしもし、シンちゃーん、あたし今車の中~、後5分で家に着くところよ」
シンジはほっとしてそれに答える。
「それはよかったです」
電話の向こうからちょっとふくれた声が聞こえてきた。
「ちょっとー、ところでこれってさあ、もしかしてチェック電話??」
「もちろんですよ。最近、ミサトさん全然僕の話、聞いてないじゃないですか。忙しいからっていつもはあはあテキトーな返事ばっかりで、肝心なこと
は後で聞いたら全然聞いてなかったっていうし・・、今日のこの約束を忘れていたら、今日こそはきっちり話をつけようと思っていたところです」
シンジのそれが特徴のやさしい口調で話した。
「あははー、そんなに最近ひどいー??ごめんね、気をつけるようにするから」
「いいですよ、もうあきらめてますから。じゃ、家の事はよろしくお願いします。できるだけ早く帰ります」
「あらー、いいのよ、ちょっとくらい遅くなっても、めったにない機会だし」
「そうですね。そうさせてもらいます」
シンジが電話を切り顔を上げると、周りは興味津々な顔してこっちを見ている。
118: 2010/11/21(日) 05:46:27 ID:???
特に新人の青山さんと、違う部署から来たばかりの大林係長の目が光っている。
「わーー、主任って、プライベートでも奥様にですます調なんですねー!!」
よく指摘される点だ。すでに同居暦20年以上、結婚暦14年だが癖が抜けない上に、仮にも相手は年上という意識もある。
少し酔いが回り始めた大林係長がずけずけと話し始める。
「しかし、どうなんですか、実際、一回り以上の年上の奥さんっていうのは、おまけに上司ときてる」
シンジは、おっさっそくきたな、という気持ちだ。まあ要するに世間は自分たちの内情、特に閨に興味があるんだということを、空気が読めないなりに
わかってきた。
同期や、営業の古株は内心、またきた!と思い始めた。大林さんはネルフは長いが営業では新人同様。葛城トークでは無敵の碇主任を知らない。
「もう、とっくに夜間活動は終わってるでしょ」
大林、このおやじ、かなり遠慮がないな。
「大林さんのところはどうなんですか?」
シンジはゆっくり息をはくように静かに訊ね、やさしい口調で続ける。
「僕のところはとにかく奥さんの帰りが遅いので、残念ながらなかなかその機会がなくって。でも年上の女性もなかなか味がありますよ」
ここでいったん息を整え、顔に笑みを浮かべている。
「もう、僕なんて、葛城さんがかわいくって。毎晩でも「したい」ところなんですが、迫っても相手が疲れててさっさと寝ちゃうものですから、起こすのも
悪いし、たいてい遠慮ますね。でも、機会があれば、昼となく夜となく裸にしちゃいますよ」
でたー!宴会ののっけから炸裂。営業が長い同僚達はもう慣れっこだ。これがシンジの得意技。周りが10歩ぐらい引いてしまう言葉をさらさらと口にのせる。
新人さんも赤い顔してひえーっという表情で下を向いた。
「わーー、主任って、プライベートでも奥様にですます調なんですねー!!」
よく指摘される点だ。すでに同居暦20年以上、結婚暦14年だが癖が抜けない上に、仮にも相手は年上という意識もある。
少し酔いが回り始めた大林係長がずけずけと話し始める。
「しかし、どうなんですか、実際、一回り以上の年上の奥さんっていうのは、おまけに上司ときてる」
シンジは、おっさっそくきたな、という気持ちだ。まあ要するに世間は自分たちの内情、特に閨に興味があるんだということを、空気が読めないなりに
わかってきた。
同期や、営業の古株は内心、またきた!と思い始めた。大林さんはネルフは長いが営業では新人同様。葛城トークでは無敵の碇主任を知らない。
「もう、とっくに夜間活動は終わってるでしょ」
大林、このおやじ、かなり遠慮がないな。
「大林さんのところはどうなんですか?」
シンジはゆっくり息をはくように静かに訊ね、やさしい口調で続ける。
「僕のところはとにかく奥さんの帰りが遅いので、残念ながらなかなかその機会がなくって。でも年上の女性もなかなか味がありますよ」
ここでいったん息を整え、顔に笑みを浮かべている。
「もう、僕なんて、葛城さんがかわいくって。毎晩でも「したい」ところなんですが、迫っても相手が疲れててさっさと寝ちゃうものですから、起こすのも
悪いし、たいてい遠慮ますね。でも、機会があれば、昼となく夜となく裸にしちゃいますよ」
でたー!宴会ののっけから炸裂。営業が長い同僚達はもう慣れっこだ。これがシンジの得意技。周りが10歩ぐらい引いてしまう言葉をさらさらと口にのせる。
新人さんも赤い顔してひえーっという表情で下を向いた。
121: 2010/11/22(月) 06:39:25 ID:???
「ただいまー」
カラオケも3次会も興味がないのでシンジは1次会が終わればさっさと家に帰えった。
時計は12時前を指している。
「おかえりなさーい」
娘がパジャマを着て居間から顔を出している。
「ミサトさん、どうだった?」
「うーん、ママがあんなに明るいうちから家にいるのは変だったけど、大丈夫」
「どこにいるの?」
「さっきから物音がしないから、もう部屋で寝てるかも」
まず10時前に帰ってくることの少ないミサトは「ままはよそのお家に住んでいる人だからっ」と娘に言われて
いる。
「パパももう寝るから、スミレももう寝なさい」
「はーい」
寝室に入ると、スミレの予測どおり、ミサトはすでにベッドで眠りこけている。寝相の悪いミサト対策という
わけではないが、幅160cmの大きなダブルベッドに2人は寝ている。
ふと、ミサトさんの寝顔を見て思った。
明日、スミレは朝から友達とショッピングに出かける。
そうしたら、「しよう」。
知り合って20年以上。初めてこの女性を抱きしめてから何年もの時が過ぎた。もう、2人の間にあるのは、若い
頃の欲望ではない。
仕事や家庭をまわすことに追われ、ふとすれば、それだけに流される日常。
相手が自分の傍にいる確認のため、自分があなたの傍にいることをきちんと知ってもらうために今はミサトさん
を抱く。
シンジはシャワーを浴びて、パジャマに着替え、そっとミサトの傍にもぐりこんだ。そして、シンジのほうに伸
びている手をそっと触れて眠りについた。
オシマイ
カラオケも3次会も興味がないのでシンジは1次会が終わればさっさと家に帰えった。
時計は12時前を指している。
「おかえりなさーい」
娘がパジャマを着て居間から顔を出している。
「ミサトさん、どうだった?」
「うーん、ママがあんなに明るいうちから家にいるのは変だったけど、大丈夫」
「どこにいるの?」
「さっきから物音がしないから、もう部屋で寝てるかも」
まず10時前に帰ってくることの少ないミサトは「ままはよそのお家に住んでいる人だからっ」と娘に言われて
いる。
「パパももう寝るから、スミレももう寝なさい」
「はーい」
寝室に入ると、スミレの予測どおり、ミサトはすでにベッドで眠りこけている。寝相の悪いミサト対策という
わけではないが、幅160cmの大きなダブルベッドに2人は寝ている。
ふと、ミサトさんの寝顔を見て思った。
明日、スミレは朝から友達とショッピングに出かける。
そうしたら、「しよう」。
知り合って20年以上。初めてこの女性を抱きしめてから何年もの時が過ぎた。もう、2人の間にあるのは、若い
頃の欲望ではない。
仕事や家庭をまわすことに追われ、ふとすれば、それだけに流される日常。
相手が自分の傍にいる確認のため、自分があなたの傍にいることをきちんと知ってもらうために今はミサトさん
を抱く。
シンジはシャワーを浴びて、パジャマに着替え、そっとミサトの傍にもぐりこんだ。そして、シンジのほうに伸
びている手をそっと触れて眠りについた。
オシマイ
引用元: ミサトシンジの小説投下スレ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります