2: 2016/01/13(水) 11:40:23.47
ここは魔界の一角にそびえる魔王城。
通称=薔薇乙女の城=

魔王「ふふ、今日も庭園の薔薇が綺麗ね」

彼女は魔王。
先代魔王の父より王位を継いだ、この城の主である。

側近「報告致します魔王様」

魔王「あら、何かしら?」

側近「はい。東の山にて、オーク達が女騎士を…」

魔王「や、やめて」

側近「はい?」

魔王「オークはその、せ、せ…性欲の塊の魔物で、女騎士にその…いやらしいことをするとか///」

側近「申し訳御座いません、魔王様。今後はこのような話をお耳に入れないよう配慮致します」


側近(魔王様ったら生粋の箱入り娘で、そういう話も苦手なのよね…まぁ、そういう所が可愛らしいのだけれど)フフ

そんな魔王に配慮してか、この城を守るのは女ばかりである。


近衛A「大変です、魔王様!」

魔王「あら、どうしたの?」

側近「廊下の方が騒がしいな…何があった?」

近衛A「はい…じ、実は、勇者が城に…」

側近「勇者だと!? 一人旅にも関わらず、我らに痛手を与えてくれた強敵…その勇者が、もう来たというのか!」

近衛A「それだけじゃないんです…!」

側近「何だと! まだ何かあるのか!」

近衛A「その勇者が…全裸なのです!」

側近「!?」


3: 2016/01/13(水) 11:40:55.00
キャーキャー

勇者「ハァッ!」

魔物A「キャー!」バタッ

勇者「ふっ、話には聞いていたが、本当にこの城は女だらけだな…。俺のエクスカリバーも喜んでいる」ナデナデ

魔物B「隙有りだ勇者、喰らえ――」

勇者「何の! 名剣エクスカリバー!!」

魔物B「」

魔物B「キャアアアァァ」バタッ

勇者「ふっ…流石エクスカリバーだ。これを手に入れた“あの時”はどうしようかと思ったが…」


4: 2016/01/13(水) 11:41:24.16
~回想~


勇者「ここがエクスカリバーが眠るという洞窟か…」

“我、エクスカリバーを守る者。汝は何者だ!”

勇者「この声は…? そうか番人か。俺は勇者! エクスカリバーを手にする者だ!」

“汝が勇者か。勇者なら、試練に耐えてみせよ”

勇者「剣を手に入れる為の試練か? いいだろう、どんな試練でも来い!」

“否。エクスカリバーとは剣に非ず。そして試練とは、エクスカリバーを手に入れる為のものではない”

勇者「どういう意味だ?」

“我の与える試練は…エクスカリバーを手にしてから始まるのだ!!”


カアアアァァッ


勇者「――!!」




勇者「う……俺は気絶していたのか。…ハッ!」

勇者「こ、これは…何て神秘的な輝き。し、しかしこれは…」




勇者「俺の股間がエクスカリバーになったのか!?」


5: 2016/01/13(水) 11:42:08.95
勇者「ほらほらぁ!」ピカーッ

魔物C「キャアアァァ!」バタッ

勇者(何て絶大な効果なんだ、エクスカリバー。その神々しい光を見せつけるだけで、女達は気絶していく)フフン


魔物D「くっ、何て強力な攻撃をするんだ…あれじゃあ近づけない!」

魔物E「…いや、見えた。攻略法が!」

魔物D「どういうこと!?」

魔物E「一見エクスカリバーは強力な武器…だけど同時に、弱点でもある!」

魔物D「そうか! エクスカリバーは男の弱点! つまり突破法は…」

魔物D&E「「金的!!」」


魔物D「セヤアアァァッ!」ビュンッ

勇者「っ!」バッ

勇者(こいつ…迷わずエクスカリバーを狙ってきた…! フ、まさかこうあっさりと弱点が見抜かれるとはな!)

魔物E「やはり奴は股間を守った! よし全員、奴の股間を狙え!!」


アアアァァァ


勇者「まずいな…。女達総がかりで股間を狙われるとは、絶体絶命のピンチだ…」

魔物F「喰らえ――」

勇者「…と言うとでも思ったか?」ニヤ

魔物F「――っ!」


6: 2016/01/13(水) 11:42:41.31
勇者「せやああぁぁっ!」ピカーッ

魔物G&H「キャアアァァァ」パタッ

魔物F「な…私の攻撃を回避しつつ、他の者に攻撃しただと!?」

勇者「来いよ、子猫ちゃん達…全員俺のエクスカリバーで悲鳴をあげさせてやるよ!」

魔物D「ひ、ひるむな! 突撃しろーっ!」


アアアァァァ

キャアアアァァ


側近「……」

側近「これはまずい」


7: 2016/01/13(水) 11:43:08.46
側近「魔王様! 今の内にお逃げ下さい!」

魔物「そんな! 皆を残して私だけが逃げるわけにはいかないわ!」

側近「奴の性剣は卑猥すぎます! あんなものが魔王様を襲えば、ひとたまりも…」


<キャーッ パタッ

側近「!!」


勇者「遂に来たぜファイナルステージ…お前が魔王か!」キラーン

魔王「きゃっ」

側近「魔王様! 見てはなりません!」バッ

勇者「邪魔をするな。さもなければ、お前もエクスカリバーの餌食にしてやる!」

側近「魔王様には下の毛一本触れさせるな! お前たち!」

近衛A「ハッ!」

近衛B「魔王様をお守り致します!」


8: 2016/01/13(水) 11:43:34.20
近衛A「キャーッ」パタッ

側近「はぁ、はぁ…」

勇者「ふ…あとはお前と魔王だけだな……」

側近(くっ、何てタフなんだ勇者め…。何度か弱点に攻撃をかすったが、いずれも致命傷には至っていない…)

勇者「おぉ…エクスカリバーが……」

側近「!! この輝きは…」

勇者「見ろ。沢山の女達の嬌声で、エクスカリバーがレベルアップしたぞ」

側近(直視してはいけない…! 光を頼りに、確実に股間を打つ!!)

魔王「う、うぅ…」ブルブル

側近(魔王様…!)グッ


側近「せやあああぁぁぁっ!!」ダダッ


魔王様、絶対に貴方を――


勇者「甘い!」ヒュンッ

側近(…! こいつ、一気に至近距離に…!!)

勇者「セヤァ!」ピカァーッ

側近「――っ」


魔王様――


側近「うわああぁぁ―――っ」


魔王様――……っ!


パタッ


9: 2016/01/13(水) 11:44:01.58
勇者「残すはお前だけだな…魔王!」

魔王「あ、ああぁ…」

勇者「さぁ覚悟するのだな…その目を覆う手をどけろ!」バッ

魔王「!!」

勇者「フフフ…さぁ、その目に焼き付けろ…」


勇者「名剣、エクスカリバアアァァ――ッ!!」ピカアアアァァッ

魔王「―――っ」


10: 2016/01/13(水) 11:44:37.54
魔王「…」ケロッ

勇者「な…!?」


おかしい。確かにエクスカリバーの光は魔王の視界を攻撃したはずだ。
なのに魔王は明らかにケロッとしていて…


勇者「も、もう1度だ…エクスカリバアアアァァ――ッ!!」ピカアアアアァァァッ

魔王「……」

勇者「!!?」


だが、魔王はやはり動じていなかった。


魔王「ふ、ふふふ…」

勇者「…!?」

魔王「ふふ、ははは…ハァーッハッハッハ!!」

勇者「!?!?」


11: 2016/01/13(水) 11:45:08.40
魔王「馬鹿め…魔王城のウブな小娘どもと一緒にするな!」バサッ

勇者「!!」


そう言って魔王が床に投げたのは…。


勇者「ウッ…この、おびただしい数の春画は…」

魔王「そう。私は春画で、幾つもの性剣を見てきた。今更お前ごときのエクスカリバーで動じはしない!」

勇者「な、何てことだ…箱入り娘と聞いていたが、実はこの魔王……」

魔王「そう…私は……」




魔王「――ムッツリスケベだったのだよ」


勇者「――っ!!」


12: 2016/01/13(水) 11:45:37.60
勇者は魔王に捕らえられ、地下牢の奥に放り込まれた。


側近「魔王様、勇者の処遇ですが…」

魔王「きゃっ」

側近「? 如何なさいました?」

魔王「あ、あのような破廉恥な方の話などしないで下さい…///」

側近「申し訳御座いません。奴は斬首で良いでしょうか?」

魔王「えぇ、そうしておいて」


側近(魔王様…あのような卑猥な攻撃にも負けず、勇者を倒した偉大な王。私はこの方に永遠について行く、絶対に)

魔王(私がムッツリスケベだと知ってる唯一の者。口封じの為にさっさと首をはねるに限る)


そして勇者は猿ぐつわを噛まされ、魔王の秘密を秘めたまま氏刑になった。
こうして薔薇乙女の城に平和が戻ったのである。


HAPPY END

13: 2016/01/13(水) 11:46:45.95
ご覧下さりありがとうございました。
この神ゲーに出会い「これはssを書かねば!」って気持ちが急いで急ピッチで仕上げました。
自分はアクションが苦手なのでステージ6までしか行っていませんが、頑張ってクリアしたいと思います!

16: 2016/01/13(水) 12:24:28.06
>>7
側近「下の毛一本触れさせるな!」
クッソワロタ

17: 2016/01/13(水) 12:26:12.94
勢いにワロタ

引用元: 側近「女だらけの魔王城に全裸の勇者が突撃してきた」