1: 2008/12/15(月) 04:35:06.74
俺はそう言った後、かつて愛し合っていた相手に
安いコーヒー代を渡して、上品な喫茶店を後にした。
これは、今までの思い出代・・なんてつまらない事は言わない。
きっと言ったって、アイツは俺を止めなかっただろう。
外に出ると、雨が降っていた。
梅雨らしい、蒸し暑い温度と生ぬるい雨が俺を濡らす
・・・今日は、歩いて帰ろう。
丁度、女房役のお供も居ない。
知り合いが居ないこの街を俺は嬉しく思った。
今見られたら、なんて言えばいいかなんて俺にはわからない。
ブルマにしては気をきかせてくれたんだな・・。と、惚れていた女を無理に褒めてみた。
雨は一層激しくなるばかりだ。
早く帰らないと、そう思う反面、足は重い。
歩きながら俺は、静かに昔を思い出していた・・・。
安いコーヒー代を渡して、上品な喫茶店を後にした。
これは、今までの思い出代・・なんてつまらない事は言わない。
きっと言ったって、アイツは俺を止めなかっただろう。
外に出ると、雨が降っていた。
梅雨らしい、蒸し暑い温度と生ぬるい雨が俺を濡らす
・・・今日は、歩いて帰ろう。
丁度、女房役のお供も居ない。
知り合いが居ないこの街を俺は嬉しく思った。
今見られたら、なんて言えばいいかなんて俺にはわからない。
ブルマにしては気をきかせてくれたんだな・・。と、惚れていた女を無理に褒めてみた。
雨は一層激しくなるばかりだ。
早く帰らないと、そう思う反面、足は重い。
歩きながら俺は、静かに昔を思い出していた・・・。
3: 2008/12/15(月) 04:39:50.54
―――何時からだろうか。
妙なすれ違いがあった。
ブルマはよく、俺に「浮気しただろ」だの「女の子にモテようと思って」だのと怒ってばかりだった。
正直俺は他の女に興味なんてなかったし、ブルマにふさわしいようにと努力ばかりしていた。
見た目もそうだし、頭もそうだし、体もまた。
不慣れなものが多すぎる俺を、ブルマは優しく教えてくれた。
俺もまた、俺が知っていることをブルマに教えてきた。
キスも、デートも、も。
俺は何も知らない男だった。
はブルマもしらない、大人の行為であったが。
キスぐらい、デートぐらい、とブルマは積極的に教えてくれた。
・・・だから、キスも上手くなったんだろう。
妙なすれ違いがあった。
ブルマはよく、俺に「浮気しただろ」だの「女の子にモテようと思って」だのと怒ってばかりだった。
正直俺は他の女に興味なんてなかったし、ブルマにふさわしいようにと努力ばかりしていた。
見た目もそうだし、頭もそうだし、体もまた。
不慣れなものが多すぎる俺を、ブルマは優しく教えてくれた。
俺もまた、俺が知っていることをブルマに教えてきた。
キスも、デートも、も。
俺は何も知らない男だった。
はブルマもしらない、大人の行為であったが。
キスぐらい、デートぐらい、とブルマは積極的に教えてくれた。
・・・だから、キスも上手くなったんだろう。
5: 2008/12/15(月) 04:44:35.93
ブルマは優しい女だった。 それでいて激情をもっていた。
少しの疑惑があれば、彼女は「浮気だろ」と怒りを爆発させて俺を責めた。
俺は真剣に怒る彼女を見て、苦しみ嘆く彼女を見て、何も言えずに謝った。
―――たとえそれが彼女の勘違いであってもだ。
仲直りをする時は、いつもキスをする。
そのあとズルズルとをする。
仲直りのほど、燃えるのだとブルマは笑って言っていた。
反面、俺は憂鬱になった。
嫌いな訳じゃない。
ただ、このような繋がり方が正しいかは俺にはわからなくて―――
また、いつもの癖が始まった。
理由は、俺の帰りが遅かったから。
いつもは連絡をいれるのだが、その日は忙しくて入れる時間が無く
結果的に朝帰りになってしまったからだ。
少しの疑惑があれば、彼女は「浮気だろ」と怒りを爆発させて俺を責めた。
俺は真剣に怒る彼女を見て、苦しみ嘆く彼女を見て、何も言えずに謝った。
―――たとえそれが彼女の勘違いであってもだ。
仲直りをする時は、いつもキスをする。
そのあとズルズルとをする。
仲直りのほど、燃えるのだとブルマは笑って言っていた。
反面、俺は憂鬱になった。
嫌いな訳じゃない。
ただ、このような繋がり方が正しいかは俺にはわからなくて―――
また、いつもの癖が始まった。
理由は、俺の帰りが遅かったから。
いつもは連絡をいれるのだが、その日は忙しくて入れる時間が無く
結果的に朝帰りになってしまったからだ。
6: 2008/12/15(月) 04:49:03.18
「どうせ違う女の家にでも泊まってきたんでしょ?!」
彼女は泣きじゃくりながら、俺に向かって物を投げる。
花瓶、枕、写真立て、ペンチ、雑誌・・
近くになればなんでもありだ。
俺は避けながら、言い訳まじりに謝る。
「ごめん、ごめんって! 仕事が立て込んでて連絡いれれなかっただけだって!」
「嘘おっしゃい! どうせ女と仲良くでもしてたんでしょ?!」
泣き叫びながら彼女は言う。
俺は違う、と言うけれど彼女は聞かない。
ひたすら、泣いて責めるだけなのだ。
「聞けよ、ブルマ!」
俺は彼女を押さえこんで怒鳴る。
そうすると、彼女は黙るんだ。
彼女は泣きじゃくりながら、俺に向かって物を投げる。
花瓶、枕、写真立て、ペンチ、雑誌・・
近くになればなんでもありだ。
俺は避けながら、言い訳まじりに謝る。
「ごめん、ごめんって! 仕事が立て込んでて連絡いれれなかっただけだって!」
「嘘おっしゃい! どうせ女と仲良くでもしてたんでしょ?!」
泣き叫びながら彼女は言う。
俺は違う、と言うけれど彼女は聞かない。
ひたすら、泣いて責めるだけなのだ。
「聞けよ、ブルマ!」
俺は彼女を押さえこんで怒鳴る。
そうすると、彼女は黙るんだ。
9: 2008/12/15(月) 04:51:54.36
「俺はそんな事してない。 絶対にだ。」
俺は真剣に言う。
彼女は泣きながら、『本当・・?』と聞く。
弱弱しい、今にも消えそうな声で。
「ああ」
小さく返事した後に、俺はキスをする
彼女は泣きながら、キスで返してくれる。
いつものパターンだ。
・・・それでも、俺は幸せだった。
きっと、それが幸せなんだと心が勝手に決めていたんだ。
―――俺が氏んだとき、それが壊れたんだ
俺は真剣に言う。
彼女は泣きながら、『本当・・?』と聞く。
弱弱しい、今にも消えそうな声で。
「ああ」
小さく返事した後に、俺はキスをする
彼女は泣きながら、キスで返してくれる。
いつものパターンだ。
・・・それでも、俺は幸せだった。
きっと、それが幸せなんだと心が勝手に決めていたんだ。
―――俺が氏んだとき、それが壊れたんだ
12: 2008/12/15(月) 04:56:47.20
氏んだとき、彼女は泣いてくれた。
嬉しかった。嬉しくて、もう一回氏んでもいい!と蛇の道、叫んでしまうぐらいに。
界王様のとこで修行している間、俺はブルマの事ばかり考えていた
早く、お前に会いたい―――
そんな、小さな悲しみをひとつこぼしては修行に励んだ。
帰ったら、きっと極上の笑顔と甘いキスで出迎えてくれる
そう信じて俺はその日を夢みたんだ。
生き返った後、そこにいたのはかつての強敵だった
俺は恐怖した。でもそれ以上に。
彼女と会える喜びのほうが大きかったんだ。
「ヤムチャ―――!」
「ブルマ!!」
しっかり抱き合った後、キスをする。
幸せだった。 何も変わらぬ彼女が一段と綺麗に見えて―――。
ただ、愛しかった。
嬉しかった。嬉しくて、もう一回氏んでもいい!と蛇の道、叫んでしまうぐらいに。
界王様のとこで修行している間、俺はブルマの事ばかり考えていた
早く、お前に会いたい―――
そんな、小さな悲しみをひとつこぼしては修行に励んだ。
帰ったら、きっと極上の笑顔と甘いキスで出迎えてくれる
そう信じて俺はその日を夢みたんだ。
生き返った後、そこにいたのはかつての強敵だった
俺は恐怖した。でもそれ以上に。
彼女と会える喜びのほうが大きかったんだ。
「ヤムチャ―――!」
「ブルマ!!」
しっかり抱き合った後、キスをする。
幸せだった。 何も変わらぬ彼女が一段と綺麗に見えて―――。
ただ、愛しかった。
15: 2008/12/15(月) 05:01:04.40
生き返った後、生活は昔と同じように戻った。
俺は仕事をして、彼女のふさわしい男になるためにがんばった。
彼女は彼女で、自分の仕事に精を出していた。
すれ違いが多くなり始めてはいたが、夜は一緒に過ごした。
しない日もあったが、それでも彼女は幸せそうに笑っていた
だから、この日常が変わらないものだと思っていた。
その日、俺は仕事が遅くなると彼女に伝えると電話を切った。
この仕事が終われば、俺は彼女に言うことができる。
『結婚しよう』
とびっきり上等なレストランで言う言葉。
そして渡そうと決心した、小さな指輪。
彼女の小遣いで買えるような、小さい石の指輪。
俺の2年分の給料の結晶だ。
俺は仕事をして、彼女のふさわしい男になるためにがんばった。
彼女は彼女で、自分の仕事に精を出していた。
すれ違いが多くなり始めてはいたが、夜は一緒に過ごした。
しない日もあったが、それでも彼女は幸せそうに笑っていた
だから、この日常が変わらないものだと思っていた。
その日、俺は仕事が遅くなると彼女に伝えると電話を切った。
この仕事が終われば、俺は彼女に言うことができる。
『結婚しよう』
とびっきり上等なレストランで言う言葉。
そして渡そうと決心した、小さな指輪。
彼女の小遣いで買えるような、小さい石の指輪。
俺の2年分の給料の結晶だ。
17: 2008/12/15(月) 05:04:40.44
「早く、言いたいな。」
独り言にしては大きな声だろう。
でも構わない。 今は幸せなんだから。
眠い目をこすって、俺は仕事を続ける。
夜はまだ始まったばかりだ――――
「許して。」
彼女はこう言った。
俺はなんのことはわからないまま、返事できなかった
「許してちょうだい、ヤムチャ」
彼女は涙を流しながら言う。
そして、指輪をはめずにレストランから出るのだ。
俺は置かれた指輪を見つめたままだった。
彼女を追えずに、ただそこに座ったまま・・・。
独り言にしては大きな声だろう。
でも構わない。 今は幸せなんだから。
眠い目をこすって、俺は仕事を続ける。
夜はまだ始まったばかりだ――――
「許して。」
彼女はこう言った。
俺はなんのことはわからないまま、返事できなかった
「許してちょうだい、ヤムチャ」
彼女は涙を流しながら言う。
そして、指輪をはめずにレストランから出るのだ。
俺は置かれた指輪を見つめたままだった。
彼女を追えずに、ただそこに座ったまま・・・。
18: 2008/12/15(月) 05:08:32.85
『許してちょうだい』
君は、俺に何かしたのか?
俺は、君に何かしたのか?
わからない、わからないんだ。
指輪がむなしく光っていた。
その光が妙に頭にこびりついて・・・。
その後、彼女は俺に会わなくなった。
理由はわからない。 彼女の母親も、父親も何も言わないからだ。
電話すらでてくれない。
彼女の謝罪の言葉ばかりが頭をかすめる。
俺は何をしたのか。
結婚、それが彼女にとって酷だったのか。
そう思うと、俺は罪悪感に襲われて、仕事に手がつかなかった。
君は、俺に何かしたのか?
俺は、君に何かしたのか?
わからない、わからないんだ。
指輪がむなしく光っていた。
その光が妙に頭にこびりついて・・・。
その後、彼女は俺に会わなくなった。
理由はわからない。 彼女の母親も、父親も何も言わないからだ。
電話すらでてくれない。
彼女の謝罪の言葉ばかりが頭をかすめる。
俺は何をしたのか。
結婚、それが彼女にとって酷だったのか。
そう思うと、俺は罪悪感に襲われて、仕事に手がつかなかった。
20: 2008/12/15(月) 05:11:38.50
『許してちょうだい』
今なら、その理由が分かる。
彼女が言った言葉、それは。
「ヤムチャ、私の子よ。」
「でも、あなたの子じゃない。」
「この子は。」
彼女は泣きながら言う。
この子は、ベジータの子なんだと。
「・・・堕ろせなかった。」
「頃すことなんて出来なかった・・!」
彼女は泣きながら言う。
俺は小さく笑って、彼女に言うんだ。
「なんで泣くんだよ、おめでたい事じゃないか。」
「大事にしろよ。 お、男か?きっと強くなるぞ~」
俺は笑う。 心の中はどしゃぶりの雨だというのに。
今なら、その理由が分かる。
彼女が言った言葉、それは。
「ヤムチャ、私の子よ。」
「でも、あなたの子じゃない。」
「この子は。」
彼女は泣きながら言う。
この子は、ベジータの子なんだと。
「・・・堕ろせなかった。」
「頃すことなんて出来なかった・・!」
彼女は泣きながら言う。
俺は小さく笑って、彼女に言うんだ。
「なんで泣くんだよ、おめでたい事じゃないか。」
「大事にしろよ。 お、男か?きっと強くなるぞ~」
俺は笑う。 心の中はどしゃぶりの雨だというのに。
23: 2008/12/15(月) 05:14:44.27
「名前は、トランクス」
「名前をつけたのはパパなの。」
彼女は泣きながら言う
子供は、母親が泣いてるもんだからつられるように泣きはじめた。
俺はあわてて、あやす。
「ほら、ブルマ泣くな! トランクスが泣いてるぞ!」
「でも・・でも・・・」
「いいから、笑ってやれ! 子供を泣かす親があるか!」
俺はあやしながら言う。
彼女は無理やり笑って、一緒にあやす。
そうだ、君は笑ってるほうがいいんだよ。
「名前をつけたのはパパなの。」
彼女は泣きながら言う
子供は、母親が泣いてるもんだからつられるように泣きはじめた。
俺はあわてて、あやす。
「ほら、ブルマ泣くな! トランクスが泣いてるぞ!」
「でも・・でも・・・」
「いいから、笑ってやれ! 子供を泣かす親があるか!」
俺はあやしながら言う。
彼女は無理やり笑って、一緒にあやす。
そうだ、君は笑ってるほうがいいんだよ。
24: 2008/12/15(月) 05:17:31.31
暫くしてから、彼女から連絡があった。
『東の都で話そう』
『そこで決着をつけよう』
と
俺は、それを了解した。
覚悟は決めていた。
俺は結局ふさわしい男にはなれなかった。
俺は強くはないし、金もない。顔は・・まぁ自信はあったが、駄目だった。
彼女には強くてしっかりした、それでいてちょっとは男前なやつがお似合いなんだ。
ベジータほど適任な男は居ないだろう。
悔しいけど、負けた。 悔しいけど・・・な。
『東の都で話そう』
『そこで決着をつけよう』
と
俺は、それを了解した。
覚悟は決めていた。
俺は結局ふさわしい男にはなれなかった。
俺は強くはないし、金もない。顔は・・まぁ自信はあったが、駄目だった。
彼女には強くてしっかりした、それでいてちょっとは男前なやつがお似合いなんだ。
ベジータほど適任な男は居ないだろう。
悔しいけど、負けた。 悔しいけど・・・な。
29: 2008/12/15(月) 05:22:39.61
東の都、そこは比較的落ち着いた都会だった。
俺にとっては、苦い思い出が転がる場所でもあったが。
指定したの喫茶店は、初デートの場所でもあった。
彼女らしい、だなんて言いはしない。
―――その喫茶店は、若い俺達には窮屈な場所で
今の俺達にとっては広すぎる場所だった。
流れる音楽が、ムードを作ってくれる。
若い俺達には、それがくすぐったかった。
今の俺達には、とても悲しくて・・・。
「・・・私が」
彼女は、口を開く。
彼女は下を向いたまま言う。
「私が妊娠したのは、ベジータが悪いんじゃないの。」
「私が、ちゃんと避妊しないから悪かったの。」
「私が、私が全部悪かったのよ・・!」
彼女は言う。
彼女は優しい女だ。 それでいて酷い女。
そう言われたら、ベジータを責めれない。
君がすべてを被るつもりなんだろう?
俺にとっては、苦い思い出が転がる場所でもあったが。
指定したの喫茶店は、初デートの場所でもあった。
彼女らしい、だなんて言いはしない。
―――その喫茶店は、若い俺達には窮屈な場所で
今の俺達にとっては広すぎる場所だった。
流れる音楽が、ムードを作ってくれる。
若い俺達には、それがくすぐったかった。
今の俺達には、とても悲しくて・・・。
「・・・私が」
彼女は、口を開く。
彼女は下を向いたまま言う。
「私が妊娠したのは、ベジータが悪いんじゃないの。」
「私が、ちゃんと避妊しないから悪かったの。」
「私が、私が全部悪かったのよ・・!」
彼女は言う。
彼女は優しい女だ。 それでいて酷い女。
そう言われたら、ベジータを責めれない。
君がすべてを被るつもりなんだろう?
34: 2008/12/15(月) 05:26:58.53
「・・・言うなよ」
俺は笑う。
手はポケットの中漂う。
穴があいたポケット。 すかすかして気持ち悪いポケット。
彼女は言う。
泣きそうな声を、一生懸命絞り出して言う。
「あの夜、アンタが帰ってこなくて。」
「偶然ベランダに出たの。 そしたら」
「ベジータがいたの。 アイツ、すごくさびしそうな顔をしてた。」
「・・だから、話し相手にでもなってやろうと思って。」
彼女は言う。
俺は笑いながら聞く。 彼女のラブロマンスを。
「抱かれるつもりなんてなかった・・・!」
「ただ、アイツの眼が、忘れられなくて。」
彼女は言う。
俺は笑いながら、口を開く。
「幸せになれよ、親友。」
俺は笑う。
手はポケットの中漂う。
穴があいたポケット。 すかすかして気持ち悪いポケット。
彼女は言う。
泣きそうな声を、一生懸命絞り出して言う。
「あの夜、アンタが帰ってこなくて。」
「偶然ベランダに出たの。 そしたら」
「ベジータがいたの。 アイツ、すごくさびしそうな顔をしてた。」
「・・だから、話し相手にでもなってやろうと思って。」
彼女は言う。
俺は笑いながら聞く。 彼女のラブロマンスを。
「抱かれるつもりなんてなかった・・・!」
「ただ、アイツの眼が、忘れられなくて。」
彼女は言う。
俺は笑いながら、口を開く。
「幸せになれよ、親友。」
36: 2008/12/15(月) 05:29:08.53
「え・・・?」
彼女は顔をあげる。
俺は笑ったまま、安いコーヒー代を置く
そしてこう言うんだ。
「ジョークぐらい言われろよ・・な。」
さようなら、俺の初恋
さようなら、俺の青春
幸せだった。全てが。
彼女は顔をあげる。
俺は笑ったまま、安いコーヒー代を置く
そしてこう言うんだ。
「ジョークぐらい言われろよ・・な。」
さようなら、俺の初恋
さようなら、俺の青春
幸せだった。全てが。
39: 2008/12/15(月) 05:34:22.20
雨は止まない。 俺は空を見る。
真っ暗で、空のひとつも見えやしない。
俺は息をめいっぱい吸う。
そして大声で叫ぶんだ。
「馬鹿野郎ぉおおおお!!!」
幸せになれよ、親友。
俺の分よりも、幸せになってくれ。
そうしなきゃ、俺が報われない。
この歳まで独身貫いた俺が・・さ。
少しした後に、雨は止んだ。
髪からしたたり落ちる水は、温かくて。
家までもう少し。 相棒はなんていうだろうか?
きっと、慌てたようにタオルを持ってきて、泣くんだろうな。
真っ暗で、空のひとつも見えやしない。
俺は息をめいっぱい吸う。
そして大声で叫ぶんだ。
「馬鹿野郎ぉおおおお!!!」
幸せになれよ、親友。
俺の分よりも、幸せになってくれ。
そうしなきゃ、俺が報われない。
この歳まで独身貫いた俺が・・さ。
少しした後に、雨は止んだ。
髪からしたたり落ちる水は、温かくて。
家までもう少し。 相棒はなんていうだろうか?
きっと、慌てたようにタオルを持ってきて、泣くんだろうな。
41: 2008/12/15(月) 05:37:10.17
「ジョークぐらい言わせろよ・・か。」
本当はジョークなんかじゃない。
愛していたから、言ってしまったんだろう。
恋人は無理でも、親友ぐらい言わせてくれ。
君のそばに居たいんだ、少しでも・・。
未練がましい男だろう?君が知ったら笑うだろうから、言わないでおくけどさ。
「・・・失恋記念日に、乾杯ってか。」
そう言って、家のドアを叩いた。
中には、俺の相棒が待ってる。
ビール冷えてるかな、なんておっさんくさいことを思いながら
今、扉を開くのを待っている。
END
本当はジョークなんかじゃない。
愛していたから、言ってしまったんだろう。
恋人は無理でも、親友ぐらい言わせてくれ。
君のそばに居たいんだ、少しでも・・。
未練がましい男だろう?君が知ったら笑うだろうから、言わないでおくけどさ。
「・・・失恋記念日に、乾杯ってか。」
そう言って、家のドアを叩いた。
中には、俺の相棒が待ってる。
ビール冷えてるかな、なんておっさんくさいことを思いながら
今、扉を開くのを待っている。
END
43: 2008/12/15(月) 05:38:57.71
言っておくが、俺はブルマが嫌いなわけじゃない
それ以上にヤムチャが好きなんだ、わかってくれ
よしブルマ編いくか
それ以上にヤムチャが好きなんだ、わかってくれ
よしブルマ編いくか
45: 2008/12/15(月) 05:42:20.55
「・・・300ゼニー」
私は、彼が置いていったコーヒー代を口に出してみる。
若い頃、あなたったらなけなしの給料から出してくれたわよね。
一杯150ゼニーのコーヒー、無理しちゃってサ。
それでも幸せだったのは、愛されてるって確信があったから。
何時からだろう、あなたを素直に愛せなくなったのは。
こんな女だから、あなたに振られたのかしら。
「ジョークぐらい言わせてよ・・ね。」
あなたの残り香が、鼻をくすぐる。
雨は止まない。 あなたは、この雨の中歩いているのかしら・・?
私は、彼が置いていったコーヒー代を口に出してみる。
若い頃、あなたったらなけなしの給料から出してくれたわよね。
一杯150ゼニーのコーヒー、無理しちゃってサ。
それでも幸せだったのは、愛されてるって確信があったから。
何時からだろう、あなたを素直に愛せなくなったのは。
こんな女だから、あなたに振られたのかしら。
「ジョークぐらい言わせてよ・・ね。」
あなたの残り香が、鼻をくすぐる。
雨は止まない。 あなたは、この雨の中歩いているのかしら・・?
46: 2008/12/15(月) 05:45:44.12
怖かった。
あなたが私の元を去っていくのが。
理由はいっぱいあった。
闘い、女性関係、交友関係・・・
言い始めたらキリがない。
幸せな反面、苦しくてしょうがなかった。
泣きながら、喚くなんていやな女だったね。
それでもあなたは愛してくれた。
怖かった。
あなたを盗られるじゃないかと。
あなたほどの男、私にはもったいないのよ。
昔願った、Mr.ドリーム。
手に入ったとたん、襲い来る恐怖。
夢の中だけでよかったのかもしれない。
そう、夢だけで・・。
あなたが私の元を去っていくのが。
理由はいっぱいあった。
闘い、女性関係、交友関係・・・
言い始めたらキリがない。
幸せな反面、苦しくてしょうがなかった。
泣きながら、喚くなんていやな女だったね。
それでもあなたは愛してくれた。
怖かった。
あなたを盗られるじゃないかと。
あなたほどの男、私にはもったいないのよ。
昔願った、Mr.ドリーム。
手に入ったとたん、襲い来る恐怖。
夢の中だけでよかったのかもしれない。
そう、夢だけで・・。
49: 2008/12/15(月) 05:48:57.12
私たちのケンカはいつもワンパターンだった。
私が一人怒鳴り散らして、あなたがなだめて、キスをする。
そしてずるずるとをするのだ。
私は「燃える」だなんて言ってごまかすけど
本当はただ、怖かっただけなのだ。
「ブルマ・・・大丈夫だ。」
あなたは優しくささやく。
教えて、あなたの優しさはどこから来るの?
私の苦しみはどこへいくの?
私はわからないまま、あなたを愛した。
――――あなたが氏んで、全てが変わった。
私が一人怒鳴り散らして、あなたがなだめて、キスをする。
そしてずるずるとをするのだ。
私は「燃える」だなんて言ってごまかすけど
本当はただ、怖かっただけなのだ。
「ブルマ・・・大丈夫だ。」
あなたは優しくささやく。
教えて、あなたの優しさはどこから来るの?
私の苦しみはどこへいくの?
私はわからないまま、あなたを愛した。
――――あなたが氏んで、全てが変わった。
51: 2008/12/15(月) 05:52:25.88
ベジータ、最初は怖かった。
それでいて、美しかった。
孤独が似合う男で、でもどこかさびしそうで。
私は兄弟ができたかのように優しく構った。
ある夜、ヤムチャは帰らなかった。
不安で眠れない夜、外に出る。
そこにはベジータがいた。
さびしそうに空を見上げるアンタ。
「ね、話さない?」
私は誘う。
アンタは嫌そうに、舌打ちだけを返す。
私は構わず話し続ける。
話は、途中から色を変え始めた。
それでいて、美しかった。
孤独が似合う男で、でもどこかさびしそうで。
私は兄弟ができたかのように優しく構った。
ある夜、ヤムチャは帰らなかった。
不安で眠れない夜、外に出る。
そこにはベジータがいた。
さびしそうに空を見上げるアンタ。
「ね、話さない?」
私は誘う。
アンタは嫌そうに、舌打ちだけを返す。
私は構わず話し続ける。
話は、途中から色を変え始めた。
52: 2008/12/15(月) 05:54:36.80
「うふふ、本当に困った男なのよ!」
「本当に・・・」
何が悲しいのか、涙があふれ出た。
ヤムチャを想うと、涙しか出ないのだ。
「や、やだ、あたしったら・・」
「ごめんね、私もう寝る・・」
「待て、女」
アンタは私を止める
私は泣きながら、アンタの眼を見つめる。
眼に惹きつけられた。
寂しさと熱を灯した眼に。
「本当に・・・」
何が悲しいのか、涙があふれ出た。
ヤムチャを想うと、涙しか出ないのだ。
「や、やだ、あたしったら・・」
「ごめんね、私もう寝る・・」
「待て、女」
アンタは私を止める
私は泣きながら、アンタの眼を見つめる。
眼に惹きつけられた。
寂しさと熱を灯した眼に。
53: 2008/12/15(月) 05:56:59.38
3流のメロドラマみたいな展開。
今、私はこの男に抱かれている。
激しい愛撫に流されていく。
激しい攻めに流されていく。
激しい光に飲み込まれていく―――。
真っ白な世界の中、誰かが呼んでいる。
その声は誰なのか・・・私にはわからない。
私の中に、何かが溢れ出た。
今、私はこの男に抱かれている。
激しい愛撫に流されていく。
激しい攻めに流されていく。
激しい光に飲み込まれていく―――。
真っ白な世界の中、誰かが呼んでいる。
その声は誰なのか・・・私にはわからない。
私の中に、何かが溢れ出た。
54: 2008/12/15(月) 05:59:27.92
「う、うそ・・」
私は自覚する。
私は、駄目な女なんだと。
泣いたってどうにかなる訳ないのに。
涙だけが出て、止まらない。
シャワーを浴びて、服を着替えて
あなたの帰りを待つ。
あなたは幸せそうな顔で帰ってくるんでしょう。
そして、キスをして少しだけ眠るの。
・・・この唇はもう、あなただけのものじゃない。
そして、この体も・・。
そう思うと、私はあなたに会うこともできない。
それなのに。
私は自覚する。
私は、駄目な女なんだと。
泣いたってどうにかなる訳ないのに。
涙だけが出て、止まらない。
シャワーを浴びて、服を着替えて
あなたの帰りを待つ。
あなたは幸せそうな顔で帰ってくるんでしょう。
そして、キスをして少しだけ眠るの。
・・・この唇はもう、あなただけのものじゃない。
そして、この体も・・。
そう思うと、私はあなたに会うこともできない。
それなのに。
56: 2008/12/15(月) 06:02:44.21
「結婚してほしい」
私は狂いそうになった。
あなたは残酷な男ね
頭の中、いろんな事がぐるぐる回る。
私は泣きながら、レストランを出る。
待ち望んで結果、少しばかり遅かった結果。
ぐるぐるといろんな事が回ってる。
―――私は、貴方に会えない。
そう言って、あなたを追い出した。
酷い女、そう思ってくれていいの。
いっそ、嫌いになってくれたら・・・
そう呟いて、私は泣き続けた。
私は狂いそうになった。
あなたは残酷な男ね
頭の中、いろんな事がぐるぐる回る。
私は泣きながら、レストランを出る。
待ち望んで結果、少しばかり遅かった結果。
ぐるぐるといろんな事が回ってる。
―――私は、貴方に会えない。
そう言って、あなたを追い出した。
酷い女、そう思ってくれていいの。
いっそ、嫌いになってくれたら・・・
そう呟いて、私は泣き続けた。
57: 2008/12/15(月) 06:05:58.04
気づくと、私のおなかの中に「いのち」が宿っていた。
誰の子かはわかる。 ・・・それは望んでいない「いのち」
私はどうすることもできない。
その「いのち」を頃すことなんて私にはできない。
私は黙って育てることにした。
時がたてば、全てがわかってしまう。
でもせめて今だけは・・そう思い、黙っている。
「ヤムチャ、許して・・・」
「私には頃すことなんて出来ないの。」
「たとえ、これが望まれないいのちであっても。」
私はおなかを撫でる。
中では小さな命が笑っている。
分かるの。 ・・・分かってしまうの。
誰の子かはわかる。 ・・・それは望んでいない「いのち」
私はどうすることもできない。
その「いのち」を頃すことなんて私にはできない。
私は黙って育てることにした。
時がたてば、全てがわかってしまう。
でもせめて今だけは・・そう思い、黙っている。
「ヤムチャ、許して・・・」
「私には頃すことなんて出来ないの。」
「たとえ、これが望まれないいのちであっても。」
私はおなかを撫でる。
中では小さな命が笑っている。
分かるの。 ・・・分かってしまうの。
60: 2008/12/15(月) 06:09:06.72
生まれた後、彼は私のところへ来た。
皆の前では笑っていたあなた。
きっと私を責めるんだわ。 彼にはその資格がある。
「私の子なの。」
「でも、あなたの子じゃないわ。」
私は酷い女。
あなたはきっと怒ってるだろうに。
泣いて謝ったって駄目だって、分かっているのに・・・
「泣くなよ」
「元気そうないい子じゃないか」
「良かったな」
優しいあなた。
私はそんなあなたを愛している。
・・・愛していた。
皆の前では笑っていたあなた。
きっと私を責めるんだわ。 彼にはその資格がある。
「私の子なの。」
「でも、あなたの子じゃないわ。」
私は酷い女。
あなたはきっと怒ってるだろうに。
泣いて謝ったって駄目だって、分かっているのに・・・
「泣くなよ」
「元気そうないい子じゃないか」
「良かったな」
優しいあなた。
私はそんなあなたを愛している。
・・・愛していた。
61: 2008/12/15(月) 06:11:42.52
「ほら、泣くなよ!子供も泣いてるじゃないか!」
「笑ってやれ、な?」
私の背中を優しく撫でた後、トランクスをあやすあなた。
私も無理やり泣き止んで、一緒にあやす。
トランクスは、嬉しそうに笑う。 ごめんね、こんなお母さんで。
ごめんね、こんな女で・・・。
「ごめん、また連絡するわ。」
そう言って、はんば強制にヤムチャを返す。
・・・別れよう。
私はそう決心した。
「笑ってやれ、な?」
私の背中を優しく撫でた後、トランクスをあやすあなた。
私も無理やり泣き止んで、一緒にあやす。
トランクスは、嬉しそうに笑う。 ごめんね、こんなお母さんで。
ごめんね、こんな女で・・・。
「ごめん、また連絡するわ。」
そう言って、はんば強制にヤムチャを返す。
・・・別れよう。
私はそう決心した。
62: 2008/12/15(月) 06:15:12.43
指定した場所は、初デートの場所。
昔の私が背伸びして見つけた喫茶店。
大人な音楽 大人な店内
若い私たちには窮屈でつまらない場所。
それでも、私は幸せだった。 そしてあなたも。
音楽を乱すベルの音。 あなたが来た合図。
「ブルマ・・」
優しい眼で私も見つめるあなた。
最後まで、酷い男。
いっそのこと、責めてくれればいいのに。
めちゃくちゃに罵って、ほっぺぐらい叩いてくれればいいのに。
優しい男。 そんなあなただから愛せたのね。
昔の私が背伸びして見つけた喫茶店。
大人な音楽 大人な店内
若い私たちには窮屈でつまらない場所。
それでも、私は幸せだった。 そしてあなたも。
音楽を乱すベルの音。 あなたが来た合図。
「ブルマ・・」
優しい眼で私も見つめるあなた。
最後まで、酷い男。
いっそのこと、責めてくれればいいのに。
めちゃくちゃに罵って、ほっぺぐらい叩いてくれればいいのに。
優しい男。 そんなあなただから愛せたのね。
63: 2008/12/15(月) 06:17:31.96
少し話した後に、私は別れを切り出す。
あなたは笑いながら、それを聞く。
泣きそうな私は下を向いたまま、言葉を吐き続けた。
「・・幸せになれよ親友。」
彼は優しい声でそういった。
「え?」
私は顔をあげる。
彼はポケットから、300ゼニーを出すとそれを机に置いた。
そして笑いながら言うのだ。
「ジョークぐらい言わせろよ・・・な」
あなたは笑いながら、それを聞く。
泣きそうな私は下を向いたまま、言葉を吐き続けた。
「・・幸せになれよ親友。」
彼は優しい声でそういった。
「え?」
私は顔をあげる。
彼はポケットから、300ゼニーを出すとそれを机に置いた。
そして笑いながら言うのだ。
「ジョークぐらい言わせろよ・・・な」
65: 2008/12/15(月) 06:21:25.89
雨は止み始め、私も喫茶店をでる。
「冗談にしてはキツすぎるわよ・・馬鹿。」
私は歩きながら呟く。
あなたは優しすぎたのよ。
それでいて・・・。
「ばいばい、Mr.ドリーム。」
私は、夢見る少女を捨てた。
夢で会った理想の男性はもう居ない。
大人の階段を上りきった私にはもう必要ないの。
冷たい女かもしれないけど、構わない。
夢見たあの頃より、空は光輝いていた。
END
「冗談にしてはキツすぎるわよ・・馬鹿。」
私は歩きながら呟く。
あなたは優しすぎたのよ。
それでいて・・・。
「ばいばい、Mr.ドリーム。」
私は、夢見る少女を捨てた。
夢で会った理想の男性はもう居ない。
大人の階段を上りきった私にはもう必要ないの。
冷たい女かもしれないけど、構わない。
夢見たあの頃より、空は光輝いていた。
END
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります