1: 2012/11/18(日) 14:15:38.40
キーンコーンカーンコーン
先輩「…あかん。寝てもうた。もうこんな時間や」
先輩「……後輩ちゃん、先に帰ったみたいやね」
先輩「あれ?誰やろ、ウチにセーターかけてくれたんわ」
先輩「これ、後輩ちゃんのやな」
スー
先輩「後輩ちゃんの匂いや…ってウチなにしとんねん!」
先輩「…あかん。寝てもうた。もうこんな時間や」
先輩「……後輩ちゃん、先に帰ったみたいやね」
先輩「あれ?誰やろ、ウチにセーターかけてくれたんわ」
先輩「これ、後輩ちゃんのやな」
スー
先輩「後輩ちゃんの匂いや…ってウチなにしとんねん!」
4: 2012/11/18(日) 14:22:09.52
先輩「あ、後輩ちゃんの原稿がある。途中かけみたいやなあ。どれどれ?」
先輩「タイトルは…【女二形】
何て読むんやろ、これ……まあええわ」
『今思えば、眩暈の様なものだったのかもしれません。女が女に恋をするなんて、よくよく考えれば間違った道理ですから
それはただ、一時の気の迷いが、そう錯覚させていたのでしょう』
先輩「ほう……百合か」
先輩「タイトルは…【女二形】
何て読むんやろ、これ……まあええわ」
『今思えば、眩暈の様なものだったのかもしれません。女が女に恋をするなんて、よくよく考えれば間違った道理ですから
それはただ、一時の気の迷いが、そう錯覚させていたのでしょう』
先輩「ほう……百合か」
5: 2012/11/18(日) 14:27:32.31
『なにも気に留めることではないのです。人生においてほんの一瞬、間違ってしまっただけなのだから。
明日には、何もかも忘れてしまいましょう。昨日まで好きだった人の、顔も、名前も』
先輩「なんか、切ないかんじやな、これ」
先輩「後輩ちゃん、どんなことを思って書いてたんやろうか」
先輩「作者の気持ちを考えるのが文系やしな」
明日には、何もかも忘れてしまいましょう。昨日まで好きだった人の、顔も、名前も』
先輩「なんか、切ないかんじやな、これ」
先輩「後輩ちゃん、どんなことを思って書いてたんやろうか」
先輩「作者の気持ちを考えるのが文系やしな」
7: 2012/11/18(日) 14:33:19.06
先輩「なんで、女の子同士の恋愛なんて、書こう思ったんかな」
先輩「いや、なんで書けるんやろ。知らんものは書けへんで普通」
先輩「となるとや、後輩ちゃんは『そっち』やったゆーことか?」
先輩「無責任に決めつけるのはあかんと思うけど、だとしたら意外やな」
先輩「……ウチも人の事言えへんな」
先輩「いや、なんで書けるんやろ。知らんものは書けへんで普通」
先輩「となるとや、後輩ちゃんは『そっち』やったゆーことか?」
先輩「無責任に決めつけるのはあかんと思うけど、だとしたら意外やな」
先輩「……ウチも人の事言えへんな」
11: 2012/11/18(日) 14:40:16.81
先輩「……部長のアホタレ」
先輩「あー、なんで思い出すんやろ。あんな人の事」
先輩「もう、忘れるゆうたやんけ」
先輩「なにが『最初で最後のキスするから、それで諦めてくれ』や」
先輩「かっこつけしいや。……ほんまに」
先輩「あんとき、ほんまにキスしてくれたんやろか」
先輩「ウチがそれを望んだら、くれたんやろか」
先輩「あー、なんで思い出すんやろ。あんな人の事」
先輩「もう、忘れるゆうたやんけ」
先輩「なにが『最初で最後のキスするから、それで諦めてくれ』や」
先輩「かっこつけしいや。……ほんまに」
先輩「あんとき、ほんまにキスしてくれたんやろか」
先輩「ウチがそれを望んだら、くれたんやろか」
13: 2012/11/18(日) 14:44:12.92
回想
先輩「部長、話があんねんけど」
部長「ここじゃ駄目?」
先輩「屋上、いこうや」
部長「なんだよ、剣呑だなあ」
先輩「別にそういうんやあらへん」
先輩「……大事な話や」
部長「……いいよ。いこう」
先輩「部長、話があんねんけど」
部長「ここじゃ駄目?」
先輩「屋上、いこうや」
部長「なんだよ、剣呑だなあ」
先輩「別にそういうんやあらへん」
先輩「……大事な話や」
部長「……いいよ。いこう」
14: 2012/11/18(日) 14:47:08.90
部長「で、大事な話って何?」
先輩「あのな、その……」
部長「言いにくい話?」
先輩「……せや」
部長「いいよ、言ってごらん」
先輩「…ウチ、ずっとあんたの事好きやってん」
部長「…っ!」
先輩「あのな、その……」
部長「言いにくい話?」
先輩「……せや」
部長「いいよ、言ってごらん」
先輩「…ウチ、ずっとあんたの事好きやってん」
部長「…っ!」
16: 2012/11/18(日) 14:53:17.44
先輩「ウチが関西から越してきて、一番最初にできた友達があんたや」
部長「うん」
先輩「でもな、それじゃ済まされへんかった。だんだん、ウチの中であんたがおっきくなってった」
部長「それは、どういう意味で?」
先輩「恋や。気がついたら、いつもあんたのこと考えとる」
部長「うん」
先輩「でもな、それじゃ済まされへんかった。だんだん、ウチの中であんたがおっきくなってった」
部長「それは、どういう意味で?」
先輩「恋や。気がついたら、いつもあんたのこと考えとる」
19: 2012/11/18(日) 14:58:21.16
先輩「でも、ウチらは女同士や。絶対に嫌われる思っとった。せやから、口にするつもりはなかった」
部長「なら、どうして」
先輩「あんたも同じやって、気づいた」
部長「っ!」
先輩「同時に、このままじゃウチの前から、あんたがおらんようになると思った」
部長「……」
先輩「あんた、後輩ちゃんの事好きやろ」
部長「なら、どうして」
先輩「あんたも同じやって、気づいた」
部長「っ!」
先輩「同時に、このままじゃウチの前から、あんたがおらんようになると思った」
部長「……」
先輩「あんた、後輩ちゃんの事好きやろ」
22: 2012/11/18(日) 15:03:19.73
部長「なっ」
先輩「わかるで。あんたは後輩ちゃんを見る時、ウチと同じ目をするんや」
先輩「ウチがあんたを見る目とな」
先輩「あんたを後輩ちゃんに渡したくない。これが率直なウチの気持ちや」
部長「…そう」
先輩「せやからな、ウチと付き合うてくれへん?」
部長「…………」
先輩「わかるで。あんたは後輩ちゃんを見る時、ウチと同じ目をするんや」
先輩「ウチがあんたを見る目とな」
先輩「あんたを後輩ちゃんに渡したくない。これが率直なウチの気持ちや」
部長「…そう」
先輩「せやからな、ウチと付き合うてくれへん?」
部長「…………」
24: 2012/11/18(日) 15:06:58.50
部長「…いやだ」
先輩「……っ」
部長「それだけは、嫌だ!」
先輩「……なにも、大声ださんでええやん」
部長「ああ、ごめん」
先輩「どうしてもだめなん?」
部長「お前の事は嫌いじゃないし、むしろ好きだと思ってるよ。でもな」
部長「負けた気になるんだよ。それじゃあ」
先輩「……どないゆうことや」
先輩「……っ」
部長「それだけは、嫌だ!」
先輩「……なにも、大声ださんでええやん」
部長「ああ、ごめん」
先輩「どうしてもだめなん?」
部長「お前の事は嫌いじゃないし、むしろ好きだと思ってるよ。でもな」
部長「負けた気になるんだよ。それじゃあ」
先輩「……どないゆうことや」
29: 2012/11/18(日) 15:13:04.60
部長「私の事好きだって言ったよね。私は、言われるまで気づかなかった。
自分の恋を追いかけるのに必氏だったからな」
先輩「やっぱ、認めるんやな。後輩ちゃんの事」
部長「うん。言い訳の仕様がないからね。
だけどさ、お前も一緒なんだよ。それは」
先輩「ゆーとることがわからん」
部長「だから、さ。
私の事好きなのはいいけど、自分が誰に好かれてるかなんて、考えたことないだろ?」
先輩「……ちょいまち、それって」
部長「そう。お前は私の恋敵ってこと」
自分の恋を追いかけるのに必氏だったからな」
先輩「やっぱ、認めるんやな。後輩ちゃんの事」
部長「うん。言い訳の仕様がないからね。
だけどさ、お前も一緒なんだよ。それは」
先輩「ゆーとることがわからん」
部長「だから、さ。
私の事好きなのはいいけど、自分が誰に好かれてるかなんて、考えたことないだろ?」
先輩「……ちょいまち、それって」
部長「そう。お前は私の恋敵ってこと」
31: 2012/11/18(日) 15:18:19.47
部長「私はお前が羨ましい。何故なら、私が後輩ちゃんを見る目で、後輩ちゃんはお前を見るからだ」
先輩「そないな、こと」
部長「私にはわかるんだよ。お前と同じだからな」
先輩「ウチはそんな、後輩ちゃんの事なんて、これっぽっちも」
部長「後輩ちゃんだって、私の事はこれっぽっちも考えちゃいないさ」
先輩「そないな、こと」
部長「私にはわかるんだよ。お前と同じだからな」
先輩「ウチはそんな、後輩ちゃんの事なんて、これっぽっちも」
部長「後輩ちゃんだって、私の事はこれっぽっちも考えちゃいないさ」
33: 2012/11/18(日) 15:23:57.17
部長「よく考えてみろよ。三人しかいないんだ。誰も悪くないのに、絶対に誰かが悲しまなきゃならない」
先輩「確かに」
部長「お前と付き合ったら、恋敵から情けをかけられたみたいだし、それに
後輩ちゃんが悲しむだろ?私には絶対できない」
先輩「でも、そんなん理屈やん」
部長「そういわないでくれよ」
先輩「私は、傷ついてもええよ」
先輩「確かに」
部長「お前と付き合ったら、恋敵から情けをかけられたみたいだし、それに
後輩ちゃんが悲しむだろ?私には絶対できない」
先輩「でも、そんなん理屈やん」
部長「そういわないでくれよ」
先輩「私は、傷ついてもええよ」
35: 2012/11/18(日) 15:31:09.60
部長「なんだよ、その私っての」
先輩「あんたが『自分の事ウチって呼ぶのは変だ』って言って、ウチに教えてくれたやろ」
部長「だからなんだよ」
先輩「今のウチを形作ってんのは、あんたや。消えない傷をつけてくれたって、ええよ。あんたになら」
部長「どうしたいんだよ」
先輩「わからん。わけわからんわ。後輩ちゃんがウチの事好きだとか、今日初めて知ったし…でもな」
部長「?」
先輩「あんたが悲しむくらいなら、ウチが悲しんだるわ。それでだけは、なんとなく分かった」
先輩「あんたが『自分の事ウチって呼ぶのは変だ』って言って、ウチに教えてくれたやろ」
部長「だからなんだよ」
先輩「今のウチを形作ってんのは、あんたや。消えない傷をつけてくれたって、ええよ。あんたになら」
部長「どうしたいんだよ」
先輩「わからん。わけわからんわ。後輩ちゃんがウチの事好きだとか、今日初めて知ったし…でもな」
部長「?」
先輩「あんたが悲しむくらいなら、ウチが悲しんだるわ。それでだけは、なんとなく分かった」
38: 2012/11/18(日) 15:41:17.10
部長「……馬鹿」
先輩「せや、ウチは馬鹿や。でもな、好きな人を傷つけてまで手に入れようとは思わん」
部長「お、おい」
先輩「じゃ、この話はなかった、ことでな」
先輩「ウチも、忘れる、わ……あんたのこ…と」
ギュッ
先輩「っ!……やめてーな、中途半端なこと」
部長「ごめん。でも、私の気がすまないんだ」
先輩「傷つけるなら、一思いにしてや」
部長「ああ。だから、最初で最後だ。もう二度としない」
先輩「せや、ウチは馬鹿や。でもな、好きな人を傷つけてまで手に入れようとは思わん」
部長「お、おい」
先輩「じゃ、この話はなかった、ことでな」
先輩「ウチも、忘れる、わ……あんたのこ…と」
ギュッ
先輩「っ!……やめてーな、中途半端なこと」
部長「ごめん。でも、私の気がすまないんだ」
先輩「傷つけるなら、一思いにしてや」
部長「ああ。だから、最初で最後だ。もう二度としない」
40: 2012/11/18(日) 15:45:32.97
部長「キスをしよう。それで諦めてくれ」
先輩「……っ」
部長「じゃあ、いくぞ」
先輩「……ド阿呆」
部長「ん?」
先輩「もうええわ!!馬鹿にするのも大概にしい!!
好きな人にキスされて、忘れるなんてできるわけないやろ!!」
先輩「……っ」
部長「じゃあ、いくぞ」
先輩「……ド阿呆」
部長「ん?」
先輩「もうええわ!!馬鹿にするのも大概にしい!!
好きな人にキスされて、忘れるなんてできるわけないやろ!!」
42: 2012/11/18(日) 15:49:00.01
部長「おい!待てよ!」
先輩「待たへん!!さいなら!」
――――――――――――――――――――――
先輩「うち、なにやってんやろ」
先輩「わけわからんわ。ほんまに」
回想終わり
先輩「待たへん!!さいなら!」
――――――――――――――――――――――
先輩「うち、なにやってんやろ」
先輩「わけわからんわ。ほんまに」
回想終わり
44: 2012/11/18(日) 15:54:49.86
先輩「あかん。忘れられへん。部長がけったいなマネするからや」
先輩「後輩ちゃんの小説でも読んで、気紛らわそ」
先輩「この小説見ると、納得するわ」
先輩「やっぱほんまに、後輩ちゃんはソッチやったんやなあ」
先輩「そんでもって、ウチの事を……」
先輩「部長から言われたときは、頭ン中ぐちゃぐちゃで実感わかへんかったけど」
先輩「うっわ、この小説ほとんどウチのことやんけ」
先輩「後輩ちゃんの小説でも読んで、気紛らわそ」
先輩「この小説見ると、納得するわ」
先輩「やっぱほんまに、後輩ちゃんはソッチやったんやなあ」
先輩「そんでもって、ウチの事を……」
先輩「部長から言われたときは、頭ン中ぐちゃぐちゃで実感わかへんかったけど」
先輩「うっわ、この小説ほとんどウチのことやんけ」
46: 2012/11/18(日) 16:00:18.51
先輩「そういえば、なんでこないなところに原稿が?」
先輩「まあ、ええか」
先輩「……」
『なにも気に留めることではないのです。人生においてほんの一瞬、間違ってしまっただけなのだから。
明日には、何もかも忘れてしまいましょう。昨日まで好きだった人の、顔も、名前も』
先輩「せやなあ、ウチも忘れられたら、どんだけええことか」
先輩「……ウチ、後輩ちゃんになんかしたん?
なんか、恨み節みたくなっとるで、これ」
先輩「まあ、ええか」
先輩「……」
『なにも気に留めることではないのです。人生においてほんの一瞬、間違ってしまっただけなのだから。
明日には、何もかも忘れてしまいましょう。昨日まで好きだった人の、顔も、名前も』
先輩「せやなあ、ウチも忘れられたら、どんだけええことか」
先輩「……ウチ、後輩ちゃんになんかしたん?
なんか、恨み節みたくなっとるで、これ」
47: 2012/11/18(日) 16:06:42.89
先輩「そーいえば、後輩ちゃんの気持ちには気づかへんかったなあ」
先輩「ここに、わざわざ見せるようにおいとくゆーんわ、そういうことやろか」
先輩「ウチが部長にやったみたいなことか?」
先輩「でもなあ、ウチに対するあてこすりかもしれへんけど
とてもウチの事、諦めたようには見えへんなあ」
先輩「この原稿は途中でとまっとる。そんでもって、このセーターか」
先輩「後輩ちゃんも、ウチと同じ形の恋をしとる。あ、そういうことか」
先輩「タイトルの読み方がわかったで」
先輩「おんなじかたち、や。こら一本取られたで」
先輩「ここに、わざわざ見せるようにおいとくゆーんわ、そういうことやろか」
先輩「ウチが部長にやったみたいなことか?」
先輩「でもなあ、ウチに対するあてこすりかもしれへんけど
とてもウチの事、諦めたようには見えへんなあ」
先輩「この原稿は途中でとまっとる。そんでもって、このセーターか」
先輩「後輩ちゃんも、ウチと同じ形の恋をしとる。あ、そういうことか」
先輩「タイトルの読み方がわかったで」
先輩「おんなじかたち、や。こら一本取られたで」
49: 2012/11/18(日) 16:09:43.24
先輩「小説の主人公は、後輩ちゃんと同じ。
後輩ちゃんはウチと同じ。
ウチと部長は同じ。か」
先輩「トンチやな」
先輩「同じ形、か。悲しいけど、嬉しいわ。なんか」
後輩ちゃんはウチと同じ。
ウチと部長は同じ。か」
先輩「トンチやな」
先輩「同じ形、か。悲しいけど、嬉しいわ。なんか」
51: 2012/11/18(日) 16:15:17.07
先輩「今はこんなに悲しくても、いつか笑い話になる日が、来るんやろうか」
先輩「はははっ」
先輩「でもな、これはちゃうで」
先輩「一時の気の迷なんかやない。ほんまの気持ちや」
先輩「好きやった。これだけは変わらんことや」
先輩「はははっ」
先輩「でもな、これはちゃうで」
先輩「一時の気の迷なんかやない。ほんまの気持ちや」
先輩「好きやった。これだけは変わらんことや」
53: 2012/11/18(日) 16:21:36.19
先輩「せやから、ウチも仲直りせんとあかんなあ。振られて、ダダコネとるだけやからなあ」
先輩「……キス、しとけばよかったかなあ。最後に」
先輩「まだ、ちょっと名残惜しいわ。せやけど、ウチの恋はこれで仕舞いや」
先輩「新しい事、しよか」
先輩「明日、セーター返しにいこ」
先輩「……キス、しとけばよかったかなあ。最後に」
先輩「まだ、ちょっと名残惜しいわ。せやけど、ウチの恋はこれで仕舞いや」
先輩「新しい事、しよか」
先輩「明日、セーター返しにいこ」
55: 2012/11/18(日) 16:27:29.77
翌日
後輩「あ、先輩…」
先輩「おはよーさん。セーター、返しにきたで」
後輩「は、はい。ありがとうございます」
先輩「ウチの方こそ。それにしても、なんかよそよそしいやないの」
後輩「なんでもありません」
先輩「それ、ほんま?」
後輩「あ、先輩…」
先輩「おはよーさん。セーター、返しにきたで」
後輩「は、はい。ありがとうございます」
先輩「ウチの方こそ。それにしても、なんかよそよそしいやないの」
後輩「なんでもありません」
先輩「それ、ほんま?」
57: 2012/11/18(日) 16:32:07.11
後輩「……わかってるくせに」
先輩「んー?」
後輩「わかってるんですよね。私の気持ち」
先輩「……せやよ」
後輩「じゃあ、どうして」
先輩「自分のセーターわたしといて、それはないやろ」
後輩「っ……」
先輩「まだちょっと、期待しとったんやろ?」
先輩「んー?」
後輩「わかってるんですよね。私の気持ち」
先輩「……せやよ」
後輩「じゃあ、どうして」
先輩「自分のセーターわたしといて、それはないやろ」
後輩「っ……」
先輩「まだちょっと、期待しとったんやろ?」
59: 2012/11/18(日) 16:37:20.40
後輩「いじわる、しないでください」
先輩「そんなつもり、あらへんよ?ただ」
後輩「ただ?」
先輩「おせっかいや」
後輩「?」
先輩「そんなつもり、あらへんよ?ただ」
後輩「ただ?」
先輩「おせっかいや」
後輩「?」
62: 2012/11/18(日) 16:48:07.32
先輩「諦められへんのなら、それでええ。でも、好きだっていう気持ちに、嘘なんてあらへん」
後輩「っ……」
先輩「わかるよ。ウチには。ついこないだまで、おんなじかたちやったから」
後輩「わかんないですよ。先輩には」
先輩「せやからな、ウチもそういう恋をしてんねん。そんで、終わった」
後輩「っ……」
先輩「わかるよ。ウチには。ついこないだまで、おんなじかたちやったから」
後輩「わかんないですよ。先輩には」
先輩「せやからな、ウチもそういう恋をしてんねん。そんで、終わった」
63: 2012/11/18(日) 16:55:37.88
後輩「……終わったって?」
先輩「振られたんや」
後輩「誰に?」
先輩「後輩ちゃんの思っとるとおりや。ぜーんぶ、あの小説に書いてあるで」
後輩「…先輩、部長に…」
先輩「うん。こっぴどく振られた」
後輩「……それが、なんで私にかまうんですか」
先輩「だから、おせっかいや」
先輩「振られたんや」
後輩「誰に?」
先輩「後輩ちゃんの思っとるとおりや。ぜーんぶ、あの小説に書いてあるで」
後輩「…先輩、部長に…」
先輩「うん。こっぴどく振られた」
後輩「……それが、なんで私にかまうんですか」
先輩「だから、おせっかいや」
65: 2012/11/18(日) 17:02:26.82
後輩「私が先輩の事好きなの、知ってるくせに!」
先輩「ウチがそれを知ったのは、部長からや」
後輩「……えっ」
先輩「ウチは、部長のこと好きやった。せやから、気づかれへんかった。後輩ちゃんの気持ち」
後輩「それって、どういう」
先輩「後輩ちゃんが気づいてない、誰かの気持ちがあるんちゃう?なにせ、ウチと後輩ちゃんは同じ形やからな」
先輩「ウチがそれを知ったのは、部長からや」
後輩「……えっ」
先輩「ウチは、部長のこと好きやった。せやから、気づかれへんかった。後輩ちゃんの気持ち」
後輩「それって、どういう」
先輩「後輩ちゃんが気づいてない、誰かの気持ちがあるんちゃう?なにせ、ウチと後輩ちゃんは同じ形やからな」
67: 2012/11/18(日) 17:07:26.02
後輩「それってだれの…」
先輩「そんなん言えへんわ。でも、あの小説には、三人しか登場せえへんで」
後輩「っ!!」
先輩「あんまり、苦しめんといてーな。ウチの好きやった人を」
後輩「それじゃあ…」
先輩「せやよ」
先輩「そんなん言えへんわ。でも、あの小説には、三人しか登場せえへんで」
後輩「っ!!」
先輩「あんまり、苦しめんといてーな。ウチの好きやった人を」
後輩「それじゃあ…」
先輩「せやよ」
69: 2012/11/18(日) 17:13:27.57
先輩「ウチはこの三つ巴から降りる」
後輩「そんな、私、先輩の事が」
先輩「ウチは早めに諦めた。後輩ちゃんは諦められへん。そんだけの話や」
後輩「だって」
先輩「そんなにウチが好きなら、捕まえてみ」
後輩「そんな、私、先輩の事が」
先輩「ウチは早めに諦めた。後輩ちゃんは諦められへん。そんだけの話や」
後輩「だって」
先輩「そんなにウチが好きなら、捕まえてみ」
72: 2012/11/18(日) 17:22:55.31
先輩「ま、後輩ちゃんには部長がいるらしいけどな」
後輩「……」
先輩「ウチやって、部長の事嫌いになったわけやあらへん
けどな、付き合い長すぎて、恋愛よりもやっぱ
後輩ちゃんに取られとうないっていう独占欲の方が強かったんや
それに気づいたときに、部長の為になんかしたらな思ってん。
そしたら、この雁字搦めを断ち切るんが、一番かなと、考えたんや」
後輩「……」
先輩「ウチやって、部長の事嫌いになったわけやあらへん
けどな、付き合い長すぎて、恋愛よりもやっぱ
後輩ちゃんに取られとうないっていう独占欲の方が強かったんや
それに気づいたときに、部長の為になんかしたらな思ってん。
そしたら、この雁字搦めを断ち切るんが、一番かなと、考えたんや」
74: 2012/11/18(日) 17:26:45.22
先輩「もう、ウチは誰の事も見てへん。後輩ちゃんはウチの事、思う存分追いかければええし
部長だって、同じや」
後輩「先輩、かっこつけすぎですよ」
先輩「かもしれへんな」
後輩「結局、自分でしょい込んでるだけじゃないですか」
先輩「ええねん。今は。納得もいっとる」
部長だって、同じや」
後輩「先輩、かっこつけすぎですよ」
先輩「かもしれへんな」
後輩「結局、自分でしょい込んでるだけじゃないですか」
先輩「ええねん。今は。納得もいっとる」
76: 2012/11/18(日) 17:32:57.06
先輩「ウチのことは気にせんでええから、部長に恋愛させたってーな」
後輩「……わかりました」
先輩「後輩ちゃんの小説【女二形】っていうやろ」
後輩「はい、それが?」
先輩「そこに女は三人もいらん。止まったゲームを、動かそうや」
後輩「……ふー、わかりました」
おしまい
後輩「……わかりました」
先輩「後輩ちゃんの小説【女二形】っていうやろ」
後輩「はい、それが?」
先輩「そこに女は三人もいらん。止まったゲームを、動かそうや」
後輩「……ふー、わかりました」
おしまい
77: 2012/11/18(日) 17:33:38.87
乙
関西弁百合はもっと流行ってもいい
関西弁百合はもっと流行ってもいい
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります