1: 2012/12/01(土) 01:40:20.29
小鳥『――そう、今日は仕事延期ね。千早ちゃんも今日はゆっくり休んでいてね』

千早「はい。電車も動かなくなりそうですね」

小鳥『もうすごい雨よねぇ。道路が川みたいになってるわよ』

千早「こっちはまだそこまでではないです」

小鳥『本当?…あっ、他の子にも連絡しなきゃ。じゃ、そういうことだから。くれぐれも外出は禁止よ?』

千早「わかってますよ。それでは」ピッ


千早(…こんな日に出かける馬鹿がいたら見てみたいわ…)

3: 2012/12/01(土) 01:41:45.93
千早(こっちもかなり酷くなってきたわね)


ドン!!


千早「」ビクッ


ドンドンドン!ドドドン!


千早「なっ…なんなの、一体」


ドドドドドン!バン!バンバン!


千早「玄関?でも、尋常じゃないわ…!」


ドン!ドドドン!ガチャ、ガチャガチャガチャ


千早(この音、1人じゃない!!)


ドンドンドン!ガチャガチャガチャ、バン!バン!バン!

6: 2012/12/01(土) 01:43:31.32
千早「…」ピッポッパッ

P『もしもし、千早?』

千早「プロデューサー!今、家の前に誰かいて…ド、ドアをずっと叩かれているんです!!」

P『な…大丈夫か!?』

千早「ドアノブもガチャガチャされていて…わた、私もうどうしたら…」

P『わかった、今行く!だからそれまで絶対に開けるなよ!』

千早「は、はいっ」


バンバン!ドン!ドドドン!


千早(こ…怖い…でも、確かめてみよう。大丈夫、プロデューサーが来るから)

8: 2012/12/01(土) 01:46:03.33
千早(のぞき窓から見れば…)


…オ…チャン、…ケ…


千早「」ビクッ


…オ、ネエチャ…ケ、テ…


千早「や…だ…誰なの!?」


チハ…オネエ、チャン…アケテ…


千早「…あ、ああぁ…うそ、嘘でしょう…そんな…」


チハヤ、オネエチャン


千早「いやぁあああああああああああああ!!」

11: 2012/12/01(土) 01:47:59.61
ナニ!?ドシタノ?チハヤオネエチャン!


千早「…………………え?」


チハヤオネエチャーン、ダイジョーブー?アケテー!


千早「…」ガチャッ

亜美「千早お姉ちゃん!なんかすごい声聞こえたけどどうしたの!?」ズブーン

真美「なんで泣いてるの?痛い?大丈夫?」ヌレーン

千早「…双子の幽霊が現れたわ」

亜美「ゆ、ゆ~れい??」

真美「どこ?どこ?」

12: 2012/12/01(土) 01:49:02.54
千早「…まあ、それはいいとして。聞きたいことがたくさんあるけど、とりあえず2人ともお風呂に入りなさい。着替えも貸してあげるから」




亜美「いい湯だったぜぃ」

真美「いやぁ、一時は開かないかと思ったよ→」

千早「普通にチャイム押せばいいじゃない」

亜美「鳴らなかった→」

千早「…接触悪くなったかしら、たまにあるのよ」

真美「マジで焦ったよ…」

千早「でも、どうしてこんな雨の中来たの?」

亜美「あのね、今日雨でお仕事なくなったっしょ?」

真美「真美たちのトコにね、りっちゃんから電話きたんだよ~」

亜美「でね、りっちゃんがね…」

13: 2012/12/01(土) 01:51:00.46
~あみまみ回想~



律子『…ってこと。いい?休みだからって絶っ対に外には出ちゃダメだからね!』

真美「あいあいさ→!」

律子『本当だからね、わかってるわよね?それじゃ、亜美にもよろしく』

真美「は~い」ピッ

亜美「りっちゃん何だって?」

真美「仕事休みになったってさ、でも『絶っ対に外には出ちゃダメ』だって~」

亜美「『絶っ対に』?」

真美「『絶っ対に』」

亜美真美「「…」」

亜美「そう言われたらさ~」

真美「出たくなっちゃうのが人間っしょ~」

亜美真美「「んっふっふ~」」

16: 2012/12/01(土) 01:52:15.54
亜美「俺は行くぜ…戦地にな」

真美「氏にたいのか!?」

亜美「ふっ…あいにく俺は生まれた時から無鉄砲でね」

真美「…負けたよ。どうやら俺も馬鹿らしい」

亜美「そ、それじゃあ!」

真美「ああ、2人で出陣だぜ!」



~あみまみ回想おわり~

18: 2012/12/01(土) 01:53:39.26
千早「…で、2人で敗戦したのね」

亜美「最初はイケるんじゃね?って思ったんだよ~」

真美「定期あるし、電車乗って大きな公園に行ってさ」

亜美「雨の滑り台マジ熱いよ!」

真美「うん、ウォータースライダーみたいで!」

千早「…」

亜美「でもそうやって遊んでたらレインコート破れちゃって」

真美「雨がこう、どわぁ→って降ってきて」

20: 2012/12/01(土) 01:54:59.70
亜美「こりゃあ流石にヤバいから帰るかと思ったら電車止まってて」

真美「ふっと、千早お姉ちゃん家この辺かなって思ったから」

亜美「亜美たち住所見ながら頑張って来たんだ!ほら、年賀状書いた時聞いたから!」

千早「………あのね」

真美「うっ、ヤな予感」

千早「あなた達はアイドルなのよ?中学生と言えど、ちゃんと仕事をする社会人なの。風邪でも引いたらどうするつもりだったの?仕事に穴を開けるの?」

亜美「お説教モードになっちゃった…うへぇ」

21: 2012/12/01(土) 01:56:13.68
千早「自覚はあるの!?」

真美「う、うぅ…ごめんって、でも真美たち…」

千早「でもじゃないわ!…それに」

亜美「それに?」

千早「………もし、川に流されたら。転んで頭を打ったら。視界が悪くて…車に、轢かれたら」

亜美真美「「!!」」

千早「そうしたら、氏ん…っう…」ポロッ

真美「ご、ごめんなさい!」ギュッ

亜美「もうしない!絶対しないから泣かないで!」ギュッ

千早「…………………2人とも」

真美「千早お姉ちゃん?」

千早「お風呂上がりで抱きつかれたら、塗れちゃうわ」クスッ

亜美「!じゃ、じゃあ亜美千早お姉ちゃんを水責めしてやる~」

真美「じゃあじゃあ、真美は千早お姉ちゃんに成長期の胸を押しつけてやる~」

千早「くっ」

23: 2012/12/01(土) 01:57:58.79
千早「インスタントのカップスープだけど飲む?」

亜美「いやー、千早は気が利くなぁ」

真美「お嫁さんにしたいよ」

千早「ッ…そ、それ…」

亜美真美「「兄ちゃんのマネ→」」

千早「ブッ…フフ…ククク…」

亜美真美((ツボった…))

千早(…あら?何か忘れているような…)プクク

24: 2012/12/01(土) 01:59:49.52
真美「あったまりますなぁ」

亜美「極楽ですなぁ」

千早「今、2人の家に連絡入れたわ。雨が弱まったら帰らせるって言ったけど…」

真美「雨止みそうにないね」

千早「そうね…」


フッ


亜美「ぎゃっ!なになに?」

真美「真っ暗でなんも見えないよ→」

千早「落ち着いて。ブレーカーは……落ちてないから、停電ね。すぐ戻るわ」

26: 2012/12/01(土) 02:01:48.63
亜美「ね~、亜美寒くなってきちったよ~」

真美「真美も~」

千早「時間がかかってるみたいね…毛布貸してあげるから、2人で使って」

真美「ありがたや~」

亜美「……ねぇ、千早お姉ちゃんは入らないの?」

千早「えっ」

真美「そうだよ!入ろ→よ!」

千早「いや、私は―――きゃ!」バサー

亜美「んっふっふ~」

真美「千早お姉ちゃんほかーく!」

千早「…もう」

27: 2012/12/01(土) 02:04:45.03
真美「毛布あったかいね」

千早「そうね」

亜美「真っ暗だね」

千早「そうね」

真美「しりとりするか」

千早「そう…えっ?」

亜美「いいね!じゃあ765プロしりとりね、765プロに関係あること以外はダメ→」

千早「えっ、や、やるの?」

真美「いっくよん☆『双海真美』の『み』!はいっ、千早お姉ちゃん」

千早「え、ええと…『水瀬伊織』?」

亜美「『り』はね~『竜宮小町』!」

真美「ち、ち、ち、『チアリングレター』!これ『た』ね!」

千早「『高槻やよい』」

亜美「早っ」

真美「しかも超嬉しそう」

30: 2012/12/01(土) 02:08:00.99
亜美「『い』かぁ…りっちゃんの『いっぱいいっぱい』」

真美「『い』返しとは卑怯な…い、い、い…『いぬ美』」

千早「それはアリなの?」

真美「いっ、いぬ美も765プロの仲間だもんげ!」

千早「また『み』ね…『三浦あずさ』」

亜美「さ?さ~?………………『サーターアンダーギー』」

千早「そ、それはアリなの?」

亜美「ひびきんは沖縄出身だから仕方ないよ」

千早「そういうものかしら…」

32: 2012/12/01(土) 02:10:24.38
真美「亜美、てんてん取ってもいい?」

亜美「え~?…あっ、いいよ!」

真美「ね?」

千早「?」

真美「んっふっふ~『如月千早』!」

千早「!や…『約束』」

亜美「『くっ』」

千早「え?」

亜美「『くっ』」

真美「それは『く』?小さい『っ』?」

千早「え、続くの!?」

33: 2012/12/01(土) 02:14:28.22
千早(しりとりなんて何年ぶりだったかしら…)

パッ

千早「…あ、点いた!2人とも――――って」

亜美「すー」

真美「ぐー」

千早(さ、さっきまでしりとりしてたのに!)

亜美「うぅん」ギュー

真美「んんぅ」ギュギュー

千早「ちょ、ちょっと…くっつかれたら身動きできないじゃない」

亜美「…ちはや、」

真美「お姉、ちゃん…」

千早「…」

千早(まあ、いいか)

35: 2012/12/01(土) 02:16:15.93
千早(2人がいると騒がしくて大変ね、年下の扱い方とかよくわからないし)

千早(でも………たまにはこういうのもいいかも)

千早(あくまで『たまに』ね、毎日だと身が持たな…)ウトウト

千早(…なんか、私まで眠く…)ウトウト

千早(ちょっとだけ…眠ろう………)スー

37: 2012/12/01(土) 02:18:23.74
ドン!



千早「!?」ビクッ

亜美真美「「…ふぇ?」」

千早「また、何か音が」


ドン!ドンドン!!


亜美「な、なになに!?」

真美「誰か来たの?」


ドン!ガチャガチャガチャ


千早(さっきと同じ…訪ねて来ただけにしては異常だわ)

38: 2012/12/01(土) 02:19:47.44
亜美「あ、開けようとしてるよぅ!」

真美「千早お姉ちゃ~ん、怖いよぉぉ」

千早「大丈夫、私が見てみるから」ゴクッ

亜美「あぶないよ!」

真美「真美たちも行くよ!」

千早「……じゃあ、私の後ろにいて。とりあえずのぞいてみま―――」


…ハヤ…チハヤ…ドゴォ!ドォン!ドォン!


亜美「千早お姉ちゃんの名前呼んでる!」

真美「な、なんか体当たりしてるっぽいよ…す、スト→カ→??」

千早(…私は今、この2人を守らなくちゃ。怖くない。絶対に…守る!)

40: 2012/12/01(土) 02:21:33.13
亜美「ち、千早お姉ちゃん…」

千早「後ろにいてね、私がいるから。大丈夫だから」

真美「う、うん!」

千早(そうだ、これを…!)


チハヤ…チハヤ…ドゴォン!バキィィィ!!


亜美真美「きゃあああああああああああ!!」

千早「でぃやぁ――――――――――ッ!!」


プシュウウウウウウウ

42: 2012/12/01(土) 02:24:58.44
亜美「しょ、消火器!」

真美「からのタックル!」

亜美「非力ながら体全体をフルに使ったタックル!これは痛い!」

真美「千早お姉ちゃん強い!」

千早「取り押さえてるから、早く警察に連絡…を………?」

P「ゲホッゴホッ…痛たた…な、なんなんだ一体!?」


亜美真美「「兄ちゃん!」」

千早「プ、プロデューサー??…す、すすすすみません!!」バッ

P「……ち…千早!お前無事だったのか!?」

千早「え?」

P「『え?』って、電話してきたじゃないか!」

千早「………………………あっ!」

亜美真美「「?」」

44: 2012/12/01(土) 02:29:15.04
P「お~ま~え~らぁ~」

亜美「ご、ごめんよ兄ちゃん…」

真美「まさかそんな大事になろうとは…」

千早「私が悪いんです、色々あって忘れてしまって」

P「まあ何もなくて良かったけどな」

亜美「兄ちゃんも同罪だよ→」

真美「そうだよ、ドア破ちゃってさ→」

P「し、仕方ないだろ!呼んでも反応ないし、インターホン鳴らないし」

千早「あの………管理人さん呼んだり、とか」

P「あ」

亜美「兄ちゃんのばーか!」

真美「ドジマヌケ→!」

P「ううううるさい!こちとら交通規制の大渋滞の中パニックしながら来たんじゃ!!」

45: 2012/12/01(土) 02:31:15.93
千早「あ、あの…心配してくれてありがとうございます。すみません」

P「いや、こっちこそ悪かったな。ドアの修理はすぐ手配するよ」

亜美「でも外はすっごい雨っしょ?修理くる?」

P「なに言ってんだ、ほら」

真美「ありゃー、晴れてますなぁ」

千早「いつの間にか止んでいたのね」

P「千早、今日はすまないがホテルに泊まってくれるか?こっちで用意するから」

千早「あ、はい」

48: 2012/12/01(土) 02:34:15.26
亜美「……ねぇねぇ、千早お姉ちゃん今日亜美たちの家においでよ!」

真美「たしかに!そうすりゃいいじゃん!」

千早「え、でも…」

亜美「いいじゃ~ん」

真美「来ようよ~」

千早「…」

P「………あのなぁ、千早はただでさえお前らの相手に疲れてるんだぞ?なぁ、千早?」

千早「…行こう、かな」

亜美真美「「やったぁ!!」」

P「ど、どういう風の吹き回しだ?」

千早「さぁ、どうしてでしょう?なんだかそんな気分だったので」

50: 2012/12/01(土) 02:36:24.08
P「…なんだか、良い顔してるな」

千早「え、ええ!?どど、どんな顔してました!?」

P「そんなに慌てなくても。ただ千早には珍しい顔だったから」

亜美「あ、セクハラだ→」

真美「兄ちゃんへんた~い」

P「こ、こらっ!!」

52: 2012/12/01(土) 02:38:29.89
亜美「あ、虹だよ→」

真美「見て見て、千早お姉ちゃん!」

千早「…本当、綺麗ね」

亜美真美「「うん!!」」





おわり

53: 2012/12/01(土) 02:39:05.15

引用元: 千早「え?休みですか?」