1: 2010/06/17(木) 19:53:04.09
彼氏「ハニー。愛してるよ」
彼女「幸せよダーリン。もう氏んでもいいわ」
死神「………」スッ
「………」ザクッ
彼女「」
彼氏「ハニー?」
「……氏んでる」
「うわぁああああああああああ」
死神「後追いなんて考えない方がいい」
「あなたの名前は帳簿にないから」
「苦しみ損。どうせ聞こえないけど」
「次の対象は、と」パラ
彼女「幸せよダーリン。もう氏んでもいいわ」
死神「………」スッ
「………」ザクッ
彼女「」
彼氏「ハニー?」
「……氏んでる」
「うわぁああああああああああ」
死神「後追いなんて考えない方がいい」
「あなたの名前は帳簿にないから」
「苦しみ損。どうせ聞こえないけど」
「次の対象は、と」パラ
2: 2010/06/17(木) 19:54:28.08
母「まったくどうしようもない愚図だねぇお前は!」パァン
子「グスッ……ごめんなさい……ヒグッ」
母「このゴクツブシ」ドガッ
「あんたなんて生まれてこなきゃよかったのよ」バキッ
子「グスッ」
死神「………」スッ
「………」ザクッ
子「」
母「あん?」
「……氏んでる」
「あたしゃ知らないよ。愚図が勝手に氏んだんだ」
「始末に手がかかるってのに、最後まで面倒なんだから」
死神「親より先に氏んだ子は」
「賽の河原に送られるというけど」
「……次の対象は、と」パラ
子「グスッ……ごめんなさい……ヒグッ」
母「このゴクツブシ」ドガッ
「あんたなんて生まれてこなきゃよかったのよ」バキッ
子「グスッ」
死神「………」スッ
「………」ザクッ
子「」
母「あん?」
「……氏んでる」
「あたしゃ知らないよ。愚図が勝手に氏んだんだ」
「始末に手がかかるってのに、最後まで面倒なんだから」
死神「親より先に氏んだ子は」
「賽の河原に送られるというけど」
「……次の対象は、と」パラ
3: 2010/06/17(木) 19:56:08.24
選手(ゲームもラスト40秒を切った)
(これが最後のチャンス……!)
(決めてみせる!絶対勝つんだ!)
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
死神「………」スッ
「……時間だ」ザクッ
選手「」
ザワザワ…タンカヨンデコーイ
死神「次のt」パラ
悪魔「おい」
(これが最後のチャンス……!)
(決めてみせる!絶対勝つんだ!)
「うおおおおおおおおおおおおおお!!」
死神「………」スッ
「……時間だ」ザクッ
選手「」
ザワザワ…タンカヨンデコーイ
死神「次のt」パラ
悪魔「おい」
4: 2010/06/17(木) 19:58:27.49
死神「……また邪魔をしにきたの」パタン
悪魔「結果的にそうなるが」
「少し話をしにな」
死神「耳を貸すとでも」
悪魔「お前には決定的に足りないものがある」
「それは人情!」
「すなわち愛だ!」
死神「当たり前」
「人じゃないもの」
「あなただって」
悪魔「悪魔は人間より愛に溢れる存在だよ」
「頭の固い天界の連中には分からんだろうが」
悪魔「結果的にそうなるが」
「少し話をしにな」
死神「耳を貸すとでも」
悪魔「お前には決定的に足りないものがある」
「それは人情!」
「すなわち愛だ!」
死神「当たり前」
「人じゃないもの」
「あなただって」
悪魔「悪魔は人間より愛に溢れる存在だよ」
「頭の固い天界の連中には分からんだろうが」
5: 2010/06/17(木) 20:00:16.49
悪魔「さっきのも」
死神「何か」
悪魔「30数秒くらい待ってやれなかったのか」
死神「定刻どおりよ」
悪魔「そこが固いって言うんだよ」
「せめて試合を完結させてやってもよかったじゃねぇか」
「それが情けってもんだろ」
死神「知らない」
悪魔「………」
「だろうな」
「教えてやる」キュイーン
死神「何か」
悪魔「30数秒くらい待ってやれなかったのか」
死神「定刻どおりよ」
悪魔「そこが固いって言うんだよ」
「せめて試合を完結させてやってもよかったじゃねぇか」
「それが情けってもんだろ」
死神「知らない」
悪魔「………」
「だろうな」
「教えてやる」キュイーン
6: 2010/06/17(木) 20:01:46.74
死神「!」ビビッ
「貴様何を」
悪魔「お前を人間にしてやった」
「しばらく地上で生活するがいい」
「そして知れ」
死神「やめろ」
「私には役割が」
悪魔「俺が代行してやるよ」
「帳簿は預かっとくぜ」パシ
「さぁいけ」
死神「く……」ボヤー
「貴様何を」
悪魔「お前を人間にしてやった」
「しばらく地上で生活するがいい」
「そして知れ」
死神「やめろ」
「私には役割が」
悪魔「俺が代行してやるよ」
「帳簿は預かっとくぜ」パシ
「さぁいけ」
死神「く……」ボヤー
7: 2010/06/17(木) 20:09:18.99
街中
女「でさー」
男「あるある」
男友「俺今日用事あるから駅前寄って帰るわ」
女友「あ、じゃあ何か奢んなさいよ」
男友「なんでだよ」
女友「いいだろーほら行くぞー」
男友「おい押すなって」
男「ひゅー」
女友「そんなんじゃないってばー」
男友「じゃーな」
女「うん、またねー」
「じゃあ私ここで」
男「おう」
女「でさー」
男「あるある」
男友「俺今日用事あるから駅前寄って帰るわ」
女友「あ、じゃあ何か奢んなさいよ」
男友「なんでだよ」
女友「いいだろーほら行くぞー」
男友「おい押すなって」
男「ひゅー」
女友「そんなんじゃないってばー」
男友「じゃーな」
女「うん、またねー」
「じゃあ私ここで」
男「おう」
8: 2010/06/17(木) 20:12:37.97
男家
男「ただいまー」
「って誰もいないんですけどね」
「んー」
「飯後でいいな……寝よ」ガチャ
「……?」
「部屋に違和感」
「布団が」
「………」
「ふっ」
「いるんだろ?わかってるんだ」グッ
「ぜっ!」バサッ
「……なっ」
死神「……ん」
男「ただいまー」
「って誰もいないんですけどね」
「んー」
「飯後でいいな……寝よ」ガチャ
「……?」
「部屋に違和感」
「布団が」
「………」
「ふっ」
「いるんだろ?わかってるんだ」グッ
「ぜっ!」バサッ
「……なっ」
死神「……ん」
9: 2010/06/17(木) 20:18:05.65
駅前デパート
女友「あいつら見てるとさー」チュルチュル
男友「金が…今月もつかな…ははっ」
女友「やきもきするのよねー」チュルチュル
男友「昼飯とかいらなくね?一日二食でよくね?」
女友「とっととくっついちまえよなー」ズズッ
男友「そうだ試食コーナーにもう一度」
女友「すみませーん、替玉お願いしまーす」
男友「鬼!悪魔!人でなし!」
女友「あいつら見てるとさー」チュルチュル
男友「金が…今月もつかな…ははっ」
女友「やきもきするのよねー」チュルチュル
男友「昼飯とかいらなくね?一日二食でよくね?」
女友「とっととくっついちまえよなー」ズズッ
男友「そうだ試食コーナーにもう一度」
女友「すみませーん、替玉お願いしまーす」
男友「鬼!悪魔!人でなし!」
10: 2010/06/17(木) 20:24:27.43
女家
女「たっだいまーっと」ババッダッダッダッバン
女母「おかえり、女ちゃん」
「また靴脱ぎ散らかして…しょうがないわねぇ」
女「あ」
「女友ちゃんからメールきてたんだ」
『大事な大事なあたっくちゃーんす』
「ふぇぇ」
駅前デパート
女友「お、女から返信」パカッ
『普通に帰ったよ 急に二人っきりにしないでよもう(汗』
「はー」
「すみませーん、ストロベリーチーズパフェお願いしまーす」
男友「勘弁して下さいお願いします」
女「たっだいまーっと」ババッダッダッダッバン
女母「おかえり、女ちゃん」
「また靴脱ぎ散らかして…しょうがないわねぇ」
女「あ」
「女友ちゃんからメールきてたんだ」
『大事な大事なあたっくちゃーんす』
「ふぇぇ」
駅前デパート
女友「お、女から返信」パカッ
『普通に帰ったよ 急に二人っきりにしないでよもう(汗』
「はー」
「すみませーん、ストロベリーチーズパフェお願いしまーす」
男友「勘弁して下さいお願いします」
11: 2010/06/17(木) 20:30:10.11
女友「はっきりしねーなー」
「はやく言っちまえよ」
「押して倒せばどうにでもなる」メルメル
男友「お前ちょっと世話やきすぎじゃねぇの」
女友「面白いじゃん」
「人の恋話ほど面白いもんはない」
「う、流石に食べきれなくなったからパフェの残りやるよ」
男友「ありがと、ってまぁ俺の金なんだが」
「そういやお前はどうなんだ」
「浮ついた話とか」
女友「………」
「やっぱ食べる。返せ」
男友「え?食べきれないって」
女友「いいからっ」
「はやく言っちまえよ」
「押して倒せばどうにでもなる」メルメル
男友「お前ちょっと世話やきすぎじゃねぇの」
女友「面白いじゃん」
「人の恋話ほど面白いもんはない」
「う、流石に食べきれなくなったからパフェの残りやるよ」
男友「ありがと、ってまぁ俺の金なんだが」
「そういやお前はどうなんだ」
「浮ついた話とか」
女友「………」
「やっぱ食べる。返せ」
男友「え?食べきれないって」
女友「いいからっ」
12: 2010/06/17(木) 20:36:49.72
女家
女「はー」
「今日も言えなかった」ピロリロリン
「メールだ。女友ちゃんから」
『今から男ん家突っ込んでこいよ 当たっても意外と砕けない』
「う」
「がんばろうか、な」
「ちょっと出かけてくるー」タッタッタッ
女母「晩御飯はー?」
女「うーん」
「い、いらないっ」バタン
女「はー」
「今日も言えなかった」ピロリロリン
「メールだ。女友ちゃんから」
『今から男ん家突っ込んでこいよ 当たっても意外と砕けない』
「う」
「がんばろうか、な」
「ちょっと出かけてくるー」タッタッタッ
女母「晩御飯はー?」
女「うーん」
「い、いらないっ」バタン
14: 2010/06/17(木) 20:43:28.90
男家
死神「………」スヤ
男「どうしよう」
「分からないときは人に聞く」
「客観的な判断を参考にだな」メルメル
駅前デパート
男友「おっと」ブブブ
「男からメールか」パカッ
女友「早くも成果があらわれたか?」
男友「だったらメールなんかしてこねーだろ」
『うちのベッドで女の子が寝ているんだが どうすればいい?』
女友(なるほどそういうシチュエーションか)
「貸して」ヒョイ
男友「あっ、おい」
女友「♪」メルメル
死神「………」スヤ
男「どうしよう」
「分からないときは人に聞く」
「客観的な判断を参考にだな」メルメル
駅前デパート
男友「おっと」ブブブ
「男からメールか」パカッ
女友「早くも成果があらわれたか?」
男友「だったらメールなんかしてこねーだろ」
『うちのベッドで女の子が寝ているんだが どうすればいい?』
女友(なるほどそういうシチュエーションか)
「貸して」ヒョイ
男友「あっ、おい」
女友「♪」メルメル
15: 2010/06/17(木) 20:51:17.86
男家
男「一方的に気まずい…」チャーチャラー
「きたか、頼むぞ男友」パカッ
『誘ってんだろ?襲っちまえ』
「え」
「いやしかしそれは」
悪魔男『何言ってんだよ。千載一遇のチャンスだろーが』ピンポーン
天使男『いけません、きっと彼女も何か深いわけが』ピンポーン
悪魔男『かわいいだろーがその子』コンコンコン
男「はっ!確かに」
「きれーな銀髪…日本人じゃないのかな」
「事態を把握するためにもっと観察を」ゴソゴソ
男「一方的に気まずい…」チャーチャラー
「きたか、頼むぞ男友」パカッ
『誘ってんだろ?襲っちまえ』
「え」
「いやしかしそれは」
悪魔男『何言ってんだよ。千載一遇のチャンスだろーが』ピンポーン
天使男『いけません、きっと彼女も何か深いわけが』ピンポーン
悪魔男『かわいいだろーがその子』コンコンコン
男「はっ!確かに」
「きれーな銀髪…日本人じゃないのかな」
「事態を把握するためにもっと観察を」ゴソゴソ
16: 2010/06/17(木) 20:56:25.98
男「布団に潜り込んだわけだが」ゴソ
「べ、別にやましいことなんて考えてないんだからねっ」
「はぁ、俺は何をやっているのか」
「しかし間近で見てもやはりかわいいな」ドキドキ
死神「………」パチリ
男「………」パチクリ
(やべぇ目が開いた)ドッキーン
死神「……?」キョトン
男(やべぇ小首傾げてるかっわいー)
ガチャッ
女「男くん、入る――」
「よ……っ?」
男「……え?」
死神「………」
「べ、別にやましいことなんて考えてないんだからねっ」
「はぁ、俺は何をやっているのか」
「しかし間近で見てもやはりかわいいな」ドキドキ
死神「………」パチリ
男「………」パチクリ
(やべぇ目が開いた)ドッキーン
死神「……?」キョトン
男(やべぇ小首傾げてるかっわいー)
ガチャッ
女「男くん、入る――」
「よ……っ?」
男「……え?」
死神「………」
17: 2010/06/17(木) 21:04:39.08
男家
女「なっ、ななななn」ワナワナ
男「女、いやこれはその誤解だ」
「話せばわかる」
女「男くんの」
「ばかぁああああああああああああああっ」バタンッ
ウワァァァンタッタッタッ
男「違うんだっ!トラストミー!」ガチャッ
「……行ってしまった」
「はぁ」
「それで」
「君は一体誰なんだ?」クルッ
死神(私が見えてる…?)
女「なっ、ななななn」ワナワナ
男「女、いやこれはその誤解だ」
「話せばわかる」
女「男くんの」
「ばかぁああああああああああああああっ」バタンッ
ウワァァァンタッタッタッ
男「違うんだっ!トラストミー!」ガチャッ
「……行ってしまった」
「はぁ」
「それで」
「君は一体誰なんだ?」クルッ
死神(私が見えてる…?)
18: 2010/06/17(木) 21:11:38.16
死神(『お前を人間にしてやった』)ポワン
(……あれか)
男「あの」
死神「あなたは何」
男「そ、そうだよな、人に名前聞くときはまず自分から、だよな」
「俺は男。この家に住んでる」
「帰ってみたら君がベッドで寝てて、」
「よかったら、事情を話してほしいんだけど」
死神「私は死神。今は人間だけれど」
男(シニガミ?)
死神「ここはあなたの家だと言ったね」スッ
「私もどうしてここにいるかは分からない」スタスタスタガチャッ
「邪魔をした。ここを去ろう」バタン
男「行ってしまった」
「なんだったんだろう」
(……あれか)
男「あの」
死神「あなたは何」
男「そ、そうだよな、人に名前聞くときはまず自分から、だよな」
「俺は男。この家に住んでる」
「帰ってみたら君がベッドで寝てて、」
「よかったら、事情を話してほしいんだけど」
死神「私は死神。今は人間だけれど」
男(シニガミ?)
死神「ここはあなたの家だと言ったね」スッ
「私もどうしてここにいるかは分からない」スタスタスタガチャッ
「邪魔をした。ここを去ろう」バタン
男「行ってしまった」
「なんだったんだろう」
22: 2010/06/17(木) 21:21:27.39
街中
女「……グスッ」
「彼女いたんだ…男くん」
「はぁ」
「お腹すいたな」グゥ
「うちに帰ってごはんを」
(『い、いらないっ』)ポワン
「う」
「女友ちゃん家、行こうかな……」
女「……グスッ」
「彼女いたんだ…男くん」
「はぁ」
「お腹すいたな」グゥ
「うちに帰ってごはんを」
(『い、いらないっ』)ポワン
「う」
「女友ちゃん家、行こうかな……」
24: 2010/06/17(木) 21:27:30.40
女友家
女「うわぁああぁん」
女友「おーよしよし」ポンポン
「男が家で年頃の女の子と布団に、ねぇ」
「ほら、飯きたぞ」
女「ぐすっ、えぐっ」
女友(男のあのメールまじだったんだ)
(ん?するとあたしの所為か?)
「……なぁ、あたしのハンバーグ半分やるから元気出しなよ」
女「うぅ、ありがとう女友ちゃん」
女友「男のやつめ」
「女の気持ちも知らないで」
「なんて」
「なんて面白そうなことにっ!」キラキラ
女「うわぁああぁん」
女友「おーよしよし」ポンポン
「男が家で年頃の女の子と布団に、ねぇ」
「ほら、飯きたぞ」
女「ぐすっ、えぐっ」
女友(男のあのメールまじだったんだ)
(ん?するとあたしの所為か?)
「……なぁ、あたしのハンバーグ半分やるから元気出しなよ」
女「うぅ、ありがとう女友ちゃん」
女友「男のやつめ」
「女の気持ちも知らないで」
「なんて」
「なんて面白そうなことにっ!」キラキラ
26: 2010/06/17(木) 21:33:08.78
街中
死神「おかしい」フラフラ
「身体から力が抜ける。気持ち悪い」フラフラ
猫「にゃー」トテトテ
死神「……何」ピタッ
猫「なーぉ」スリスリ
死神「……あげられるものなんて何もないの」
猫「にゃ?」スリスリ
死神「私は死神」
「だからね」
「奪うだけ」
「与えるものなんて、なに、も……」バタッ
猫「ふにゃっ?!」
「にゃー!にゃー!」
死神「おかしい」フラフラ
「身体から力が抜ける。気持ち悪い」フラフラ
猫「にゃー」トテトテ
死神「……何」ピタッ
猫「なーぉ」スリスリ
死神「……あげられるものなんて何もないの」
猫「にゃ?」スリスリ
死神「私は死神」
「だからね」
「奪うだけ」
「与えるものなんて、なに、も……」バタッ
猫「ふにゃっ?!」
「にゃー!にゃー!」
27: 2010/06/17(木) 21:37:21.60
翌日
男「寝不足い」
「昨日はいろんなことがあった気がする」
「家に女の子がいたりとか」
「疲れてるのかな、俺。きっとそうだ」
「さぁ、今日も元気に学校に」
死神「」
猫「なー」ペシペシ
男「昨日の子が道端に落ちてる」
「夢じゃなかったのか?むしろ続きか?」
「動かない…まさか氏んで」
死神「」グーキュルルルルル
猫「にゃー」グイグイ
男「猫がネズミを食べさせようと」
「っておい、それはちょっとどうかと思う!」ダッ
男「寝不足い」
「昨日はいろんなことがあった気がする」
「家に女の子がいたりとか」
「疲れてるのかな、俺。きっとそうだ」
「さぁ、今日も元気に学校に」
死神「」
猫「なー」ペシペシ
男「昨日の子が道端に落ちてる」
「夢じゃなかったのか?むしろ続きか?」
「動かない…まさか氏んで」
死神「」グーキュルルルルル
猫「にゃー」グイグイ
男「猫がネズミを食べさせようと」
「っておい、それはちょっとどうかと思う!」ダッ
28: 2010/06/17(木) 21:41:23.43
猫「!」タタッ
男「すとーっぷ!」ダダッ
「逃げてった」
「お腹、空かせてるのかな。この子」
「学校……」
「まぁ」
「いいか」
男「すとーっぷ!」ダダッ
「逃げてった」
「お腹、空かせてるのかな。この子」
「学校……」
「まぁ」
「いいか」
30: 2010/06/17(木) 21:47:22.41
学校
男友「男のやつ、今日来てねーなー」
女「そ、そうだねっ」
男友「女友、何か聞いてねーか?」
女友「ううん!何も!」キラキラ
男友(何だそのキラキラは)
「風邪でも引いたのかもなー」
「帰り、あいつん家寄ってくか」
女「え」
女友「そうだね!いい考えだね!行こう!」キラキラ
女「わた私はちょ、ちょっと用事があるかなーなんて」
女友「皆でお見舞いに行こう!今すぐ行こう!うんそれがいい!」キラキラグイッ
女「ちょ、女友ちゃん、腕掴まないで、痛い」ズルズル
男友「男のやつ、今日来てねーなー」
女「そ、そうだねっ」
男友「女友、何か聞いてねーか?」
女友「ううん!何も!」キラキラ
男友(何だそのキラキラは)
「風邪でも引いたのかもなー」
「帰り、あいつん家寄ってくか」
女「え」
女友「そうだね!いい考えだね!行こう!」キラキラ
女「わた私はちょ、ちょっと用事があるかなーなんて」
女友「皆でお見舞いに行こう!今すぐ行こう!うんそれがいい!」キラキラグイッ
女「ちょ、女友ちゃん、腕掴まないで、痛い」ズルズル
32: 2010/06/17(木) 21:54:19.36
男家
死神「ガツガツハムハム」
男(よく食うなー)
(よっぽどお腹空いてたんだな)
死神「ガツガツ」チラッ
男「?」
死神「助かった。ありがとう」
男「いえ」
死神「今まで空腹を感じたことってなくて」
男(いいとこのお嬢さんなんだろうか)
死神(人の身は不便ね)
(悪魔)
(早くあいつを探しだして元に)
男「あの、」ピンポーン
死神「ガツガツハムハム」
男(よく食うなー)
(よっぽどお腹空いてたんだな)
死神「ガツガツ」チラッ
男「?」
死神「助かった。ありがとう」
男「いえ」
死神「今まで空腹を感じたことってなくて」
男(いいとこのお嬢さんなんだろうか)
死神(人の身は不便ね)
(悪魔)
(早くあいつを探しだして元に)
男「あの、」ピンポーン
33: 2010/06/17(木) 22:00:22.85
男友「うーっす」ガチャ
女友「ういー」キョロキョロピタッ
女「こ、こんにちは」
男「おーお前らか」
男友「今日来てなかったから風邪かって話してたんだが」
「元気そうじゃねーか」
「女連れ込んでやがるし。やるねぇ」ボソッ
男「そんなんじゃないっつの!」
「この人今朝行き倒れててさー」
女友「ふむ」スタスタ
「貴様か女を泣かせたのは」スチャッ
「この泥棒猫」ボソッ
死神「……?」
女友(言っちゃった言っちゃったー!)ジィーン
男友「何そのやり遂げた顔」
女友「ういー」キョロキョロピタッ
女「こ、こんにちは」
男「おーお前らか」
男友「今日来てなかったから風邪かって話してたんだが」
「元気そうじゃねーか」
「女連れ込んでやがるし。やるねぇ」ボソッ
男「そんなんじゃないっつの!」
「この人今朝行き倒れててさー」
女友「ふむ」スタスタ
「貴様か女を泣かせたのは」スチャッ
「この泥棒猫」ボソッ
死神「……?」
女友(言っちゃった言っちゃったー!)ジィーン
男友「何そのやり遂げた顔」
34: 2010/06/17(木) 22:08:05.57
カクカクシカジカシカクイムーブ
女友「ふーーーん」
男友「へーーーえ」
女(そう、だったんだー。よかったー)ホッ
死神「………」
「世話になったわ。恩に着る」スッ
「報いはいつか必ず」スタスタス
男「待って」
「行くあて、ないんじゃないか?」
死神「………」
男「俺ん家でよかったら、部屋空いてるし、その」
「好きに使ってくれていいから」
死神「これ以上、迷惑をかけるのも」
男「別にいいってー」
「困ったときはお互い様、だろ?」
女友「ふーーーん」
男友「へーーーえ」
女(そう、だったんだー。よかったー)ホッ
死神「………」
「世話になったわ。恩に着る」スッ
「報いはいつか必ず」スタスタス
男「待って」
「行くあて、ないんじゃないか?」
死神「………」
男「俺ん家でよかったら、部屋空いてるし、その」
「好きに使ってくれていいから」
死神「これ以上、迷惑をかけるのも」
男「別にいいってー」
「困ったときはお互い様、だろ?」
35: 2010/06/17(木) 22:12:37.11
男友「とか言ってテゴメにする気ですぜ姐御」ヒソヒソ
女友「んまー不潔!男なんて皆ケダモノなのね」ヒソヒソ
男「おい……」
男友「ま、いいんじゃねーの」
「なんだかんだで男にそんな度胸ねーだろ」
「な、死神さん」ポン
死神「では……」
「しばらくやっかいになります」
女友「ですってよ奥さん。年頃の男女が一つ屋根の下」
「おかしなことが起こるかもしれないね!あんたも気が抜けないね!」
「って、うわぁ」
女(男くんが女の子と男くんが女の子と男くんが女の子と)
女友「気を確かに持て」ユッサユッサ
女「そ、そうだ、私も男くんの家に、」
女友「それはない」
女友「んまー不潔!男なんて皆ケダモノなのね」ヒソヒソ
男「おい……」
男友「ま、いいんじゃねーの」
「なんだかんだで男にそんな度胸ねーだろ」
「な、死神さん」ポン
死神「では……」
「しばらくやっかいになります」
女友「ですってよ奥さん。年頃の男女が一つ屋根の下」
「おかしなことが起こるかもしれないね!あんたも気が抜けないね!」
「って、うわぁ」
女(男くんが女の子と男くんが女の子と男くんが女の子と)
女友「気を確かに持て」ユッサユッサ
女「そ、そうだ、私も男くんの家に、」
女友「それはない」
37: 2010/06/17(木) 22:17:40.58
翌日・学校
教師「あー、急な話だが今日から転校生が来ることになった」
「この子だ」
死神「私は死神。名前はない」
「今日から世話になるわ。よろしく」
ザワザワガヤガヤアノコカワイー
男友「よく転入できたな、あれで」ボソ
女友「ちょーっとうちから口添えしてもらった」ニヤ
教師「女の隣が空いてるなー。そこ座れー」
死神「………」コク
「……よろしく」
女「う、うん!よよよろよろしくねっ」ワタワタ
教師「連絡は以上だー。一限めの用意をしとけー」ガラガラバタン
男(そんなこんなで、彼女を交えた新たな生活が始まった)
教師「あー、急な話だが今日から転校生が来ることになった」
「この子だ」
死神「私は死神。名前はない」
「今日から世話になるわ。よろしく」
ザワザワガヤガヤアノコカワイー
男友「よく転入できたな、あれで」ボソ
女友「ちょーっとうちから口添えしてもらった」ニヤ
教師「女の隣が空いてるなー。そこ座れー」
死神「………」コク
「……よろしく」
女「う、うん!よよよろよろしくねっ」ワタワタ
教師「連絡は以上だー。一限めの用意をしとけー」ガラガラバタン
男(そんなこんなで、彼女を交えた新たな生活が始まった)
38: 2010/06/17(木) 22:23:15.68
ふしぎなことに
教師「この一文から読み取れるようにー」
死神「………」ジー
女(死神さん、すごい真剣に黒板見てる)
(まじめさんなんだなー)
死神(おかしい)
(これらは地上言語のはず)パラ
女(次は教科書に)
死神(何故私は理解できる?)パラララララ
女(す、すごい…速読ってやつなのかな)
教師「じゃあ死神ー、この場面での主人公の気持ちはどんなだー」
死神「分かりません」
女(え)
教師「え」
悪魔(だろうな)
教師「この一文から読み取れるようにー」
死神「………」ジー
女(死神さん、すごい真剣に黒板見てる)
(まじめさんなんだなー)
死神(おかしい)
(これらは地上言語のはず)パラ
女(次は教科書に)
死神(何故私は理解できる?)パラララララ
女(す、すごい…速読ってやつなのかな)
教師「じゃあ死神ー、この場面での主人公の気持ちはどんなだー」
死神「分かりません」
女(え)
教師「え」
悪魔(だろうな)
39: 2010/06/17(木) 22:28:03.26
たりないもの
男友「よーっし次は体育だなー」
女友「だる」
女「死神さん、女子の着替えは隣の」
死神「ん?」ヌギ
女「なななな///」
女友(………)スカッスカッ
死神「着替えたら、いいんでしょ?」バサッ
男「ぶっ」
男友「これが芸術か…ッ」
悪魔(………)
(恥じらいがあった方が工口いな)キュイン
死神「!」ビビッ
「み、見るなっ!」ガバッ
悪魔(マーベラス)
男友「よーっし次は体育だなー」
女友「だる」
女「死神さん、女子の着替えは隣の」
死神「ん?」ヌギ
女「なななな///」
女友(………)スカッスカッ
死神「着替えたら、いいんでしょ?」バサッ
男「ぶっ」
男友「これが芸術か…ッ」
悪魔(………)
(恥じらいがあった方が工口いな)キュイン
死神「!」ビビッ
「み、見るなっ!」ガバッ
悪魔(マーベラス)
40: 2010/06/17(木) 22:33:18.29
せつやくれしぴ
男友「よーっし次は昼飯だなー」
男「購買いくかー」
女「ま、まって」
「あのね、お弁当、作ってきたから」
「皆の分」
女友(上出来だ)b
女(うんっ)b
死神「………」ポロッ
男「あー、箸の使い方知らないんだったなー」
「昨日はチャーハンだったからスプーンだったし」
女友「晩飯はなんだったんだよ」
男「晩飯もあまりものでチャーハンでした」
男友「すげーわかる」
男友「よーっし次は昼飯だなー」
男「購買いくかー」
女「ま、まって」
「あのね、お弁当、作ってきたから」
「皆の分」
女友(上出来だ)b
女(うんっ)b
死神「………」ポロッ
男「あー、箸の使い方知らないんだったなー」
「昨日はチャーハンだったからスプーンだったし」
女友「晩飯はなんだったんだよ」
男「晩飯もあまりものでチャーハンでした」
男友「すげーわかる」
41: 2010/06/17(木) 22:41:30.82
てーぶるまなー
死神「………」ポロッ
男「何にせよ、箸使えないと食べられないよな」
女「ごめんねっ、スプーンとか持ってきたらよかったんだけど…」
死神「………」ポロッ
「………」
「もういい」スッ
「はじめから」ジャキーン
「こうすればよかったね」ヒョイッパク
「モグモグ」
男友(大鎌ぶん回して料理すくってる…!)
女(逆に食べづらいと思うんだけど…)
女友(箸握り締めてすくえよ)
男「危なっ、ちょ、危ないから鎌、振り回さないでっ!」
死神「………」ポロッ
男「何にせよ、箸使えないと食べられないよな」
女「ごめんねっ、スプーンとか持ってきたらよかったんだけど…」
死神「………」ポロッ
「………」
「もういい」スッ
「はじめから」ジャキーン
「こうすればよかったね」ヒョイッパク
「モグモグ」
男友(大鎌ぶん回して料理すくってる…!)
女(逆に食べづらいと思うんだけど…)
女友(箸握り締めてすくえよ)
男「危なっ、ちょ、危ないから鎌、振り回さないでっ!」
44: 2010/06/17(木) 22:47:31.54
おやくめを
教師「今日の授業はここまで。最後にこの前のテストを返却する」
女(あ、わりとよかった)
女友(まぁこんなもんだろ)
男(セーフ)
男友「……くっ」ググ
「うおおおお」ガバッ
「追試ギリギリ…アウト…だと」ガク
「氏にたい」
死神「そう」ジャキン
男友「ごめんなさい氏にたくないです」
死神(帳簿がないから氏期が分からないわ)
(悪魔…代行とか言ってたけど…やって…ないでしょうね)
悪魔(……そんなんあったな)
教師「今日の授業はここまで。最後にこの前のテストを返却する」
女(あ、わりとよかった)
女友(まぁこんなもんだろ)
男(セーフ)
男友「……くっ」ググ
「うおおおお」ガバッ
「追試ギリギリ…アウト…だと」ガク
「氏にたい」
死神「そう」ジャキン
男友「ごめんなさい氏にたくないです」
死神(帳簿がないから氏期が分からないわ)
(悪魔…代行とか言ってたけど…やって…ないでしょうね)
悪魔(……そんなんあったな)
46: 2010/06/17(木) 22:52:53.10
ねこにおんがえし
女「じゃあ、またね」
男「おう」
死神「………」コク
猫「にゃー」
男「お、こないだの猫だな」
「あの猫、倒れたお前の前にネズミ持ってきててな」
「きっとお腹空かせてるの分かったんだろうな」
死神「そうなの」
猫「にぃー」スリスリ
死神「優しいのね。あなた」
(毛もボサボサだし汚れてる。野良なのかな)
「あのね、男。この猫、」
男「いいよ。飼っても。だろ?」
死神「……ありがとう」
女「じゃあ、またね」
男「おう」
死神「………」コク
猫「にゃー」
男「お、こないだの猫だな」
「あの猫、倒れたお前の前にネズミ持ってきててな」
「きっとお腹空かせてるの分かったんだろうな」
死神「そうなの」
猫「にぃー」スリスリ
死神「優しいのね。あなた」
(毛もボサボサだし汚れてる。野良なのかな)
「あのね、男。この猫、」
男「いいよ。飼っても。だろ?」
死神「……ありがとう」
47: 2010/06/17(木) 22:58:06.86
えがおのかちは
男(あー、でも)
(姉貴が動物嫌いだったな)
(ま、どうせ帰ってこないだろうし)
猫「にゃー」
死神「にゃー」
男(こんな笑顔が見れるんなら)
(いいか)
悪魔(………)
(あいつがペットを飼いたい、なんてな)
(窮地で受けた親切は身に染みるってもんだ)
(良い傾向だな)
(………)
(『にゃー』)
(クスクスクス)
男(あー、でも)
(姉貴が動物嫌いだったな)
(ま、どうせ帰ってこないだろうし)
猫「にゃー」
死神「にゃー」
男(こんな笑顔が見れるんなら)
(いいか)
悪魔(………)
(あいつがペットを飼いたい、なんてな)
(窮地で受けた親切は身に染みるってもんだ)
(良い傾向だな)
(………)
(『にゃー』)
(クスクスクス)
50: 2010/06/17(木) 23:03:04.37
もっとしげきを
女友「私は期待していたんだ」
男友「何を」
女友「あの白いのが男の家に来ただろ」
「普通のパターンならくっつくだろ」
男友「まぁそうだな」
女友「女が危機感を抱くだろ」
「で、もっと積極的にモーションかけるだろ、とな」
男友「結構頑張ってるじゃん」
「今日も弁当、死神にかこつけて渡せてたし」
女友「そうだが」
「やはりサシで何かしてもらった方が」
男友「嬉しいな」
女友「面白いな」
男友「………」
女友「私は期待していたんだ」
男友「何を」
女友「あの白いのが男の家に来ただろ」
「普通のパターンならくっつくだろ」
男友「まぁそうだな」
女友「女が危機感を抱くだろ」
「で、もっと積極的にモーションかけるだろ、とな」
男友「結構頑張ってるじゃん」
「今日も弁当、死神にかこつけて渡せてたし」
女友「そうだが」
「やはりサシで何かしてもらった方が」
男友「嬉しいな」
女友「面白いな」
男友「………」
51: 2010/06/17(木) 23:16:47.77
女「こんばんはー」ガチャ
(こんな夜半に男くんの家に上がりこむなんて…我ながら成長)
男「女?どうしたのこんな時間に」
女「あのね、お節介かもって思ったんだけど、」
「よかったら晩御飯作ってあげようかなっ、なんて」
男「まじで?助かるよー、ありがとなー女」
女「わ、私が好きでやることだからっ」
(……うーん?)
「男くんの家さ、広いし、家具も結構いいのに」
「なんで簡単な食事で済ませてるの?」
男「この家、大体俺一人だったから」
「別に最低限でいいかーって思ってな」
女「あ……何かごめんね……」
男「いいって。今は賑やかだし」
「なっ」
(こんな夜半に男くんの家に上がりこむなんて…我ながら成長)
男「女?どうしたのこんな時間に」
女「あのね、お節介かもって思ったんだけど、」
「よかったら晩御飯作ってあげようかなっ、なんて」
男「まじで?助かるよー、ありがとなー女」
女「わ、私が好きでやることだからっ」
(……うーん?)
「男くんの家さ、広いし、家具も結構いいのに」
「なんで簡単な食事で済ませてるの?」
男「この家、大体俺一人だったから」
「別に最低限でいいかーって思ってな」
女「あ……何かごめんね……」
男「いいって。今は賑やかだし」
「なっ」
52: 2010/06/17(木) 23:22:54.37
死神「………」ジー
猫「………」ジー
ナンデヤネーンハハハハ
死神(笑いどころが分からない)
(そもそも笑いとはなんだ)チラッ
男「ははっ」
死神「………」ジー
男「は、ははっ」
死神「………」ジー
男「は…は…」
(何だこのプレッシャーは)
死神(男が笑うタイミング…そこがきっと笑いどころなんだろう)ジー
男「あの、さっきからどうしたのかな、俺の顔何か付いてる?」ニコッ
死神(ここだ!)ニタリ
男「ひぃっ」
猫「………」ジー
ナンデヤネーンハハハハ
死神(笑いどころが分からない)
(そもそも笑いとはなんだ)チラッ
男「ははっ」
死神「………」ジー
男「は、ははっ」
死神「………」ジー
男「は…は…」
(何だこのプレッシャーは)
死神(男が笑うタイミング…そこがきっと笑いどころなんだろう)ジー
男「あの、さっきからどうしたのかな、俺の顔何か付いてる?」ニコッ
死神(ここだ!)ニタリ
男「ひぃっ」
53: 2010/06/17(木) 23:30:09.57
一同「ごちそうさまでしたー」
男「うまかったー。ありがとなー、女ー」
女「あ、デザートに林檎持ってきたから、剥いてくるね」
死神「手伝うわ」
男「!」
女「!」
死神「♪」スリスリスリ
男(鎌振り回す気かと思った)
女(この包丁捌き…出来る…!)スリスリスリ
死神(刃物は心が落ち着いていいわね)スリスリスリ
男「うまかったー。ありがとなー、女ー」
女「あ、デザートに林檎持ってきたから、剥いてくるね」
死神「手伝うわ」
男「!」
女「!」
死神「♪」スリスリスリ
男(鎌振り回す気かと思った)
女(この包丁捌き…出来る…!)スリスリスリ
死神(刃物は心が落ち着いていいわね)スリスリスリ
55: 2010/06/17(木) 23:40:27.44
女「お風呂沸いたよー」
男「レディファーストで」
死神「………」コク
女「私、食器片付けてるから、男くんも先お風呂入っていいよ」
男「手伝うよ」
女「えっあああうん、ありありがとととと」
(近い近い近い近い)パリーンパリーン
男「ちょ、大丈夫?」
(女、やっぱ無理して手伝いにきてくれてたんだな…)
(きっと疲れてるんだ)
「ここは俺がやっとくから、女は風呂入ってこいよ」
女「ううううううん、わわかわかった!」
(『先にシャワー浴びて来いよ』って奴ですかー!)
「あうううあううえう」フラフラ
男(女、ほんと大丈夫だろうか…不安…)
男「レディファーストで」
死神「………」コク
女「私、食器片付けてるから、男くんも先お風呂入っていいよ」
男「手伝うよ」
女「えっあああうん、ありありがとととと」
(近い近い近い近い)パリーンパリーン
男「ちょ、大丈夫?」
(女、やっぱ無理して手伝いにきてくれてたんだな…)
(きっと疲れてるんだ)
「ここは俺がやっとくから、女は風呂入ってこいよ」
女「ううううううん、わわかわかった!」
(『先にシャワー浴びて来いよ』って奴ですかー!)
「あうううあううえう」フラフラ
男(女、ほんと大丈夫だろうか…不安…)
56: 2010/06/17(木) 23:46:45.31
カポーン
死神「ブクブクブク」
猫「にゃー」チャプチャプ
女「あ、死神さん」ガラガラ
死神「ん」ブクブクブク
女「おっきいお風呂場ですねっ」ニコ
死神「………」ジー
「………」スカッスカッ
「ねぇ」
女「はい?」バシャー
死神「私とあなた、違うの、何で?」
女「え?」シャカシャカシャカ
死神「ブクブクブク」
猫「にゃー」チャプチャプ
女「あ、死神さん」ガラガラ
死神「ん」ブクブクブク
女「おっきいお風呂場ですねっ」ニコ
死神「………」ジー
「………」スカッスカッ
「ねぇ」
女「はい?」バシャー
死神「私とあなた、違うの、何で?」
女「え?」シャカシャカシャカ
58: 2010/06/17(木) 23:54:33.83
死神「人も動物もね?皆違うの」
猫「にゃー」
死神「同じ種類なのに」
「てすとだって点数が違ったよね」
女「そうですね」シャカシャカシャカ
死神「皆同じで同じことが出来たほうがさ、効率いいと思わない?」
女「そうでしょうか」バシャー
「皆同じだったら気持ち悪いですしー」ピチャピチャ
「皆違うから面白いんだよー」フキフキ
「『面白い』って女友ちゃんの口癖だったなー」クスクス
「ほら、ね?違った方が面白いです」
死神「ふーん」
「そんなもの、か」ブクブクブク
猫「にゃー」
死神「同じ種類なのに」
「てすとだって点数が違ったよね」
女「そうですね」シャカシャカシャカ
死神「皆同じで同じことが出来たほうがさ、効率いいと思わない?」
女「そうでしょうか」バシャー
「皆同じだったら気持ち悪いですしー」ピチャピチャ
「皆違うから面白いんだよー」フキフキ
「『面白い』って女友ちゃんの口癖だったなー」クスクス
「ほら、ね?違った方が面白いです」
死神「ふーん」
「そんなもの、か」ブクブクブク
60: 2010/06/18(金) 00:01:44.42
女「お風呂上ったよー」
死神「よー」
男「おう」
「って死神、そのパジャマ」
女「私の着れなくなったやつー。死神さんにあげようと思って」
「ほら…私身体大きいし…ふふっ、ふふふっ」
男(嫌なスイッチを入れてしまった気が……)
「お、俺じゃあ風呂入ってくるな!」テッテッテ
女「湯上りにはやはり牛乳が」パカッ
「あ、あったあった」
「死神さん、牛乳飲もうよっ」
死神「………」コク
女「猫さんもほーら」
猫「にゃー♪」
女「ぐいっとー」
死神「よー」
男「おう」
「って死神、そのパジャマ」
女「私の着れなくなったやつー。死神さんにあげようと思って」
「ほら…私身体大きいし…ふふっ、ふふふっ」
男(嫌なスイッチを入れてしまった気が……)
「お、俺じゃあ風呂入ってくるな!」テッテッテ
女「湯上りにはやはり牛乳が」パカッ
「あ、あったあった」
「死神さん、牛乳飲もうよっ」
死神「………」コク
女「猫さんもほーら」
猫「にゃー♪」
女「ぐいっとー」
61: 2010/06/18(金) 00:06:26.32
男「上がったぞー」
「ってあれ」
猫「」ギュルルルルル
死神「」ゲッソリ
女「」ゲッソリ
男「何が――」チラッ
「牛乳」ザワ
「消費期限…すっげー過ぎてる」サァァ
「すみませんでしたー!」ドゲザッ
女「」
「ってあれ」
猫「」ギュルルルルル
死神「」ゲッソリ
女「」ゲッソリ
男「何が――」チラッ
「牛乳」ザワ
「消費期限…すっげー過ぎてる」サァァ
「すみませんでしたー!」ドゲザッ
女「」
65: 2010/06/18(金) 01:05:31.50
女友「男の家に泊りにいっただと」
女「うんー。いろいろあったけど楽しかったよ」
女友「何が起こったかこのおねーさんに話してごらん」キラキラ
女「えっとね、死神さんがねー」
「でね、死神さんがー」
「死神さんったら」
女友「あ、あのさ!男とは何かなかったのかな!」
女「え」
「うーん?」
女友「お前それでいいのか」
死神「女」
女「死神さんだー」
「昨日は楽しかったねー」
死神「………」コクコク
女友「まったくもぉ」
女「うんー。いろいろあったけど楽しかったよ」
女友「何が起こったかこのおねーさんに話してごらん」キラキラ
女「えっとね、死神さんがねー」
「でね、死神さんがー」
「死神さんったら」
女友「あ、あのさ!男とは何かなかったのかな!」
女「え」
「うーん?」
女友「お前それでいいのか」
死神「女」
女「死神さんだー」
「昨日は楽しかったねー」
死神「………」コクコク
女友「まったくもぉ」
66: 2010/06/18(金) 01:18:20.54
女友「女一人には任せておけん」
男友「女には女のペースってもんがあるだろ」
女友「じれったい」
男友「それはお前の都合だ」
女友「というわけでこんなものを用意させた」ピラッ
男友「遊園地のチケットか」
「2枚しか見当たらんが」
女友「当たり前だ」
「デートだぞ」
「でぇーと」
男友「女の性格だと」
「皆で行こうって言うんじゃね?」
女友「………」
「……お前、行きたいのか?」
男友「……はい」
男友「女には女のペースってもんがあるだろ」
女友「じれったい」
男友「それはお前の都合だ」
女友「というわけでこんなものを用意させた」ピラッ
男友「遊園地のチケットか」
「2枚しか見当たらんが」
女友「当たり前だ」
「デートだぞ」
「でぇーと」
男友「女の性格だと」
「皆で行こうって言うんじゃね?」
女友「………」
「……お前、行きたいのか?」
男友「……はい」
67: 2010/06/18(金) 01:28:51.34
遊園地・入口
女「ごめーん、待った-?」
男「いや、今来たとこ」
死神「……うん」コク
女友(結局こうなるのか)
男友「すっげー!一日フリーパスだぜおい!遊び放題!うひょー」
女友「おい貴様ぁ!」ボソ
「あくまで二人をラブい絆で結びつけてやるのが主旨だぞ」ボソ
「あたしらは裏方に徹し」ボソ
男友「おいあれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」
女友「………」
男「まずは軽いもんからやろうぜ」
「コーヒーカップとか」
女友「あ、あたし遠慮しとくよ」
「男と女、男友と死神でペアで乗りなー」
女「ごめーん、待った-?」
男「いや、今来たとこ」
死神「……うん」コク
女友(結局こうなるのか)
男友「すっげー!一日フリーパスだぜおい!遊び放題!うひょー」
女友「おい貴様ぁ!」ボソ
「あくまで二人をラブい絆で結びつけてやるのが主旨だぞ」ボソ
「あたしらは裏方に徹し」ボソ
男友「おいあれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」
女友「………」
男「まずは軽いもんからやろうぜ」
「コーヒーカップとか」
女友「あ、あたし遠慮しとくよ」
「男と女、男友と死神でペアで乗りなー」
68: 2010/06/18(金) 01:35:34.71
コーヒーカップ・男女ペア
女(あうう)
女友(健闘を祈る)b
女(あうあう)
男「ん、どうした女?」
女「いいいや何でもないっ」
男「回転強すぎたか?ちょっと落とそうか」
女「ううん、そんなんじゃなくて」
「………」
「ここって結構人気なテーマパークで」
男「そうらしいなー」
女「女友ちゃんがチケット用意してくれたんだよね」
「……女友ちゃんにはいっぱい、感謝してるんだ」
(用意してくれたのだって、私と男くんを……)
男(そんなにすごい遊園地だったのか)
女(あうう)
女友(健闘を祈る)b
女(あうあう)
男「ん、どうした女?」
女「いいいや何でもないっ」
男「回転強すぎたか?ちょっと落とそうか」
女「ううん、そんなんじゃなくて」
「………」
「ここって結構人気なテーマパークで」
男「そうらしいなー」
女「女友ちゃんがチケット用意してくれたんだよね」
「……女友ちゃんにはいっぱい、感謝してるんだ」
(用意してくれたのだって、私と男くんを……)
男(そんなにすごい遊園地だったのか)
69: 2010/06/18(金) 01:42:10.79
コーヒーカップ・男友死神ペア
男友「回せ回せー!最速はもらった!」キュッキュッ
死神「……ねぇ、ちょっと」
男友「見よこの華麗なハンドリングを」キュキュキュ
死神「…もっとね、余裕とゆとりをもって」
男友「うおおおおおおおおおおお」ギュギュギュギュギュ
死神「もおおおおおおおおおおおおお」
休憩所
女友(何やってんだあのバカ)
コーヒーカップ・男女ペア
男「……何だあいつら、はえー」
女「そ、そうだね」
「………」
男友「回せ回せー!最速はもらった!」キュッキュッ
死神「……ねぇ、ちょっと」
男友「見よこの華麗なハンドリングを」キュキュキュ
死神「…もっとね、余裕とゆとりをもって」
男友「うおおおおおおおおおおお」ギュギュギュギュギュ
死神「もおおおおおおおおおおおおお」
休憩所
女友(何やってんだあのバカ)
コーヒーカップ・男女ペア
男「……何だあいつら、はえー」
女「そ、そうだね」
「………」
70: 2010/06/18(金) 01:51:03.33
男友「次あれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」
死神「……私、パス」フラフラ
女友「飲み差しでよかったらドリンクやるよ」スッ
「選手交代だなー」ハイ
死神「……ん」タッチ
男友「ほーら早くしろ」
男「待てってほら」
女友「あのバカ、男持ってきやがって」ボソッ
女「いいよ、女友ちゃん」ポン
女友「しかしだn」
女「いいの」ギュッ
女友「………」
「あたしらも乗るぞー」
女「うん」
死神「……私、パス」フラフラ
女友「飲み差しでよかったらドリンクやるよ」スッ
「選手交代だなー」ハイ
死神「……ん」タッチ
男友「ほーら早くしろ」
男「待てってほら」
女友「あのバカ、男持ってきやがって」ボソッ
女「いいよ、女友ちゃん」ポン
女友「しかしだn」
女「いいの」ギュッ
女友「………」
「あたしらも乗るぞー」
女「うん」
71: 2010/06/18(金) 02:01:15.52
ジェットコースター・男男友ペア
男「このはじめの登り道の感覚、いつんなっても慣れねーな」
「なー男友。ヘソがこうむずむずって」
男友「男」
「お前に言っときたいことがある」
男「改まってどうしたよ」
男友「女はお前のこと、好きだぞ」
男「……え」
男友「普通気付くだろーが。ばーか」
「俺も少しじれったくなってな」
男「………」
男友「だからどうしろ、なんて俺は言わねーよ」
「ただな、お前は女の気持ちを知っておくべきだとそう思った」
男「男友……」
男友「お、そろそろ始まるぜ!うっひょー」
男「このはじめの登り道の感覚、いつんなっても慣れねーな」
「なー男友。ヘソがこうむずむずって」
男友「男」
「お前に言っときたいことがある」
男「改まってどうしたよ」
男友「女はお前のこと、好きだぞ」
男「……え」
男友「普通気付くだろーが。ばーか」
「俺も少しじれったくなってな」
男「………」
男友「だからどうしろ、なんて俺は言わねーよ」
「ただな、お前は女の気持ちを知っておくべきだとそう思った」
男「男友……」
男友「お、そろそろ始まるぜ!うっひょー」
72: 2010/06/18(金) 02:13:22.31
ジェットコースター・女女友ペア
女友「まったくあのバカときたら」
「女の絶好の告白タイムが到来したかもしれんのに」
「まったくもぉ」
女「無理だよ」
女友「また女はそんなことを」
女「ダメなの」
「男くんね、私なんて見てないんだ」
「ずっと死神さんのこと」
「だからね、届かない」
女友「………」
「それでもね」
「もしあんたがあんたを見捨てたって」
「あたしはあんたを見捨てないから」
女友「まったくあのバカときたら」
「女の絶好の告白タイムが到来したかもしれんのに」
「まったくもぉ」
女「無理だよ」
女友「また女はそんなことを」
女「ダメなの」
「男くんね、私なんて見てないんだ」
「ずっと死神さんのこと」
「だからね、届かない」
女友「………」
「それでもね」
「もしあんたがあんたを見捨てたって」
「あたしはあんたを見捨てないから」
73: 2010/06/18(金) 02:19:04.29
女「……どうして?」
「どうしていつも助けてくれるの?」
「今回だって」
女友「あんたはあたしの初めての」
(ダチだから)
「あたしん家のこと知っても仲良くしてくれたのね、あんたが初めて」
「嬉しかったなー」
「そのとき決めたんだよ」
(ずっとあたしはあんたの味方だ)
女友「お、そろそろ始まるぞ!ひゅー」
女「そうだね」
「スーゥ」ガタン
「男くんのー」ガタンガタンガタ
「ばっかやろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ギュインゴオオオオオオ
「どうしていつも助けてくれるの?」
「今回だって」
女友「あんたはあたしの初めての」
(ダチだから)
「あたしん家のこと知っても仲良くしてくれたのね、あんたが初めて」
「嬉しかったなー」
「そのとき決めたんだよ」
(ずっとあたしはあんたの味方だ)
女友「お、そろそろ始まるぞ!ひゅー」
女「そうだね」
「スーゥ」ガタン
「男くんのー」ガタンガタンガタ
「ばっかやろおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」ギュインゴオオオオオオ
74: 2010/06/18(金) 02:23:40.90
休憩所
死神「う」パチ
「んー」スクッ
(まだちょっと頭痛い)
(けど)
(一日パスが勿体無いからどこか静かなアトラクションに)
ミラーハウス
死神「………」
「………」テクテク
死神「う」パチ
「んー」スクッ
(まだちょっと頭痛い)
(けど)
(一日パスが勿体無いからどこか静かなアトラクションに)
ミラーハウス
死神「………」
「………」テクテク
75: 2010/06/18(金) 02:28:08.49
ミラーハウス
死神「はー」
「私がいっぱい」
「妙な感覚ね…この環境の所為」
「か…ッ?!」キッ
悪魔「やーぁお嬢さん」ヌラリ
「いい顔をするようなったじゃないか」
「俺の努力も甲斐があったというもんだ」
死神「貴様…」
「役目代行は果たしているんでしょうね?」
悪魔「あ。忘れてた」
「ってワケにもいかなくてな。ちゃんとやってる」
死神(ふー)
「さっさと元に戻しなさい」
悪魔「……いいのか?」ニヤニヤ
死神「はー」
「私がいっぱい」
「妙な感覚ね…この環境の所為」
「か…ッ?!」キッ
悪魔「やーぁお嬢さん」ヌラリ
「いい顔をするようなったじゃないか」
「俺の努力も甲斐があったというもんだ」
死神「貴様…」
「役目代行は果たしているんでしょうね?」
悪魔「あ。忘れてた」
「ってワケにもいかなくてな。ちゃんとやってる」
死神(ふー)
「さっさと元に戻しなさい」
悪魔「……いいのか?」ニヤニヤ
76: 2010/06/18(金) 02:35:10.65
悪魔「人と交わってからのお前は」
「ずーいぶんと楽しそうに見えたが、な」
死神「………」
悪魔「今戻してやっても未練が残りゃしねーか?ん?」
死神「私は」
「私は死神」
「いずれ来る生命の為、生命を刈り取ることが使命」
「それが使命なんだッ……」
悪魔(迷いが見えるな)
(しかし、まだ足りない)
「焦るな。まだ時間は残ってるんだ」
「もう少し余興を楽しめよ」フッ
死神「……く」ガク
「ずーいぶんと楽しそうに見えたが、な」
死神「………」
悪魔「今戻してやっても未練が残りゃしねーか?ん?」
死神「私は」
「私は死神」
「いずれ来る生命の為、生命を刈り取ることが使命」
「それが使命なんだッ……」
悪魔(迷いが見えるな)
(しかし、まだ足りない)
「焦るな。まだ時間は残ってるんだ」
「もう少し余興を楽しめよ」フッ
死神「……く」ガク
84: 2010/06/18(金) 08:36:55.07
女「い、意外と楽しかった」
男「そうだなー」
男友「もっかいあれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」
女友「ハーハーバカがハー行きたきゃハーハー一人で行ってこいハーハーハー」
女「あれ」
「死神さんいない」
男「ほんとだ」
「途中までは居たの見えたのに」
女友(またこいつは無神経なことを……)
「……ん?」チラッ
「これ、あたしがやったドリンクだな」シャカシャカ
「………」パカッ
(氷しか残ってない)
(大して溶けてもないな…やっぱつい先程いなくなったのか)
男「そうだなー」
男友「もっかいあれ乗ろうぜあれ!ジェットコースター!」
女友「ハーハーバカがハー行きたきゃハーハー一人で行ってこいハーハーハー」
女「あれ」
「死神さんいない」
男「ほんとだ」
「途中までは居たの見えたのに」
女友(またこいつは無神経なことを……)
「……ん?」チラッ
「これ、あたしがやったドリンクだな」シャカシャカ
「………」パカッ
(氷しか残ってない)
(大して溶けてもないな…やっぱつい先程いなくなったのか)
85: 2010/06/18(金) 08:45:57.04
男友「一人でアトラクション回ってるんじゃねーか?」
「一日パスなのに寝てたら勿体無いし」
女友「それはお前だけじゃないのか」
男「え」
女「え」
女友「何にせよ、ここで待ってりゃ戻ってくるだろー」
男「そうだなー」
「一日パスなのに寝てたら勿体無いし」
女友「それはお前だけじゃないのか」
男「え」
女「え」
女友「何にせよ、ここで待ってりゃ戻ってくるだろー」
男「そうだなー」
86: 2010/06/18(金) 08:57:12.64
数十分後
女「戻って、こないね……」
男「………」
「俺ちょっと探してくる!」タッタッタッ
女「わた私も」タッタッタッ
男友「近場のアトラクションのどっかだと思う」
「俺も行こう」スッ
女友「ただの迷子じゃねーのかねー」
「何かあったら携帯な」
男友「おう」タッタッタッ
女友「大げさだと思うけどなー」
「………」
女「戻って、こないね……」
男「………」
「俺ちょっと探してくる!」タッタッタッ
女「わた私も」タッタッタッ
男友「近場のアトラクションのどっかだと思う」
「俺も行こう」スッ
女友「ただの迷子じゃねーのかねー」
「何かあったら携帯な」
男友「おう」タッタッタッ
女友「大げさだと思うけどなー」
「………」
87: 2010/06/18(金) 09:22:08.33
女友「いくか」スック
「………」テクテクテク
「おーっと」バタッ
従業員「大丈夫ですか、お客様」タタッ
女友「いたーい膝擦りむいたーぁ」
従業員「手当を」
女友「おい」
従業員「へい」ビシッ
女友「人探しだ」
「性別は女。背はあたしと女の中間程度」
「銀髪白皙だから見りゃわかる」
従業員「へい」
女友「アナウンスはしなくていい」
(~からお越しの死神さまー、とかねーわなぁ)
「騒ぎ立てはするな。客の不安を煽るな」
「………」テクテクテク
「おーっと」バタッ
従業員「大丈夫ですか、お客様」タタッ
女友「いたーい膝擦りむいたーぁ」
従業員「手当を」
女友「おい」
従業員「へい」ビシッ
女友「人探しだ」
「性別は女。背はあたしと女の中間程度」
「銀髪白皙だから見りゃわかる」
従業員「へい」
女友「アナウンスはしなくていい」
(~からお越しの死神さまー、とかねーわなぁ)
「騒ぎ立てはするな。客の不安を煽るな」
88: 2010/06/18(金) 09:29:02.01
女友「いつも通りに運営しろ」
「だが確実に探せ」
「……いいか。もし敷地内でそいつに何かあったら」
「お前らただじゃ済まないものと思え」
「ダチなんだよ」
「そいつも」
「頼んだ」
従業員「押忍っ」
女友「親切にありがとーおじさーん」フリフリ
従業員「ごゆっくりお楽しみください」ニコ
「だが確実に探せ」
「……いいか。もし敷地内でそいつに何かあったら」
「お前らただじゃ済まないものと思え」
「ダチなんだよ」
「そいつも」
「頼んだ」
従業員「押忍っ」
女友「親切にありがとーおじさーん」フリフリ
従業員「ごゆっくりお楽しみください」ニコ
89: 2010/06/18(金) 09:34:22.40
男友「さてっと」
「後はここくらいだな」
ミラーハウス
男友「俺様の完璧な推理はこうだ」
「酔いの醒めた死神」
「あぁっ!一日パスなのにこのままじゃもったいないわっ!」
「どこか静かなアトラクションに行きましょう!」
「ゲーセンは煩かったしやっぱこっちだな」
「さてっと」
「後はここくらいだな」
ミラーハウス
男友「俺様の完璧な推理はこうだ」
「酔いの醒めた死神」
「あぁっ!一日パスなのにこのままじゃもったいないわっ!」
「どこか静かなアトラクションに行きましょう!」
「ゲーセンは煩かったしやっぱこっちだな」
「さてっと」
90: 2010/06/18(金) 09:38:44.77
男「こっちは居なかった」
女「そう…こっちも居ない」
男(流石に人通りが多いな)
「じゃあ、次はそっちを探そう」
女「うん」
「………」
「死神さんが来てから、変わったよねー」テクテク
男「そうだな」
「いろいろ変わった」テクテク
女「買い物とか買い食いくらいはしてたけどさ」
「こんな風に皆で遊びに来ることって、なかった」
男「あぁ」
女「あのね、男くん」
「死神さんのこと、好きでしょ?」
男「……あぁ」
女「そう…こっちも居ない」
男(流石に人通りが多いな)
「じゃあ、次はそっちを探そう」
女「うん」
「………」
「死神さんが来てから、変わったよねー」テクテク
男「そうだな」
「いろいろ変わった」テクテク
女「買い物とか買い食いくらいはしてたけどさ」
「こんな風に皆で遊びに来ることって、なかった」
男「あぁ」
女「あのね、男くん」
「死神さんのこと、好きでしょ?」
男「……あぁ」
91: 2010/06/18(金) 09:43:42.04
男「女…男友から聞いたよ、そn」
女「私も好き」
「男くんも、死神さんも」
「友だち、だから」
男「………」
女「どこ行ったんだろね」
「早く見つかるといいなー」スタスタスタ
男「……ごめん」テクテク
女「私も好き」
「男くんも、死神さんも」
「友だち、だから」
男「………」
女「どこ行ったんだろね」
「早く見つかるといいなー」スタスタスタ
男「……ごめん」テクテク
93: 2010/06/18(金) 09:48:12.01
休憩所
死神「…う」
男友「よっ、目ぇ覚めた?」
死神「何が……」
「!」
(悪魔っ……)キョロキョロ
男友「男たちならもうすぐ来るだろ」
「さっき携帯で連絡つけたから」
死神「あのね、」
男「おーい」タッタッタッ
女「よかったー、急にいなくなったから心配したよー」タッタッタッ
女友「なんだ見つかったのか。人騒がせなやつだ」テクテク
「だから言ったんだ。大袈裟だーって」
従業員(どっちが)
死神「みんな……」
死神「…う」
男友「よっ、目ぇ覚めた?」
死神「何が……」
「!」
(悪魔っ……)キョロキョロ
男友「男たちならもうすぐ来るだろ」
「さっき携帯で連絡つけたから」
死神「あのね、」
男「おーい」タッタッタッ
女「よかったー、急にいなくなったから心配したよー」タッタッタッ
女友「なんだ見つかったのか。人騒がせなやつだ」テクテク
「だから言ったんだ。大袈裟だーって」
従業員(どっちが)
死神「みんな……」
94: 2010/06/18(金) 09:54:38.49
女「ね、やっぱ皆でやれるアトラクションがいいよ」
女友「デートスポットだしなー。いいのあるか?」
男「ホラーハウスは?」
男友「メリーゴーランドだろーが」
女友「乗りたいのかそんなもん」
男友「ちょー乗りたい」
女「いこっか」ニコ
女友「仕方ねーなー」フッ
死神「………」クスッ
女友「デートスポットだしなー。いいのあるか?」
男「ホラーハウスは?」
男友「メリーゴーランドだろーが」
女友「乗りたいのかそんなもん」
男友「ちょー乗りたい」
女「いこっか」ニコ
女友「仕方ねーなー」フッ
死神「………」クスッ
95: 2010/06/18(金) 09:57:24.10
遊園地・レストラン
男友「なかなか回れたなー。満足満足」ゲフ
女「楽しかったよう」フキフキ
死神「ガツガツハムハム」
男(外食のメニュー…高いな…)
女友「おらデザートも頼めー。今日はあたし持ちだ!」
男友「よっ!」
女「わぁい」
男(ほっ)
死神「ハムハム」ビッ
女友「はいはい、あんたはオレンジタルトねー」
「もうすぐナイトパレードやっから、それまでには」
男友「パフェうめぇ」
女「レアチーズケーキおいしー」
女友「ったく」
男友「なかなか回れたなー。満足満足」ゲフ
女「楽しかったよう」フキフキ
死神「ガツガツハムハム」
男(外食のメニュー…高いな…)
女友「おらデザートも頼めー。今日はあたし持ちだ!」
男友「よっ!」
女「わぁい」
男(ほっ)
死神「ハムハム」ビッ
女友「はいはい、あんたはオレンジタルトねー」
「もうすぐナイトパレードやっから、それまでには」
男友「パフェうめぇ」
女「レアチーズケーキおいしー」
女友「ったく」
96: 2010/06/18(金) 10:06:06.54
遊園地・ナイトパレード
男「きれーなもんだなー」
女「そうだねー」
男友「よっし、写真撮るぞ写真」
女友「フラッシュたくなよー」
死神(今日は楽しかった)
(とても)
(『ずーいぶんと楽しそうに見えたが、な』)
(………)
(私に、こんな風に過ごす資格なんてないと思う)
(けれど)
(もう少しだけ、ここで夢を見ていたい)
(そう思える)
女「ね、死神さん」
男「きれーなもんだなー」
女「そうだねー」
男友「よっし、写真撮るぞ写真」
女友「フラッシュたくなよー」
死神(今日は楽しかった)
(とても)
(『ずーいぶんと楽しそうに見えたが、な』)
(………)
(私に、こんな風に過ごす資格なんてないと思う)
(けれど)
(もう少しだけ、ここで夢を見ていたい)
(そう思える)
女「ね、死神さん」
97: 2010/06/18(金) 10:09:41.41
死神「うん?」
女「まだね、やっぱり諦められないんだ」
「好きだから。しょうがないよ」
「私、負けないからねっ」
死神「え?」
女「ね」ニコ
死神(よく分からないけど)ニコ
(ここはなんだか)
(あったかいな)
女「まだね、やっぱり諦められないんだ」
「好きだから。しょうがないよ」
「私、負けないからねっ」
死神「え?」
女「ね」ニコ
死神(よく分からないけど)ニコ
(ここはなんだか)
(あったかいな)
98: 2010/06/18(金) 10:12:27.48
男友「カメラ準備よーし」
男「誰が撮るんだ?」
女友「すみませーん、カメラいいですかぁ」
従業員「はい、いきますよー」
女「ほら死神さんもっ」
死神「え、何」
女「ぴーす」
死神「ぴ、ぴーす」
カシャ
男「誰が撮るんだ?」
女友「すみませーん、カメラいいですかぁ」
従業員「はい、いきますよー」
女「ほら死神さんもっ」
死神「え、何」
女「ぴーす」
死神「ぴ、ぴーす」
カシャ
99: 2010/06/18(金) 10:45:39.74
学校
男友「よーっし次は昼飯だなー」
女「今日もお弁当作ってきたよ」
「はい、女友ちゃん」
女友「おーう」
女「はい、男友くん」
男友「あざーす」
女「はい、死神さん」
死神「ありがと」
女「はいっ!男くん!」テテーン
男「……え?」
女友「随分豪勢だな」
男友「差別だ……」
女友(女、遊園地イベントが終わってからというもの)
(何かが吹っ切れたような感じだな)ニコ
男友「よーっし次は昼飯だなー」
女「今日もお弁当作ってきたよ」
「はい、女友ちゃん」
女友「おーう」
女「はい、男友くん」
男友「あざーす」
女「はい、死神さん」
死神「ありがと」
女「はいっ!男くん!」テテーン
男「……え?」
女友「随分豪勢だな」
男友「差別だ……」
女友(女、遊園地イベントが終わってからというもの)
(何かが吹っ切れたような感じだな)ニコ
100: 2010/06/18(金) 10:53:30.67
男友「そーだ、この前の写真が出来上がったんだがな」ピラッ
男「お、見せろよ」
女「へー、きれいに撮れて」
男友「ねーし!俺目閉じてたじゃねーか」
女友「いっそうバカっぽい面構えじゃないか」
男友「うっせ」
「焼き増ししたから渡しとくー」
死神「おー」
(心霊写真っぽくなるかと思ったけど普通ね)
(当たり前か。今人間だし)
(………)スッ
(今の私に、死神としての力はどこまで残ってる?)ジャキン
男友「お、久々に出たな鎌」
死神「ちょっと試し切りさせてもらってもいい?」
男友「え?嫌」
男「お、見せろよ」
女「へー、きれいに撮れて」
男友「ねーし!俺目閉じてたじゃねーか」
女友「いっそうバカっぽい面構えじゃないか」
男友「うっせ」
「焼き増ししたから渡しとくー」
死神「おー」
(心霊写真っぽくなるかと思ったけど普通ね)
(当たり前か。今人間だし)
(………)スッ
(今の私に、死神としての力はどこまで残ってる?)ジャキン
男友「お、久々に出たな鎌」
死神「ちょっと試し切りさせてもらってもいい?」
男友「え?嫌」
103: 2010/06/18(金) 11:00:20.82
女「死神としての、力?」
死神「うん。気になって」
女「別に気にしなくても」
「普通の女の子でいいと思うよ」
男(ちょっと変わってるけど)
死神「そうかな」
(………)
男友「あ、次宿題忘れた。女友、見せて」
女友「んなもんあったか?」
男友「なんだ同類か」
女友「一緒にするなっ」ガッ
男友「って」ゴン
死神「そうかも」
女「うん」
死神「うん。気になって」
女「別に気にしなくても」
「普通の女の子でいいと思うよ」
男(ちょっと変わってるけど)
死神「そうかな」
(………)
男友「あ、次宿題忘れた。女友、見せて」
女友「んなもんあったか?」
男友「なんだ同類か」
女友「一緒にするなっ」ガッ
男友「って」ゴン
死神「そうかも」
女「うん」
105: 2010/06/18(金) 11:45:23.19
街中
男友「帰りなんか食ってこーぜ」
女「そうだね、お腹空いた」
男「死神、なんか食べたいもんある?」
死神「そうね」
「今日はなんだか辛いものが食べたい気分だ」
「な…っ!」
猫「……ゃー」クタ
男「あの猫、うちの…っ!轢かれたのか?!」
死神「猫!」ダッ
女友「おい待て、赤信号だ!」グイ
猫「……ゃ」
死神(まだ、まだ息がある)
(はやく…助けないと…!)
男友「帰りなんか食ってこーぜ」
女「そうだね、お腹空いた」
男「死神、なんか食べたいもんある?」
死神「そうね」
「今日はなんだか辛いものが食べたい気分だ」
「な…っ!」
猫「……ゃー」クタ
男「あの猫、うちの…っ!轢かれたのか?!」
死神「猫!」ダッ
女友「おい待て、赤信号だ!」グイ
猫「……ゃ」
死神(まだ、まだ息がある)
(はやく…助けないと…!)
106: 2010/06/18(金) 11:55:30.15
女友(車道のが赤に…)チラッ
「待ってろ、もうすぐ」
車「キィーブロロロロロ」
女友「信号無視だと…っクソが…」
信号『青』パッ
死神「ねk」
猫「」
死神「―――!」ダッ
「待ってろ、もうすぐ」
車「キィーブロロロロロ」
女友「信号無視だと…っクソが…」
信号『青』パッ
死神「ねk」
猫「」
死神「―――!」ダッ
107: 2010/06/18(金) 12:01:43.21
男友「……まだ、息はある」
「けど、この体じゃ、もう」
女「ぐすっ…猫さん…」
死神「………」スッ
「………」ジャキン
男友「死神?」
死神「分かってる、もう助からない」
「今までね、こんな状況、いっぱい見てきたから」
「見てきた、はずなのに―――!」ポロッ
女「死神さん…」
死神「氏んだ生命はね」
「天に昇るの」サァァ
「天に昇って」ザシュ
「待つんだ」
「生まれ変わりのときを」ポロッ
「けど、この体じゃ、もう」
女「ぐすっ…猫さん…」
死神「………」スッ
「………」ジャキン
男友「死神?」
死神「分かってる、もう助からない」
「今までね、こんな状況、いっぱい見てきたから」
「見てきた、はずなのに―――!」ポロッ
女「死神さん…」
死神「氏んだ生命はね」
「天に昇るの」サァァ
「天に昇って」ザシュ
「待つんだ」
「生まれ変わりのときを」ポロッ
108: 2010/06/18(金) 12:04:50.61
死神「願わくば」
「どうか安らかに」ツー
男「……つらかったな」グッ
死神「お、男っ……」
「…ヒック」ヒシ
「グスッ、エグッ」
「ぅ」
「うわぁあああああああああぁぁぁあああああ!!」
その日、私は生まれて初めて、泣いた。
「どうか安らかに」ツー
男「……つらかったな」グッ
死神「お、男っ……」
「…ヒック」ヒシ
「グスッ、エグッ」
「ぅ」
「うわぁあああああああああぁぁぁあああああ!!」
その日、私は生まれて初めて、泣いた。
114: 2010/06/18(金) 15:43:40.60
ペット葬儀場
係員「それでは、火葬をはじめます」
死神「………」
モクモクモクモク
ペット同伴カフェin葬儀場
男友(この店は何を対象にしたいんだろう)
女「死神さん、相当、参ってるね」
男「ついててやりたいけど」
女友「一人にしてくれってあいつの頼みだろ」
男「大丈夫かな……」
係員「それでは、火葬をはじめます」
死神「………」
モクモクモクモク
ペット同伴カフェin葬儀場
男友(この店は何を対象にしたいんだろう)
女「死神さん、相当、参ってるね」
男「ついててやりたいけど」
女友「一人にしてくれってあいつの頼みだろ」
男「大丈夫かな……」
115: 2010/06/18(金) 15:52:07.91
ペット葬儀場
モクモクモクモク
係員「葬儀はとどこおりなく終わりました」
「………」
「では、失礼いたします」
死神「………」
(猫……)
モクモクモクモク
悪魔(……なるほどな)
(分かった気がするぜ)
(死神が情をもたない理由)
「………、」
(……やめた)
(………)スーッ
モクモクモクモク
係員「葬儀はとどこおりなく終わりました」
「………」
「では、失礼いたします」
死神「………」
(猫……)
モクモクモクモク
悪魔(……なるほどな)
(分かった気がするぜ)
(死神が情をもたない理由)
「………、」
(……やめた)
(………)スーッ
116: 2010/06/18(金) 15:57:35.36
男家
男「あのさ、晩飯出来たん…だ…け、ど」
死神「……いい」
男「そ、そっか」
(可愛がってたもんな…)
(今、彼女に出来ることは何か、)prrrrr
男「はい、男家です」
姉『よーっす』
男「あ、姉貴」
姉『なんだその辛気臭い声はぁ』
『家ん中カビでも生えてんのかー』
『今から日本に帰るから』
『きれーにしとけー』ガチャッ
男「……え」ツーツーツー
「え」
男「あのさ、晩飯出来たん…だ…け、ど」
死神「……いい」
男「そ、そっか」
(可愛がってたもんな…)
(今、彼女に出来ることは何か、)prrrrr
男「はい、男家です」
姉『よーっす』
男「あ、姉貴」
姉『なんだその辛気臭い声はぁ』
『家ん中カビでも生えてんのかー』
『今から日本に帰るから』
『きれーにしとけー』ガチャッ
男「……え」ツーツーツー
「え」
117: 2010/06/18(金) 16:05:37.67
翌日
男(このタイミングで…)
(死神のこと、どう説明したものか)
(そっとしておいてあげたいし)
「うおおお俺はどうしたらいいんだあああ」
女「あの、男くん」
男「おう、どした」
女「今日、晩御飯作りにいっていいかなっ」
男「え」
女「死神さんに、おいしいご飯で元気付けてあげたくって」
男「あ」
「いや、その」
「困る」
女「え」
「そ、そうだよね、迷惑、だよねっ」
男(このタイミングで…)
(死神のこと、どう説明したものか)
(そっとしておいてあげたいし)
「うおおお俺はどうしたらいいんだあああ」
女「あの、男くん」
男「おう、どした」
女「今日、晩御飯作りにいっていいかなっ」
男「え」
女「死神さんに、おいしいご飯で元気付けてあげたくって」
男「あ」
「いや、その」
「困る」
女「え」
「そ、そうだよね、迷惑、だよねっ」
118: 2010/06/18(金) 16:10:41.61
女(そんな風に思われてたんだ…)
「ごめんね、変なこと言って」ジリ
「さ、さよならっ」ダッ
男「待って!きっと誤解!誤解してるから!」
「………」ヒュウー
「俺は」
「どうしたらいいんだ」ガクッ
「ごめんね、変なこと言って」ジリ
「さ、さよならっ」ダッ
男「待って!きっと誤解!誤解してるから!」
「………」ヒュウー
「俺は」
「どうしたらいいんだ」ガクッ
120: 2010/06/18(金) 16:15:51.32
男「ただい」
「ま」
姉貴「おかえり」
死神「………」
男「とき、すでに」
姉貴「なにこれ」チョンチョン
死神「………」
男「その子はえーっとそのー」
姉貴「洋物のダッチワイフ?」
男「ちがっ」
「紆余曲折ありましてその」
姉貴「そんなことはどうでもいいんだけどさー」
男(いいんだ)
姉貴「何か落ち込んでるみたいじゃんこの子」
「でも何も話してくれなくてねぇ」
「ま」
姉貴「おかえり」
死神「………」
男「とき、すでに」
姉貴「なにこれ」チョンチョン
死神「………」
男「その子はえーっとそのー」
姉貴「洋物のダッチワイフ?」
男「ちがっ」
「紆余曲折ありましてその」
姉貴「そんなことはどうでもいいんだけどさー」
男(いいんだ)
姉貴「何か落ち込んでるみたいじゃんこの子」
「でも何も話してくれなくてねぇ」
121: 2010/06/18(金) 16:21:08.12
男「~とまぁ、ざっとこんな感じに」
姉「ふーん」
「猫飼ってたんだ?」
死神「………」ピク
男「姉貴が動物嫌いなのは知ってるけどっ」
姉「……ま、いーけど」
「仏に線香あげてこよーっと」
「ちょっとカモン」チョイ
死神「………」ズルズル
姉「ふーん」
「猫飼ってたんだ?」
死神「………」ピク
男「姉貴が動物嫌いなのは知ってるけどっ」
姉「……ま、いーけど」
「仏に線香あげてこよーっと」
「ちょっとカモン」チョイ
死神「………」ズルズル
122: 2010/06/18(金) 16:27:20.78
チーン
姉貴「………」
「墓、作ったの?」
「猫の」
死神「……ううん」
姉貴「なんで?」
死神「魂はもう、天に昇ったから」
「お墓なんて、作ったって」
姉貴「遺灰は?」
死神「……あるけど」サッ
姉貴「ふーん」
「じゃ作ろう。今」
死神「……え?」
姉貴「………」
「墓、作ったの?」
「猫の」
死神「……ううん」
姉貴「なんで?」
死神「魂はもう、天に昇ったから」
「お墓なんて、作ったって」
姉貴「遺灰は?」
死神「……あるけど」サッ
姉貴「ふーん」
「じゃ作ろう。今」
死神「……え?」
124: 2010/06/18(金) 16:35:41.29
姉貴「あんたどこの子?日本じゃないよね」
死神「……さぁ」
姉貴「日本じゃ墓作るんだよ」グイ
「ここは日本だ、さぁ作れ」ガチャ
死神「…え、あの」
バタン
姉貴「ほら手ー動かすー」ザクッザクッ
死神「………」ザクザク
「お墓作って、どうするの」ザクザク
「猫はもう、いないのに」ザクザク
姉貴「あんたが救われるためかなー」ザクッザクッ
「遺されたやつらがさ」ザクッザクッ
死神「……?」ザク
姉貴「さっきから無駄とか言ってるけどさー」ザクッザクッ
「じゃ何で遺灰取っといたの」ザクッザクッ
死神「……さぁ」
姉貴「日本じゃ墓作るんだよ」グイ
「ここは日本だ、さぁ作れ」ガチャ
死神「…え、あの」
バタン
姉貴「ほら手ー動かすー」ザクッザクッ
死神「………」ザクザク
「お墓作って、どうするの」ザクザク
「猫はもう、いないのに」ザクザク
姉貴「あんたが救われるためかなー」ザクッザクッ
「遺されたやつらがさ」ザクッザクッ
死神「……?」ザク
姉貴「さっきから無駄とか言ってるけどさー」ザクッザクッ
「じゃ何で遺灰取っといたの」ザクッザクッ
126: 2010/06/18(金) 16:41:54.88
死神「それは」
姉貴「猫は未練ないのかしんないけど」ザクッザクッ
「あんたはあるんだろ」ザクッザクッ
「ねーなら捨てちまってる」ザクッザクッ
「こんなもんか」
死神「う」
姉貴「いつだって泣くのは遺されたやつらなんだよ」
「無責任なもんだ」
死神「……ん」
姉貴「日本じゃな」
「神様なんかは分裂するんだ」
死神「は?」
姉貴「猫は未練ないのかしんないけど」ザクッザクッ
「あんたはあるんだろ」ザクッザクッ
「ねーなら捨てちまってる」ザクッザクッ
「こんなもんか」
死神「う」
姉貴「いつだって泣くのは遺されたやつらなんだよ」
「無責任なもんだ」
死神「……ん」
姉貴「日本じゃな」
「神様なんかは分裂するんだ」
死神「は?」
127: 2010/06/18(金) 16:46:48.64
姉貴「そこらの神社や神棚にな、同じやつが分裂して入ってんだと」
死神「はぁ」
姉貴「天に昇った猫の魂もあったらしいけどさ」
「あんたの胸にのこった猫もいていいと思うよ」トン
死神「………」
姉貴「後はその遺灰突っ込んでー」
「土戻して印になんかブッ刺しときな」
「疲れた。後やっときな」ガチャッ
死神「あのっ」
「ありがとう、ございました」
姉貴「あいよ」バタン
男「姉貴」
姉貴「人生経験の差ってやつ?」
男「ありがとう」
姉貴「あいよ」フッ
死神「はぁ」
姉貴「天に昇った猫の魂もあったらしいけどさ」
「あんたの胸にのこった猫もいていいと思うよ」トン
死神「………」
姉貴「後はその遺灰突っ込んでー」
「土戻して印になんかブッ刺しときな」
「疲れた。後やっときな」ガチャッ
死神「あのっ」
「ありがとう、ございました」
姉貴「あいよ」バタン
男「姉貴」
姉貴「人生経験の差ってやつ?」
男「ありがとう」
姉貴「あいよ」フッ
128: 2010/06/18(金) 16:52:02.98
女「男くんには断られちゃったけど」
「やっぱり何かしてあげたいよねっ」
「ということで、来ちゃいまし」
「た」
姉貴 テクテクテク
女「お、女の人」
「美人…」
「男くんの家から、出てきてたな…」
「………」
「~~~~~~っ」カーッ
「男くんのばかああああああああああ」ダダッ
「やっぱり何かしてあげたいよねっ」
「ということで、来ちゃいまし」
「た」
姉貴 テクテクテク
女「お、女の人」
「美人…」
「男くんの家から、出てきてたな…」
「………」
「~~~~~~っ」カーッ
「男くんのばかああああああああああ」ダダッ
131: 2010/06/18(金) 16:59:05.41
女友家
女「うえぇぇ」
女友「おーよしよし」ポンポン
「大人の炭酸ジュースをやろう」
女「グイッ」
「らいあいおろおうんはねー」ヒクッ
女友「そうだなー、うんー、その通りだー」
(このタイミングで男め)
(流石に不謹慎がすぎ)
女「ぅいーっ」バンバン
女友(面白いからいいか)
女「うえぇぇ」
女友「おーよしよし」ポンポン
「大人の炭酸ジュースをやろう」
女「グイッ」
「らいあいおろおうんはねー」ヒクッ
女友「そうだなー、うんー、その通りだー」
(このタイミングで男め)
(流石に不謹慎がすぎ)
女「ぅいーっ」バンバン
女友(面白いからいいか)
132: 2010/06/18(金) 17:02:50.67
男家
男「あれ、姉貴もう出てったのか」
ヒラ
男「書き置き?」
『我が弟へ
人がいない間に雌を連れ込むとは成長した
姉は嬉しく思うぞっ
だが雌に笑顔もやれねー雄は未熟もんだ
お前におかしなことは十年早い
偉大なお姉様より』
「しねぇよっ」ベシッ
「けど、そうだな」
「俺は」
「未熟、か」
男「あれ、姉貴もう出てったのか」
ヒラ
男「書き置き?」
『我が弟へ
人がいない間に雌を連れ込むとは成長した
姉は嬉しく思うぞっ
だが雌に笑顔もやれねー雄は未熟もんだ
お前におかしなことは十年早い
偉大なお姉様より』
「しねぇよっ」ベシッ
「けど、そうだな」
「俺は」
「未熟、か」
133: 2010/06/18(金) 17:16:39.12
女友「それでは会議を執り行う」
女「う、うん」
男友「おー」
女友「議題は女と男の家族計画についてだ」
女「お、女友ちゃんっ」
女友「あたしは言った」
「押してダメなら更に押せ」
「と」
男友「待て」
「その理屈で今までやってきた結果がこれだ」
女友「ではどうする」
男友「俺は言った」
「押してダメなら引いてみろ」
「と」
女「え、普通」
女「う、うん」
男友「おー」
女友「議題は女と男の家族計画についてだ」
女「お、女友ちゃんっ」
女友「あたしは言った」
「押してダメなら更に押せ」
「と」
男友「待て」
「その理屈で今までやってきた結果がこれだ」
女友「ではどうする」
男友「俺は言った」
「押してダメなら引いてみろ」
「と」
女「え、普通」
134: 2010/06/18(金) 17:22:46.97
男友「俺を誰だと思っている」
「俺は雄だ」
「男心のエキスパートだ」
女友「頼もしいことを言う」
女「それは…そうだよね」
男友「まー」
「任せとけって」
「俺は雄だ」
「男心のエキスパートだ」
女友「頼もしいことを言う」
女「それは…そうだよね」
男友「まー」
「任せとけって」
135: 2010/06/18(金) 17:36:30.88
男(最近、女が冷たい)
「あ、女。おはよう」
女「……おはよ」
男(話しかけても素っ気ないし)
「昨日の数学の宿題さ、ちょっと分からないとこが」
女「女友っ」
「おはよー」
女友「おはようさん」
男友「ちーっす」
女「男友くんだー」
男「う」
(何か嫌われるようなこと)
(心当たりがいっぱいある…)
「あ、女。おはよう」
女「……おはよ」
男(話しかけても素っ気ないし)
「昨日の数学の宿題さ、ちょっと分からないとこが」
女「女友っ」
「おはよー」
女友「おはようさん」
男友「ちーっす」
女「男友くんだー」
男「う」
(何か嫌われるようなこと)
(心当たりがいっぱいある…)
136: 2010/06/18(金) 17:43:05.43
男友「昼飯だなー」パカッ
女友「今日のおかずは何かなーっと」パカッ
男「あれ?お前ら弁当持参したのか」
男友「何言ってんの?」
女友「女だっていつも人の弁当ばっか作ってられないだろー」
男(うっ)
(考えてみれば当たり前だよな)
(すっかり女が弁当作ってきてくれるのが当然みたいに思って)
女「死神さん、はいっ」
死神「ありがと」パカッ
男(お、俺の分は)
女「じゃあ食べよっか。いっただっきまーす」
男(……購買、行こう)
死神「………」チラッ
「どうしたの?」
女友「今日のおかずは何かなーっと」パカッ
男「あれ?お前ら弁当持参したのか」
男友「何言ってんの?」
女友「女だっていつも人の弁当ばっか作ってられないだろー」
男(うっ)
(考えてみれば当たり前だよな)
(すっかり女が弁当作ってきてくれるのが当然みたいに思って)
女「死神さん、はいっ」
死神「ありがと」パカッ
男(お、俺の分は)
女「じゃあ食べよっか。いっただっきまーす」
男(……購買、行こう)
死神「………」チラッ
「どうしたの?」
138: 2010/06/18(金) 17:48:44.87
女「なにが?」ニコ
死神「男と何かあったの?」
女「なにも?」ニコ
死神「男のおべんと」
女「なんで?」ニコ
死神(……?)
女友「おい、大丈夫なのかこれ」
男友「ん?」
女友「嫌われ一直線ルートしか見えんが」
男友「大丈夫だ、これで」
「女がいつもどれだけ男に尽くしてきたか」
「男のやつも分かるだろーよ」
死神「男と何かあったの?」
女「なにも?」ニコ
死神「男のおべんと」
女「なんで?」ニコ
死神(……?)
女友「おい、大丈夫なのかこれ」
男友「ん?」
女友「嫌われ一直線ルートしか見えんが」
男友「大丈夫だ、これで」
「女がいつもどれだけ男に尽くしてきたか」
「男のやつも分かるだろーよ」
139: 2010/06/18(金) 18:01:09.29
男(『そ、そうだよね、迷惑、だよねっ』)ポワン
(あのときのこと、ちゃんと言ってなかったな)
(迷惑なんかじゃ)
(『よかったら晩御飯作ってあげようかなっ、なんて』)
(『はいっ!男くん!』テテーン)
(いつも元気で、お節介で)
(『女はお前のこと、好きだぞ』)
(『死神さんのこと、好きでしょ?』)
(『友だち、だから』)
「………」
「言おう」
(あのときのこと、ちゃんと言ってなかったな)
(迷惑なんかじゃ)
(『よかったら晩御飯作ってあげようかなっ、なんて』)
(『はいっ!男くん!』テテーン)
(いつも元気で、お節介で)
(『女はお前のこと、好きだぞ』)
(『死神さんのこと、好きでしょ?』)
(『友だち、だから』)
「………」
「言おう」
141: 2010/06/18(金) 18:10:13.21
女友「体育終わった-」
死神「つかれた」
女「でも今日はこれで授業、終わりだ」
「ね」ゴソ
「なんだろ、これ」
『ちゃんと、伝えたいことがあります
屋上で待ってます
男』
女友「ほう」
女「お、女友ちゃんっ、見た……っ?」
女友「なんも」フッ
「男友ー、死神ー、買い物いくから荷物持ち付き合えー」
男友「えー、何で俺が」
女友「スイーツ奢るぞー」
死神「いくいく」
死神「つかれた」
女「でも今日はこれで授業、終わりだ」
「ね」ゴソ
「なんだろ、これ」
『ちゃんと、伝えたいことがあります
屋上で待ってます
男』
女友「ほう」
女「お、女友ちゃんっ、見た……っ?」
女友「なんも」フッ
「男友ー、死神ー、買い物いくから荷物持ち付き合えー」
男友「えー、何で俺が」
女友「スイーツ奢るぞー」
死神「いくいく」
143: 2010/06/18(金) 18:18:28.95
屋上
男「………」
ギィィ
女「何の、用?」
男「あ、悪いな、時間取らせちゃってその」
女「………」
男「この間は悪かった」
「困る、なんて言って」
女「………」
男「違うんだ」
「女のこと、迷惑だなんて思ってたんじゃない」
「えっと、そのとき混乱してたんだ、俺」
「だから許して、なんて言えないけど」
「女を傷つけたよな。ごめん」
女「………」
男「………」
ギィィ
女「何の、用?」
男「あ、悪いな、時間取らせちゃってその」
女「………」
男「この間は悪かった」
「困る、なんて言って」
女「………」
男「違うんだ」
「女のこと、迷惑だなんて思ってたんじゃない」
「えっと、そのとき混乱してたんだ、俺」
「だから許して、なんて言えないけど」
「女を傷つけたよな。ごめん」
女「………」
144: 2010/06/18(金) 18:22:27.55
女(うわぁ)
(男くんと二人きり男くんと二人きり男くんと)
(み、皆がいる教室とかだったらフリも出来るけどっ)
(屋上ってあれ?あのパターンだよねっ)
(こ・く・は・く)
(きゃっ///)
男(う、返事もしてもらえない)
(怒ってるんだ…きっと)
(でも…)
(男くんと二人きり男くんと二人きり男くんと)
(み、皆がいる教室とかだったらフリも出来るけどっ)
(屋上ってあれ?あのパターンだよねっ)
(こ・く・は・く)
(きゃっ///)
男(う、返事もしてもらえない)
(怒ってるんだ…きっと)
(でも…)
145: 2010/06/18(金) 18:26:42.03
男「あ、あのさっ」ガシッ
女「!あっ、あああはいっ何でしょうっ」
男「俺、女に構ってもらえない間ずっと寂しくて」
「今までのこと思い返したら、感謝もしきれなくなって」
「俺やっぱ、お前のことが、」
「す」
「す」
「す」
女「す?」
女友「す?」
男友「す?」
死神「き?」
男「……え」
女「……え」
女「!あっ、あああはいっ何でしょうっ」
男「俺、女に構ってもらえない間ずっと寂しくて」
「今までのこと思い返したら、感謝もしきれなくなって」
「俺やっぱ、お前のことが、」
「す」
「す」
「す」
女「す?」
女友「す?」
男友「す?」
死神「き?」
男「……え」
女「……え」
147: 2010/06/18(金) 18:33:45.53
女友「おいっ見つかったじゃねーか」
男友「まっさきに飛び出したのはお前だ」
死神「前読んだ本にあったんだけど、これ愛の告白ってやつかな?かな?」
女「お、女友ちゃん……?」
女友「いやーだって」
「こんな面白そうなイベント」
「このあたしが見逃すわけにゃあいかねぇよ!」キラキラ
男友「うん!うん!」
死神「ねっ、続けて続けてっ」
「私たちのこと、気にしなくていいからっ」
女友「そうだもっとやれ」
男友「ヤれ」
女「も、もおおおお」
この出来事は、しばらく皆の笑いのタネにされた
氏ぬほど恥ずかしかったけど、女と仲直り出来て、よかったと思う。
男友「まっさきに飛び出したのはお前だ」
死神「前読んだ本にあったんだけど、これ愛の告白ってやつかな?かな?」
女「お、女友ちゃん……?」
女友「いやーだって」
「こんな面白そうなイベント」
「このあたしが見逃すわけにゃあいかねぇよ!」キラキラ
男友「うん!うん!」
死神「ねっ、続けて続けてっ」
「私たちのこと、気にしなくていいからっ」
女友「そうだもっとやれ」
男友「ヤれ」
女「も、もおおおお」
この出来事は、しばらく皆の笑いのタネにされた
氏ぬほど恥ずかしかったけど、女と仲直り出来て、よかったと思う。
150: 2010/06/18(金) 18:51:15.81
終わり?
死神は?
死神は?
151: 2010/06/18(金) 18:53:37.15
死神馴染み過ぎワロタ
161: 2010/06/18(金) 20:07:28.58
誰得女友エピソード
を
はじめようかどうしようか迷って
を
はじめようかどうしようか迷って
163: 2010/06/18(金) 20:17:14.55
女友「た、誕生日パーティー…?」
女「そっ。女友ちゃんもうすぐ誕生日でしょ」
「やろーよー」
「女友ちゃん家で」
女友「いや、あのな、都合ってーかその」
男「なんだ、誕生日なのか」
男友「そういや女友の家って行ったことねーな」
「俺の家には来たことあんのに」
男「俺も行ったことない」
死神「お祝いするの?いいわね」
女「でしょー?やろーよー」
女友「待て、」
「少し考える時間をくれっ」ダッ
女「そっ。女友ちゃんもうすぐ誕生日でしょ」
「やろーよー」
「女友ちゃん家で」
女友「いや、あのな、都合ってーかその」
男「なんだ、誕生日なのか」
男友「そういや女友の家って行ったことねーな」
「俺の家には来たことあんのに」
男「俺も行ったことない」
死神「お祝いするの?いいわね」
女「でしょー?やろーよー」
女友「待て、」
「少し考える時間をくれっ」ダッ
165: 2010/06/18(金) 20:24:59.58
男「女は、女友の家行ったことあるんだよな?」
女「うんー」
「ご飯食べにいったりとか、泊りも行くなー」
「おっきくてねー、人がいっぱいいてねー」
男「何だ豪邸なのか?」
男友「いろいろと偉い家だーってのは聞いたことあるが」
女「女友ちゃん家はすっごいよー」
男「楽しみになってきたなー」
男友「そうだな」
女「うんー」
「ご飯食べにいったりとか、泊りも行くなー」
「おっきくてねー、人がいっぱいいてねー」
男「何だ豪邸なのか?」
男友「いろいろと偉い家だーってのは聞いたことあるが」
女「女友ちゃん家はすっごいよー」
男「楽しみになってきたなー」
男友「そうだな」
167: 2010/06/18(金) 20:32:13.21
女友「あいつらなら…いや…でもな」
「もし…だったら…」
(何故誕生日パーティなんぞに頭を悩ませるハメになるか)
(それは、あたしにはある悩みがあるからだ)
運転手「お嬢」ペコ
女友「……出迎えはいらねぇっつってんだろ」ピタ
運転手「最近、雲行きが怪しいというのはご存知のはず」
「中に。一人で外を出歩くのは危険です」キー
女友「……ふん」バタン
(悩みというのは、これだ)
(うちは普通の家柄じゃない)
(金持ちなんかじゃ言葉が足りない)
(極道)
(いわゆるヤのつく自由業ってやつだ)
「もし…だったら…」
(何故誕生日パーティなんぞに頭を悩ませるハメになるか)
(それは、あたしにはある悩みがあるからだ)
運転手「お嬢」ペコ
女友「……出迎えはいらねぇっつってんだろ」ピタ
運転手「最近、雲行きが怪しいというのはご存知のはず」
「中に。一人で外を出歩くのは危険です」キー
女友「……ふん」バタン
(悩みというのは、これだ)
(うちは普通の家柄じゃない)
(金持ちなんかじゃ言葉が足りない)
(極道)
(いわゆるヤのつく自由業ってやつだ)
168: 2010/06/18(金) 20:41:49.82
女友(まさしくこの家の人間であるがゆえに)
(あたしには友だちと呼べる存在がいなかった)
(気軽に互いの家に遊びにいくような関係)
(ずっと憧れていた)
(幼い時分のあたしは)
(家のことに何の疑問を持ってはいなかった)
(家に招いたトモダチが何人も何人も離れていって)
(いつしか気付いてしまった)
(あぁ、うちは普通じゃないんだ、と)
(だから)
(あたしには友だちと呼べる存在がいなかった)
(……女と会うまでは)
運転手「着きやした」バタッ
女友「……ご苦労」
運転手「いえ」バタン
(あたしには友だちと呼べる存在がいなかった)
(気軽に互いの家に遊びにいくような関係)
(ずっと憧れていた)
(幼い時分のあたしは)
(家のことに何の疑問を持ってはいなかった)
(家に招いたトモダチが何人も何人も離れていって)
(いつしか気付いてしまった)
(あぁ、うちは普通じゃないんだ、と)
(だから)
(あたしには友だちと呼べる存在がいなかった)
(……女と会うまでは)
運転手「着きやした」バタッ
女友「……ご苦労」
運転手「いえ」バタン
170: 2010/06/18(金) 20:49:25.25
死神「でも女友、都合悪いかもみたいだったけど」
女「うーん」
(まだ、不安なのかなー……)
(男くんたちなら)
(信じてくれると、思ったんだけど)
「きっと、大丈夫だよ」
「恥ずかしいんだと思うなっ」
男友「そんなタマじゃねーだろー」
「けどま」
「やるんならプレゼント、用意しねーとな」
女「うんうんっ」
男「おう」
女「うーん」
(まだ、不安なのかなー……)
(男くんたちなら)
(信じてくれると、思ったんだけど)
「きっと、大丈夫だよ」
「恥ずかしいんだと思うなっ」
男友「そんなタマじゃねーだろー」
「けどま」
「やるんならプレゼント、用意しねーとな」
女「うんうんっ」
男「おう」
172: 2010/06/18(金) 20:59:54.78
女友家
衆「「「お帰りなさいませッ!お嬢!」」」
女友「はいはいご苦労さん」
女友母「帰ったのね、女友」
「……話があります。奥へ」
女友「……あん?」
女友家・奥の間
女友「……うちの組に内通者、だと?」
女友母「えぇ」
「信頼できる筋からの情報」
女友「……不愉快だな」
女友母「えぇ」
「全くその通りだわ」
衆「「「お帰りなさいませッ!お嬢!」」」
女友「はいはいご苦労さん」
女友母「帰ったのね、女友」
「……話があります。奥へ」
女友「……あん?」
女友家・奥の間
女友「……うちの組に内通者、だと?」
女友母「えぇ」
「信頼できる筋からの情報」
女友「……不愉快だな」
女友母「えぇ」
「全くその通りだわ」
173: 2010/06/18(金) 21:06:58.11
女友「で?」
女友母「大方の見当はついているのだけれど」
「確定に足る証拠がないの」
「いたずらに場を乱したくない」
女友「あんたがあたしに求めてるのは」
「“エサになれ”」
女友母「そういうこと」
「話がはやくて助かります」
女友「はぁ」
「いいよ」
「なんだっていい」
「……やる」
女友母「大方の見当はついているのだけれど」
「確定に足る証拠がないの」
「いたずらに場を乱したくない」
女友「あんたがあたしに求めてるのは」
「“エサになれ”」
女友母「そういうこと」
「話がはやくて助かります」
女友「はぁ」
「いいよ」
「なんだっていい」
「……やる」
175: 2010/06/18(金) 21:14:42.94
キャッキャ
女「うーん」
「何あげたら喜ぶかなー」
死神「あ、このネックレスかわいい」
キャッキャ
男友「女連中はこういうのすきだよな」
男「そーだなー」
「俺ら何買おうか」
男友「何だっていいんじゃねー」
「お」
「これいいな」
男「そのセンスはないわ」
女「うーん」
「何あげたら喜ぶかなー」
死神「あ、このネックレスかわいい」
キャッキャ
男友「女連中はこういうのすきだよな」
男「そーだなー」
「俺ら何買おうか」
男友「何だっていいんじゃねー」
「お」
「これいいな」
男「そのセンスはないわ」
176: 2010/06/18(金) 21:21:54.40
衆A「お嬢、日に日に機嫌が悪くなってますね」
衆B「あれ、衆Cはどうした」
衆A「昨日、お嬢が――」
衆「「お疲れ様です!!」」
幹部「あかんなぁ、こないなとこでお嬢の影口叩くなんて」
「内通者がどこにおるかわっかれへんのに」
衆「「申し訳ありませんでした!!」」
幹部「謝るんならお嬢にいいや」
(生きとるうちに……な)
衆B「あれ、衆Cはどうした」
衆A「昨日、お嬢が――」
衆「「お疲れ様です!!」」
幹部「あかんなぁ、こないなとこでお嬢の影口叩くなんて」
「内通者がどこにおるかわっかれへんのに」
衆「「申し訳ありませんでした!!」」
幹部「謝るんならお嬢にいいや」
(生きとるうちに……な)
179: 2010/06/18(金) 21:28:58.56
幹部「これが、女友父組家の見取り図になります」
「お嬢の部屋はここになります」
「ここが正面玄関ですが」
「お嬢…失礼、女友はこの」
「第二裏口を通って出入しとります」
「万一気取られた場合、通るのはおそらくここ」
「ここ使うとるんは一部の上級組員だけで」
「年頃の女がおったら、女友でまず間違いありません」
敵幹部「なるほど」
「あなたの計画には特に欠陥も見当たりません」
「きっとうまくゆくでしょう」
「成功の暁には」
「悪くない待遇を、約束しましょう」
幹部「はい」
「よろしく頼みます」ニィィィ
「お嬢の部屋はここになります」
「ここが正面玄関ですが」
「お嬢…失礼、女友はこの」
「第二裏口を通って出入しとります」
「万一気取られた場合、通るのはおそらくここ」
「ここ使うとるんは一部の上級組員だけで」
「年頃の女がおったら、女友でまず間違いありません」
敵幹部「なるほど」
「あなたの計画には特に欠陥も見当たりません」
「きっとうまくゆくでしょう」
「成功の暁には」
「悪くない待遇を、約束しましょう」
幹部「はい」
「よろしく頼みます」ニィィィ
180: 2010/06/18(金) 21:36:04.67
女友誕生日
女「おっかしーなー」
「女友ちゃん、学校来てないね」
男友「そーだなー」
「電話してみっか」prrrr
『只今、電話に出ることが』
「繋がらんな」
男「都合が悪いって、これのことか?」
女「う、うーん」
死神「………」
(嫌な風ね…)
女「おっかしーなー」
「女友ちゃん、学校来てないね」
男友「そーだなー」
「電話してみっか」prrrr
『只今、電話に出ることが』
「繋がらんな」
男「都合が悪いって、これのことか?」
女「う、うーん」
死神「………」
(嫌な風ね…)
181: 2010/06/18(金) 21:42:59.66
女「学校、終わっちゃった」
男「結局来なかったな」
男友「なんだなんだ」
「連絡の一本くらいくれりゃいーのによー」
女「どうしよ」
「女友ちゃん家、行ってみる?」
死神「行きましょ」
「はやく」
女「う、うん」
男「結局来なかったな」
男友「なんだなんだ」
「連絡の一本くらいくれりゃいーのによー」
女「どうしよ」
「女友ちゃん家、行ってみる?」
死神「行きましょ」
「はやく」
女「う、うん」
182: 2010/06/18(金) 21:48:53.19
女友「………」イライラ
「………」イライラ
「おい」ムセン
運転手『へい』ムセン
女友「あたしはいつまでここに突っ立ってりゃいい」
運転手『その』
『刺客が現れるまで…か、と…』
女友「かれこれ何時間だと思ってんだ……」
「まったく、今日はもう来ないんじゃ――」
(そういや、今日は)
(誕生日、だったな)
(誕生日パーティー)
(かー)
「………」イライラ
「おい」ムセン
運転手『へい』ムセン
女友「あたしはいつまでここに突っ立ってりゃいい」
運転手『その』
『刺客が現れるまで…か、と…』
女友「かれこれ何時間だと思ってんだ……」
「まったく、今日はもう来ないんじゃ――」
(そういや、今日は)
(誕生日、だったな)
(誕生日パーティー)
(かー)
183: 2010/06/18(金) 21:53:47.86
女「ここ、なんだけど」
男友「………」
男「………」
死神「………」
黒服「おい」
「こっから先は私有地じゃ」
「部外者は出てってもらえんかのォ」
女(……あれ?)
「は、はい、失礼しました」
男友「なんだなんだこの状況は」
男「人通りも急に少なくなったな、この辺」
死神「………」
女「あのね、私ちょっと」
「様子見てくる」タ
「皆はここで待っててー」タッタッタッ
男友「………」
男「………」
死神「………」
黒服「おい」
「こっから先は私有地じゃ」
「部外者は出てってもらえんかのォ」
女(……あれ?)
「は、はい、失礼しました」
男友「なんだなんだこの状況は」
男「人通りも急に少なくなったな、この辺」
死神「………」
女「あのね、私ちょっと」
「様子見てくる」タ
「皆はここで待っててー」タッタッタッ
184: 2010/06/18(金) 22:00:44.28
女友(例年、誕生日は一人だった)
(いや、人自体は家に何人かいたけど)
(幼女とごついおっさんどもがパーリーってのもない話だ)
(この日はいつもあたし一人)
(部屋にいつも一人ぼっt)
「運転手ゥ!!」
運転手『へ、へいっ!』
女友「家だよ、あたしの部屋だ!」
「クソババァに謀られたんだよ!」
(いや、人自体は家に何人かいたけど)
(幼女とごついおっさんどもがパーリーってのもない話だ)
(この日はいつもあたし一人)
(部屋にいつも一人ぼっt)
「運転手ゥ!!」
運転手『へ、へいっ!』
女友「家だよ、あたしの部屋だ!」
「クソババァに謀られたんだよ!」
185: 2010/06/18(金) 22:06:34.25
女「何があったんだろ…」
「それにさっきの黒服さん…」
「女友ちゃん家のヤクザさんたち、あんな訛りあったっけなー」
「こっからだとー」
「あの秘密通路が近いなっ」
「前女友ちゃんに教えてもらったんだよねー」
「お邪魔しまー」ギギギ
「す」バタン
「それにさっきの黒服さん…」
「女友ちゃん家のヤクザさんたち、あんな訛りあったっけなー」
「こっからだとー」
「あの秘密通路が近いなっ」
「前女友ちゃんに教えてもらったんだよねー」
「お邪魔しまー」ギギギ
「す」バタン
187: 2010/06/18(金) 22:12:34.10
女友家・女友の部屋
女友「………」
刺客(情報通りですね…)
(例年、この日は部屋に閉じこもっている)
(寂しい娘だ)フッ
「動くな」ジャキン
「貴様の身柄、貰い受ける」
(後は睡眠薬を――)
女友「……ふっ」
「ふふ」
「『動くな』」
「『貴様の身柄、』」グッ
女友母「『貰い受ける』!」バサァ
刺客「……なっ」
女友「………」
刺客(情報通りですね…)
(例年、この日は部屋に閉じこもっている)
(寂しい娘だ)フッ
「動くな」ジャキン
「貴様の身柄、貰い受ける」
(後は睡眠薬を――)
女友「……ふっ」
「ふふ」
「『動くな』」
「『貴様の身柄、』」グッ
女友母「『貰い受ける』!」バサァ
刺客「……なっ」
188: 2010/06/18(金) 22:18:50.00
女友母「内通者がいるとは聞いておりましたので」キン
「このような茶番、をっ」スパッ
「仕掛けっさせ、て、もらいまし、たぁッ!」ザシュ
刺客「……っは」ドク
(強い…ここは一旦…)スッ
(引く!)カッ
女友母(煙幕…?いや…これは爆薬…!?)
「しま…っ」
ドォン…
「このような茶番、をっ」スパッ
「仕掛けっさせ、て、もらいまし、たぁッ!」ザシュ
刺客「……っは」ドク
(強い…ここは一旦…)スッ
(引く!)カッ
女友母(煙幕…?いや…これは爆薬…!?)
「しま…っ」
ドォン…
189: 2010/06/18(金) 22:25:31.74
ドォン…
女「ふぇ」
「すごい音が」
「中で何が起こってるの……?」
刺客「ゼェッ…ハァッ…」タタタタタ
(!あれは――)
(第二裏口、年頃の女…武道の心得はなさそうだが…)
(なるほど、こいつが真の女友だな!)ダダダダ
女「え?え?」
刺客「覚悟ッ!」ドス
女「」ガク
女「ふぇ」
「すごい音が」
「中で何が起こってるの……?」
刺客「ゼェッ…ハァッ…」タタタタタ
(!あれは――)
(第二裏口、年頃の女…武道の心得はなさそうだが…)
(なるほど、こいつが真の女友だな!)ダダダダ
女「え?え?」
刺客「覚悟ッ!」ドス
女「」ガク
190: 2010/06/18(金) 22:32:40.58
運転手「お嬢!」キキィーッ
女友「なんだこのザマは…家が半壊してるじゃないか」
運転手「お下がりください、これは――」
男友「あれ、女友じゃん」
男「よ、よう」
女友「お前たち?!なんでこんなとこに」
男友「なんでってほら」
「誕生日。お前の」
「何?家ん中で花火ブチあげたの?」
女友「バカなこと言ってないで――」
死神「ねぇ、来て欲しいんだけど」
「こっち。血の痕があるわ」
女友「なんだこのザマは…家が半壊してるじゃないか」
運転手「お下がりください、これは――」
男友「あれ、女友じゃん」
男「よ、よう」
女友「お前たち?!なんでこんなとこに」
男友「なんでってほら」
「誕生日。お前の」
「何?家ん中で花火ブチあげたの?」
女友「バカなこと言ってないで――」
死神「ねぇ、来て欲しいんだけど」
「こっち。血の痕があるわ」
191: 2010/06/18(金) 22:37:51.99
車内
女友「女が中にいた…だと…?!」
男「あ、あぁ」
男友「ちょっと様子見てくるっつって」
「爆発が起きるちょっと前か?」
女友(裏から入ったのか…くそ)
「運転手!もっとスピード!」
運転手「いえ」
「あそこで血痕が途切れています」
「おそらくはあの」
「廃工場の中に」
女友「待ってろよ…」
「女……!」
女友「女が中にいた…だと…?!」
男「あ、あぁ」
男友「ちょっと様子見てくるっつって」
「爆発が起きるちょっと前か?」
女友(裏から入ったのか…くそ)
「運転手!もっとスピード!」
運転手「いえ」
「あそこで血痕が途切れています」
「おそらくはあの」
「廃工場の中に」
女友「待ってろよ…」
「女……!」
192: 2010/06/18(金) 22:46:49.15
廃工場
敵幹部「痴れ者め」
「罠に嵌り深手を負い、挙句にターゲットを間違えるなどと」
刺客「返す言葉も…ございません…」
敵幹部「幹部さん?」
「随分と話が違ったようだ」
「例の件はなかったことに――」
幹部「………」
(なんで…ッこんなことにッ…)
敵幹部側近「アニキ。不審な車が近付いてきています」
「追っ手、かと」
敵幹部「全てご破算ですよ、まったく」
「刺客。しんがりくらいつとめてもらいますよ?」スタスタスタ
刺客「……はい」スッ
敵幹部「痴れ者め」
「罠に嵌り深手を負い、挙句にターゲットを間違えるなどと」
刺客「返す言葉も…ございません…」
敵幹部「幹部さん?」
「随分と話が違ったようだ」
「例の件はなかったことに――」
幹部「………」
(なんで…ッこんなことにッ…)
敵幹部側近「アニキ。不審な車が近付いてきています」
「追っ手、かと」
敵幹部「全てご破算ですよ、まったく」
「刺客。しんがりくらいつとめてもらいますよ?」スタスタスタ
刺客「……はい」スッ
193: 2010/06/18(金) 22:52:38.69
男友「えーっと、俺は」
女友「邪魔だからここにいろ」
「運転手、もしものときは車を出せ」
「あたしが行く」
男「お、俺も」
女友「あんたが来て何になるってんだ」
「邪魔だからここにいろ」
死神「私もいくよ」
女友「………」
「あんたは」
「……よさそうだね」
死神「………」コク
女友「さ、行こうか」
「ふざけた真似をしてくれた奴らに」ドシッ
「きっつーいお灸をすえてやりになァ!」ズガァァァン
女友「邪魔だからここにいろ」
「運転手、もしものときは車を出せ」
「あたしが行く」
男「お、俺も」
女友「あんたが来て何になるってんだ」
「邪魔だからここにいろ」
死神「私もいくよ」
女友「………」
「あんたは」
「……よさそうだね」
死神「………」コク
女友「さ、行こうか」
「ふざけた真似をしてくれた奴らに」ドシッ
「きっつーいお灸をすえてやりになァ!」ズガァァァン
194: 2010/06/18(金) 22:58:30.66
女友「………」チラッチラッ
「………」コク
死神「………」コク
女友(人の気配はなさそうだな…上か)
死神「――!」ジャキン
「あぶないっ」キィィン
刺客「……我が太刀筋、よくぞ受けられた」カンッ
「刺客だ…お前たちを先へ進めるわけにはいかない」ズザーッ
死神「女友ちゃん」ズザーッ
「ここは、私が」
女友「おう」
「まかせたっ」タタッ
刺客(『女友』…?まさか)ブォン
死神「あなたの相手は私だって言ったよ」キィィン
「余所見なんてしてちゃ――氏んじゃうかも」
「………」コク
死神「………」コク
女友(人の気配はなさそうだな…上か)
死神「――!」ジャキン
「あぶないっ」キィィン
刺客「……我が太刀筋、よくぞ受けられた」カンッ
「刺客だ…お前たちを先へ進めるわけにはいかない」ズザーッ
死神「女友ちゃん」ズザーッ
「ここは、私が」
女友「おう」
「まかせたっ」タタッ
刺客(『女友』…?まさか)ブォン
死神「あなたの相手は私だって言ったよ」キィィン
「余所見なんてしてちゃ――氏んじゃうかも」
195: 2010/06/18(金) 23:06:21.43
女友「ハァッハァッハァッハァッ」タタッタタタタッヒョイッ
「女ぁ!」ガラララッ
幹部「はっ、ははっ」
「ツキが戻ってきよったわ」
「まさか思たけど」
「わざわざお越し下さるたぁなぁ!お嬢!」
女友「呼ぶなよ」スッ
「お前なんかがあたしを」スラァァッ
「お嬢、って、呼ぶな」キン カラッカラカラカラ
幹部「仕込み刀…なぁ…」
「おぉ怖い怖い」スッ
「そない物騒なもん向けやんといてや」ジャカッ
女友「女子ども相手に拳銃を振り回すのが貴様の流儀なのか?」ジリ
幹部「組筆頭の戦闘狂相手に手加減するんも失礼な話やで」ジリ
「女ぁ!」ガラララッ
幹部「はっ、ははっ」
「ツキが戻ってきよったわ」
「まさか思たけど」
「わざわざお越し下さるたぁなぁ!お嬢!」
女友「呼ぶなよ」スッ
「お前なんかがあたしを」スラァァッ
「お嬢、って、呼ぶな」キン カラッカラカラカラ
幹部「仕込み刀…なぁ…」
「おぉ怖い怖い」スッ
「そない物騒なもん向けやんといてや」ジャカッ
女友「女子ども相手に拳銃を振り回すのが貴様の流儀なのか?」ジリ
幹部「組筆頭の戦闘狂相手に手加減するんも失礼な話やで」ジリ
197: 2010/06/18(金) 23:14:21.28
死神「………」ブン キィンガィン グァァン
刺客「…ゼェ…ヒュゥ…」ヒュッシュパッ ヒュオッ
(この者…強い)
(手負いの身体では…抑えきれないか)
死神「ねぇ」ズサッ
刺客「…ハッ…なんだ」ズ ズザ
死神「女ちゃんを」
「と、女友ちゃんを狙った理由は何」
「何の恨みがあったの」
刺客「…ヒュー…ケホ…」
「恨み。そんなものはない」
「強いて言うなら仕事だから、だ」
死神「何それ」
「くだらない」
刺客「…ゼェ…ヒュゥ…」ヒュッシュパッ ヒュオッ
(この者…強い)
(手負いの身体では…抑えきれないか)
死神「ねぇ」ズサッ
刺客「…ハッ…なんだ」ズ ズザ
死神「女ちゃんを」
「と、女友ちゃんを狙った理由は何」
「何の恨みがあったの」
刺客「…ヒュー…ケホ…」
「恨み。そんなものはない」
「強いて言うなら仕事だから、だ」
死神「何それ」
「くだらない」
198: 2010/06/18(金) 23:20:58.72
死神「そんなくだらないことで」コォォ
「人の生命を」コォォ
(……!)ドクン
(何を言ってるの)
(私は)
(私は死神なのよ)
(今まで…いくらでも…)
(刈り取って、きた)ドクン
「………」スッ
刺客「戦場で得物を手放すなど」
「……情けのつもりか」
死神「違うもの」
「私は違うっ」
「人の生命を」コォォ
(……!)ドクン
(何を言ってるの)
(私は)
(私は死神なのよ)
(今まで…いくらでも…)
(刈り取って、きた)ドクン
「………」スッ
刺客「戦場で得物を手放すなど」
「……情けのつもりか」
死神「違うもの」
「私は違うっ」
200: 2010/06/18(金) 23:31:04.07
幹部「ほらほらァ!逃げてばっかじゃぁどうにもなれへんで」パァン パァン パァン
女友「………」タタッ キンキュイン チュゥン
「貴様」
「女をどこへやった?」
幹部「さぁなぁ」パァン パァン パァン
「このフロアのどっかにはおるかもなぁ」ジャカッ
「けど、教えへん」パァン
女友「………」キュインチュン ズザッ
幹部「跳弾でコンテナでも降らされたらかなわんからなァ!」パァン パァン パァン
女友「……っ!」ザッ チュイン カンカン
「なんだ、気付いてたんだ」
「何故裏切った?」
幹部「功績立てても立てても」ジャカッ
「まだこんな程度の地位や」
「ええ扱いしてくれるとこ付くんが、当たり前ゆうに」
女友「………」タタッ キンキュイン チュゥン
「貴様」
「女をどこへやった?」
幹部「さぁなぁ」パァン パァン パァン
「このフロアのどっかにはおるかもなぁ」ジャカッ
「けど、教えへん」パァン
女友「………」キュインチュン ズザッ
幹部「跳弾でコンテナでも降らされたらかなわんからなァ!」パァン パァン パァン
女友「……っ!」ザッ チュイン カンカン
「なんだ、気付いてたんだ」
「何故裏切った?」
幹部「功績立てても立てても」ジャカッ
「まだこんな程度の地位や」
「ええ扱いしてくれるとこ付くんが、当たり前ゆうに」
201: 2010/06/18(金) 23:34:37.67
女友「よく分かった」
「貴様が重用されない理由が」ダッ
幹部(破れかぶれの突進か?)
「教えてもらおやない…!」パァン パァン パァン
女友「……っ」キィン ザシュッ ヒュオッ
幹部(なんや、なんやこいつ)パァン パァン パァン
(撃たれても撃たれても止まらん…ッ)
女友「はぁああああああああああああああ」ドン カシュッ ドン
「貴様が重用されない理由が」ダッ
幹部(破れかぶれの突進か?)
「教えてもらおやない…!」パァン パァン パァン
女友「……っ」キィン ザシュッ ヒュオッ
幹部(なんや、なんやこいつ)パァン パァン パァン
(撃たれても撃たれても止まらん…ッ)
女友「はぁああああああああああああああ」ドン カシュッ ドン
202: 2010/06/18(金) 23:40:50.04
幹部(氏ぬのが…怖ないんか…ッ?)ガキィ ガキィ ガキィ
「……弾切れやと?クソッ」ゴソゴソッバララララ
(床に落ちて…ま、間に合わん…)
女友「貴様に足りないものォ、それはァ」ダッダッダダダダダ
「器、だぁああああああああああああ!」ガキィィィィィン
幹部「ひっ、ヒィ!殺られ」ガバッ
「r」ドサッ
女友「峰打ちだっつーの」
「今のは女の分」
「残りは組に聞きな」
「……女、どこだろ」
「……弾切れやと?クソッ」ゴソゴソッバララララ
(床に落ちて…ま、間に合わん…)
女友「貴様に足りないものォ、それはァ」ダッダッダダダダダ
「器、だぁああああああああああああ!」ガキィィィィィン
幹部「ひっ、ヒィ!殺られ」ガバッ
「r」ドサッ
女友「峰打ちだっつーの」
「今のは女の分」
「残りは組に聞きな」
「……女、どこだろ」
203: 2010/06/18(金) 23:45:40.11
『……ちゃん』
『…女友ちゃん』
女友(――!)
「そこかっ?」バタン
女「……ぅ」
女友「…ごめんな、うちの騒動で」
「さ、帰ろ」
「う」ガクッ
「ぜ」バタ…
ミシ
ピキッ
ガラ、ガラガラガラ
204: 2010/06/18(金) 23:51:21.13
ガラ、ガラガラガラ
死神(建物が…)
(もたない)
「女友!女!」
「だ、大丈夫っ?」
女「…ぅぅ」
女友「………」ドクドク
刺客「手を貸そう」スッ
死神「………」
刺客「情け、ではない」
「ケジメをつけたいんだ」
死神「………」コク
死神(建物が…)
(もたない)
「女友!女!」
「だ、大丈夫っ?」
女「…ぅぅ」
女友「………」ドクドク
刺客「手を貸そう」スッ
死神「………」
刺客「情け、ではない」
「ケジメをつけたいんだ」
死神「………」コク
206: 2010/06/19(土) 00:02:47.75
女友家・女友の部屋
女友「しっかしまー」
「流石にどうなるかと思ったね!」ケラケラ
死神「もう、笑い事じゃないよ」プリプリ
女「何事もなかったから、よかったじゃんー」
「ねっ」ニコ
死神「むぅー」
男友「なんつーか俺たち」
男「蚊帳の外、だったな」
運転手「でしたねぇ」
女友「しっかしまー」
「流石にどうなるかと思ったね!」ケラケラ
死神「もう、笑い事じゃないよ」プリプリ
女「何事もなかったから、よかったじゃんー」
「ねっ」ニコ
死神「むぅー」
男友「なんつーか俺たち」
男「蚊帳の外、だったな」
運転手「でしたねぇ」
208: 2010/06/19(土) 00:08:21.52
男友「よーっし、じゃー」
「女友の誕生日パーティー」
「を」
「はっじめっるぞー」
女友母「あらあら」ニコニコ
「でも、なにもこんな中破した部屋で催さなくても」
「無事な部屋も空いていますよ?」
女友「いいよ、ここで」
「ダイナマイトでぶっ飛んだんだ」
「あたしの心の壁も、天井も」
男友「とか言っちゃってー」ニヤニヤ
女友「う、うるさいっ、茶かすなっ」ゴンッ
女友母(女友ちゃん……)
(素敵な友だち、いっぱい出来たのね)ニコ
「女友の誕生日パーティー」
「を」
「はっじめっるぞー」
女友母「あらあら」ニコニコ
「でも、なにもこんな中破した部屋で催さなくても」
「無事な部屋も空いていますよ?」
女友「いいよ、ここで」
「ダイナマイトでぶっ飛んだんだ」
「あたしの心の壁も、天井も」
男友「とか言っちゃってー」ニヤニヤ
女友「う、うるさいっ、茶かすなっ」ゴンッ
女友母(女友ちゃん……)
(素敵な友だち、いっぱい出来たのね)ニコ
209: 2010/06/19(土) 00:12:06.54
女友「かんぱーい」
一同「「「「「かんぱーい」」」」」
ゴツンカツンカランコロン
女友「正直ね、不安だったんだ」
「あたしの家のこと知ったら、皆どう思うだろ、って」
男「どうっていってもな」
男友「なんかもう」
「いろいろあったしどうでもいいな」ハハ
男「それ」ニコ
女「家がヤクザ屋さんだって何だって」
「女友ちゃんは友だちだよっ」
「ね」
死神「うん」
男友「おう」
男「おー」
一同「「「「「かんぱーい」」」」」
ゴツンカツンカランコロン
女友「正直ね、不安だったんだ」
「あたしの家のこと知ったら、皆どう思うだろ、って」
男「どうっていってもな」
男友「なんかもう」
「いろいろあったしどうでもいいな」ハハ
男「それ」ニコ
女「家がヤクザ屋さんだって何だって」
「女友ちゃんは友だちだよっ」
「ね」
死神「うん」
男友「おう」
男「おー」
210: 2010/06/19(土) 00:14:13.13
女「プレゼントこうかーん」
女友「の」
「前にー」
「グラスこうかーん!」
男「ん?」
男友「なんだそれ」
死神「………」キョトン
女友「いいから回せ回せー」
「一口ずつ飲んでだなー」
「あーもう、よく分かんねー」
女(おおおおと男くんとかっかかか間接きっs)
女友「今日からあんたらはー」
「あたしと盃を交わした仲だ!」
「これからもよろしくなっ」
「ダチ公どもっ!」
女友「の」
「前にー」
「グラスこうかーん!」
男「ん?」
男友「なんだそれ」
死神「………」キョトン
女友「いいから回せ回せー」
「一口ずつ飲んでだなー」
「あーもう、よく分かんねー」
女(おおおおと男くんとかっかかか間接きっs)
女友「今日からあんたらはー」
「あたしと盃を交わした仲だ!」
「これからもよろしくなっ」
「ダチ公どもっ!」
211: 2010/06/19(土) 00:16:26.87
後日談
女友(………)
(ネックレスは分かる。イヤリングも分かる)
(クッキー缶も分かる)
(が)
(木刀なんておんなの子のプレゼントに寄越すかふつー)
(っとにあいつは)
(バカなんだから)フッ
女友(………)
(ネックレスは分かる。イヤリングも分かる)
(クッキー缶も分かる)
(が)
(木刀なんておんなの子のプレゼントに寄越すかふつー)
(っとにあいつは)
(バカなんだから)フッ
213: 2010/06/19(土) 00:47:47.29
終わったの?
やおい乙
やおい乙
214: 2010/06/19(土) 00:52:54.44
え終わり?
216: 2010/06/19(土) 01:48:25.24
乙
引用元: 死神「私は」
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