1: 2013/05/26(日) 22:29:13.30
真美「えっ……魔女? やよいっちが?」

やよい「うん!」

真美「そんじゃ、普通に魔法とか使えるの?」

やよい「えっへへ……そうだよ!」

真美「ん~……」

真美(魔法使いごっこかぁ……なんか子供っぽいけど、ちょっと面白そうだし、付き合ってあげよっかな)

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1369574953

2: 2013/05/26(日) 22:46:21.67
やよい「あっ! その表情……やっぱり信じてくれないんだ……真美なら信じてくれるって思ったのに」

真美「うぇっ!? いやいや……真美、やよいっちのこと、メッチャ信じてるって! ホントに!」

やよい「……それならいいんだけど」

真美「それでさ……やよいっち、魔法が使えるんだよね? 具体的にどういうことができるの?」

やよい「うーん……漫画とかアニメみたいな、凄いことはできないんだけど……」

真美「ふんふん」

やよい「人や物を移動させたり、そこにない物を作り出したりとか、そういうレベルかなーって」

真美「おお~、結構すごいじゃん! やるね~やよいっち!」

やよい「えへへ……運んだり作ったりするのは、私が想像できるものじゃないと無理だけどね。体力もけっこう使うし、移動できる範囲にも限界があって……」

真美「な、なんか微妙にリアルだね……」

4: 2013/05/26(日) 22:59:25.60
真美「あっ! 物を作れるってことはさ、魔法でお金を作りまくっちゃえば……真美たち、大金持ちになれるんじゃない!?」

やよい「えっと……残念だけど、それはできないかも」

真美「えー、なんで?」

やよい「私も難しいことは分からないんだけど……お金をいっぱい作ると大変なことになるって、お母さんが言ってたから」

真美「んー……それじゃ、仕方ないかぁ」

やよい「ごめんね、力になれなくて……」

真美「えっ、いいよ別に! さっきのは、真美もそこまで本気で言ったわけじゃないし!」

やよい「うん……」

5: 2013/05/26(日) 23:04:24.32
真美「そんじゃさ……真美のこと、透明にしたりできる?」

やよい「うん、そのくらいなら大丈夫だよ!」

真美「んっふっふー、それならやってみてよ! 真美、いっぺん透明人間になってみたかったんだよね~!」

やよい「わかった!それじゃ、いくよ……」

真美「わくわく!」

やよい「イクシアダーツサムロディーア……」

真美「おお、なんか本格的……」

やよい「えいっ!」



ボン!!!

7: 2013/05/26(日) 23:13:36.40
真美「ゴホッ、ゴホッ……なにこれ、煙がすごい……」

やよい「うっうー! 大成功だよ、真美!」

真美「えっ……うわああぁぁぁ、なにこれ、ホントに透明になってるぅぅ!!!」

やよい「真美、言ってたでしょ? 透明人間になりたいって」

真美「い、言ったけどぉ……まさかホントに出来るって思わないじゃん……」

やよい「うぅぅ……結局、信じてなかったんだ……」

真美「わっ!! い、今のナシ!! いやー、バッチリ思ったとおりの透明具合だよー!!」

やよい「そ、そう? えへへ……自分でもカンペキかなーって!」

真美(ま、魔法ってホントにあったんだ……すごい……)

8: 2013/05/26(日) 23:21:45.56
真美「でもこれ、メッチャすごいよ! 今度のテレビ収録でやれば、世界初の超能力アイドルとかいって超有名になれるんじゃ……」

やよい「真美……これね、ホントはあんまり人に知られちゃいけないんだよ……」

真美「なんで? こんなにすごいのに!」

やよい「世の中には、魔女を毛嫌いする人もいるから……そういう人たちに私が魔女だってバレると、大変なことになるってお母さんが」

真美「そっかぁ、やよいっちも大変なんだね……」

やよい「うん……」

真美「じゃあさ、なんで真美には話してくれたの?」

やよい「真美とはユニットも組んでるし、一緒にいることが多いから……いつまでも隠しておけないって思って」

真美「なるほど……」

やよい「だから、このことは他の人には秘密だよ! 絶対誰にも話しちゃダメだからね!」

真美「うん! わかったよ、やよいっち!」

9: 2013/05/26(日) 23:33:40.10
真美「透明っていっても、服までは透明になんないんだね」

やよい「そうだね、服も透明にしようと思ったらけっこう難しくて……」

真美「せっかく透明になったから、バレずにイタズラし放題だって思ったのになぁ~」

やよい「もー、真美ったら……」

真美「んっふっふー! そうだ、服脱いじゃおっかな……どうせ透明だし」

やよい「そ、それはちょっと大胆すぎるかなーって」

真美「ねーやよいっち、これって時間制限とかあるの? 効果が切れたらいきなり姿が見えちゃう、とか」

やよい「そういうのは無いって思うけど……」

真美「やった! そんじゃ、服はやよいっちに預けるね! よいしょっと……」

やよい「ほ、ホントに脱いじゃうの!?」

10: 2013/05/26(日) 23:43:28.01
真美「いやぁ……服を全部脱いじゃうと、なんかヘンな開放感があるよね~! クセになっちゃいそう」

やよい「これっていいのかなぁ……透明だから、誰も見えないけど……」

真美「いっひっひ……とにかく、これで皆にイタズラし放題だよ……!!」

やよい「ちょ、ちょっと真美……」



< ガチャッ



真美(……おっ、さっそく誰か来たっぽいよ……これはチャンス!)

11: 2013/05/26(日) 23:52:37.69
伊織「あら、やよいじゃない。おはよう」

やよい「はわっ!? い、伊織ちゃん、おはよう!」

伊織「……どうしたのよ、そんなところに突っ立って」

やよい「えへへ……なんでもないかなーって」

伊織「そう?」

やよい「うん! 伊織ちゃん、今日は竜宮小町のお仕事だよね?」

伊織「ええ、今は律子たちの到着待ちってとこね」

やよい(真美、どこに行ったんだろう……ドアは閉まったままだから、遠くには行ってないよね……)

12: 2013/05/27(月) 00:04:37.24
真美(そーれ、こちょこちょ……)

やよい「んひっ!?」ビクンッ

伊織「やよい?」

やよい「っく……あっ、やだっ、あっははははははは!!」バタバタ

伊織「やよい! ちょ、ちょっと……アンタどうしたのよ……!?」

やよい「いっ、いおりひゃ……あふっ!!……ら、らいじょぶらから、あっははははは!!!」ジタバタ

伊織「な、なによこれ……何が起きてるっていうの……」

やよい「いっひひ、ひひひひひ!!! ま、まみぃ、もうやめっ、ひひひひひ!!!」

伊織「やよい、しっかりしなさいってば! やよい!」ユサユサ

13: 2013/05/27(月) 00:12:00.87
やよい「はぁ、はぁっ……やっと止まったぁ……」

伊織「あ、あの……やよい?」

やよい「えっ? あ、い、伊織ちゃん……今のはね、そのぉ……」

伊織「いいえ、言わなくていいわ、だいたい見当はつくから……」

やよい「う、うん……」

伊織「その……なにか辛いこととか、困ったことがあれば、いつでも私に相談していいのよ?」

やよい「……うん」

伊織「何事も一人で抱えすぎちゃダメよ、いつか絶対壊れちゃうから」

やよい「そ、そうだよね」

やよい(……なんか、すごく心配されてるかなーって)

14: 2013/05/27(月) 00:18:50.52
――――

真美「いおりんはもう行ったかね?」

やよい「うん、さっき律子さんたちと一緒に……」

真美「んっふっふ……いやーやよいっち、なかなか良い反応でしたなぁ」

やよい「も、もう! 真美のせいで、伊織ちゃんにヘンな誤解されちゃったでしょ!」

真美「まーまー、あとでネタバラシすればいいじゃん!」

やよい「うぅぅ、バラしちゃダメだって言ったのにぃ……」

真美「だいじょぶだって! いおりんは絶対味方になってくれるっしょ!」

やよい「うーん……確かにそうかもだけど……」

真美「それに、仲間は多いほうがいいって!」

やよい「……そうだね、それじゃあ後で伊織ちゃんにも話さないと……」

真美(やよいっちはチョロいなぁ)

15: 2013/05/27(月) 00:23:39.71
真美「そんじゃーやよいっち! そろそろ真美のこと、元に戻してくれる?」

やよい「もう戻すの?」

真美「うん。いつまでもこのまんまだと、カゼ引いちゃうかもだし」

やよい「そっか、そうだね……それじゃ……」



やよい「イクシアダーツサムロディーア……えいっ!」



真美「……」

やよい「……」

真美「あれ?」

16: 2013/05/27(月) 00:28:13.06
やよい「お、おかしいな……」

真美「ね、ねえやよいっち! 元にもどんないよ!」

やよい「も、もう一回やってみるね! イクシアダーツサムロディーア……」

真美「……」

やよい「……ダメ、みたいだね……」

真美「えっ……これ、どうなるの? 真美、ずっと透明のまんま?」

やよい「……」

真美「なにそれこわい……もうテレビとか出れないじゃん……」

やよい「えっと……」

真美「うわぁぁ……ヤバイよ……真美の人生終わったよぉぉ……」

やよい「ま、まだ戻れないって決まったわけじゃないから! きっと大丈夫だよ!」

真美「だといいんだけど……」

18: 2013/05/27(月) 00:36:05.49
やよい「そうだ、小鳥さんに聞いてみれば……」

真美「え、ピヨちゃん?」

やよい「うん。実は小鳥さんも魔法使いなんだって」

真美「ええぇぇぇ……なにそれ初耳だよ……」

やよい「なにかの条件をみたして、ある年齢になったら魔法が使えるようになるんだって」

真美「それって、真美でも魔法が使えるようになるってこと?」

やよい「たぶん、そういうことかなーって」

真美「そのためには、その条件っていうのがわからないとだよね……」

やよい「そうだね……」

真美「ようし……とにかく、ピヨちゃんに話を聞いてみよう!」

20: 2013/05/27(月) 00:51:03.03
――――

小鳥「それで、元に戻れなくなったっていうのね」

やよい「そうなんです……」

小鳥「それは、きっと……真美ちゃんのイタズラ心が原因だわ」

真美「えっ」

小鳥「ほら……魔法が使える人の中には、魔法で好き勝手してやろうって考える人もいるでしょ?」

真美「確かに……」

小鳥「そういう犯罪を防ぐために、対象が魔法を使えなくなったり、対象に一部の魔法が効かなくなる防犯機能があるのよ。真美ちゃんは、それに引っ掛かっちゃったってわけ」

やよい「なるほど……」

真美「で、でもでも! 真美、やよいっちのことをケガさせようとか、お金を盗ってやろうとか、そういう悪い気持ちでやったわけじゃないよ!」

小鳥「それには、犯罪を防ぐっていうだけじゃなくて、子供のイタズラに対する戒めっていう側面もあるのよ」

真美「うぅぅ……」

やよい「全部お見通しっていうことですね……」

22: 2013/05/27(月) 01:04:02.88
やよい「あの、小鳥さん! どうやったら、また魔法が効くようになるんですか?」

小鳥「対象となった人が、一回でも他人の役に立つことをすれば、その機能は解除されるわ」

真美「ほ、ホント!?」

小鳥「ええ」

真美「そうと決まったら、さっそく困ってる人を探しにいかないと……」

やよい「役に立つことって、小さなことでもいいんですか?」

小鳥「そうね、真美ちゃんのイタズラはそんなに酷いものじゃないから……たぶん、誰かの財布を拾ってあげるくらいでもOKだと思うわ」

やよい「それくらいなら、私たちにもできますね! よかったね、真美!」

真美「うん、助かったよピヨちゃん! ありがと~……」

小鳥「どういたしまして! 私も真美ちゃんたちの役に立てて嬉しいわ」

小鳥(さっきはいいものを見せてもらったものね……ふふふ)

23: 2013/05/27(月) 01:11:17.30
真美「いやー、一時はどうなることかと思ったよぉ……」

やよい「そういえば小鳥さん、小鳥さんはどうやって魔法使いになったんですか?」

小鳥「え゛っ!?」

真美「あーっ、それ真美も聞きたいな! ねえピヨちゃん、魔法使いになれる条件ってなんなの?」

小鳥「そ、それはぁ……真美ちゃんにはまだ早いっていうか……」

真美「えー、真美だってもうオトナだもん! ねえねえ、教えてってばー!」

小鳥「えーっと……あっ! わ、私、ちょっと仕事を思い出したから、行ってくるわね!」バッ

真美「あっ」

小鳥「いってきまぁーす!!」ピューッ

真美「行っちゃった……」

やよい「……私たちも行こっか、真美」

真美「そだね……」

24: 2013/05/27(月) 01:17:06.33
――――

真美「んー……その辺にいないかなー、困ってる人」

やよい「すぐには見つからないって思うよ……その前に、真美……」

真美「ほぇ? どうしたの、やよいっち」

やよい「その……透明だからって、よく裸のまま外に出れるね……」

真美「んっふっふ、だってどうせ透明だから、誰も見れないっしょ?」

やよい「そ、そうだけど……」

真美「これって意外と良い感じだよ! やよいっちもやってみる?」

やよい「わ、私は遠慮したいかなーって」

真美「なーんだ、もったいないなぁ……」

25: 2013/05/27(月) 01:22:55.82
真美「っていうかさぁ、逆に服だけが見えてたら不自然じゃない?」

やよい「うーん……そう言われると、確かにそうかも」

真美「ほらー、だからこうするしかないんだって!」

やよい「真美がそれでいいんなら、いいんだけど……」

真美「えへへ……あっ! やよいっち、あれ見てよ!」

やよい「えっ……? あっ! 雪歩さん!」

真美「ゆきぴょん、犬に囲まれて動けないみたい……助けてあげないと!」

やよい「そうだね、すごい状況だけど……」

真美「おーい、ゆきぴょーん!」

26: 2013/05/27(月) 01:30:58.55
――――

犬A「ぐるるるる……」

犬B「わう!わう!」

雪歩「ひぅぅぅ……誰か、助けてくださぁい……」



真美「おーい、ゆきぴょーん!」



雪歩「えっ……この声は亜美ちゃん……か、真美ちゃん? でも、姿が見えないような……」

やよい「雪歩さーん!」

雪歩「やよいちゃん!」

犬C「ばう!ばう!」

やよい「こーら、雪歩さんから離れなさーい!」

犬D「きゃいんきゃいん!!」

真美「ゆきぴょんから離れないと……イタズラしちゃうぞー!」

犬E「わふー!!」

27: 2013/05/27(月) 01:35:59.64
雪歩「ごめんね、迷惑かけちゃって……ありがとう、やよいちゃん……」

やよい「いえ、それより雪歩さん、ケガとか無いですか?」

雪歩「うん、大丈夫だよ……本当にありがとう!」

真美「んっふっふー、この真美にかかれば犬なんてイチコロってものよ!」

雪歩「真美ちゃん……? 声は聞こえるけど、どこにいるの……?」

やよい「うぅぅ、また話が広まっちゃうよ……」

真美「だいじょぶだよ、やよいっち! ゆきぴょんは口が固いから!」

やよい「そ、そうだよね……雪歩さん、えっと……話すと長くなるんですけど……」

28: 2013/05/27(月) 01:44:42.21
やよい「――ということなんです」

雪歩「……やよいちゃんのことを疑うわけじゃないけど、なんかウソみたいな話だなぁ」

やよい「そうですよね……ちょっと作り話っぽいかもですけど……でも、ぜんぶ本当のことなんです!」

真美「まー、真美も最初は信じらんなかったからねー。しょうがないよ」

雪歩「でも、やよいちゃんがそんなウソをつくとは思えないし……」

真美「そんじゃーやよいっち……魔法を使うところ、実際に見せてあげようよ!」

やよい「あっ……そうだね、さっきので魔法が効くようになってるかも!」

真美「んっふっふー、真美は準備マンタンだよ!」

雪歩「細かいけど、それを言うなら『準備万端』だよ……」

やよい「それじゃ、いくよー真美……」

29: 2013/05/27(月) 01:49:34.34
やよい「イクシアダーツサムロディーア……」

やよい「えいっ!」



ボン!!!



雪歩「ケホッ、ケホッ……す、すごい……煙が舞ってる……」

やよい「うっうー、やりましたぁ! 今度こそ成功ですよ、雪歩さん!」

雪歩「煙の中から、真美ちゃんの姿が少しずつ……すごい、魔法って本当にあったんだ……!」

やよい「……あれっ、なんか忘れてるような……」

30: 2013/05/27(月) 01:58:51.87
真美「あ、あの……やよいっち……」

雪歩「きゃっ!? ま、真美ちゃん、どうして裸なの!?」

やよい「ご、ごめん真美……真美の服、事務所に忘れてきたみたい……」

真美「……真美も、ちょっとこの状態に慣れてきちゃって……服がないことを完全に忘れてたよ……」

やよい「服をここに移動させるには、距離が遠すぎて……私たちが移動するにも……どうしましょう、雪歩さん……」

雪歩「とにかく……わ、私の上着、貸してあげるから……」

真美「こんな路上で裸になるなんて……もうお嫁に行けない……」

やよい「なるべく見つからないように戻らないと……」

雪歩「は、はやく帰ろう! ねっ、真美ちゃん!」

真美「うぅぅ……もう魔法なんてこりごりだぁ!!!」

31: 2013/05/27(月) 02:00:41.65
おしまい
どう見ても一発ネタです、本当にありがとうございました

32: 2013/05/27(月) 02:15:34.64

スレタイで出落ち感があったけど面白かった

33: 2013/05/27(月) 11:54:36.36

引用元: 真美「やよウィッチ?」