1: 2021/08/25(水) 14:51:01.39
二週間後

まる子「…ぉかぁざ…」

まる子「……ぅぁ…」

まる子「…」 >

8: 2021/08/25(水) 14:52:46.17
おばあちゃん「何日も食べてないと食べ物を受け付けなくなるらしいからねえ」

おばあちゃん「まる子が食べやすいようにお粥を作ろうかね」

おばあちゃん「もっと食べやすいように米は入れないでおこうね」

10: 2021/08/25(水) 14:53:00.28
家族が狂った
「まる子あなたのご飯は今日から水だけだから」
最初は冗談だと思った
差し出されたのはたった一杯のコップ
「ちょっとお母さん何言ってるの?」
私は聞く
しかし誰も答えない
まるで私がそこに存在しないみたいにみんな振舞う
お母さんお父さんおじいちゃんおばあちゃんおねえちゃん
みんな無言でご飯を食べ続ける
その態度に何か私悪いことをしたのかと少し震えながら水を飲む
味気ない味だ
「ごちそうさま」
ご飯を食べたおじいちゃんが私が水しか飲んでいない姿を見ても無表情だ
ボーンボーン
時間がずれた時計が部屋に鳴り響く
私の家族もどこかずれてしまったのだろうか
そうそれは暑い暑い夏休みの初日のことだった

11: 2021/08/25(水) 14:53:11.46
最初は冗談だと思った
普段はみんな私に普通に接してくれる
おじいちゃんもおばあちゃんも私を見たら笑顔で話をするし
お父さんもいつも通りダラダラしているけど私を見ていつもどおり軽口を叩く
お母さんもおねえちゃんも私に宿題をやっときなさいよと声をかける

14: 2021/08/25(水) 14:53:22.61
しかし毎食与えられるものは水だけ
これには私も危機感を覚えざるを得なかった
そして怖いのは私に水を与えるとき全員が私を見ていることだ
私がコップで水を飲んでいる間みんな私を見ている
おとうさんもおかあさんおじいちゃんおばあちゃんおねえちゃん
合わせて10の瞳が私を見つめてくる
飲み終わったのを確認したらみんななごやかに談笑しながらご飯を食べはじめる
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

15: 2021/08/25(水) 14:53:33.09
食後テレビを見ていた母に私は声をかける
「お母さん…おなかすいた」
しかし、母は私の言ったことが聞こえないようだ。
母は背を向けたままテレビを見続ける。
テレビからは芸人たちが笑う声が聞こえる。
まるで今の私を笑ってるようだ。
「ねえ!」
思わず語気を強める。
母はゆっくりと立ち上がり私の前にコップを持ってきた。
また水だ。
「あんたはこれしか飲んだら駄目なのよ」
そう言う母の目が怖くて私はそれ以上何もいえなかった。
ゴクリゴクリゴクリ
味がしない。

18: 2021/08/25(水) 14:53:49.81
何で?どうして?訳が分からない。
胃の中がキリキリ痛む。
ふとテーブルの上を見るとせんべいがあった。
もう我慢できない…私が手を伸ばそうとした、そのとき。
「マルコ!!!!」
お母さんが叫ぶ、そして激しく私の顔を殴った。
髪を掴んでびんたを繰り返す。
痛い痛い痛い痛い
「……ひい、お、お母さん何で」
正気に戻ったのだろうか、母が肩で息をしながら言う。
「あんたは水以外取ったら駄目なの…絶対に…」
涙が止まらない。何でそんな理不尽なことを言うんだろうか。
私は部屋に走って戻る。
途中でおじいちゃんと会ったが、泣いている私の顔を見ても何も言わなかった。

19: 2021/08/25(水) 14:54:01.53
部屋に帰っても涙がとまらない。
何でこんなことされるんだろう、何か悪いことしたのだろうか。
お母さんに聞きたかったけどもう殴られるのは嫌だ。
コンコン
ノックの音がする。
「マルコいるか~?」
お爺ちゃんだ。涙を拭きながらドアを開ける。
「マルコ大丈夫か?さっき泣いてたみたいだが水持って来たぞ」
また水だ。
おじいちゃんはお盆にコップを乗せて持ってきた。
「おじいちゃん…?」
「どうした?喉が渇いただろう。お代わりもあるからいっぱい飲むんだぞ」
そう言うおじいちゃんはいつもと同じで優しくて、でもその優しさは何かが違った。

20: 2021/08/25(水) 14:54:13.00
おじいちゃんは笑っているけど今はその笑いにも恐怖を覚えた。
「あ、ありがとう…」
思わず引きつった笑いを浮かべて水をもらう。
他に何かもらえないだろうかと期待したが、もちろん何もくれなかった。
水を飲む。
ゴクリゴクリ
ふとおじいちゃんを見ると無表情で私を凝視していた。
まるで虫でも見るような目で。
飲んでコップを返すと「それじゃあわしは部屋にもどるからの、また喉が渇いたら言いなさい」
そう言って私の部屋から出て行った。
ボーンボーン
居間から時間が遅れた時計の音が聞こえてくる。
まさか夏休みもずっとこうなのだろうか、そう思うと暑いのにブルっと震えた。

24: 2021/08/25(水) 14:54:32.33
朝、目が覚める。
普段なら母から起こされるまで目が覚めないのだが、今日は7時に目が覚めた。
おなかが空いていると早く目が覚めるようだ。
ピンポーン
チャイムが鳴る。
そういえば、ラジオ体操に行こうって約束してたんだっけ。
「マルコ。たまちゃんが来てるわよ」
母が私の部屋の外で呼びかける。昨日、私をあれほど殴ったのを忘れているんだろうか。
慌てて準備をする。
靴を履いて出かけようとしたら、母が私にコップを渡した。
「はいマルコ、水飲んでいきなさい」

26: 2021/08/25(水) 14:54:43.26
また水だ。
「お母さん急いでるから良いよ」
そう言って出ようとしたら肩を強く掴まれた。
「いた…!」
「マルコ、飲みなさい」
そう言って笑う母が怖くて私は飲むことにした。
無表情で見つめる母。
何で何で何で何で

「まるちゃんおはよう」
たまちゃんが笑顔で私に挨拶をする。
「うん…おはよう」
「まるちゃん、どうしたの?顔色悪いね」
そう声をかけるたまちゃん。当たり前だ昨日から水しか飲んでないんだから。

28: 2021/08/25(水) 14:54:59.73
「えへへ…ちょっとご飯食べてなくて」
「そうなんだ?ダイエットでもしてるの?」
本当のことなんか言っても信じてくれないだろう。私は適当にたまちゃんに話をあわせる。
「でもまるちゃんそんなに太ってないしダイエットなんかしたら体に悪いよ」
「う~んそうかな」
「そうだ。ラジオ体操終わったら一緒にご飯食べよ」
ご飯…想像するだけで唾液が出てくる。
でも…今の状況で食べても大丈夫なのだろうか、ふと昨日の母の顔がよぎったが
空腹の誘いに負けて思わずうなずいてしまった。

29: 2021/08/25(水) 14:55:13.89
ラジオ体操が終わってたまちゃんの家に行くことになった。
たまちゃんのお母さんもたまちゃんから事情を聞いたのか料理を作ってくれることになった。
「まだ若いんだからいっぱい食べないと駄目よ」
そう言ってご飯をよそいでくれるたまちゃんのお母さんは天使に見えた。
昨日水しか飲んでなかったから箸が進む。
一日物を食べなかっただけでこうなるとは私も思わなかった。

30: 2021/08/25(水) 14:55:36.75
家に帰る。
「ただいま~」
「まるこ、ちょっと来なさい」
お姉ちゃんが私を呼ぶ。何だろう…また嫌な予感がする。
居間に行くと私以外全員そろっていた。なぜかテーブルの上に洗面器がおいてある。
「まるこ、今からチェックします」
そう言うお母さん、逃げられないようにがっちり私の腕を掴むお姉ちゃん。
何?嫌だ、みんなやめて。
「まるここれもお前のためなんだよ」
そう言うとお母さんが私の喉に乱暴に指を突っ込む。
痛い、喉の奥まで指を入れられると猛烈な吐き気が私を襲う。
「ヵぁぁ…かぁぁ…ぁだ…ぁだ…………あ゙ぁぁぁぁぁぁ!!!」
びちゃびちゃと洗面器に先ほど食べたものが出てくる。
「あんた、外で黙って食べてきたわね」
そう言うと私を激しく殴打する母。
「痛い、痛い、ごめんなさい!!許してください!!!!」
普段は優しいおじいちゃんもお父さんもおばあちゃんも誰も止めてくれない。
「あんたが…言うこと聞かないから!!良い子になれないのよ!!!!!」
訳の分からないことを叫びながら殴り続ける母。
うずくまる私の髪を乱暴に掴んで殴る。
誰か…助けて。
でもみんなは私が殴られているのを黙ってみているだけだった。
この家が怖い。

31: 2021/08/25(水) 14:55:51.17
胃の中のものを全部吐き終わった。あたりにすっぱい臭いが充満する。
「はあ…はあ…お、お母さん…どうして?」
「あんたは水以外取っちゃ駄目なの。分かった?」
分からない…けどとりあえずうなずいた。
そうしない限り母は私を殴り続けるだろうから。
「分かってくれたらそれで良いのよ、はい、まるこ水」
そう言うと母は私にコップ一杯の水をくれた。
ゆっくりゆっくるコップを口に運ぶ。
家族みんなが私を見ている。
もう…見ないで欲しい。目をつぶって一息に飲んだ。
鉄臭い水だ。
これが暴力の味というやつかもしれない。

33: 2021/08/25(水) 14:56:02.12
あれから三日もたった。
私は大分やせた。体重計で量ったら五キロもやせていた。
今では立つこともしんどい。
ラジオ体操なんかする体力ものこっていないからたまちゃんとも会っていない。
「まるこお風呂よ」
母が呼ぶのが聞こえる。
本当は動きたくないけれど、黙っていたら母が部屋に入ってくるから体を振り絞って起きる。

34: 2021/08/25(水) 14:56:16.01
お風呂に入ろうと服を脱いだら思わずぎょっとしてしまった。
鏡に映っていたのはアバラが浮いて下腹が水で膨れている。
子供っぽい体ねと以前おねえちゃんはからかっていたが、今はもっとひどくなっている。
昔、おばあちゃんが私に見せてくれた仏教の本でこんな体の鬼がいたのを思い出した。
自分の体ながらぞっとする。
私はどうなっていくのだろう。
湯船に入る。
いつもならゆっくりと体を伸ばすが今は口を開けっぱなしで天井を眺めている。
今の私は阿呆のような顔をしているだろう。
だって何も考えてなどいないのだから。漠然とした空腹感が脳を埋めている。
昔はみんな私に優しかったのに今になってこういう扱いを受けるまで気づかないとは思わなかった。
おとうさんおかあさんおねえちゃんおばあちゃんおじいちゃん…昔に戻りたいな…

35: 2021/08/25(水) 14:56:29.61
「まるこ!まるこ!!」
ふと体を揺さぶられる。母だ。
「あんたどんだけお風呂に入ってるのよ、後がつかえるから早く出なさい」
どうやら気を失っていたらしい。朦朧とした意識の中でうなずいて立ち上がる。
母に裸を見られるがどうでも良い。
「あらまるこ、あなた理想的な姿になって…お母さん嬉しいわ」
母にとって今の私の姿は理想的なんだろうか。
「はい、のぼせたでしょう、お水飲みなさい」
またコップをもらった。一息に飲み干す。

36: 2021/08/25(水) 14:56:41.76
冷たい水を飲んで少しだけ意識は戻った。
この辛い現実に。

母の顔は実に嬉しそうだった。
「こんなにふくれちゃって…ここ、きっとお水しかないのね」
そう言いながら私のおなかをなでる。
そのなで方に糞虫が這うかのような感触を覚えて気持ち悪かった。
「さあ、ちゃんとタオルで拭かないと風邪引くわよ」
そう言うと母は私の体をタオルで拭き始めた。
その行為に私は身を任せる。
このときだけ母の顔が昔のときに戻ったような気がした。

37: 2021/08/25(水) 14:56:54.00
次の日、目が覚めたら小便を漏らしていた。
もう我慢する体力も残っていないのだろう。尿はひどく臭った。
起きる体力もないのでそのまま私は横になっていた。
尿の感触が気持ち悪い。でも動く体力もない。
そんな中母がドアを開ける。
「まるこ起きなさい、う、臭い、あんた漏らしたのね」
返事をするのも面倒なので私は黙ってた。
「まあ良いわ、先生が来てるから着替えなさい」
先生?朦朧とする中その言葉が気になった。担任が来たのだろうか…。

38: 2021/08/25(水) 14:57:11.45
母に無言で白装束のようなものに着替えさせられる。
これは何という疑問ができたが口を開くのもおっくうだ。
居間に行くと、髭の生えた見知らぬおじさんがいた。他の家族もみんなそろっていて神妙な
面持ちで座っている。
「先生まるこをつれてきました」
「そうですか、大分良い顔になってきましたね」
先生と呼ばれた人が母に言う。
「ええ、先生の言いつけどおり水しか飲ませておりませんでしたから」
「なるほど、通りで前の険しい表情から穏やかになってきましたね。これも悪魔が弱っている証拠です」
「ありがとうございます…ありがとうございます…これでまるこも良い子になれるのですね」
何を言っているのか良く分からないが、どうやら私には悪魔というものが憑いているようだ。
そんなもの憑いていないよと普段の私なら否定するだろうが、もう今となってはどうでも良いことだ。
本当に憑いてるかもしれないし憑いてないかもしれない。
私は早く楽になりたい。

39: 2021/08/25(水) 14:57:23.84
髭の生えた先生呼ばれる人がみんなに言った。
「ではみなさん。今のまるこさんの中の悪魔は弱っていますのでみなさんの気で払いましょう」
みんなが真剣な顔で私に向かって唱え続ける。

マルコマルコマルダイスキナマルココマルコマルコマルコマルコマルコマルコマルコ
マルコマルコマルコマルコマルコマルシヌマデソバニイルワコマルコマルコマルコマルコ
マルコマルコマルコマルコマルコマルコノタメニマルコマルコマルコマルコマルコ
マルコマルコマルコマルコマルコマルコマルコマシンパイシナクテモダイジョウブヨルコマルコマルコ
マルコマルコマルナオシテアゲルワコマルコマルコマルコマルコマルコマルコマルコ
マルコマルコマルコマルコマルコマルヤサシクシテアゲルワコマルコマルコマルコマルコ

40: 2021/08/25(水) 14:57:36.05
みんなの真剣な顔を見ていると段々と、私も面白くなってきて笑い声が止まらなくなった。
「ゔばぁぁぁはっははああっはあああ!!!!!……ぁっ…ぅ…………」
それでもみんなは無表情で唱え続ける。
先生も私のことを拝みながら呪文のようなものを唱え続ける。
「昇抜天閲感如来雲明再憎
昇抜天閲感如来雲明再憎
昇抜天閲感如来雲明再憎 」
でももうどうでも良い。
おねえちゃんおとうさんおばあちゃんおじいちゃんおかあさん…ありがとう今まで辛かったよ
もう楽になっていいんだね。
さようならさようならさようなら

41: 2021/08/25(水) 14:57:54.35
ボーンボーン
また時計が鳴り響く。
この時計は最後まで時間が合わなかったなと思うと私はまた可笑しくなってきて。
みんなを呪いたくなった。
氏ね

46: 2021/08/25(水) 14:58:09.76
親友のまるちゃんが氏んだ。
そう聞いたときはショックだった。原因をお母さんに聞いても口をにごすだけで
詳しくは教えてくれなかった。
だけど、最近になってテレビにまるちゃんのお母さんが映っていた。
しかもまるちゃんが原因で。
普段ニュースはあまり見ないけど食い入るように見つめた。
タイトルは新興宗教でミイラ化した少女…?どういうこと?
話がまったく見えない中まるちゃんのお母さんがインタビューに答えてる。
「ええ、私は先生を信じていまして…」
「娘に悪魔が乗り移っていると聞いたから…水だけを与えるようにって先生から」
言っている内容がまったく分からない。
でもまるちゃんは苦しんで氏んだんだと思うと私は涙が止まらなかった。
そのせいでこれ以上テレビを見れなかったのだ。
「それであなたは娘が氏んだことに何も思わなかったわけですね」
「いえ、あの子は悪魔がいなくなって本当に良い子になれましたから、また元気に動けるようになるのを待つだけです」

49: 2021/08/25(水) 14:58:22.99
「リポーターさん被害者のお母さんは何と言ってましたか?」
「はい、どうやら彼女の家族はまだ娘さんは生き返るとおっしゃっておりました」
「そうですか、じゃあこの事件に関してはどうなるのでしょうか?」
「はい、おそらくこの件に関しましては公判に続くと…」
fin

75: 2021/08/25(水) 15:01:26.64
教室

まる子「そういえば、今日は山田がいないね」

たまえ「そうだね。お休みなのかな」

先生「皆さんにお知らせがあります」

先生「今日から山田君はこのクラスから特別学級に移ることになりました」

クラス一同「ええぇー!」

78: 2021/08/25(水) 15:01:40.56
はまじ「それってどういうことですか?」

ブー太郎「山田とはもう会えないんですかブー」

小杉「特別ってことは山田はすげえのかな」

先生「皆さんお静かに」

先生「心配いりません。山田君はちゃんと今日も登校しています」

先生「ただこの教室で皆さんと一緒に授業を受けることは今後もうないでしょう」

83: 2021/08/25(水) 15:01:55.01
まる子「えー、そんな……」

先生「お気持ちはわかります」

先生「ですが、これは学校と保護者の方と同意の上で行われた処置です」

先生「皆さんも機会があったら山田君が移った」

先生「ひまわり組の教室を覗いてあげてください」

まる子(うーん、どうしようかね)

85: 2021/08/25(水) 15:02:09.01
休み時間

まる子「ねえ、たまちゃん」

まる子「山田の様子見に行かない?」

たまえ「そうだね。どうしてるか気になるもんね」

まる子「ひまわり組の教室だったよね」

まる子「山田、元気にしてるといいけど」

たまえ「そうだね」

88: 2021/08/25(水) 15:02:23.07
たまえ「とし子ちゃんも一緒に山田のところ行かない」

とし子「わ、私はいいや」

まる子「え。どうして?」

とし子「私、この前、ひまわり組の教室通ったら」

とし子「その組の生徒に絡まれたんだ……」

まる子「ああ」

とし子「だから怖くて行けない。ごめんね」

まる子「い、いいよ、気にしないでっ」

96: 2021/08/25(水) 15:02:55.83
特別教室

まる子「ここだね。山田のいる教室」

たまえ「うん。すみませーん。失礼します」

まる子「おーい、山田ぁ。いる?」


彡(^)(^)「イーwwwwwwイーwwwwwww」

まる子「うわ。す、すみません。今日入ってきた3年生の山田って知りませんか?」

彡(゚)(゚)「ンゴwwwwwwwアアwwwwwwアアwwwwwwww」

たまえ「ま、まるちゃん、もう帰らない……?」

98: 2021/08/25(水) 15:03:09.67
まる子「そ、そだね。何か怖くなってきたよ、あたしゃ」

山田「アデー?wwwザグラ"トホナミ"ジャナイカーwwwwwwwww」

たまえ「山田!」

まる子「よかったよ会えて。あんた特別学級に移ったんだってね」

山田「ソウダジョーwwwwwwwwww」

山田「オイラwwwwwwビックリシタジョwwwwwwwwwアハハハハwwwwww」

たまえ「どう、やっていけそう?」

山田「ソンナノワカランナイジョーwwwwww」

99: 2021/08/25(水) 15:03:23.86
山田「デモネwwwwwwデモネwwwwwwwココ、スッゴクスゥゥッゴク、オモシロインダジョwwwwwww」

まる子「そうなの?」

山田「ホラ、ミデクレヨ゛wwwwwwwトランポリンガアルンダジョwwwwwwwww」

たまえ「本当だトランポリンやちょっとしたおもちゃもある」

山田「マエノキョウシツニハwwwwwwwwコンナノナッタゾwwwwww」

山田「ウレシイジョwwwwwwwwワーイワーイwwwwwwwwwww」

ポーン ポーン

山田「サクラタチモwwwwwイッショニwwwwwwソラヲトボウヨwwwwwホラァ"wwwwww」

まる子「い、いや、遠慮しておくよ」

101: 2021/08/25(水) 15:03:39.27
キーンコーンカーンコーン

まる子「チャイムが鳴ったからそろそろあたしたちは教室に戻るよ」

たまえ「それじゃあね、山田」

山田「アデーwwwwwwwモウカエッチャウノカイ??wwwwwwwwwww」

まる子「うん。また今度ね」

山田「ヤクソクダジョwwwwwwゼッタイマタキテクレヨーwwwwwwwwwww」

山田「オイラモwwwwwwwwサクラタチノクラスニwwwwwwアソビニイクジョwwwwwwww」

まる子「うん、わかった。それじゃあね」

ガラガラガラ

たまえ「ねえ、まるちゃん。本当にまたここに来るの?」

まる子「行くわけないじゃん! あたしゃ寿命が縮まったよ」

まる子「山田には悪いけどもう二度とこんな所行かないよ」

たまえ「私もそうする」

102: 2021/08/25(水) 15:03:58.69
キートン:そしてまる子たちクラスメートが山田のことを忘れ一週間が過ぎた

教室
授業中

先生「それでは次にこの問題を解いてみましょう」

ガラガラガラ

山田「……」

先生「や、山田君!?」

まる子「山田!」

はまじ「うげー、山田が来たぞ」

ブー太郎「今、授業中だぞブー」

小杉「山田はひまわり組移ったんだろ。もう来るなよ」

山田「ウウゥwwwwwwwウワアアアアアアアアアアwwwwwwwwァァァァwwwwww」

まる子「!?」

山田「ドウシテwwwwwダレモオイラニwwwwwwアイニキテクレナインダヨオォーwwwwww」

山田「アアアアアアアアアアアアアァァァ"""""」

104: 2021/08/25(水) 15:04:12.47
山田「サクラダッテwwwwwマタアソビニクルッテwwwwwイッタノニィィwwwww」

山田「ウソツキダジョ!!!!!!!!wwwwwwwアガガガガwwwww」

まる子「そ、それは」

先生「山田君、とりあえず落ち着いてください……」

山田「ウ"ルザァァイ"!!!」

パリン

先生「あがぁっ」

たまえ「きゃああ、戸川先生がケガした!」

はまじ「先生に花瓶投げつけるなんて、なんてことするんだよ山田!」

107: 2021/08/25(水) 15:04:28.47
先生「や、やま……ぁ」

先生「」

みぎわ「だ、だめ、先生。頭打って気絶してるわ……」

丸尾「ヒエー、ズバリ大惨事でしょう!!」

まる子「これは大変なことになったねぇ」

山田「ゴウナ"ッタラ"wwwwwwwwイマカラミンナトアソブジョーwwwwww」

山田「オイラトトクベツジュギョーダジョwwwwwwwアガガガガガwwwwwwガヘッ」

はまじ「山田がおかしいぞ! み、みんな逃げろー!」

一同「きゃああああああああ」

山田「マデーマデーwwwwwwwwwwハマザキグゥンwwwwwww」

はまじ「うわああああ! こっち来るなぁ!」

108: 2021/08/25(水) 15:04:43.77
山田「ドウシテニゲルンダヨォォwwwwwwww」

山田「マエハイッパイwwwwwアソンデクレタダロォォ~wwwwwwww」

はまじ「うわああああ!」

はまじ「頼む来ないでくれぇー!」

はまじ「ああっ、行き止まりだ」

山田「アハハwwwwアハハwwwwwチャンバラゴッコダジョwwwww」

はまじ「や、やめろよ山田! 花瓶の破片なんか危ないだろ!」

山田「ハマザキクンヲwwwwwwウチトルジョォォwwwwww」

はまじ「ぎゃああああ、ごふっ」 ザシュ ピュルルル

山田「アハハハハハハハwwwwwwダノシイナァ"wwwwwwwww」

110: 2021/08/25(水) 15:04:59.84
はまじ「うぐぐ、ごほぉっ」

山田「オイwwwwハマザキクンwwwwwモットアソボウヨwwwwww」

山田「ネエwwwwwネエ"ッダラ"wwwwwwww」

山田「ネェwwwwネェwwwwネェwwwwネェwwwww」

ザシュ ザシュ ザシュ ザシュ

はまじ「」

山田「オガシイナァwwwwwwウゴカナクナッチャゾ??wwwwwww」

山田「ソウカwwwwwwツカレチャッタノカwwwwwwwゴメンヨ、ハマザキクゥンwwwwww」

山田「ツギハベツノヒトトwwwwwアソブジョーwwwwwwンーッドネwwwwwアァーッ!!」

藤木「しまった、山田君と目があったぞっ」

山田「フジキクンwwwアソボアソボwwwwww」

藤木「うわああああ、助けてぇー!」

111: 2021/08/25(水) 15:05:16.92
山田「マテーwwwwwマテーwwwwwwブーーーーーーーンwwwww」

藤木「うわあああああ! 誰か助けてくれよぉー!」

藤木「永沢くーん!」

永沢「うわああっ、藤木君。こっちに逃げて来るなよ!」

藤木「助けてくれよ、永沢君!」

藤木「僕を置いていかないでくれよ!」

永沢「来るなって! うわああぁぁ! いやだいやだーっ!」

山田「ワーイwwwwwwwサンニンデwwwwwwアソブジョーwwwwwwww」

117: 2021/08/25(水) 15:05:32.48
永沢「このままだと追いつかれるぞぉ」

藤木「それだけはヤダよぉ」

山田「マテーwwwwwマテーーwwwwテマーwwwwwwテマーwwwwンガガガwwwww」

永沢「あっ、あそこに空き教室があるぞ!」

藤木「本当だ。あの教室に避難しよう!」

山田「ニガサナイジョーwwwwwwwwww」

藤木「間に合えー!」

ガラガラガラガラ ピシャ

永沢「お、おい、藤木君。待ってくれよ。まだ僕が入ってないんだぞ!」

永沢「扉を閉めないでくれよ! 開けてくれ!」 ドンドン

山田「アババババwwwwwwナガサワクンwwwwwwwアバババババババwwww」

永沢「う、うわああああああ!!」

120: 2021/08/25(水) 15:05:50.70
山田「ナガサワクンwwwwwwwwwwwww」

山田「オイラトwwwwwヒアソビスルジョwwwwwwwww」

永沢「な、なんだって!?」

シュボ

永沢「ぎゃああっ、どこからそんなライターなんか!」

山田「ヒロッタンダジョwwwwwwwwアッタカイジョーwwwwwwww」

山田「スグニナガサワクンモwwwアッタカクシテアゲルジョwwwwwwwwホラ"ホラ"wwwwww」

永沢「や、やめてくれ。火だけは火だけはっ」

ボワッ ゴォォォ

永沢「あああああああああああぁぁっ火がああああっ」

山田「ウオーwwwwwナガサワクンガモエテルジョwwwwwwwwww」

山田「フユハタキビニカギルネェwwwwwwwwwアッタカアッタカwwwww」

永沢「火があああああっ、あついいいいぃひいいいいぃぃ」

ゴオオオ

122: 2021/08/25(水) 15:06:05.49
永沢「ひいいいいぃ、あづうう、ぎゃああああぁぁ」

ゴロンゴロン

山田「アデ??wwwwwナガサワクンwwwwww」

山田「ドッカイッチャッタジョwwwwwwww」

山田「オーイwwwwwドコダーイwwwwwwww」

山田「デテキテクレヨーwwwwwwwwツマンナイジョーwwwwwwww」

山田「マッwwwwwwwwイッガwwwwwwwアハハハwwwwwww」

キートン:後半へ続く

124: 2021/08/25(水) 15:06:21.51
まる子「たまちゃん、とんでもないことになっちゃったね」

たまえ「う、うん! 怖いよ」

まる子「あたしがいけないのかも」

まる子「あたしがもっと山田のこと気にかけてあげてれば」

まる子「こんなことには」

たまえ「自分を責めちゃだめだよ、まるちゃん」

たまえ「それにそれが理由だったらまるちゃんだけじゃなくて」

たまえ「私やクラスの皆もいけないことになるよ」

まる子「たまちゃん……」

たまえ「とにかく今は逃げよう」

山田「ザクラ" ホナ"ミ" ヤァァッドwwwwwミツケタジョwwwwwwガハハハwwwwww」

まる子「ヒエエー!」

127: 2021/08/25(水) 15:06:39.50
山田「ヤクソクダジョwwwwwwwオイラトタップリアソブジョwwwwwサクラwwwwwww」

まる子「ぎゃああああっ」

たまえ「待ちなさい、山田!」

山田「ンア??」

たまえ「遊ぶならまるちゃんとじゃなくて私とじゃだめ?」

山田「ホナミトカーwwwwwwwwwモチロンwwwwwwイイジョwwwwwww」

たまえ「まるちゃん、今のうちに早く逃げて」

まる子「で、でも、たまちゃんが……」

たまえ「私なら大丈夫だから、ほら早く!」

まる子「たまちゃん……うぅ」

山田「アソホwww゙アソホwww゙アソボwwwwwwンゴwwwwww」

129: 2021/08/25(水) 15:06:55.63
まる子「ごめん、たまちゃん」ダッ

山田「チャンバラゴッコノwwwwwwwツヅキヲヅルジョwwwwww」

シュパ

たまえ「きゃああっ! いたいっ」


まる子「たまちゃん!」

まる子「だめだ、やっぱりたまちゃんを置いてなんか行けないよ」

まる子「山田ぁ!」

山田「オヤwwwwwwwサクラモイッショニwwwwwwwアソビタクナッチャノカイ"??wwwww」

山田「ダイwwカンwwwゲイwwダヨwwwww」

たまえ「まるちゃん……」

まる子「もういいよ。こうなったら二人で覚悟を決めよう」

山田「ソリャーwwwwwウチクビダァァーwwwwwww」

まる子「さよなら、たまちゃん!」
たまえ「さよなら、まるちゃん!」

130: 2021/08/25(水) 15:07:10.62
ガシッ

山田「ンアッ?」

野口「……」

まる子「野口さん!?」

たまえ「野口さん、山田の腕なんかつかんでちゃ危ないよ!」

まる子「そ、そうだよ! 早く逃げなきゃ八つ裂きにされちゃうって!」

山田「ノグチモwwwwwwオイラトwwwwアソンデクレルノカイ?wwwww」

山田「ウレジイ"ナァ"wwwwwwwwwww」

野口「やまだぁー」

山田「アハハハハハwwwwwガハハハハwwwwwwアババババ」

野口「おだまり」

ドスッ

山田「ババ、アガッ……!!」

バタッ
山田「」

野口「安着確認、クックックッ」

132: 2021/08/25(水) 15:07:26.72
まる子「ちょっと、ちょっと、大丈夫?」

野口「心配いらないよ」

野口「少し当身を食らわせただけだからネ」

まる子「野口さんの心配してるんだよ」

たまえ「そうだよ。ケガとかなかった?」

野口「別に」

まる子「なら、よかった」

野口「私より深刻な事態の人が他に結構いるけどね」

野口「クックック」

まる子「そ、そうだ。早くこのこと知らせないとー!」

134: 2021/08/25(水) 15:07:41.81
数分後
教室

ザワザワ

まる子「クラスのみんな、大体戻ってきたみたいだね」

たまえ「うん、みんな一目散に逃げ出したもんね」

先生「……」

丸尾「先生もまだ気絶したままでしょう」

丸尾「みぎわさんが他の先生に連絡して救急車を呼びに行ってくれていると」

丸尾「思いますので、もうしばらく辛抱してください、先生」

ブー太郎「大変だブー」

ブー太郎「はまじがまだ戻って来ないブー!」

藤木「永沢君もいないよぉ!」

丸尾「何ですって!?」

136: 2021/08/25(水) 15:07:55.57
まる子「心配だねぇ」

たまえ「うん。何事もなくまだどこかに隠れてるだけならいいけど」

関口「しかし、本当に怖かったな」

関口「俺さ、大急ぎで別の階に逃げたぜ。山根はどうした?」

山根「僕は案の定胃腸が痛くなったから必氏にトイレに駆け込んだよ」

山根「今回ばかりは弱い胃腸が幸いしたよ」

小杉「俺は給食センターに避難したぜ」

キートン:わざわざ報告しなくても皆知っている

138: 2021/08/25(水) 15:08:17.80
みぎわ「お待たせ。臨時の先生連れてきたわ」

丸尾「おお。お待ちしておりました」

他クラスの先生「何てことだ。戸川先生、しっかりしてください」

先生「……」

他先生「救急隊員の方が来てくれましたよ。それではお願いします」

隊員「はい。搬送するぞ」

他先生「君ら生徒たちはしばらくこの教室で待機してるんだよ」

ブー太郎「先生、はまじと永沢がまだ見つかっていませんブー」

みぎわ「その二人ならもう見つかって病院に搬送されていったわ」

まる子「えぇ!?」

141: 2021/08/25(水) 15:08:32.75
丸尾「それは本当ですか!? みぎわさん」

ブー太郎「それではまじはどうなったんだブー!?」

藤木「永沢君は無事なのかい!?」

みぎわ「永沢君は身体に大やけどを負ったみたいだけど」

みぎわ「救急隊員の人の話によれば命に別状はないみたいよ」

藤木「ふぅ、よかった……」

みぎわ「ただ、浜崎君は……ぐすっ」

まる子「はまじはどうしたのさ、みぎわさん!」

みぎわ「身体中めった刺しにされててもう息はないって……ううぅ」

まる子「そ、そんなぁ! はまじが……はまじが」

142: 2021/08/25(水) 15:08:49.40
関口「嘘だろ、はまじが氏んだなんて俺はぜってえに信じないぞ!」

関口「信じないからな……うわああん」

ブー太郎「ブヒョー、はまじぃぃブヒー!!」

丸尾「ズバリ、ショッキングでしょう! うぅぅ」

たまえ「あのはまじが……ま、まるちゃん」

まる子「……うわあああん、はまじぃぃ!」

クラス一同「うわああああん」

キートン:これだけクラスメートの涙を誘うはまじも中々のものである

145: 2021/08/25(水) 15:09:07.79
藤木「みんなもうよそうよ!」

まる子「藤木?」

藤木「浜崎君のことはとても残念だったけど」

藤木「だからといっていつまでも僕たちが悲しんでいたら」

藤木「それこそ亡くなった浜崎君に申し訳がないよ」

藤木「ここは泣いてないで、無事助かった永沢君と先生の一刻も早い回復を」

藤木「願うべきなんじゃないかな……」

大野「そうだな、藤木の言うとおりだ。今悲しんでても何にもならねえ」

杉山「まずは助かった奴らの回復を先に考えてやることかもしれねえな」

147: 2021/08/25(水) 15:09:24.06
とし子「そうだね。それが何よりもはまじへの供養になるかもしれないしね」

山根「藤木君、君は普段大人しいのにここぞのときは意外としっかりしたこと言うなあ」

小杉「そうだね。俺も正直君のこと見直したよ、藤木君」

まる子「ありがとう藤木。少しだけ心が救われたよ」

藤木「よしてくれよ、僕はただケガをした永沢君たちが心配で」

笹山「藤木君って頼りになるわね」

城ヶ崎「本当。こういう状況であんなこと簡単に言えないわ」

藤木(えへへ。何が幸いするかわからないもんだなぁー)

150: 2021/08/25(水) 15:09:47.87
長山「おい、みんな。大事なこと忘れてないか」

まる子「え?」

長山「あれからずっと山田君を放っておいているじゃないか」

まる子「あー、そうだった!」

たまえ「まさか、また起き上がってどこかで暴れまわってるんじゃ」

野口「心配いらないよ」

まる子「野口さん!」

野口「今さっき、先生たちが一緒に呼んだ警察に引き渡してきたよ」

山根「何だって。野口がかい?」

野口「そうだよ」

まる子「まさか警察が到着するまでずっと気絶した山田に張り付いてたの?」

野口「まあね。結局、到着するまで起きなかったけどね、クックックッ」

151: 2021/08/25(水) 15:10:04.78
前田「あの、先生。これから山田はどうなるんですか?」

他先生「そうだなぁ」

他先生「今だと何とも言えないが」

他先生「君たちの言うとおり、あの三人に危害を加えたのなら」

他先生「どこかの施設に送られるか、少年院に入るかとか」

まる子「少年院……。想像付かないね」

たまえ「うん。何か怖いね」

花輪「山田君は人を一人殺めてしまったからね」

花輪「少なくとも今までと同じ生活はそうそう訪れないと考えざるをえないよ、ベイビー」

たまえ「でも、山田ってひまわり組に入ってたよね。そこのところどうなんだろう」

ブー太郎「ふんっ、はまじを頃した奴に同情なんかするもんかブー」

関口「そうだ。あんなキチガイ、特別学級といわずどこかに転校すればよかったんだ」

152: 2021/08/25(水) 15:10:18.97
さくら家

まる子「今日は本当に大惨事だったよ」

すみれ「浜崎さんのご家族も哀しいってものじゃないわね」

さきこ「山田のお家の人も複雑でしょうね」

まる子「うん」

友蔵「とにかくまる子に何もなくて本当によかったよ」

まる子「結構危なかったんだけどね。たまちゃんもちょっとケガしてさ」

すみれ「まあ」

ヒロシ「だーかーら、もっと早めにあの山田とかいう生徒を隔離しておくべきだったんだァ」

153: 2021/08/25(水) 15:10:31.98
ヒロシ「前々から他の子供と様子が違って思ってたんだ」

友蔵「そうじゃのう。あの子はいつも様子がおかしいからのう」

キートン:それはあんたも同じである

ヒロシ「まる子も今度からああいう系統の子供とは」

ヒロシ「金輪際関わるんじゃねえぞ」

まる子「う、うん」

こたけ「ヒロシ、何もそんな差別するような言い方はしなくてもいいんじゃないのかい」

すみれ「そうよ。そういうお子さんには色々な事情があるんだから」

ヒロシ「何だお前ら、山田の肩持つのか?」

155: 2021/08/25(水) 15:10:52.74
ヒロシ「いいか。一歩間違えばはまじの代わりにまる子が殺されてたかもしれねえんだぞ」

ヒロシ「人間な、いつまでもそんな甘い考えで生きてたら」

ヒロシ「命がいくつあっても足りねえってんだ」

グビ

ヒロシ「母さん。もう一本酒だ」

さきこ「まあね。お父さんのいうとおりそこらへん割り切んなきゃいけないのかもね」

すみれ「それにしたってねぇ」

友蔵「山田君みたいな可哀そうな子たちには犬のようにヒモで繋いであげるようにしたらどうじゃろう」

まる子「そ、そうだね」

キートン:あんたが一番可哀そうだよ、と思うまる子たちであった

157: 2021/08/25(水) 15:11:10.68
キートン:そして、あの惨劇から数か月が経った

キートン:軽傷だった戸川先生も無事復帰し

キートン:まる子のクラスの誰しもがあの出来事を忘れようと必氏に学校生活を送っていた

キートン:そんなある日

学校

たまえ「ねえ、まるちゃん。聞いた?」

まる子「何を?」

たまえ「山田が少年院に送られたっていう噂」

まる子「そうなの!?」

たまえ「私も詳しくはわからないけど」

158: 2021/08/25(水) 15:11:23.28
まる子「何か複雑だね」

たまえ「うん。どうすればいいかわからないよね」

関口「ふんだっ。山田なんてな、そのまま氏刑になっちまえばいいんだよ」

まる子「ちょっと、関口。何もそんな言い方はひどいんじゃないの?」

関口「ひどいもんか! 山田ははまじを頃したんだぞ。山田のがずっとひどいだろ」

まる子「そ、そりゃそうだけど。山田だってずっと前までは同じクラスメートだったんだし」

まる子「あの時だって、ただ私たちと遊びたかっただけで悪気があった訳じゃないかもしれないじゃん」

丸尾「ではさくらさん、あなたはそんな理由で命を落とした浜崎君の身になることができるのですか?」

160: 2021/08/25(水) 15:11:36.05
まる子「うぅ」

丸尾「そもそも、あなたも特別学級に行った山田君を邪険にしてたはずです」

まる子「そ、それは」

丸尾「ズバリ、今さら偽善者ぶるのはやめるべきでしょう!」

たまえ「もう、よそうよ。またあの事件を蒸し返して言い争いするのは。約束でしょ」

関口「お、おう」

ガラガラガラ

永沢「……みんな、おはよう」

161: 2021/08/25(水) 15:11:48.54
関口「永沢、退院したのか」

永沢「ああ、何とかね」

永沢「とはいえ、範囲がそれなり広かったもんだから」

永沢「僕のやけどの傷跡は完治することはないって」

永沢「担当の医師に言われたんだけどね、アハハ……」

まる子「な、永沢……」

山根「元気を出せよ、永沢君。確かにやけどを負ったのは不幸なことだけど」

山根「そこはあえて命が助かっただけでみっけものだと喜ぶべきだよ」

小杉「山根君の言うとおりだよ。浜崎君と比べれば君のケガなんてさ」

永沢「病院で聞いたよ。僕も残念だよ、浜崎君ともう会えないなんてな」

藤木「まったくさ。でも、永沢君が無事に退院できて本当によかったよ」

164: 2021/08/25(水) 15:12:06.71
永沢「藤木君、君はよくもぬけぬけとそんなこと言えるな」

藤木「ええっ。一体どうしたんだい、永沢君」

永沢「まだしらばくれる気かい?」

永沢「あの日、僕と君とで山田君から逃げていた時、君は自分だけ」

永沢「空き教室に避難しただろ。そばで逃げてる僕を置き去りにして!」

藤木「えぇ! あ、あれは」

永沢「しかも何度も扉を叩いて入れてくれと頼んだのに君は助けてくれなった」

永沢「おかげで僕は一生消えない傷を心と体に負ったんだぞ!」

藤木「ち、ちがっ。あのとき僕は必氏だったし、てっきり永沢君は違う場所に逃げたって思ったから」

関口「なんだよその話」

ブー太郎「聞いてないぞ、藤木!」

167: 2021/08/25(水) 15:12:28.44
丸尾「つまり藤木君は自分だけ助かりたいがために友達を見捨てたということですね」

永沢「簡単に言えばそうなるね。まったく筋金入りの卑怯者だね、君は」

永沢「今回ばかり僕も怒りを通り越して感服したよ」

藤木「ま、待ってくれよ。永沢君、僕はぁ」

小杉「この期に及んで言い訳なんて本当に卑怯だな」

山根「藤木君。君の卑怯は一体いつ治るんだよ!!」

丸尾「ズバリ、藤木君の卑怯もやけどと同じで完治しないでしょう」

関口「あーあ、はまじじゃなくて藤木が氏ねばよかったのによお」

ブー太郎「ブーブーブー」

笹山「最低だわ」

藤木(うわあああああああ!! みんなぁ、誤解なんだよおぉー!)

168: 2021/08/25(水) 15:12:53.09
先生「皆さん、どうしました」

先生「授業を始めますので席についてください」

クラス一同「はーい」

先生「おっ。今日は永沢君もいますね」

先生「やはり、クラス全員そろうとみんな気分がいいですね」

藤木「……」

キートン:気分が悪いのが約一名いる

先生「それでは早速、教科書の三十頁を開いてください」

まる子(やっぱり、みんなあの事件忘れられないんだろうなぁ)

まる子(そりゃそうだよね……)

169: 2021/08/25(水) 15:13:10.34
他先生「戸川先生、授業中すみません」

先生「おや。どうしました?」

他先生「ちょっといいですか」

先生「はい。皆さん、すぐ戻りますのでそのまま大人しくしていてください」



たまえ「戸川先生どうしたんだろうね?」

まる子「廊下に出て行っちゃったね。何の話だろう」

ザワザワザワ

丸尾「皆さん、お静かに!」

丸尾「先生に言われたとおり大人しくしていてください」

まる子(本当になんだろうね?)

173: 2021/08/25(水) 15:13:34.76
まる子(廊下から少しだけ先生たちの声が聞こえるね)


先生『えぇー、それは本当ですか!?』

他先生『はい』

先生『何でまた。そんなことに』

他先生『このことはくれぐれも生徒たちに吹き込まないようにしてください』

他先生『後々、報道などでわかってしまうでしょうけど』

他先生『今話すとパニックになってしまうことがあり得ますので』

先生『わ、わかりました。私も十分警戒します。それでは』


まる子(何だろう? 先生慌ててる感じだけど)

まる子(さっぱりわからないや)

まる子(まあ、いっか)

先生「皆さん、お待たせしました。それでは授業を再開しましょう」

たまえ「まるちゃん。なんだか先生顔青いね」

まる子「うん」

175: 2021/08/25(水) 15:13:52.69
放課後

たまえ「それじゃあね、まるちゃん」

まる子「うん、バイバイたまちゃん。また明日ねー」

まる子「さてと、家に帰ったらお菓子食べながらゴロゴロしよっかな」


さくら家

まる子「ただいまー」

すみれ「あら、まる子。今帰り」

まる子「うん。あれ、お母さんどこか出かけるの」

すみれ「ええ。今日は同窓会に行くから家を空けるって言ってあったでしょ」

まる子「そうだったっけ。おじいちゃんたちも老人会で遅いしお姉ちゃんはよしこさんの家にお泊りだから」

まる子「なんだ。今日はあたし一人で留守番かー」

すみれ「そうよ。おじいちゃんたちが帰ってくるまでしっかりお留守番しておくのよ」

まる子「はーい」

177: 2021/08/25(水) 15:14:06.52
キートン:一方、その頃藤木は

藤木「はあ、今日は誰も一緒に僕と帰ってくれない」

藤木「退院したのに永沢君も今日一日全然口を利いてくれないし」

藤木「笹山さんには冷たい目で見られるし」

藤木「ハァー、どうして僕ってこうなんだろう」

藤木「氏にたい気分だよ……」


「  フジ…ク…ン  」


藤木「ん? なんだろう、この声?」


「   フジキクーン    」


藤木「僕の名前? 段々近づいてくるぞ」

藤木「そうか。永沢君、僕のこと許してくれたんだね。おーい、永沢く」



藤木「えっ」

179: 2021/08/25(水) 15:14:23.11
さくら家


ジリリリリ

まる子「お母さん、電話ぁー」

まる子「あ、そっか。今日はあたし一人なんだっけ」

まる子「もう、しょうがないなぁ」

ジリリリリ

ガチャ

まる子「はい、もしもし。さくらですけど」

『モシモシwwwwwサクラwwwwwwwヒサシブリwwwwwwwww』

まる子「え。もしもし? 失礼ですがどちら様」

『オイラダヨwwwwwwオイラwwwwwwwヤマダダヨwwwwwwww』

まる子「やまだ……?」

181: 2021/08/25(水) 15:14:39.87
『ピンポーンwwwwwwwwwダイセイガイ"wwwwwwwww』

まる子「あはは、そんなまさか」

まる子「だって山田は少年院にいるって。なのにそんなおかしなこと」

『ホントwwwwwwwwオカシイネェ"wwwwwwwwwアハハハハwwwwwwww』

まる子「……」

まる子「や、山田、今どこからかけてるのさ?」

『フジキクンノwwwwwwオウチノデンワカラダジョーwwwwwwアガガガガwwwwwwww』

まる子「藤木の!?」

『ソダヨwwwwwwwwwネェ?wwwwwwフジギグン"wwwwwwwwwwンゴwwwwwwwwwwww』

藤木『……さ……くら……ぁ……たす……け』

まる子「ちょ、ちょいと藤木。どうしたのさ? 今そこにいるの!? ねえ藤木ったら」

山田『ンガアアアアアwwwwwwww』

184: 2021/08/25(水) 15:14:59.64
山田『イマカラwwwwwwサクラノイエwwwwwwwwwニイクジョwwwwwwwww』

まる子「あたしの家に行くって。ちょっとあんた何を言って」

山田『マエニ"イッタジャナイカァ"wwwwwwww』



『ザグラ"ノトコロヘ     アゾビニ"イグッテ     』



ガチャ

ツーツー

189: 2021/08/25(水) 15:15:18.09
まる子「山田」

まる子「逃げたんだ」

まる子「少年院から」

まる子「そんでもってあたしんち来るって……」

まる子「ひええええええー、どうしようー!」

まる子「急いで逃げなきゃ、いや、このまま家に閉じこもってた方がいいかな」

まる子「と、とにかく、玄関の鍵をしめに行かなきゃ」

トントン

まる子「えっ」




  サークーラー


         アソビニキタジョー



おわり

166: 2021/08/25(水) 15:12:26.04
これさくらももこの実体験ってマ?

188: 2021/08/25(水) 15:15:11.60
これが10年前検索してはいけない言葉wikiに乗っていたという事実

引用元: まる子の母「夏休みだし、まる子には水だけ与えて生活させましょう」