1: 2012/12/02(日) 17:52:27.84
後輩「デートとは呼びません」

先輩「じゃあ、遊びに行こうぜ」

後輩「いつですか」

先輩「今から」

後輩「どこに?」

先輩「色々」

7: 2012/12/02(日) 17:56:20.33
後輩「先輩はいつもそうやって、計画性がなく行き当たりばったりで」

先輩「いいじゃんよー。いこうよー」

後輩「私がいないとダメなようなので、ついてってあげます」

先輩「よっしゃ」

後輩「でも」

先輩「?」

後輩「なんで私なんですか?」

13: 2012/12/02(日) 17:59:52.98
先輩「なんで、って。なんで?」

後輩「だって、お友達ならたくさんいるじゃないですか」

先輩「おう」

後輩「どうして、わざわざ私なんですか?」

先輩「んー、偶然そこにいたから」

後輩「……そう、ですか」

先輩「あれ、もしかして嫌だった?」

後輩「べ、別にそんなことありません」

16: 2012/12/02(日) 18:02:46.05
先輩「じゃあ、行こうぜ」

後輩「はい」

――――――――――――――――

先輩「と、学校を出たはいいけどさ」

後輩「やっぱりどこに行くか、考えてないじゃないですか」

先輩「だって、後輩ちゃんが行きたいとこなんて、思いつかなかったんだもん」

後輩「え、私の?」

先輩「さっき、デートっつったじゃん」

18: 2012/12/02(日) 18:08:09.57
後輩「な、デート……」

先輩「そうだぜ?行きたいとこに付き合ってあげるのが、彼氏の役目でしょ?」

後輩「か、彼氏って…!私達女同士だし、第一そういう関係じゃないし…!」

先輩「だから、役だって。なに照れんのさ」

後輩「だ、だって…」

32: 2012/12/02(日) 18:24:13.29
先輩「こっちまで恥ずかしくなってくるじゃん」

後輩「……じゃあ」

先輩「じゃあ?」

後輩「学校の坂を下りて行ったところに、新しくできた喫茶店があるじゃないですか」

先輩「うん。そこに行く?」

後輩「はい」

35: 2012/12/02(日) 18:29:19.96
『いらっしゃいませー』

先輩「へえ、いい雰囲気だね」

後輩「前から来てみたかったんですけど、一人じゃちょっと」

先輩「後輩ちゃんって、そういうの気にする子だったっけ?」

後輩「ええ、まあ」

先輩「ふうん。メモっとこ」

37: 2012/12/02(日) 18:34:28.08
『今日は何に致しましょう』

先輩「後輩ちゃんはどうする?」

後輩「じゃあ、オレンジペコで」

先輩「私も同じもので」

『かしこまりました』

先輩「紅茶の名前なんてわかんないからさ、後輩ちゃんに便乗しちゃった」

後輩「……ふふっ」

先輩「あ、やっと笑った」

39: 2012/12/02(日) 18:39:57.92
後輩「え?」

先輩「さっきまで、表情硬かったから。いつもの後輩ちゃんなら、もっと感情表現豊かでしょ?」

後輩「そんなの、気のせいですよ」

先輩「ほら、そーやって。別に緊張することなんてないのにさ」

後輩「うぅ……」

先輩「ほら、こーやって」グイッ

後輩「ちょ、なにを」

先輩「口角のマッサージしてあげてんの」

42: 2012/12/02(日) 18:42:59.54
後輩「よ、余計なお世話ですっ」

先輩「あ、いつものツンデレな後輩ちゃんに戻った」

後輩「ツ、ツンデレ!?」

先輩「うん。いつもグチグチ言いながら、私の世話焼いてくれるでしょ?」

後輩「そんなつもりは」

先輩「ありがとね」

後輩「……っ!」

47: 2012/12/02(日) 18:49:53.07
後輩「先輩に、お礼を言われるようなことをした覚えはありませんっ」

先輩「ははっ、照れてやんの」

後輩「て、照れてません!」

先輩「ははは。あー、かわいいなあ」

後輩「むー」

『お待たせいたしました。オレンジペコです』

先輩「お、可愛いカップ」

後輩「良い香り」

『学生さんですよね。えっと、この坂の上の』

先輩「花深台女子です」

『そうそう。花深台の生徒さんには、お世話になってますよ』

48: 2012/12/02(日) 18:54:30.33
後輩「うちの生徒がよく来るんですか?」

『それはもう。おかげで繁盛してますよ。特に、お二人さんみたいなカップルのおかげで』

後輩「な、カップルだなんて」

『あれ、違うんですか?ごめんなさい。てっきりそういうことだと』

先輩「いや、そういうことですよ」

後輩「ちょ、先輩までっ」

52: 2012/12/02(日) 18:59:38.04
先輩「ウチは、女子校だとしても、ちょっと多いくらいですからね。私達も例に漏れず」

後輩「も、もう!怒りますよ!」

先輩「もう怒ってんじゃん」

『ふふふ、仲が良いんですね』


後輩「うう…変な勘違いされちゃいました」

先輩「嫌だった?」

53: 2012/12/02(日) 19:02:55.12
後輩「え、そんなこと」

先輩「どっち?」

後輩「別に、嫌じゃないです…」

先輩「それはよかった」

後輩「?」

先輩「私さ、ごくたまにだけど『後輩ちゃんが私の事どう思ってるのか』が気になるんだよね」

54: 2012/12/02(日) 19:07:21.08
後輩「え?それって、どういう」

先輩「そのまんまの意味だよ。嫌われてないかとか」

後輩「…私も」

先輩「?」

後輩「私も気になります、先輩にどう思われてるのか」

先輩「……好きだぜ?」

55: 2012/12/02(日) 19:11:08.93
後輩「なっ……!!」

先輩「……」ズズズー

後輩「……」

先輩「なんで絶句してんの?紅茶冷めちゃうぜ?」

後輩「あ、あの、それはどういう意味で?」

先輩「色々」

57: 2012/12/02(日) 19:16:25.89
先輩「後輩としては唯一無二の存在、無論、友達としてもまた然り。だよ」

後輩「後輩、友達……」

先輩「他には?って顔してるね」

後輩「っ!!」

先輩「期待してるのは、恋愛対象っていう意味での、好きってことかな?」

58: 2012/12/02(日) 19:20:25.43
後輩「ち、違います!」

先輩「嘘だね。中等部の頃からの付き合いだぜ?後輩ちゃんのことなんて、手に取るようにわかる」

後輩「私は、先輩がわかりません……いつも飄々として、私の事振り回して」

先輩「恋は盲目っていうからねえ」

後輩「恋だなんて」

先輩「私も、はっきりしないのは嫌な性質だからさ」

59: 2012/12/02(日) 19:26:27.97
先輩「この際、単刀直入に言わせてもらうけど

   後輩ちゃんって私の事好きだろ」

後輩「……ずるいですよ。先輩」

先輩「なにが?」

後輩「私の気持ちを聞き出そうとするくせに、自分の気持ちは、教えてくれないんですね」

先輩「だって、恥ずかしいじゃん」

64: 2012/12/02(日) 19:31:53.39
後輩「やっぱり、ずるい」

先輩「……」

後輩「じゃあ、先輩」

先輩「んー?」

後輩「私が先輩の事、嫌いっていったらどうするんですか」

先輩「う……お、落ち込むよ?」

後輩「それだけ?だったら、今すぐ落ち込んでくださいっ」

先輩「い、いやっ……氏ぬほど落ち込むっ!舌噛んで氏んじゃうぞ?」

68: 2012/12/02(日) 19:38:45.84
後輩「やっぱり、先輩の方こそ、私の事が好きなんじゃないですか?」

先輩「……あー、もう。そうだよ」

後輩「あ、開き直った」

先輩「ていうかもう、お互いに言ってるようなもんじゃん。なにこれ、茶番だよ」

後輩「考えてみれば、そうですよね」

先輩「好きじゃなかったら、こんな事言わないし、ごまかそうとも思わないじゃん」

69: 2012/12/02(日) 19:42:51.99
先輩「ていうか、後輩ちゃんしかいないし」

後輩「私も、そうです」

先輩「いちいち確認し合わなくても、お互いわかってるし」

後輩「でも」

先輩「でも?」

後輩「私は、告白したいし、されたいです」

70: 2012/12/02(日) 19:46:31.81
先輩「あー、あー、あー」

後輩「先輩?」

先輩「私ってこんなキャラだったっけ?あー、なんでだろ」

後輩「どうしたんですか」

先輩「顔がすげえ熱い」

71: 2012/12/02(日) 19:51:17.18
後輩「別に、先輩のそういう、女の子らしいとこ見るのも

   初めてじゃないですし」

先輩「きゃー、なにこれ。私口説かれてんの?」

後輩「先輩のそういう一面も、す、好きです」

先輩「と、ときめいた?」

後輩「は、はい」

73: 2012/12/02(日) 19:55:56.20
先輩「私も、なんだかんだ包容力のある後輩ちゃんは、き、嫌いじゃないぜ?」

後輩「ちょっと。先輩、私より恥ずかしがりじゃないですか」

先輩「う、うるさいなー。好きだなんて、恥ずかしくて言えないでしょーが」

後輩「それ、好きって言ってるのと一緒ですよ」

先輩「ち、ちげーし」

後輩「じゃあ先輩は、私の事好きじゃないんですか」

先輩「そうはいってないでしょーが」

後輩「じゃあ、言葉でちゃんと伝えてください」

76: 2012/12/02(日) 20:00:21.03
先輩「わ、わーったよ」

後輩「……」

先輩「…後輩ちゃん」

後輩「…はい」

先輩「好きです。付き合って下さい」

後輩「……こちらこそ、よろしくお願いします」

78: 2012/12/02(日) 20:05:18.12
『お代は結構です』

後輩「え?どうしてですか?」

『いいものを見させていただきましたから』

先輩「……冷静に考えると、私達すごく恥ずかしい会話をしてたんだな」

『いえいえ、可愛かったですよ。お二人とも。またのご来店を』

――――――――――――――――――――――――――――――――――

先輩「暗くなってきたな」

後輩「はい」

先輩「帰ろうか」

後輩「そういえば、手を繋いで歩くのは初めてですね」

81: 2012/12/02(日) 20:11:54.60
先輩「これ、恋人つなぎっていうんだぜ?」

後輩「ふふ、知ってますよ」

先輩「また来よう。店の名前は確か」

後輩「『りりうむ』です」

先輩「そうそれ」

―――――――――――――――――――

『ウチの店ってやっぱり、ジンクスあるよなー』

『土地か?風水か?それとも店の名前?』

『まあ、いいものが見れるから、いいんだけど』




おしまい

82: 2012/12/02(日) 20:13:46.00
あとは煮るなり焼くなりしろホ〇共め

83: 2012/12/02(日) 20:14:21.08
すげぇ捨て台詞だ・・・


引用元: 先輩「デートしよっか」後輩「女の子同士ですよ?」