1: 2012/12/05(水) 02:11:41.24
杏子「ほむらー」

ほむら「佐倉杏子……わざわざ人の家まで来て、何の用?」

杏子「けっ、愛想のなさは相変わらずだね」

ほむら「余計なお世話よ」

杏子「一晩でいいんだ、泊めてくれ。寝るだけでいい。頼む」

ほむら「……常識というものを何も知らないのね」

杏子「あん?どうすりゃいいんだよ。土産の一つでも渡せばいいのかい?」

ほむら「そんな話はしていないわ。もっと事前に連絡するとか、色々あるでしょう?」

杏子「あー、そういうことか。それは無理だね」

ほむら「そう。ではこちらの出す答えも同じよ」

杏子「違うって。ほら、外見てみなよ」

ほむら「外……? って、雪? すごい吹雪ね……」

杏子「ああ、マミの家に向かう途中で急に強くなってきやがった。これじゃ辿り着けそうもない」

ほむら「それで一番近かった私の家へ?」

杏子「まあ、そんなとこだよ」

10: 2012/12/05(水) 03:38:26.22
杏子「ふー凍え氏にそうだよ」

ほむら「大丈夫よ、魔法少女は簡単には氏なないわ」

杏子「いや、無理だって!だって外すげえ寒いし、ソウルジェムも滅茶苦茶濁るし!」

ほむら「わかったわ」

杏子「おっ、泊めてくれるの?」

ほむら「はい、ダンボールと毛布よ、これで凍える夜を耐えてちょうだい」

杏子「おい!」

12: 2012/12/05(水) 03:45:57.43
杏子「仲間だろ!友達だろ!なっ、ほむら!」

ほむら「勘違いしないで、あなたとは利害が一致して一時的に組んだだけよ。仲間でも友達でもないわ」

杏子「えっ、そうなの…。あたしは友達だと思っていたのに…」

ほむら「えっ」

杏子「…じゃあいいよ、ほむらには頼らない」

杏子「…じゃあな」

杏子「…」

ほむら「わかったわよ、今日だけよ。だから捨てられて犬みたいな目をするのは止めて」

杏子「やったー!恩にきるよほむら!」

13: 2012/12/05(水) 03:49:11.64
杏子「それじゃあおじゃまします!」

杏子「暖房が効いてる!金持ちはいいな」

ほむら「寝泊まりするだけよ」

杏子「なあ、晩御飯は?」

ほむら「おい」

16: 2012/12/05(水) 03:55:20.96
ほむら「まあいいわ。はい、カップラーメン」

杏子「ええ晩御飯にカップラーメンかよ」

ほむら「杏子、ちょっとは遠慮とかいうものを考えないの?」

杏子「ほむらの晩御飯もカップラーメンだったのか?」

ほむら「ええそうよ」

杏子「それじゃあ、不健康だし、足らないだろ」

ほむら「あとカ口リーメイト」

杏子「本当に不健康だな!」

20: 2012/12/05(水) 03:59:48.79
杏子「しゃあない、あたしがなんか作るか」

杏子「えーと冷蔵庫の中身はと」

ほむら「勝手に人の家の冷蔵庫を開けないでよ」

杏子「冷ご飯に、卵、ミンチ肉、ニンジン、玉ねぎ、コーンの缶詰…焼き飯でも作るか」

ジュジュー

ほむら(台所から良いにおいがする…)

32: 2012/12/05(水) 04:05:55.64
杏子「はいできあがり!」

ほむら(美味しそうね…)

杏子「いただきまーす!」

ほむら「ちょっと、私の分は!?」

杏子「その必要はないわって、言われると思って用意しなかった」

ほむら「ああ、今外に出ると寒いでしょうね、雪もだいぶ降ってることだし」

杏子「冗談だよ、冗談!だから、追い出さないで!」

39: 2012/12/05(水) 04:09:24.78
ほむら「いただきます…ほむほむほむ…」

杏子(何、その食べる時の音)

ほむら「意外と美味しいわね」

杏子「意外とか失礼だな」

ほむら「失礼続きの今日のあなたには言われてくないわよ」

47: 2012/12/05(水) 04:13:44.53
杏子「ふぅー食った、食った」

杏子「じゃあ、次はカップラーメン食べよっと!」

ほむら「まだ食べるの!?しかも不健康とか言ってたくせに!?」

杏子「それはそれ、これはこれ」

杏子「3分経つのまだかなー」

3分経過

杏子「美味しい!やっぱ寒い時に食べるカップラーメンは最高だな!スープも全部飲んじゃお」

ほむら「本当に不健康ね」

59: 2012/12/05(水) 04:20:51.78
ほむら「ごちそうさま」

杏子「ごちそうさま」

ほむら「それにしてもあなたが料理できるとは意外ね」

杏子「マミほどじゃないけど、それなりのものはできると思うぞ。ほむらは料理作るの?」

ほむら「私は作らないわね。効率的に考えて、作るよりすぐ食べれる物の方がいいわ」

杏子「それじゃあ男の子にモテないぞ♪ってマミが言ってた」

ほむら「別にかまわないわよ」

杏子「女の子にもモテないって言ってた」

ほむら「えっ!」

ほむら(料理のできない女をまどかはどう思うかしら…今度マミに料理を教えてもらった方がいいわね…)」

68: 2012/12/05(水) 04:26:30.20
杏子「ふぁー…おなかがいっぱいになった事だし、眠くなっちゃったな」

ほむら「杏子、布団に入る前にお風呂に入りなさい。あなた、雪の中を歩いてきたんだから汚いでしょ」

杏子「えっそこまでしてもらっていいの?」

ほむら「汚い体で布団に入ってもらいたくないだけよ」

杏子「いやいいよ、お風呂まで入らせてもらうなんて。そこまでほむらに迷惑かけられないよ」

ほむら「だから、汚い体で布団に入るなって言ってるでしょ!何でこんな時だけ遠慮するのよ!」

72: 2012/12/05(水) 04:33:38.27
杏子「まったく、ほむらも人が良すぎるな」

ほむら「ええ、まったくそのとおりだわ」

杏子「服はどうしよう」

ほむら「私のを使いなさい」

杏子「サイズ合うかな」

ほむら「だいたいの確率で合うと思うわ」

杏子「何故そう思う?」

ほむら「統計よ(私と杏子は胸が無いから、合うと思うなんて言えないわ)」

80: 2012/12/05(水) 04:47:23.83
杏子「おっ結構綺麗な浴室だな」

ほむら「お背中流しましょうか?」

杏子「なっ!ほむら!」

ほむら「体も洗ってあげるわよ」

杏子「やっ止めろ!どこ触ってんだ!」



杏子「…ってな具合になったりしないか心配だ!どうしよう!」

ほむら「心配無用よ。あなたが来る前に先に入ったわ」

86: 2012/12/05(水) 04:51:46.42
杏子「ふーさっぱりした」

ほむら「髪の毛バサバサね。ちゃんと乾かして整えなさいよ」

杏子「いいの、いいの。どうせ寝るだけなんだし」

ほむら「そんな事したら変な寝ぐせがつくし、髪の毛も痛むわよ」

杏子「へーき、へーき」

ほむら「もーいいから私の言う事聞きなさい!」

杏子「うわ!何すんだほむら!」

ほむら「あなたみたいに髪を大切にしない人を見るとイラっとくるのよ!伊達にファサッを毎回してないわよ!」

88: 2012/12/05(水) 04:58:57.01
ほむら「まず、ドライヤーをあてて」

杏子「熱っ!熱いぞほむら!」

ほむら「十分乾いたら、櫛でとかす」

杏子「なんか頭がむずかゆい!」


ほむら「どう綺麗になったでしょ」

杏子「おお!サラサラヘアーだ!」

ほむら「これであなたもファサッができるわよ」

杏子「ファサッ。ほんとだファサッができる!」

94: 2012/12/05(水) 05:11:32.26
ほむら「それじゃあ後は寝るだけね」

杏子「ええー!寝る前にゲームとかしたりテレビとか見ようぜ」

ほむら「早く寝ないと、私の場合起きれないのよ」

杏子「別にいいじゃん、明日遅くなってもさ」

ほむら「年中休みのあなたと違って私は学校があるのよ」

杏子「ちょっとだけな、ちょっとだけ」

ほむら「少しだけよ」

99: 2012/12/05(水) 05:18:12.65
杏子「おっしゃババ引いた!」

ほむら「ぬぅぅぅぅぅ!今度は神経衰弱よ!」


ほむら「記憶力は私の方が上のようね」

杏子「くそっ!今度はポーカーだ!」


ほむら「ロイヤルストレートフラッシュよ!」

杏子「あっ!ほむら!てめえ時間止めてカードを変えただろ!」


杏子「ああ楽しかったな」

ほむら「結局、遅くまで起きてしまった…」

101: 2012/12/05(水) 05:23:55.88
ほむら「それじゃあ今度こそ寝るわよ、ほんとうに」

杏子「わかってるよ」

ほむら「しまった、布団をクリーニングに出してたせいで、一人分しか布団がない!」

杏子「しかたねえな。誰にでもそういう事はある」

ほむら「ごめんなさいね」

杏子「それじゃあ、ほむらはソファーで」

ほむら「今度こそ追い出すわよ?」

103: 2012/12/05(水) 05:29:50.24
杏子「冗談だよ、冗談。もうパターンってわかるだろ」

ほむら「わかってても腹が立つわ」

杏子「それじゃあ、あたしはソファーで寝させてもらうよ。」

ほむら「それじゃあ、おやすみ」

杏子「おやすみ」

ほむら「…」

104: 2012/12/05(水) 05:33:59.46
杏子「くしゅん!」

ほむら「!」

ほむら(くしゃみかしら…)

ほむら「…」

杏子「くしゅん!」

ほむら(また…そういえば寒い中歩いてきたのよね)

杏子「ずずずっ」

杏子(鼻水まででてきた)

ほむら「ああもう!」

106: 2012/12/05(水) 05:39:47.93
ほむら「布団の中に入りなさい!」

杏子「えっ、でもほむらをソファーを寝させるわけにはいかないし」

ほむら「いつ私がソファーで寝ると言ったの!私とあなたでいっしょの布団で寝るのよ!」

杏子「そこまでしてもらうのは悪いよ…くしゅん!」

ほむら「何でこういう時だけまた遠慮するのよ!風邪でもひかれたらこっちが困るわ!」

108: 2012/12/05(水) 05:46:10.05
杏子「布団の中暖かい…」

ほむら「最初っから意地なんかはらなければ良かったのに…」

ほむら「聞いてるの杏子?」

杏子「ぐぅーぐぅー」

ほむら「寝るのはや!」

ほむら「まあいいわ、学校があるのだし私も寝ましょ」

ほむら「…」

杏子「すぴー」

ほむら「…眠れない」

109: 2012/12/05(水) 05:51:25.97
杏子「むにゃむにゃ、もう食べられないぜ…」

ほむら「べたな寝言を言いよって…」

杏子「くらえー…ろっそ…ふぁんたずまー…」

ほむら「ほんとうにうるさい…」

ほむら「ええい気にしては駄目よ。眠るのに集中しなくては…」

ほむら「まどかが一人、まどかが二人、まどかが三人、まどかが四人…」

112: 2012/12/05(水) 06:00:00.95
杏子「あたしたち…ゾンビに…されたような…もんじゃないか…」

ほむら「うるさくて眠れない!何で杏子を泊めてしまったのかしら…」

杏子「ほむらー…」

ほむら「えっ!?」

杏子「お前は…仲間だ…あぶない時は…助けてやるから…むにゃむにゃ」

ほむら「杏子…」

ほむら「ふぅー…今日ぐらいは許してあげるわ」

113: 2012/12/05(水) 06:03:16.33
杏子「おはよーほむら」

ほむら「ええ…おはよう…杏子」

杏子「どうした?元気ねえじゃん」

ほむら「何でもないわ…(結局少ししか寝れなかった)」

杏子「うん!?これは…」

ほむら「魔女の反応!」

115: 2012/12/05(水) 06:07:55.07
ほむら「すぐに行くわよ」

杏子「待ちな!ここはあたしに任せてくれ!」

ほむら「急にどうしたの?」

杏子「ほむらには学校があるだろ。それに昨日はたくさん世話になったしな」

ほむら「そう…ありがとう杏子。それじゃ今日は頼むわね」

杏子「お互い様さ。それじゃあ、ちょっくら倒してくる!」

ほむら「ちょっと待ちなさい杏子!あなた髪!」

117: 2012/12/05(水) 06:29:02.71

杏子「いいよ、今急いでるんだし」

ほむら「髪を結うほどの余裕もないの?」

杏子「あたし一人でやると時間がかかってしまうんだ。あたし不器用みたい」

ほむら「いいわ、私が髪を結ってあげる」

118: 2012/12/05(水) 06:34:30.83
杏子「いいよ、いいよ」

ほむら「だから前も言ったでしょ!何で私から言う時は遠慮するのよ!」

ほむら「それにお互い様でしょ」

杏子「それじゃあやってもらおっかな」

121: 2012/12/05(水) 06:42:20.84
ほむら「ほらできたわよ」

杏子「はやっ!ちゃんとできてるか鏡見ないと」

ほむら「信頼しなさい、それに急いでるんでしょ!」

杏子「そうだな、すぐに行かないと!」

ほむら「いってらっしゃい」

杏子「あっ、昨日はありがとう。色々楽しかった!」

ほむら「ええ、こちらこそ楽しかったわよ」

終わり

122: 2012/12/05(水) 06:44:28.94
おっさん「わたしも楽しかったです」

123: 2012/12/05(水) 06:45:26.02
俺も楽しかったよ、おっさんじゃないけど(ここ重要)

124: 2012/12/05(水) 06:51:11.89
ほむらさんに結ってもらう髪が無い

130: 2012/12/05(水) 08:09:56.36

引用元: ほむら「いいわ、私が髪を結ってあげる」