1: 2020/09/05(土) 18:00:17.387
DQN「昨日の格闘技は面白かったなー」
金髪「ホントなー、ほとんどの試合KOだったしよ!」
ピアス「テレビに釘付けだったぜ!」
ペチャクチャ…
DQN「あ、そうだ! この教室をリングにして、俺らも軽くスパーリングしようぜ!」
金髪「いーねー」
ピアス「さっそく机動かそうぜ!」
ガタガタ… ガタガタ…
女子A「またDQNたちが変なことやってるよー」
女子B「いいよ、ほっとこ」
金髪「ホントなー、ほとんどの試合KOだったしよ!」
ピアス「テレビに釘付けだったぜ!」
ペチャクチャ…
DQN「あ、そうだ! この教室をリングにして、俺らも軽くスパーリングしようぜ!」
金髪「いーねー」
ピアス「さっそく机動かそうぜ!」
ガタガタ… ガタガタ…
女子A「またDQNたちが変なことやってるよー」
女子B「いいよ、ほっとこ」
2: 2020/09/05(土) 18:04:13.825
DQN「おりゃあっ!」バチッ!
ピアス「ぐわっ!」
ピアス「いてて……参った、やっぱDQNはつえーわ」
DQN「まぁな。よーし、次は……」
オタク「……」カリカリ
DQN「おいオタク、なに描いてんだよ。いつもみたいにアニメのキャラか?」
オタク「ひっ、DQN君……」
DQN「あ、そうだ。いいこと思いついた……戦えやオタク」ニヤッ
オタク「ふぇ!?」
ピアス「ぐわっ!」
ピアス「いてて……参った、やっぱDQNはつえーわ」
DQN「まぁな。よーし、次は……」
オタク「……」カリカリ
DQN「おいオタク、なに描いてんだよ。いつもみたいにアニメのキャラか?」
オタク「ひっ、DQN君……」
DQN「あ、そうだ。いいこと思いついた……戦えやオタク」ニヤッ
オタク「ふぇ!?」
3: 2020/09/05(土) 18:06:35.749
オタク「いやボクは……」
DQN「いいからやれって! アニメばっか見てると体なまっちまうだろぉ~?」ガシッ
金髪「よぉし、俺が相手になってやらぁ!」
オタク「ううう……」
DQN「オラ、さっさと行け!」ドカッ
オタク「わわわっ……」
金髪「ほら、来いよ」
オタク「わーっ!」ブンッ
スコンッ
金髪「へ……?」ガクッ
DQN「いいからやれって! アニメばっか見てると体なまっちまうだろぉ~?」ガシッ
金髪「よぉし、俺が相手になってやらぁ!」
オタク「ううう……」
DQN「オラ、さっさと行け!」ドカッ
オタク「わわわっ……」
金髪「ほら、来いよ」
オタク「わーっ!」ブンッ
スコンッ
金髪「へ……?」ガクッ
4: 2020/09/05(土) 18:09:24.839
ピアス「なにダウンしてんだよ! あんなオタク相手に!」
金髪「あ、いや……」
DQN「……」
ピアス「次は俺だぁ! オラッ! ――オラァッ!」
バキッ! ガッ!
オタク「ギャッ! ひいいっ!」
DQN「……」
DQN(さっきの一撃……的確に金髪のアゴに当たってた。なんつう当て勘だ)
DQN(それに今も、殴られてはいるが、ピアスの攻撃に反応はできてる。いい反射神経してやがる)
DQN(こいつ、もしかして――)
金髪「あ、いや……」
DQN「……」
ピアス「次は俺だぁ! オラッ! ――オラァッ!」
バキッ! ガッ!
オタク「ギャッ! ひいいっ!」
DQN「……」
DQN(さっきの一撃……的確に金髪のアゴに当たってた。なんつう当て勘だ)
DQN(それに今も、殴られてはいるが、ピアスの攻撃に反応はできてる。いい反射神経してやがる)
DQN(こいつ、もしかして――)
6: 2020/09/05(土) 18:11:30.762
DQN「やめろ!」
ピアス「えっ!」ビクッ
DQN「おいオタク……」
オタク「ふぇ……?」
DQN「俺とやれ」
オタク「ボクはもう……」
DQN「いいから!」
オタク「ふぁ、ふぁい!」
ピアス「えっ!」ビクッ
DQN「おいオタク……」
オタク「ふぇ……?」
DQN「俺とやれ」
オタク「ボクはもう……」
DQN「いいから!」
オタク「ふぁ、ふぁい!」
7: 2020/09/05(土) 18:14:29.959
DQN「そらっ! そらっ!」
ビシッ! バシッ!
オタク「ぐっ……! ううっ……!」
DQN(このパンチで……見極める!)ブンッ
オタク「ええーい!」
バチッ!
DQN「ぐっ……!」
DQN(今のパンチ……カウンターになってた。もしオタクが本格的に鍛えてたら俺は今頃――)
ビシッ! バシッ!
オタク「ぐっ……! ううっ……!」
DQN(このパンチで……見極める!)ブンッ
オタク「ええーい!」
バチッ!
DQN「ぐっ……!」
DQN(今のパンチ……カウンターになってた。もしオタクが本格的に鍛えてたら俺は今頃――)
9: 2020/09/05(土) 18:17:19.097
DQN「……」
DQN「なぁ、オタク」
オタク「?」
DQN「俺と……世界獲ってみねえか!?」ギュッ
金髪「え……!?」
ピアス「なにいってんだよ……」
DQN「なぁ、オタク」
オタク「?」
DQN「俺と……世界獲ってみねえか!?」ギュッ
金髪「え……!?」
ピアス「なにいってんだよ……」
11: 2020/09/05(土) 18:19:49.929
オタク「……」
オタク「やるよ」
DQN「決まりだな」ニヤッ
金髪「えええええ!?」
ピアス「どういうことなの……」
…………
……
オタク「やるよ」
DQN「決まりだな」ニヤッ
金髪「えええええ!?」
ピアス「どういうことなの……」
…………
……
12: 2020/09/05(土) 18:22:25.822
DQN「ここは俺の知り合いがやってるジムでな」
DQN「好きに使っていいことになってる。もちろんお前もな」
オタク「う、うん」
DQN「じゃあ、あのサンドバッグ殴ってみろ」
オタク「えいっ! えいっ!」ボフッ ボフッ
DQN(やっぱり! こんな貧相な体なのに、なぜかいい打撃放ちやがる!)
DQN「どうだ、サンドバッグを殴った気分は?」
オタク「なんていうか……新しい扉を開いた感覚だよ」
オタク「まるで今まで食わず嫌いしてたアニメを見たら、とても面白かったというような――」
DQN「よく分かんねえが、目覚めたみてえだな」
DQN「好きに使っていいことになってる。もちろんお前もな」
オタク「う、うん」
DQN「じゃあ、あのサンドバッグ殴ってみろ」
オタク「えいっ! えいっ!」ボフッ ボフッ
DQN(やっぱり! こんな貧相な体なのに、なぜかいい打撃放ちやがる!)
DQN「どうだ、サンドバッグを殴った気分は?」
オタク「なんていうか……新しい扉を開いた感覚だよ」
オタク「まるで今まで食わず嫌いしてたアニメを見たら、とても面白かったというような――」
DQN「よく分かんねえが、目覚めたみてえだな」
13: 2020/09/05(土) 18:25:36.193
DQN「走り込みすっぞ!」タッタッタ…
オタク「うん!」タッタッタ…
タッタッタ…
DQN「な、なかなかスタミナあるじゃねえか……」
オタク「好きなアニメに出てくるダンスを、一時間以上踊り続けることもあるからね」
DQN「一時間……!?」
オタク「うん!」タッタッタ…
タッタッタ…
DQN「な、なかなかスタミナあるじゃねえか……」
オタク「好きなアニメに出てくるダンスを、一時間以上踊り続けることもあるからね」
DQN「一時間……!?」
14: 2020/09/05(土) 18:28:10.765
DQN「ミットに打ってこい!」
オタク「うん!」
バシッ! ビシッ! バシッ!
DQN「もっと腰を入れろ! 腕だけで打つな!」
オタク「えーいっ!」
バスッ!
DQN「よっしゃ、いいぞ! ナイスパンチ! もっともっと打ってこい!」
オタク「うん!」
バシッ! ビシッ! バシッ!
DQN「もっと腰を入れろ! 腕だけで打つな!」
オタク「えーいっ!」
バスッ!
DQN「よっしゃ、いいぞ! ナイスパンチ! もっともっと打ってこい!」
17: 2020/09/05(土) 18:31:05.994
DQN「スパーリングだ! 思いっきりかかってこい!」
オタク「うおおおっ!」
バキィッ!
オタク「ぐはっ……!」ドサッ
DQN「どうしたァ! そんなもんか!?」
オタク「うおおおおおっ!」ダッ
DQN(練習すればするほど、面白いように強くなる……こいつはとんだ原石だったぜ!)
オタク「うおおおっ!」
バキィッ!
オタク「ぐはっ……!」ドサッ
DQN「どうしたァ! そんなもんか!?」
オタク「うおおおおおっ!」ダッ
DQN(練習すればするほど、面白いように強くなる……こいつはとんだ原石だったぜ!)
18: 2020/09/05(土) 18:35:14.963
ワイワイガヤガヤ…
DQN「この大会は、プロ格闘家を目指す上では登竜門といわれる大会でな」
DQN「ここで上位に食い込めれば、プロ格闘家への道が開ける」
オタク「上位、か……」
DQN「?」
オタク「あのさ、優勝しちゃってもいいんだよね?」
DQN「フッ、もちろんだ!」
DQN「この大会は、プロ格闘家を目指す上では登竜門といわれる大会でな」
DQN「ここで上位に食い込めれば、プロ格闘家への道が開ける」
オタク「上位、か……」
DQN「?」
オタク「あのさ、優勝しちゃってもいいんだよね?」
DQN「フッ、もちろんだ!」
19: 2020/09/05(土) 18:38:44.545
大会が始まった――
相手「うおおおおおおおっ!」ブンブンッ
オタク「……」サッサッ
オタク「えいっ!」シュバッ
相手「あ、あら……? 足がもつれて……」ドサッ
DQN(すげえ……相手の攻撃を全て回避しつつ、一撃で仕留める……!)
DQN(やっぱり俺の目に狂いはなかった……!)
相手「うおおおおおおおっ!」ブンブンッ
オタク「……」サッサッ
オタク「えいっ!」シュバッ
相手「あ、あら……? 足がもつれて……」ドサッ
DQN(すげえ……相手の攻撃を全て回避しつつ、一撃で仕留める……!)
DQN(やっぱり俺の目に狂いはなかった……!)
20: 2020/09/05(土) 18:41:05.738
司会「優勝はオタク選手です!」
ワァァァァァ……!
DQN「やったな!」
オタク「うん! DQN君のおかげだよ!」
「誰だあいつ……?」 「とんでもない新人が出てきたな」 「見た目は弱そうなのに……」
ワァァァァァ……!
DQN「やったな!」
オタク「うん! DQN君のおかげだよ!」
「誰だあいつ……?」 「とんでもない新人が出てきたな」 「見た目は弱そうなのに……」
21: 2020/09/05(土) 18:46:57.351
DQN「あっさりとデビューが決まったぜ!」
オタク「ホント!?」
DQN「まあ、あの大会であんだけ圧勝すればな……」
オタク「デビュー戦の相手はどんな奴だい?」
DQN「レスリングの使い手だ。あまりやったことのないタイプだから気をつけろよ」
オタク「うん!」
オタク「ホント!?」
DQN「まあ、あの大会であんだけ圧勝すればな……」
オタク「デビュー戦の相手はどんな奴だい?」
DQN「レスリングの使い手だ。あまりやったことのないタイプだから気をつけろよ」
オタク「うん!」
22: 2020/09/05(土) 18:49:11.860
格闘家(こいつは立ち技が強い。寝技にさえ持ち込めば――)ダッ
オタク(あ、突っ込んできた!)
ゴッ!
格闘家「あ、がっ……」ドサッ…
カンカンカーン!
DQN(あの素早いタックルに、あっさり膝を合わせやがった……!)
DQN(こいつは格闘技界の勢力図を大きく塗り替える……!)
オタク(あ、突っ込んできた!)
ゴッ!
格闘家「あ、がっ……」ドサッ…
カンカンカーン!
DQN(あの素早いタックルに、あっさり膝を合わせやがった……!)
DQN(こいつは格闘技界の勢力図を大きく塗り替える……!)
23: 2020/09/05(土) 18:52:23.807
ところが――
DQN「おい、どこ行くんだよ。トレーニングは?」
オタク「あ~ん?」
オタク「なんでそんなもんする必要があんだよ。オレは格闘技の天才なんだぜ?」
DQN「天才だって練習しなきゃ、才能は腐っちまうぞ」
オタク「バ~カ、才能が腐らねえから天才っていうんだよ。腐っちまう奴はただの凡人さ」
DQN「……」
DQN「おい、どこ行くんだよ。トレーニングは?」
オタク「あ~ん?」
オタク「なんでそんなもんする必要があんだよ。オレは格闘技の天才なんだぜ?」
DQN「天才だって練習しなきゃ、才能は腐っちまうぞ」
オタク「バ~カ、才能が腐らねえから天才っていうんだよ。腐っちまう奴はただの凡人さ」
DQN「……」
25: 2020/09/05(土) 18:56:06.506
美女A「オタクさん、ステキ~!」
美女B「すっごい力こぶ~、さわっていい?」
オタク「ハハハ……もちろんさ。なんなら下半身も……」
DQN「おい、ジムに女連れ込むなんてなに考えてんだ!」
オタク「おいおい、つれねえこというなよ~? 今やオレはこのジムの稼ぎ頭だぜ?」
オタク「よぉ~し、ボトルイッキしちゃおっかな!」グビグビ
キャーキャー! ステキー!
DQN「……!」
美女B「すっごい力こぶ~、さわっていい?」
オタク「ハハハ……もちろんさ。なんなら下半身も……」
DQN「おい、ジムに女連れ込むなんてなに考えてんだ!」
オタク「おいおい、つれねえこというなよ~? 今やオレはこのジムの稼ぎ頭だぜ?」
オタク「よぉ~し、ボトルイッキしちゃおっかな!」グビグビ
キャーキャー! ステキー!
DQN「……!」
26: 2020/09/05(土) 18:58:47.701
オタク「オラァッ!」
ドゴォッ!
カンカンカーン!
オタク「でりゃあっ!」
バキィッ!
カンカンカーン!
DQN(それでもあいつは勝ち続けた。紛れもない天才だった)
DQN(国内王者への挑戦権ももう目前だ。だが――)
ドゴォッ!
カンカンカーン!
オタク「でりゃあっ!」
バキィッ!
カンカンカーン!
DQN(それでもあいつは勝ち続けた。紛れもない天才だった)
DQN(国内王者への挑戦権ももう目前だ。だが――)
27: 2020/09/05(土) 19:01:11.353
審判「判定で、オタク選手の勝利です!」
オタク「っしゃあっ! どんなもんじゃぁい!」
対戦相手「くそぉっ……」
DQN(試合内容は確実に悪くなってやがる)
DQN(昔のオタクなら、今日の相手ぐらいなら1RでKOできただろうに……)
オタク「っしゃあっ! どんなもんじゃぁい!」
対戦相手「くそぉっ……」
DQN(試合内容は確実に悪くなってやがる)
DQN(昔のオタクなら、今日の相手ぐらいなら1RでKOできただろうに……)
28: 2020/09/05(土) 19:04:09.679
王者「ふんっ!」
ドゴォッ!
挑戦者「ぐええっ……!」ドサッ…
DQN(それにオタクが天才なら、王者だってまた天才……)
DQN(あんな状態で挑んだら、下手したらリングの上で殺されてもおかしくねえ……!)
DQN(どうにかしなきゃ……!)
ドゴォッ!
挑戦者「ぐええっ……!」ドサッ…
DQN(それにオタクが天才なら、王者だってまた天才……)
DQN(あんな状態で挑んだら、下手したらリングの上で殺されてもおかしくねえ……!)
DQN(どうにかしなきゃ……!)
30: 2020/09/05(土) 19:07:16.184
DQN「オタクゥ!」
オタク「んだよ」グビグビ
DQN「また酒なんか飲みやがって……」バッ
オタク「なにしやがる、てめえ! 返せや!」
DQN「いいか、いくらお前が天才だからって、王者だって天才なんだ! このままじゃ――」
オタク「おい、DQN……」
DQN「!」ビクッ
オタク「んだよ」グビグビ
DQN「また酒なんか飲みやがって……」バッ
オタク「なにしやがる、てめえ! 返せや!」
DQN「いいか、いくらお前が天才だからって、王者だって天才なんだ! このままじゃ――」
オタク「おい、DQN……」
DQN「!」ビクッ
31: 2020/09/05(土) 19:12:13.311
オタク「だぁ~れに向かって口きいてんだ、てめえ。あ?」ガシッ
DQN「う……」
オタク「確かにお前はオレの才能を見出した。それは認めてやる。だが、お前の功績はそ・れ・だ・け」
オタク「お前にオレに指図する権利は一切ねえ!」
DQN「俺は長年、お前の相棒として……」
オタク「ハァ~? 相棒? 笑わせんな! オレはお前なんぞいなくても、ここまで来ることはできた!」
オタク「ま、今まで通り、お飾りのセコンドとしてオレの勝利を眺めてろや。なァ、DQNちゃん?」ポンッ
DQN「ぐうう……!」
DQN「う……」
オタク「確かにお前はオレの才能を見出した。それは認めてやる。だが、お前の功績はそ・れ・だ・け」
オタク「お前にオレに指図する権利は一切ねえ!」
DQN「俺は長年、お前の相棒として……」
オタク「ハァ~? 相棒? 笑わせんな! オレはお前なんぞいなくても、ここまで来ることはできた!」
オタク「ま、今まで通り、お飾りのセコンドとしてオレの勝利を眺めてろや。なァ、DQNちゃん?」ポンッ
DQN「ぐうう……!」
33: 2020/09/05(土) 19:15:31.803
オタク「さぁ~て、今日も女はべらすとすっかぁ!」
オタク「ヨシコちゃんに電話しよ~っと! もしもし~? 今ヒマぁ~?」
DQN「……」
DQN(このままじゃ……あいつはダメになる……)
DQN(どうすれば、あいつの目を覚ますことができる……!?)
DQN(どうすれば、格闘技を始めた頃のあいつに戻すことができるんだ……!)
オタク「ヨシコちゃんに電話しよ~っと! もしもし~? 今ヒマぁ~?」
DQN「……」
DQN(このままじゃ……あいつはダメになる……)
DQN(どうすれば、あいつの目を覚ますことができる……!?)
DQN(どうすれば、格闘技を始めた頃のあいつに戻すことができるんだ……!)
34: 2020/09/05(土) 19:18:07.895
キャキャー… ハハハハハ…
オタク「君、かわいいね~。今夜どぉう?」
嬢「え~? どうしよっかな~?」
ピリリリリ…
オタク「あん? いいところだったのに……誰だよ?」
オタク「もしもし?」
オタク「君、かわいいね~。今夜どぉう?」
嬢「え~? どうしよっかな~?」
ピリリリリ…
オタク「あん? いいところだったのに……誰だよ?」
オタク「もしもし?」
35: 2020/09/05(土) 19:23:06.869
電話『お前の秘密を知っている』
オタク「は?」
オタク「なにこれ、声が変だしイタズラ? 切るよ?」
電話『昔、よくノートにアニメのキャラを描いてたんだってな』
オタク「!?」
オタク「てめえ、誰だ!?」
電話『俺が誰か知りたければ、今からいう場所に来い。入れるようにしておく。場所は――』
オタク「……!」
オタク(もし、あんな過去をマスコミにリークされたら……! 行くしかねえ!)
オタク「は?」
オタク「なにこれ、声が変だしイタズラ? 切るよ?」
電話『昔、よくノートにアニメのキャラを描いてたんだってな』
オタク「!?」
オタク「てめえ、誰だ!?」
電話『俺が誰か知りたければ、今からいう場所に来い。入れるようにしておく。場所は――』
オタク「……!」
オタク(もし、あんな過去をマスコミにリークされたら……! 行くしかねえ!)
36: 2020/09/05(土) 19:26:33.078
教室――
オタク「夜の学校っつうのは怖いもんだな」ガラッ
オタク「おい! 来てやったぞォ! 懐かしいとこに呼び出しやがって!」
DQN「よう」
オタク「てめえは……DQN……!」ビキッ
オタク「あんな電話でオレを呼び出して、なんのつもりだ!?」
DQN「この教室は……あの時と同じようにリングにしてある。邪魔も入らない」
オタク「あ?」
DQN「さあ、やろうぜ。あの時の気持ちを思い出させてやる!」サッ
オタク「夜の学校っつうのは怖いもんだな」ガラッ
オタク「おい! 来てやったぞォ! 懐かしいとこに呼び出しやがって!」
DQN「よう」
オタク「てめえは……DQN……!」ビキッ
オタク「あんな電話でオレを呼び出して、なんのつもりだ!?」
DQN「この教室は……あの時と同じようにリングにしてある。邪魔も入らない」
オタク「あ?」
DQN「さあ、やろうぜ。あの時の気持ちを思い出させてやる!」サッ
37: 2020/09/05(土) 19:29:01.273
オタク「ふざけんな!」
オタク「オレはもうプロなんだぜ? こんなとこで戦えるか! 不祥事になっちまう!」
DQN「逃げるのか?」
オタク「……!」
オタク「いいだろう、挑発に乗ってやる」
オタク「最近てめえはウザかったしよ、ここでボコボコにして、従順なお人形さんにしてやんよ!」
DQN「……来い」
オタク「オレはもうプロなんだぜ? こんなとこで戦えるか! 不祥事になっちまう!」
DQN「逃げるのか?」
オタク「……!」
オタク「いいだろう、挑発に乗ってやる」
オタク「最近てめえはウザかったしよ、ここでボコボコにして、従順なお人形さんにしてやんよ!」
DQN「……来い」
38: 2020/09/05(土) 19:31:49.105
――ドゴォンッ!
DQN「ぐはぁっ!」
オタク「どうだ、てめえなんざもはや相手にならねえんだよ」
DQN「ま、まだまだ……」
オタク「しつこいんだよ!」
ボゴォッ!
DQN「げぶっ……! まだ……まだ……」
オタク「てめえ……!」
オタク「なぜだ、なぜここまでする!? オレのことが嫌になったならとっとと見捨てりゃいいだろがよ!」
DQN「ぐはぁっ!」
オタク「どうだ、てめえなんざもはや相手にならねえんだよ」
DQN「ま、まだまだ……」
オタク「しつこいんだよ!」
ボゴォッ!
DQN「げぶっ……! まだ……まだ……」
オタク「てめえ……!」
オタク「なぜだ、なぜここまでする!? オレのことが嫌になったならとっとと見捨てりゃいいだろがよ!」
39: 2020/09/05(土) 19:35:48.473
DQN「お前に格闘技をやらせたのは……俺だ」
DQN「才能を見出したという自負はあるし、強くなっていくお前を見るのが楽しかった……」
DQN「だが、それと同時にお前の人生を変えちまったんじゃという負い目もあった……」
DQN「俺が余計なことしなきゃ、もっと違う道を歩めたかもってな……」
DQN「だからよ……道を外れそうになってるお前を……放っておくわけにはいかねえんだ!」
オタク「くっ! うるせえんだよ! オレは道を外れてなんかいねえ!」
オタク「トドメだゴラァ!!!」ブオンッ
DQN「才能を見出したという自負はあるし、強くなっていくお前を見るのが楽しかった……」
DQN「だが、それと同時にお前の人生を変えちまったんじゃという負い目もあった……」
DQN「俺が余計なことしなきゃ、もっと違う道を歩めたかもってな……」
DQN「だからよ……道を外れそうになってるお前を……放っておくわけにはいかねえんだ!」
オタク「くっ! うるせえんだよ! オレは道を外れてなんかいねえ!」
オタク「トドメだゴラァ!!!」ブオンッ
40: 2020/09/05(土) 19:38:10.178
バキィッ!
オタク「ぐうっ……!?」ヨロッ…
DQN「どうよ、俺の一発は……」
DQN「って大して効いちゃいねえか……」
オタク「いや……効いたよ」
DQN「!」
オタク「この教室で戦って……やっとあの時の気持ちを思い出せた……」
DQN「オタク……!」
オタク「ぐうっ……!?」ヨロッ…
DQN「どうよ、俺の一発は……」
DQN「って大して効いちゃいねえか……」
オタク「いや……効いたよ」
DQN「!」
オタク「この教室で戦って……やっとあの時の気持ちを思い出せた……」
DQN「オタク……!」
41: 2020/09/05(土) 19:41:25.982
オタク「やるよ……練習!」
オタク「さあDQN君、ジムに戻って特訓だ! ボク、王者に勝ちたいんだ!」
DQN「えぇと……ちょっと思い出しすぎじゃね?」
アッハッハッハッハ…
…………
……
オタク「さあDQN君、ジムに戻って特訓だ! ボク、王者に勝ちたいんだ!」
DQN「えぇと……ちょっと思い出しすぎじゃね?」
アッハッハッハッハ…
…………
……
44: 2020/09/05(土) 19:44:33.969
ワァァァァ……!
実況『さぁ、期待の新星オタクが、日本チャンプに挑みます!』
解説『このところ、彼は調子を落としていましたが、どこまで復調できたかがカギですね』
DQN「あれだけ鍛え直したんだ……絶対勝てる! 落ちついていけよ!」
オタク「うん!」
審判「ファイッ!」
カーンッ!
実況『さぁ、期待の新星オタクが、日本チャンプに挑みます!』
解説『このところ、彼は調子を落としていましたが、どこまで復調できたかがカギですね』
DQN「あれだけ鍛え直したんだ……絶対勝てる! 落ちついていけよ!」
オタク「うん!」
審判「ファイッ!」
カーンッ!
45: 2020/09/05(土) 19:46:34.810
王者「ゆくぞ、オタクとやら……」
王者「むんっ! ふんっ!」
ドカッ! バキッ!
オタク「ぐっ……!」
実況『チャンプの猛攻! オタクはガードを固めるしかできません!』
解説『非常に重いパンチです。ガードの上からも響いてくると思いますよ』
ガッ! ドカッ! バキッ!
ワァァァァ……!
王者「むんっ! ふんっ!」
ドカッ! バキッ!
オタク「ぐっ……!」
実況『チャンプの猛攻! オタクはガードを固めるしかできません!』
解説『非常に重いパンチです。ガードの上からも響いてくると思いますよ』
ガッ! ドカッ! バキッ!
ワァァァァ……!
46: 2020/09/05(土) 19:49:14.670
DQN「動け動け! お前なら攻撃は見えてるはずだ!」
オタク「う、うん!」
オタク(思い出すんだ……あの時初めて戦わされた時の恐怖……そして高揚感を……!)
オタク(DQN君に誘われた時のあの嬉しさを……!)
王者「私は君を買い被っていたようだ……トドメを刺させてもらう!」
ブオンッ!
オタク「……!」
オタク(これは……あの時とそっくりだ。DQN君と初めて戦った時と――)
オタク「う、うん!」
オタク(思い出すんだ……あの時初めて戦わされた時の恐怖……そして高揚感を……!)
オタク(DQN君に誘われた時のあの嬉しさを……!)
王者「私は君を買い被っていたようだ……トドメを刺させてもらう!」
ブオンッ!
オタク「……!」
オタク(これは……あの時とそっくりだ。DQN君と初めて戦った時と――)
47: 2020/09/05(土) 19:51:16.594
オタク「ええーいっ!!!」
ズバッ!
王者「あがっ……!?」
ズバッ!
王者「あがっ……!?」
48: 2020/09/05(土) 19:53:40.142
王者(顎に……カウンター、が……)グラッ…
ドサァッ…
カンカンカーンッ!
実況『決まったぁーっ! 起氏回生の右ストレートが王者の顎を捉えました!』
解説『まるで、かつて同じような場面を体験したかのような一撃でしたね』
ワァァァァ……!
オタク「や、やった……!」
DQN「よくやったぞ!」
ドサァッ…
カンカンカーンッ!
実況『決まったぁーっ! 起氏回生の右ストレートが王者の顎を捉えました!』
解説『まるで、かつて同じような場面を体験したかのような一撃でしたね』
ワァァァァ……!
オタク「や、やった……!」
DQN「よくやったぞ!」
49: 2020/09/05(土) 19:57:18.188
記者「日本チャンピオンおめでとうございます」
オタク「ありがとうございます」
記者「今後の目標は?」
オタク「もちろん、世界です!」
記者「このところは格下相手に苦戦する試合もありましたが、よく調子を戻せましたね?」
オタク「ある人に根性を叩き直してもらって、初心に帰る大切さを教えてもらいましたから!」
記者「というと、それはやはりジムでということですか?」
オタク「いえ……」
オタク「ありがとうございます」
記者「今後の目標は?」
オタク「もちろん、世界です!」
記者「このところは格下相手に苦戦する試合もありましたが、よく調子を戻せましたね?」
オタク「ある人に根性を叩き直してもらって、初心に帰る大切さを教えてもらいましたから!」
記者「というと、それはやはりジムでということですか?」
オタク「いえ……」
50: 2020/09/05(土) 19:58:17.777
オタク「何かを教えてもらう場所といったら、教室に決まってますよ!」
END
END
53: 2020/09/05(土) 20:08:17.133
おつおつ
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