91: 2008/11/29(土) 17:31:32 ID:???
誕生日SSをまつ

92: 2008/11/29(土) 19:35:27
>>91 短くて良いなら書いてみる
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最近、シンジの様子が落ち着かない。
「あ、それ食べちゃ駄目だよ。い、いや、僕なりの献立の組み立てがあるからさ」
ニンジンジャガイモ、お野菜にお肉。そんな普通の材料に混じって明らかに派手な物が増えていく冷蔵庫の中身。
学生生活に加えて、エヴァパイロットとしてスクランブル発進する忙しい日々の合間。
いそいそと材料を買い集める涙ぐましいシンジの努力。

加えて、うっかり覗いてしまった襖の奥。
クラッカーに紙テープなどのパーティグッズに、プレゼントの包み紙。
それは形ですぐ判る、以前にシンジに告げた欲しかったアレ。これで隠してるつもりかしら?

「ねえ、二人ともお願い。せっかくの……え、あ、やあアスカ、べ、別になんでもないんだ。アハハ」
この下手くそ、ごまかし方がなってない。
内緒話すら内緒にできないのかしら、あのバカ。
三バカの二人なんか来て貰っても嬉しくないわよ。

「ねえ、アスカ。来週の日曜日、空いてる?ちょっと、お願いが……」
はい、来ました。作戦遂行はやっぱりヒカリの役目ね?
そうねえ。こういうサプライズの手違いなんて、目も当てられないほど悲惨だもんね。

心配しないで、日曜日はちゃんと明けておくから。
ヒカリに、なんで連れ回された挙げ句に自分の住んでるマンションが終着地なのか、なんて聞かないから。
恐らくみんなで一緒に待ってるんだろうけど、ちゃんとアタシは判ってるから。
アンタ一人が暗躍して手はずを整えてくれたことを。

さ、私が扉を開ければいいのね? 深呼吸して驚く準備。
上手くやるわよ。アンタほど下手じゃないから、こういうの。
はい、ワン、トゥー、スリー……。 
(完)

94: 2008/11/29(土) 19:42:06 ID:???
>>92
おk。短くても良いのでもうあと2~30本ほど連投キボ

95: 2008/11/29(土) 20:46:17 ID:???
>>94 そんなに無理っすよw まあ、あと一本ぐらいで。
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「へ、デート? アスカと?」
「あんた、もうすぐ誕生日でしょ。アタシがデートしてあげる」
時々、アスカという女の子が判らなくなる。普段は何のかんのと言っておきながら。
「どーせ、バカシンジのことだから女の子とデートなんかしたことないんでしょ。アハハ」
やっぱり、これだよ。なんだかなあ、アスカってばどこまで本気なんだろう。

「ソフトクリーム片手で遊園地を歩きながら今更なにいってんの? 立派にデートしてるじゃない」
い、いや、アスカ。遊園地だからデートっていうことでも無いと思うんだけど。
「ん? シンジ、腕組む? いいわよ、デートなんだから」
いや、お義理で腕組んで貰ったって嬉しくないし。
「ああ? 遊園地に来ておいてジェットコースター乗らないつもり? 男のくせにびびってんじゃないわよ!」
ほらほら、アスカ自身がめいっぱい楽しんでるし。
アスカってば、本気なのかな。デートするってこと、アスカにとっては何でもないことなのか、それとも……。

『使徒バンバンビガロ接近! 二人ともすぐ戻って!』
はい、ミサトさんの呼び出しでデート終了。お陰で僕の戸惑いもシャットアウトしてくれました。
「デートがふいになっちゃったわね。アハハ」
と笑うアスカは至って陽気。今日も元気にLCLに浸かるその様子からして残念がってるようでも、無いけれど。
そして、使徒殲滅完了。お疲れ様。

「シンジ、待ちなさい……ん、ほら、こうすりゃ使徒殲滅もデートイベントっぽくなったでしょ?」
そんなことを言いながら僕のほっぺにチュッ……ちょ、ちょっと、アスカ。君はどこまで本気で、その。
「ほらほら、使徒殲滅の後はラーメンって決めたでしょ! ファーストもさっさと来なさいってば!」

……なんだかな。
いや、まあ別にいいんだけどね。やれやれ。

(完) はい、お粗末。

97: 2008/11/30(日) 02:04:28 ID:???
よいアスカさんでした
戸惑うシンジくんもよかった

98: 2008/11/30(日) 10:37:35 ID:???
>>91

「もうすぐ、アンタの誕生日だったわね」
サードインパクト後の瓦礫の下で、
アスカはボソリと呟いた。

紅い月が浮かぶ夜空の下で、
なけなしの食料を口にした後、
エヴァシリーズのオブジェの足下、
ぼろぼろの毛布にくるまりながら、
今日一日の疲れを癒す、そんな日々。

「日付なんて数えてたの」
僕は苦笑いでアスカに答えた。
「大体よ。でも、そろそろ判らなくなりそうだから、今のうちにね」
と、アスカは笑って立ち上がる。

そしてスルリと服を脱ぎ始めた。
荒野を彷徨い、キズだらけのアスカの裸身が、
月の光に照らされて輝いた。
「いくら掘ってもケーキが見つからないし」

そして、微笑を浮かべたアスカの目には、少し涙が潤んでいた。
「アンタにあげれるものといったら、これだけよ。要らないなんて言ったら頃すわよ?」

完。

101: 2008/12/01(月) 20:15:28 ID:???
>>98

なんか切なくなるけど、あの後だれも還ってこなかったらこんな生活なんだろうな

102: 2008/12/02(火) 21:43:15 ID:???
>>91
「エヴァ全機、出撃準備」
そんな碇総司令の呟きとともに、NERV総員全てがフル稼働を開始する。
突然の使徒襲来の一報を受けて発令される第一級戦闘配備。
そんな緊迫感ではちきれんばかりのスクランブル発進、その中心に立つのは三人の少年少女達。
氷のような冷淡さを保つレイ、炎のように殺気立つアスカ、
そして緊張に顔を強ばらせる少年、シンジ。
そのシンジの胸中。氏への不安、失敗することへの恐れ、或いは単なる出撃前の緊迫感か。
実はそのいずれでもなかった。ただ、言うか言うまいか、ただそれだけを迷っていた。

アスカは今日が何の日か知っていた。
本人が一番知っていることだ。しかし、どうでも良いことだった。
自分の過去、出生、それらを嫌悪感にも似た感情を覚える彼女。
自分の存在、自分の居場所、自分の未来、それらは全てエヴァに乗ること、ただそれだけ。
それだけの自分、そんな自分の存在を呪いたくても呪えない。それは自分の意思でもあるのだから。
だからこそ、今日という日など本当にどうでもよかったのだ。
今日もエヴァで出撃する。何もかも見えなくなるまで自分の闘志を燃やし尽くす。
ただ、それだけだ。

そんなアスカに、突然の不協和音が飛び込んできた。
眼前に開いた通信ウィンドウ、そこに表示されたのはシンジの強張った笑顔。

「何よシンジ!」
『……ハッピーバースデー、アスカ』

こんな時に何を言い出すのか。普段のアスカならそう言い返しただろう。
しかし、シンジにしては珍しくも小洒落たジョークを言うではないか。
そう捉えたらしいアスカの顔には、何か吹っ切れたような笑みが浮かんでいた。

「オーケイ、シンジ。その祝福に相応しい勝利を拝ませてあげようじゃないの!」
(完)

103: 2008/12/03(水) 00:41:10 ID:???
このまま命令無視して、ユニゾンキックやりそうだなw
GJ!

104: 2008/12/03(水) 23:49:58 ID:???
>>91

「えーと、フカヒレチャーシュー……普通のラーメンでいいや」
NERV本部からの帰り道。
アスカとシンジ、少し遅めの夕食を屋台のラーメンで済ませる二人。
少しスープをすすってから、ぽつりとつぶやくアスカ。

「あと10分で15歳、か」
「あれ、そうだったの」
「アンタ、仲間の誕生日ぐらい覚えておきなさいよね」
「えーと、そうだね。食べる?」
「あのねえ、一枚きりのチャーシュー譲って貰ったって嬉しくもないわよ」
「あはは……」
何気ない会話、仲間と気兼ねの要らないやり取り、当たり前のように過ぎゆく日々。
でも、こんな日だからこそ、考える。

来年の今も、はたしてこうしているのだろうか、と。

「シンジ、もう一回」
「え?うーん……はい、あーん」
「あーん……(ぱくっ)……ありがと」
「アスカ、お誕生日おめでとう」
「ありがと。あーあ、チャーシューで祝う誕生日、か。しまらないわね」
「あはは……」

うん、今を生きる。それでいいんじゃない?
誕生日を迎えて、少しだけ素直に慣れたような気がしたアスカでした。

ちゃんちゃんっと。

105: 2008/12/04(木) 00:36:35 ID:???
いいなぁ…GJ

106: 2008/12/04(木) 01:31:40 ID:???
つかもうちょっとまとめて書けよ

107: 2008/12/04(木) 14:28:40 ID:???
>>106
作者がそれぞれ違うんじゃね?

引用元: 落ち着いてLAS小説を投下するスレ 15