1: 2013/11/13(水) 21:18:41.38
注意:自作のミステリーSSです
稚拙な文章ですが、それでもよければお楽しみください。


登場人物
一也 (かずや) 男 演劇部 三年生

二葉 (ふたば) 女 演劇部 一也の妹 一年生

三歩 (みほ) 女 演劇部 ここ最近不登校 二年生

四音 (しおん) 女 演劇部 三年生 部長

五岐 (いつき) 男 演劇部 三年生 一也の親友

六岐 (むつき) 男 演劇部 一年生 五岐の妹 二葉の親友

七緒 (なお) 女 演劇部 二年生 三歩の親友

八郎 (はちろう) 男 元演劇部 夏の合宿で事故により氏んでしまった

2: 2013/11/13(水) 21:19:36.31
カラーン

四音「ぁ……グッ……ゲェッ……」

一也「!? 四音!どうした!」

四音「ア゙ァ……」バタバタバタバタ

一也「お、おい!!」

バタッ

七緒「ど、どうすれば!?救急車?」アタフタ

六岐「電話は繋がってないって部長が!」

六岐「……そ……それに……。
……もう脈が無いみたい……」

七緒「そんな!!」

一也「どうなってるんだ……。」



事件の発端は一週間ほど前であった

4: 2013/11/13(水) 21:20:26.98
事件の一週間程度前 学校の部室


一也「ごめん日直で遅れたー って、何かあったの?」

二葉「うちの演劇部当てに手紙が来てたらしいです」

一也「へぇー、誰から?」

七緒「三歩からですよ、遅刻魔先輩」

四音「相談させて欲しいことがあるみたいで、合宿がてら別荘に来て欲しいそうなのよ」

一也「三歩、夏合宿以来学校に来てないもんな……」

5: 2013/11/13(水) 21:21:25.60
半年前、夏の合宿で八郎は氏んだ

合宿棟が火事で燃えてしまい、一人中に取り残された八郎は氏んでしまったのだ

半年ほど経った今ではみんな立ち直りつつあるものの、

三歩だけは責任を感じてしまっているのか登校すらできていない


一也「相談するために、わざわざ合宿って。どうしたんだろうな」


五岐「落ち着いて話でもしたかったんじゃないか?それかみんなで心中でもしようって考えてたりして!アハハハ」

六岐「お兄、それ面白くないし、笑えない」

五岐「冗談だって」

一也「んで、どうするの?部長さんよ」

四音「もちろん、行くわよ。可愛い後輩の為だからね」

四音「というわけで、今度の三連休の前日の金曜日に出発ね。準備をしとくように」


全員「はーい」

6: 2013/11/13(水) 21:22:50.27
当日 無人島
四音「着いたわね、全員いる?」

七緒「部長、バカ先輩が船酔いしてます」

一也「うっぷ。やばい吐きそう」

七緒「うぇっ吐かないでくださいよバカ変態」

一也「それもう罵ってしかいないよね……オエッ」

二葉「大丈夫ですか、兄さん?帰りも船に乗らないといけないんですよ?」

四音「あぁ、ちなみにここ無人島だから合宿の途中で体調崩しても船無いからね。電話も通ってないみたいだし」

五岐「無人島ってなんかワクワクするなー!」

六岐「羽目外しすぎないでよ、お兄。いっつもそれで迷惑掛けちゃうんだから!」ウキウキ

二葉「そういう六岐もとても楽しそうじゃないですか。やっぱり兄妹ですね」

六岐「もー、こんなやつと同類にしないで!」

七緒「ほら!先輩、テニスボールですよー、取ってこーい!!」

一也「……今はよしてくれ」

ワイワイガヤガヤ

7: 2013/11/13(水) 21:23:46.87
別荘前
二葉「着きましたね」

五岐「おおー、でかいなー」

六岐「こりゃ三歩ちゃんち相当な金持ちだね」

一也「そりゃ両親とも海外で働いてるしなー」フッカツ

七緒「みんなはここにくるの初めてでしたね。凄いんですよー、中も広くて」

一也「七緒は来たことあるのか」

七緒「三歩とは中学の時から仲良しですからね。毎年来てました」

七緒「別荘じゃなくて三歩の家にもよく泊まりにいったものですよ。三歩、一人暮らしで凄いんですよ。料理も上手だし。先輩も見習ってくださいよ」

一也「じゃあもしかしたらこの合宿で食べれるかもしれないな、三歩の手作り料理」

七緒「先輩はドッグフードでも食べててください」

一也「嫌だよ」

8: 2013/11/13(水) 21:24:59.24
二葉「とりあえず、中入りますか?」

四音「んー、呼び鈴ないしどうしようかねー。一也、大きな声で三歩を呼んで」

一也「ええー、なんで俺が」

二葉「兄さん、頑張って」

七緒「先輩、頑張ってください!」

一也「こういう時だけ調子いいんだから……

おーい!三歩ーーー!」

9: 2013/11/13(水) 21:25:35.33
七緒「もっと大きな声で!」

一也「おおーーい!!三歩おーーー!!!」

七緒「もっっと!!」

一也「おおおおおおいい!!!三歩おおおおお!!!!!」

七緒「うるさーい!」

一也「こらぁあ!!」

二葉「ほんと仲良いですよね、あの二人」ムスッ

四音「あら、妬いてるの?」

二葉「い、いや!……それよりどうします?
あれだけ大きな声で呼んでも返事ないですけど」

四音「とりあえず入りましょうか」

10: 2013/11/13(水) 21:26:26.57
別荘内

一也「中、広いなー」

二葉「綺麗ですねー」

四音「まずは三歩を探さないとね」

五岐「脅かすためにどっかに隠れてるんじゃねーの?」

六岐「お兄じゃないんだからそんなことしないでしょ」

一也「どうする?一部屋ずつ回るか?」

四音「そうしようか。じゃあ手分けして探しましょう」

11: 2013/11/13(水) 21:27:51.37
一也「見つからないね。どうしたんだろう」

七緒「三歩が誘ったんですよね?今日向かう旨は伝えたんですよね?」

四音「伝えたわよ。」

五岐「何かのドッキリでも仕組んでるのかもな。それか、明日と勘違いしてるとか」

六岐「だからお兄じゃないんだから……。今日はどうします?」

四音「仕方ないから今日はここに泊まって、明日を待ちましょう。

ってわけで部屋決めね!私はそこの部屋!」

六岐「え!じゃあ私はその隣で!!」

七緒「私は奥の部屋がいいです!」

二葉「じゃあ私もこちら側の残った部屋で」

12: 2013/11/13(水) 21:29:37.02
一也「男子と女子の部屋を分ける訳か。」

五岐「ずるいぞ!そっち側のが少しだけ広いじゃないか!」

一也「さっき見たけど一部屋少ないのに、広さは変わらなかったぞ」

六岐「そうだそうだー!」

五岐「ちぇー……。

……じゃあとりあえず荷物置きに行くかー」

↓部屋割り設定(五岐の脳内でのマップ)
http://i.imgur.com/m4w1Y0s.png

13: 2013/11/13(水) 21:30:24.03
四音「じゃあここの時計で19時くらいになったら中央の部屋に集合ってことで。
    五岐、ちゃんと食材は持って来たのよね?」

五岐「持って来てますよーだ。重かった……」

四音「晩ご飯作りは女子でやりましょう。二葉、七緒、お願いできる?」

二葉「大丈夫ですよー」

七緒「お任せあれです」

六岐「ちょ、わたしは?」

四音「お手伝いをお願いするわ」

六岐「ええー……そりゃ料理下手ですけど……」

四音「それと、ちょっと話したい事があるからこの後部屋に来てもらっていい?」

六岐「了解です……」

四音「じゃあ、解散!」

15: 2013/11/13(水) 21:31:06.04
四音サイド

合宿か……。

夏以来の合宿。

八郎の居ない合宿。

……私が、しっかりしないとね!

四音サイド 終

16: 2013/11/13(水) 21:32:51.12
大広間
テーブル配置
no title


一也「おお、美味しそうだ」

四音「みんなで腕によりをかけて作ったからね!」

七緒「先輩の分には唾入れときましたから」

一也「なんだと!」

七緒「冗談です!」

五岐「さっさと食べようぜ!」

二葉「そういえばさっき、六岐と部長は何を話してたんですか?」

六岐「ああ、それはね……」

カラーン

18: 2013/11/13(水) 21:33:32.04
四音「ぁ……グッ……ゲェッ……」

一也「!? 四音!どうした!」

四音「ア゛ァ……」バタバタバタ

一也「お、おい!!」

二葉「キャーー!!」

五岐「なんか悪い物でも入ってたのか!?」

一也「い、いや……これは……」

バタッ

19: 2013/11/13(水) 21:34:08.42
七緒「ど、どうすれば!?救急車?」アタフタ

六岐「電話は繋がってないって部長が!」

六岐「そ……それに……。

……もう脈が無いみたい……」

七緒「そんな!!」

一也「どうなってるんだ……。」

21: 2013/11/13(水) 21:34:46.41
それから俺と五岐でまだ温もりが残っている四音の体を彼女の部屋に運んだ。

部屋は、彼女の好きな……好きだったお香の香りが残っていた。

どうしてこんなことになってしまったのか。

明るくて、みんなのまとめ役で、何より……本当に優しいやつだったのに。

戻ると料理の処理を三人が行っていた。

料理に手を付ける者は誰一人として居なかった。

22: 2013/11/13(水) 21:35:41.50
一也「電話も船もない以上……、今日もここで過ごすしかないな」
五岐「なんでこんなことになっちゃったんだろうな……」
一也「きっと食材の中に何か悪いものが入っていたんだろう……うん」

どうみても毒に苦しんでるようにしか見えなかった

しかし、そう口にしてしまっては二葉や他のみんなも動揺してしまうだろう

六岐「今日はこれからどうします?」

一也「今日はもう遅いし、休もう。……といっても寝れる気がしないが」

二葉「兄さん、私……」

一也「あぁ、今日は一緒にねような」

六岐「相変わらず仲いいね」

五岐「な、なぁ六岐……その、俺らも一緒にどうだ?」

六岐「ふざけないでバカお兄」

一也「それじゃ、また」

23: 2013/11/13(水) 21:36:43.46
二葉サイド

兄さんと一緒の部屋で寝るなんていつぶりだろう。

同じ部屋ってだけでこんなにも落ち着ける私ってまだまだ兄離れのできない子供なのかな。

いつも優しくて頼りになる兄さん。

……きっとさっきの部長の氏が毒による殺人ってことにも気付いてる。

みんなを動揺させないようにと黙ってくれてるんだ。

私も……気付いてる。

絶対に兄さんと、無事に帰って……それから。

二葉サイド 終

24: 2013/11/13(水) 21:37:19.94
六岐サイド

今日一日とても楽しかった。

人を驚かせるのはワクワクする

私は、刺激が好きだ。

私は、楽しい事が好きだ。

すごく明日が楽しみだ。

……誰かが来たようだ。

私は、特に何も警戒することなく、部屋のドアを開けた。

六岐サイド 終

26: 2013/11/13(水) 21:38:55.15
……さん!……兄さん!


一也「……ん?」

二葉「兄さん!目覚まし鳴ってますよ!起きてください」

一也「うーん……、おはよう」

二葉「おはようございます、兄さん。

    こんな時にも相変わらずお寝坊さんですね」

一也「他のみんなはもう起きてるの?」

二葉「まだみたいですよ。兄さんは五岐先輩を起こして貰えますか?」

一也「ほーい」

27: 2013/11/13(水) 21:39:48.16
一也「おーい五岐ー起きろー」


……

一也「おーい!起きろー!!」

ガチャ

五岐「おはよう……」

一也「おはよう、五岐。
    二葉が六岐を起こしに行ってるから手伝ってやってくれないか?」

五岐「あぁ……。あいつ寝起き悪いからなー」

28: 2013/11/13(水) 21:41:08.23
さて、次は七緒を起こしに行こう

一也「おーい!七緒起きろー」

ガチャ

七緒「変態先輩……夜這いですか……?」

一也「もう朝だっての!昨日の今日でよくそんな冗談言えるな」

七緒「昨日の今日だからこそ、いつも通りでありたいんですよ」


二葉「兄さーん!六岐がまだ起きないんです。

鍵も閉まってるし……、兄さん達も手伝って!」

一也「いくらなんでも起きなさすぎるんじゃないか?」

五岐「ここまで寝起き悪くはないと思うんだけどなー」

29: 2013/11/13(水) 21:42:04.69
二葉「まさか、六岐の身に何か!」

五岐「おいおい、変な冗談はやめてくれよ……」

一也「ドア、突き破るか?」

二葉「私、窓から見て来ます」

一也「俺も行くよ」

五岐「お、おい!俺も行く!」

七緒「私も!」

30: 2013/11/13(水) 21:43:18.28
一也「窓、高くて見えないな」

二葉「兄さん、肩車してください」

一也「ほい……、何か見えるか?」

二葉「……良かった。寝てる見たいです。
    窓開いてるみたいなのでこのまま入りますね」

二葉「兄さん、靴のままですみません、肩に足乗せますね。」

一也「気にしないでいいぞ」

二葉「あ、上は見ないで下さいね。スカートなので」

スタッ

31: 2013/11/13(水) 21:44:23.28
二葉「六岐ー、そろそろ起きないと……

……キャー!!!」


一也「二葉!!どうした!!」

二葉「六岐が!六岐が!!」

五岐「くそっ!回ってくるからドアロックを外しておいてくれ!!」

二葉に鍵を開けてもらい部屋の中に入ると、六岐はベッドに横たわっていた。

首には何かで締められた後がくっきりと残っていた。

32: 2013/11/13(水) 21:45:42.81
五岐「……くそっ!なんで六岐がこんな目に……!
    昨日断られても一緒に寝てたら!
こんなことにはならなかったのに!!」

五岐「……誰がやったんだ!この中にいるんだろう!?犯人が!」

七緒「いや、まだそうと決まった訳じゃ」

五岐「じゃあ誰がやったってんだよ!!
ここは無人島なんだぞ!!俺たちしかいないんだ!!
……お前が犯人なんじゃないか!?
一也と二葉ちゃんは一緒に寝てたんだ。でもお前なら犯行は可能だ!」

33: 2013/11/13(水) 21:46:47.73
七緒「な!それを言うなら五岐先輩だって1人で寝てたじゃないですか!」

五岐「俺には妹を頃す理由がねーよ!!」

七緒「私だって!六岐ちゃんを頃してなんになるって言うんですか!」

一也「落ち着けって!」

五岐「落ち着いてられるかよ!!妹が殺されたんだぞ!!」

五岐「四音もきっと誰かに殺されたんだ!!この中の誰かにな!!」

34: 2013/11/13(水) 21:47:29.81
一也「外部犯の可能性だってない訳じゃない!
この無人島のどこかに隠れてるかもしれないだろ!」

二葉「兄さん、この無人島には隠れられるところなんてどこにもないですよ」

五岐「外部犯?ああ!
この別荘のどこかに隠し部屋があってそこに隠れてるのかもしれないな!

……この別荘の主の三歩がな!!」

七緒「三歩はそんなことする子じゃありません!!
だいたい、昨日の食材だって用意したのは五岐先輩だったじゃないですか!
毒を盛ってたんじゃないですか!」

五岐「そんな訳あるか!
それを言うなら料理していたり、
皿を運んだ全員に毒を盛れる機会はあったんだ!!」

35: 2013/11/13(水) 21:49:19.43
一也「だから落ち着けって!!
   これ以上仲間割れしても犯人の思うツボだぞ!

   ……これからはなるべく全員で行動しよう。
   一人きりの機会を作るんじゃない」

五岐「ふん、1人のときにこいつにナイフでも持って襲われたら怖いからな」

一也「五岐、いい加減にしろ」

五岐「ッ……すまん、…………ちょっと頭冷やすわ」

一也「妹が殺されたんだ。しょうがない。

俺も二葉が殺されたら……立ち直れないかもしれない。」

二葉「兄さん……」

一也「とりあえず、六岐はこのまま寝かして……、大広間で今後について話そう。」

36: 2013/11/13(水) 21:50:10.11
大広間
一也「とりあえず状況を整理しよう」

一也「今日は連休の一日目。

船の迎えが来るのは三日目の昼。

それまでこの無人島の他とは連絡がつかない。

殺されたのは四音と六岐。

片方は毒殺、片方は絞殺。凶器は不明。

毒殺があったので恐らく他人の料理はなるべく食べたくないだろう。

だから食べない人は何も食べなくていいし、食べたい人は自分で用意すること。

それと、これからはなるべく残りの四人で行動しよう。

一人きりになると危ないかもしれない。

他に言うことはあるか?」

38: 2013/11/13(水) 21:52:23.92
七緒「先輩、上出来なまとめです。なでなでしてあげます」ナデナデ

二葉「寝るときはどうするんですか?」

一也「二日くらいなら寝なくてもなんとかなる。
この状況で寝るのは危険だ。」

七緒「了解ですー。っと、お茶いれてきますね。」

五岐「俺は飲まないからな」

七緒「はいはい。先輩達はどうします?」

一也「俺も喉渇いてないしいいや。」

二葉「私も遠慮しときます」

七緒「毒なんて盛りませんって!
まぁいいですけど!」

39: 2013/11/13(水) 21:53:29.23
一也「それと帰ってどうやって説明するか、だな」

五岐「一応これって連続殺人事件?だよな」

七緒「帰れるかすら不安なんですけどね」チョロチョロ

一也「きっと大丈夫だ。みんな、生きて帰ろう。」

七緒「バカ先輩のくせに頼もしいで………ぁ……グッ!」

一也「おい!七緒!!」

七緒「あ゙……グェ……グルジィ…………」バタバタ

一也「くそっ!七緒まで!!」

バタッ

一也「…………もう脈がないみたいだ……」

二葉「……もういや……」グスッ

41: 2013/11/13(水) 21:54:40.77
五岐「もう……!もう誰も信用しねぇ!!
俺は勝手にさせてもらうぞ!!
じゃあな!!三日目の昼に会えるといいな!!」

一也「五岐ッ!!」

二葉「兄さん……これからは常に二人で行動しましょう。

五岐先輩も正直信用できません。」グスッ

二葉「トイレに行くときも、シャワーのときも絶対に離れないで……兄さん」ブルブル

一也「二葉……、お前は俺が必ず守るからな……」


二葉だけは、必ず守りきってみせる。

七緒の氏体を二葉と運んだ後、
俺たちは大広間でお互いの手をただ無言で握り合っていた……。

42: 2013/11/13(水) 21:56:12.46
五岐サイド

こんなのは絶対におかしい。

おかしすぎる。

何もかもがおかしい。

気が狂いそうだ。

いっそ狂ってしまった方が楽かもしれない。

六岐が氏に、犯人だと思っていた七緒まで氏んだ。


それに……前から好きだった……四音が氏んだ。

いつもなら好きな人へは猛烈アタックが信条の俺が、

彼女については別に好きじゃない振りをしていた。

その事への後悔が募る。

43: 2013/11/13(水) 21:56:47.40
しかし、彼女に恋心を抱いてはならなかったのだ。なぜなら……

……いや、やめよう。もう終わったんだ。オワッタンダ。


落ち着こう。クールになれ、俺。

己の身を守る為に何ができるか。

犯人が誰なのか考えよう。

どうするか。

六岐の部屋に行こう。

唯一の直接的な殺人だ。手がかりが残されてるかもしれない。

44: 2013/11/13(水) 21:57:53.43
……驚いた。何もなかったのだ。

手がかりが、じゃない。六岐の氏体が消えていた。
嫌な汗が出る。

もしかして、氏んでなかった?そんな事はない。
脈は無かった。ならどうして?

嫌な予想が浮かび、俺は四音の部屋へ移動した。

案の定、四音の氏体も消えていた。
どういうことだ。訳が分からない。

俺は氏体を探すことにした。
トイレ、浴室、他の部屋、空き部屋をあたった。

二人のいる大広間は探せなかったが、
そんなところに氏体があった覚えがないし、そこにはほぼ常時誰かがいた。
氏体を隠せるはずがないのだ。

もっとも、先ほど氏んだ七緒の氏体はあるはずだが。


氏体があるとすれば、それは。
俺は大広間から予め取っておいた包丁を握りしめ、外へ出た。

46: 2013/11/13(水) 21:58:54.48
外に出てみると、そこには予想外の人物がいた。



五岐「やっぱりお前だったんだな、七緒」

七緒「!!違っ!!」

五岐「じゃあなんで氏んだはずのお前が生きてるんだ!!

さっき氏んだのは演技だったんだろ!!」

七緒「そ、それは!生き残るために」

五岐「理由はどうでもいい。お前は俺の妹や……
……四音を頃したんだ。許してられるかってんだ」チャキ

47: 2013/11/13(水) 21:59:29.64
七緒「や、やめて……!

……キャーーーー!!!」

五岐サイド 終

48: 2013/11/13(水) 22:00:17.15
大広間

「キャーーーー!!!」

一也「今のは?!」

二葉「七緒さんの声!! なんで!?」

一也「外からだ!!外へ!!」

二葉「はい!!」


外に出て辺りを見渡すと、そこには衝撃的な光景があった。

絶えず血を流し続けている……五岐と刃物を持った七緒の姿が見える。
覚悟はしてた。
俺たちの中に犯人がいる事。

49: 2013/11/13(水) 22:01:33.89
解ってた。はずだった。

だけどいざ、その光景を目の当たりにすると酷くショックを受ける。

なんだかクラクラすると同時に怒りが、苛立ちが、フツフツと湧き上がってくる。

一也「ふざけるなよ……、よくも五岐を……みんな、を……」

七緒「違うんです!向こうから襲ってきて……それで……!!」

一也「氏んだはずのお前が実は生きてるってなって、信用されると思ってるのか?」

七緒「お願い……一也…先輩……信じて……!!」グスッ

七緒「なんで、なんてこんな事にぃ……」

一也「泣いたって無駄だ。もうお前はおしまいだ。
    お前を拘束させてもらう。」

七緒「い、嫌だっ!」ダッ

51: 2013/11/13(水) 22:02:33.33
パシッ

二葉「兄さん、行かないで……」

一也「二葉……」

二葉「もう、いいよ。もう、オワッタンダヨ。」

一也「そうだよな…、終わったんだよな……。

……館に戻ろうか。」

二葉「……ウン。」

52: 2013/11/13(水) 22:03:11.18
七緒サイド
私は怖かった。

私は殺されるのが怖かったんだ。

私はやってない。私は頃してない。

みんなだんだん氏んでいく。

私もいずれ殺されるんだ。
殺されるくらいなら、先に氏んでみせよう。

そうすれば、氏ななくて済む。そう考えたんだ。

53: 2013/11/13(水) 22:03:50.90
トリックは簡単だ。

私がみんなの前でお茶を飲む。
そして毒を飲んだ演技をする。

昨日、四音先輩が毒で氏ぬところを見ていたので、真似をするのは簡単だ。
演劇部に入ってよかったと思う。

そして、昨日先輩いじりに使ったテニスボール。

これを脇に挟んで力をいれておけば止血状態にできる。
一時的に脈を止められるんだ。昔なにかのドラマでやってた。

54: 2013/11/13(水) 22:04:53.05
そしてこの島から脱出できるゴムボートでも無いかな、
あったら一也先輩と脱出できるかもな、なんて考えて外を探していたら

運悪く、五岐先輩と鉢合わせてしまった。

包丁を突きつけられて、焦った。

みんなには黙っていたが私は、元剣道部だ。
包丁程度のリーチのものならなんとかなる、そう思って立ち向かった。

結果は最悪。
勢い余って五岐先輩を頃してしまった


その上……

その姿を一番見られたくない人に見られてしまった。
彼なら、一也先輩なら信じてくれるかもしれない。一縷の希望があった。
でも、でも、信じてくれなかった。
……当然かもしれない。

55: 2013/11/13(水) 22:05:37.33
今までの私の行動は常に天邪鬼だった。

常に一也先輩にたいして可愛くない態度をとってしまった。


一也先輩は私の全てだった。
酷く荒んでいた私を演劇部に誘ってくれた。

世界が変わった。だからこそ、先輩だけにある意味、素の自分で接していた。


後悔が募る。

56: 2013/11/13(水) 22:06:29.43
……その先輩から逃げてきた。


目の前には崖。

今の状況を表すにぴったりだ。

ここから落ちて、この人生に幕を閉じるんだ。


天邪鬼な私が、素直な私を演じられなかった、一つの演劇が幕を閉じるんだ。


気持ちに背中を押され、私は飛んだ。


七緒サイド 終

57: 2013/11/13(水) 22:07:29.68
二葉サイド

分からない。解らない。ワカラナイ。

恐らく、七緒先輩は犯人じゃない。
彼女の言うとおり、五岐先輩からの正当防衛だ。

五岐先輩も殺されて、一体誰がハンニンなのか。

私なんじゃないか。
そんな疑念がよぎる。

私の、言うならばもう一人の人格が、頃してしまったのではないか。


馬鹿、馬鹿。
私はやってない。頃してないんだから、頃してない。

こんなおかしい事を考えるなんて、
私とした事が相当精神的に参っているのかもしれない。

58: 2013/11/13(水) 22:08:24.10
大好きな紅茶でも飲んで、落ち着こう。

この紅茶は個人的に家から持ってきたものなので大丈夫なはずだ。

兄さんも好きなアールグレイなので喜んでくれるだろう。

二葉「兄さん、お紅茶飲みませんか?」

一也「あぁ……って毒とかは大丈夫なのか?」

二葉「私が個人的に家から持ってきたものなので」

一也「なら、安心だな。もしかして、アールグレイか?」

二葉「もちろんです!」ニコッ

59: 2013/11/13(水) 22:10:06.22
ウキウキして紅茶を淹れる。
兄さんも喜んでくれる。久しぶりに見れる兄さんの笑顔。
私は兄さんの笑顔が大好きだ。

二葉「召し上がれ」ニコッ

一也「ありがとう、二葉」

兄さんが私に微笑んでくれた。

すごく嬉しい。


一也「って……あれ?身体が……」
バタッ


!?!!!?!!??!

なんで!?

なんでナンデなんでナンデ!?!
ワタシハ、ヤッタ?!

ヤッテナイ。やった?

60: 2013/11/13(水) 22:11:10.40
…………ソウカ、

やっぱりワタシがハンニンだったんだね。

ついにニイサンまでころしてシマウなんて………………


ニイサンのコウチャ。

ワタシものめば……


……イッショニ氏ねるかな



私の意識はそこで途絶えた。

61: 2013/11/13(水) 22:12:11.89
後日、新聞にて


○○県警は、○○日、○○県の無人島にて集団殺人劇事件が起こった事を発表した。

漁師の方からの通報を受け、警察は島へ向かったが、
既に○○○○さん所持の別荘は全焼していたという。

消化後、別荘内にて6人の遺体が発見された。
いずれも○○高校の演劇部員だと思われる。

遺体はほぼ原型を留めていないが、氏後、一週間程度経ったものもあるという。

遺体には外傷があるものもあり、
殺人事件と証拠隠滅のための放火とみて警察は操作しているが、
犯人は未だ見つかっていないという。

演劇部無人島殺人事件
BAD END

62: 2013/11/13(水) 22:14:04.52
本編は以上です。

もう少ししてから解答編?を投稿しようと思うので

もし最後まで読んでくださった方がいらっしゃれば、

真犯人は誰なのか、同機はなんなのか、トリックはどうしたのか

など推理などしてくれると本望です。

75: 2013/11/13(水) 22:32:21.84
>>49から分岐

一也サイド
一也「まさか、七緒だったなんて……」

二葉「……」

二葉「……兄さん、本当に七緒先輩が犯人なんでしょうか」

一也「ん?」

二葉「七緒さんは、嘘をついていないように見えました」

一也「だったら他に誰が……」

二葉「分かりません。でも決めつけるのもよくありません。」

一也「そうだな……。じゃあ何かしら発見がないか、部屋を回ってみるか。」

76: 2013/11/13(水) 22:33:21.77
六岐の部屋
一也「どういうことだ……、氏体が無くなってる……。」

二葉「……もしかして」

四音の部屋
一也「四音の氏体まで!」

二葉「もしかしたら……、みんな生きてたのかもしれませんね」

一也「ありえない……。脈は確認したはず」

二葉「でも現に七緒さんは生きていますし」

二葉「あと一人くらい、生きてても何もおかしくはありませんね」


一也「……と、とりあえず氏体を探そう」

77: 2013/11/13(水) 22:34:53.49
大広間
二葉「氏体……、見つかりませんでしたね」

一也「他に氏体を隠せるところといえば、外しかないな」

二葉「でも、さっき外に出たときは何もありませんでしたよね」

一也「でも部屋の中に隠すとなると、場所もいるし、
それに臭いだってするんじゃないか?」

二葉「……!兄さん、唯一臭いを誤魔化せる場所がありますよ」

一也「どこだ?」

二葉「強い線香の匂いがある場所です」


一也サイド 終

78: 2013/11/13(水) 22:36:32.35
七緒サイド

勢い余って五岐先輩を頃してしまった

その上……
その姿を一番見られたくない人に見られてしまった。


彼なら、一也先輩なら信じてくれるかもしれない。一縷の希望があった。
でも、でも、信じてくれなかった。

……当然かもしれない。
今までの私の行動は常に天邪鬼だった。

いつも一也先輩にたいして可愛くない態度をとってしまった。


もう、一也先輩はきっと私の事を嫌っている。

79: 2013/11/13(水) 22:37:36.22
一也先輩は私の全てだった。

酷く荒んでいた私を演劇部に誘ってくれた。

世界が変わった。だからこそ、先輩だけにある意味、素の自分で接していた。
後悔が募る。


……その先輩から逃げてきた。

目の前には崖。
今の状況を表すにぴったりだ。
ここから落ちて、この人生に幕を閉じるんだ。

天邪鬼な私が、素直な私を演じられなかった、一つの演劇が幕を閉じるんだ。


七緒「せんぱぁい……サヨナラ……」


一也「駄目だ!待て!七緒!!」

80: 2013/11/13(水) 22:40:07.86
愛しい人の声が聞こえる。

七緒「……へ?先輩?」

一也「さっきは悪かった。真犯人が分かったんだよ」

七緒「えぇ!?誰だったんですか?」


一也「……四音だ。あいつもまだ生きていた。」


七緒「ええ!!
………どこに隠れてたんですか?」

81: 2013/11/13(水) 22:41:54.94
一也「あいつの部屋の奥に隠し部屋があったんだ。

おかしいと思ったよ。

明らかに一部屋少ないのに部屋の大きさが変わらなかったからな。」

七緒「そういえば先輩そんなこと言ってましたね。」



一也「タンスを開けて、奥の蓋を取ると、隠し部屋への入り口があった。

そこに六岐、と三歩の氏体があって、生きた四音がいた。」

↓実際の部屋割り
no title

82: 2013/11/13(水) 22:42:52.89
一也「四音は拘束してきて、二葉に見張ってもらってるからもう大丈夫だよ。」

一也「疑って、本当にゴメンな。あの時の俺、本当にどうかしてた」

七緒「本当にどうかしてましたよ!私を疑うなんてバカ先輩にも程があります!」


七緒「……でも、ありがとうございます」ニコッ

一也「お、おう」ドキドキ

83: 2013/11/13(水) 22:43:58.27
七緒「あ、二葉ちゃんがこっちに走ってきてますよ」

一也「どうしたんだろうな」

二葉「兄さん、大変なんです!部長が舌を噛み切って氏んじゃって……」

一也「なんだと!もう手遅れか?」

二葉「多分……、喉を詰まらせてましたし」

一也「胸糞悪いけど仕方ないな。
どうしてこんな事したのか問い詰めようと思ったのに」


二葉「私が見ていたのに…、すみません」

84: 2013/11/13(水) 22:45:08.22
二葉「それと、七緒先輩、さっきは疑ってしまってすみません」

七緒「いいんだよ、二葉ちゃん。お兄ちゃんがちゃんと来てくれたからね」

七緒「これから、どうします?」

二葉「どうにかして、迎えの船を呼ぶ方法はありませんかね」


二葉「そうだ!」

85: 2013/11/13(水) 22:46:35.13
二葉ちゃんの提案で、私達は島の枯れ木をたくさん集めて、燃やした。


しばらくすると近くを漁船が通って、私達を連れて帰ってくれた。

地元に戻った私たちは、まず交番に行き、事情を説明した。

警官は私の返り血を見て信じてくれたのか、

すぐに県警に連れて行かれ、たくさん話を聞かれた。


しっかり者の二葉ちゃんと、頼りになる先輩が説明してくれたので
私はただ美味しいジュースを飲むだけでよかった。


後日、私たちの事件は大きく新聞記事を飾った。

86: 2013/11/13(水) 22:47:12.14
一也「今日もやっと警察から解放されたな」

七緒「もうほんと、いろいろ聞かれてストレスで氏にそうですよ」

一也「でも、もしかしたら本当に氏んでたかもしれなかったよな」

七緒「先輩が来てくれなかったら私、まず飛び降りてましたね」

一也「疑ってごめんな、ほんとに」

七緒「いえいえ、私の普段の態度もダメでした」

87: 2013/11/13(水) 22:48:21.53
一也「そういえば、あれからあんまり俺の事馬鹿にしてこないな」

七緒「先輩、馬鹿にして欲しいんですか?」

一也「いやああいうスキンシップも面白くはあったかなって」

七緒「先輩ったら、マゾ気質なんじゃないですか?」ニヤニヤ

一也「いや違うって!」

二葉「」ジトー

七緒「二葉ちゃんにも睨まれてますよ、先輩!」

一也「二葉、違うからなこれは」


七緒「やっぱ先輩をいじると楽しいので、これからもいじっていきますね」


これからも、よろしくお願いします
七緒サイド 終


演劇部無人島殺人事件
NomalEND

88: 2013/11/13(水) 22:49:27.23
以上で、解答編?は終了です

以下、真犯人 四音の手記を垂れ流します

90: 2013/11/13(水) 22:52:49.02
手記

私は許せなかった、
八郎を頃したみんなを。

私は許せなかった、
八郎のことを忘れ、楽しそうに生活ているみんなを。

91: 2013/11/13(水) 22:54:13.03
私は八郎と付き合っていた。優しい彼が大好きだった。

恐らく誰にも知られていなかったと思う。

夏合宿の時、ちょうど付き合って一周年くらいの時に事件は起きた。


合宿所で火事が起こってしまったのだ。

私は八郎と一緒に逃げていた。
途中で、焼け落ちた柱の下敷きになっている三歩を見つけた。

私は、酷い女だ。
彼女を置いて先に逃げようと考えた。

しかし、八郎は三歩を助けようと残った。
私は、そんな二人をおいて、逃げてしまった。

92: 2013/11/13(水) 22:55:14.43
私は許せなかった。
八郎を見頃しにした私自身を。


だからこの殺人を画策したのだ。
そしてそれが完了した時、私自身も火に焼かれて氏のう、と。

93: 2013/11/13(水) 22:56:08.32
計画には半年かかった。
内容は実にお粗末なものだ。

そして、まず私は計画の為に三歩から頃すことにした。

八郎に助けてもらっておいて、八郎を置き去りにした三歩が憎かったからか、


八郎のことを忘れず、不登校になった彼女を最初に頃すことによって、
三歩には惨い絵図をみなくて済むという同情か、それは分からない。

94: 2013/11/13(水) 22:57:00.13
私は部長という大義名分を使い、三歩に会うために何度も三歩の別荘に足を運んだ。

その時だ、隠し部屋に気づいたのは。

さすがお金持ちの別荘、遊び心が感じられる。


私はそれを利用することにした。

95: 2013/11/13(水) 22:57:59.96
私はまず三歩を絞頃し、隠し部屋に隠すことを決めた。

三歩は体格は小さく、絞め頃すのも簡単だった。


頃した後は、持ってきた防臭剤と一緒に隠し部屋に隠した。

防臭剤の臭いが思ったより酷かったので、線香の香りで隠すことにした。

96: 2013/11/13(水) 22:59:06.28
ついに、みんなを呼ぶ日が来た。


心なしか緊張している。計画に穴はないだろうか。

部屋決めで私はいち早く隠し部屋のある部屋を選んだ。

怪しまれたりしないだろうかと思ったが、その心配はなかった。

97: 2013/11/13(水) 23:00:28.03
この事件の第一犠牲者は私だ。


氏ぬことにより、自由に動くことができる。私はそう考えた。


協力者は、六岐が適切だろう。

彼女はノリが良く、「みんなをドッキリさせたいの」

とでもいえばあっさり協力してくれるだろう。
毒で氏んだ演技をした後、彼女に脈を測らせて、嘘をついてもらうのだ。

98: 2013/11/13(水) 23:01:17.22
案の定協力してくれた。

明日の朝、ネタバレをするんだと伝えていて、
彼女だけは今日誰も氏んでいないことを知っていて、
警戒もしていないだろう。


そんな彼女を口封じで頃すのはいとも簡単なことだった。

そして翌日、氏んでいる六岐を見て驚いている声が聞こえてきた。

そしてついに仲たがいを始めた。
仲たがいでお互いを頃してくれるなら楽なものだが。

99: 2013/11/13(水) 23:02:20.51
奴らが大広間に行ったのを見計らって、六岐の氏体を隠し部屋に運んだ。
バレはしないかとヒヤヒヤしていた。

隠し部屋に運んだのはカモフラージュのためだ。

私の氏体だけが消えていたら、私が生きていることを勘ぐられてしまう。

ついでに二葉の部屋にも向かう。あの子は本当に勘がいい。

毒は手に入らなかったが、睡眠薬は手に入った。
その睡眠薬で細工できる何かがないかと探したかったのだ。

紅茶を見つけた。これに細工すればばれないだろう。

もしかしたら口を付けないかもしれないが
それでもやらないよりはましだ。

100: 2013/11/13(水) 23:03:40.63
おかしい。何もしてないのに七緒が氏んだらしい。

私は盗聴器をつけている耳を疑った。
私は毒を入手することはできなった。それなのに、毒で氏ぬなんて。


しばらく悩んでいると、私の部屋に誰かがやってきた。

五岐だ。どうやら私の氏体がないことに驚いているようだった。
この様子だと、おそらく六岐の氏体がないことにも気づいている。

101: 2013/11/13(水) 23:04:50.54
またしばらくすると、今度は外から声が聞こえてきた。

外には盗聴器が無いので、私の部屋の近くで話してくれると助かる。

どうやら五岐と七緒が鉢合わせているようだ。

やっぱり七緒は生きていた。私と同じ手を使ったのか?
七緒の悲鳴が聞こえた。五岐に殺されたのかもしれない。

102: 2013/11/13(水) 23:05:40.66
今度は一也と七緒が話している。

一也は七緒を真犯人と決めつけているようだった。

そして、七緒は走り去った。
私が思うに七緒は一也に恋心を抱いている。


もしかしたら、七緒は自殺を企むかもしれない。

一也と二葉が大広間に戻ったのを待ってから、私は外へ出た。

103: 2013/11/13(水) 23:07:06.65
案の定七緒は自殺をするつもりだったらしい。

崖の端に立っていた彼女を後押しするのは、軽い一押しだけで十分だった。



こっそりと部屋に戻り、盗聴器を確認すると、二人の声が聞こえなかった。


大広間を覗くと、二人仲良く倒れていた。


どうやら紅茶の細工が効いたらしい。運が良かった。

104: 2013/11/13(水) 23:07:59.95
私は今からこの手記を箱に入れて、島で館からもっとも遠いところに置く。


そして、二人の周りに灯油をかけて、そこに火を付ければ計画は完了だ。

醜い私と、可哀相な部員たちの人生はここで終わりだ。


……ごめんなさい。八郎。

105: 2013/11/13(水) 23:09:22.72
以上です。


無事投下し終わってよかった!

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました(いるのか?)


お疲れ様でした。

107: 2013/11/13(水) 23:14:44.55
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ミステリー読んだら自分で書いてみたくなったのが始まりでした
初SSで非常にgdgdでしたが←
投下が早すぎて読む人が追いつかないような気がしたので
もし、次SSを書くことがあればゆっくり投下する所存ですw
以下、演劇部員達のみんなへのメッセジをどぞ

四音「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

七緒「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

二葉「見てくれたのは嬉しいですけどちょっと恥ずかしいですね・・・」

一也「見てくれありがとな!
正直、読んでくれてるのか心配になって心が折れそうだったよ!」

五岐「・・・ありがと」ファサ

では、

一也、二葉、四音、五岐、六岐、七緒、八郎「皆さんありがとうございました!」



一也、二葉、四音、五岐、六岐、七緒「って、なんで八郎が!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

108: 2013/11/13(水) 23:21:56.39
乙!
まあまあ面白かった

109: 2013/11/13(水) 23:23:42.38
これをVIPで書こうとしたお前はある意味すごいと思うよ

引用元: 演劇部員「無人島殺人事件」 【ミステリーSS】