みさえ「ねぇ!あなたコレ見て!」

ひろし「んだよ~服なら買わねぇぞ~この前バッグ買ったろ~」

みさえ「違うわよ!!ここ!コレ!」

みさえは女性誌をひろしに見せた

ひろし「あん?かすかべ…ベーカリー…パン屋か?」

みさえ「そうよ~♪ここ新しく出来たんだって!雑誌に載るくらいだからきっと美味しいわぁ~」

521: 2013/01/12(土) 13:03:24.95
ひろし「でもここのパン屋、家からちょっと遠いぜ…車で行かないと…」

みさえ「えー…でも駐車場無いみたいよ…」

ひろし「おっ!じゃあ行けないな!せっかくの休みだしゴロゴロさせてくれ」

みさえ「なに喜んでるのよ!もー!散歩がてら行きましょうよ~」

ひろし「え~お前勝手に行けよ~ひまわりでも誘えばいいだろ?」

みさえ「ひまわりには友達と遊び行くって言われてもうフラれたの…だからお願いあなた~ん」

522: 2013/01/12(土) 13:09:33.61
ひろし「いーやーだ!俺はゴロゴロする!」

みさえ「(くそっ…)じゃー!いいわよ!今日はビール無しよ!」

ひろし「は?汚いぞみさえ!」

みさえ「じゃあ一緒にパン屋さん行きましょう♪」

ひろし「あーもー…わーったよ!行きゃあいいんだろ!行きゃあ!」

みさえ「やったー!あなた大好き!」

ひろし(ゲンキンなやつ…)

524: 2013/01/12(土) 13:29:17.53
ひろし「うーっ!寒い!」

みさえ「ふふふ…このパン屋と家往復したら結構歩けるわね…」ニヤリ

ひろし「お前…ダイエッ」
みさえ「出発おしんこー!きゅうりのぬか漬けー!!」

ひろし(やれやれ…歩いてもパン食ったら意味無いんじゃないか?)

のろのろと歩き始める二人。

みさえ「こっちの方って車でしか行かないわよね~」

ひろし「あーそう言われてみればそうだな~…ま、たまにはこうして散歩もいいな!」

525: 2013/01/12(土) 13:32:39.52
みさえ「ねーっ?!やっぱりそうよ!家でずっとゴロゴロしてるなんて良くないわぁ!!」

ひろし(みさえにだけは言われたくねぇ…)

「あ…あぁ…」

「でもよー、昔はしんのすけもひまわりも行く行く!って…一緒行くと大変な事ばっかりでよぉ…」

みさえ「本当!何回頭下げたことか…」

ひろし「ははっ………なんか、寂しいな。今になると…」

526: 2013/01/12(土) 13:40:14.88
みさえ「そうよねー唯一のシロもいなくなっちゃったし…」

ひろし「あぁ…シロが氏んだときは、年甲斐も無く泣いちゃったよなぁ」

みさえ「ね…でも、シロ程愛されてる犬はいないわよね」

ひろし「そうそう!みーんな線香あげに来てくれたよな…ふたば幼稚園の先生たち…またずれ荘のみんな…」

みさえ「ご近所さんも、しんのすけやひまわりの友達も、みんな…商店街の会長さんまで来てくれたわね…!」

ひろし「そうそう!シロの奴俺達よりはるかに顔広いもんな!」

527: 2013/01/12(土) 13:46:39.86
みさえ「そうねぇ…」

「「はぁ……」」

ひろし「…おっと!いけねぇ!しんみりしちまったな!」

みさえ「あらやだ…楽しくいきましょ!」

…………
………


ひろし「それにしてもよぉ、しんのすけの奴、あいちゃん連れて帰ってくるとはなぁ~」

みさえ「ほんとよねぇ!あんな美人さん捕まえて…しんのすけのどこがいいんだか…」

ひろし「そうだよなぁ…あいちゃんは幼稚園の頃からずっと好きだったみたいだろ?すげぇよ…」

528: 2013/01/12(土) 13:52:34.27
みさえ「でも、しんのすけ、昔っからいざというときは誰よりも優しくて、頑張る子だったから…」

ひろし「あいちゃんはしんのすけのそういう所ちゃんと分かってくれてるんだろうな…」

みさえ「いい子と付き合えてよかったわねぇ…」

ひろし「羨ましいぜ!容姿端麗!しかもお金持ち!かーっ!いいなぁしんのすけ!」

みさえ「あら私がいるじゃない」

ひろし「そうだな(俺はメタボまっしぐらの妻…)」

537: 2013/01/12(土) 22:33:21.75
家を出て30分くらい歩いた。

ひろし「こんだけ歩くと体も暖まってくるな」

みさえ「そうねー500gくらい痩せたかしら?」

ひろし「んな訳…」
みさえ「あー!見てあなた!このカフェいい感じね~」

ひろし(また話を遮りやがって)

「んあ、そうだな~この辺にしちゃあオシャレな感じのカフェだな」

みさえ「車に乗ってたら見落としちゃう発見があっていいわ~♪帰りここでお茶していかない?」

ひろし「え~…」チラッ

店内をガラス越しに覗くひろし。

「(おっ!可愛い子ちゃん発見!)ま、まぁたまにはいいな!よし、帰り寄るか!」

みさえ「やったー!」

539: 2013/01/12(土) 22:39:36.96


あのカフェからまたさらに30分後

みさえ「やっと着いたわー!」

ひろし「遠かったー!これで美味くなかったら悲しいぜ」

みさえ「きっと美味しいわよ!」

「いらっしゃいませー!」

540: 2013/01/12(土) 23:08:48.16
ひろし「おっ!いい匂いだな!」

みさえ「本当ねぇ♪」

ひろし「このパン美味そうだぜ」

みさえ「このあんパンもいいわね!」

ひろし「このチーズ入ってるの食いてぇな」

みさえ(ふふ…結構はしゃいじゃってるじゃない…よかったぁ♪)

……………
………


「合計で1980円でございまーす!」

ひろし「おい、財布出さないのか?」

みさえ「えっ、あなた買ってくれないの?」

ひろし「おいおい俺はついてきてやったんだぜ?そりゃ変だろ?」



547: 2013/01/13(日) 06:11:03.41
みさえ「だってあたし今千円しか持ってないわよ~」

ひろし「えーっ!なんだよそれ!」

みさえ「おねが~い♪」

ひろし「ったくよぉ…」

(結局こうなるのかよ…)




「ありがとうございました~っ」

548: 2013/01/13(日) 06:18:35.35
みさえ「あなたーっありがとう♪」

ひろし「ほんとだよ…コーヒー代はみさえが出せよな!」

みさえ「あーはいはい」

「それよりさー!このパン一つ食べてみない?」

ひろし「おっ、そうだな!俺あんパンがいいな」

みさえ「嫌よ~!あんパンは家でゆっくり食べたいの!」

ひろし「けっ!じゃあ好きなのにしろぃ」

みさえ「うーん。じゃあこのよくわかんないチーズので」

ひろし(俺が一番食べたかったやつか…なんか…むなしいって言うか…)

549: 2013/01/13(日) 06:23:29.92
モグモグ…

二人でパンを半分こして歩きながら食べた。

ひろし「このパン美味いぜ!」

みさえ「うん!来て正解だったわぁ!」

ひろし「そうだな」

(今日は天気もいいし…たまにはいいな。)

チラッ

(みさえは本当に美味そうに食うな~…)

(なんだかんだ、みさえと一緒だと飽きないよな…結婚してよかったな…)

561: 2013/01/14(月) 00:33:50.93


みさえ「美味しかったわぁ~♪あとは家に帰って緑茶と一緒にあんパンを…////」

ひろし「おい、お茶して帰るって言ったのはどこのどいつだ?」

みさえ「いっけなーい☆忘れてたわん」

ひろし(ほんとドジだなぁ…まぁ嫌いじゃないんだけどな)

15分くらい歩いて、さっきのカフェに着いた。

563: 2013/01/14(月) 00:38:29.43
カランカラン…

「いらっしゃいませ」

みさえ「二人です」

「お好きな席にどうぞ」

みさえ「えーっと…あっ、窓際の奥!あそこいいじゃない♪」

ひろし「おう、そこにしようぜ」

席につく二人。

ひろし「俺、ホットコーヒーで」

みさえ「じゃあ…私は温かいミルクティーを…」

「かしこまりました」ニコッ

566: 2013/01/14(月) 00:50:30.58

ひろし「なぁ…あの子可愛いな///」ヒソヒソ

みさえ「私も思ってた!あんな可愛い子なかなかいないわね!」ヒソヒソ

みさえ「ふーっ…それに、落ち着くお店ねぇ…」

ひろし「そうだな…外国にいるみたいだな」

そのカフェは大きくはないが席数が少なく、広々としている。
アンティークの調度品で揃えられた店内はどこか懐かしい感じがした。

567: 2013/01/14(月) 00:56:19.16
ひろし「なんかよ、不思議と緊張しないな!」

みさえ「そうねぇ~…こういうお店って普段は緊張しちゃうんだけど…」

「お待たせしました。ホットコーヒーと、ミルクティーでございます」

みさえ「あら!カップも素敵!」

ひろし「本当だ…俺のコペンハーゲンだぜ…」

「全て違う種類のカップを使用しております。あと、こちらはサービスのクッキーです」

みさえ「すごいわぁ~!こんなお店なかなか無いわよ」

「ごゆっくりどうぞ」

568: 2013/01/14(月) 01:04:50.31
ひろしはコーヒーを一口飲んだ。

ひろし「…これ…美味いなぁ…!」

みさえ「ミルクティーもすごく美味しいわ!紅茶の香りが鼻に抜けていくって言うか…」

ひろし「雰囲気よし、味よし、本当にいい店見つけたな!」

みさえ「また来ましょうよ!ひまわり誘って!」

二人はゆっくりとコーヒーや紅茶の味を楽しんだ。

しんのすけの話。ひまわりの進路の話。他愛もない話…。

569: 2013/01/14(月) 01:12:13.55
みさえ「なんだか久々ねぇ…こうしてあなたとゆっくり話すのも」

ひろし「あー…確かに。こんな感じで話すのは滅多にないな…」

「…ありがとよ。みさえ」

みさえ「ななななによ急に…!」

ひろし「みさえが誘ってくれたから、こうして話できてんだ。ありがとよ!」

みさえ「やっ、やぁねぇ~…////」

ひろし(照れてやがる…まだ可愛いとこもあんだな)

ひろしはふと窓の外を見る。

休日の昼間とあって、手を繋いで歩く親子、犬の散歩をする人、デートするカップル…みんなそれぞれの休日を楽しんでいるようだ。

570: 2013/01/14(月) 01:17:11.56
ひろし(みんな笑顔で、楽しそうだな…なんかこっちまで幸せな気持ちになる………ん??)

「……あ…あ…お…!」

みさえ「あなたどうしたの?変よ?」

ひろし「ああああれあれあれ…!あれ!」

窓の外を指すひろし。

みさえ「あれじゃわからないわよ…どこ?」

ひろし「あの!横断歩道渡って!向かいの!歩道!見ろ!」

みさえ「なによ~………えっ…!!??!」

二人は目を疑った。

581: 2013/01/14(月) 09:15:08.20
ひろし「あれ、いや、でも…」


「「親父・お父さん」」


みさえ「なんでいるの~!こっち来るなんて聞いてないわ~!」

ひろし「親父の事だからなぁ…参ったな…」

みさえ「とにかく、追いかけなきゃ!あのまま家に行っちゃうわ!」

ひろし「そうだな!会計するから、お前先に行け!」

みさえ「わかったわ!」

583: 2013/01/14(月) 09:35:40.91
ひろし「ごめん!会計お願い!」

「かしこまりました!お急ぎだったのですね………1150円でございます…」

ひろし「あっ、気にしないで、お嬢さん」

お金を手渡すひろし。

「丁度お預かりします。またお待ちしています」にこにこ

ひろし「(かーっ!可愛いなぁ!////)お嬢さん、また来ますね、ハハハッ」

ひろしは歯とおデコをキラリと光らせた。

ひろし「ハッハッハ…!お嬢さん、お名前聞いていいかな?」

「あ、大原です…でも…あの、奧さまが…」

ひろし「奧さま?いやぁ、妻は先に…」クルッ

後ろを向くと、店の外で鬼の形相でこちらを見ているみさえがいた。

ひろし「あっ…ハハッ、ハハ…じゃ、おっ大原さん、また来るよぉっ…!」ガクガク

「ありがとうございましたぁ…」

584: 2013/01/14(月) 09:43:07.10
キィ…

ひろし「どどどどうしたみさえ~親父は見失っちまったか?仕方ないなぁ…!」

みさえ「…あ?」

ひろし「ごめんなさい」

みさえ「調子に乗るんじゃないわよ?あんな若い子相手にね…」

ひろし「ひいっ!勘弁してくれよ…」

みさえ「まぁ、今日はお父さん追いかけないといけないし…仕方ないわね」

ひろし(ホっ…)

二人は銀之助らしき人物の向かった方へ向かった。

594: 2013/01/14(月) 15:51:43.10
ひろし「あれ~?いねぇな…」

みさえ「変ねぇ…一直線の道だから遠くからでも見えていいはずなんだけど…」

ひろし「でも親父はなんでこんな所歩いてるんだ?そんなに土地勘あったっけ?」

みさえ「お父さんは相変わらず元気だから…散歩でもしてるのかしら?」

一直線の道を歩いていると前方に銀之助らしき人物がいた。

595: 2013/01/14(月) 15:56:36.20

ひろし「あっ!いた!おーい!親父ー!」

走り出すひろし。

みさえ「あっ、あなた待って!」

追いかけるみさえ。

ひろし「あれ…聞こえねぇのか?」

みさえ「人違いかしら…でも…似てるわよねぇ」

銀之助らしき人物は、右に曲がってしまった。

598: 2013/01/14(月) 16:19:52.53
ひろし「やべっ!見失っちまう!」

………



走るスピードを上げて二人も右に曲がる。

ひろし「はあっ…あれ…?」

みさえ「やだぁ… 」

銀之助らしき人物が民間に入って行くのが見えた。

ひろし「あれ~…人ん家に入っていったぜ!?」

みさえ「人違いだったみたい…」

ひろし「なんだよぉ~…ここまで来たのに最悪だぜ」

みさえ「元はと言えばあなたが悪いのよ!勘違いするから!」

ひろし「あ?お前だって親父だと思ってたじゃねぇか!」

みさえ「だってあなたがそう言うんだもん!もー!あなたが悪い!もっとあのカフェにいたかったわ!」

ひろし「んだよー!そんな言い方ねぇだろ?!」

ケンカになってしまった。

607: 2013/01/14(月) 20:40:14.15
みさえ「なーにーよー!本当のことでしょ??!!」

ひろし「あん?!なんだよお前ー!」

いつしか二人の周りには人が集まっていたが、そんな事は全く眼中に無かった。

みさえ「あーやだやだ。すぐ怒っちゃうんだもん!子供みたい!」

ひろし「なんだよー!お前はいちいち一言多いんだよ!」




「うるせー!!!人の家の前でなにしてんだー!!!」

608: 2013/01/14(月) 20:45:43.30
ビクッ…!!

ひろし・みさえ「「あ、やば…」」


「いい大人がなにしてんだー!」


先ほど銀之助のそっくりさんが入っていった民間から誰か出てきた。

ひろし・みさえ「「ごめんなさーい!!」」

頭を下げる二人。

「おめぇら!うるせーべ!!こんな住宅街でなにを…………あれ?」

「あんたら…ひろしとみさえさんかい?」

「えっ?」と二人は頭を上げ、恐る恐るその人を見た。

610: 2013/01/14(月) 20:52:25.53
「なーにしてんだーおめぇら~」

ひろし・みさえ「「親父?!・お父さん?!」」

そこにいたのは銀之助のそっくりさんでは無く、正真正銘の銀之助だった。

ひろし「おっ、親父こそなにしてんだよ!!」

みさえ「そうですよ~!こっちに来るなら来ると…」

銀之助「はっはっは!いや~今回だけは秘密にしておきたかったんじゃ!」

「でも…もう隠せなさそうじゃな…」

ひろし「どういうことだ?」


ガララ…

?「野原さん、どうしました?大丈夫ですか?」

民家からまた別の人が来た。
銀之助よりは少し若い、おじいさんとおばあさんだ。

611: 2013/01/14(月) 20:58:35.70
銀之助「いやー!大原さん!悪いなぁ、大丈夫ですよ!」

おじいさん「そりゃあ良かった。…で、そちらは?」

銀之助「あ、この二人な、例の息子夫婦だ。なんか偶然会っちまったみてぇだ~」

おばあさん「あらあら、こりゃサプライズも失敗じゃないかい?」

みさえ「一体どういうことなの…?」

ひろし「いやぁ…さっぱり…」

おばあさん「立ち話もなんですから、皆さんお上がりくださいな」ニコッ

おじいさん「寒いからな、ほら、早く」ニコッ

おじいさんとおばあさんは笑顔が素敵な人だった。

612: 2013/01/14(月) 21:05:11.21
いそいそと家に上がる二人。

おばあさん「お茶淹れるんで、座ってて」

みさえ「あっ、お気遣い無く…!」

客室に着いた。

おじいさん「さ、お座りください…」

ひろし「失礼します…」

みさえ「なんか…まったく状況が掴めないわ」ヒソヒソ

ひろし「俺だって…なにが何がなんだか…」ヒソヒソ



おばあさん「お茶、お持ちしました…」

お茶を置き、おばあさんも座った。

614: 2013/01/14(月) 21:40:09.11
ひろし「あの…これは一体…」

銀之助「うーん…どこから話そうかの…」

みさえ「えっと…まず、大原さん?とお父さんはどこてお知り合いになったのですか?」

銀之助「大原さんとはネットで知り合ったんだ~」

おじいさん「そうなんです。SNSを通じてね」

相違っておじいさんはノートパソコンを持ってきた。

おじいさん「これです」

ひろし「…これ…フェイスブックですか?」

おじいさん「そう。最初は趣味が合うので友達になったんですよ」

銀之助「それに春我部にお住まいっちゅーことでな!いつか会えるんじゃねーかと思ったんだべ!」

おじいさん「そう。それで…これが私のブログです…日々の思うことや、植物の写真なんかを載せているんです」

みさえ「すごいわぁ~!本格的…!」

ひろし「でも…俺たちは関係無いんじゃあ…」

615: 2013/01/14(月) 21:55:13.17
銀之助「いや!それがなぁ~大いにあるんじゃ」

おじいさん「この日のブログです。読んでみてください」

ノートパソコンをひろしとみさえが見やすい位置に移す。

20○○年○月○日

また産まれました。


我が家で長年飼っている雑種の犬。
また新しい家族が増えました。

元を辿れば、一代目のメスが脱走して、どこかの犬との子を妊娠したのが始まり…

その時は五匹授かりました。

無事に産まれ、三匹は貰ってもらいました。

そして、残りの二匹との間に、子が出来ました。

今回も五匹授かりました。

また貰い手を探しています。

気になりましたらご連絡下さい。




記事の最後には犬達の写真が貼ってあった。

616: 2013/01/14(月) 22:03:06.19
その写真には真っ白で、ふわふわの小型犬がたくさん写っていた。

写真がを見るなりひろしとみさえは絶句した。

銀之助「どうじゃ!オラもたまには役に立つべ!」

おじいさん「野原さんは直ぐに連絡を下さってね…」

おばあさん「でも…何とも不思議な事があるもんだねぇ…」



ひろし「あ…あ…これ…」

みさえ「し、シロだわ…!シロ!シロよ!」


銀之助「本当はオラが連れて、ひろしの家にいきなり行って驚かそうと思ってたんじゃ…」

おじいさん「まぁ…でも、十分驚いているじゃないですか」ニコニコ

617: 2013/01/14(月) 22:11:06.66
ひろし「おっ…親父ぃいい!!」

ガシッ!

銀之助「なんだべ!きもちわりぃ!抱きつくな!お前はホ〇か!!」

ひろし「親父っ!親父っ!最高の親父だよぉお!」

みさえ「あっ、あのぉ…!」

おじいさん「早速会うかい?」

ひろし・みさえ「「もちろん!!」」

おばあさん「犬たちは二階にいるよ…どうぞ…」

ひろし「こっちですね?!行くぞみさえ!!」

みさえ「えぇ!」

ドタドタドタドタ…

二人は勝手に二階に上がって行ってしまった。

銀之助「はは…こりゃお恥ずかしい…」

おじいさん「おやおや…ははは」

おばあさん「よっぽど忘れられなかったんだねぇ…」

三人も二階に向かった。

619: 2013/01/14(月) 22:22:24.64
ドタドタドタドタ…

足音に反応し犬たちは吠えた。

ワンッ!ワン!

ひろし「ここか?!」

キィ…

ドアを開けるとそのには犬達が集まってこちらを見ていた。

ひろし「あ…は…本当かよ…」

みさえ「嘘みたい…」

二人は犬達に駆け寄り抱き締めた。

ひろし「うおおお…シロっ…シロぉ……うぅ…」

みさえ「シロよ…グスッ…絶対、絶対シロの子だわぁっ!ズズッ…」

二人は大粒の涙を流していた。

ひろし「こんな事ってあるのかよぉ…うおお…ズズッ…」

みさえ「奇跡だわ…ひっく…えっ…うあぁん…」

620: 2013/01/14(月) 22:33:46.17
銀之助「子供みたいに泣きよって…」

おばあさん「でも、本当に奇跡かもねぇ…」

おじいさん「この人たちなら…子犬を幸せにしてくれそうだ…」

ひろしとみさえは、わんわん泣いて喜んだ。

………
……


おばあさん「どれ、落ち着いたかい?」

ひろし「すいません…あんまりにも嬉しくて…」

みさえ「ほんと…恥ずかしいです…へへ…」

おじいさん「じゃあ、どの子犬にするかね?」

622: 2013/01/14(月) 22:38:28.38
ひろし「うーん…やっぱり…この子かな…シロに一番似てる!」

みさえ「私も同じ事考えていたわ!」

おじいさん「おぉ…シロ次郎を選んだか…」

ひろし「あっ、だめでしたか? 」

おじいさん「いやぁ…どの子でも良いんだが…」

おばあさん「シロ次郎はシロ子と仲が良くてねぇ…」

おじいさん「できるならその二匹は引き離したく無いんだ…」

623: 2013/01/14(月) 22:44:04.88
クーン…クーン…

シロ次郎にすり寄る犬。

ひろし「この子がシロ子か…」

みさえ「二匹…かぁ…」

ひろし「………よし!二匹とも引き取ろうぜ!」

みさえ「えっ、でも…」

ひろし「家計ならなんとかなる!しんのすけも社会人になるんだし、大丈夫だ!」

みさえ「ん…そ…そうね、二匹とも迎え入れましょう!」

銀之助「おっ、それでこそオラの息子だべ~っ!」

おじいさん「よかった…」

おばあさん「本当にね…よろしくね…」

624: 2013/01/14(月) 22:52:10.71
引き取る犬も決まったので、一階の客室に戻り、役所への手続きの話などをした。

………



おじいさん「…ということで、よろしくお願いします」

ひろし「こちらこそ、ありがとうございます!!」



ガララ…

「ただいまぁ~!あれ~?誰か来てるの~?」

おばあさん「おや、孫だ…すいませんねぇ…大声で…」

おばあさんは部屋を出て孫の所に向かった。

おばあさん「こら!今お客さんが来てるんだよ!」

?「あっ、ごめん!…もしかして、犬貰ってくれる人?」

おばあさん「そうだよ…お前も挨拶しておくかい?」

?「うん!どんな人か確かめなきゃ!」

部屋の外からそんな会話が聞こえてきた。

おじいさん「いやぁ…みんな声が大きくて…お恥ずかしい…」

625: 2013/01/14(月) 22:56:17.36
みさえ「いやぁ…私たちも大声でしたし…あははは…」

おばあさんが戻ってきた。

おばあさん「悪いねぇ…孫がどうしても挨拶したいっていうから…ほら!」

?「失礼します……あれ?」

ひろし「ん?あーっ!」

みさえ「あら!さっきの…!」

銀之助「可愛い子じゃあ…////」

627: 2013/01/14(月) 23:27:59.97
おじいさん「あれ?顔見知りでしたか?」

みさえ「顔見知りというか…なんというか…」

?「さっき私のバイト先に来てくれたお客さんだよ~!」

ひろし「なんか今日はすごい日だなぁ…」

みさえ「偶然が重なるわね…」

?「あっ…さっきはありがとうございます…私、大原ももこって言います」

ももこ「さっき急いでた理由はこの事だったんですか?」

ひろし「いやぁ…それが…」


さっきあったことを話した。

628: 2013/01/14(月) 23:32:32.43
ももこ「へぇ~そうだったんですね!」

「ふふ…でも、子犬たちも野原さんなら安心して任せられます♪」

銀之助「そんなことより、ももこちゃん可愛いのぉ…///そのバイト先とやらはどこだべ?///」

ひろし「親父…辞めてくれよ…」


あはははは…


そのあとは少し談笑していた。
あと、銀之助は子犬の為に首輪とリードを買っておいてくれていた。

629: 2013/01/14(月) 23:37:07.14
カチッ…

ひろし「よし!これで大丈夫だな!」

みさえ「シロ子の首輪も付けたわ!」

銀之助「じゃあ、大原さん、世話になりました」

おじいさん「いえいえ、こちらこそ良かったよ…」

おばあさん「たまに遊びにいらっしゃいな…」

ももこ「待ってます!」

おじいさん達は犬たちを抱え、犬の腕を持ちバイバイと手を動かした。

ひろし「失礼します…」

三人は家路についた。

630: 2013/01/14(月) 23:40:30.60
ひろし「それにしても…親父…本当びっくりしたよ…」

みさえ「本当…!まさかこうなるなんて…」

銀之助「はっはっは!お前達の喜ぶ顔が見たくてな!」

ひろし「粋なことしてくれるぜ!……シロ次郎!シロ子!これからよろしくな!」

ワンッ!ワンッ!

みさえ「あら、シロに似て賢いのね…」

631: 2013/01/14(月) 23:44:55.89
ひろし「あ、そういや、こいつらの小屋どうしよう…」

みさえ「いけない!忘れてたわ…」

銀之助「まだ小さいししばらくは家の中で飼うじゃろ?」

ひろし「そうだな…ま、後々考えればいいか!」

みさえ「そうね…」


ガチャガチャ

ひろし「ただいまー!ひまわりー!?いるか?!」

ひまわり「父さん?やっと帰ってきたぁ~!」

トントントン…

二階からひまわりが降りてきた。

ひまわり「んもぉ~お腹すいた……え?」

632: 2013/01/14(月) 23:49:56.17
ひまわり「おじいちゃん?!」

銀之助「ひまわりちゃん!元気しとったかの?」

ひまわり「またいきなり来…て………」

「シロ…シロがいる…二匹…どどどぉうしよぉ!シロの霊がぁ!」

みさえ「もー!霊じゃないわよ!本物!」

ひろし「そうだ!新しい家族だ!」

ワンッ!

ひまわり「あ…あは…可愛い…!!なんで?どうして?!」

銀之助「じいちゃんからのサプライズだべ!」

銀之助はピースサインをした。

633: 2013/01/14(月) 23:55:26.47
ひまわり「えぇ?よくわかんないけど…可愛い~!もふもふだぁ~///」

みさえ「黄色の首輪がシロ次郎。ピンクの首輪がシロ子よ」

ひまわり「えへへ…本当に可愛いゾ////」

銀之助「そうじゃ!写メ撮ってやるべ!玄関に並べ!ほら!」

言われるがまま並ぶ三人と二匹。

銀之助「はい、チーズ!」

カシャッ

ひまわり「おじいちゃん、あたしの携帯でも撮って!」

銀之助「任せろ~………はい、チーズ!」

635: 2013/01/14(月) 23:59:34.47
ひまわり「えへへ…兄ちゃんにメールする…///」

みさえ「きっと喜ぶわよ!ふふふ」

ひろし「よし!今日は親父も、新しい家族も来てくれた事だし、パーっとやろうぜ!」

みさえ「出前でも取りましょうか!」

ひまわり「やったぁ~!」

銀之助「酒な用意してある!」

ワンッ!

ワンッ!

シロ次郎もシロ子も嬉しそうだ。

636: 2013/01/15(火) 00:04:19.02
~~~♪~~~♪

しんのすけん「メール…」

(ひまわりか…)

件名:速報!!
本文:家族が増えたよ!
兄ちゃん絶対喜ぶよ!


しんちゃん?
早く帰ってらっしゃい!
美人のママより


添付ファイル有り


(ま、まさか、母ちゃん妊娠したとかじゃないよな…取り敢えずこのファイル開こう…)

「…あ………」

638: 2013/01/15(火) 00:10:16.10
ひろし「やっぱ寿司か?!それともウナギか?!」

みさえ「あーんピザも食べたいわ~」

銀之助「若いお姉ちゃんも電話で呼ぼう!」

ひろし「はっはっは!親父!ちょっと違うぜ!飯の後に呼ぶもんだ!そりゃデリ」
みさえ「二人ともやめなさい」




~~♪~~♪~~♪

ひまわり「あっ!兄ちゃんから返事来たぁ」



件名:Re:速報!!
本文:今から帰る



end

767: 2013/01/27(日) 06:11:19.81
みさえ「やだっ!すごい雪…」

ひろし「今年の新成人は大変だなー」

ひまわり「あ~これじゃあ遊び行けなーい」

ひろし「おっ!じゃあ父ちゃんと庭で遊ぶか?!ん?!」

ひまわり「うーん、いいや…」

ひろし「堅いこと言うなよ~ひまわりぃ~」

ひまわり「シロ子とシロ次郎と遊べば?」

ひろし「えー冷たいなぁ…」

みさえ「も~、ひまわりだって高校生よ?」

ひろし「わーったよ!シロ子!シロ次郎!遊ぶか!」

ワン!ワンッ!

768: 2013/01/27(日) 06:19:28.65
ーーーおはようございます今日は全国各地で成人式が行われておりますが広い範囲で大雪に…ーーーー

しんのすけ「うわぁ…まさかこんな雪になるとは…」

「あいちゃん来られないだろうなぁ…」

(でも連絡きてない…まだ寝てるのかな?)

コタツでテレビを観ながらボーッとしていた。




ピンポーーーン…


しんのすけ「えっ?!」

慌てて玄関に向かう。

ガチャガチャ…キィ…

あい「しんさま…寒いですわ…」

769: 2013/01/27(日) 06:26:21.51
しんのすけ「あいちゃん!早く!入って!」

あい「おじゃまします…」

コートについた雪を払い、家に入った。

しんのすけ「適当にハンガー使って!なんか温かい飲み物いれる!」

あい「ありがとうございます」

素早くハンガーにコートを掛けてコタツに入る。

あい「あったか~い///おコタは最高ですわ///」

しんのすけ(あいちゃんもだんだん庶民的になってきた気がするゾ)

770: 2013/01/27(日) 06:35:29.10
ココアを2つ作った。

しんのすけ「お待たせしました」

あい「ありがとう、しんさま」

しんのすけもコタツに入る

あい「それにしてもすごい雪でしたわ…」

しんのすけ「電車ちゃんと動いてた?」

あい「いいえ?動いてませんわ」

しんのすけ「黒磯さんの車で来たの?」

あい「いや、今日はヘリできましたわ」

しんのすけ「こんな天気でヘリ?!」

あい「元空軍の腕利きパイロットがいますの。だから大丈夫ですわ。近くのビルのヘリポートからはさすがに歩きましたけど…」

しんのすけ「お、おぉ…(やっぱり庶民的じゃない…)」

771: 2013/01/27(日) 06:43:34.37
ひろし「防寒はバッチリ!それ!行け!」

シロ子とシロ次郎を庭に放す。

ワンッ!

ひろし「よーし!年甲斐もなくはしゃぐぜ~!」

ワン!

ワン!

ひろし「…あれ、シロ次郎ー?!」

ワンッ!

ひろし「おかしいな…いない…」

ワン!

ひろし「おーい、みさえー!」

居間のガラス戸を叩く

みさえ「なにー」

ひろし「シロ子とシロ次郎、家の中戻ったか?」

みさえ「やぁね~あなたと外出たじゃない…」

ひろし「おっかしいな~…」

ワン!

772: 2013/01/27(日) 06:51:23.56
ひまわり「ねぇ父さん、あれシロ子じゃない?」

物干し竿の方を指差す

ワンッ!ワンッ!

ひろし「あ…本当だ!こいつら毛が真っ白だから雪と同化しちまってる…」

ひろしは老眼気味の目をこすった。

みさえ「もー、遊ぶのも程々にね!」

ひまわり「兄ちゃんいればさ、遊んでたのにね!」

みさえ「そうね…」

(…しんのすけ…成人の日になると思い出すなぁ…)

774: 2013/01/27(日) 06:56:54.32
あい「今年の新成人は大変ですね」

しんのすけ「本当だゾ…こんな雪で…」

あい「今日の映画は中止ですね…」

しんのすけ「そうだねぇ…ま、たまには二人でグダグダするゾ!」

あい「そうですね!///」

しんのすけ(成人の日…もうあれから2年経ったのかぁ…)





一旦切ります。

778: 2013/01/27(日) 14:29:57.33
~二年前~


みさえ「しんのすけー!!風間くん達来たわよー!!!」

しんのすけ「おー!もうちょっとで出る…!!」



みさえ「ごめんねぇ~…まだトイレから出てこなくて…」

風間「いやいや、大丈夫ですよ」

ボー「まだまだ、時間あります」

みさえ「本当にごめんね~…寒いから、中入って待ってて!?」

風間「はは…じゃあ、お言葉に甘えて…」

ボー「おじゃまします」

779: 2013/01/27(日) 14:46:24.03
風間「おじゃましま~す…」

ひろし「おっ!風間くん!ボーちゃん!かっこいいなぁ!!」

ひまわり「ほんとだぁ~!スーツ似合う~!」

風間「いやぁ…///」

ボー「ぼっ///」

みさえ「ほんとねぇ…それにしても、もう成人式かぁ~」

ひろし「早いもんだよ…あんなにちっちゃかったのによぉ」

しんのすけ「オラもこんなに大きくなっちゃった…///」

風間「わっ!しんのすけ!」

みさえ「ちょっと!なんて格好してるの!」

トイレに入っていたしんのすけは、ワイシャツ一枚で戻ってきた。

しんのすけ「だって~スーツにうんちの臭いがついたら女の子にモテないゾ~」

みさえ「だからってもー!早く着なさい!」

ひまわり「兄ちゃんサイテー」

ひろし「ははは…ごめんな、二人とも…」

783: 2013/01/27(日) 18:52:28.57


みさえ「さっさと着替えなさい!」

しんのすけ「ほーい」

しんのすけは居間を出ていった。

ひろし「いやぁ…しんのすけはいつまで経っても子供だな…」

風間「でも、いつまでも素直な所はいいと思います」

ボー「僕、しんちゃんと一緒にいると楽しいです」

ひろし「二人とも…」

みさえ「なんだか嬉しいわね//」

ひろし「幼稚園から、ずっと仲良くしてくれて、ありがとうな」

風間とボーちゃんは照れながら笑った。

784: 2013/01/27(日) 18:57:30.94
しんのすけ「おまたせーっ!行こー!」

風間「じゃあ、行こうか」

ボー「ボッ」

みさえ「ちょっとーハガキ持ったー?」

しんのすけ「持った持った!大丈夫だゾ!」

ひろし「気を付けろよ!飲みすぎるなよー!」

しんのすけ「んもー父ちゃんじゃあるまいし大丈夫!」

みさえ「今日は夜まで帰って来ないの?」

しんのすけ「うん。マサオくんたちとも遊んでそのまま同窓会行く」

みさえ「あ、そう、いってらっしゃーい」

しんのすけ「ほーい!」



バタン

785: 2013/01/27(日) 19:13:18.39
~成人式会場~

風間「うーん。この辺にマサオくんたちいるハズ…」

「おーい!みんなー!」

しんのすけ「あっ!マサオくん!ネネちゃん!」

ボー「ボー!」

マサオ「ごめん!待った?!」

ネネ「オニギリが髪形決まらないとか言って遅くなったのよ~」

しんのすけ「ネネちゃんは振り袖着ないの?」

ネネ「ん?まぁ、既婚者だしね…」

ボー「でも、スーツ似合ってる」

風間「うん!ステキな女性って感じだよ!」

ネネ「ありがとー!あなたもこれくらい言えなきゃね…」チラッ

マサオ「えぇ~…」

787: 2013/01/27(日) 19:26:18.84
風間「ま、まぁ…ほら!早く入場しないと!」

マサオ「そ、そうだね!行こう!早く行こう!」

しんのすけ「マサオくん大変ですなぁ…」

ボー「ボッ」


ーーーー次の方、どうぞー!ーーー

「成人おめでとう」

しんのすけ「やったー!記念品!」

風間「記念品くらいではしゃぐなよ…」

ボー「でも、中身気になる」

マサオ「ぼく開けちゃおうかな!」

ガサガサ…

マサオ「これ…」

ネネ「写真立てね」

風間「写真立てだ」

ボー「ボー…」

しんのすけ「ちょっと期待外れだゾ…」

風間「まぁこんなもんだよな」

ボー「あ、そろそろ始まる…」

788: 2013/01/27(日) 19:40:42.40
…………




しんのすけ「あーーー長かったゾー」

マサオ「ねぇねぇ!皆で写真撮ろうよ!」

風間「いいね!誰かに撮ってもらうか」

キョロキョロと周りを見渡す

ネネ「みんなそれぞれ写真撮ってて頼めないわね…」

ボー「あ、あの人たち、暇そう」

風間「お、新成人の保護者とかかな?…すみませーん!」

「はい…?」

風間「あの…写真を…」

「写真ね、わかったわ…あれ…」

「風間くん?!ボーちゃんに…しんちゃんよね?!ネネちゃんとマサオくんじゃない!!!」

しんのす「おー!その声は!」

風間「よ、よしなが先生ですか…?」

「なぁに~騒がしい…」

ネネ「あっ、まつざか先生よ!」

ボー「隣は、上尾先生…」

上尾「ひいっ!なんで覚えてるのよぉ~…」

789: 2013/01/27(日) 19:56:32.74
まつざか「まっ、まさかあのひまわり組…?!」

石坂「そうみたい…会えて嬉しいわ~!」

上尾「なんで私なんかなんで私なんか…」

しんのすけ「先生たち!お久し振りだゾー!」

ネネ「変わってないですね~」

風間「あの…僕たちのこと覚えてるんですか…?」

石坂「もちろんよ~問題児…いや、インパクトが強いっていうか…」

まつざか「あなた達を忘れる方が無理よ~」

ボー「でも、なんで、成人式に来てるんですか?」

石坂「ん?だって、もしかしたらこんなふうに皆に会えるんじゃないかなって…」

まつざか「先生ったら急に呼び出すんですもの、困っちゃうわぁ」

石坂「いいじゃない!どうせ暇でしょう?」

まつざか「う、うるさいわね…」

上尾「もう今期も逃して暇ですよね…へへっ」

まつざか「あ?なんか言ったか?」

上尾「いえ」

791: 2013/01/27(日) 20:17:26.22
石坂「ま、まぁ…あ!写真撮らなくちゃね!」

風間「そうですね!お願いします!」

五人は寄り添ってピースをした

石坂「はい、チーズ!」

………



先生たちとは少し雑談をして別れた。

よしなが(石坂)先生はもう幼稚園の先生を退職して専業主婦になってた。

まつざか先生と上尾先生はまだ幼稚園の先生だった。

792: 2013/01/27(日) 20:24:56.86
マサオ「ねぇねぇ!僕の家行ってゲームしようよ~!」

風間「こんな日にゲームかい?!」

マサオ「あ…なんか…皆で集まったの久々だし…昔を思い出したって言うか…」

しんのすけ「オラもゲームしたいゾ」

ボー「ぼくも!」

ネネ「あ、ちょうど昨日クッキー焼いたの!家で食べながらやりましょうよ!」

風間「そっか…そうだね、行こうか!」

五人はコンビニでお昼ご飯を買ってマサオくんとネネちゃんのアパートに向かった。

793: 2013/01/27(日) 20:37:39.33
ガチャ…

マサオ「狭いけど上がって!」

しんのすけ「おじゃましまーす」

風間「あれ?そういえばののちゃんは…」

ネネ「あ、今日だけ実家に預けてるの」

風間「そっか…」

ボー「風間くん、残念そう」




皆でコンビニ弁当を食べながらゲームをした。



しんのすけ「うーっそろそろ目が疲れた…」

風間「久々にこんなにやったなぁ…」

ボー「ボー…」

マサオ「ねぇねぇ!みんな、これ見て!」

そういってマサオはアルバムを持ってきた

794: 2013/01/27(日) 20:54:28.85
風間「それ…ふたば幼稚園のアルバム?」

しんのすけ「なつかしーい!」

ボー「久しぶりに見たい//」

ネネ「マサオったら昨日からずっとアルバム眺めてて、みんなに早く会いたい~ってうるさかったのよ~」

マサオ「ネネちゃん…///」

しんのすけ「オラも昨日は楽しみで全然寝られなかったゾ~」

ボー「へへ…ぼくも//」

風間「みんなはまだまだ子供だなぁ…」

マサオ「でも風間くんも今日はしょっちゅう欠伸してるよね」

風間「んな…///ちょっと寝る時間遅かっただけさ…」

795: 2013/01/27(日) 21:05:49.52
………



マサオ「これ懐かしくない?!みんなでサツマイモ堀りしたの!」

風間「たしかに!しんのすけが大きいの見つけてさ」

ボー「みんなで引っ張った…」

しんのすけ「幼稚園の記憶だけどすぐ思い出せるゾ」

ネネ「あ…しいぞう先生…///」

風間「これは縄跳び大会だね」

ボー「みんなで頑張った」



マサオ「あー…なんか…もう十五年経ったのかぁ…」

ネネ「早いわね…」

風間「幼稚園からずっと仲良くしてるのって珍しいよな」

しんのすけ「オラたちは切っても切れない仲…ふぅっ」

風間「あひぃぃいああ////…し、しんのすけ!耳に息を吹き掛けるな!///」

796: 2013/01/27(日) 21:16:31.22
マサオ「ははは!二人とも変わらないよねぇ~!」

風間「そんなこと…!」

しんのすけ「ふぅっ」

風間「あひぃぃいああ…/////」

………
……


ボー「そろそろ、同窓会の時間…」

風間「あっ、本当だ…」

ネネ「またしばらく会えないわね…」

マサオ「…あれやる?」

風間「あたりまえだろ!」

しんのすけ「かすかべ防衛隊!」

「「「「「ファイヤー!」」」」」

797: 2013/01/27(日) 21:23:52.33
しんのすけとマサオは中学三年生の時は同じクラスだった。

そのため向かう場所も一緒だ。

マサオ「駅前の肉民だよね?」

しんのすけ「そうだゾー」

ガヤガヤ…

「おっ!野原ー!オニギリー!」

「久々じゃーん!」

「うぇーい」



みんな羽目を外して飲んだ


「野原っ!いっちゃう?!いっちゃう?!」

「なーんで持ってんの!なーんで持ってんの!」

しんのすけ「野原しんのすけ!いきまーす!」

マサオ「ああ…しんちゃん程々に…」


同窓会もお開きになった。

798: 2013/01/27(日) 21:29:32.35
しんのすけ「うげぇ…」

マサオ「しんちゃん飲みすぎだよぉ~」

しんのすけ「まだ…飲めるゾ…」

しんのすけと肩を組むようにして歩く。

…………
……


マサオ「しんちゃん…ぼくたち大人になっちゃったね…」

しんのすけ「おぉ…」

マサオ「ぼく、しんちゃんには感謝してるんだ。幼稚園の時から」

「ぼくがいじめれられてるとき、いつもしんちゃんが助けてくれた」

しんのすけ「当たり前だゾっ…友達…だ…おえっ…」

799: 2013/01/27(日) 21:34:05.00
マサオ「しんちゃん大丈夫?!お家の人呼ぼうか?!」

しんのすけ「あ…母ちゃん…約束…」

マサオ「え?お母さん?お母さん呼べばいいの?」

しんのすけ「歩道橋行く…」

そう言ってしんのすけはおぼつかない足取りで歩道橋の方へ向かった

しんのすけ「母ちゃん…んぐぅ…」

マサオ「えっ?しんちゃん?!寝ちゃだめだよ!」

ペチペチ!

しんのすけの頬を軽く叩く

マサオ「寝ちゃった…参ったな…とりあえずしんちゃんのお母さん呼ぼう…」

800: 2013/01/27(日) 21:40:20.79
マサオ「しんちゃん携帯借りるよ…」

(えーと…………うーん…自宅…これかな!)


ーーーーープルルルルループルルルルーガチャ

みさえ「はい、野原ですぅ」

マサオ「あっ、おばさんですか?お久しぶりです、マサオです!」

みさえ「あらっ、マサオくん?!…まさか…しんのすけがご迷惑を…」

マサオ「えへへ…ちょっと飲みすぎちゃったみたいです…」

みさえ「いやだわ…!今すぐ旦那に迎えに行かせます!」

マサオ「あっ!いや!おばさんが来てください!」

みさえ「??どうして?」

マサオ「しんちゃんはおばさんに来てほしいみたいで…」

みさえ「うーん…わかったわ!今どこにいるの?」

マサオ「えっと…」

今いる歩道橋の場所を教えて電話を切った。

801: 2013/01/27(日) 21:45:11.34
しんのすけ「んーあー…マサオくん…」

マサオ「なにしんちゃん…」

しんのすけ「そろそろ…アクション仮面が…」

マサオ「寝言かなぁ…幼稚園の頃みたい…ふふ」

しんのすけ「マサオくん…ずっと…」

マサオ「ん?」

しんのすけ「ずっと友達…だゾ…」

マサオ「しんちゃん…グスッ…」

「ありがとうしんちゃん…」

802: 2013/01/27(日) 21:49:24.61
それから十五分くらい経ってみさえが来た。

みさえ「ごめんねー!」

マサオ「あ、いや、全然大丈夫です!」

みさえは走って来た様で息を切らしていた。

みさえ「もう、大丈夫だから…マサオくん、帰っていいわ…」

マサオ「いやいや、家まで行きましょうか…?」

みさえ「大丈夫よ!重いでしょ!?今起こすわ!」

「こら!しんのすけ!起きなさい!!!」

803: 2013/01/27(日) 21:54:46.54
しんのすけ「んが…母ちゃん…」

マサオ「あっ起きた…」

みさえ「ほら!帰るわよ!」

しんのすけの腕を肩に回す

みさえ「マサオくん、ありがとうね~」

マサオ「いやっ、これくらい//」



マサオはアパートに帰って行った


みさえ「んもー…なんでこんなに飲んじゃうのかしら…」

しんのすけ「母ちゃん…うぅ…」

「吐きそう…」

804: 2013/01/27(日) 22:06:00.71
みさえ「げっ」

思わず肩に回していたしんのすけの腕を話してしまった


ドサッ

しんのすけ「うおえっ…」

みさえ「んもー…」

しんのすけの背中をさする

みさえ(…あっという間に、大きくなっちゃったなぁ…)

(たくましい背中…)

しんのすけ「母ちゃん…」

みさえ「ん?どうしたの?」

しんのすけ「十五年前…覚えてる?」

みさえ「しんのすけが五歳の時?」

しんのすけ「母ちゃん…成人式のハガキ拾ったじゃん…」

みさえ「いやっ///なんでこと覚えてるのよぉ…」

みさえは十五年前の成人の日に、新成人が落としたハガキを拾った。

そのまま成り行きでしんのすけと式に出席し、二十歳と偽って新成人たちとカラオケまで行ったのだ。

805: 2013/01/27(日) 22:19:31.20
みさえが二十歳とき、下痢で式に出席できず、成人式の記念品をもらえなかったため、未練があったのだ。

(結局罪悪感で…十五年前にもらった記念品…市役所に返しに行ったっけ…)

みさえ(嫌なこと思い出したわ…)

しんのすけ「カラオケの帰り…ここでした約束覚えてる…?」

みさえ「え…」

『オラが記念品もらったら、母ちゃんにあげるゾ!』

しんのすけは口を拭い、少しシワができた紙袋をみさえに渡した。

しんのすけ「母ちゃんこれ…」

みさえ「しんのすけ…そんなこと覚えてたの…」

みさえは紙袋を受け取り抱き締めた

しんのすけ「母ちゃん今までありがとう…」

「オラ、母ちゃんの子供でよかった」

みさえ「なに言ってんのよ…」

しんのすけ「おえっ…」

みさえ「帰るわよ…」

806: 2013/01/27(日) 22:27:28.00
また肩を組んで家路についた

みさえ「しんのすけ…」

「ありがとう…」


…………
……


みさえ「なんてことあったなぁ…」

棚の上の写真を見つめた。

(しんちゃん…自慢の息子ね…)

ひまわり「母さん?泣いてるの?」

みさえ「やっ、やぁね!違うわよ…」


ひろし「おーい!見てくれー!」

庭からひろしの声が聞こえた

807: 2013/01/27(日) 22:33:04.38
庭を見ると大きなかまくらがあった

ひろし「すごいだろ!庭と家の周りの雪全部かき集めたんだぜ!」

ひまわり「すごーい!あたしも入るー!!」

ひろし「みさえも来いよ!」

みさえ「ええ!」



ひろし「やっぱ三人入ると狭いな…」

ひまわり「父さん汗臭い…」

みさえ「あはは…そうだ、しんのすけに写真送ろーっと」

カシャ


みさえ「かまくら…なう…」

ピッ

808: 2013/01/27(日) 22:39:43.76
しんのすけ(あー…あれから二年かぁ…)

あい「しんさま、今日はずいぶんボーッとしてますわね?」

しんのすけ「んー?そうかな…」


ーーーー~♪~♪ーー


しんのすけ「あっメール…」

「母ちゃん…」

「へへっ…//」

あい「どうしました?」

しんのすけ「いや…なんでもなーい!」

ガバッ

しんのすけはあいちゃんに抱き付いた。

しんのすけ「オラたちも幸せな家庭築くゾ~///」


end

809: 2013/01/27(日) 22:44:23.80
最後までどうしようもないSSでごめんなさい。
保守してくれてた方々ありがとうございました。

ストーリーとかも思い浮かばなくなってきました。

今までありがとうございました。

ちなみにしんちゃんの成人式の話は実際にあるので見てみてください。個人的に好きな回です。

812: 2013/01/27(日) 23:30:59.62
よいよい

引用元: しんのすけ「あいちゃん…」