1: 2015/09/11(金) 21:00:16.49
楓「・・・・・・」

楓「・・・・・・」

楓「・・・暇だな」

楓「・・・・・・」

楓「・・・・・・」



https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441972816

2: 2015/09/11(金) 21:02:06.00
楓「そういやあいつら」

楓「最近来ないな」

楓「はは・・・は・・・は・・・・・・」

楓「・・・・・・」

楓「・・・・・・」


3: 2015/09/11(金) 21:04:11.47
テレビ『コレハマレーバクトイイマシテ』





楓「・・・・・・」

楓「(・・・このアニメのキャラクター)」

楓「(れんげにそっくりだな・・・)」

楓「・・・・・・」





楓「」ボー


4: 2015/09/11(金) 21:07:33.87
楓「・・・・・・」

楓「・・・少し在庫の整理でもするか」スッ

楓「」ガサガサ

楓「!」





お菓子『』





楓「・・・・・・」

楓「・・・これ」

楓「れんげが・・・好きだったやつ・・・」

楓「・・・・・・」

楓「」ガサガサ


5: 2015/09/11(金) 21:16:04.43
楓「・・・・・・」

楓「あとは適当に掃除でもしておくか・・・」

楓「」パッパッ

楓「?」

楓「これは・・・」スッ

楓「れんげが・・・赤ん坊だった頃の・・・」

楓「注意事項をまとめた紙じゃねぇか・・・」


7: 2015/09/11(金) 21:21:05.88
楓「はは、まだ残っていたのか」

楓「もう・・・こんなにボロボロになっても・・・」

楓「本当に・・・懐かしいな・・・」

楓「・・・・・・」

楓「(・・・・・・)」

楓「(あぁ・・・確かに懐かしいな・・・)」

楓「(懐かしい・・・懐かしい・・・)」

楓「(今でも覚えているぞ、れんげ・・・)」

楓「(あのときは本当に大変だった・・・)」

楓「(ミルク、人肌に温めるの、大変だったんだぞ?)」

楓「(れんげ・・・)」


8: 2015/09/11(金) 21:24:10.11
楓「(それなのにお前ときたら)」

楓「(私の膝の上で、呑気にミルクを飲みやがって・・・)」






9: 2015/09/11(金) 21:26:57.73
楓「(一段落したら、ホッとしたのか)」

楓「(急に眠くなって)」

楓「(お前と一緒に昼寝したんだよな、れんげ・・・)」



11: 2015/09/11(金) 21:34:22.65
楓「(れんげの世話は確かに大変だった)」

楓「(でも、いつの間にかれんげと一緒にいるうちに)」

楓「(れんげに会うのが楽しみになっていた)」

楓「(翌日も私はれんげに会いに行って)」

楓「(髪、結んでやったんだっけ・・・)」

楓「(・・・・・・)」



12: 2015/09/11(金) 21:41:00.04
楓「(なんでこんなに鮮明に覚えているんだろうな・・・)」

楓「(あぁ・・・そうだ・・・)」

楓「(初日の出のときも・・・)」

楓「(私がれんげをおんぶしたんだっけ・・・)」


13: 2015/09/11(金) 21:44:19.60
楓「(綺麗だったな)」

楓「(早起きした甲斐があったな)」

楓「(れんげ・・・)」

15: 2015/09/11(金) 21:49:00.85
楓「はは、はは・・・」

楓「どんどん思い出していくわ・・・」

楓「・・・・・・」


16: 2015/09/11(金) 21:52:06.32
楓「私、どうかしちまったんだろうな・・・」

楓「何してんだろうな・・・」

楓「・・・・・・」

楓「・・・・・・・・・」

楓「」ジワ

楓「―――っ!」ダッ

17: 2015/09/11(金) 21:57:15.34
楓「はぁ・・・はぁ・・・!」

楓「なんで私・・・店を飛び出してきちまったんだよ・・・」

楓「シャッターも閉めてねぇよ・・・」

楓「は・・・はははは・・・」

楓「・・・・・・」

楓「・・・!」

楓「ここは・・・」





18: 2015/09/11(金) 22:00:22.62
楓「れんげの・・・自転車の練習につきあったところ・・・」

楓「いつの間にかこんなところまで来ていたんだな・・・」

楓「本当、何やってんだよ、私・・・」

楓「・・・・・・」

楓「(・・・れんげ、何度転んでも)」

楓「(泣きもせず、一生懸命やっていたな・・・)」


19: 2015/09/11(金) 22:03:12.37
楓「(日が落ちるまで、何度も何度も繰り返し練習して)」


20: 2015/09/11(金) 22:06:37.15
楓「(やっと・・・やっと乗れるようになったんだよな・・・)」

楓「(あのときは嬉しかったか? 全部お前の努力のおかげだったんだぞ?)」

楓「れんげ・・・」

21: 2015/09/11(金) 22:10:30.40
楓「・・・・・・」





キキキキキキキキキキ・・・・・・





楓「・・・・・・」

楓「・・・懐かしいな」

楓「私はここで」

楓「確かにれんげと一緒にいたんだよなぁ」

楓「一緒に・・・」

楓「・・・・・・」

楓「・・・・・・・・・」


22: 2015/09/11(金) 22:25:12.85





楓『...ℤℤℤ』





プルルルルル・・・     プルルルルル・・・・・・





楓『うーん・・・』

楓『・・・誰だよこんな時間に』

楓『はい、加賀山ですけど・・・』

楓『え? あぁ、どうも先輩の・・・』

楓『・・・・・・』










楓『 え ・ ・ ・ ・ ・ ・ ? 』








23: 2015/09/11(金) 22:28:37.78
楓「・・・・・・」

楓「・・・なぁ、れんげ」

楓「お前、本当は生きているんだろう?」

楓「どこかに隠れていて、隙を見計らって」

楓「私を脅かすつもりなんだろう?」

楓「なぁ」

楓「れんげ」

楓「れんげ・・・」

楓「・・・・・・」


24: 2015/09/11(金) 22:33:52.98
楓「先輩・・・ねえねえに心配かけさせちゃダメだろ?」

楓「なぁ、早く帰ってこいよ」

楓「自転車、買ってもらったばかりなんだろ?」

楓「もっとあいつらと一緒に出掛けろよ」

楓「ついでに私のところに来て」

楓「何か買っていけよ」

楓「私はいつでもいるんだから」

楓「なぁ? れんげ・・・」ウル

楓「う・・・うぅ・・・っ!」グス


25: 2015/09/11(金) 22:46:18.91
楓「信じられるわけねぇだろ・・・!」

楓「だって・・・あんなに・・・」

楓「あんなに元気だったのに・・・!」

楓「なんでれんげが・・・!」

楓「れんげ・・・! 私はここにいるぞ!」

楓「また駄菓子屋って呼んでくれよ!」

楓「奥に上がって煎餅でも食いながら」

楓「テレビだけ見て帰っても良い!」

楓「お菓子なら好きなものを好きなだけ持ってけ!」

楓「金なんていらねぇよ! お前がいてくれれば良いんだよ!」

楓「もう一度・・・お前に会いたいんだよ・・・!」

楓「顔が見たいんだよ・・・」

楓「れんげ・・・」





楓「失われた命は・・・」

楓「もう二度と帰ってこないなんて・・・」

楓「信じたくねぇんだよ・・・」





楓「れんげ・・・れんげ・・・・・・」ポロポロ










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





27: 2015/09/11(金) 23:00:05.98
楓「!!」ハッ

楓「」ガバ

楓「・・・・・・」





チュンチュン     チチチチ・・・・・・





楓「・・・・・・」

楓「夢・・・?」

楓「・・・・・・」

楓「そうか・・・夢・・・だったのか・・・」ウル

楓「はは・・・はははは・・・」ポロポロ

楓「・・・・・・」


28: 2015/09/11(金) 23:06:18.12
夏海「駄菓子屋ー! 来たよー!」

小鞠「さて、何買おうかな?」

蛍「お邪魔します」

れんげ「にゃんぱすー」





楓「!!」ガタン





楓「れんげ!!」ガシ

れんげ「なのん!?」ビク

楓「れんげ・・・!」

楓「(良かった・・・! 生きていた・・・!)」

楓「(本当に夢で良かった・・・!)」

れんげ「だ、駄菓子屋どうしたのん!?」

れんげ「ウチ、何かしましたか!?」

夏海「えぇっ!? 駄菓子屋どうしたのさ?」





楓「・・・・・・」





楓「・・・いや、何でもねぇよ」

れんげ「?」


29: 2015/09/11(金) 23:22:23.92
楓「あ、そうだ」

楓「れんげ、このお菓子おまけしてやる」スッ

れんげ「おぉ! 何だかよくわからないけど」

れんげ「駄菓子屋が太っ腹なのん!」

れんげ「駄菓子屋、ありがとうなん!」

楓「今回だけだぞ?」ニコ

夏海「あー! れんちょんだけズルいー!」

夏海「ウチにも何か頂戴よー!」

楓「お前はちゃんと金を置いていけ!」

夏海「ケチ! やっぱり駄菓子屋はれんちょんにだけ甘いんだからー」

楓「あ? 何か言ったか?」

夏海「夏海ちゃん何も言ってませーんwwww」

楓「」ゴキ

夏海「」ゴト

れんげ「なっつんが遂に倒れたのん・・・」

小鞠「あーあ・・・」

蛍「うふふふ」クスクス










楓「(何の変哲もない日常が)」

楓「(どれだけ大切なものか)」

楓「(わかった気がする)」

楓「(れんげ、お前が大きくなって)」

楓「(この村を離れることになっても)」

楓「(私はずっとここにいるぞ)」

楓「(だから寂しくなったら)」

楓「(いつでも帰ってこい)」

楓「(そしたら・・・)」

楓「(おかえりって、言ってやるよ)」

楓「(そんな日が来るまでは)」

楓「(ずっと元気でいてくれ、れんげ)」









楓「(それが私にとって一番の幸せなんだ・・・)」








終わり

31: 2015/09/11(金) 23:30:55.22
よかったバッドエンドじゃなかった……

引用元: 楓「れんげ・・・れんげ・・・・・・」