1: 2011/03/06(日) 21:23:31.31
律「あっち~……」

澪「地球温暖化だな……」

紬「あれ? これなにかしら?」

  『冷やしあずにゃん始めました』

律「そっか、暑い暑いと思ってたら、もうそんな時期だったか」

5: 2011/03/06(日) 21:27:50.55
紬「冷やしあずにゃんって、何?」

律「なんだ、ムギは冷やしあずにゃん知らないのか?」

紬「ええ、ごめんなさい」

澪「別に謝ることはないよ。そっか、ムギは冷やしあずにゃん未体験なのか」

律「さすがお嬢様育ちだなぁ」

澪「せっかくだからこの店で涼んでいこうか。ムギも気になるだろ?」

紬「うん! 気になる!」

律「よし! だったら入るか!」

6: 2011/03/06(日) 21:32:27.31
  ガラガラ

唯「へいらっしゃ~い」

律「冷やしあずにゃん3つね」

唯「あいよ~、ちょっと待っててね~」

紬「なんだか楽しみ」

律「冷やしあずにゃん頼むと夏が来たって感じだよな」

澪「初夏の風物詩だからな」


 …
 …
 …


唯「へい、お待ち」

律「お、きたきた」

澪「うん、やっぱりこれだよな」

紬「まぁ! 素敵!」

9: 2011/03/06(日) 21:42:47.02
梓「律先輩はいっつも遊んでばっかりでやる気が感じられません。もっと部長らしくして下さい」

律「いや~、よく冷えてるなぁ」

梓「澪先輩も練習練習って言いながら結局最後はみなさんと一緒になって遊んじゃってますよね。正直がっかりです」

澪「こっちのあずにゃんもよく冷えてて良い感じだよ」

紬「これが冷やしあずにゃん。確かにこの冷たい発言は暑い夏にピッタリね」

唯「もしかして、お嬢ちゃんは冷やしあずにゃん初めて?」

紬「あ、はい」

唯「だったらこの冷たさで心が火傷しないように気をつけてね」

律「澪なんて初めて冷やしあずにゃん頼んだ時泣いちゃったんだぜ」

澪「お、おい! それは言うな!」

唯「あはは、そっちの綺麗なお嬢ちゃんは蚤肝ってわけだね~」

紬「のみきも?」

律「熱いものが苦手な人は猫舌って言うだろ?
  冷やしあずにゃんの思わぬ冷たい一言が苦手な人は蚤肝って言うんだよ」

唯「気の弱い子は蚤の心臓って言うからね」

12: 2011/03/06(日) 21:50:27.44
紬「そうだったの」

澪「もう昔のことだよ」

梓「澪先輩って絶対狙って小心者を演じていますよね。ぶっちゃけウザイです」

澪「今はこの冷たい一言が夏の太陽で火照った体に心地いいんだ」

律「澪も成長したよなぁ」

律「って、そんな話はどうでもいいから。早くムギに冷やしあずにゃん頼むよ」

唯「おおっと、そうだった。へいお待ち」

梓「……」

紬 ドキドキ








梓「氏ね、眉毛」

紬「!?」

15: 2011/03/06(日) 21:53:28.50
律「おいおい、これは冷やし過ぎじゃね?」

澪「さすがにここまで冷えてるのは、ちょっとな……」

唯「あら? 間違えて冷凍庫で冷やしてたあずにゃん持ってきちゃったか。
  ごめんよ、すぐにぬるめのあずにゃん持ってくるから……」

紬「……良い」

律「えっ?」

紬「すごく良い! 私、感動しちゃった!」

澪「む、ムギ?」

唯「どうやらお嬢ちゃんはキンキンに冷えたあずにゃんが好みらしいね」

紬「こんな良いもの今まで知らなかったなんて、人生損しちゃってたわ!」

梓「騒ぐなデブ」

紬 ゾクゾクッ

澪「ムギはエム党だったんだな」

19: 2011/03/06(日) 21:59:58.82
紬「冷やしあずにゃん可愛い」ギュッ

律「ああ、そんなに抱きついちゃったらすぐに温まっちゃうぞ」

梓「ムギ先輩は自分がレズなのかただ見るのが好きなだけなのかハッキリした方がいいと思います」

澪「ほら、なんだが打ち解けてきちゃった」

梓「だけど、ムギ先輩が淹れてくれるお茶がどんな喫茶店で飲む紅茶よりも美味しいです」

紬「本当ね、発言がだんだん温くなってきちゃってるわ……」

梓「私も、律先輩みたいなお姉ちゃんも欲しいかなって……思ったこともあります」

律「あらっ?」

梓「なんだかんだ言ってやっぱり澪先輩が私にとって一番の憧れなんです」

澪「あ~あ……こっちのあずにゃんも温くなっちゃった」

唯「最近暑いからね~。すぐ温あずにゃんになっちゃうんだ」

律「こうなったら暑っ苦しいったりゃありゃしないよ。寒い日にはいいけどさ」

澪「でも、いい店見つけちゃったな」

紬「また、皆で来ましょ」

唯「まいどあり~」

20: 2011/03/06(日) 22:04:10.94
 数日後

  ガラガラ

唯「へいらっしゃ~い」

律「こんちは~」

澪「また来ちゃいました」

唯「ああ、前に来てくれたお嬢ちゃん達」

紬「この店の冷やしあずにゃんが忘れられなくて」

唯「ちょうどいい時に来たね~。今日は竹達産の良いあずにゃんが入ってるよ」

律「ああ、やっぱりあずにゃんって言えば竹達産だよな」

紬「そういうものなの?」

澪「明石のタコ、下関のフグ、大間のマグロって言われるくらいに
  竹達産のあずにゃんは質が良いって言われてるんだ」

紬「松坂牛や魚沼産コシヒカリみたいなものなのね」

21: 2011/03/06(日) 22:06:38.58
唯「そうだよ~。その中でも今日入ったのは本あずにゃんなんだ」

律「まじでっ!?」

澪「あずにゃんはあずにゃんでも本あずにゃんは中々お目にかかれないからな」

唯「ふっふっふ。そこで驚くのはまだ早いよ」

唯「本あずにゃんは本あずにゃんでもこのあずにゃんは……」

     ジャ~ン!!

律「おおっ!?」

澪「これはっ!」

紬「すごい!」

22: 2011/03/06(日) 22:10:35.72
唯「幻の黒本あずにゃんだよ!」

律「は、初めて見た……」

澪「図鑑なんかでは見たことあるけど、実際この目で見ることができるなんて……」

紬「日に焼けて真っ黒ね」

唯「これだけ立派に日焼けしたあずにゃんは中々ないよ」

澪「すぐに元の白い肌に戻っちゃうから黒いあずにゃんはかなりレアなんだよな」

律「これ、かなり高かったんじゃ……」

唯「いや~、実は私の妹があずにゃん捕りのエキスパートでね
  昨日竹達に行ったときに偶然見つけたらしくってさ」

唯「さすがの妹も、ここまで立派な黒あずにゃんは初めてだって言ってたけどね」

紬「妹さん、すごい方でいらっしゃるんですね」

唯「まぁ、あずにゃん捕りの中では有名だと思うよ」

澪「だからこの店ではあれだけ上質なあずにゃんを提供できるわけか」

律「そうそう、他の店のあずにゃんとは一味違うもんな」

25: 2011/03/06(日) 22:15:39.74
唯「最近は輸入物のあずにゃんを出す店も増えてきたからね」

唯「でもウチのは正真正銘国産のあずにゃんだよ」

紬「こだわっていらっしゃるんですね」

唯「まぁね!」

   ガラガラ

憂「お姉ちゃん、ただいま」

唯「お、噂をすれば。憂、おかえり」

憂「あ、お客さんいたんだね。いらっしゃいませ。
  ごめんねお姉ちゃん。私、裏から入ってこればよかったね」

唯「いやいや、実は今、憂のことをこのお客さんに話していたんだ」

憂「私のことを?」

律「あずにゃん捕りのスペシャリストだって聞きましたよ」

憂「そんな、スペシャリストだなんて……」

澪「こんな立派な黒あずにゃんを捕まえられるんですから」

憂「たまたま運が良かっただけですよ」

28: 2011/03/06(日) 22:20:39.40
紬「あの……」

憂「はい?」

紬「よければ、私にもあずにゃん捕り教えてもらえませんか?」

憂「え? ええっと……」

唯「そっか、お嬢ちゃんは冷やしあずにゃん初めてだって言ってたよね」

紬「はい、小さい頃はずっと屋敷の管理された庭でしか遊んだことがないもので……」

律「そう言えば、子供の時はよくあずにゃん捕まえて遊んでたよな~」

澪「やったやった」

紬「そんなに簡単に捕まえられるものなの?」

唯「じゃあ、せっかくだから明日みんなであずにゃん捕りに出かけてみようか」

紬「いいんですか!?」

唯「ちょうど明日は定休日だし。憂もいいよね?」

憂「うん、もちろん!」

30: 2011/03/06(日) 22:25:16.28
 そして翌日

憂「いいですか、こうやってたい焼きをこのロープに結んで……」

紬「ふむふむ」

憂「あとは、その辺に放置しておけば、そのうちあずにゃんが喰い付いてくるので
  そしたら、一気に引っ張っちゃって下さい」

紬「わ、わかりましたっ!」

澪「たい焼きを餌にするなんて初めて聞いた……」

律「私が子供の時はその日に家で出たおやつを餌にして使ってたよ。クッキーとか」

澪「私もそうだよ。それでも結構捕まえることできてた覚えがあるけど」

唯「たい焼きは喰い付きが違うからね~」

紬「あっ!? なんか引っ張られてる!」

唯「って言ってる間にさっそくだね!」

澪「こんなに早く!?」

律「たい焼きすげー!」

32: 2011/03/06(日) 22:29:23.22
憂「紬さん、一気に手繰り寄せて下さい!」

紬「は、はいっ!」グググッ!!

澪「そんなに強く引っ張って大丈夫なんですか?」

憂「もうたい焼きしか目に入ってないので、どれだけ引きずられようが
  たい焼きを氏守するために絶対に離さないんですよ」

律「逆に素早くしないと食い逃げされるってことですね」

憂「そういうことです」

紬「き、来た!」

憂「今です! 優しく抱きしめて『いい子いい子』をして下さい!」

紬「いい子いい子」ナデナデ

梓 ホワ~ッ

律「おみごとっ!」

澪「憂さんの教えも適格で、さすがだと思わされるな」

33: 2011/03/06(日) 22:36:13.21
紬「わ、私捕まえちゃった! 初めてでこんな立派なあずにゃん捕まえちゃった!」

唯「おめでとう、ムギちゃん」

紬「はい! ありがとうございます唯さん」

憂「まぁ、厳密に言うとこれはあずにゃんじゃないんですけどね」

紬「えっ? どういうことなんですか?」

憂「一般的にあずにゃんと呼ばれるのは体長が150センチメートル前後のものを言うんです」

憂「小さい物から、ゴキ、コアズ、あずにゃん、アズ、中野と呼び方も変わるんですよ」

律「へぇ~、まるで出世魚みたいなんですね」

唯「きっとりっちゃんや澪ちゃんが子供の頃に捕まえていたっていうあずにゃんは、ゴキかコアズだったんじゃないかな」

紬「じゃあ、これは……」

憂「目測ですけどこれは余裕で190を超えているのでもう立派な中野ですね」

紬「なんだか残念……」

律「でも、よくこれだけの物をあれだけの速さで引っ張れたもんだな……」

36: 2011/03/06(日) 22:42:37.44
唯「それに、ウチで出してるあずにゃんと、その中野にはもう一つ大きな違いがあるんだよ」

澪「唯さんの店で出してるあずにゃんとの大きな違いですか?」

律「う~ん……。そう言われればなんか違うような……」

紬「おさげが唯さんのお店で出されたあずにゃんよりも大きい気がする……」

憂「そうなんです、それは外来種のアメリカあずにゃんなんです」

唯「ウチで出してるのは在来種のヤマトあずにゃんなんだよ」

律「確かに、唯さんのお店のあずにゃんと比べるとこのあずにゃんは彫りが深くて
  体も異様に筋肉質ですね」

澪「どことなくアメコミっぽいよな」

紬「唯さんのお店のあずにゃんはもっと繊細な感じ」

唯「そう、私がヤマトあずにゃん。一般的に本あずにゃんと呼ばれるものにこだわる理由はそこなんだよ!」

唯「だけど、最近じゃ日本の固有種である本あずにゃんの数も減ってきててね……」

41: 2011/03/06(日) 22:51:22.72
憂「あずにゃんって言えば世間ではアメリカあずにゃんを指す言葉になっちゃったもんね……」

律「なんでそんなに日本の固有種であるヤマトあずにゃんが減っちゃったんですか?」

澪「ああ、私も気になってたところなんだ。アメリカあずにゃんがこれだけ蔓延ってるのに
  なんでそのヤマトあずにゃんだけが減っちゃうようなことになったんです?」

唯「元々はねヤマトあずにゃんだって今のアメリカあずにゃん位の数がいたんだよ」

唯「だけど、世界にあずにゃんを冷やして罵られるっていう日本独特の文化が知れ渡ってね……」

憂「最初のうちはその国々で捕れるあずにゃんを冷やしていたんですけど」

憂「ここ数年日本の固有種であるヤマトあずにゃんの質が良いと知った世界各国の人が大挙して
  ヤマトあずにゃんの乱獲を始めちゃったんです」

唯「日本政府もまさかそこまで数が減るだなんて思いもしなかったんだろうね。
  それが商売になると気づくと国で積極的にヤマトあずにゃんを売り始めた」

唯「だけど、予想以上の乱獲とその代替え品として飼育しようとしていたアメリカあずにゃんが逃げ出して
  体格で劣るヤマトあずにゃんを駆逐し始めた。気づいたときにはヤマトあずにゃんの数は激減。
  今じゃ竹達市の一部の特別保護地域で許可のある者のみが決められた数を捕ることが許されるだけになった」

憂「その国からの捕獲許可を貰って本あずにゃん捕りを認めてもらっているのが私なんです」

律「そんなことが……」

澪「だからあずにゃんは竹達産の物に限るって言われているのか……」

43: 2011/03/06(日) 22:57:22.18
紬「でも、その外国の人の気持ちもわかる気がする……」

唯「……」

紬「私も、初めて冷やしあずにゃんを体験した感動はたぶん一生忘れることが出来ないわ」

紬「だけど、もし私の冷やしあずにゃんデビューがこのアメリカあずにゃんだったら
  そこまで感動してなかったかもしれない……」

紬「だって、あまり可愛くないし……」

アメ梓「fuXk」

紬「唯さんのお店で出された本あずにゃんだったからこそ、またあずにゃんに会いたいって思ったし」

澪「そうなんだよな、だから私も唯さんのお店のあずにゃんが忘れられなかったんだ」

律「けど、そんな本あずにゃんも数が少なくなってたんだな……」

澪「まさか、いつの日かこの日本から本あずにゃんの姿が消えるなんてことも……」

和「そんなことはさせないわっ!」

律澪紬「!?」

唯「あ、和ちゃん!」

46: 2011/03/06(日) 23:01:29.00
和「まったく、今日はあなたの店がお休みだから例の件で顔を出すって言ってたでしょ」

和「それをこんなところでアメアズ捕りしてるだなんて……」

唯「あ! そうだった! ごめん和ちゃん、忘れてたよ。エヘヘ」

律「あ、あの~唯さん。こちらは……」

唯「紹介するね。私の幼馴染の真鍋和ちゃん」

和「よろしくね」

唯「こっちの三人は私の店の常連さんで……」

澪「まだ、2回しか来店してないですけどね……」

唯「まぁまぁ、どうせこれから常連さんになってくれるんでしょ?」

律「はぁ……まぁ……」

51: 2011/03/06(日) 23:06:30.39
 ・ ・ ・ ・ ・

紬「へぇ~、和さんってあずにゃんを研究していらっしゃるんですか」

和「ええ、そうよ」

和「ツインテール目 後輩系科 歌はそれほど上手くない属 学名ヤッテ・ヤルデス」

和「これがあなた達があずにゃんと呼んでいるものの正式名称よ」

律「なんだか学者って感じだな」

澪「唯さんの周りにはあずにゃんに関するスペシャリストが憂さんだけじゃなくってもう一人いらっしゃったんですね」

唯「あずにゃん捕りに最適な餌はたい焼きだって発見したのも実はこの和ちゃんなんだよ」

和「捕まえてすぐに頭を撫でてやると大人しくなるのを発見したのは唯だけどね」

和「それに1万倍と言われるヤマトあずにゃん捕りの国家資格の試験を通った憂がいてこそ、それが生かされるってものよね」

憂「私は、お姉ちゃんがあずにゃん専門店をやりたいって思いを実現させてあげたい一心だったから」

紬「本あずにゃん捕りの国家試験ってそんなに狭き門なんだ……」

律「すげーな……」

54: 2011/03/06(日) 23:12:23.42
唯「昔はここら辺でも本あずにゃんが捕れたんだけどね」

和「それこそ湯船を一杯にするほどね」

律「へ~」

澪「本当にここ何年かで本あずにゃんは激減しちゃたんですね」

和「今は情報化社会だから、本あずにゃんが良いっていう話はすぐ世界中に広まったわ」

憂「ほんの十数年前まではあまり上手くないけど癖になりそうな歌声の合唱が日本中で聞けたんだけど……」

和「今じゃ『~デス』って片言の鳴き声しか聞こえてこないわ」

紬「そう考えると人間って恐ろしいのね……」

澪「ああ、一つの種族を絶滅の危機に追い込むまでにそう時間を必要としないなんて……」

律「私たちも考えさせられるよな……」

唯「そうやって本あずにゃんを絶滅の危機から救おうとしてるのがこの和ちゃんなんだよ」

57: 2011/03/06(日) 23:17:03.96
和「あ、そうそう忘れるところだったわ。私はそのことであなたの店に用事があったのよ」

和「ほら、もう遊びは終わりよ。帰って研究の続きを……」

唯「ああっ!? 待って和ちゃん! そんなに引っ張らないで!」

憂「ふふっ。和ちゃんったらあずにゃんのことになるともう夢中になっちゃうんだから」

律「あ、あの! 私たちはどうすれば……」

唯「ごめんね、今日はここまでってことで」

憂「また、店にいらして下さい」

紬「はい、必ず!」

澪「今日は色々とありがとうございました!」

唯「じゃあ、またね~」

和「唯走るわよ!」

唯「ええっ!? ま、待ってよ和ちゃん!」

59: 2011/03/06(日) 23:21:18.57
律「なんか、私たちの知らないことばっかりだったな」

澪「こんなに身近なものなのに、まさかそんなことになってるなんてな……」

紬「だけど、知れて良かったわ」

律「だな」

紬「きっとこれは日本の誇るべき文化だと思うの。だからそれを守るのは私たち日本人の役目」

律「だけど私たちの周りの人もあずにゃんのことなんてそれほど気にしてないんだろうな」

澪「私、今日聞いた話ブログに書こうかな……」

紬「うん、それがいいと思う」

律「まず知ってもらうのが一番だよな」

60: 2011/03/06(日) 23:24:40.51
紬「ところで……」

澪「ん? どうしたんだムギ」

紬「今日捕まえたアメリカあずにゃんどうしよう……」

アメ梓「飼ウガイイデス」

紬(恐い……)

律「さすがに190センチオーバーの生き物を飼うのは……な」

澪「憂さんも言ってたけどこれはあずにゃんじゃなくて中野だもんな」

アメ梓「ドウセナラ 金持チニ 飼ワレタイデス」

澪「可愛くないな……」

64: 2011/03/06(日) 23:29:08.99
 ・ ・ ・ ・ ・

────とこのように、夏の到来を告げる冷やしあずにゃんは
今や輸入物のあずにゃんに頼っている現状があるのです。

皆さんはこのことをどうお考えでしょうか?

もしお近くにお住みなら、唯さんのお店で出されるあずにゃんをぜひ体験してもらって
本あずにゃんの素晴らしさを知ってもらうのが一番早いと思います。

最後に、今日捕まえたアメリカあずにゃんは結局リリースしました。
だけど、友人の家までこっそりと付いてきてたようです。
窓の外を見るとじっとこちらを見ていて恐いと友人は言っています。
この逞しさがこれだけ繁殖する力になったのかもしれません。


「ほほぅ……」

「いつも通りあずにゃんで検索を掛けてみたらこんなページが」

「本あずにゃんを出す店か」

「これは行ってみる必要がありそう……」

66: 2011/03/06(日) 23:34:11.67
 数日後

  ガラガラ

唯「へいらっしゃ~い」

律「ちわ~っす」

唯「最近毎日来てくれてるね~」

紬「ここのあずにゃん知っちゃったら他のところではもう満足できないので」

唯「嬉しいね~」

律「隠れ家的であんまりお客さんがいないってのも魅力の一つだしな」

さわ子「……」

澪「お、おい、律。今日はお客さんいるからあんまり騒ぐなよ」

律「おおっと、あはは、まさか先客がいるなんて。すみません騒がしくしちゃって……」

さわ子「構わないわよ」

67: 2011/03/06(日) 23:38:41.14
紬「珍しいですね、私たち以外にお客さんが入ってるなんて」

澪「ちょ!? ムギもその言い方は失礼だぞ」

紬「あ、ごめんなさい……」

唯「いいよいいよ、本当のことなんだから」

律「もしかして、澪がブログにこの店のこと載っけたからそれを見て来た人だったりして」

唯「それだったら澪ちゃんに宣伝料払わないとねぇ」

澪「うぅ~ん……」

紬「どうしたの? 澪ちゃん」

澪「あの人どこかで見たような……」

さわ子「店主、ちょっと聞きたいことが」

唯「あ、はい。なんですか?」

68: 2011/03/06(日) 23:43:58.63
  ガラガラ

「ここで本あずにゃんを出シテいると聞いてきたのデスが~」

唯「へいらっしゃ~い。すみませんお客さん、ちょっと待って下さいね」

さわ子「ええ」

紬「なんだか繁盛し始めたわね」

澪「しかも外人だ」

律「ワールドワイドな店になってきたなぁ」

「本あずにゃんを出すというのはreallyのことデスか~?」

唯「オー、イエース」

「ほうほう、ナルホド~」

律「やっぱり外人も本あずにゃんには目がないんだな」

「残念デスガ、このshopには潰レテもらいマ~ス!」

唯「オーマイガッ!!」

70: 2011/03/06(日) 23:48:18.68
「我々ハ あずにゃん保護団体のアズ・シェパードデ~ス!」

律「な、なんだ!?」

「個体数が著しく減ッテいるヤマトあずにゃんをこうやって商品にシテ
 money儲けをするなんて、ふてぇ野郎デ~ス!」

「こんなshopはメチャクチャにしてやるデ~ス!」

唯「ノォォォォォォォッ!!」

憂「オネーチャン! ワッツハプン!?」

澪「なぜ憂さんまで英語!?」

律「アズ・シェパードって奴らがいきなり」

憂「くっ! また厄介な」

紬「ご存知なんですか?」

憂「竹達保護区でもあずにゃん捕りを妨害する、私たちにとってはテ口リストみたいな奴らです!」

73: 2011/03/06(日) 23:54:17.14
「このshopのウラにあずにゃんが沢山居るはずデス!」

「ゼンブ逃がすデス!」

「逃ガス前に セッカクだからぺろぺろしておくデス!」

唯「や、やめて! そっちには入らないで!」

「問答無用デ~ス!」

さわ子「騒ぐな! 外人風情が!」

「!!?」

「な、なんデスか、アナタハ……」

さわ子「そもそもあずにゃんが減った原因はあなた達外人の乱獲も原因の一つでしょうが!」

さわ子「日本人は昔からあずにゃんと共に四季を過ごしてきた。言うなれば文化なのよ」

さわ子「それを後から土足で踏みにじって……恥ずかしいとは思わないの!?」

「グヌヌ……」

律「す、すごい……」

紬「一喝で黙らせた……」

78: 2011/03/07(月) 00:00:06.49
澪「あっ! 思いだした!」

律「ど、どうしたんだ澪」

澪「山中さわ子だよ! あの人!」

律「山中さわ子って、美アズ倶楽部主宰のあの山中さわ子か!?」

紬「どなた?」

澪「今でこそあずにゃんに猫耳は一般常識になってるけど、それを最初に提言して世間に広めた人なんだよ」

律「あずにゃんを愛でる者の第一人者なんだ」

紬「へぇ~、すごい方なのね」

「し、しかしあずにゃんが以前と比ベテ減ッテいることも事実デ~ス」

さわ子「だからちゃんと竹達では保護もしてるんじゃない」

憂「そうです。近年の調査では数年前よりも数は増えているんですよ」

「だ、ダメデ~ス! 冷やしあずにゃんガある限り、マタいつか絶滅ノ危機ニ瀕スル恐れがありマ~ス」

「だから、そんな諸悪ノ根源であるこのshopを叩キ壊スんデ~ス」

79: 2011/03/07(月) 00:07:15.48
さわ子「あなた達、こうやって過激なパフォーマンスをすることで資金を集めているだけでしょ」

さわ子「本当はあずにゃんの保護なんてどうでもいい」

「そ、そんなコトはありまセ~ン!」

「我々ハ あずにゃんの事ヲ一番に考えていマ~ス」

さわ子「そう……。だったらこの店を潰すのはその意に反することとなるわよ」

「ど、どういう事デス……」

さわ子「店主」

唯「はい」

さわ子「このあずにゃん、他の店で出しているあずにゃんとは決定的に違う」

唯「……はい」

律「そ、そりゃなんせ竹達産の本あずにゃんだから」

澪「他の店は今じゃ輸入物が増えてるってことだもんな」

さわ子「そうじゃないの」

82: 2011/03/07(月) 00:18:49.09
紬「いったいどういう……」

さわ子「私が見てもこれは立派な本あずにゃんであることは違いない」

さわ子「しかし、こんな本あずにゃんはどこでみたこともない」

「な、なに訳ノわからない事ヲ言ッテいるのデスカ!」

さわ子「店主、この山中さわ子の目は確かだ」

唯「はい。その通りです」

さわ子「では、これは竹達産の本あずにゃんではない、と」

唯「はい」

律「お、おいおい。本あずにゃんって今では竹達でしか捕れないんだろ」

紬「竹達産じゃない本あずにゃんって……」

唯「このあずにゃんは……」

憂「お姉ちゃん……」

唯「この本あずにゃんは養殖です」

85: 2011/03/07(月) 00:28:13.70
さわ子「やはり……」

「う、嘘デ~ス! いまだあずにゃんの養殖に成功シタなんて話は聞いた事ガありまセ~ン!」

さわ子「真鍋和ね」

唯「……はい」

さわ子「何年か前に彼女のあずにゃん養殖に関する論文を読んだことがあるわ」

さわ子「当時はこんなもの出来っこないって学会でも相手にされなかった」

さわ子「最近はめっきり名前を聞かなくなってたけど、まさかここで細々と養殖の研究をしていたなんてね」

律「じゃあ、私たちが初めてこの店に来たときに罵声を浴びせられたあずにゃんは……」

唯「そう、それも養殖のあずにゃん」

澪「そうだったんですか……」

唯「和ちゃんはね、なんとか以前の生態系に戻そうって努力をして、あずにゃんの養殖にやっとの思いで成功したの」

唯「だけど、和ちゃんは悩んでいた。こんな自然で育っていないあずにゃんだなんて偽物のあずにゃんじゃないかって」

唯「だから私は和ちゃんの養殖あずにゃんは天然の本あずにゃんと遜色ないって世間に広めようとしてこの店を始めた」

唯「私は、この養殖あずにゃんは決して天然の本あずにゃんに劣らないって確信してる」

唯「和ちゃんがやってきたことは間違いなんかじゃないって」

88: 2011/03/07(月) 00:35:35.61
唯「初めて来店してくれたりっちゃん澪ちゃんムギちゃんは
  和ちゃんの養殖あずにゃんに満足してくれたみたいだった」

唯「でも、騙すみたいなことして、ごめんね」

澪「いえ、別に私はそんなにあずにゃんに関して詳しくはないですけど
  出された冷やしあずにゃんは間違いなく本あずにゃんだったって思ってます」

律「私も同じ気持です」

紬「私は初あずにゃんだったからなんとも言えないけど。
  でも、あのあずにゃんが素晴らしいものだって思いは違いないと思います」

唯「ありがとね」

唯「だけど……やっぱりあずにゃん界の第一人者にはバレバレだったみたいだね」

唯「悔しいけど、天然物には敵わないんだね……」

唯「私……和ちゃんになんて言えば……」

憂「お姉ちゃん……」

さわ子「それは違うわ」

唯「えっ?」

89: 2011/03/07(月) 00:41:29.69
さわ子「私は竹達産の物とは違うって言っただけで、誰も劣っているなんて言ってないわよ」

唯「そ、それって……」

さわ子「確かに、天然物は自然で育まれた力強さを感じる
     でも、養殖物は養殖物で、その育成者の優しさがひしひしと伝わってくる」

さわ子「あなたも、その真鍋博士もあずにゃんを愛する気持ちは誰にも負けない」

さわ子「そんな想いがこの養殖あずにゃんを繊細で、そしてここまで美しく育て上げることが出来たのよ」

さわ子「この美アズ倶楽部の主宰である山中さわ子が、その本あずにゃん養殖を全面的に支援させていただくわっ!」

唯「ほ、本当ですか!?」

さわ子「ええ、自分で言うのもなんだけど、私がそう言ったからには他のあずにゃん界の人間も賛同してくれるはずよ」

唯「あ、ありがとうございます!」

憂「わ、私、和ちゃんに知らせてくるね!」

律「良かったですね! 唯さん!」

92: 2011/03/07(月) 00:44:29.71
さわ子「さぁ、わかったでしょ。この店は元のあずにゃん溢れる日本に戻そうと
     がんばっているんだって。だからもうあなた達の出る幕は無いのよ」

「Oh……そうですか……」

「それハ困った話デスネ~」

「あずにゃんにハ ずっと絶滅寸前デいてモラワナイト」

「我々ノお仕事無くなっちゃいマ~ス」

澪「な、何を言って……」

「そういう意味デモ このshopとあずにゃん養殖の設備は壊しておかないとデスネ~」

さわ子「やっぱり、あなた達……!」

「環境保護ビジネスはちょろいモンデスからネ~」

律「こ、このひとでなし!!」

「あなた達ガ何と言オウと世界でハ我々が支持サレテいるのデ~ス!」

「ここで養殖サレているあずにゃんは天然ノあずにゃんとシテ我々が保護シタと
 世界ニ公表スレバ何も問題ありまセ~ン」

紬「ひ、酷い……」

95: 2011/03/07(月) 00:54:32.23
「ソンナ我々ノ本性を知ッテしまったあなた達ニモ ここで消えてもらいマ~ス」

律「なっ!? あいつら拳銃持ってやがる!!」

「手始めに、ソコの眉毛のladyヲ血祭りデ~ス」

紬「!?」

澪「ムギッ!!」

「氏ヌdeath!」ズッキューン!!

アメ梓「ムギチャン! アブナイデス!」ダダッ!!

紬「……!!」

アメ梓「ウグゥ!?」

「き、急ニ 何かガ飛び出シテ来たデス!」

澪「あ、あのとき捕まえたアメリカあずにゃん、もとい中野がムギの盾にっ!?」

紬「ろ、ロッキー!!」

律「ロッキーって……ムギ飼ってたのか!?」

アメ梓「ムギチャン……ブジデスカ……?」

紬「ええ、私は大丈夫よ! だけどロッキー……あなたが……」

98: 2011/03/07(月) 00:57:11.65
「なっ!? ナゼここにアメリカあずにゃんガッ!?」

アメ梓「ムギチャンハ……コンナワタシヲカワイガッテクレタデス」

アメ梓「三日三晩ムギチャンのオウチの玄関前で絶エ間ナク呻き声を上げてたワタシを
     フカフカ絨毯ノお部屋デ飼ッテクレタデス!」

紬(それは仕方なくよっ!)

澪「そんなことされちゃ飼わざる得ないだろ……」

アメ梓「ニポンジンはトテモ優シイ」

アメ梓「ケド ソンナ優シサにツケコンデ 文化マデめちゃくちゃニシヨウトシテイル
     ソンナアナタ達コソガ環境ヲ喰い物にしている最低野郎デス!」

「減らず口ヲ……外来種ノくせに……」

アメ梓「ワタシはアメリカあずにゃんダケド ニポン産まれヨ!
     コノ国ハ あずにゃんと共にイキテル!」

和「唯っ! さっき銃声が聞こえたわよ!」

憂「お姉ちゃん! 無事!?」

和「お巡りさん! こっちです!」

「や、ヤバイデス! ココハ一旦ずらかるデス!」

103: 2011/03/07(月) 01:02:22.55
唯「和ちゃん!」

和「よかったわ、憂からアズ・シェパードって聞いて一応警察を呼んどいたのよ」

憂「お姉ちゃん! 怪我はない!?」

唯「私たちは大丈夫だけど……」

紬「ロッキーが、ロッキーがっ!」

和「大丈夫よ。中野にもなったアメリカあずにゃんはその鋼鉄のボディで弾丸なんて屁でもないわ」

アメ梓「フンッ!」ポロッ

澪「ほ、本当だ……。体にめり込んでいた銃の弾を弾きだしたぞ……」

アメ梓「アンナノハ 蚊ニ刺サレタ程度デス」

紬(やっぱり恐い……)

107: 2011/03/07(月) 01:09:08.16
さわ子「あなたが真鍋博士ね」

和「初めまして」

さわ子「養殖あずにゃん技術の確立……見事だわ」

和「ありがとうございます。でも、私一人ではどうすることも出来ませんでした」

和「唯と憂の協力があってこそです」

憂「和ちゃん……」

唯「よかったね、よかったね和ちゃん!」

さわ子「それで、これからどうするつもりなの?」

さわ子「あずにゃんを養殖していたからにはここで終わりなわけないわよね?」

和「もちろんです。養殖あずにゃんの第一世代を野生に放す目処は立ちました」

和「今ここで育てているあずにゃんなら、きっと野生の環境でもやっていけるはずです」

唯「じ、じゃあついに……」

111: 2011/03/07(月) 01:14:49.98
和「だけど、さっきその許可を竹達保護区に申請に行ったんだけど、追い返されちゃったの」

和「そんな訳のわからないものと貴重なヤマトあずにゃんとを一緒にするわけにはいかないって」

和「私の計画はまず養殖あずにゃんを自然に還すこと」

和「だけど、それを認めてもらえない限りはスタートラインにも立てないわ」

さわ子「それは私に任せてもらえないかしら?」

さわ子「権力っていうのはこういう時に行使するものよね」

和「ご迷惑じゃありませんか?」

さわ子「いいえ、こんな素晴らしいあずにゃんですもの
     こんな時に、この美アズ倶楽部が動かないとあっちゃ名が廃るわ!」

和「あ、ありがとうございます!」

澪「一件落着……だな」

律「ああ……」

アメ梓「ムギチャン お腹空イタデス」

紬「え、ええ……後でね……」

律(空気読めよ……)

114: 2011/03/07(月) 01:20:00.32
 そして数日後… 竹達あずにゃん特別保護区

和「何から何まで、本当にありがとうございます」

さわ子「いいのよ。でも天然あずにゃんと養殖あずにゃん、上手くやっていけるかしら?」

律「転校初日って感じですもんね」

澪「なんとか仲良くやってほしいよな」

唯「それはあずにゃん次第だよ」

憂「ほら、あずにゃん。あっちに仲間が沢山いるよ」

養殖梓「は、はい」

アメ梓「ウガー!」

養殖梓「!?」ビクッ!!

紬「こら! ロッキー! 脅かしちゃ駄目じゃない!」

アメ梓「ジョウダンデスヨ ムギチャン」

律「なぜ連れてきた」

116: 2011/03/07(月) 01:24:43.59
天然梓「?」チラッ

和「不思議がってこっち見てるわね」

養殖梓「ううっ……」ビクビク

唯「あらあら? 恥ずかしがりやさんだなぁ。私たちの陰に隠れてちゃだめだよ」

和「あなたは帰るべき場所に帰るのよ」

天然梓 トテトテ

憂「あ、こっちに来た」

天然梓「行こ」

養殖梓「で、でも……」

憂「いいんだよ」

唯「行っておいで。あずにゃん」

養殖梓「……」

養殖梓「……はい!」

120: 2011/03/07(月) 01:28:50.01
さわ子「例え人間の手が加えられたものであっても、それが自然に受け入れられれば
     立派な自然の一部になるのよね」

和「人間だって、自然の一部なんですから」

唯「ううっ……元気でね……あずにゃん……」

憂「お姉ちゃん泣かないで……お姉ちゃんが泣いちゃったら……私も……」

澪「皆さん……」

紬「家族みたいなものだったんですものね……」

アメ梓「イイハナシデスネー」

律「お前もう黙ってろよ」

126: 2011/03/07(月) 01:33:34.80
養殖梓 クルッ

さわ子「あ、ちょっと、こっち振り向いたわよ」

養殖梓「今まで育ててくれて、ありがとうございましたー」

養殖梓「私はここのあずにゃん達と生活していつか子を産み育てます」

養殖梓「その時は、きっとまた皆さんのところに挨拶へいきます」

養殖梓「だから、その時までお父さんお母さん、そして叔母さんも元気でいてください」

唯「あずにゃんも、あずにゃんも元気でねー!」

和「皆、この子を頼んだわよ!」

憂「必ずまた会おうねー!」

養殖梓 ペコリ タタタ…

澪「行ったな」

律「あいつなら立派にやっていけるさ」

アメ梓「デハ ワタシモ」

紬「戻ってらっしゃい」

129: 2011/03/07(月) 01:38:13.74
さわ子「春はあずにゃんと一緒に寝坊して
     夏は冷やしあずにゃんで涼を取り
     あまり上手くはないあずにゃんの合唱で秋の夜長を過ごし
     冬はこたつで一緒にあったかにゃん」

さわ子「そんな古くからの日本の四季の風景が蘇る第一歩に、私は今立ち会っているのね……」

和「ほんのまだ最初の一歩ですけどね」

律「あのー、ところで、さっき別れ際にあのあずにゃんが言ったことですけど」

澪「お父さんとお母さんと」

紬「そして叔母さんって」

律「あれって唯さん憂さん和さんのことを言ったわけですよね?」

アメ梓「イッタイ誰ガ ドレニ当てハマルンデショウネ」

和「……」

憂「……」

唯「さぁ……」

 叔母さんだったら嫌だなぁ……と思う3人だった



  おしまい

130: 2011/03/07(月) 01:38:20.95
温あずにゃん一丁ください

135: 2011/03/07(月) 01:45:05.66
かわいかった 乙

引用元: 唯「冷やしあずにゃん始めました」