1: 2010/10/20(水) 00:24:30.41
唯「梓ちゃんカワイーだって。女の子にモテモテだねぇ」

梓「そ、そんなことないです…///それに、女の子にモテたって嬉しくないです」

唯「その割には、おねーさんにギュッてされて嬉しそうだったねー」

梓「え…?唯先輩、見て…。ち、違うんです!あれはっ」

唯「ごめん、私疲れちゃったから先に寝るね?」

梓「ちょっと唯先輩、私の話を…」

唯「おやすみー」

バタン

梓「…ふぅ」


付き合い始めてから知ったこと。唯先輩は嫉妬深い。
ファンの女の子相手で不可抗力なのに、家に帰る度この騒ぎ。
まあ…キレイな女の人達に可愛がられてふにゃってしちゃう私も悪いんだけど…

13: 2010/10/20(水) 02:30:24.09
―――――――――
――――――

唯「あずにゃん。あずにゃん」

梓「ん……んー…」ムニャムニャ

唯「ねぇ起きてよあずにゃん」

梓「ん……ゆいせんぱいおはようございます」ムニャ

唯「もう、お寝坊さんだねあずにゃんは」

唯先輩はそう言って私の頭を撫で、少し大人びた微笑みを私に向けた。最近は唯先輩の方が早く起きることが多い。
唯先輩はまだ怒っているんだと思う。なのにそんな素振りを見せず大人っぽく振る舞う唯先輩が遠くの人のように思えた。
既に用意されたトーストとベーコンの匂いが今の私には辛かった。

14: 2010/10/20(水) 02:33:18.95
梓「唯先輩、今日は久しぶりのオフですし二人ででかけませんか」

唯「うーん」

唯先輩は思案しているようだが心の中では行こうと思ってくれているはずだ。
私達だって今の関係のままでいいとは思っていない。でも唯先輩にも意地があるのだろう。

梓「嫌ならいいですよ。誰か他の人を誘いますから」
唯「ううん。私行くよ。どうせ暇だしね」

唯先輩は涼しげな表情で言うとトーストをかじりコーヒーを口に含んだ。
素直になればいいのに。
今の私達は高校時代とは立場が逆転しているような気がする。

18: 2010/10/20(水) 02:43:19.97
唯「いい天気だね~」

梓「そうですねえ」

秋の柔らかい日差しを受けながら私達は並んで歩いていた。
昔と変わらない歩幅と距離感を保てている内はまだ大丈夫だろう。

唯「どこに行く?」

梓「そうですね。とりあえずそこらのお店をブラブラしながら決めましょうか」

唯「オッケー」

22: 2010/10/20(水) 02:59:34.29
唯「あ、あずにゃん。私あのカフェ初めて見るよ」

梓「私もです。この辺りに来るのも久しぶりですし、最近できたのかもしれませんね」

唯「入ってみない?」

梓「いいですね、行きましょう」

私達は最近できたのであろうアンティークなお店に入った。

唯「へぇ~いい雰囲気だね、このお店」

梓「はい」

店内はそれなりに賑わっていた。男女のカップルや若い女性客、ビジネスマン風の男性など
年齢、性別問わず人気のようだ。

23: 2010/10/20(水) 03:14:10.02
唯「パンはセルフサービスみたいだから私取って来るね」

梓「あ、ありがとうございます」

唯先輩を見送った後私は改めて店内を見渡した。何だか私達が子どもっぽく思えてきた。
来月唯先輩は21、私は20になるのに見た目的には高校生でも通りそうだ。

女A「ねぇあれってもしかして……」
女B「あーHTTの……」

ふと私の方を見て話している二人組の存在に気付いた。

梓「あのー」

女A「あ、やっぱり!HTTの中野梓さんですよね」

24: 2010/10/20(水) 03:33:16.53
梓「はい、そうですけど」

女B「私達ファンなんですよ!一週間前のライブにも行きました!まさかこんな所で会えるなんて!」

私達はテレビに出たりすることは滅多にないマイナーなバンドだが
意外なことに若い女性からかなりの支持を集めているようだ。
彼女達は見たところ大学生のようだ。

女A「この辺りに住んでいるんですか?」
女B「他のメンバーはいないんですか?」

彼女達は興奮しているようだが私は冷や汗をかいていた。
私のことを知らない他のお客さんには奇異の目で見られるし、
何よりこんなところ唯先輩には見せたく……。
そう言えば唯先輩はまだかな?

女A「あの!握手してもらえませんか?」
女B「あーずるーい!私もお願いします!」

梓「はぁ、いいですよ」

私はとっととこの人達を追い払いたかったので素直に応じることにした。

26: 2010/10/20(水) 03:54:40.63
女A「うわ~柔らか~い」
女B「ちっちゃくてかわい~」

ちっちゃいというのは失礼じゃないですか?私は一応は笑顔で対応しながらも唯先輩がどこにいるのか探した。
そうして私がよそ見していた時だった。

ドンッ 女A「きゃっ」ダキッ

梓「!?」

後ろを通ったビジネスマンにぶつかられて女の人が私の方に倒れてきた。
結果的に彼女が私に抱きつく形となった。
いい匂い。
一瞬でもそんなことを考えた自分に嫌悪感が湧いた。
女A「あ、ごめんなさい」
彼女は五秒ほど抱きついていたかと思うと身を離した。

女B「大丈夫ですか?中野さん。もぉーあのおじさん謝ることくらいしなさいよ」

そう言いながらも連れの方を見て「うらやましい」とつぶやいたのを私は見逃さなかった。

29: 2010/10/20(水) 04:16:55.20
しばし会話をして手帳にサインをした後、ようやく彼女達は行ってくれた。

梓「はぁ」

私は誰かに求められることを拒めない、いやむしろ積極的に受容してしまうところがある。
唯先輩が見てないとはいえまた悪い癖が出てしまった。

唯「あずにゃんお待たせー!」

ようやく唯先輩が戻って来た。時計を見ると二十分も経過していた。

梓「お、遅かったですね」

私は後ろめたさからどもってしまった。

唯「いや~ちょっと混んでてねぇ。しかもやっと順番が回って来たかと思ったら品切れだったんだよ。ひどいよね」

唯先輩が手ぶらであることに今になって気付いた。

梓「えっと、それじゃあ……」

唯「一杯飲んだら出ようか」

唯先輩は席につくとコーヒーカップを手に取った。
私もコーヒーを口にした。ひどく冷めていた。

30: 2010/10/20(水) 04:35:36.84
カフェを出た私達はファミレスで昼食を取った後映画館に向かうことになった。
この間の私達の会話は、今後のバンド活動に関する話とか来月五人で行く予定の旅行の話とかばかり。
淡々とした事務的な会話だった。

唯「旅行楽しみだね」

梓「はい。久々にのんびり出来そうですからね」

唯「やだなぁ。今日だってのんびりしてるじゃん」

「そんなことないです」と言いかけてやめた。やっぱりさっきのことは伝えたくない。

唯「どしたの、あずにゃん?」

梓「何でもないです。どの映画を見ようかと考えていたんです」

ああ、また自己嫌悪。

42: 2010/10/20(水) 14:15:21.96
私達が見た映画はコメディだった。
二人の主人公が色々なトラブルに巻き込まれながらもどうにかこうにか上手くやっていくストーリー。
リアリティーはないものの主人公達の明るさ、ポジティブさが眩しかった。

唯「面白かったね」

梓「はい。でも話に起伏が無さすぎだったと思います」

唯「いやいやそこがいいんだよ。荒んだ現代人の心を癒してくれるいい作品だったよ」

唯先輩は冗談めかして言ったが本心なのではないだろうか。
高校生の頃はこんなことはなかった。
唯先輩は悩み事もない様子で自由に振る舞い、私は呆れながらもついていく。
怖いもの知らずだったあの頃が懐かしい。
あの頃は唯先輩と一緒にいれるだけで幸せだったのに

43: 2010/10/20(水) 14:39:01.43
唯「次は服でも見に行こっか」

梓「そうですね。じゃああそこに」

唯「あ、ここに来るのも久しぶりだね」

梓「はい。前は頻繁に来てましたけどね」

唯「うん」

梓「唯先輩。私に似合いそうな服を選んでくれますか?」

唯「えぇ~私には荷が重いな~」

梓「前は私のこと着せ替え人形みたいにしてたくせに」

唯「えへへ~」

私はつい「前」にこだわってしまう。でもいいんだ。
私は何とかして「前」を取り戻したいから。
淡い期待を抱きながら私達は思い出深い洋服店に入る。

44: 2010/10/20(水) 14:54:24.29
モブ子「あ、もしかして唯?」

唯「え?あ、モブ子ちゃん!久しぶりだね。ここの店員さんなの?」

モブ子「バイトだよバイト。唯がよくここに来てるって言ってたからここで働き始めたのに全然来てくれなかったね」

唯「えへへ、すいませんねぇ。ご無沙汰してまして」

梓「あの~……」

唯「ああ、あずにゃん。この人は私の元クラスメートのモブ子ちゃん」

モブ子「よろしくねあずにゃんちゃん。へぇ、君が…」

梓「? なんですか?」

モブ子「んー、君が唯の愛しきあずにゃんちゃんなんだなーって」

梓「なっ!?」

唯「も、もう。モブ子ちゃんたら」

47: 2010/10/20(水) 15:15:21.54
それから唯先輩はモブ子さんと喋り始めたので私は一人で服を見ることになった。
唯先輩と同い年とは思えないくらい大人びた人だな、モブ子さんって。

唯「それでさ~」

モブ子「あはは。唯は変わらないね~」

唯先輩、楽しそうだなぁ。モブ子さんは唯先輩に色々な服を薦めて、唯先輩も嬉しそうに手に取ったり試着したりしている。
唯先輩のあんな笑顔、久しぶりに見た。

モブ子「あずにゃんちゃん、こんなのどうかな?」

ボーッとしているとモブ子さんが服を手にして声を掛けてきた。
唯先輩は今試着室の中だ。

梓「あの、あずにゃんっていうの、やめてもらえませんか?」

モブ子「え~?唯だってそう呼んでるじゃない」

梓「そ、それは……」

モブ子「唯先輩は特別なんです!あはは、冗談冗談。そんな顔しないでよ、梓ちゃん」

50: 2010/10/20(水) 15:30:06.64
私はどんな顔をしていたのだろう。

モブ子「それにしても、しばらく会ってなかったけど唯は元気そうでよかったよ」

梓「はい。元気なことだけが取り柄みたいな人ですからね」

最近は元気がないけどそう答えた。

モブ子「唯は全然変わらないよね。何だか安心しちゃった」

梓「ええ。いくつになっても子どもみたいな人です」
すっかり変わってしまったけどそう答えた。

モブ子「ふふ」

梓「何ですか?」

モブ子「面倒臭い子だね。唯も梓ちゃんも」

梓「はい?」

53: 2010/10/20(水) 15:47:59.36
モブ子「何ていうのかなぁ?大好きすぎることがかえって重りになってるっていうか」

梓「大好きってほど好きじゃないですよ」

モブ子「じゃあさっき私に向けていたジトッとした目線は何だったのかな?」

梓「それは……」

モブ子「私の唯先輩を取らないでー!」

梓「……モブ子さんみたいな綺麗な人と仲がいい唯先輩に嫉妬してたんです」

モブ子「あらあら嬉しいこと言ってくれるじゃない」

梓「はい」

モブ子「……でもね。これ以上唯を傷つけるのはよしなよ」

58: 2010/10/20(水) 16:17:38.59
梓「え? 」

モブ子「私だって気付いてるよ、唯が変わったことくらい」

梓「唯先輩は変わってませんよ」

モブ子「そうやって隠し事するのも人に踏み込んでもらいたくない関係になっているからなのかな?」

梓「何とでも言ってください」

モブ子「まぁ君のことはあまり知らないから何とも言えないけどね。でもね、君が唯にとって特別な存在だってことはわかるよ」

モブ子さんは落ち着き払った調子で話を進める。

モブ子「唯は元々周囲の人みんなに好意を向ける子だったよね。『好き』に順位付けしたりするような子じゃなかった」

私は黙って話を聞く。

モブ子「唯からしたら、みんなと仲良くなれればそれでよかったんだと思う。でも例外が出来た。
『仲良く』じゃなくて『自分のもの』にしたい人が表れた」

モブ子さんは私の目をじっと見つめた。

モブ子「ねぇ、よく考えて。どうして君が唯の特別になれたのか。君は唯にとって何なのか」

59: 2010/10/20(水) 16:33:10.27
唯「お待たせー。モブ子ちゃん、あずにゃん」

タイミング良く?唯先輩が戻って来た。

唯「私、これとこれ買うね。あずにゃんはどうする?」

梓「私は……今回は遠慮しておきます」

唯「え~?モブ子ちゃんに悪いし何か買って行きなよ~」

モブ子「いいのよ、唯。今日は梓ちゃんと仲良くなれただけでも満足だから」

唯「あ、二人共仲良くなれたんだ。嬉しいよ~」

モブ子「ええ、私も」

モブ子さんがウィンクしてきたが、私は目を逸らした。

64: 2010/10/20(水) 17:00:52.95
会計を済ませてからも唯先輩はモブ子さんと話し込んでいたが、モブ子さんが機転をきかせて話を切り上げてくれた。
唯先輩は別れを惜しみながらも店を出る決心をしてくれた。

唯「いや~仲がよかった人に久しぶりに会うと話が弾むね」

梓「はぁ、そうですね」

唯先輩が少し元気になってくれてよかったけど、複雑な気分だ。
だって唯先輩を元気にしたのは私じゃないから。

唯「さて、次はどこに行こっか、っと」

梓「どうしたんですか?」
唯先輩の視線を追うとそこには楽器店があった。私達が高校時代度々通った場所。

梓「……行きますか?」

唯「……うん」

しんみりとした気分になりつつも私達はゆっくり歩を進めた。

65: 2010/10/20(水) 17:17:48.37
?「いらっしゃいませー」

唯梓「「あ」」

?「あ」

梓「純……どうしたの」

純「……見ての通りバイトよ」

唯「へ~。いつの間に」

純「唯先輩。ご無沙汰しています。一応憂には教えていたんですが……」

唯「あ~そういえば憂がそんなこと言ってたような言ってなかったような」

純「はぁ……そうですか」

梓「どうして私には教えてぐれなかったよ」

純「だって冷やかしに来そうだしぃ」

梓「……そんなことしないよ。たぶん」

67: 2010/10/20(水) 17:33:18.98
唯「まぁ積もる話もあるだろうしゆっくり話してなよ」

梓「唯先輩!」

唯先輩はさっさと店の奥の方へ消えていった。

純「あらら……デートの邪魔しちゃった?」

梓「……まぁね」

純「おっと。変なところで素直じゃないの」

梓「あんたには隠す必要ないしね」

純は私と唯先輩の関係を知っている。

純「まぁいいじゃない。相変わらずラブラブみたいだし、今は私との旧交をふかめようよ」

69: 2010/10/20(水) 17:47:52.83
梓「ラブラブ、ねぇ」

純「んー?」

梓 「一緒に暮らして、一緒に仕事して、一緒に遊ぶ。そりゃあ確かにラブラブかもね」

純「ノロケないでよ」

梓「実際そんな甘いものじゃないんだよ」

純「その若さで倦怠期?」

梓「お互い飽きたわけじゃないんだよ。むしろ大好きすぎておかしなことになってるんだよ」

純「やっぱりノロケじゃん」

梓「純にはわからないかなぁ」

純「まぁまぁせめて話くらい聞かせてよ。愚痴聞くくらいならできるからさ」

72: 2010/10/20(水) 18:16:23.19
私は今までの私達の生活を純に話した。
高校卒業してすぐに先輩達を追いかけて、バンド活動と大学生活に追われて、
だらしない唯先輩に世話を焼いている内に知らず知らずの内に二人で暮らし始めて、
初めの内は家事の分担もうまくやれて楽しく暮らしていたのに最近は気付いた方が料理して、洗濯して、といった調子で。
長い話の最中も純は意外にも茶々を入れてくることはなかった。

純「うん。リア充爆発しろ」

梓「は?」

純「いや何でもない。でもさぁ、一体どこに仲がこじれる要素があるの?うまくやってんじゃん」

梓「いやだから最近一緒に寝ることさえないんだよ。辛いんだよ、もう」

純「あぁそうですか。最近ねぇ」

純は人差し指を口に当てて思案した。

純「あっ」

梓「どうしたの?」

74: 2010/10/20(水) 18:37:50.59
純「三週間前のライブで、梓ボーカルの曲の時、唯先輩、凄く嫌そうな顔してたよ」

梓「え…そうなの?」

私がボーカルの時は唯先輩の方を見る余裕がないから気付かなかった。

純「うん。凄い声援だったよね。それに二週間前のライブの後の握手回の時もイライラしてる感じだったよ」

梓「ど……どうして?」

純「さぁ?確か梓に握手を求める列が一番長かったよね。澪先輩の手、柔らかかったなぁ」

梓「他に心当たりは?」

純「先週のライブで私の隣にいた女子大生二人が『あーずにゃーん』って黄色い声援あげたら唯先輩が恐ろしい目付きで睨み付けてきた。
  最初は私を睨んできたのかと思ってびびったよ」

76: 2010/10/20(水) 19:00:36.56
多少気になる点があるものの、純の話によれば唯先輩は私が思っている以上に怒っているようだ。

純「それに昨日だって。女性限定のファン感謝イベントであんたがデレデレしてる間、唯先輩は黙々とサイン書いていたよ。
  私は興奮したムギ先輩に犯されかけた」

梓「うーん」

純「梓って堅物に見えて結構尻軽だもんね。そりゃあ相手は苦労するよ」

梓「そこまでひどくないよ!」

純「まぁそれでも唯先輩なら梓を受け止められる、って思ってたんだけどね。あの人独占欲なさそうだったから」

梓「……過去形だね」

純「人は変わるものなんだよ。梓はあんまり変わってないみたいだけど」

梓「純もね」

78: 2010/10/20(水) 19:19:37.48
純「唯先輩はさ、不安なんじゃないの?」

梓「不安?」

純「いつか梓が自分を見捨てるんじゃないか、いつか自分から離れるんじゃないかって」

梓「もしそうならもっとベタベタしてくるものだと思うけど」

純「それじゃ今までと同じでしょ。違う女にばかり目がいくあの子を振り向かせるには新しい私を見せるしかない!ってことだよ」

私は最近になって家事を率先してやるようになった唯先輩の姿を思い浮かべた。

梓「あの唯先輩がそこまで思い悩むかなぁ?」

純「私に聞かないでよ。私唯先輩のこと大して知らないし」

梓「無責任だね」

純「とにかく。今はそんなウジウジしてないで何か行動しなよ。取り返しのつかないことになっても知らないよ」

80: 2010/10/20(水) 19:34:02.04
梓「何?取り返しのつかないことって?」

純「病んだ唯先輩に刺されたりとか」

梓「まさか」

純「でなくても別れ話になったりとか」

梓「それは十分ありそう」

純「夜遅く、梓が帰宅すると見知らぬ靴が。梓は急いで部屋に駆け込むが唯の隣には……」

梓「やめて。想像したくない」

純「そうならないように頑張りなさいよ」

梓「頑張れと言われても……一体何をすればいいんだろう」

純「うーん。じゃあさ、私と付き合ってみない?」

梓「は?」

82: 2010/10/20(水) 19:56:48.45
純「いっそのこと、嫉妬のレベルを一度マックスまで上げてさ、奪い返してやろうって気にさせるの」

梓「今の唯先輩は結構冷めてるから『ふ~んそうなんだ』で終わりそう」

純「冗談だよ。演技とはいえ私にそっちのケはないし」

梓「それでも応援してくれるんだ」

純「他人のことなら何とでも言えるってことだよ」

梓「でもありがとう」

純「やめてよ恥ずかしい。それにしても冷めた唯先輩かぁ。まるで前の生徒会長さんみたいだね。お、そうだ」

梓「何?」

純「真鍋先輩に協力してもらえば?さっきとは逆に
  『唯、好きよ』『いやっ!やめて和ちゃん。私にはあずにゃんが……』『うふふ、やっと素直になったわね。行きなさい、唯』『和ちゃん……ありがとう!』
  みたいな感じで」

梓「私の言った『ありがとう』を返してよ」

92: 2010/10/20(水) 20:37:09.49
純「と・に・か・く。唯先輩の一番側にいるのは梓なんだよ。だからさ、逃げずに自信持ちなよ」

梓「そうだよね。いつまでも逃げてちゃ駄目だよね。改めて、ありがとう、純。純に話せて気が楽になったよ」

純「二回も梓にありがとうって言われるなんて……。今夜は蛙が降るね。早く帰りなよ」

梓「はいはい。とりあえずこの弦を頂くね。お客さん全然来ないしね」

純「全く……やっぱり梓は梓だ。〇〇円頂戴致しま~す」

唯「あ、もうお話終わった?」

梓「あぁ、唯先輩。はい。唯先輩の分の弦も買っておきましたよ」

唯「ありがとね。じゃあそろそろお暇しようか。純ちゃん、今日はありがとう」

純「いえいえ私は何も」

梓「じゃあね、純。あ、最後に一つだけ」

純「なにー?」

梓「いつもライブに来てくれてありがとう」

純「……今夜はカタツムリが降るね」

93: 2010/10/20(水) 21:01:45.71
唯「楽しかった?あずにゃん」

梓「ええ、とっても」

唯「そう。今日は何だか運がいいね」

梓「そうかもしれませんね」

相変わらず唯先輩は穏やかな表情だ。私と歩いていても心から楽しんでいるようには見えない。

唯「今夜はどうするー?せっかく町に出てきたんだしどっかで食べてこうよ」

梓「いえ、夕飯は私が作ります」

唯「どうしたの、あずにゃん?」

梓「最近唯先輩に作らせてばっかりですから今夜は私がお返しします。豪華にしますから楽しみにしててください」

唯「いいね~、じゃあ一緒に材料買いに行こっか」

梓「いえ、買い物は私一人で行きますから唯先輩は先に帰って待っていてください」

唯「え、でも……」

梓「いいんですよ。唯先輩を労うためなんですからゆっくりしててください。それじゃ」

唯先輩はまだ何か言いたそうだったが私はすぐさま走り出した。

94: 2010/10/20(水) 21:18:19.70
梓「えっと、確か卵切らしてたよね」

?「梓ちゃん?」

梓「えっ?」

憂「久しぶりだね、梓ちゃん」

梓「憂……」

親友であり、恋人の妹でもある平沢憂がそこにいた。相変わらずスーパーで買い物している姿がよく似合う。

憂「夕飯のお買い物?」

梓「うん、まあね」

憂「何作るの?」

梓「ビーフストロガノフ、かな?」

憂「ふぅん」

96: 2010/10/20(水) 21:41:56.51
スーパーを出て、憂と二人で並んで歩いた。私は電車で帰るので、駅までは一緒に歩くことにした。

憂「こうして二人で歩くの、高校生以来かな?」

梓「そうだね」

憂「梓ちゃん、すぐにお姉ちゃん達の後を追いかけたもんね」

梓「うん」

憂「私がシスターコンプレックスなら梓ちゃんは軽音部コンプレックスだったもんね」

憂は笑顔で言った。言葉そのものは自嘲気味だがその表情は清々しく見えた。

憂「お姉ちゃん、元気にしてる?」

梓「元気だよ」

憂「よかった」

憂は私に微笑みかける。

99: 2010/10/20(水) 22:04:45.83
私と憂は高校を卒業してしばらくはよく連絡を取り合っていたし、一緒に遊びに行ったりもした。
しかし次第に疎遠になり、ある時をきっかけに私は憂を避けるようになった。

憂「梓ちゃんがいてくれればお姉ちゃんは大丈夫だね」

梓「そんなことないよ。最近は私の方が唯先輩に頼ってばかり。今朝も唯先輩が先に起きて朝食を用意してたんだよ」

憂「お姉ちゃん、早起きしたり、料理したりできるようになったんだ。嬉しいな」

憂はいっそう笑顔になった、ように見える。
夕日に照らされて憂の健康的な頬の赤みが増していた。

梓「憂は、寂しくないの?」

私は恐る恐る聞いた。

憂「どうして?」

梓「お姉ちゃんと、離れて」

引き離したのは私だ。

101: 2010/10/20(水) 22:33:54.69
憂「私は離れていてもお姉ちゃんが幸せならそれでいいよ。寂しいと聞かれれば確かに寂しいけどね」

この子は決して笑顔を崩さない。だからこそ不安になる。
憂の心配をして不安になっているのではない。自分が恨まれているのではないかということに対して不安感を抱いているのだ。
矮小な自分が恥ずかしい。

憂「梓ちゃん」

気付いたら憂が20センチほど私に近付いて歩いていた。

憂「梓ちゃんは大丈夫?」

梓「どういうこと?」

憂「お姉ちゃんが迷惑かけてない?」

梓「そんなことないよ。お世話になってばかり」

憂「そっか」

さっきより近い距離にある憂の顔からは素直な感情しか読み取れない。
それでもまだ私の心から不安が取り除かれることはない。

憂「梓ちゃん」

憂がもう10センチ近付いてきた。

憂「怖がらないで」

間近にある憂の顔が唯先輩の顔に見えた。

103: 2010/10/20(水) 23:01:20.36
私は立ち止まった。憂もすぐ横に止まる。
私は憂から一歩分離れた。しかし憂は距離を詰めて来る。
既に笑顔ではなくなっていたが、怒っているわけでもない。しかし何かを訴えかけようとする目を私に向けていた。

梓「怖がってなんか、ないよ」

憂「梓ちゃんは嘘が下手だね」

梓「私が何を怖がるっていうの?」

憂「私と……お姉ちゃんもかな?」

憂は再び微笑を取り戻した。

憂「梓ちゃん。私はお姉ちゃんと別の道を歩くことに後悔はないよ。これが正直な気持ちだよ」

梓「本当に……?」

憂「本当、だよ」

私の心の中で何かが溶けていくのを感じた。

憂「お姉ちゃんの側には、梓ちゃんがいてくれるからね」

溶けたものが溢れてはいないだろうか。

104: 2010/10/20(水) 23:17:06.64
憂「梓ちゃん」

梓「な…に?」

憂「私はお姉ちゃんと離れていても大丈夫だよ」

梓「強いね、憂は」

憂「梓ちゃんはどうかな?」

梓「え…?」

憂 「お姉ちゃんと離れても、大丈夫?」

梓「私は……」

私は呼吸を整えた。

梓「私は……離れたくない。唯先輩と離れて過ごすなんて、私にはできないよ」

憂「ふふ。よくできました」

梓「憂、私って弱いのかな?」

憂「強いよ。ずっとその気持ちを持ち続けることができればね」

106: 2010/10/20(水) 23:31:22.20
私達は再び歩き出した。駅が見えてきた。

憂「梓ちゃん。まだ言ってなかったと思うから今言うね」

梓「何かな?」

憂「お姉ちゃんのこと、よろしくお願いします」

梓「……任されました」

憂「今一瞬迷ったでしょ」

梓「ごめん。簡単には自信満々になれないよ」

憂「ゆっくりでいいんだよ。でもこれだけは約束して」

梓「うん」

憂「お姉ちゃんを泣かせるようなことだけはしないで。でないと私が許さないよ」

梓「……やっぱり憂は怖いよ」

憂「怖がらないで」

憂は今日一番の笑顔を見せた。

109: 2010/10/20(水) 23:57:05.63
電車から降りて五分ほど歩くと私達の住むアパートだ。
私はこの五分間で今日の出来事を振り返ることにした。

カフェでお姉さんに絡まれて、洋服屋で先輩に説教されて、楽器屋で純と与太話して、帰り道で憂が怖くなくなって。

気付いたことは二つ。
一つ目は、私は唯先輩と向き合わなければいけないということ。
二つ目は……このお出かけが全くデートになっていなかったということ。

だから私は早く唯先輩に会いたい。
私の足は自然と早歩きになる。でも卵は割らないように気を付ける。

111: 2010/10/21(木) 00:23:14.95
私達の部屋の前に着いた。駅を出てから3分しか経っていない。

梓「帰りましたよ、唯先輩」

私はドアノブに手を掛けようとしたところでふと動きを止めた。
廊下にモップが二本転がっていることに気が付いたからだ。
きっと倉庫から借りて返さなかった人がいるのだろう。全く、マナーがなっていない住人がいたものだ。
私は再びドアノブに手を伸ばす。

『梓が帰宅すると見知らぬ靴が。梓は急いで部屋に駆け込むが唯の隣には……』

背筋が凍った。
いや、まさか。そんなことはないとは思うものの、扉を開けるのが怖かった。
やっぱり怖いよ、憂。
でも……。

梓「逃げちゃ駄目だよ、うん」

私は意を決した。

114: 2010/10/21(木) 00:40:38.13
唯「あずにゃーん!」

唯先輩の声がした。部屋の中からではなく外から。
唯先輩は息を切らして廊下を走って来た。

梓「唯先輩……どこに行っていたんですか」

唯「えっと、そこのコンビニに飲み物を買いに行ってたんだよ。ほら」

そう言って唯先輩は午後の紅茶を見せた。

梓「なんでそんなに息を切らしているんですか」

唯「あずにゃんを見つけたからだよ」

梓「もう。とにかく入りましょう」

私は扉を開いた。
私達の靴しかなかった。

117: 2010/10/21(木) 00:58:21.98
私が料理している間唯先輩はテレビを見ていた。
でも面白い番組がないのか、しょっちゅうチャンネルを変えていた。え?ホークス負けたの?

梓「唯先輩、出来ましたよ」

唯「おお~おいしそうだね~。いただきm」

梓「その前にちょっと」

私は唯先輩の箸を奪い、テレビを消した。

唯「なに~?もうお腹ペコペコだよぉ」

梓「大事な話があるんです。聞いてください」

私は右手でブレスレットに触れた。

梓「唯先輩。私唯先輩のことが好きです」

119: 2010/10/21(木) 01:11:53.58
「私も好きだよ~」なんて軽い返事が来るかと思ってたけど、唯先輩は真剣な顔つきをしていた。

唯「私も、好きだよ」

落ち着き払った声だった。

梓「私は唯先輩以外を好きになることはありません」

唯「私が好きなのもあずにゃんだけだよ」

暗い目をしていた。

私は唯先輩の前に箸を戻した。
唯先輩の注意が箸に向いた隙を逃さず。

私は唯先輩の唇を奪った。

121: 2010/10/21(木) 01:25:21.50
唯先輩の目に驚愕の色が浮かんだのがわかった。
ここで私は目を閉じた。
唯先輩が再びあの暗い目に戻るのを見たくなかったから。やっぱり私はまだ臆病者だよ、憂。

私は無我夢中に唯先輩を求めた。
優しさの欠片もない行為ではあったが何としても唯先輩にわかって欲しかった。
私の想いを。
唯先輩は無抵抗だった。
呆れているのだろうか失望しているのだろうか。
目を開けるのはまだ怖い。

122: 2010/10/21(木) 01:42:12.99
私が舌を入れようとすると唯先輩は押し返してきた。
そして唯先輩の方から唇を離した。

唯「あずにゃん」

ゆっくり目を開けた。しかし顔は伏せたまま。

唯「あずにゃん」

もう一度呼ばれて恐る恐る顔を上げた。

唯「お腹すいたよ、あずにゃん」

その言葉が聞こえたかと思うと私は床に押し倒された。

梓「唯せんぱ」

すぐに言葉は奪われた。
唯先輩は今まで見たことがない目をしていた。
まるで獣のような目。
私は涙を流した。恐怖のためではない。

私の涙に気付いた唯先輩はすぐさま唇を離した。

124: 2010/10/21(木) 02:01:55.32
唯「ご、ごめん。あずにゃん」

打って変わって慌てふためく唯先輩。

梓「違い……ますよ、唯先輩。これは……嬉し…涙です」

唯「え……?」

梓「唯先輩。やっと私のこと見てくれましたね」

たとえ私の強引な行為の結果だとしても嬉しかった。

唯「あずにゃん。今まで冷たく当たってきてごめん。私不安だったんだよ。あずにゃんが私に飽きているんじゃないかって」

純の言っていたことは当たっていたのか。

唯「だから今日は試すようなことしちゃった。あずにゃんを一人にしたらどうなるか。あずにゃんの私以外の人にしか見せない顔に、ショックを受けたよ」

それは逆に唯先輩にしか見せない顔があるってことで……あれ?

127: 2010/10/21(木) 02:20:41.77
梓「唯先輩……もしかして全部……」

唯「知らない人に抱きつかれて喜んだり、モブ子ちゃんを綺麗な人って言って口説いたり、純ちゃんと付き合おうとしたり、憂とキスしようとしたり」

違います。一部は合ってるけど違います。

梓「唯先輩、違うんでs」

唯「でもわかったよ。あずにゃんの本当の気持ち」

唯先輩は自らの唇を人差し指撫でた。

唯「あずにゃんはフラフラしても最後には私のところに帰って来てくれるってわかったから」

そう言うと唯先輩は笑顔を作った。
色々弁解したいことがあるものの、今は黙っておくことにした。
だってようやく私が見たかった笑顔が見れたから。

128: 2010/10/21(木) 02:32:48.71
唯「さ、食べよっか、あずにゃん。お腹すいたよ~」

唯先輩はいつもの調子でそう言った。
さっきとは意味が違う。

梓「はい。冷めない内に」
これには二重の意味を込めて。

唯梓「「いただきます!」」

唯「はむはむ。ん、あずにゃん」

梓「は、はい」

ど、どうかな?レシピ通り作れたとは思うけど。

唯「すごく……言葉にしづらいんだけど」

えっ!?

唯「すっごくおいしいよ!」

あぁ、いい笑顔ですね。

130: 2010/10/21(木) 02:49:21.36
―――――――――
――――――

唯「あずにゃん、デートしよっ!」

梓「何言ってるんですか」
唯先輩はまた突拍子もないことを言い出した。

唯「一緒にカフェに行ったり映画見たり服買ったりしよっ!」

梓「内容を説明しろなんて言ってません」

唯「ねぇ駄目~?今度の日曜」

梓「まぁ暇ですからいいですよ。他の先輩方は?」

唯「みんなは用事があるんだって。だから心置きなくデートできるよ、あずにゃん!」

梓「女同士はデートとは言いませんよ」

135: 2010/10/21(木) 03:17:26.51
唯「ねぇ~あずにゃ~ん機嫌直してよ~」

梓「別に機嫌損ねてなんかいませんよ。唯先輩、今日も大人気でしたね」

二人っきりで遊ぶはずが、行く先々で唯先輩の知り合いや学園祭ライブでファンになったという人に会って、唯先輩はその人達に構ってばかりだった。
……別に私はデートだなんて思ってはいなかったが、ほっとかれていい気がするわけがなかった。

梓「大体唯先輩は……ってあれ?唯先輩?」

唯「あーずにゃんっ!」ダキッ

梓「にゃっ!」

唯「ごめんねあずにゃん許してよ~」

唯先輩は背後からホッペを擦り寄せつつ私の左手首に手作りのブレスレットを装着した。

梓「何ですかこれ?」

唯「そこの露店で買って来たんだよ。これに誓って私は今後一切浮気はしません!」

梓「付き合ってもいないのに何が浮気ですか」

唯「いいじゃん。細かいことは。あ、あそこのプリクラ行こっ!」

梓「もうっ、引っ張らないで下さいよぉ!」

――――――
―――――――――

137: 2010/10/21(木) 03:35:18.86
唯「ふぅ、いいお湯だったよ~。あれ、何見てるのあずにゃん?」

梓「プリ帳です」

唯「どれどれ~?ん?これいつ撮ったっけ?」

梓「私達の初デートの時です」

唯「でもこの時の私達高校生だよね。私達が付き合いだしたのは二人共大学生になってからだよね」

梓「はぁ、やっぱり覚えていないんですね」

私もさっき思い出したんだけどね。

梓「私達、成長しませんね」

唯「いやぁ、あずにゃんと違って私はそれなりに…」

そこの話はしていません。

138: 2010/10/21(木) 04:17:33.96
私は唯先輩が変わってしまったんだと思っていた。
大人になって少しずつ冷めた目で私を見るようになったのだと。そしていつか完全に熱が失われてしまうことを私は恐れていた。

でも本当は違った。

唯先輩は思ったより責任感が強い人だ。一度決めたことは決して曲げない。たとえ記憶になくても心に誓ったことを忘れることはない。

最近何度も考えた。
「付き合う前の方がよかった」と。
何の気兼ねもなくじゃれ合っていたあの頃は幸せだったと。
でも悪いのは私だったんだ。私には覚悟が足りなかったんだ。唯先輩を本気で好きになる覚悟が。

「あずにゃん大好き」
付き合う前から何度も言われた言葉だった。
だから私はこれを軽い意味の言葉だと受け取っていた。
けれど、これが全てだったんだ。唯先輩の強さの根底にあったのは私のことが大好きだという単純な想い。
それは初めて出会った時も、初デートの時も、私の告白を受けた時も、私の髪を撫でながら眠りについている今も変わることはない。

「唯先輩」

だから私は精一杯応えよう。この人の強い想いに。そしてこの人に誓おう。

「絶対に離しませんよ」

私は唯先輩を抱きしめた。


fin

139: 2010/10/21(木) 04:19:49.70
はぁ……

140: 2010/10/21(木) 04:22:31.61

143: 2010/10/21(木) 05:30:14.50
素晴らしく乙

引用元: 唯「あずにゃん、今日も大人気だったね」