5: 2010/10/29(金) 00:36:45.71
乱文、誤字目立つかもしれませんがご了承ください
では投下します

6: 2010/10/29(金) 00:47:05.88

唯「澪ちゃん、その服似合ってるよぉ~」

澪「そ、そうか?」

律「ん~? 澪ちゅわん、照れてるんですか~?」

澪「うるさいぞ! 馬鹿律!」

唯「あはは、照れてる澪ちゃんも可愛いね~」

澪「いいからいくぞ……全く!」

澪「ムギとも合流しないといけないし……」

唯「そだね、じゃあ出発!」

律「っと、ちょっと待て」

唯「どしたの? りっちゃん」

律「あそこにいるのって梓じゃないか?」

唯「あれ……ほんとだ!」

唯「あーずにゃん!!」

7: 2010/10/29(金) 00:50:45.98
梓「……」

唯「おかしいなぁ……聞こえてないのかな?」

律「梓ー!!」

梓「……」

律「行っちまいやがった」

律「先輩を無視するとはいい度胸だな……梓めぇ!」

澪「でも少し変じゃないか?」

唯「えぇ? あれは間違い無くあずにゃんだよぉ」

唯「私のあずにゃんセンサーがそう言ってるよ!」

律「なんだよそのセンサー……」

律「それより澪、変って何が?」

澪「だって昨日……」

8: 2010/10/29(金) 00:53:14.13

梓「え? 明日ですか?」

唯「そうだよ! 皆でお買い物~♪」

律「梓も行こうぜー!」

梓「す、すいません! 明日はちょっと……」

律「ま、まさか 先輩達を差し置いてデートか!?」

唯「ええ!? 私のあずにゃんが不良になっちゃうよぉ……」

梓「なんですか! "私のあずにゃん"って!」

梓「それに、デートなんかじゃないですよ」

梓「友達に猫の世話を頼まれていて、家から出れないんです」

9: 2010/10/29(金) 00:56:54.77

唯「最初からそう言ってよね! 心配しちゃったよ……」

梓「律先輩と唯先輩が勝手に勘違いしたんじゃないんですか……」

澪「そうか、じゃあまた今度にするか?」

紬「そうねぇ~その方が梓ちゃんもいいんじゃないかしら」

梓「私のせいで延期なんて嫌です! 先輩達だけでも楽しんでくださいよ」

梓「それにお買い物はいつでも行けるし……」

澪「ううん……梓がそう言うなら4人で行くか?」

律「んじゃ、明日は4人で」

唯「あずにゃんごめんね?」

10: 2010/10/29(金) 00:59:08.97

澪「って梓は言ってなかったか?」

律「確かに……言われてみればそうだな」

唯「じゃ、じゃあもしかして……」

律・唯「デート!?」

澪「他人の空似って事もあるけど……確かに梓そっくりだったな」

律「後を付けてみるか?」

唯「それはあずにゃんがかわいそうだよぉ……」

律「ううむ……んじゃ明日、梓に問い質そう!」

澪「問い質すって……本人じゃなかったらどうするんだよ」

律「そんときゃ、そんときだな!」

澪「全く……」

12: 2010/10/29(金) 01:02:08.97

つぎのひ!

律「さてと……全員揃ったな」

梓「律先輩どうしたんですか? 急に改まって」

律先輩が皆でお茶を飲んでいる時に、話始めたのが始まりでした

梓「も、もしかして練習ですか!? 律先輩が!?」

律「なんかすごい馬鹿にされてる気がしてきた」

律「残念ながら、練習じゃない」

梓「少しでも期待した私が馬鹿でした」

やっとまともに部活を出来ると思ったのに……

律「だああああ!! いいか、ストレートにいくぞ!」

律先輩はそう言いながら机を叩いて立ち上がります

13: 2010/10/29(金) 01:05:00.97

澪「お、おい律……やっぱりやめた方がいいんじゃ……」

律「うるさい! 私は聞くぞ!」

唯「りっちゃん頑張って!」

紬「うふふ……楽しみだわぁ……」

梓「とても嫌な予感がしてきました……」

なんかものすごおおおく、くだらない事が始まる予感

律「聞くぞ」

律「梓、昨日はどこで何をしていた?」

澪(全然ストレートじゃないし……)

梓「昨日ですか? 一昨日言ったように家で猫の面倒を見てましたよ」

急に何を言い出すんだろう? 昨日はあずにゃん二号と遊んでいたけど……

16: 2010/10/29(金) 01:07:59.34

律「ふふふ……残念ながら証拠は上がっているんだよ」

梓「え? なんのことですか?」

律「昨日、私たちは買い物に出かけた」

律「それは知っているだろ?」

えええ? なんですかこれは! 私何か悪いことしたかなぁ……

梓「は、はい」

律「しかし梓は猫の世話をしていて家からは出て来れなかった」

梓「そうですけど……」

律「残念だったな……昨日私たちは梓、お前を見ているんだよ!」

梓「はい?」

私を見た? 家から出ていないのに? 本格的に律先輩が心配になってきたよ……

唯「そうだよぉ~あれは間違いなくあずにゃんだったよ!」

澪「わ、私は他人の空似だと思うけどなぁ……」

17: 2010/10/29(金) 01:11:10.11

紬「皆から話だけしか聞いてないけど、唯ちゃんがそこまで言うなら梓ちゃんだったと思うわぁ~」

梓「え? え?」

唯先輩やムギ先輩まで!? 澪先輩は普通のようだけど……

律「あーずさ、観念しろい!」

梓「観念するも何も、私は家から出ていませんよ!」

唯「あずにゃん惚けちゃダメだよ~しっかり見たんだからね!」

澪「おい、そろそろ止めろよ……梓がかわいそうだよ」

紬「澪ちゃん、今いいところだから少し静かにね?」

澪(ム、ムギの目が怖い……)

律「じゃあ仮に家に居たとしよう」

梓「仮にって……」

18: 2010/10/29(金) 01:14:00.01

律「それを証明する物はあるのか?」

梓「なんでそこまでしないといけないんですか……」

律「出せないのか~?」

梓「っ! 分かりましたよ! 憂に聞けば分かります!」

ここまで言われたら私だって黙っていません! 証拠はしっかりとあるんだからね!

唯「ほえ? なんで憂……?」

梓「唯先輩言われてなかったんですか?」

梓「前みたいに何か起きたらって思って憂を呼んだんですよ」

唯「そ、そういえばそんなこと憂が言ってたかなぁ……?」

梓「ちゃんと聞いてくださいよ! 全く……」

この人は本当に……でもそこがいい所でもあるんだけどね

って何を考えているんだ私!

20: 2010/10/29(金) 01:19:17.22

律「とにかく!」

律「唯、憂ちゃんをここに呼び出せ!」

唯「りょ、了解しました! りっちゃん隊長!」


ごふんご!

憂「失礼しまーす」

律「入っていいよ」

憂「はい」

憂「お姉ちゃんどうしたの? 急にけいおん部に来てだなんて……」

律「まあまあ、座って座って」

憂「は、はい」

梓「ごめんね、急に呼び出しちゃって……」

22: 2010/10/29(金) 01:25:06.70

本当に、憂もいい迷惑だよね

唯「憂をここに呼んだのには深い理由があるのです!」

憂「ふ、深い理由!? 何かなぁ?」

唯「憂は昨日何をしていたの?」

憂「ほえ? 私?」

憂「昨日は梓ちゃんと猫のお世話をしていたよ」

律「家からは出ていないのか?」

憂「はい、目を離している間に何かあったらと思ったので」

はあ……これで私の疑いも晴れるよね

梓「だから言ったじゃないですか! 私は一歩も出ていませんって」

紬「確かに、憂ちゃんが嘘をつくなんて思えないし……」

憂「お姉ちゃんには嘘なんて付きませんよ!」

25: 2010/10/29(金) 01:32:07.70

憂、それだとけいおん部の皆には付くってことになるけど

律「そうかぁ……見間違いだったのかな?」

澪「私は最初から他人の空似だと言ってるじゃないか!」

澪「ほら、梓に謝れよ」

唯「絶対にあずにゃんだと思うけどな~謎です!」

梓「もう、そんなことはいいから練習しましょう!」

律「そ、そうだな」

律「梓、ごめんな 疑ったりして」

唯「あずにゃんごめんね……」

紬「梓ちゃん、ごめんなさい」

梓「だ、だからいいですって! 謝るくらいなら練習です!」

26: 2010/10/29(金) 01:38:31.32

なんだかこんな風に謝られたら私が悪いみたい……

と、ここで憂が話を切り出した

憂「あ、あの」

律「ん? ああ」

律「悪いな、くだらないことで呼び出したりして」

憂「い、いえ」

憂「それよりちょっといいですか?」

唯「どしたの?」

憂「大体の事情は分かりました」

憂「それで、少し気になったんですけど……」

律「……気になった?」

憂「はい」

29: 2010/10/29(金) 01:45:44.11

憂「お姉ちゃん、昨日見たのは本当に梓ちゃんだったの?」

唯「またその話!? う、うん」

唯「あれはあずにゃんだったよ!」

梓「まだ言うんですか!?」

唯「あうう……あずにゃん怖いよぉ」

私、そんな怖かったかな……?

それより憂の言いたい事が気になるかも

梓「それで憂、何が言いたいの?」

憂「あ、うん」

憂「お姉ちゃん、家でいっつも梓ちゃんの話をしているんだけどね」

紬「まあまあまあまあ」

唯先輩が私の話を……ってまた変なこと考えないの! カムバック私!

30: 2010/10/29(金) 01:51:18.18

憂「それで、そんなお姉ちゃんが梓ちゃんを見間違うかなぁって」

憂「ごめんなさい、変な話でしたね」

律「ふむ……」

律先輩が腕組みをしながら何かを考えている

律「もしかするとだが」

律「ドッペルゲンガーって奴じゃないか?」

梓「ドッペルゲンガー?」

律「ああ」

唯「なあに? どっぺるげんがーって」

憂「自己像幻視の事だよ、お姉ちゃん」

唯「それだと余計分からないよ……」

梓「もしかして、ドッペルゲンガーを見た人は氏ぬって言われているアレですか?」

31: 2010/10/29(金) 01:58:20.14

澪「も、もうやめようよ……」

律「でも皆見ただろ? 梓そっくりだったじゃないか」

唯「あずにゃん氏んじゃうの!?」

律「いや、梓自身が直接見なければ大丈夫な筈だ」

澪「りーつぅ……やめようって」

紬「確かにそれなら、唯ちゃん達の事を無視したのも納得がいくかも……」

まさかこんな話まで飛躍するなんて……

梓「もう、他人の空似ですって!」

梓「いいから練習しましょう練習!」

この時は大して気にしていなかった

頭の片隅にちょこっとだけ残っているような、そんな感じだった

33: 2010/10/29(金) 02:03:29.32

かえりみち!

律「んじゃ、また明日な」

唯「りっちゃん、澪ちゃん、また明日ね!」

紬「私アルバイトがあるから今日はここで失礼します~」

唯「ほいほい、じゃあムギちゃんもまた明日~」

梓「先輩達お疲れさまです」

律「あ、そうだ」

律「ドッペルゲンガーに気を付けろよ~梓?」

梓「またその話ですか!?」

律「ははは、冗談冗談」

律「じゃ、また明日」

もう……律先輩が変な事言うから気になってきたよ……

35: 2010/10/29(金) 02:10:44.05

唯「じゃあ私はこっちだから、またね~♪」

梓「はい、お疲れ様です」

唯「あずにゃんバイバーイ!」

あんな大きな声を出して……こっちが恥ずかしいよ

私は唯先輩に手を振り、違う道を進んで行った

梓「ドッペルゲンガー……かぁ」

梓「ダメダメ! あんなの都市伝説だよ都市伝説!」

帰路につく足取りは少し早めだった

梓(もし見ちゃったら、私どうなるんだろう……)

36: 2010/10/29(金) 02:16:05.93

またまたつぎのひ!

律「よ! って梓か」

梓「なんですかそれ……」

律「いやあ……皆掃除当番だったからさ」

梓「あれ? そうなんですか?」

律「ああ」

律「そんな事より昨日は大丈夫だったか?」

梓「へ?」

律「ドッペルゲンガーだよ」

梓「まだ言ってたんですか……はあ……」

梓「もうその話やめましょうよ、都市伝説ですよ?」

律「いや、強ちそうとも言えないかも」

38: 2010/10/29(金) 02:21:36.69

梓「……?」

律「まあ、皆が来たときに話す」

梓「は、はい」

唯「お待たせー!」

唯「もうさわちゃん酷いんだよぉ……寝てたからって掃除当番と一緒に手伝わせるなんて!」

澪「自業自得だろ」

紬「でも、唯ちゃんの寝顔かわいかったわぁ~」

唯「えへへ……」

梓「全く何しているんですか、早く練習しましょう」

唯「その前にティータイムだよ! あずにゃん!」

梓「はあ……」

39: 2010/10/29(金) 02:27:45.06

てぃーたいむ!

律「おし、全員いるな」

唯「? また何かあるの~?」

律「実は昨日な、澪」

澪「ちょっと怖いけど……話すべきだよ」

梓「な、なんですか?」

律「見たんだよ」

紬「それってもしかして……」

律「ああ、梓のドッペルゲンガーだ」

梓「え!? どこで見たんですか?」

澪「皆と別れた後に、律が教室に忘れ物をしていてさ」

澪「それを取りに学校に戻ったんだ」

40: 2010/10/29(金) 02:33:11.87

律「んでその時校門の前にいたんだよ」

唯「あずにゃんゲンガー?」

梓「ちょっと混ぜないでくださいよ……」

紬「それで、どうしたの?」

澪「私は怖くなって、逃げようとしたんだけど……」

澪「律が近づいて行ったんだ」

律「まあ結局は近づく前に逃げられたけどな」

梓「それって本当に私だったんですか?」

律「正確に言うとドッペルゲンガーだけど、梓そっくりだった」

澪「そ、その……髪型とか、制服とかも」

紬「少し気味が悪いわね……」

律「二日続けてだしな……もしかしたら今日も居るかも」

42: 2010/10/29(金) 02:39:00.81

梓「や、やめてください!」

唯「あずにゃん……」

梓「そ、そんな話止めてくださいよ……」

澪「わ、悪い梓! 梓の事が心配で……」

律「でも、本当にドッペルゲンガーだとしたらマズイぞ」

紬「そうね……なるべく梓ちゃんを一人にしないようにしましょう」

梓「あ、ありがとうございます」

梓「怖くて取り乱してしまいました……申し訳ないです」

唯「じゃあ、あずにゃん今日は家においでよ~!」

梓「ゆ、唯先輩の家に!?」

唯「そだよ~」

律「確かに……私の家は急に後輩が泊まりに来るなんて言ったら怒られそうだしなぁ、聡もいるし」

45: 2010/10/29(金) 02:44:00.36

律「澪の家なんて行ってもいざというとき盾にされるだけだ」

澪「そ、そんなことしない!」

律「ドッペルゲンガーが出ても?」

澪「それはちょっと……」

梓「澪先輩……」

澪「梓すまない! 今日は唯の家に行ってくれないか?」

紬「そうね、私の家も事前に予約をしておかないと泊まれないわ」

律・澪(どこのホテルだよ……)

唯「やったあ! あずにゃんお泊り~♪」

律「おいおい、遊びで泊まる訳じゃないからな!」

唯「分かってるよぉ あずにゃんは私が守ります!」

梓「よ、よろしくお願いします」

46: 2010/10/29(金) 02:49:22.39

律「んじゃ今日はどうする? もう解散にするか?」

梓「いえ、私のせいで練習無しっていうのは嫌です!」

澪「大丈夫だ梓、そこの馬鹿はサボろうとしているだけだ」

律「ちぇー」

唯「お泊り~♪ お泊り~♪」

律「唯は随分と幸せそうだな」

梓「私、少し心配になってきましたよ……」


かえりみち!

唯「じゃああずにゃんは私と一緒の道だね!」

梓「あ、着替えとか取りに行きたいので一回家に帰ってもいいですか?」

唯「りょーかい了解! 気をつけてね!」

49: 2010/10/29(金) 02:59:07.33

律「もしそれっぽいのを見かけても、絶対に目を合わせるなよ!」

澪「もしよかったら一緒に行こうか……?」

梓「だ、大丈夫ですよ! 皆さん少し大げさに考えすぎですって」

澪「そうか……気をつけてな?」

律「じゃあ、私たちはこっちだから」

梓「はい、さようなら!」

澪「またなー!」

唯「ムギちゃんは今日もバイトみたいだし……あずにゃん本当に一人で大丈夫?」

梓「大丈夫ですって、唯先輩も心配しすぎですよ」

唯「私のあずにゃんが危ないって聞いたら居ても立ってもいられないよぉ~」

梓「唯先輩の物じゃないです!」

唯「あずにゃん冷たい……」

51: 2010/10/29(金) 03:05:17.71

梓「も、もう」

梓「後で絶対に行きますから! 付く少し前に連絡します」

唯「おっけーだよ! 今日は腕によりをかけておいしいご飯作るからね!」

唯「憂が……」

梓「あはは、それではまた後で!」

唯「うん! あずにゃんバイバイ~」

梓「さよならです」


梓「早いとこ、泊まる用意していかないと……」

梓「少し暗くなってきたかな? もうすぐ冬かー」

梓「あれ……あそこにいるのってもしかして」

52: 2010/10/29(金) 03:11:07.13

ゆいのいえ!

憂「お姉ちゃん、今日は梓ちゃんがお泊りに来るんだっけ?」

唯「そうだよ~あずにゃんは私が守るのです!」

憂「二日続けて見るなんて、確かにちょっと心配だよね……」

憂「今日は3人で一緒に寝ようか?」

唯「おお! あったかあったかだね!」

憂「えへへ~」

唯「お、あずにゃんからメールだ!」

唯「もうすぐ着きますって!」

憂「お迎えにいこうか?」

唯「うん!」

53: 2010/10/29(金) 03:16:36.69

いえのそと!

唯「あーずにゃん!」

梓「うわ! わざわざ外まで来なくても……」

憂「梓ちゃんが心配だったんだよ~」

梓「あ、ありがとう憂」

唯「え~! 私は無視!?」

梓「唯先輩も、ありがとうございます」

唯「それほどでもぉ」

憂「とりあえず家に入ろうか?」

梓「うん、お邪魔させてもらうね」

憂「いらっしゃい~」

唯「うう……私なんか省かれてるような……」

54: 2010/10/29(金) 03:22:46.02

梓「あはは、唯先輩早く入らないと風邪引いちゃいますよ」

唯「今行くよあずにゃん!」


またまたゆいのいえ!

唯「それでね~澪ちゃんがここで倒れちゃったんだよ!」

梓「澪先輩恥ずかしがりだから、相当堪えたんじゃないんですか……?」

唯「しばらくは心ここに在らずって感じだったね!」

憂「お姉ちゃん難しい言葉知ってるんだね~」

唯「えへへ~照れちゃいますな」

梓「唯先輩、それって馬鹿にされているような……」

憂「ええ!? お姉ちゃんを馬鹿にするなんてしないよぉ」

梓「本気で言ってたんだ……」

55: 2010/10/29(金) 03:26:26.39

憂「あ、もうこんな時間」

憂「夜御飯作っちゃうからお風呂済ませといて~」

梓「うん、分かった」

唯「おお! まさかあずにゃんと一緒に……!?」

憂「それはダメだよお姉ちゃん、家のお風呂は一人用だからね?」

梓「憂、包丁持ったままこっち向かないで怖い」

唯「ふぇ~ じゃあ私はゴロゴロしてるからあずにゃん先に入っていいよぉ~」

梓「ゴロゴロって……じゃあ入らせてもらいますね」

唯「ごゆっくりどうぞ!」

ガラガラ

憂「梓ちゃんお風呂に行った?」

唯「うん、今行ったよ」

56: 2010/10/29(金) 03:31:21.58

憂「今日、梓ちゃんやたら来るの遅かったけど……何かあったのかな?」

唯「確かに言われてみれば遅かったかも……」

唯「後で聞いてみよっか?」

憂「うん、そうだね……」


20ふんご!

梓「お風呂あがりましたよ~」

唯「ほいほい、じゃあ私入ってきちゃうね」

梓「はい」

ガラガラ

梓「憂、何か手伝おうか?」

憂「うーん、大丈夫かな~」

57: 2010/10/29(金) 03:35:58.79

唯・梓「いただきまーす」

憂「召し上がれ~♪」

唯「そうだあずにゃん、聞きたい事があるんだけど……」

梓「はい? なんでしょうか?」

唯「今日なにかあったの~? 心配したんだよぉ……」

梓「帰る途中にムギ先輩に会って話をしていたんですよ、それで少し遅れてしまいました」

憂「随分と素早い回答だね、梓ちゃん」

梓「え?」

憂「予め用意されてたみたいな返事」

唯「う、憂 何を言ってるの?」

梓「何が言いたいのかな?」

憂「あなたは本当に梓ちゃんでいいのかな? って事だよ」

58: 2010/10/29(金) 03:40:19.65

唯「どうしたの憂、あずにゃんに決まってるよ……」

梓「そうだよ、今日の憂は少し変わってるね」

憂「じゃあ聞くけど」

憂「お姉ちゃんが聞いたときに、なんでああいう返事が出来るのかな?」

梓「普通の返事じゃないかな……?」

憂「普通じゃないよ」

憂「もし私が梓ちゃんの立場だったら少し考えると思う、なんの事か考える為にね」

憂「でも梓ちゃんは "すぐ" に返事をした、用意されていたようにね」

憂「なんで返事をわざわざ用意してきたのかな?」

梓「……」

唯「う、憂やめなよ」

唯「あずにゃん困ってるよ……」

61: 2010/10/29(金) 03:44:57.99

憂「もう一度聞くよ」

憂「あなたは本当に梓ちゃん、なのかな?」

プルルル

唯「電話……りっちゃんから?」

唯「……もしもし?」

律『唯か!』

唯「ど、どうしたのりっちゃん」

律『今お前の家に梓はいるのか!?』

唯「うん、今一緒に御飯食べてるけど……」

律『馬鹿野郎!! 急いで逃げろ!』

唯「……ど、どういう事?」

62: 2010/10/29(金) 03:49:10.98

律『さっき見たんだよ……気づくのが遅すぎたけど』

唯「え? 気づいた? ってなにを?」

律『簡単な事だ、そいつには……影が無いんだ』

唯「そ、そうなの!?」

律『ああ、とりあえず今はそこから逃げろ!』

唯「分かったよりっちゃん、ありがとね!」

律『逃げ切れたら私の家に来てくれ、今は澪も私の家だ』

唯「了解しました! りっちゃん隊長!」

ガチャ

憂「聞こえていたかな、梓ちゃん? いや、ドッペルゲンガーさんかな?」

梓「ふ、うふふ」

63: 2010/10/29(金) 03:55:06.12

梓「ばれちゃったなら仕方ないなぁ……」

唯「あずにゃんは! 本物のあずにゃんはどうしたの!?」

梓「さあ、どうなったでしょうか……?」

梓「今すぐにあなた達を頃してあげていいけど……それだけではつまらないですね」

梓「簡単なゲームをしましょう」

梓「私がいつ入れ替わったのか、正確な答えを出してください」

梓「もし正解できたら……私は大人しく消えてあげますよ」

梓「はっぴーえんどって奴ですかね?」

梓「制限時間は10分」

梓「もし正解が出なければ、ばっどえんどって奴ですね」

梓「勿論理由も付けてくださいよ? 適当に言って当たったで消されるなんて私かわいそすぎますから」

梓「それでは "唯先輩" がんばってくださいね♪」

70: 2010/10/29(金) 04:09:47.59

唯「前からおかしいと思っていたよ」

唯「あなたが入れ替わったのはあずにゃんにドッペルゲンガーを見たと話したその日」

唯「所々おかしかったんだよ」

唯「いつもは別れる時に "さようなら" なんてあずにゃんは言わないよ」

唯「それに、あずにゃんはあなたみたいに馬鹿じゃないからね」

唯「あなたは物事を考えないで喋ってる、だからボロが出ちゃったんだよ」

梓「あはは、やっぱり唯先輩はすごいですね」

梓「いつもはボーっとしてるけど、いざという時はやっぱりすごいです」

憂「なんで、その事を知ってるのかな? あなたはドッペルゲンガーだよね?」

梓「記憶の引継ぎ、だよ」

梓「入れ替わりが起きた時に記憶がそのまま引き継がれるんだ」

唯「そんな事より、早くあずにゃんを返して!!」

梓「分かりました、約束ですしね」

71: 2010/10/29(金) 04:12:45.44

梓「もう一人の梓は私の中に居ます、私が消えれば彼女もやがて目を覚まします」

梓「戻ったかどうかは影を見れば分かると思うので、それでは-----」

唯「待って」

梓「はい?」

唯「あなたはどうしてそんなに」

唯「素直に言う事を聞くの……?」

唯「こんなこと私が聞くことじゃないかもしれないけど……」

梓「少し、話をしてもいいですか?」

憂「……どうぞ」

梓「ありがとう」

梓「私たちドッペルゲンガーは、見たら氏ぬと言われています」

梓「でも、本物の梓は生きています」

梓「何故かわかりますか?」

73: 2010/10/29(金) 04:14:11.20

唯「また問題……?」

梓「いえ、今回のは違いますよ」

憂「もしかして……」

憂「ドッペルゲンガーを見ても、氏なない……?」

梓「正解」

梓「私たちを見ても氏ぬわけなんてないです」

梓「現に梓は生きていますからね」

梓「社会が勝手に作り出した、そんな都市伝説的な存在」

梓「見たら氏ぬ……なぜ?」

梓「私たちは、本人と少しでも入れ替わり」

梓「その人が受けている暖かさを感じたいだけ」

梓「悪い事だとは分かっています」

梓「結局は消えるしか無い、そんな存在なんです」

74: 2010/10/29(金) 04:17:58.39

梓「話が長くなりましたね」

梓「少しの間でしたけど、梓が受けている暖かさを確かに感じました」

梓「それは私に向けた物では無くても、とても暖かかったです」

梓「それでは、私はこれで消えますね」

梓「さような-----」

唯「ずっとあなただけ話して、お別れなんてずるいよ」

梓「い、いきなり抱き着くなんて」

梓「もう十分暖かさは感じましたよ」

唯「違うよ」

唯「それはあなたに向けた物じゃなかった」

唯「でも今回は、あなたに向けた物」

唯「憂も一緒に、あったかあったかしよ?」

75: 2010/10/29(金) 04:19:28.96

憂「私は……まだ、ちょっと怒ってる」

憂「でもあなたは、人の暖かさを知りたかっただけ」

憂「本当に悪いのは勝手に悪者を決め付けた私達かもしれない」

憂「だから、私も!」

梓「あはは、本物の暖かさはやっぱり違いますね」

唯「あれぇ、あずにゃんゲンガーさん泣いてるの?」

梓「混ぜないでくださいよ、私は梓ほどいい子ではないです」

唯「そんなこと無いと思うけどなぁ」

唯「ま、いいよ! あったかあったか、だよ?」

憂「えへへ」

梓「あったかあったか、ですね」

76: 2010/10/29(金) 04:20:56.40

よくじつ!

唯「ふああ……あれ?」

憂「うぅん……おはようお姉ちゃん……」

唯「昨日あのまま寝ちゃったんだ……!」

憂「え!? ほんとだ……」

憂「あ、梓ちゃんは!?」

梓「ううん……憂ー?」

唯「えっと……あずにゃん?」

梓「にゃ? ……え!?」

梓「なんで唯先輩がいるんですか!!」

唯「なんでって、ひどいよぉ……」

憂「あはは、梓ちゃん覚えてないの?」

梓「あれぇ? 唯先輩と別れて、その後私どうしたんだっけ……」

77: 2010/10/29(金) 04:23:00.58

唯「元に戻ってるよー!」

梓「はい? え、何がですか?」

憂「分からないならそれでもいいかもね」

唯「うん、そだね~」

梓「ちょっとー! 教えてくださいよ!」

梓「なんで私は唯先輩の家に!? っていうかなんで一緒に寝てるんですか!!」

唯「あずにゃん怖いよ~」

憂「あはは、とりあえずご飯の準備してくるね?」

梓「二人していじわるしないでよ!!」

唯「まあまあ、あずにゃんや」

唯「知らないほうがいい事もあるのだよ?」

梓「すごい嫌な言い方ですね、それ」

78: 2010/10/29(金) 04:24:31.33

憂(ドッペルゲンガーさん、いつの間にか消えちゃってたな)

憂(正体を暴くような事して、ちょっと後悔)

ガサガサ

憂(? ポケットに紙……?)

あなたが暴いてくれなかったら、私は一生孤独だったかもしれない
あなたは優しいからきっと後悔してる事でしょう
あなたの暖かさに触れて、私は幸せです

本当に、ありがとう
ごめんなさい


その紙には走り書きで文字が書かれていた
文字は所々滲んでいて、読み辛かったが憂の心にはしっかりと伝わった

はっぴーえんど

80: 2010/10/29(金) 04:28:39.91
あったかあったかした良い終わり方だった。
乙!

81: 2010/10/29(金) 04:30:39.29

と言いたいがBADも投下しちゃえよ

83: 2010/10/29(金) 04:39:17.74
>>63から分岐です


唯「そ、そんなの分からないよ……」

梓「アハハハ、やっぱり唯先輩じゃ分からなかったですかね?」

憂「ドッペルゲンガーさん、前からお姉ちゃんの事を知っているような言い方だけど」

憂「あなたはいつからいたの……?」

梓「教えないよ、答えが出せなかったあなた達の負け」

梓「教える必要もないよね?」

梓「でも、かわいそうだから二つ教えてあげるよ」

梓「私は中野梓でもあるの」

梓「記憶は入れ替わりが起きたときにぜーんぶ私にも入るって事」

梓「だから "唯先輩" なんだよ」

84: 2010/10/29(金) 04:40:24.35

唯「あんたなんかあずにゃんじゃない! あずにゃんを返せえええ!!」

梓「目の前にいるじゃないですか、全く……」

梓「どう? 本物っぽいでしょ?」

憂「梓ちゃんの体で……これ以上遊ばないで!!」

憂「私たちの友達の、梓ちゃんを返してよ……」

梓「あーそうだった、もう一つのイイコト教えてあげる」

梓「元の中野梓は生きているよ」

唯「え!? あずにゃんは生きてるの!?」

梓「うん、いいことでしょう?」

憂「嘘じゃ……無いよね」

85: 2010/10/29(金) 04:42:21.76

梓「まー付け加えるとしたら、もう二度と人に認識されないってことかな」

唯「……え?」

梓「私たちドッペルゲンガーと入れ替わった人間はね、影になるんだよ」

憂「影……?」

梓「本来だったら時間を掛けて影になっていくんだけどね」

梓「でも入れ替わりがばれちゃったから私諸共消えちゃう」

唯「そ、そんな……あずにゃんを、私達のあずにゃんを返してよ……」

梓「ちょっとお喋りが過ぎたかなぁ」

梓「じゃあそろそろ、お別れの時間ですね」

梓「さようなら "唯先輩" それと "親友の憂"」

梓「あはは♪」

86: 2010/10/29(金) 04:44:01.27

あとがき

梓「どうでしたか? ドッペルゲンガー」

梓「あなたは同じようなこと、なったことありませんか?」

梓「友達に言われたことありませんか? 昨日~~で見かけた等、そんな些細な事ですよ」

梓「本当にそれは他人でしょうか?」

梓「もしかしたら、ね」

梓「あなたの周りは大丈夫ですか?」

梓「もしかしたら、ね」

87: 2010/10/29(金) 04:45:09.78

梓「意外とすぐそばにいるかもしれませんよ」

梓「ああ、もしかしてあなた」

梓「入れ替わりした後だったりしますか?」

梓「それならばれないように頑張ってくださいね」

梓「私みたいに愉快な殺人者となってしまうかもしれませんからね」

梓「それではそろそろ失礼します」

梓「またどこかでお会いできたら、その時は中身が変わっているかもしれないですけど」

梓「さようなら」

88: 2010/10/29(金) 04:46:54.56
ここまでがBADendの内容となっております

途中ぐだぐだになってしまって申し訳ない
もし機会があれば内容をもう少し濃く練り直し、投下したいと思っています

92: 2010/10/29(金) 06:03:13.76
おつ

引用元: 梓「ドッペルゲンガー?」