1: 2010/10/27(水) 11:57:06.79
紬「歌います!!」




紬「ふーふふふふーふふふふー♪」



紬「って、長い間スルーされたから歌詞わすれちゃったよ!!!!」ドガーンガシャーン!!!!!!

2: 2010/10/27(水) 11:59:27.05
唯「そういえば、ムギちゃん歌作ってたね、たしかハニワ水筒低体温だっけ」

澪「そういえば、歌詞を書いたような記憶がないこともない」

律「すっかり忘れてたな、私のドラム原点回帰の印象が強すぎて」

梓「ムギ先輩って誰ですか」



紬「くっそー!!!!!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!

3: 2010/10/27(水) 12:03:20.04
紬「この怒りを澪ちゃんにぶつけるわ!!!!!」

澪「やめろよ」

紬「澪ちゃんのバーカバーカ!!!!」

澪「馬鹿って言われた……」ぐっすんおよよ

紬「フェフェフェwwwwもう私を止められるものはいないwwwwwwww」

5: 2010/10/27(水) 12:05:50.35
さわ子「めっ」

紬「えっ」

さわ子「めっ、よ」

律「先生に言ったぜ!」


紬「フェ!?!?!?!?!?!!??!!?!???」アセダクダク


唯「沢庵の出し汁だこりゃ」

6: 2010/10/27(水) 12:09:15.20
さわ子「ムギちゃん、人を馬鹿にすることはいけないことよ」

紬「ひどいわりっちゃん、先生に言ったのね!!」

律「先生に言ったしwwww」

紬「ぐぬぬぬぬぬぬぬ」

紬「あとでカチューシャを盗んで泣かすわ!!」

律「そしたら、となりのじっちゃんばっちゃんにも言うしwww」

紬「あっぴゃぉ!?!?!?!?!?」

8: 2010/10/27(水) 12:15:52.93
紬「それだけはやめて、」

律「地球上の全人類にも言うしwwwww」

紬「くぁwせdrftgyふじこlp」

唯「あっムギちゃん口から泡吹いた」

律「全宇宙人にも言うしwwwww」

紬「らめえええぇぇぇぇえええぇぇぇっ」ビクンビクンッ

梓「あっ、ムギ先輩が破水したです」

律「別次元の平行世界の奴らにも言うしwwwww」

紬「スンッ」ドガーーーンwwwwwwwwwwww




紬「私はダレ、ここは何処」


澪「いよいよ記憶を喪失した!!!!!!」

9: 2010/10/27(水) 12:20:23.24

しかし、これで困ったことになった!!


紬「だあだあ♪」ベチョベチョベチョ


澪「やばいことになったぞ、ムギしかハニーなんたらかんたらの歌詞を知らないし、楽譜もムギの頭の中なんだ」

梓「っていうか、曲名すらムギ先輩しか覚えてない感じでしたね」

唯「ええーっじゃあムギちゃんが記憶を取り戻さなければ……」

律「ハニーなんたらかんたらは永遠に闇の中に葬られることになる……」



紬「あっちょうちょさん、まてー」ポワポワーン

ちょうちょ「うわ、なんだこいつ」

11: 2010/10/27(水) 12:26:50.41

つまりムギの記憶を取り戻さないと、せっかくの曲がパア

それではもったいないと、ムギの記憶を取り戻す案を画策することになったってわけ




梓「いいアイデアがあります、ムギ先輩の記憶を取り戻すためにショック療法を行うのです」

唯「なるほど、アニメとかで記憶を取り戻す時に使う手だね」


梓「ここに丁度いい具合に電気椅子があります、これで電気ショックを与えましょう」

律「それ、グリーンマイルで見たことあるぜwwwww」

澪「それじゃ私は濡らしたスポンジを用意するwwww」

唯「じゃあ私はスイッチを入れる係り」

梓「じゃあ私は建設大臣wwwwってアホかwwwそれだと日本誕生のwwwジャイアンじゃないですかwwww」ズビシwwwww

12: 2010/10/27(水) 12:32:22.57
紬「話を聞いた限り、私やばくね」

紬「記憶を取り戻したふりをして、誤魔化そう」


紬「みんなー私は正気に戻った!!!!」

律「えっまじで」

梓「じゃあ私の名前を言ってみてくださいよ」

紬「ゴキ子!!!!!!」

梓「あっ、こいつ嘘ついてます!!」

13: 2010/10/27(水) 12:36:14.88
紬「あわわわ、ごめん冗談」

紬(チラッとこいつらの鞄の名前欄を見る)



紬(梓、唯、澪、律、紬……)

紬(どれがだれだかわかんないから、文字のイメージからあてるしかない!!)


梓「おいどうした私の名前を言ってみろよ」

紬「え、えーと……律ちゃん……」

律「ん、どうしたー?」

紬(あっ、間違えた!!!)

紬「律ちゃんはいつもかわいいわねー……」アセダクダク

律「ありがと」

梓「誤魔化すなよ、私の名前を言えって」

紬「えーと……唯ちゃん」

唯「おぎゃ?」

紬(あっ、こいつかよ)

14: 2010/10/27(水) 12:38:39.00
唯「どうしたのー?」

紬「ほ、ほら、私はみんなの名前を覚えてるよ」

梓「そんなの断片的じゃないですか」

梓「次は一発で私の名前を口から出してください」

梓「もし私の名前をすらっと出せないというなら。まだ記憶が混乱しているということ、電気ショックを実行する一存です」



紬(あわわわわわやばいですー)

紬(みんなは私をムギと呼んでいる、つまり私は紬)

紬(澪か梓の二択だわ)

16: 2010/10/27(水) 12:41:15.65
紬(私の中では梓っぽいなって思っているんだけど)


梓「にやり」

梓「ねえ、梓ー?」

澪「なんだ?」ニヤリ


紬「え!?」



律(上手いな、あえて嘘の情報をあいたに渡すことで混乱を誘っている

  これがもし記憶を取り戻したはずのうそつきだったならダメージは大きい

  ここで梓はお前だろってつっこめたなら、記憶は戻っているということ

  考えたな、梓)

17: 2010/10/27(水) 12:45:55.87
梓(さあどうでる、琴吹紬……、もしお前の記憶が戻っているなら私が梓だと突っ込むはず)

澪(アイコンタクトで全てを察した私は凄い)


紬「え、えーと……」


ざわ
              ざわ

      ざわ





紬(おかしいわ)

紬(澪って人の鞄は梓って人の鞄よりも古ぼけていた)

紬(つまり、鞄の扱いが手荒じゃない限り梓は澪の後輩のはず)

紬(そして、見た目や雰囲気からいって、さっきの梓と呼ばれた人は目の前のゴキ子より先輩っぽい)



紬(これは、罠……?)

18: 2010/10/27(水) 12:47:35.79
第一部完

ちょっと休憩します

25: 2010/10/27(水) 17:00:41.62
紬(だけど、考えすぎかもしれない)

紬(確信がもてない)


梓「さあ、答えてもらいましょうか」ニヨニヨ

梓「私の名前を」ニヨニヨ


紬(この子、私の混乱する様を見てニヨニヨしてるわ)

紬(表情から心情が滲み出てる)


紬(だけど、そこがあなたの弱点よ!!!)


紬「あ」


梓「!!」ビクッ

紬「ニヤリ」

律(!!梓の奴、罠にハマった
   自分の名前の頭文字「あ」と発言されて、罠が看破されてしまったと考え表情が歪んだ
   しかし、ムギは「あ」としか発言していない、つまり「あ」で梓の表情が変わらないければ、
   「あ…完全に思い出したわ、貴方は澪ちゃん」と発言するつもりだったのだ
   つまりどう転んでもムギが勝つ運命……!)

27: 2010/10/27(水) 17:06:07.84
紬「……ずさちゃん、そう、貴方の名前は中野梓ちゃんよ!!!」

梓「ギィエエエェェェェェェェェェ!!!!!ドッーカン!!!!!!!!」



梓は悔しさのあまり自分の口でドッカーンと叫ぶほど気を取り乱していた

唯「よかった!!ムギちゃん本当に記憶が戻ってたんだね」

紬「そうよ、唯ちゃん。私は本当に記憶を取り戻したの

  だからショック療法は必要ないのよ!!」


澪「なら安心だ、じゃあさっそくハニーなんたらかんたらの歌詞と曲名と楽譜を思い出して、書いてくれ!」


紬(ふふ、大丈夫
  彼女達も覚えてないのだから、適当に曲を書いておけば私の記憶が戻ってないことはばれないわ)

29: 2010/10/27(水) 17:16:09.39
スラスラスラーとムギはペンを走らせる


紬「書けたわ!これがみんなの求めていた曲よ!!」


「ハニーシロップおいしいな」

ハニーハニーハニー
(ドレミーファーミレドー)

シロップーおいしいなー
(ドソドソミソドー)

ホットケーキのために買っておいたけどー
(ソラミレドレドレー)

おいしすぎてホットケーキにかける前に、しゃぶりつくしちゃったのー
(ドレミドレミミレドレミー、アイウエオー)



澪「いや私の書いた歌詞はこんなゴミじゃなかったんだが」

紬「!!!!」ガクガクガクブルブルブル


WARNING!!

さすがにばれた!!!!!

31: 2010/10/27(水) 17:27:48.22
唯「あれれー、ムギちゃん体が震えているよー」

紬「ぱぱぱぱぱパーキンソン病なの!!」ガクガクガクブルブルブル

紬(大丈夫よ、冷静を装えば!!!!)



梓「あれwwwwwこいつ記憶戻ってないんじゃねwwwwww」

紬「ブクブクブク!!!!!!!!!!!!」


唯「ムギちゃんがまた泡を吐いた!!!!」

紬「ノ、ノープロブレム!!!!!!!私の先祖は蟹なの!!!!!!」ブクブクブク


律「っていうか曲名はハニースウィートティータイムだっただろ」

紬「」ポキッポキポキポキポキポキ


澪「ムギの全身の関節が外れていく!!!!!!!」

34: 2010/10/27(水) 17:34:51.41
・・・









紬「あれ……いつのまに私はこんな所に……」


紬『うふふ』


紬「わわ、世私がもう一人!?!?!?」


紬『ここは貴方の精神世界よ』





35: 2010/10/27(水) 17:39:04.34
いつも見慣れた3年2組の教室


少し違うのは色あせたセピア色の空間だと言う事だ
そこにいる、もう一人のムギもセピア色

色がついているのはオリジナルムギだけである


紬「どういうことなの……」


紬『あなたはわたし、わたしはあなた』

紬『貴方は自分が自分でない恐怖に押しつぶされ、気を失ってしまったの』

紬「そ、そうだったわ、私の記憶が戻ってない事を看破されて……」


紬『でも違うの、貴方は記憶を取り戻せないんじゃない、自分から記憶を取り戻すことを拒んでいるのよ』


紬「どういうことなのかkwsk」

39: 2010/10/27(水) 17:43:30.49
パチンッ


もう一人のムギが指を鳴らすと、セピア色のクラスメイト達とまたもう一人セピア色のムギが現れた


セピア紬「…」

クラスメイト「わいわいがやがや」



紬「これは……?」


紬『これは貴方の昼休みの記憶……』


紬「でもこれって……」



そこには誰からも相手にされず、一人机に座るぼっちムギの姿が映し出されていた

41: 2010/10/27(水) 17:49:41.67
紬『貴方は普段はクラスメイト……そして、部員の仲間にすら相手にされていなかったの』

紬『無視され、忘れられ……』

紬『その結果、貴方が頑張って書いた曲の存在すらも忘れ去れてしまっていた』



セピア色のけいおん部が現れる

唯『ムギちゃんってお茶汲みの価値しかないよねー』ゲラゲラ

梓『ムギ先輩って誰ですか』ニヨニヨ

澪『なんか曲つくってたけど忘れてたよなww』ゲタゲタ

律『ムギとか先生に怒られてればいいんだよ』ヒヒッ


紬『これは貴方がけいおん部に抱いていたイメージ』


紬「こ、こんなのって……」




紬『こんな記憶厭でしょう?』

紬『だったら忘れてしまえばいい、記憶を拒んでしまえばいい……』

43: 2010/10/27(水) 17:56:15.54
紬『厭な事は見ないふりして、避けてしまって』

紬『全部忘れよう?忘れてしまおう?』


紬「そのほうが……私の幸せ……?」





紬であることをやめてしまえば、惨めな想いをしなくてすむ

みんなに曲を作ったことを忘れられても、相手にされなくても




こんなに悲しい想いをする事がないのなら……



紬「私は……」




――ムギ!

紬「えっ……?」

44: 2010/10/27(水) 18:02:28.49
ほんの小さな光が見えた


紬「あれは……」




律『ムギのキーボードは最高だぜー』ニコニコ

澪『ムギはいつも優しいよなー』ニコニコ

唯『ムギちゃんいつもいつもありがとう』ニコニコ

梓『ムギ先輩の手ってあったかいですねー』ニコニコ



紬『……あれは、彼女達が見せた優しさの記憶』

紬『だけど気にすることなんてないわ、彼女達は私の曲の存在を忘れるようなひどい人達』

紬『あの記憶も所詮は気まぐれで見せた優しさ』

紬『私の受けた屈辱と比べれば取るに足らない記憶よ』

45: 2010/10/27(水) 18:11:30.55
紬「……」

紬『おいで、琴吹紬』

紬『全てを忘れてしまって』

紬『幸せになりましょう?』


紬「いや……」


紬『紬……?』


紬「全てを忘れるって、大事なことも忘れてしまうってことでしょう?」

紬「苦労したこと、頑張ったこと、」

紬「悲しかったこと…楽しかったこと…うれしかったこと……!!」

紬「そして大事な仲間との思い出も!!!」

紬『……』

紬「全てを忘れて、……それで幸せになれるはずない!!」

紬「嫌な事も嬉しい事も全部請け負って……」

紬「それが私の人生だと思うの!!!」

47: 2010/10/27(水) 18:18:23.85
ヴゥワアアァァァァァッ


セピア色の悪い印象のけいおん部のイメージが掻き消える


紬『なっ……』


紬「私はけいおん部のキーボード担当……琴吹紬!」

紬「紬は返してもらうわ!!」



紬『こ、後悔するわよ……!!』

紬『またあの連中は貴方を裏切るわ』

紬『その時に私はまた現れる……!』


紬「いつでもいらっしゃい、


  その度に私は貴方を追い返して見せるから!」


・・・

49: 2010/10/27(水) 18:23:52.31
・・・




律「ムギームギー……」ぐすん

澪「ポロポロ」ムギ…

梓「ムギ氏んじゃった…ムギ氏んじゃった…ムギ氏んだら驚いた…」

唯「ムギちゃん……」


紬「」スーハースーハー


律「あっムギが息をしている!!!!!」

澪「えぇぇぇっ!?」


ムクリッ

紬「ふわあー……」

まるで眠れる森の美女みたいな感じに起き上がるムギ

50: 2010/10/27(水) 18:29:40.64
律「ああっムギ、生きていたのか!」

梓「良かった…」

澪「もうっ本気で心配したんだからな!」

唯「ムギちゃーん」ギューッ


紬「わあ♪みんなごめんね、心配させちゃって……」



紬「なんだか変な夢を見ていた気がするわ……」

――そう、それはふしぎなふしぎな夢のお話



澪「ムギさえ無事だったらいいんだ!」

梓「そうですよ、もう記憶の有無なんて捨て置きます!!」



紬「ふふ、そのことなんだけど、本当に私の記憶が戻ったの」

律「まじかよ!」

51: 2010/10/27(水) 18:35:19.35
紬「うん、それでね、私の作った曲名は…」


紬「ハニースウィトティータイム!!!」

はちみつ色の午後が過ぎてくHoney sweet tea time

はちみつ色の午後が過ぎてくHoney sweet tea time


マカロン飛行船

時計はラング・ド・シャ

胸がキュンとなるほうへ出かけよう


笑顔の花咲く空の下

あふれてしまうの

好奇心マキシ

赤道色のリボンかけた

地球はお菓子箱

夢つまってる


52: 2010/10/27(水) 18:45:24.63
どうも、琴吹紬です♪
その日の出来事をきっかけに、皆は私のことを軽視し、曲の存在を忘れていた事を謝ってくれました

唯「わあい、ムギちゃんの手ってあったかかーい」ギュッ

紬「うふふ♪」


いまじゃとっても仲良し、放課後の部活が楽しいです


今回の出来事で私はこう思いました。

自分自身という存在、そして自分自身が持つ偏見
これを乗り越えて、ヒトとヒトは手を取り合えるのではないでしょうか


そして苦難を乗り越えいつかきっとたどり着くのです。


甘い甘い時間


そう、


紬「――ハニースウィトティータイム、……にね」キリッ


お し ま い ♪

引用元: 紬「ハニースウィトティータイム!!!」