181: 2019/06/02(日) 22:26:57
………………コミュ143

なじみ 「じゃあアスレチックも攻略したことだし!」

バーン!!!!

なじみ 「次はアレ行くよアレ!」

只野 「アレって……ああ、あの滑るやつか」

只野 (ターザンみたいに滑るやつだけど、すごく高い……)

只野 (近所のちょっと大きな公園に似たようなやつあるけど、規模が全然違うな)

古見さん 「………………」

只野 「あ、古見さん、高いところとか大丈夫ですか? もし無理だったら……」

古見さん 「………………」

ピョコッピョコッ

古見さん 「………………」 フンスフンス

只野 (ああ、行きたいんだ……)

瞳 「そんなこと言っちゃってさ、お兄ちゃん、自分が怖いだけなんじゃないの?」

只野 「!?」

182: 2019/06/02(日) 22:27:27
只野 「そ、そそそ、そんなわけないだろ。怖いなんて、そんな……」

シャーーーーーーッ!!!! キャーーーー!!!

只野 「!?」

只野 (ず、頭上を滑っていった……た、高い……!!)

瞳 「………………」 ニヨニヨニヨ

只野 「い、いや、べつに怖くはないよ! ま、まぁ、せっかくだし行こうか」

なじみ 「よっしゃー! じゃあまずは山登りだ行くぞー!」

ドドドドドドド……!!!

只野 (あいつアスレチック登ったばっかりなのに元気だな……)

古見さん 「………………」

タタタタタ……!!!

只野 「!?」

183: 2019/06/02(日) 22:28:00
笑介 「………………」

フラッ……ガシッ

笑介 「!?」

瞳 「ほら、笑介くんも行くよ」

ニコッ

瞳 「まさか笑介くん、怖いなんて言わないよね?」

笑介 「………………」

瞳 「うん。じゃあ行こう」

ズルズルズルズル……

只野 「………………」

只野 (……僕も行こう)

184: 2019/06/02(日) 22:28:48
………………滑るやつスタート地点

只野 (ヘルメットとかハーネスつけるんだな。本格的だ……)

ドキドキドキドキ……

只野 (す、少し怖いな……)

なじみ 「じゃあ行ってくるよ! もし氏んだら骨は拾ってくれよ!」

なじみ 「ヒャッハー!!!」

シャーーーーッ……

只野 (知り合いだと思われたくない……)

古見さん 「………………」 ワクワクワクワク……

係員 「では、次の方どうぞ」

古見さん 「!!」 ピョコッ

185: 2019/06/02(日) 22:29:19
古見さん 「………………」

古見さん 「………………」 ジーーーーッ

只野 「?」

只野 「……ああ、はい。いってらっしゃい、古見さん」

古見さん 「………………」 コクッ

シャーーーッ……

瞳 「………………」

笑介 「………………」

瞳 「……私たちも目と目で通じ合ってみる?」

笑介 「!?」

186: 2019/06/02(日) 22:30:03
………………

只野 (ああ、とうとう僕の番だ……)

ドキドキドキドキ……

係員 「では、楽しんできてくださいね」

只野 「は、はい……」

只野 (た、高い……)

只野 (ええい、ままよ……!!)

トンッ……

只野 (わっ……わわっ……わわわ……)

只野 (た、高い! それに思ってたよりずっと……)

只野 (スピードが遅い!!!!)

只野 (た、滞空時間が……とてつもなく長い!!)

只野 「………………」

只野 (普通に怖いぞこれ!!!)

187: 2019/06/02(日) 22:31:00
………………

只野 「………………」

ゼェゼェゼェ……

只野 (お、終わった……)

只野 (想像通り怖かったけど……)

只野 (終わってみれば、爽快で気持ちよかったな……)

只野 (……? あれ? でも、みんないないな。どこに行ったんだろう)

係員 「はい、では、復路の方にどうぞ。固定しますね」

カチャカチャカチャ……

只野 「へ……?」

只野 (ふ、復路!? わっ、よく見たら別のコースがある!?)

只野 (この足場はただの中間地点なのか!?)

係員 「では、いってらっしゃい!」

只野 「………………」

アアアァアアアーーーー…………

188: 2019/06/02(日) 22:31:31
………………

只野 「………………」 チーーーン

なじみ 「おおう、見事に氏にかけてるね、只野くん」

瞳 「まったく、お兄ちゃんはお兄ちゃんだなー」

古見さん 「………………」 アセアセアセ……

古見さん [只野くん、大丈夫ですか?]

只野 「あ、はい……。ちょっと、疲れただけなので……」

只野 「みんな、僕はここで休んでるから遊んできていいよ……」

なじみ 「っしゃー!! 許可が出たところで次はゴーカートだー!!」

瞳 「おー!!」

笑介 「………………」

瞳 「ん? どうしたの、笑介くん。ほら、笑介くんも私たちとラップタイム競うんだから」 グイッ

瞳 「おいで?」 ニコッ

笑介 「………………」

ズルズルズル……

189: 2019/06/02(日) 22:32:21
なじみ 「……あっ、でも、只野くんひとり残しておくのも心配だなぁ」

なじみ 「ってことで、古見さん、只野くんのことお願いしてもいいかい?」

古見さん 「!?」

只野 「!?」

只野 「い、いやいやいや! そんな申し訳ないことさせられないよ!」

只野 「古見さんも、みんなと一緒に遊んできてください。僕も落ち着いたら合流しますから……」

古見さん 「………………」 フルフル

只野 「古見さん……?」

なじみ 「………………」 ニヨニヨ 「……じゃっ、よっろしっくねー!」

ダダダダダ……

只野 「あ、おい! なじみ! 瞳! ……行っちゃったよ」

古見さん 「………………」

只野 「あ、古見さん、無理してここで待ってなくていいですからね」

只野 「あそびにいっていいですからね」

古見さん 「………………」 フルフルフル

190: 2019/06/02(日) 22:33:19
カリカリカリ……

古見さん [ここにいます。]

只野 「いや、でも……」

古見さん 「………………」

ズイッ

古見さん [ここにいます。]

只野 「わ、わかりましたから、ノートを押しつけないでください……」

古見さん 「………………」 フンスフンス

只野 「……すみません、せっかく楽しんでたのに……」

古見さん 「………………」 カリカリカリ……

古見さん [私も少し休みたかったので、ちょうどよかったです。]

只野 「でも……」

古見さん [気にしないでください。]

古見さん [プールのときの、お返しですから。]

191: 2019/06/02(日) 22:33:57
只野 「へ……プールのとき……?」

古見さん 「!?」

ハッ

古見さん 「………………」 ←何を書いてしまったのだろうと思っている。

古見さん 「………………」 ガリガリガリ ←慌てて消している。

古見さん 「………………」 フゥ ←一息ついている。

カリカリカリ……

古見さん [なんでもないです。]

只野 「あ……はい……」

只野 (古見さん、何もなかったかのような顔をしている……)

只野 (プールのときって……)


―――― 『あ、いや、僕も疲れちゃったんで、ちょっと休憩に。』

―――― 『立てますか?』


只野 「あっ……///」 カァアアアア…… (あのときのことか……)

192: 2019/06/02(日) 22:34:28
古見さん 「………………」

只野 「………………」

ドキドキドキドキ……

古見さん 「………………」

カリカリカリ……

古見さん [何か飲み物でも買ってきます。]

タタタタタ……

只野 「あ……」

只野 「………………」

只野 (……あっ、もう、あれだ)

只野 (気分悪いのとか吹っ飛んじゃったな……)

※この後なじみたちと合流して夕暮れまでたっぷり遊んだ。

おわり

193: 2019/06/02(日) 22:35:04
………………幕間

秀子 「5人だけで滑るやつ行っちゃったの!?」

只野 「あ、はい……」

秀子 「むーー……」

只野母 (さすが古見さん。美人さんだからむくれる顔も絵になるわ……)

秀子 「……よしっ」

ニコッ

秀子 「じゃあ、今から主婦同士ふたりで行きましょうか、只野さん!」

只野母 「!?」

おわり

194: 2019/06/02(日) 22:36:41
>>1です。
読んでくださった方ありがとうございました。
キャンプ回が好きすぎてツインリンクもてぎにあそびにいってきました。
只野くんの感想はほぼわたしの感想です。

198: 2019/06/03(月) 17:56:46
おつです

引用元: 【古見さんは、コミュ症です。】 なじみ 「これも秘密です。」