3: 2010/11/12(金) 20:10:21.64
なにもない真っ白な世界、そこに私は生まれた

全ては偽りだった

この世界にあるものは全て、偽物なのだ

何も変わらない景色…全てが真っ白だった、私も真っ白

だがあるとき、私に色がついた

しかし私の望んでいたもののはずなのに、私は喜べなかった

そう、私には感情はなかったのだ

6: 2010/11/12(金) 20:14:06.62
私に色がついたその時私の目の前に私じゃないものが初めて現れた

それは小さな女の子

私とどことなく、顔が似ていた、感じがした

その女の子も私と同じだった

この世界に何の前触れもなく、ただ忽然と生まれたのだった

その女の子は私に微笑んだ

「あなたに会えてよかった」

私は嬉しかった

とはいえ感情はない、でも私は笑っていた

7: 2010/11/12(金) 20:17:07.86
またあるとき、女の子が現れた

今度は四人いる

だが全員、私に似てない

女の子たちは私の手を取った

「遊ぼう」

私は楽しかった

とはいえ感情はない、でも私は笑っていた

その真っ白な世界で私たちは遊び、そして笑いあった

9: 2010/11/12(金) 20:25:02.18

唯「ムギちゃあん!お腹すいたあ~」

紬「はいはい♪じゃあお茶にしましょうか」

唯「やったあ!」

律「紬さん、今日のお菓子はなにかね?」

紬「今日はわたあめよ~」

澪「わ、わたあめ?」

梓「なんですかそのチョイス」

紬「私、友達とみんなでわいわいやってわたあめを食べるのが夢だったの~」

澪「そうなのか」

11: 2010/11/12(金) 20:26:53.89
律「でも部室で食べるわたあめも格別かもしれないぞ♪」

唯「わたあめおいひいよ~!!」はぐはぐ

澪「そういうのを気にしない奴が約一名…」

律「ははっ、唯は相変わらずだな~」

梓「でも、先輩方もう三年生なわけですし
変わらないっていうのもちょっと…」

律「まっ、唯はこれでいいと思うぜ」

澪「そうだな」

12: 2010/11/12(金) 20:32:04.75
梓「え~、でも…はぐっ!?」

律「ほれほれ~、今はわたあめを食べましょうぞ~♪」ぐいぐい

梓「はぐが…や、やめてくらはい~!」

紬「うふふふふふふふふふふふ」

この時はまだ知らなかった、私の生まれた意味を

というより気にもしていなかったのだ

だが、あるときそんな私の運命を変える出来事が起きた

私の目の前にある女の子が現れた

14: 2010/11/12(金) 20:34:41.21
・・・・・・・・・

???「あなたが平沢唯ね」

唯「え?あ、はい
ど、どなたでしょう?」

こなた「私は泉こなた
あなたに言いたいことがあって来たのよ」

唯「はあ」

こなた「あなた、もうすぐ消えるよ」

唯「え…
それはどういう…」

こなた「作られたものとしての使命を果たすのだよ」

唯「??」

18: 2010/11/12(金) 20:40:24.18
こなた「口で言ってもダメみたいだね、なら…」

唯「?手を当てて、なにをしようと…!?」ぎゅおおおお

唯「………!!はぁっ!!がはっ!な、なに!?」

こなた「あなたのファン達のイメージを送り込んだんだよ」

唯「ファン…?私にはそんなの…」

こなた「知らなくて当たり前だよ
だって違う世界の人達だし」

唯「それってどういう?」

こなた「用は済んだ…
じゃあ私は行くね」うぉん

唯「行っちゃった……何だったんだろ…」

19: 2010/11/12(金) 20:43:49.97
・・・・・・・・
次の日

唯「りっちゃん!消えるって、なにかな!?」

律「はい?」

唯「あのね、昨日…」

・・・・・・・・

律「ほう、そんなことがね…」

唯「うん、なんなんだろうって」

律「それにしても消えるって…」

唯「ビックリだよねえ」

律「ん~、夢でも見てたんじゃないのか?」

唯「そうかもね~」

20: 2010/11/12(金) 20:47:10.00
・・・・・・・・

唯の家


唯「う~い~、あ~い~す~」ゴロゴロ

憂「ご飯食べてから~」

唯「え~…?」ゴロゴロ

いつもと変わらない会話

いつも通り、家で過ごした

だが、その時初めて得体の知れないなにかが私の中でうごめいた

21: 2010/11/12(金) 20:52:51.04
・・・・・・・・
お風呂


しゃわー

唯「~♪」

唯「さて、あがりますかな」かちゃ

唯「~♪」

唯「おっ着替え、おっ着替え~♪」

唯「…!?」どくん

23: 2010/11/12(金) 20:56:01.54
唯「な、なに…?」どくん

唯「う…!」どくん!


《ひら…さわ…ゆい…おま……れ………は……》


どくん!!

唯「…………な、なに?今…の…」

24: 2010/11/12(金) 20:59:34.54
・・・・・・・・
次の日


唯「……うう、なんか怖くて眠れなかった……」

唯「眠たい……」

唯「ぐーぐー」

30分後

憂「お姉ちゃん!」がちゃん

唯「ふえっ!?」おきっ

憂「遅刻しちゃうよ!」

唯「あ、ごめんごめん」

唯(……まだあの声が頭に残ってるよ…
……まぁ気にすることないよね)

25: 2010/11/12(金) 21:03:52.82
・・・・・・・・・

唯「はっはっは…」たった

唯(よし!このまま行けば間に合うね!)

唯「えっほえっほ…ん?」

こなた「…」

唯「あ…!」

26: 2010/11/12(金) 21:07:48.28
唯「あなたは…あの時の…!」

こなた「久しぶりだね」

唯「こんなところでなにしてるの?学校は?」

こなた「……あなた、昨日何か異変がなかったかな?」

唯「イヘン?」

こなた「…何かおかしいことが起きなかったかな?」

唯「あ、起きました…
声が、聞こえたの
うまくは聞き取れなかったけど…」

こなた「そっか、ならいいや
じゃあ私は行くね」うぉん

唯「あ…」

唯「……」

唯「あ゛、時間………」

27: 2010/11/12(金) 21:13:09.42
・・・・・・・・・

唯「ま゛にあっだぁ~……」ぐだー

紬「大丈夫?唯ちゃん」

律「なんだ?また遅刻かよ」

唯「違うもん!一応間に合ったもん!」

律「こんなギリギリじゃ変わらんよ」

28: 2010/11/12(金) 21:17:02.10
澪「なんでこんなに遅れたんだ?」

唯「なんか変な人に話し掛けられてね~」

律「変な人?」

澪「ふ、不審者じゃないよな!?」

唯「うん、女の子だったし!」

澪「…よかった」

律「いや女でも不審者はいるぞ」

唯「でも本当に不審者ではなかったよお
この前りっちゃんに話した人だよ」

律「あー、あれか」

澪「なんの話だ?」

律「んーとな」

29: 2010/11/12(金) 21:23:07.48
・・・・・・・・

紬「そんなことが…」

澪「というか…」

梓「思いっきり怪しい人ですやん!」

唯「あずにゃん、いつの間に!?」

律「つか、やんって…」

梓「すいません、ちょっと調子乗りすぎました」

31: 2010/11/12(金) 21:31:20.93
梓「でも本当に怪しいです、その人」

澪「まぁ言ってることが意味がわからないからな」

紬「消えるってなにかしらね?」

律「つか本当に夢なんじゃないのか?唯」

唯「え~、それにしたらリアルだよ~」

紬「まぁ気にしなくてもいいんじゃないかしら」

律「最近は頭おかしい奴が多いからな~」

梓「そうですね…あ、私そろそろ教室もどりますね」たた

唯「ばいばぁい」

律「放課後な~」

澪「それじゃあ、私達も席につかないと」

紬「そうね」

律「うい~」

唯(ん~、やっぱり気にすることないのかあ)

32: 2010/11/12(金) 21:34:39.54
・・・・・・・・
放課後


梓「お疲れ様でぇす」

律「うぃす」

澪「おう」

唯「おぃっす!あずにゃん」

紬「こんにちは~」

梓「またお茶ですか」

唯「もう、それが目当てできたくせになにをおっしゃる!」

梓「違います」

33: 2010/11/12(金) 21:36:57.97
澪「じゃぁ、梓も来たし、練習するか」がた

梓「え…(お茶…)」

唯「どうしたの~?あ~ずにゃん?」にやにや

梓「なっ、なんでもないです!」

34: 2010/11/12(金) 21:39:42.16
・・・・・・・・

じゃじゃじゃ じゃん!


澪「ふう、一通りやったかな」

律「じゃあ、今日は終わりにしようぜ~…」

梓「そうですね」

紬「じゃあ、帰ろっか」

35: 2010/11/12(金) 21:43:52.05
・・・・・・・
帰り道


律「それで~、その時澪がさぁ…」

澪「わー!それを言うなあ!!」

わいわい

唯「あーー!!!」

律「!なに…?」

唯「ギー太、部室に忘れちゃった~
先帰ってて~」たった

律「え?ああ、じゃあな!唯」

澪「じゃあな」

紬「ばいば~い」

梓「おつでぇす」

唯「うん!みんなばいばい!」たった

36: 2010/11/12(金) 21:46:44.07
・・・・・・・・・

唯「え~と、ギー太、ギー太…
あれえ?ギー太、どこに…?」

じゃらあん♪

唯「!」

???「これ?」

唯「あ、ギー太ぁ!」

唯「ってあなた誰!?」

有希「…長門有希」

37: 2010/11/12(金) 21:55:48.62
唯「有希ちゃんだね!
私は唯だよ!」

有希「……!そう」

唯「ギター弾けるんだね!上手いよ!」

有希「私も、あなたと同じ」

唯「へ?」

有希「作られた存在」

唯「え…」

39: 2010/11/12(金) 22:00:17.98
有希「泉こなたも同じ」

有希「私はこことは異なる世界から来た」

有希「あなたに用があって」

唯「私に…?」

有希「そう」

唯「でも、用って…」ぴと

唯「あ…(こなたちゃんの時と同じ…)」

40: 2010/11/12(金) 22:03:09.34
有希「これからあるイメージを送る」

びゅおおおお

唯「……!!う…」

有希「………」

唯「これは…なんなの……?」

有希「私から言えることはなにもない
創造主の判断で、あなたは消える」

41: 2010/11/12(金) 22:06:42.19
唯「また、消えるって……どういう…」

有希「時間がない
私はあなたには消えないでほしいと思っている
あなたが消えて新しいものが作られても、永遠にそれは終わらない
繰り返され続ける
あなたで、終わってほしい
それに……」

有希「……」うぉん

唯「…………」

この時から私は彼女たちが言ったことを考えるようになった

唯(消える………か
創造主?作られたもの?新しいもの?
なんなんだろう……
気になって眠れない……
………また会ったら聞いてみよう)

でも、もう手遅れだったのかもしれない

42: 2010/11/12(金) 22:11:26.31
・・・・・・・・・
翌日

唯「ふあ~」

唯(今日は日曜日かあ
…………もうちょっと寝てよ)

唯「zzz」

憂「お姉ちゃん、そろそろ起きないと~」

唯「う~、あとちょっと~」

44: 2010/11/12(金) 22:14:36.90
憂「ダメだよお
あ、そうだ。私、ちょっと梓ちゃんと遊ぶ予定があるから
お留守番おねがい!」

唯「わかったよ~」

憂「アイス、冷蔵庫にあるからね。ゼリーも」

唯「うん」

憂「じゃあ行ってくるね」

唯「いってらっしゃ~い」

45: 2010/11/12(金) 22:18:17.00
・・・・・・・・・

唯「ふう…お留守番かあ
暇だなあ~
何しよう?」

唯(誰か遊びにこないかなあ…)

ぴんぽ~ん

唯「お!予感的中!」だだだ

唯「いらっしゃい!」

???「こんにちは」

唯「ムギちゃん、いらっしゃい!!」

46: 2010/11/12(金) 22:24:15.44
???「なにいってるの?」

唯「へ?」

朝倉「私は朝倉涼子
ムギちゃんではないわ」

唯「あ…(ホントだ…髪も眉毛も青色だよ)」

唯「あ、うあい
それで、なんの御用件でござえまするら!?」あせあせ

朝倉「ふふふ、天然なんていらつくだけなのよ」

唯「ふえ?」

朝倉「いえ、なんでもないわ
あなたに話があってきたの」

47: 2010/11/12(金) 22:27:42.39
・・・・・・・・

唯「それで、涼子ちゃん、話って?」

朝倉「あら、いきなり名前で呼ぶのね」

唯「あ、すみません…」

朝倉「いいわよ
全然タメでも構わないし」

唯「あ、そう…?」

朝倉「ええ」

朝倉「それじゃぁ、質問に答えるわ」

48: 2010/11/12(金) 22:30:21.29
朝倉「話の内容は今のあなたに起こっていることについて……
最近、おかしいことばっかり起きているでしょう?」

唯「あ、うん
いきなり知らない人に消えるとか言われたり
知らない声が聞こえたり…」

朝倉「知らない人っていうのは、こなたさんと長門さんね」

唯「そう」

朝倉「……初めはこなたさんに会ったのよね?」

唯「うん」

49: 2010/11/12(金) 22:36:13.24
唯「こなたちゃんに会ったあと、声が聞こえて
またこなたちゃんに会って
次に有希ちゃんに会ったの」

朝倉「…もう分かってるでしょうけど
私もこなたさん、長門さん、そしてあなたと同じ。作られた存在よ」

唯「!!
…作られた存在って、なに?」

朝倉「それはね……」

50: 2010/11/12(金) 22:40:10.51
prrrrrr

朝倉「…………」ぴっ

朝倉「あら……
ごめんなさいね、今はまずいわ
また今度教えてあげるわ」

唯「え……」

朝倉「一つだけ言っておくわ
……長門さんを信じちゃダメよ」

唯「……え」

朝倉「それじゃぁ、さようなら」うぉん

唯「あ……」

唯「………」

唯「……信じちゃダメって……?」

51: 2010/11/12(金) 22:43:03.35
・・・・・・・・・

prrrrrr

かちっ

朝倉「なにかしら?」

有希『なにをしていた?』

朝倉「あら?何のことかしら?」

有希『とぼけても無駄
平沢唯の家に何をしにいっていた』

朝倉「ふふ」

52: 2010/11/12(金) 22:45:53.47
朝倉「何を怒っているの?私は創造主の意思に従って動いてるだけよ」

有希『…………』

朝倉「ふふ
あなたがどう足掻こうが無駄よ
作られた存在はいつか消えるものなのよ」

有希『それはあなたも…』

ぶちっ

有希『…………』

53: 2010/11/12(金) 22:49:22.19
・・・・・・・・・

こなた「朝倉、私もう限界かも……」

朝倉「………早くしないとね」

こなた「朝倉、頼んだよ」

朝倉「任しといて
私達は生きながらえてみせるわ」

54: 2010/11/12(金) 23:04:06.12
・・・・・・・・

有希「…………」とことこ

ざっ

???「おや?こんなところに珍しい
なんのご用ですか?長門さん」

有希「古泉一樹
手を貸してほしい」

古泉「?
なんでしょう」

55: 2010/11/12(金) 23:07:05.08
・・・・・・・・・

古泉「んっふ
なるほど、その平沢唯という女性を朝倉さん達から守りたいと」

有希「そう」

古泉「状況は分かりました
でもそれはお勧めできませんね」

有希「なぜ?」

古泉「その平沢唯さんは作られた存在
作られた存在はいつかは消えるべきですから」

有希「ちがう」

古泉「?」

56: 2010/11/12(金) 23:24:54.96
有希「平沢唯は消えるべきではない」

古泉「どうしてですか?」

有希「彼女の存在は大きい
彼女が残してきたものはあらゆる経済を支えている
彼女が消えたらあらゆるものが目茶苦茶になってしまう」

古泉「んっふ、なるほど
だから、彼女は消えるべきではないと」

有希「そう」

58: 2010/11/12(金) 23:28:39.25
有希「それに…」

古泉「?」

有希「私という個体も彼女には消えてほしくないと言っている」

古泉「………
んっふ、そうですか。分かりました
手を貸しましょう」

有希「感謝する」

古泉「朝比奈さんにも手伝ってくれるように頼んでおきます
人手は多いほうがいいでしょう」

有希「…………」

古泉「んっふ、では頑張りましょう
あ、そうだ…もうひとつ
長門さん、戦う時は僕が力を発揮できる空間を創ってくださいね」

有希「了解した」

古泉「んっふ、では」

有希「…………」

59: 2010/11/12(金) 23:30:39.65
・・・・・・・
唯の家


またあの声が聞こえた

唯「うっ……!?」きぃぃん

《ひら…さわ……ゆい
おま………まれ……みは……》

唯「うっ………!
な、なに…?もっとはっきり喋らないと…きこえな……うっ!!」ばた

唯「はあはあ……」

60: 2010/11/12(金) 23:33:17.79
・・・・・・・・
翌日


朝倉「………」ざっざっ

朝倉「!
あら、こんにちは
長門さん」

有希「………」

朝倉「何か用かしら?」

有希「昨日のこと」

朝倉「平沢さんの家に行ったこと?」

有希「そう」

61: 2010/11/12(金) 23:37:09.19
朝倉「別に何もしてないわよ~
あなたやこなたが言ったことをなぞっただけだし
作られた存在の意味を言おうとしたらあなたが邪魔したんじゃない」

有希「………」

朝倉「あ、でも
長門さんを信じないで。とは言っておいたから♪」

有希「………」

朝倉「もう行っていいかしら?
私も暇じゃないのよ」

有希「………」

朝倉「それじゃあね」ざっざっ

62: 2010/11/12(金) 23:39:53.26
・・・・・・・・・

有希「………」

有希「………出てきて」

古泉「!
おや、ばれていましたか
いつから?」

有希「最初から」

古泉「んっふ、流石です
…いいんですか?平沢さんの誤解を解かなくても」

有希「………」

64: 2010/11/12(金) 23:42:40.12
古泉「朝倉さんの言葉を信じているようなら彼女はあなたを拒絶します
それでは…」

有希「いい」

古泉「!」

有希「彼女に拒絶されても
私は彼女を守る」

古泉「ですが…」

有希「私は彼女に消えてほしくない…ただそれだけ」

古泉「………そうですか
んっふ、長門さんがそういうなら
大丈夫なんでしょう」

有希「………」

65: 2010/11/12(金) 23:46:14.97
>>63
(ギクッ

・・・・・・・・・

古泉(長門さんはああ言ってますが、誤解は解いておいたほうがいいでしょう
……手遅れにならなければいいのですが…)

古泉「やれやれですね」

古泉「っと、これは彼の…」

古泉「んっふ、困ったものです」

66: 2010/11/12(金) 23:48:26.90
・・・・・・・・・

唯「うっ…」

《ひら…さわ…ゆい
おまえの……れた…みは》

唯「うう、また…」

ぴんぽーん

唯「……誰だろう?」

かちゃ

唯「はい、どなt」

朝倉「こんにちは」

唯「涼子ちゃん」

67: 2010/11/12(金) 23:50:22.50
・・・・・・・・・

古泉「平沢さんの家はここらへんのはず…」

古泉「!」

古泉「あれは…朝倉さん?
ま、まずい!先を越されて…」だだだだ

ぴんぽーん

唯「はーい」

古泉「どうも、はじめまして」

唯「どなたですか?」

古泉「古泉一樹と申します」

68: 2010/11/12(金) 23:52:37.56
―――朝倉『古泉一樹も信用しちゃダメよ』―――

唯「!か、帰って…」ぎぎ

古泉「ま、待ってください!朝倉さんに何を言われたかは分かりません!」

唯「………」

古泉「僕の話を聞いてください!!」

唯「………なに?」

古泉「……ふう、やっと手を緩めてくれましたね
まず先に行っておきます
僕と長門さんは敵ではありません」

唯「でも…」

古泉「僕を信じなくてもいいです
ですが長門さんのことは信じてあげてください
彼女はあなたを一番に思っている…あなたを守ろうとしている」

唯「……」

69: 2010/11/12(金) 23:55:59.68
古泉「どうぞ、信じて…」

唯「私、分かるの」

古泉「はい?」

唯「目を見て、その人が嘘をついてるか、ついてないか…信じていいか、信じてはだめか…
……あなたを、あなたと有希ちゃんを信じます」

古泉「!
…よかった…」

唯「…あと、教えてほしいの」

71: 2010/11/12(金) 23:58:08.27
古泉「なにをですか?」

唯「作られた存在ってなにかを」

古泉「……!」

唯「お願いします、私…最近いつも声が聞こえるの……聞いたこともない声……いつも同じことを言ってるんだけど…
何を言ってるかわからないの……
私……怖くて…」

古泉「平沢さん…」

しゅっ!

古泉「!」

古泉「危ない!」がばっ

72: 2010/11/13(土) 00:00:34.03
唯「いだだ…って
な、ないふ!?」

朝倉「あらら~、外しちゃったか♪」

古泉「朝倉さん…!」

朝倉「心配で戻ってきたらこれだわ~
古泉くん、余計なことしないでよ」

唯「涼子ちゃん…なんで」

朝倉「あら、そんな目でみないでよ~
私はあなたのためを思ってあなたを消しにきたのに♪」

唯「消す…?」

73: 2010/11/13(土) 00:03:23.05
朝倉「ふふ」かちゃ

古泉「朝倉さん、やめてください!
この方は消してはいけない!
それに、消えるのにも時期があるはずです
第三者のあなたが消していいはずが…」

朝倉「ふふ
消さないでほしいって?
……それ無理♪」ぐわっ

古泉(まずい…っ!)

がきいいいいん!!

朝倉「!!」

74: 2010/11/13(土) 00:05:43.98
有希「……」

古泉「長門さん!」

朝倉「あら、気づかれちゃったか♪
早いわね~」

有希「やはりあなたは甘い
私に気づかれないように心得ておくべき」

朝倉「ふふ
今回はわざとなの♪
先にあなたを倒した方がいいから」

有希「………」

朝倉「ふふ」だっ

がきいいいいん!

75: 2010/11/13(土) 00:07:44.03
有希「………」

朝倉「防いじゃうか♪
結構本気だったのに」

有希「………
古泉一樹、私が時間を稼いでおく
その間に彼女を」

古泉「はい、わかりました
行きましょう、平沢さん」

唯「う、うん!」

朝倉「させないわ!」

古泉「!」

がきいいいいん!

有希「あなたの相手は私」

朝倉「くっ…」

有希「行って」

古泉「はい!」たったった

76: 2010/11/13(土) 00:10:05.36
・・・・・・・・・

朝倉「あらら、逃げられちゃったか♪
長門さん、あなたは私の邪魔ばかりね」

有希「あなたと私の意見が食い違う、それだけ」

朝倉「ふふふ
いいわ…もう私に抗えないようにしてあげる♪」

有希「………」

78: 2010/11/13(土) 03:09:05.49
すみません寝てました
続き投下です

・・・・・・・・

古泉「大丈夫ですか?走れます?」

唯「う、うん!」

古泉(とりあえず、朝比奈さんのところへ…!)

ぴんぽーん

みくる「はーい…
あ、古泉くん…と?」

古泉「朝比奈さん、事情を説明してる暇がありません
この前伝えた件で…
平沢さんを匿っておいてもらいたいのです」

みくる「…!
わかりました、では平沢さんこちらに」

唯「は、はい」

79: 2010/11/13(土) 03:12:06.53
古泉「では僕はこれで」

みくる「行くんですか?」

古泉「はい、長門さんが心配ですから」

みくる「そうですか
平沢さんのことなら私に任せておいてください!」

古泉「はい、お願いします
では」たったった

80: 2010/11/13(土) 03:15:29.27
・・・・・・・・・

古泉(…結構、時間がかかりそうですね)

古泉「でもこの距離なら…」

こつこつ

古泉「!
あなたは…」

こなた「行かせないよ」

古泉「く……!」

81: 2010/11/13(土) 03:18:07.26
・・・・・・・・・

唯「朝比奈さん」

みくる「あ、みくるちゃんと呼んでください
あと、敬語じゃなくていいですよ」

唯「…みくるちゃん、私…状況がわからなくて…」

みくる「平沢さん…
すみません、私にも分からないんです…
でも、私に答えられることならいくらでも…」

82: 2010/11/13(土) 03:22:41.70
唯「…じゃあ、作られたものってなに?」

みくる「禁則事項です」

唯「へ…?」

みくる「すみません…
私には答えられないです…」

唯「そっか…」

どくん!

唯「うっ…!」どくん!

みくる「ど、どうしたんですか!?」

83: 2010/11/13(土) 03:27:28.69
唯「……うう…」どくん!

みくる「あわわわわ…
と、とりあえず救急車あー!!」ぴぴっ

《平沢…唯…
お前の………》

・・・・・・・・・

古泉「………」こうっ

こなた「!」

古泉「よかった
僕の力が使える空間を長門さんが作ってくれたようですね」

こなた「…!」

古泉「これなら、負けませんよ
…ふんもっふ!!」

ぱぁん!

こなた「うぐぁ…」

85: 2010/11/13(土) 03:31:39.63
古泉「よし!
早く長門さんのところへ…」

prrrrrr

古泉「!」ぴっ

古泉「朝比奈さん?なんですk」

古泉「え…
はい…わかりました」

ぴっ

古泉「長門さんに知らせないと…!」

86: 2010/11/13(土) 03:34:26.38
・・・・・・・・・
病院


みくる「………」そわそわ

憂「あ!あなたですか?お姉ちゃんが倒れていたところを救急車よんでくれたの」

みくる「あ、はい!」

憂「ありがとうございました!」

みくる「あ、いえ…」

87: 2010/11/13(土) 03:38:07.01
憂「それでお姉ちゃんは!?」

みくる「今、緊急治療室?で…」

憂「そ、そうですか…」

律「憂ちゃん!」

憂「あ、律さん。澪さん、紬さん、梓ちゃん」

律澪「唯は!?」紬「唯ちゃんは!?」梓「唯先輩は!?」

憂「お、落ち着いて…」

みくる「平沢さんは今、この中で…」

澪「そ、そうですか……」

律「唯………」

88: 2010/11/13(土) 03:41:43.41
・・・・・・・・
ぴっ

うぃーん

憂律澪紬梓「!!」

憂「せ、先生!お姉ちゃんは」律澪「唯は」紬「唯ちゃんは」梓「唯先輩は」

憂律澪紬梓「大丈夫なんですか!?」

みくる「み、みなさん落ち着いて…」

医者「……残念ですが
大丈夫とは言えません
ずっと唸っていて…それに症状も分かりません
……瀕氏の状態です」

憂「そんな…」

89: 2010/11/13(土) 03:45:17.32
律「ゆ、唯に会えないんですか!?」

医者「…こちらです」

かちゃ

唯「」

憂「お姉ちゃん…」

・・・・・・・・・・

朝倉「はあ!!」どがん

有希「………」がきぃ

朝倉「あら、やっぱり強いわね~」

有希「………」

90: 2010/11/13(土) 03:54:03.93
prrrrrr

有希「!」

朝倉「出ないのかしら?それぐらいは待つわよ」

有希「そう」ぴっ

古泉『大変です長門さん』

有希「どうしたの?」

古泉『平沢さんが倒れました』

有希「!!」

91: 2010/11/13(土) 03:57:05.97
有希「…そう、わかった」ぴっ

朝倉「誰からかしら?」

有希「………」

朝倉「言わないなら
私が言うわ
電話の相手は古泉くん
内容は平沢さんが倒れた………ね?」

有希「………」

有希「……なにをした」

朝倉「別に~♪
ちょっと、消滅期間を早めただけよ」

有希「………」

92: 2010/11/13(土) 03:59:56.66
朝倉「なにか言いたいことがあれば言えb」がきぃぃぃん!!

有希「許さない……!!」

朝倉「ふふ♪」

・・・・・・・・・

古泉「………」ぴっ

古泉「僕には何もできませんね愚かなことに…
後は創造主にゆだねるだけ…」

古泉「………」

古泉「くそっ……!」

93: 2010/11/13(土) 04:02:35.65
・・・・・・・・・

なんだろう…声がする…

!…また、あの声だ……

《平沢唯…お前の…まれた…みは》

だめ…消えないで、もっとはっきり言って…!!

《平沢唯…お前の生まれた意味は…》

私の…生まれた意…味?

どくん!!

そう……か、私は……

94: 2010/11/13(土) 04:05:30.03


…い、唯!

律「唯!」

唯「…り、りっちゃ…ん?
憂…澪ちゃん…ムギちゃん…あずにゃん…」

憂「お姉ちゃん!!」

澪「唯!」紬「唯ちゃん!」梓「唯先輩!」

唯「う…みんな………私………」

95: 2010/11/13(土) 04:08:15.96
・・・・・・・・・

がきぃぃぃん!!

朝倉「くっ…!」

有希「………」ざっ

がきぃぃぃん

朝倉「…ッ!
ふふ、何を怒ってるの?
所詮、作られたもの!消えて当然なのよ!!」

96: 2010/11/13(土) 04:14:50.23
ぱぁぁぁん!!

有希「違う!!
彼女は私達とは、違う!
私は今まで色々な作られた存在を見てきた
あるとき私は彼女の監視を任されてから彼女を見てきた
最初はただの監視対象、でも彼女を見ているうちに彼女の良さがわかった
彼女は他の監視対象とは違った
彼女は寛容で清らかな心を持っている
私達にはない、とても大事なもの
彼女は私達より人間に近い
彼女は作られた存在で終わらせてはいけない
彼女は消えてはいけない……!!」

がきぃぃぃん!!

朝倉「……!」

有希「あなたは絶対に……許さない!!!」

どがああああああん!!!

朝倉「うぐ……!」

97: 2010/11/13(土) 04:18:14.25
有希「………」

朝倉「あーあ、私が先に消えちゃうかあ♪
残念だわ~
それにしても、あなたをこんなにキレさせるなんて…
あの子に嫉妬しちゃうわね♪ふふ
でも、もう終わりよ♪
だってあの子、もう消えてしまうもの♪
………じゃあね、長門さん」さらあ…

有希「………」

有希「………くっ…!」ぎりっ

98: 2010/11/13(土) 04:23:47.55
・・・・・・・・

律「ゆ、唯!大丈夫か!?」

唯「りっちゃん…私ね……もうすぐ消える…の…」

律「え…?」

唯「私……ね
分かったの……私…の」

律「待てよ!唯!消えるってなんだよ!?
なにが分かったって……」

唯「私…の……生まれた…意味……だよ…」

憂「生まれた意味…?」

律「そんなことどうでもいいよ!!
そんなこと分かっても、唯が生きてなきゃ意味ねえよ!!」

99: 2010/11/13(土) 04:29:20.09
唯「りっちゃん…みんな……ごめんね……
でも、作られたものの私は……創造主の意思で、消えなきゃいけないの…」

律「創造主ってなんだよ……作られたものって……」

唯「作られたものは……創造主が癒しを得るために生み出されるの……
私も……そのうちの……一人…」

律「わけわかんねえよ…!」

100: 2010/11/13(土) 04:41:21.71
梓「で、でも唯先輩が消える意味なんて…!」

唯「ううん
作られたものは…どんどん作られる…
新しいものが現れる度に、古いものは……消えるから……
創造主が消していくの……」

梓「そ、そんなのって……自分勝手ですよ……」

唯「それが……作られたものの宿命だから……仕方ないの……」

律「そんな宿命なんかクソくらえだ!!」

唯「…でも、私は創造主に……感謝…してるの……
だって…私を作ってくれた人だもん
その人達のために生きるのは当然だよ……」

律「それでも、一生を捧げることなんて!!」

101: 2010/11/13(土) 04:43:51.59
唯「…それに…ね
憂、りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん、あずにゃん……みんなに……会わせて……くれたんだもん……」

紬「唯ちゃん…」

唯「う……ああ……ダメ……だね…
もう、時間がないみたい……だよ
最後に…みんな言わせ…て?
私、みんなに……会えて良かった…よ
みんな…大好きだ…よ…」しゅううう

律「ゆ、唯……」

憂「うう……お姉ちゃん…」

澪「唯…」

紬「唯ちゃん…」

梓「唯先輩…」

律「くそ…なんで……
唯いいいいいい!!!」

102: 2010/11/13(土) 04:47:20.92
・・・・・・・・・

みなさん、私は平沢唯…あなたたちに作られたものです

みなさん、覚えていますか?みなさんが今までに作ったもの

みなさん、忘れていませんか?みなさんが愛したものたち

私達はみなさんのために生きてきました

これからもみなさんに愛を捧げます

忘れないでください

私達はずっと、みなさんを思っています

103: 2010/11/13(土) 04:50:56.42
・・・・・・・・・・

有希「………」

みくる「終わって…しまいましたね…」ぐす

有希「………」

古泉「終わっていませんよ」

みくる「!」

古泉「彼女たちは僕たちの中で生きています
僕たちが彼女たちを忘れない限り、彼女たちは消えません」

有希「そう
私達が彼女たちを思いつづければ、きっと…」

みくる「…そうですね」

古泉「………」

有希「………」

みくる「………」

104: 2010/11/13(土) 04:53:31.49
古泉「おや?長門さん、泣いているんですか?」

有希「……違う、これは………エラー」

古泉「んっふ、そうですか」

有希「そう」

みくる「ふふ♪」

―END―

105: 2010/11/13(土) 04:54:33.63
終わりです
需要あったのかは聞きたくないが、見てくださった人ありがとうございました

106: 2010/11/13(土) 05:06:32.80

107: 2010/11/13(土) 06:42:47.24
読んでたよ、乙

引用元: 唯「もう消えるんだね」