2: 2013/12/29(日) 12:16:37.02
~☆


さやか ほむら「…………」


さやか「全部、思い出した。そして理解した」

さやか「もう、茶番はおしまいだよ、暁美ほむら」

さやか「あたしがすべてを思い出したことが、それを裏付けてる」


さやか「円環の理は、まどかの願いを軸にして救済を行っている」

さやか「あんたはその軸にあたる、まどかの人間としての存在を奪いとった」

さやか「そのせいであともうしばらく経てば、円環の理は一度バラバラになって崩壊してしまう」


さやか「そして、壊れた円環の理の力は器を求めて、人間であるまどかに注がれるだろう」

さやか「まどかもまた、あたしのように、そこで全てを思い出すんだ」

さやか「すべてを思い出し、理解したまどかは救済を願う。暁美ほむら、あんたのことも含めてね」

3: 2013/12/29(日) 12:18:15.54


さやか「前と同じ異変を起こすことはできない」

さやか「あんたがあの瞬間、まどかを裂くことができたのは、あんたたち二人に繋がりがあったから」

さやか「まどかを守る私になりたい、まどかとの出会いをやり直したい、あんたの願いはまどかから始まった」


さやか「まどかの願いは魔法少女の願いそのものを否定しない。だから暁美ほむらの中にだけはまどかが残れた」


さやか「しかも、まどかがあの願いを叶えるためには、あんたの集めた因果が必要だった」

さやか「まどかの願いの成立にあんたは深く関わった」


さやか「だから本来残っていても認識できないはずの、まどかの存在を覚えていられた」


ほむら「…………」

4: 2013/12/29(日) 12:19:28.02


さやか「でも、今のあんたは魔法少女であることも、魔女であることもやめてしまった。それに世界も前とは違う」

さやか「まどかは新しく願う。魔法少女、魔女、悪魔、それらの救済を」


さやか「暁美ほむらは、まどかとほむらの願い、世界を歪めてしまった。今や二人は互いに独立した存在に過ぎない」

さやか「たとえ円環の理からほんの僅か掠め手にした力があっても、それに抗うことはできない」


さやか「どうあがいても、これは覆しようがないこと。わかるでしょう?」


ほむら「いいえ。いいえ。美樹さやか、それは違うわ」

ほむら「あなたにとっては残念でしょうけど、まだ、今なら一つだけ、それに抗う方法が私には残されている」


さやか「……なんですって?」

5: 2013/12/29(日) 12:19:56.19





ほむら「――鹿目タツヤの存在で、円環の理の欠損を補填すればいいのよ」






6: 2013/12/29(日) 12:21:16.41


さやか「………………はぁっ!?」


ほむら「タツヤくんは私を除けば、唯一まどかのことを覚えていられた存在」

ほむら「血の繋がり、おそらく家族の中にもまどかは残っていたのね」

ほむら「ただ残ったそれをちゃんとした形で認識できたのは、自我がまだ完璧には発達していなかったタツヤくんだけ」


ほむら「円環の理を観測さえできれば、それを制御する方法は、きっとどこかに存在するはず」

ほむら「たしかこんな意味のことを前にインキュベーターが言ってたかしら?」

ほむら「あとの問題は、その手段とそのための力だけ」


ほむら「私が円環の理から掠めた力で、タツヤくんの未発達な自我、、記憶、存在のすべてを改竄することで、それは可能になる」

ほむら「この世界からマドカとなったタツヤくんの存在をすべて弾き出せば、自然円環の理が器を求めてそれを回収するでしょう」

7: 2013/12/29(日) 12:27:06.12


さやか「な、なんてことを……!?」

さやか「でも、タツヤくんの性別は――」


ほむら「男の子だからなんだというの?できないなんて誰が決めたの?」

ほむら「インキュベーターはエネルギーの回収を気にしていたけど、こっちはそんなことに興味はない」

ほむら「それにどうせ概念になるのだから、そんな区別は無意味だわ」


ほむら「必要なのは、人間だった頃のまどかと全く同じ情報の型よ」


ほむら「タツヤくんの存在、血のつながり、円環の理が観測可能でまだ発達しきってない自我」

ほむら「そして私に備わった力の両方を捧げれば、それは可能なはずよ」

ほむら「それによって、世界はさらなる改編を遂げるでしょう」


ほむら「人間としてのまどかと、円環の理が同時に両立し、本当の意味で安定した世界」

ほむら「私の力は必然かなり弱まってしまうでしょうけど、それは仕方のないことだわ」


ほむら「誰一人として苦しまない、いいアイデアでしょう?」ニコッ

8: 2013/12/29(日) 12:28:33.48


さやか「タ、タツヤ君は……、タツヤくんは……、まだ三歳なんだよ……!?それに……!」


ほむら「それがいったいどうしたというの?まどかだって、あの時ただの中学生の女の子だったのよ?」

ほむら「まどかが幸せであること。まどかが永遠の牢獄に囚われず人間として生を終えること以外に、興味なんてない」


ほむら「むしろ、まどかが氏んでしまったあと、円環の理としての業務に連れ戻されることがなくなるのだから、最高じゃない」

ほむら「人間として生きてから氏後に、また永遠の牢獄に囚われるのだとしたら、それでは意味がないわ」


さやか「それじゃぁっ!タツヤくんの……、タツヤくん本人の意思はどうなるっていうのよ!?」


ほむら「……ねえ、さやか」

ほむら「あなた、全てを知ったまどかは新しく救済を願うって言ったわよね?」

ほむら「そうなのだとしたら、もし、タツヤくんがまどかと全く同じ情報の型に改ざんされたなら」


ほむら「――彼もまた、魔法少女と魔女の救済を心から願うようになると思わない?」

9: 2013/12/29(日) 12:29:44.34


ほむら「自分の意志でもって、覚悟を決めて、円環の理になることを選ぶはずだわ」

ほむら「誰のためでもなく、自分自身の願いのために」


さやか「……あ、悪魔!あんたは本当に人間の皮をかぶった悪魔だ……!」


ほむら「悪魔でも何だって構わない。どんな罪を背負おうと、それでまどか一人を救えるのなら」

ほむら「まどかを救う私になること、自分を犠牲にして無価値なみんなを救おうとするまどかを止めることこそが、私の本当の望み」

ほむら「本当に苦しかったわ……。まどかを私はまた救い損ねるんじゃないかって考えて、考えて……」


ほむら「だからこそあなたの復活の兆し、手詰まり、どん詰まりの中で、この方法を思いついた時は本当に嬉しかった」

ほむら「私だって、これでも結構ギリギリだったのよ?怖くて、怖くて……」


さやか「……私は、私はお前のこと、絶対、絶対にっ――!」ギリッ


ほむら「ふふふ、さようなら、美樹さん。また、『マドカ』の手で、改編された世界で、会いましょうね?」

10: 2013/12/29(日) 12:30:38.96
~☆


タツヤ「……僕の名前はマドカ」


ほむら「うん、そうだね、そっくりだよ」

ほむら「本当に、そっくりだわ……」


タツヤ「マドカ……。マドカ……」


タツヤ(……そうだよ、なんでこんな大事なことを忘れてたんだろう?)

タツヤ(私が、魔法少女みんなを救わなきゃ……!)

タツヤ(希望を祈った願いが絶望で終わるなんて、そんなの絶対間違ってる……!)

11: 2013/12/29(日) 12:31:05.66
~☆



ヒュゥウゥゥゥゥ…


――Don't forget.always,somewhere,someone is fighting for you.

――As long as you remember her.you are not alone.


ほむら「…………」スタスタ

魔獣s「…………」

ほむら「…………」バサッ

タツヤ(頑張って……)

ほむら「――――ふっ」クスッ

ほむら「……」バシュン

ドドドドドドドドドド


Happy End

12: 2013/12/29(日) 12:32:14.42
ネタかぶりが怖いけどとりあえず展開思いついたから朝から書いて
勢いで投下しました

14: 2013/12/29(日) 13:17:37.16
うーむ

16: 2013/12/29(日) 14:13:33.26
なんぼなんでもほむらがクズすぎる

引用元: 鹿目タツヤ「僕の名前はマドカ」