1: 2010/10/16(土) 19:56:34.86
 放課後・軽音部部室 収納庫

澪「この辺は唯か?全く、溜め込むなって言ってるのに」

紬「澪ちゃん、どうかした?」

澪「見てくれよ、これ。あっという間に、物で埋まりだした」

紬「唯ちゃん、可愛い物を集めるのが好きだから♪」

澪「それは良いけど、程度問題だろ。これをこうして、これをこっちに持って来てと」


2: 2010/10/16(土) 19:57:36.63
律「ムギー、お茶淹れてくれー。って、なにやってんだ?」

澪「片付けだよ。律、お前も自分の分はちゃんと持って帰れよ」

律「ああ、分かった」 きゅっ

澪「どうして私の手を取る」

律「いや。私の物だから」

澪「馬鹿言ってないで、全部持って帰れよ」

律「わーった、わーった。ムギ、お茶頼むなー」 すたすた

澪「全く」 くすっ



5: 2010/10/16(土) 19:58:39.70
紬「お待たせー♪」 こぽこぽー

唯「ありがとー。あれ、澪ちゃんは?」

紬「収納庫を片付けてるわよ。ちょっと荷物が溜まってきてるから」

唯「困った人もいるんだねー」 ずずー

澪「お前の荷物が一番多いんだ」 ぐいぐい

唯「ひぃーっ」

律「やれやれだぜ」

澪「お前もだ」 ぐりぐり


6: 2010/10/16(土) 19:59:41.48
梓「済みません、遅れました」

澪「梓の私物は殆ど無いな」

梓「え、何の話ですか?」

紬「収納庫。また、物が溜まってきてるの」

梓「どうせ、唯先輩と律先輩の私物ばかりなんでしょう」

唯「だってここは、私の部屋みたいな物だからね」

律「そうそう。だから、つい甘えちゃうんだよな」

唯「だよねー」

梓(それって、私が部室に思い入れが無いって事なのかな) たらー


7: 2010/10/16(土) 20:00:43.52
澪「とにかく今日は、収納庫の整理。それと、部室の掃除」

唯「えーと、ギー太のチューニングをと」

律「ちょっとペダルの調子を見てみるかな」

澪「整理と、掃除。だ」

唯「面倒だよ。掃除は本当に面倒なんだよ。澪ちゃんは最後までそれをやり抜く覚悟があるって、私に誓える?」

澪「怖いから、真顔で言うな。そんなの当たり前だろ」

紬「私、掃除道具を借りてくるわね」

唯「和ちゃんの所なら、私もー」

澪「分かった。こっちは整理を始めてるからな」


8: 2010/10/16(土) 20:01:45.60
 生徒会室

和「持って行く道具の名前と数を、用紙に書いておいてね。消耗品は、そのまま持って行って構わないわ」

紬「分かったわ。……これで良い?」

和「ええ。唯、ちゃんと掃除するのよ」

唯「もう、和ちゃんまで。私はやれば出来る子なんです」

和「自分で言わないでよね」 くすっ

唯「えへへ。澪ちゃん達が先に始めてるから、本当に大丈夫だよ」

和「だったら平気か。紬も、唯の事よろしくね」

紬「ええ、任せて♪」


9: 2010/10/16(土) 20:02:48.03
 軽音部部室 ドアの前

紬「ただ今戻りましたー・・・。あれ?」

唯「入れないね」

紬「これは棚かしら。・・・よいしょ」 ひょい

唯「おおっ」

律「我々は助かったぞー」

梓「律先輩、大げさです」 ひょっこり

唯「あずにゃん?何してたの?」

梓「それが、その。えーと」


11: 2010/10/16(土) 20:03:48.04
澪「・・・」

紬「結構広がってるわね」

唯「荷物が溢れ出てるね」

澪「・・・」 びくっ

律(しー。澪がまずは収納庫の荷物を全部出せって言い出してさ。そうしたら、部室中が荷物で溢れかえった」

紬(それで落ち込んでるって訳。棚は?」

梓(右に同じです。棚の後ろも掃除しようって事になって運んだんですけど、ドアの前で力尽きました)

紬(そうだったのー)

唯「・・・」 とたとた


12: 2010/10/16(土) 20:05:03.05
唯「澪ちゃん、澪ちゃん」 ぽんぽん

澪「や、やあ。唯」 びくっ

唯「大変な事になっちゃったね」

澪「ああ。威勢の良い事を言っておいて、この様だ。さっきは済まな・・・」

唯「もう大丈夫だよ」 撫で撫で

澪「え?」

唯「ムギちゃんも戻ってきたからね。私達が力を合わせれば、出来ない事なんて何も無いよ」 にこっ

澪「・・・うん。ありがとう、唯」 にこっ

唯「てへへ。じゃ、力を合わせて頑張ろーっ」

澪「おー」


13: 2010/10/16(土) 20:06:05.86
梓「これ、唯先輩のです」

紬「これは、唯ちゃんのね」

律「これ、唯のだな」

唯「う、うう」

澪「まあまあ。唯、それは私が片付けてやるよ」

唯「ありがとー。澪ちゃんありがとー」

澪「もう、そんなにひっつくなよ♪」

梓(無いわー、それは無いわー)


14: 2010/10/16(土) 20:07:07.04
律「この辺は、プリントか。また随分古いのばっかだな」

紬「始業式、遠足、プール開き。なんだか、懐かしくなってくるわね」

律「それは良いけど、もういらないだろ。全部捨てるぞ」

澪「駄目駄目、駄目だ。いつか、このプリントを必要とする時が来るかも知れないだろ」

律「いつなんだよ、それは」

澪「だったら律は、プリントをどうしてるんだ」

律「ふっ。私って女は、もらった端から捨てていくぜ」

梓「言い方を恰好良くしても駄目ですよ」


15: 2010/10/16(土) 20:08:09.85
律「とにかく古いプリントは、全部捨てる事。唯、紐で縛ってくれ」

唯「私、こういうの苦手なんだよね。絶対指を結んじゃうから」

梓「ギターの弦を押さえるみたいに、ささっとやれば良いんですよ」

唯「あずにゃんは良い事言うね」 ささっ、むにっ

梓「・・・まあ、失敗するとは思ってましたけどね」

唯「あーん。あずにゃんがいじめるよー」

澪「よしよし。私が押さえててやるからな」

唯「澪にゃーん♪」

梓(あはは、冗談ばっかり)


16: 2010/10/16(土) 20:09:19.52
唯「大体結べたけど、運ぶ時が大変そうだね」

律「任せとけ。そういう時こそ、ムギの出番だぜ」

澪「お前が威張るな。ムギ、行けそうか?」

紬「全然平気♪」 ひょい

唯「さすがムギちゃん。だったら、私も・・・」 よろよろ

紬「あらあら」 はしっ

唯「ありがとー。やっぱりムギちゃんには敵わないな」

紬「うふふ♪唯ちゃんは、梓ちゃんと一緒に運んでみたら?」

唯「あ、そだね。あずにゃん、一緒に頑張ろ-」

梓「ああ、はい」

紬「うふふ♪」


18: 2010/10/16(土) 20:10:35.94
  階段

唯「・・・結構大変だね」

梓「一枚一枚は軽くても、相当な数を束ねてますからね」

唯「私達も紙に負けないように、力を合わせて頑張ろうよ」

梓「なんですか、それ」 くすっ

紬「私、先に戻ってるわねー」 すたすた

唯「ムギちゃん、2往復目だね」

梓「私達って、何なんでしょうね」

唯「紙より軽い存在って事じゃないのかな・・・」


19: 2010/10/16(土) 20:11:41.84
 軽音部部室

律「よう、お疲れ様。先に、お茶してるぞ」

唯「・・・」

澪「二人とも、大丈夫か?」

梓「・・・」

紬「はい。今日はラズベリータルトよ♪」

唯・梓「・・・」 がつがつがつ

律「食べるのかよ、おい」


20: 2010/10/16(土) 20:12:44.21
唯「あー、疲れた。・・・これ、アルバム?」

澪「棚の奥から出てきた。ずっと探してたんだよ」

律「やっぱり、掃除をして正解だな」

澪「お前が言うな」

紬「まあまあ。これは、入学したての頃かしら」

律「こっちはムギの別荘に行った時だな」

澪「これは学園祭か。あはは・・・」

梓(先輩達の、1年生の頃の写真か。私はその時いなかったから、会話に入りづらいな) しゅん


21: 2010/10/16(土) 20:13:46.16
唯「あずにゃん、あずにゃん。これ見てよ、澪ちゃんが初々しいよ」

梓「はぁ」

唯「あー、この時は本当に楽しかったなー」

梓「そう、ですか」

唯「でもあずにゃんがいたら、もっと楽しかったと思うよ。何倍も何十倍もね」

梓「・・・唯先輩」

唯「ん?」

梓「写真、もっと見せてもらえますか?」

唯「うん。一緒に見よう♪ほら、これ見て見て」

澪「それは見せるな」


22: 2010/10/16(土) 20:14:48.16
律「・・・あれ、一枚無いな」

澪「無いんじゃ無くて、ほら。あれは、封筒に入れて」

紬「ああ。あれって結局、見つかってないのよね」

唯「私達も、見つけられなくなったけどね」

梓「何がです?」

唯「私達にとって大切な写真が、どこかへ行っちゃったんだよ」 

梓「学園祭や新歓ライブの写真ですか」

唯「それも大切だけど、もっともっと大切な写真だよ」


23: 2010/10/16(土) 20:15:49.97
澪「片付けてれば、その内見つかるだろ。さて、また始めるか」

唯「今日はもう良いんじゃ無いの?」

澪「駄目だ。ほら、早く来い」 きゅっ

唯「あーん。引っ張らないでー」

律「澪は姉さん女房だなー。だははー」

梓(え、何々?何が面白いの?私、全然分かんない。あははー)


24: 2010/10/16(土) 20:16:53.67
 収納庫

澪「床も掃いたし、棚を戻すか。ムギ、頼む」

紬「了解♪」

唯「私も手伝うよ」

律「しゃーない、私もやるか」

紬「せーので持ち上げるわよ。・・・せーの」 ひょい

唯「おっと、よっと。おお、おおお」 よたよた

律「唯、大丈夫か?」 よたよた

澪「もう、仕方ないな」 さっ


25: 2010/10/16(土) 20:17:56.79
唯「澪ちゃん、ありがとー」

澪「良いから、しっかり運べ」

唯「はーい。よいせ、よいせ」

律「本当、掛け声だけは一人前だな」 よたよた

梓(律先輩を助けるべきなのかな。でもそうすると、ムギ先輩はって話になるし) 


26: 2010/10/16(土) 20:19:00.21
紬「よっこらせと。どうにか運び込めたわね」

梓(悩んでる間に終わっちゃったよ。はぁ)

唯「お疲れ様ー」

澪「ああ、お疲れ様」

律「よーし、そろそろお茶にするか」

澪「いい加減にしろ」 ぺた

唯、紬「あははー」

梓(結局私は何もしてないし、全然笑えないな) しゅん



27: 2010/10/16(土) 20:20:03.20
律「梓、棚へスコアを収めてくれ。ああ、その前に拭き掃除も」

梓「あ、はい」

律「それが終わったら、ゴミも捨てといてくれよ」

梓「はい」

律「後は梓に任せて、私達は部室の掃除を始めようぜ」

梓(厳しいな、律先輩。でも今は、その厳しさが嬉しいな)



28: 2010/10/16(土) 20:21:15.81
 軽音部部室

梓「片付け、終わりました」

紬「ご苦労様。床は掃き終わったから、後は壁と窓の拭き掃除ね」

唯「・・・あれは?」

紬「どれ?」

唯「天井のあれ。何か、ふらふらしてる」

紬「紐?目地に引っかかってるのかしら。でもあの紐って・・・」

唯「しゃーっ」 ぴょんっ

澪「全然届いてないし。掛け声変だし」

律「蛇か、お前は」

紬「唯ちゃん、可愛いー♪」

梓(価値観は人それぞれだなー) にまー



29: 2010/10/16(土) 20:22:17.55
澪「とはいえ、気付くと気になるな」

唯「しゃーっ」 ぴょん

律「それはもう良いんだ。椅子を使っても、・・・届かないか」 

澪「高枝切りばさみは?」

律「どこにあるんだよ、それは」

紬「肩車する?」

梓「いくら何でも、それは」

律「グッドアイディア♪」

梓「・・・どうして私を見るんですか」


30: 2010/10/16(土) 20:23:18.88
唯「あずにゃん、あずにゃん」 すたっ

梓「一応聞きますけど、どうして屈んだんですか?」

唯「なんたって、ゆいあずだからね。それとも、あずにゃんが下になる?」

梓「・・・まあ、色んな意味で乗ってみますよ」 ひょい

唯「よっこらせ」 ぐい

梓「済みません。床が顔に近付いてるんですけど」

唯「奇遇だね。私もそんな感じだよ」

梓「そろそろ突っ込んだ方が良いですか?」

唯「・・・名前を呼んだところで、突っ込んで欲しかったかも」


31: 2010/10/16(土) 20:24:20.64
律「やっぱり下がムギで、上が梓だろ」

梓「結局、逃げられませんか」

律「まあまあ。ムギ、頼むぞ」

紬「任せて♪」 すたっ

梓「・・・では、失礼します」 ひょい

紬「ゆっくり立つわよ」 すーっ

唯「おお。ムギあず誕生っ」

澪「でも梓が上なんだから、あずムギじゃないのか?本名で考えても、あずつむぎ。うん。やっぱり、あずムギだっ」 ぽんっ

律「無限大にどうでも良い台詞だったな」


32: 2010/10/16(土) 20:25:34.65
梓「唯先輩。ホウキをお願いします」

唯「手を離して大丈夫?」

梓「ムギ先輩を信頼してますから」

紬「ありがとう、梓ちゃん♪」

梓(だけど肩車って、冷静に考えると結構な体勢だよな)

紬「うふふ♪」 さすさす



33: 2010/10/16(土) 20:26:44.19
梓「・・・結構引っかかってるな」 ひょいひょい

澪「梓、無理するなよ」

梓「ええ、私は平気です。・・・ムギ先輩は大丈夫ですか?」

紬「100人乗っても大丈夫よ」

唯「うーん、白ウサギ♪」

律「持って回るな、おい」


35: 2010/10/16(土) 20:27:46.52
梓「済みません、もう少し前にお願いします」

紬「はいはい♪」

梓「そこで結構です・・・よっ」 ひょいひょい

唯「もう一人乗らないと、届かないかな」

澪「そうなると、あずムギッツか」

律「どうして私が下決定なんだよ。梓、もう止めだ。危ないから降りてこい」

梓「でも、これが取れないと」

律「そこまで無理する事じゃないって言ってるんだよ。ムギ、ありがとう。もう良いよ」

梓「はぁ」

紬「ゆっくり屈むわね」 すーっ


36: 2010/10/16(土) 20:29:05.75
梓「済みません、お役に立てずに」 しゅん

律「だったら脱げ」

梓「えっ?」 びくっ

律「ほら、早く」 ぐいぐいっ

梓「な、な、にゃーっ」 すぽっ

紬「うふふ♪」 きらきらっ


37: 2010/10/16(土) 20:30:08.93
律「澪、ほれ」 ひょい

澪「ジャケット、結構汚れちゃったな。天井をはたいたから、埃が落ちて来たんだ」 ぽんぽん

梓「ああ、そういう。そういう意味でしたか」 ほっ

紬「うふふ♪」 きらきらっ


38: 2010/10/16(土) 20:31:11.97
澪「大体、こんな所か」

梓「あ、ありがとうございます」

澪「気にするな。よし、掃除の続きをするぞ」

紬「後は壁と窓を拭いて終わりね」

唯「紐は?」

律「もしかしてあれは、何かのスイッチかも知れないぞ」

唯「だったら、迂闊に取らない方が良いのかな」

紬「紐を引くと何が起きるの?」

唯「おめでとーって、垂れ幕が下がってくるとか」

律「色んな意味でおめでたいな」


39: 2010/10/16(土) 20:32:13.27
澪「ふーん♪ふふーん♪」 きゅっきゅっ

律「いるよな。掃除の時に、鼻歌を歌う奴」

唯「でも鼻なんだから、歌うって言うのも変じゃない?」

律「うーん、意外と深いな」

梓「どうでも良いから、掃除をお願いします」

唯「あずにゃんはいつも真面目だね。お姉ちゃん、肩凝っちゃうよ」

梓「なんですか、それは。とにかく手を休めないで、掃除をお願いします」


40: 2010/10/16(土) 20:33:17.31
澪「ふーふふーん♪ふふふーっ♪」 きゅっきゅっ

唯「澪ちゃん、楽しそうだね」

澪「作曲の才能が芽生えたかも知れないな」

唯「だったら今度は、私が詞を書いてみるよ」

澪「お。ゆいみお誕生だな」

梓「ふ・・・。ふふーん♪ふふふーん♪」 ちらっ、ちらっ

律「梓、鼻歌下手だな」

梓(下手って言われたし。鼻歌が下手って、意味分かんないし)


41: 2010/10/16(土) 20:34:19.25
紬「後は机と椅子を元の場所へ戻してと」 ひょいひょい

律「ドラムは大体、この辺か」

澪「食器棚が残ってるぞ。これこそ、全員じゃないと動かないな」 ぐいぐい

澪「せーので持ち上げましょうか」

律「全員、囲めー」

唯「おー」

律「持ち上げろ-」

紬「おー」

梓「・・・何故、私を」

澪「つい」


42: 2010/10/16(土) 20:35:21.15
律「冗談はそのくらいにして、本当に運ぶぞ」

澪「お前が言い出したんだろ」

紬「まあ、まあ。もう一度、せーのでは持ち上げるわよ」

唯「おー」

梓「唯先輩は、そればかりですね」

紬「うふふ♪・・・せーの」

唯「ぅおーっ」

梓(い、意外に野太い声が)


43: 2010/10/16(土) 20:36:25.02
律「みんなで力を合わせて、気持を一つにするんだっ」

澪「またややこしい事を」

紬「わっしょい♪わっしょい♪」

唯「ぬぁーっ」

梓「何一つとして揃ってませんね」

唯「それが軽音部の良い所だよ」 にこっ

梓(何故、突然笑顔)


44: 2010/10/16(土) 20:37:27.53
紬「もう少し下がって、下がって。下がって」

律「今思ったんだけど。これ以上下がると、私は壁と棚に挟まれるんじゃないのか」

澪「気のせいだろ」

梓「気のせいですよ、気のせい」

唯「なんだか、妖精さんみたいだね」

紬「ロマンチックねー」

律「というか、あんこが出そうなんですけど」


45: 2010/10/16(土) 20:38:32.29
律「あー、ひどい目に遭った」

紬「まあまあ。でもこれで、一通り終わったわね」

澪「後は食器を棚へ戻して終わりか」

唯「これ、紅茶が入ってた箱だよね」

律「「どうかしたのか?」

唯「空なのに、音がするよ」 かたかた

澪「爆弾だったりしてな。はは」

律「後ろに隠れるな」


46: 2010/10/16(土) 20:39:43.16
唯「そういう音じゃないんだけどね」 かたかた

澪「確かそれは空で、でもデザインが可愛かったから残してたのよね」

唯「飴ちゃんでも入ってるのかな」 かたかた

澪「好奇心は猫を頃すぞ」

律「むしろ、開けない方が頃すと思うけどな」


47: 2010/10/16(土) 20:40:52.74
唯「・・・分かった。これだよ、これ」 かたかた

律「近すぎて見えないよ。・・・ああ、これか」

澪「・・・思い出した」

紬「そういう事ね」 ぽんっ


48: 2010/10/16(土) 20:41:54.32
梓「さっき言ってた、探してる写真ですか」

律「鋭いな。梓、開けてみろ」

梓「・・・私の恥ずかしい写真とか、そういう意味ですか」

律「さて、どうかなー」

紬「もう、りっちゃんってば。大丈夫よ、とっても素敵な写真だから」

澪「第一私の写真以上に恥ずかしい物なんて、そうはないさ」 ふっ


49: 2010/10/16(土) 20:42:56.64
唯「あずにゃん、早く開けてみてよ」

梓「・・・びっくり箱ってオチとか」

律「つくづく可愛くないな。昔はあんなに素直だったのに」

梓「なっ」

紬「嘘嘘。梓ちゃんは今でも可愛いわよ」

梓「はぁ」

澪「大丈夫。良いから開けてみろ」

梓「・・・分かりました」 かぱっ


50: 2010/10/16(土) 20:44:28.53
梓(紅茶の良い匂い。・・・封筒、か) かたっ

唯「なんて書いてある?」

梓「・・・宛先は、中野梓」

唯「差出人は?」

梓「田井中律、秋山澪、琴吹紬。・・・平沢唯」

唯「何が入ってるんだろうね」

梓「・・・写真が入ってます。皆さんが言ってたように」

唯「どんな写真?」




51: 2010/10/16(土) 20:45:31.12
梓「場所は、この部室。そこで皆さんが写ってます」

律「私達だけか?」

梓「違います」

澪「他には誰が?」

梓「・・・私が、皆さんと一緒に写ってます」

紬「つまり?」

梓「私が初めて部室に来た日の写真です。・・・それと、手紙が一通」



52: 2010/10/16(土) 20:46:33.30
┌───────────────────────┐
│                                  │
│  あずにゃんへ                        .│
│                                  │
│  いつまでも、この5人で                ......│
│  また今度も、この5人で                .....│
│                                  │
│                                  │
│  田井中律 秋山澪 琴吹紬 平沢唯         ..│
│                    中野あずにゃん    .│
│                                  │
└───────────────────────┘



53: 2010/10/16(土) 20:47:35.36
唯「あーずにゃん♪」

梓「ちょっと、唯先輩」

唯「昔は良くこうしてたねー」

梓「今でもしてるじゃないですか」

律「まあまあ。とにかく大切に保管しようって事になってさ」

唯「初めは、天井の紐にぶら下げようって言ってたんだよ。あずにゃんがいつ気付くかと思って」

澪「でも私達のバンド名は、放課後ティータイムだろ。大体、天井って」

紬「だからティーセットのどこかにしまっておこうって。さっきの紐で、隠した場所を思い出したの」

唯「ちょっと、やりすぎちゃたけどね」

律、澪、紬「あはは」


54: 2010/10/16(土) 20:48:37.81
梓「あの。えと、その」

律「ん、どうした?」

梓「いえ、その。そんなに皆さんが、私の事を気に掛けてくれていると思ったら。えと、その」

唯「でも写真の場所、忘れちゃったしね」

律「それでこそ、私達だ」

澪「威張って言うな」

紬「せっかくだし、また写してみる?」

律「良いな、それ。よーし、全員並べー」


55: 2010/10/16(土) 20:49:39.02
律「もうちょっと詰めて。ほら、寄って寄って」

梓「狭いんですけど」

唯「大丈夫大丈夫」

澪「全然答えになってないぞ。律、タイマーは」

律「今セットした」

紬「りっちゃん、早く」

律「おぅっ」 とたとたっ

56: 2010/10/16(土) 20:50:41.02
律「とーちゃーく」

澪「この、また無理矢理」

梓「だから寄りすぎですって」

律「なんだとー。みんな、囲めー」 きゅっ

唯「おー♪」 きゅっ

紬「えいっ♪」 きゅっ

澪「全く♪」 きゅっ

梓「えーっ?」 

ぱしゃっ



57: 2010/10/16(土) 20:51:43.91
┌──────────────────┐
│                           .│
│ これを読んでいる私へ          ......│
│                           .│
│ いつまでも、この5人で          .....│
│ また今度も、この5人で          ....│
│                           .│
│                           .│
│ 律先輩 澪先輩 ムギ先輩 唯先輩  .....│
│                   中野梓  .....│
│                           .│
│                           .│
└──────────────────┘


                     終わり



58: 2010/10/16(土) 20:52:43.75
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

特にこれといった内容はなく、写真風のAAを貼るとより雰囲気が伝わったのかも知れません。
テーマとしては、「ゆいみおも良いけれどやっぱりゆいあず」でしょうか。



59: 2010/10/16(土) 20:55:30.17

引用元: 澪「整理と、掃除。だ」