1: 2021/10/04(月) 16:27:55.839
※禁書×ハルヒのクロス


上条「さて、買い物も済んだし……ん?」

キョン「よう。上条」

上条「……お前は、いつぞやの……」

キョン「買い物か……」

上条「あぁ。……また何かあったのか?」

キョン「まあ、何かというほどじゃないが……上条、お前の家はこの辺だったよな?」

上条「え? ああ、まあ。この近くだけど」

キョン「俺の為に時間を割いてもらうというのも心苦しい。歩きながら話そう」

上条「歩きながら、って……キョンお前はどこかに行こうとしてるんじゃないのか?」

キョン「大丈夫だ。目的地は同じ方向だからな」

上条「……?」

キョン「ほら、行くぞ」

上条「あ、ああ」

2: 2021/10/04(月) 16:30:02.430
上条(歩きながら話そう、とか言ってたけど……)

キョン「……」

上条(一向に話す気配がないな……)

キョン「……」

打ち止め「ほら、急いで急いで! ってミサカはミサカは貴方の背中を押してみる!!」

一方通行「やめろって言ってンだろォが!! この、馬鹿が!!」

上条「おお、一方通行に打ち止め。二人で買い物か?」

打ち止め「今丁度彼と一緒に貴方の家に向かってた所なんだよ、ってミサカはミサカは満面の笑みで言ってみる!!」

上条「ん?」

一方通行「頼みがあってよォ。まァ、お前の家に着いたら話すわ」

上条「それは別にかまいませんが……キョンはそれでも?」

キョン「……ん? ああ、俺は構わないが」

打ち止め「それじゃあしゅっぱーつ!! ってミサカはミサカは大声で」

一方通行「うるせェ、静かにしろ」

3: 2021/10/04(月) 16:34:51.659
キョン「……こいつは確か一方通行とかいう学園都市第一位のやつか? 相当な偏屈だと聞いていたんだが」

一方通行「あァ? なンだテメェ?」

打ち止め「駄目だよ! 見ず知らずの人にに向かってテメェなんて言っちゃ!! ってミサカはミサカは憤慨してみる!!!」

キョン「いいよ、俺自身こんな身だしな……そういえばお前は、学園都市第三位とも知り合いだったよな。上条自身も強い能力者なのか?」

上条「あー。俺自身は何処にでもいるバンクに乗る事もないレベル0だよ」

一方通行「何処にでもいる、レベル0、ねェ……」

キョン「……ふむ、じゃあお前は、強い能力者を惹き付ける何かを持っているのかもしれないな」

上条「何か?」

キョン「ああ。強い能力者を君の周囲に惹き付ける能力の持ち主なのかもしれないぞ」

上条「それは……想像以上に嫌な能力だろうなぁ」

一方通行「なンだ三下ァ、その目は」

上条(第一位のコイツといい、第三位のビリビリといい、強い能力者と関わっていい思いしたことってないしなぁ。
    惹き付けるんならレベル0でも、もっとまともな奴の方が……)

青ピ「お、上やんやぁ」

上条「……いや、確かにレベル0って言ったけど、コイツは……」

青ピ「なんや、上やん。僕の顔見て即座に首振るなんて、酷くない?」

4: 2021/10/04(月) 16:36:19.264
上条「珍しいなぁ、土御門ならこの辺でもよく見るけどお前がこの辺に居るなんて」

青ピ「いやぁ、はっは。ちょっと上やんに用事があってん」

上条「……」

青ピ「あれぇ、どうかした上やん? いきなり黙り込んで」

上条(おかしい……なんだこの遭遇率の高さは……なにか嫌な予感がする……何が起こるっていうんだ……)

打ち止め「関西弁ってはじめて聞いた! ってミサカはミサカは興奮しながら青髪ピアスのお兄さんに今の喜びを伝えてみる!!!!」

青ピ「はっはっは~、どや?」

上条「何やってんだエセ関西人、幼女拉致で通報するぞー」

青ピ「ちょ、ひっど! そこバラすん無しやろー!!」

キョン「お前は知り合いが多いんだな上条」

上条「え? ああ、まあ、人並みには」

青ピ「よっしゃ、行こか、上やん!」

上条(……俺には分かってる。これで終わりじゃ無い、きっとまだ何か起こる筈だ……例えば、後ろを誰かがつけて来てたり……)
上条「なぁんて、まさか……」

            クルッ

11801号「……あ」

5: 2021/10/04(月) 16:37:42.437
上条「……誰もいない、か」

11801号「……ばれていないようですね、とミサカは自分のとっさの判断を……」

上条「ってんなワケあるか!!! なんで!? なんで御坂妹がここに!?」

一方通行「……」

打ち止め「検体番号11801号? ここで何やってるの? ってミサカはミサカは首を傾げながら検体番号11801号に聞いてみる」

青ピ(11801……良いやおい? ……えらい名前やなぁ)

キョン「お前は……第三位の……?」

上条「御坂の妹だよ」

11801号「……言えません、とミサカは上条当麻や一方通行、上位個体に自分の考えを隠します」

11801号(言えない……ショタスクと夏の新刊作成の為の資料製作として独立行動して上条当麻を追いかけていたなんて……)

青ピ「上位個体?」

打ち止め「ミサカの事だよ! ってミサカはミサカは胸を張ってえっへんってえばってみる!!」

青ピ「そーかそーか、お嬢ちゃん偉いなぁ。飴ちゃんあげるさかいちょっと静かにしとってなー
   んで、上やん、上位個体って何?」

上条「さぁ? 一方通行なら知ってるんじゃねぇか?」

青ピ「一方通行……ってもしかしてそっちのアンタが、あの学園都市最強にして最狂の!?」

6: 2021/10/04(月) 16:38:56.000
一方通行「オイオイ、いきなりなンですかァ、人聞きの悪い事言いまくってよォ。喧嘩売ってンのか、オマエ」

青ピ「い、いえいえいえいえ!! 滅相もない!!」

上条「……あー、もしかして、お前も俺に何か用なのか?」

11801号「そ、そうです、とミサカは内心冷や汗をかきながら応えます」

上条「……あー、なんでしょうねこれは。上条さんの嫌な予感センサーがさっきから警戒信号鳴らしっぱなしなんですが」

青ピ「じゃー、とりあえず、上やんちに急ごか」

11801号「そうしましょうそうしましょう、とミサカは乗り気でない四人を急き立てます」

一方通行「……おい、三下ァ」

上条「なんだよ」

一方通行「コイツら全員何でお前ンちに向かってンだァ?」

上条「それは俺が聞きたいよ」

打ち止め「出来れば簡単な用事で帰ってくれると嬉しいね、ってミサカはミサカは貴方の服の裾を引っ張って言ってみる」

一方通行「……まァ、最悪追い出しゃいいしな」

上条「……こっちはこっちでなんか物騒な話してるし……」

7: 2021/10/04(月) 16:43:05.574
―――

上条「それで、一人ずつ俺の家に来た理由を教えてもらいましょうか」

キョン「じゃあま俺から話すぜ」

上条(そういえばキョンは終始自分から話そうとしてなかったしなぁ……っていうか、用があるのは俺の家の近所じゃなかったのか?)

キョン「上条の家に泊めてもらおうと思ってだな……」

上条「……は?」

キョン「もちろんタダでとは言わない。それなりの謝礼も払おう」

上条「ちょ、ちょっと待って!! な、なんでいきなりそんな話に!?」

キョン「袖振り合うも多生の縁と言うだろう? 迷惑はかけないように努力する」

上条「いやいやいや、そうじゃなくて!! 世の中には倫理的なモンが……」

キョン「問題ないさ。俺は倫理的に問題があるほど魅力を持っていないからな」

上条「いやだから…」

キョン「なに。邪魔はしないさ。場所だけ貸してくれればいい。ホテルに泊まるよりもこうやって知り合いに泊めてもらった方が安くつくしな。
    まぁ、どうしても嫌だというなら仕方ない。泊めてくれる人を探してもう少し歩くさ」

上条(……駄目だ、こいつはおそらくこの後もずっとこの調子だろう……
    野放しにしておいて、何か問題を起こされたりしたら…………)

8: 2021/10/04(月) 16:45:24.556
打ち止め「えー、貴方も彼の家に泊まるの? ってミサカはミサカは驚きを隠せずに声を上げてみる!!」

上条「貴方も!? って事は……」

一方通行「俺達も同じだ。オマエの家に泊めてもらおうと思ってなァ」

上条「……えーと、一方通行さんには上条さんちよりも立派なお家がありましたよねぇ?」

一方通行「ンァ? まァ、色々あってなァ。……まさか、嫌とは言わねェよなァ」

上条「……嫌って言ったら?」

一方通行「ベクトルを操作して」

上条「ハッ オマエ如きが俺に勝てるわけ無いだろ……俺に3連敗もしてるくせに…」

一方通行「家の中をメチャクチャにする」

上条「んな!? そ、それはお前、無しだろう!!!」

一方通行「オマエが俺達を家に泊めればいいだけだろォがよォ。嫌なら断ればいいし」

上条「断らせる気0の奴にんな事言われたくねぇよ!!! だー、不幸だああああああああああ!!!!」

9: 2021/10/04(月) 16:46:35.289
青ピ「えー、第一位たちも? って僕も僕も驚きを隠せずに言うてみる!!」

上条「帰れ」

青ピ「ええ!? ちょ、ちょい待ちぃや上やん!! なんや僕にだけ冷たくない!?」

上条「帰れ」

青ピ「そんなこと言わんでやぁ!! 僕かてなんも無しに上やん頼ってん違うねん!!」

上条「帰れ」

青ピ「まあまあ! 僕居てたほうが上やんも色々助かるやろ?」

上条「帰れ」

青ピ「言わんでってばぁ!! 上やんのいけずぅ~」

上条「帰れ」

青ピ「あ、僕トイレ借りてもいい? ずっと我慢しててん」

上条「帰れ!!!」

青ピ「ああ、上やん、僕冷たい麦茶飲みたい」

上条「……」

青ピ「い、痛!! ちょ、なぐ、なぐらんで!!」

10: 2021/10/04(月) 16:47:47.912
上条「それで、御坂妹は俺に何の用なんだ?」

11801号「み、ミサカは、その……ミサカも、泊めてもらいに……」

打ち止め「検体番号11801号、何かあったの? ってミサカはミサカは一応確認してみる」

11801号「……黙秘権を行使します、とミサカは顔を反らしてはぐらかします」

打ち止め「……」

11801号「……」

青ピ「どうせ女の子は上やん皆泊めんねんやろ!? 僕一人増えても問題ないやん!!
    それとも何!? 上やんは女の子は泊めて男で友達の僕は無視するような発情期の猿みたいな奴やったん!?」

上条「い、いや、それは……」

青ピ「あー!! 今言い淀んだ!! 図星や!! 上やぁん、いつの間に工口やんになってしまったん? 僕らの上やん帰ってきてー!!」

上条「あー、もう、騒ぐな!! 分かった、泊っていい! 泊っていいから騒ぐな!!」

打ち止め「……あまり独立行動が過ぎるのは駄目だよ、ってミサカはミサカは検体番号11801号に釘を刺しておく」

11801号「了解しました、とミサカは自分の考えを隠し通せた事にホッとしながら掴みあう上条当麻と青ピアスの青年の方を凝視します」

キョン「……つまり、この人数が一気に泊る事になるのか?」

一方通行「……暑苦しいなァ」

11: 2021/10/04(月) 16:49:12.060
―――

禁書「……」

上条「……」

禁書「とーま、何か言いたい事ある?」

上条「こ、ここは上条さんの家ですから、誰かを泊めるっていうのも上条さんの判断で行っていいと思うんですよ」

禁書「……むー、とーまは女心を全く理解してないかも!!」

一方通行「……まだ同居人がいやがったのか。こンの狭苦しい家に七人で住むのかよ」

打ち止め「七人じゃないよ、ってミサカはミサカは貴方の間違いを指摘してみる!」

一方通行「あァ?」

スフィンクス「にゃー」

キョン「ネコも居るのか。これだけ居れば賑やかだろうな」

打ち止め「……もしかして、二人っきりの方が良かった? ってミサカはミサカは貴方に尋ねてみる」

一方通行「オマエ、頭が溶けてンのか?」

11801号「二人きりの方がいいに決まっているだろう、言わせんな恥ずかしい、とミサカは一方通行のいいたい事を」

一方通行「間違った解釈垂れ流すな」

12: 2021/10/04(月) 16:50:09.867
青ピ「……まさか上やんがあの修道女ちゃんと同棲しとったとは……」

11801号「確かにこれは由々しき事態です、とミサカは青髪ピアスの青年に同調します」

青ピ「やっぱやーちゃんもそう思う?」

11801号「やーちゃん、ですか? とミサカは聞き覚えのない単語をオウム返しで聞き返します」

青ピ「あー、ごめんごめん。なんやあのちみっこいのが11801号とか呼んでたからなぁ。名前何?」

11801号「ミサカの名前はミサカです、とミサカは青髪ピアスの貴方に説明します」

青ピ「んん? でも、あの口リっ子もミサカ言うんやろ? めんどいなぁ、姉妹かなんかか?」

11801号「そもそも何故やーちゃんなんですか? とミサカは質問に答える前に質問をしてみます」

青ピ「いいやおい号や呼ばれててんからやーちゃん固定やろ」

上条「11801号だからいいやおい号って……それは明らかに酷いだろ」

11801号「やおいはどこも酷くありません、やおいだって愛の結晶なのです、とミサカは柄にもなく熱く語ります」

キョン「……やおい?」

打ち止め「ねーねー、やおいって何? ってミサカはミサカは貴方に問いかけてみる」

一方通行「知らねェよ。つーかおめェのお仲間の事くらいおめェが知っとけ」

青ピ「あー……ガチか」

13: 2021/10/04(月) 16:51:29.469
禁書「私がなんで怒ってるかわかる? どうせとーまは人がいいから何も考えずに良いって言っちゃったんでしょ!
    スフィンクスなら簡単に飼う事も出来るけど、人間は違うんだよ? ご飯や寝る場所はどうするの?」

上条「それを勝手に住みついたお前が言うのかよ」

禁書「私一人でもいっぱいいっぱいなのに……大丈夫なの?」

上条「……そういえばそうだな。どうしよう」

打ち止め「その事なら心配ないよ!ってミサカはミサカは横から話に参加してみる!」

一方通行「金なンて掃いて捨てるほど持ってるからな。オメェの世話になンねェよ」

上条「ほ、本当か!?」

キョン「俺も金は払う。ただで泊まろうなんて思ってないさ」

上条「ああ、助かるよ」

青ピ「ホント助かりますー。ほらミサカちゃんもきちんと頭下げてぇ」

11801号「助かります、とミサカは促されるとおりに頭を下げます」

上条「……」

青ピ「あら、なあに上やんその目……ジッと見てもぼかぁ何も出せんよ?」

上条「よし、口実が出来た。お前帰れ」

青ピ「まだ言うかドスケベやん!! 工口工口煩悩丸出し工口やんめ! 僕追い出したら学校で酷い目に会う事になんで!!」

14: 2021/10/04(月) 16:53:13.635
~半月後~

上条「あれからもう半月……誰も一向に出ていく気配がないんだよなぁ……」

上条「キョンは何してるかわからないしなんで俺の家に居続けるのかもわからない。
    分かるのは野放しにするのが危険だろうってことくらい」

上条「一方通行と打ち止めは、まあ、家が不良どもに荒らされるって言ってたし、かくまうのは仕方ないよなぁ。
    打ち止めは勿論の事、一方通行の奴もなんだかんだ言いながら家事の手伝いしてくれるから助かってるし」

上条「青髪……アイツは何があったのかは知らないけど、土御門の家に突っ込んだら傷だらけで帰ってきたし、俺が面倒みるべきなんだろうな」

上条「やおい号……あいつも謎なんだよなぁ。何か目的があって俺や一方通行に近付いてきたのかもと思ったけど違うみたいだし……
    日中も机に向かってソッチ系の漫画描いてるだけみたいだし……分からない」

上条「……いつまで続くんだ、このバスタブ生活……」

15: 2021/10/04(月) 16:56:14.429
上条「……ん」

     サァァァァ―――――……

上条「……水の、音?」

キョン「ん?起こしちまったか」

上条「って全裸!? おいキョン! 全裸で一体なにをしてやがんだ!!」

キョン「……お前は阿呆なのか、それともまだ寝ぼけてるだけか?
    服を着てシャワーを浴びるような変人がいたら紹介して欲しいものだ」

上条「だからって何で上条さんの目の前でシャワー浴びてんだよ!!」

キョン「昨日は暑くて、起きたら寝汗が酷くてな。お前を起こそうとも思ったが、せっかく熟睡しているのを邪魔するのもよくないからな」

上条「邪魔していいから起こしてほしかったよ…」

―――

上条「……酷いものを見てしまった……。ってかまだ四時過ぎかよ……不幸だ」

上条「……とりあえず、コーヒー作っとくか。一方通行、朝コーヒー飲めないと機嫌悪くなるし」

スフィンクス「にゃー」

上条「おお、お前も起きてたのか。おはよう」

16: 2021/10/04(月) 16:59:34.069
スフィンクス「にゃー」

上条「腹減ったのか? じゃあ一方通行の分のコーヒーと一緒にお前のご飯も用意しような」

スフィンクス「にゃー」

キョン「俺の分もコーヒーを作ってくれないか?」

上条「ああ、シャワー浴び終わったん……」

キョン「ああ。もうバスタブを使ってくれても構わんぞ。起こしちまったのは本当に悪かった」

上条「……あのですねぇ、キョン。いくら男同士とはいえパンツも履かずに全裸歩き回るのは…」

キョン「なんだお前も早起きだな」

スフィンクス「にゃー」

上条「ま、聞いてもらえるなんて思ってないけど……
    それより、キョン、お前は寝なおさないのか? いつもならもう少し寝てるよな」

スフィンクス「にゃー」

キョン「寝るのもいいが、起きておくのも悪くないと思ってな」

上条「そうですか。じゃあ向こうで待っててくれ」

キョン「ああ」

17: 2021/10/04(月) 17:00:29.364
―――

一方通行「おい、青髪ィ! いつまでトイレにこもってんだよ!! さっさと出ろ!!」

   『そう言われてもほら、男の子って朝大変やん?』

11801号「朝からそんな所でナニやってるんですか、とミサカはあきれ顔で扉に向かって言います」

打ち止め「ねぇねぇ、ミサカのお箸が見当たらないよ? ってミサカはミサカは手元を確認しながら言ってみる!」

キョン「ああ……じゃあ、割り箸を出すか」

打ち止め「えー、でもミサカあの箸がいい! ってミサカはミサカはちょっと駄々をこねてみる」

禁書「とーまー、朝ご飯なにー?」

上条「ご飯に味噌汁だよ。純和風な感じでね」

一方通行「おいおい! 朝飯がコーヒー+味噌汁って何考えてんだよ三下ァ!!」

上条「うるせぇ! 嫌なら自分で作れ!!」

禁書「あーさん、トイレまだー?」

   『急かさんでぇや。そんな急かされても、なぁ?』

11801号「……トイレは貴方一人の物ではありません、とミサカは連続でノックをしながら急かしたてます」

キョン「やれやれ、朝から賑やかだな」

18: 2021/10/04(月) 17:01:28.135
11801号「今日は金曜日」

11801号「上条当麻とあーさんは学校、キョンさん・一方通行・上位個体は外出」

11801号「つまり今この家はミサカの独壇場です、とミサカは鞄から画材を取り出しながら言います」

スフィンクス「にゃー」

11801号「これは失礼しました。私とスフィンクスの独壇場ですね、とミサカはスフィンクスの頭を撫でながら前言を撤回します」

禁書「私が居る事も忘れてほしくないかも」

11801号「……影が薄いので本当に忘れてました、とミサカは禁書目録を見ながらため息交じりに呟きます」

禁書「……うう、怒るよ?」

11801号「禁書目録に怒られた所で怖くないです、とミサカはヘアゴムを付けながら言います」

禁書「やおいって時々変な格好するよね。目が悪くないのに眼鏡かけたり、髪もそんなに長くないのに縛ったり」

11801号「これは言うなれば戦闘装束です、とミサカは禁書目録に胸を張って説明します」

禁書「戦闘装束?」

11801号「伊達眼鏡をかけ、ヘアゴムで髪を纏める事によってミサカは一流の妄想戦士へと進化を遂げるのです、とミサカは熱のこもった演説を繰り広げます」

禁書「よく分からないんだよ」

11801号「理解が及ばなくても結構です。邪魔だけはしないでくださいね、とミサカは禁書目録に一言断りを入れておきます」

19: 2021/10/04(月) 17:01:58.122
11801号「…………さて、次の題材はどうするべきか、とミサカは真っ白なノートとにらみ合いながら構想を練ります」

禁書「どうかしたの?」

11801号「漫画の構想を練っているんです、とミサカは簡潔に禁書目録に説明します」

禁書「漫画? 漫画ならとーまのがたくさんあるよ」

11801号「残念ながら上条当麻の持っているジャンルの漫画ではなく、もっとアブノーマルな物です、とミサカは補足説明をします」

禁書「どんな内容なの?」

11801号「美少年と成人男性が情事に及ぶ漫画や、美少女と成人男性が情事に及ぶ漫画がほとんどです、とミサカは一切言葉を濁らせること無く質問に答えます」

禁書「じょ、情事って……」

11801号「御察しの通り性交の事です」

禁書「……やおいはエOチだね、しかも男同士もなんて」

11801号「いえ、人間の恋愛感情は突き詰めればそこに到達するのです。それはおそらく男性でも女性でも同じはず。
      ならば男同士でも恋愛感情の表現に性交を用いるのもおかしくないでしょう、とミサカは熱弁をふるいます」

禁書「そういうものなのかな?」

11801号「そういうものなのです、とミサカは自分の発言を肯定します」

禁書「……そういうものなんだってさ」

スフィンクス「にゃー」

20: 2021/10/04(月) 17:02:36.783
禁書「何を迷ってるの?」

11801号「……実は今、ミサカの知り合いの提案で上条当麻を主人公にしてそういう話を書こうとしているのですが、いかんせん彼の周りにはミサカの得意分野とする10歳以下の幼児が少ない」

禁書「らすとおーだーとかなら居るけど」

11801号「上位個体を題材にしてしまうとミサカ自身の命が危ない気がします、とミサカは提案を蹴ります」

禁書「んー……じゃあ、いっその事、周りの人を小さくしちゃったら?」

11801号「……そんな事が出来れば苦労しません、とミサカは」

禁書「でも、若返りの魔術とかは存在するよ? 出来ないとは言い切れないかも!」

11801号「……そういえばバンクに乗ってないだけでそういう能力が存在するかも……ちょっと落ち着いて今の言葉を考えてみよう、11801号、周りを小さくする、なるほどそんな手が存在していたなんて!
      学園都市の生徒たちを襲う謎の『幼児化』、裏に控える能力者、『逆行成長』……能力は、演算によって全ての生物を身体的にも精神的にも若返らせることができる。
      それに挑む一方通行筆頭の上条勢力だったが次々に幼児化させられてしまう、最後の頼みの綱は『幻想頃し』の上条当麻だけ!!
      まさかの口リショタハーレム完成!!! これはどう考えても完璧!! バカ売れ間違いなし!!!!! いやいや、落ち着いてミサカ、逆に、幼児化した上条当麻を守るために立ちあがるメンバー……
      いやいやここはショタ条とアクセラショタの絡みで兜」

一方通行「昼間っから何騒いでンだ、ムッツリ」

11801号「……」

打ち止め「何かいてるの? ってミサカはミサカは質問してみる」

11801号「……なんの事でしょう、とミサカは画材とストーリーノートを隠しながらしらを切ります」

21: 2021/10/04(月) 17:03:11.637
禁書「あ、あくせられーた。早かったね、お帰り!」

一方通行「……あァ」

禁書「あれ? 元気がないんだよ」

打ち止め「きっとお帰りって言われたのが恥ずかしかったんだと思う、ってミサカはミサカは説明して」

一方通行「くだらねェ事言うな」

11801号「上位個体と何処へ行っていたんですか、とミサカは社交辞令で一方通行に問いかけます」

打ち止め「本屋さんでお料理の本を買ってたんだよ、ってミサカはミサカは買ってきた本を見せながら言ってみる!」

禁書「お料理の本? あくせられーたが? 意外かも」

打ち止め「きっと上条当麻の負担を減らしてあげるために勉強するつもりなんだよ、ってミサカはミサカは……
       あうう、頭ぐりぐりしないでぇ、ってミサカはミサカは頭の上にある貴方の手を払おうと努力しながら貴方に懇願してみる!」

一方通行「誰があンな三下の為に勉強なんか覚えるかよ!! 俺は味噌汁にコーヒーが嫌だから自分の朝飯くらい自分で作ろうと思ってだなァ!!!」

禁書「でもその割には大勢で食べられる料理のレシピが多いんだよ」

11801号「……これはいいツンデレ具合、とミサカは口元を隠しながら微笑みます」

一方通行「ンなンじゃねェって言ってるだろォが!!!!」

22: 2021/10/04(月) 17:03:56.223
打ち止め「あ、ミサカこのパエリアっていうの食べてみたい、ってミサカはミサカは目を輝かせながら提案してみる!!」

禁書「じゃあ私はこの女風スパゲティっていうのがいいな!!」

11801号「……親子丼……成程、それもありですね」

打ち止め「そういえばそろそろお昼だね、ってミサカはミサカは貴方の方を見ながら言ってみたり」

一方通行「俺は作らねェからな」

禁書「大丈夫! 今日もちゃんととーまがご飯作っていってくれてるんだよ!!」

11801号「まるでニートの世話をするパート働きのお母さんみたいですね、とミサカは上条当麻の優しさをかみしめながら恥ずかしさを隠しつつそういいます」

一方通行「……今日は、木山と青髪の弁当の中身を多めに作ってたみてェだな」

打ち止め「ずっとここにお世話になれれば楽できるよね、ってミサカはミサカは貴方に満面の笑みで申し出てみる!!」

11801号「……こうやって好感度を稼いでフラグを徐々にたてていくんですね、とミサカはストーリーノートに素早くメモします」

一方通行「そンじゃ、ちゃっちゃと飯食うかァ」

打ち止め「じゃあミサカは食器を用意するね、ってミサカはミサカは元気に走り出す!」

禁書「だったら私はテーブルを片づけるんだよ!」

11801号「ならばミサカは上位個体と禁書目録に支度を任せてくつろいでおきましょう」

一方通行「オマエも働けよ」

23: 2021/10/04(月) 17:06:03.416
―――

     バタン

キョン「ただいま」

打ち止め「あ、キョンが帰ってきたよ、ってミサカはミサカは」

一方通行「動くな、今いいとこなンだよ」

<タトエバオマエラガソノムカシ、ステラレテコゴエテルコイヌヲタスケタコトガアルトシヨウ……

キョン「……アニメか?」

11801号「はい。一方通行が暇つぶしに買って来た物を皆で見ています、とミサカは画面から視線を外すことなく答えます」

<デモシネ

キョン「……なかなかの吹っ飛びようだな」

禁書「とーまもこれだけ強ければもっと頼りになるんだけど」

一方通行「……三下がコイツみてェ強くなったらそれこそ規格外の存在になるぞ。
      世界中の異能者から日夜殺害対象として追いかけられたりしてなァ」

<ラクエンニデモスンデンノカァ?

11801号「……これは今までにも増して酷い、とミサカは新キャラの存在感に唖然とします」

キョン「じゃあ俺も昼ごはんをいただきながら見せてもらおうかな」

24: 2021/10/04(月) 17:07:36.258
―――

<オマエ、ショジョダロ?

一方通行「……おいおい、リモコンどこやったァ!?」

打ち止め「ねえねえ、処Oって何、ってミサカはミサカは貴方に聞いてみる」

キョン「処Oというのはだな」

一方通行「教えようとすンな!! おいムッツリ、テメェが最後にリモコン弄ってただろォが!!」

11801号「これは興味深い展開ですね。音量をもう少し上げて……」

<コドモツクルキ!?

打ち止め「子どもってどうやって作るの? ってミサカはミサカは」

禁書「こ、子どもはコウノトリが運んでくるんだよ!」

一方通行(よし、よくやったインデックス!!)

11801号「嘘を教えてはいけません、子どもというのは男性と女性が」

一方通行「なに余計なマネしようとしてンだ!! このムッツリスケベ!!!」

キョン「あー、おしべとめしべがだな…」

一方通行「丁寧に教えろって言ってンじゃねェよ!! そろそろ黙れテメェら!!!!」

25: 2021/10/04(月) 17:08:44.093
―――

上条「……で、色々と聞きたい事があるんですが」

禁書「あ、とーまにあーさん、お帰りなんだよ!」

<マァキィ……

                                 ゲェッ!?>

上条「なんでエアマスター見てるんだ?」

打ち止め「面白そうだから買ってきたんだよ! ってミサカはミサカは答えてみる!」

上条「じゃあなんでエアマスター見ながらやおい号は鼻血流してるんだ?」

11801号「まさか男性同士で子作りが可能とは……と、ミサカは生命の神秘を噛み締めながら答えます」

青ピ「あぁ、そういえばこれ長戸回やからその話もあんもんなぁ」

上条「成程、やおい号のどストライクだったってわけか」

11801号「興味深いです……アクセラショタ(9歳)が上条当麻の子どもを妊娠……」

上条「……ったく、やおい号はお前の同類だろ? なんとか言ってやれよ」

青ピ「逆のがええやろ。一見受けに見えるヒョロ一位がカミやん押さえ込んでってのがアツい展開やん?」

上条「よし、お前ら揃って表に出ろ」

26: 2021/10/04(月) 17:11:32.366
上条「……まさか、ずっと見てたのか?」

一方通行「ンだよ、悪ィか?」

上条「アニメの見過ぎは身体によくないぞ」

打ち止め「……そういえばちょっと目がチカチカするかも、ってミサカはミサカは目をこすりながら言ってみる」

キョン「集中してると気付かないものなんだ。俺は日ごろからパソコンに向かっているから慣れているが」

青ピ「おお! 全巻あるやん! これは今日は寝られんなぁ!!」

上条「はいはい、どうでもいいから着替えろよ」

キョン「……そういえば俺も帰って来てから着替えてなかったな」

上条「ストップ!! 着替えるなら寝室か風呂場でお願いしますね!」

キョン「……お前は本当に細かいな……俺の母親でもそこまで口うるさくはなかったぞ」

27: 2021/10/04(月) 17:13:55.182
~~~

一方通行「……ったく。で、今日はなに作ンだよ」

打ち止め「ミサカはパエリアが食べたいなぁ、ってミサカはミサカは冷蔵庫を漁りながら言ってみる!!!」

一方通行「香辛料とかねェだろ。もっと楽なので……」

キョン「手伝うか?」

打ち止め「あれ、珍しいね、ってミサカはミサカはキョンに言ってみたり」

キョン「あー……まあ、たまにわな」


上条「はぁ!? ジョンスが出ない!? エアマスターなのに!?」

青ピ「んー、しんちゃん帰ってけぇへんしなぁ。まあ、戦闘シーンがめっちゃ丁寧やしそこ見てな」

11801号「監督はプリキュア初期の監督なんです、とミサカは無駄知識を披露します」

青ピ「あの監督絶対朝八時枠とかより殴り合いアニメ作らせたがええって」


キョン「……上条があれじゃあ、俺が手伝うほかないだろ?」

一方通行「……使えねェ三下だ」

打ち止め「たまには息抜きも必要なんだよ、ってミサカはミサカは貴方の本当に言いたい事を予想して」

一方通行「下らねェ事くっちゃべってねェでさっさと作るぞ」

28: 2021/10/04(月) 17:15:21.132
キョン「……お前、意外と器用だな」

一方通行「……こうみえても一人暮らしが長ェからな」

打ち止め「普段はめったにお料理しないけどね、ってミサカはミサカは卵を割りながら木山春生に言ってみる」

キョン「まあ、人生に置いて苦労は必要な量だけで十分だからな、手抜きとして外食をするのもいいんじゃないか」

上条「俺も、手伝うか?」

禁書「私も出来ることがあるなら手伝うかも」

一方通行「うるせェ、使えねェ三下どもは指くわえて見てろ」

青ピ「とかなんとかいいつつ、どうせ心ん中ではカミやんの事思ってんねん」

11801号「一重に愛ですね、とミサカはいやらしい笑みをします」

一方通行「……ンあァ? おい打ち止めァ、タバスコ何処だァ?」

青ピ「正直すんませんでした」

11801号「今度は聞こえないように言います、とミサカは謝罪します」

スフィンクス「にゃー」

29: 2021/10/04(月) 17:16:31.289
一方通行「おい待てキョン!! 片栗粉はまだだ!!」

キョン「……そろそろだろ?」

一方通行「まだだって本に書いてあンだよ!! もう少しじっとしてろ!!」

禁書「きょーおーのおかずはなんだろなー」

上条「あの材料なら八宝菜に、卵焼きとかじゃねぇかな」

打ち止め「ミサカ特製卵焼きだよ、ってミサカはミサカはキッチンから大声で上条当麻に教えてみる!!」

青ピ「つまり、次回は上×ショタ一って事でええな?」

11801号「はい。私の友人にもそう伝えておきます、とミサカは構想を練りつつ返事します」

青ピ「友人っつーと、あのお花畑ちゃん? あの子もええ趣味しとんもんなぁ。
   ええか? 間違っても前回みたいにカミやんの右腕もいで調理して一位が食べるなんて内容にならんようにせえよ」

上条「……な、なんだよその怖い内容……」

11801号「ミサカの友人の描いた漫画の内容です、とミサカは顔色一つ変えずに答えます」

禁書「とーまの右腕、おいしいかなぁ?」

上条「狙うな!!」

打ち止め「ああ、ちょっと、まだご飯炊いてないよ!! ってミサカはミサカは急いで貴方に伝えて見る!!!」

一方通行「あァ!? チィッ、キョン! 早炊きで米頼ンだ!!」

30: 2021/10/04(月) 17:17:25.001
―――

上条「……なんだかんだで、旨そうにできたな」

禁書「あくせられーた、料理上手なんだね!」

一方通行「ケッ、当たり前だろォが」

11801号「今日は上手に焼けましたね、とミサカは上位個体を褒めます」

打ち止め「えへへー」

キョン「さて、それじゃあそろそろ飯にするか。いつまでも喋っていると冷めちまう」

青ピ「ほいじゃ、手を合わせてください!」

            「「「「「「「いただきます」」」」」」」

31: 2021/10/04(月) 17:18:44.672
青ピ「……とうとうこの日が来た」

11801号「……この日というのは?」

青ピ「見てみぃ、ミサカちゃん。僕らの前にあるもんを」

11801号「……大皿いっぱいの八宝菜ですか、とミサカはあーさんに尋ねてみます」

青ピ「そう。カミやんは気配り上手やからいつも個別に取り分けとった。
    しかし、第一位にそんな配慮はない。一人暮らし長い言うとったし、皿から直取りが常やったんやろうなぁ」

11801号「……」

青ピ「ピーンと来たか? つまりやなぁ……」

11801号「もしミサカ達が多めに取って食べ始めれば……大皿の上の料理は人数分均等とはいかなくなり……」

青ピ「……そういう事や」

11801号(……上条当麻は他人に優先して食べさせようとするから絶対量が少なくなる……そして、それを一方通行に気付かせれば、悪口を叩きながらも彼は上条当麻に自分の取り分を分けるはず……
      合法間接キスの完成、とミサカは内心ほくそ笑みながら涎を拭きとります)

青ピ(……つまり多めに取っとけばのちのち打ち止めちゃんか禁書ちゃん、キョンのうちの誰かがおかわりが欲しい言うはずや……そこで僕の分を分けてあげる……
    合法間接キスの完成や!!)

上条「ほら、二人とも、皿貸せ。八宝菜取り分けるから」

青ピ「……クソッ! さんざん期待させといてなんやそのオチ!!」

11801号「こんな幻想まで殺さなくてもいいじゃないですか、とミサカは悲しみに打ちひしがれます」

32: 2021/10/04(月) 17:20:11.986
上条「お前らホントに仲良いよな」

キョン「波長が合うんだろ。似た者同士だからな」

一方通行「どっちも頭ン中お花畑だからなァ」

禁書「仲良き事は美しきかな、だよ!」

11801号「いえ、さすがのミサカでも上条当麻と一方通行の仲の良さには敵いません、とミサカは述べます」

一方通行「はァ?」

上条「んー? ……そんなに仲良さそうに見えるか? 俺と一方通行って」

青ピ「もしかしたら僕より仲ええんとちゃうかなぁいうくらいやわぁ」

一方通行「俺と三下が仲がいいとか、テメェら揃いも揃って目にガラス玉でもはめ込ンでンのかァ!?」

キョン「ん、違うのか? 俺から見てもお前達は仲がいいと思うがな」

上条「ははは、だってよ」

一方通行「クッ……テメェらあとで覚えてろよ」

青ピ「第一位ってば真っ赤になっちゃって可愛い~」

禁書「あくせられーたってとーまの事嫌いなのかな?」

打ち止め「照れてるだけだよ、ってミサカはミサカは禁書目録のウズラの卵を狙いながら言ってみる」

33: 2021/10/04(月) 17:21:22.175
打ち止め「今だ、ってミサカはミサカはおりゃーって箸を伸ばして卵をゲット!」

        ガシィ!!

禁書「……あげないんだよ」

打ち止め「うう……」

上条「はいはい、喧嘩するな。ほら打ち止め、俺の卵やるから、これでいいだろ?」

打ち止め「わぁ、ありがとう、ってミサカはミサカは上条当麻から貰ったウズラの卵をほおばってみる!!」

キョン「……お前は、なんと言うか……いい嫁さんになるというよりも、いい母親になるだろうな」

上条「どういう意味だ、それ」

キョン「言葉通りの意味だ」

上条「……上条さんだって好きでこんなキャラしてるわけじゃないんですけどね」

青ピ「お母ちゃん、僕も卵欲しい~」

上条「……」

青ピ「ごめんてカミやん。謝るから卵の殻持ってくるの止めてぇや」

34: 2021/10/04(月) 17:23:36.964
―――

青ピ「ほんじゃ、カミやん風呂入ってる間に寝る場所決めとこか」

一方通行「どうせ今日も変わらねェンだろ?」

キョン「……一つ提案があるんだが」

青ピ「ん? どうした、キョン」

キョン「上条ばかりバスタブ生活というのはやはりどうかと思うぞ。
    どうだ? どちらかがアイツと一緒に寝るというのは?」

11801号「一方通行が一緒に寝るべきですとミサカは即答します」

一方通行「断る」

青ピ「でもソファは僕一人でいっぱいいっぱいやし」

キョン「…………そうか、じゃあ仕方ない。それなら俺が」

禁書「それはそれで問題があるんだよ」

打ち止め「じゃあどうしようかなってミサカもミサカも皆と一緒に考えてみる」

―――

上条「これでよし。水滴一つ残ってない」

上条「しっかり拭いておかないと、寝る時に服がビチョビチョになるからなぁ」

35: 2021/10/04(月) 17:25:08.581
青ピ「フローリングにベタ寝やと寝ぼけてカミやん踏みかねんし……」

11801号「寝る場所を変えても根本的な問題の解決にはつながりません、とミサカは別の方法を探ります」

禁書「あ、じゃあとーま用の新しいお布団買うのは?」

青ピ「んー、そう言うてもなぁ、布団買う金とか誰が出すん?」

打ち止め「……ミサカはミサカは無言で貴方を見てみる」

11801号「ミサカもこのメンバーの中で一番金持ちだろう一方通行の方を見つめます」

一方通行「……チィッ、仕方ねェな……金出せばいいンだろ」

キョン「いいのか? なんなら俺がだしてもいいが」

一方通行「一応、泊めてもらってる恩もあるしなァ。金も有り余ってるし、丁度いいだろうよォ」

キョン「そうか、それは助かる。そういえば明日は土曜日だし、買いに行くには丁度いいかもしれないな」

―――

上条「……はぁ、この家の主は上条さんだっていうのに、何が悲しくてこんな所で寝てるんでしょうか……」

上条「かといって、女性から場所を奪うわけにも行かないし……キョンや一方通行、青髪から取るってのも気が引けるし……」

上条「……不幸だ」

36: 2021/10/04(月) 17:26:31.184
―――

上条「……ん」

     サァァァァ―――――……

上条(……なーんか、デジャヴな展開だな……寝起き、水の音……)

上条(またキョンか? ……まったく、どうするべきかなぁ……)

上条(起き上がって注意するとモロにシャワーを浴びてるキョンの裸を見る事になるし……
    かといってこのまま放っておくと『寝てる間ならシャワーを浴びてもいい』って思ってまた浴びに来るかもしれないし……)

上条(横になって目を瞑ったまま言ってみようか……いや、アイツの事だから『酷い寝言だな』とか言うに決まってる……)

上条(……ここは、一気に起き上がって、見ないようにしながら!!)

     ガバッ!

青ピ「おわっ! カミやん起きてたん!?」

上条「ってお前かよ!!」

青ピ「いやんカミやん見んといてぇ~、僕はずかしぃ~」

上条「人の寝室に上がり込んで言う事がそれか!! とっとと出てけ!!」

―――

上条「あー……朝からまた酷いもの見た……」

37: 2021/10/04(月) 17:28:12.675
一方通行「おォ、起きたか三下ァ」

上条「ああ……たぶん今までで一番最悪な寝起きだった」

キョン「上条、お前、今日何か用事はあるか?」

上条「へ? いや、別に……」

キョン「そうか。じゃあ丁度いい。少し買い物を手伝ってもらおうと思ってな。いいか?」

上条「買い物ねえ まぁ別にいいけど」

一方通行「……ンン? おい三下ァ、コーヒーの作り置きもう無かったかァ?」

上条「あー……悪い。今から作るから待っててくれ」

一方通行「いや、いい。今日は俺が作るわ」

キョン「ああ、じゃあ俺の分もお願いできるか?」

一方通行「……仕方ねェな」

青ピ「んならカミやん、ちょい早いけど朝ご飯にしよか」

上条「そうだな。すぐにインデックス達も起き出すだろうし」

一方通行「今日は洋食で頼むぜェ?」

上条「はいはい。じゃあ今日は簡単にトーストとサラダとベーコンエッグかな」

39: 2021/10/04(月) 17:29:33.105
―――

禁書「うー……」

打ち止め「今日は不機嫌だね、どうしたの、ってミサカはミサカは禁書目録に尋ねてみる」

禁書「日本人の朝は一杯の白ご飯とお味噌汁から始まるんだよ……今日もお味噌汁を食べる気満々だったのに」

上条「お前生粋のイギリス人だろーが」

禁書「心は大和撫子なの!!」

11801号「ミサカもどちらかと言えば和食派です、とミサカは牛乳を飲みながら同意の意を示します」

打ち止め「ミサカは洋食も好きかも、ってミサカはミサカはベーコンを食べながら言ってみる!」

一方通行「口に物入れて喋ンな、汚ェ」

青ピ「そうやなぁ、ぼかぁ米所出身やし、米よりもパンのが好きやなぁ」

一方通行「米所出身なのに米が嫌いなのかよ」

青ピ「そりゃあほら、こっちのお米ってあんまおいしくないしねぇ?」

キョン「俺は栄養が補給出来ればどちらでも構わないがな」

一方通行「俺も、コーヒーとあうから洋食の方がいいだけだしなァ……コーヒーとあう米があるっつーンなら別に和食でも鎌わねェなァ」

上条「まあ、みんなの意志に沿うなんてのは無理なんでですね。その辺は各自で妥協してくださいよ」

40: 2021/10/04(月) 17:33:08.852
キョン「さて、上条。準備はいいか?」

上条「ああ、買い物だっけ? 何処に行くんだ?」

キョン「そうだなぁ……歩きながら考えよう」


―――

上条「……それで、何買う予定なんだ?」

キョン「今日はお前の分の寝具を買おうと思って買い物に誘ったんだ」

上条「は?寝具って言うと……布団とかか?」

キョン「ああ、お前をバスタブに押し込んでおくのに皆心を痛めているんでな。お前にもちゃんとした寝場所を作ってあげようという話になってな」

上条「だったら誰かが代わってくれればよかったのに」

キョン「……それで、寝具ってのは何処で売ってるんだ?」

上条「そうだなぁ……まあ大きなお店にいけばあるんじゃないか」

キョン「……あー、じゃあとりあえず、少し歩きまわってみるか」

41: 2021/10/04(月) 17:36:54.641
キョン「それにしても……人が集まる場所は……暑いな」ヌギヌギ

上条「おいおい、だからって人の要るところでいきなり脱ぎだすなよ。……脱ぎ女じゃあるまいし」

キョン「……しかし、こう暑いとな」

上条「店の中に入ると寒いくらいにエアコンがかかってる筈だから、それまで我慢してくれ」

キョン「……努力する」

上条「お願いします」

キョン「…………限界だ」

上条「……何か冷たいもの買ってきます」

―――

美琴「……なんで、アイツが、居るのよ……」

42: 2021/10/04(月) 17:37:26.881
―――

一方通行「……」

<アー、ナンカイカリデデビルマンニヘンシンシソウ!!

                                               デキルノカ!?>

打ち止め「……デビルマン?」

11801号「デビルマン……?」

禁書「……デビルウーマンじゃなくて?」

青ピ「あちゃー、皆デビルマン知らん世代かぁ」

11801号「そんなキャラクターが居たんですか? とミサカはあーさんに尋ねます」

打ち止め「ミサカも知らないよってミサカもミサカもあーさんに尋ねてみる!」

青ピ「えー……デビルマン言うんはなぁ」

一方通行「静かにしろ、集中出来ねェだろォが」

青ピ「はいはい、えらいすんません」

43: 2021/10/04(月) 17:42:09.681
キョン「……やっぱり暑い日は冷たいものに限るな」

上条「近くにソフトクリーム屋さんがあってよかった……」

―――

黒子「あらあらあら、男2人でソフトクリームを一緒に食べてますの。2人で寄り添ってとっても仲がよいですの。デートしてるみたいですの。」

美琴「……いやいや、あれはたぶんデートとかじゃ」

―――

キョン「ああ、そうだ上条」

上条「はい?」

キョン「お昼は素麺でいいか?」

上条「あ、ああ。まあ、いいけど」

キョン「そうか、じゃあ急ぐか。暑くなる前に買い物を済ませないとな」

上条「そうだな。溶けないように注意してくれよ」

キョン「大丈夫だ。子どもじゃないんだからそれくらい注意するさ」

上条「……だといいけど」

44: 2021/10/04(月) 17:46:00.064
―――

キョン「……寝具売り場は、暑いな」

上条「……確かに、布団ばっかりだからな。後は上条さんだけで決められるし、キョンは涼んでてもいいぞ」

キョン「いや、いい。俺が居ないと会計に移れないだろ?」

―――

黒子「あら、あらあら、二人で一緒にベッド! ベッドを見てますわよお姉さま!!」

美琴「……」

黒子「これはもうあの二人が恋人同士という何よりの証拠!! 同棲の下準備かもしれませんわねぇ!!
    まさか殿方にこのような趣味があろうとはw残念でしたわねお姉さま、でもご安心を! 黒子がいつでもお傍に居ます!」

美琴「……」

黒子「……お姉さま?」

        バチバチバチバチィィィッッ!!

―――

上条「んー……少し寝苦しいかもしれないけどこっちの安いのの方が……」

キョン「金は一方通行持ちだから、遠慮せずに高い物を選べばいいさ」

45: 2021/10/04(月) 17:47:16.937
―――

初春「一枚描き上がりました! あーさん、トーンお願いします!」

青ピ「りょうかーい、ミサカちゃんの方は?」

11801号「もう少しかかりそうです、とミサカは細部のペン入れをしながら答えます」

青ピ「インデックスちゃんベタ塗りどう? 進んどる?」

禁書「……」

青ピ「あちゃあ……氏んだ魚みたいな目になっとる」

11801号「……これは、禁書目録は横にしておいた方がいいのではないでしょうか、とミサカは提案します」

青ピ「せやなぁ。じゃあ初春ちゃん次のページの前にインデックスちゃん頼んだわ」

初春「はい!」

―――

禁書「……うう……」

スフィンクス「にゃー」

禁書「はだかの、とーまと、あくせられーたが……かおをあからめながら……」

スフィンクス「ふにー」

46: 2021/10/04(月) 17:48:43.538
―――

上条「ただいまー」

青ピ「おお、カミやんお帰り~」

11801号「早かったですね、とミサカは手元の原稿を隠します」

上条「まあ布団を買うだけだったしな……あれ、そっちの人は?」

11801号「ミサカの仕事仲間です、とミサカは上条当麻に伝えます」

青ピ「初春ちゃんっていうねんでー」

上条「……ったく、ただでさえ人が多いのにどうしてお前らはそうやって人を増やしたがるんだよ」

初春「あ、えっと、ごめんなさい……」

青ピ「ええてええて、カミやんああ言うてるけどホントはそんな嫌がってないし」

11801号「それよりもお昼はまだですか、とミサカは上条当麻に催促します」

上条「今日はキョンが作ってくれるってよ」

キョン「……あー、初春さん。素麺だけど、あんたも食べてくかい?」

青ピ「やっぱ優しいなぁキョンは。カミやんとは大違いや。食ってくやろ、初春ちゃん?」

初春「あ、じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」

48: 2021/10/04(月) 17:50:37.283
キョン「そろそろ茹であがるからテーブルの上を片付けておいてくれ」

青ピ「はいはーい。いやぁ、やっぱ暑い日は素麺に限るなぁ」

上条「もうすぐ涼しくなるだろうから、このメンバーで食べるのは今回くらいだろうな」

11801号「お望みとあらば来年までお世話になってもいいですが、とミサカは素麺が運ばれるのを待ちながら言います」

上条「はっはっは、丁重にお断りしておきますよ」

初春「これ、どれが誰のお箸ですか?」

一方通行「あァ? ……打ち止め、頼んだ」

打ち止め「えっとね、これがミサカので、これが上条当麻ので、これがあーさんの……」

一方通行「テメェら二人本当に働かねェな」

青ピ「働いたら負けやと思っとる」

一方通行「ハン、どうとでも言ってろ。今日の晩飯当番テメェらだからなァ」

青ピ「はぁ!? ちょ、そんなんあり!?」

11801号「……どうしましょうあーさん、とミサカは若干の焦りを隠しながら尋ねます」

青ピ「んー、まあ、なるようになるやろ」

49: 2021/10/04(月) 17:53:12.588
>>47
まじかよ
つーか一方通行パートつまんねえから除外して欲しい
というか一方通行いらないから氏んでいいよもう
本編は上条さん1人の主人公に戻してほしいわ

50: 2021/10/04(月) 17:54:56.306
キョン「それじゃあ手を合わせて」

       「「「「「「「いただきます!!」」」」」」」

青ピ「一番箸ぃー!」

11801号「ならばミサカは二番箸です、とミサカは素麺を掬いあげます」

初春「はい、打ち止めちゃん。どうぞ」

打ち止め「ありがとう、ってミサカはミサカはお礼を言ってみる!」

一方通行「……ったく、もっと静かに……ゲハッ!?」

上条「お、おいどうした一方通行!?」

一方通行「誰だ、俺のコーヒーカップに麺つゆ入れた奴はァッ!!!」

青ピ「だれやろなー、ふしぎやなー」

一方通行「……頃す」

青ピ「ちょ、目ぇマジは怖いって!! ジョーク! いっつ関西じょーく!! カミやんヘルプミー!」

上条「これは仕方ないな」

青ピ「見捨てんといてぇー!!」

52: 2021/10/04(月) 17:57:16.613
―――

初春「それじゃあ、ごちそうさまでしたー」

青ピ「ほなまたなー」

      バタン

上条「お前とやおい号の知り合いにしてはまともな子だったな」

一方通行「……あの趣味が無けりゃあ、な」

青ピ「……第一位、初春ちゃんはあの趣味だけやない。僕らよりもっと酷い趣味持ってんねん」

11801号「彼女は軽いものは純愛から始まり、重きは四肢切断からのカニバリズムや脳を弄っての洗脳および脳姦やスカルファックまで、手広くカバーしています。
      その趣味の悪さはミサカやあーさんを軽く超越してるでしょう、とミサカはお茶を飲みながらいいます」

青ピ「しかも重度の方が描いてて楽しい言うんやから重傷やろうなぁ」

一方通行「……」

上条「……人って、見た目じゃないんだな」

キョン「……特殊思考が過ぎると、大人になって苦労するぞ」

青ピ「まあ、根はいい子なんや」

11801号「はい、根はいい子なんです、とミサカは遅すぎるフォローを出します」

53: 2021/10/04(月) 18:01:22.465
上条「……さて、昼も食べたし……今日はこれから何しようかなぁ」

一方通行「布団はいつ届くンだ?」

上条「今日の二十時頃だってさ。……こう暑いと外に行くのも億劫だしなぁ」

青ピ「……そやなぁ、やったらやっぱゲームかなぁ」

上条「ゲームねぇ……一方通行、何かやりたいのあるか?」

一方通行「どンなのがあるンだ?」

打ち止め「パズルゲームならミサカ得意だよ、ってミサカはミサカはやる気満々で言ってみる!」

11801号「パズルゲームだと一方通行と上位個体の独壇場になりかねないのでもっと別なゲームにするべきです、とミサカは提案します」

上条「落ち物とか得意そうだもんな……じゃあ格ゲーとか?」

青ピ「格ゲーやる? でも格ゲーやと向き不向きあるしなぁ。
    つーかカミやんなんでSFやらKOFやらやなくてあえてのジャス学なん?」

上条「ほっとけ」

キョン「人生ゲームとかでいいんじゃないか? それ以外はルールを覚えるのが面倒だし」

上条「……キョンもやるのか?そういえばお前ゲーム得意だったよな」

キョン「多少の自信はある。とある部活動で暇つぶしにゲームばかりやっていたからな」

54: 2021/10/04(月) 18:04:37.718
上条「じゃあゲームは人生ゲームでいいな」

青ピ「ま、そうなるわな」

上条「でも、六人でやるとなると……チーム分けか」

キョン「最高プレイ人数が四人……二人組二つに二人か」

一方通行「いや、もっと面白いチームの分け方がある」

キョン「……ほう、それは?」

     ドタドタ

禁書「……うー……お腹すいたぁ」

青ピ「おお、インデックスちゃんおはよーさん。ご飯さんそこ置いてあんでー」

禁書「……うん」

一方通行「個人戦とチーム戦じゃあどうしても差が出る。だから当然、やるなら全員チームを作るべきだ。違うかァ?」

上条「つまり四チーム、八人でやるって事か」

キョン「……しかし、禁書目録を合わせても七人しか居ないが?」

一方通行「そこなら問題ねェ」

55: 2021/10/04(月) 18:05:49.706
―――

チームA 一方通行&禁書目録ペア

      禁書「あくせられーた、頑張ろうね!」

      一方通行「やるからには勝つぞ、インデックス」

チームB 打ち止め&キョンペア

      キョン「お前とか、これはまた珍しい」

      打ち止め「一番になろうね、ってミサカはミサカは熱意を表してみる!」

チームC 青ピ&11801号

      青ピ「……アミダくじなんに、まさか自分と当たるとはなぁ」

      11801号「非常に残念です、とミサカは肩を落とします」

チームD   上条当麻&スフィンクスペア

      上条「不幸だあああああああああああああああああああ!!!」

      スフィンクス「にゃー」

56: 2021/10/04(月) 18:06:48.084
――― 一方禁書組

青ピ「先に言っとくけど、乱数調整は無しやでー」

一方通行「ったく、ンな面倒な事するかよ」

禁書「どっちがルーレット回そっか?」

一方通行「……俺が回すとあの青馬鹿が騒ぐだろうから、テメェが全部回せ。
       マスごとのイベントに関しては俺が全部決めるから」

禁書「分かったんだよ! それ!!」

       6

一方通行「……ふゥン、まァまァだな」

禁書「よくもなく、悪くもなく、だね」

一方通行「……買わない」

禁書「了解なんだよ!」

―――

青ピ「安定してんなぁ、あの二人」

キョン「……チームとしては理想的かもしれないな。二人の役割分担がしっかりしてる」

57: 2021/10/04(月) 18:08:01.679
――― 打ち止めキョン組

打ち止め「ミサカがルーレット回すね、ってミサカはミサカは言いつつボタンを押してみる!」

キョン「ああ。じゃあ俺達は一回ずつ交代にするか」

打ち止め「分かった、ってミサカはミサカは頷いてみる!!」

キョン「それじゃあ、最初は頼んだぞ」

打ち止め「任せて、ってミサカはミサカは選択肢を選びながら言ってみる!!」

―――

青ピ「なんや、お父さんと子どもがゲームしてるみたいやなぁ」

11801号「このやり方なら進行速度も内容も、どちらか片方のせいって事になりませんからね。
      勝っても負けてもお互いが同じだけ関係していますからね、とミサカは解説を加えます」

一方通行「ンなの弱い奴の言い訳だろォが。絶対強者ってのはなァ、何が起ころうと勝つようになってンだよ」

青ピ「あらぁ、さすが第一位。言う事が大胆やわぁ」

58: 2021/10/04(月) 18:09:09.581
――― 青ピやおい号組

青ピ「ほな、まずは僕から……」

11801号「待って下さいあーさん、最初はミサカがルーレットを回します、とミサカはコントローラを掴んで自己主張します」

青ピ「……あんなぁ、ミサカちゃん。この手のゲームは一手目が大事なん、分かる?」

11801号「重々承知の上です。その上で提案しています、とミサカはあーさんを睨みながらコントローラを引っ張ります」

青ピ「ミサカちゃん強情やねぇ、もっと大人しい方が男受けええと思うよ?」

11801号「あーさん、レディファーストは紳士の嗜みですよ、とミサカはあ―さんに食い付きます」

―――

一方通行「見事にバラバラだなァ」

打ち止め「譲り合いの精神が大切だよね、ってミサカはミサカは二人を見ながら言ってみる」

上条「コントローラー壊すなよー」

スフィンクス「にゃー」

キョン「……同じタイプの人間といっても、こういう時は不便だな」

禁書「だね。こういう時は真逆がいいのかな?」

59: 2021/10/04(月) 18:09:55.481
――― 上条スフィンクス組

青ピ「カミやん、スフィンクスの脚引っ張らんようになー」

上条「……ルーレット回して」

11801号「まずは話し合いでどちらがルーレットを回すか決めるべきです、とミサカはアドバイスをします」

上条「……」

上条「えー、スフィンクス……ルーレット回す?」

スフィンクス「にゃー」

上条「は、はっはっは、じゃあ上条さんがルーレット回しますねー。それー」

        1

上条「うわぁ、一出しちゃったぁー、ごめんな、スフィンクスー」

スフィンクス「……」

上条「……不幸だ……」

―――

キョン「……頑張るな、アイツも」

一方通行「お前ら笑いすぎて呼吸困難とかになるなよォ?」

60: 2021/10/04(月) 18:11:08.712
      途中一位    一方禁書組
      途中二位    青ピやおい号組
      途中三位    打ち止めキョン組
      途中四位    上条スフィンクス組

――― 上条スフィンクス組

青ピ「カミやんそろそろ一マス下がる地獄から抜け出してえやー」

上条「うるさい! 俺だって頑張ってるんだよ!!」

キョン「……ここまで一続きとは……ネコがルーレットを回した方がいいんじゃないのか?」

11801号「グッドアイデアです、とミサカは口元を隠しながら笑います」

上条「……スフィンクス、回すか?」

スフィンクス「にゃー」

                  ポチッ
          10

上条「……」

スフィンクス「にゃー」

上条「は、ははは……凄いなぁスフィンクスは、ルーレット回せるなんてなぁ……はは、ははは」

上条「何も全員で大笑いしなくてもいいんじゃないですかねぇ!?
    普段は顔色一つ変えないキョンまで笑いこらえるのに必氏だし!! あーもう、不幸だあああああああああああああああああああ!!!!!」

61: 2021/10/04(月) 18:11:56.595
禁書「とーまの不幸は今日も絶好調だね!」

一方通行「ききかかか、猫にも劣るたァテメェの事だなァ!!! けけかかかききっかかか!!!!」

青ピ「カミやんに笑いの神様降りてきた!!
    カミやん今めっちゃ輝いてる、カミやん今めっちゃ輝いてんでー!!!」

キョン「……ははは、まさか、ネコの方が先に大きな数字を出すなんてな」

上条「笑いたければ笑えばいいさ。上条さんもうそういうの慣れっこですからね」

スフィンクス「にゃー」

上条「よし、スフィンクス。次はどうするか作戦会議だ!!!」

打ち止め「吹っ切れたみたいだね、とミサカはミサカは呼吸を整えながら11801号に言ってみる」

11801号「見事に吹っ切れましたね、とミサカは笑いをこらえながら上位個体に言います」

上条「頼んだぞ、スフィンクス!!」

スフィンクス「……」

           トテトテトテ

上条「…………まさか、スフィンクスにまで見捨てられるとは」

上条「せっかく作戦会議を開いたってのにいざとなったらスフィンクスどっかに行ってるし!! なんなんですかこの流れ!!!
    『残念ながら上条さんの不幸はまだまだ続くよ!』っていう神様の茶目っ気たっぷりないきな計らいですかねぇ、これは!? 笑いたきゃ笑え!!!!」

62: 2021/10/04(月) 18:13:11.462
青ピ「あー、もう駄目、あかん、カミやん面白すぎや!!」

11801号「勝負結果がどうであれ今日のMVPは上条当麻で揺るぎなさそうですね、とミサカはなんとか体制を立て直しながら言います」

禁書「スフィンクスよく頑張ったねー、いい子いい子」

スフィンクス「にゃー」

キョン「……っ、……っ!!」

青ピ「あかん、キョンが声出せんほど笑っとる」

打ち止め「二人の相性はバッチリだったね、ってミサカはミサカは涙を拭きながら言ってみる!!」

一方通行「……はァ、わ、笑いすぎで氏ぬかと思った……」

11801号「学園都市第一位の氏因が笑いすぎっていうのも面白いかもしれませんね、とミサカはぼそりと呟きます」

キョン「こ、これは、今のは、すごかった……」

打ち止め「大丈夫? ってミサカはミサカはキョンの涙をハンカチで拭きながら聞いてみる」

キョン「ああ、大丈夫だ……しかし、こんなに笑ったのは久しぶりかもな」

上条「…………穴があったら入りたい……」

63: 2021/10/04(月) 18:14:01.085
―――最終結果

        一位 一方禁書組
        二位 打ち止めキョン組
        三位 青ピやおい号組

        上条スフィンクス組……一マス戻る地獄に再びはまりゴールに到達できずに再起不能(リタイア)

―――

一方通行「ま、当然の結果だな」

青ピ「結果的にはこうなったけど、ぼかぁ今回はカミやん独り勝ちやと思うわぁ」

キョン「まさかゴールにたどり着けないとは」

打ち止め「一だけを出し続けるなんて逆に凄いよ、ってミサカはミサカはフォローしてみる!」

禁書「捉え方によってはもの凄い幸運かも!」

11801号「場所が場所なら相応の評価を受けていたでしょう、とミサカも遅ればせながらフォローを試みます」

上条「……いっその事まったく触れずに放っておいてくれると上条さん的には助かるんですが……」

青ピ「いやぁ、カミやんこれは誇るべき美徳として末代まで語るべきやって」

スフィンクス「にゃー」

上条「……スフィンクスさえ俺を裏切らなけりゃあ勝ちの目もあったのに……」

64: 2021/10/04(月) 18:14:34.521
―――

青ピ「さて、僕らが今日のご飯当番らしいんやけど……一つええかな、ミサカちゃん」

11801号「なんでしょう、とミサカはエプロンを着ながら答えます」

青ピ「ミサカちゃんて料理得意?」

11801号「ミサカは一般雑務はすべてこなせるように作ってあります、とミサカはヘアゴムで髪を纏めながら答えます」

青ピ「ホンマ!? ほなら」

11801号「しかし、だからと言って料理が得意というわけではありません」

青ピ「は?」

11801号「ミサカ達の行う料理とは、『栄養を効率よく吸収するため』に行うもの。そのため味を重視した物ではありません、とミサカは釘を刺します」

青ピ「……あー、ミサカちゃん」

11801号「はい、なんでしょう?」

青ピ「得意料理は?」

11801号「脂肪分と糖分が一度に摂取できる、角砂糖の油炒めです、とミサカは胸を張ります」

青ピ「カミやーん、今日のご飯出前でもええかなぁ?」

65: 2021/10/04(月) 18:15:10.639
上条「なに甘えた事言ってんだ」

青ピ「だって、僕とミサカちゃんだけやったら最悪氏人出んでぇ!?」

上条「レシピを見てその通りにつくればいいだろ」

青ピ「ふっふっふ、甘いなぁ、カミやん。今まで隠しとったけどな、ぼかぁ地味好きちゃん並に料理下手やねん」

上条「地味好きっていうと……ああ、あのライトノベルの」

青ピ「そう。普通に料理して化学反応で肉じゃが内に青酸カリが発生するレベルや。
   どやろカミやん、時々は出前もええと思うけどなぁ」

11801号「さて、何を作りましょう、とミサカは冷蔵庫を漁ります」

上条「やおい号はやる気満々みたいだし、俺達を殺さない程度に頑張ってくれ」

青ピ「ええー、めんどいー」

上条「やっぱりそれか。大体おかしいでしょう? レシピ見てたら殺人料理なんてありえませんって。ほら、とっとと作れ」

青ピ「ふーんだ、カミやんの意地悪! よっしゃミサカちゃん、いっちょ皆の度肝抜く料理作ろか!!」

11801号「腕が鳴りますね、とミサカは角砂糖と油を取り出しながら答えます」

青ピ「お、ミサカちゃん得意料理で攻める気ぃ? じゃあ僕は……まず金ダワシを一口大に切って……」

上条「……やっぱ俺が作るべきかも」

66: 2021/10/04(月) 18:15:46.739
青ピ「なんやかんや言いながら手伝ってくれんねんもんなぁ。僕カミやんのそういうとこ好きやわぁ」

上条「お前ら二人が材料用意するの見てるだけで冗談抜きで命の危機を感じたからな」

11801号「失礼な。ミサカは必要栄養素を確実に摂取でき、なおかつ栄養吸収効率が上がるという健康的な角砂糖とスポーツドリンクの油炒めを作ろうと」

上条「それがまずおかしいんだよ。これだけ材料があってなんであえてその三つで戦おうとしますかねぇ。
    やおい号はとりあえず米を炊いててくれ」

11801号「……分かりました、とミサカはしぶしぶ承諾します」

青ピ「なぁなぁカミやん。僕何すればいい?」

上条「そうだなぁ、米を炊くから何か手軽で米にあう物を作りたいな」

青ピ「米にあう言うと……たこわさとか、もろきゅうとか?」

上条「何処の居酒屋さんですか」

11801号「……糖分の素早い変化と消化を促すには……最初からある程度消化酵素を混ぜておいて……」

上条「やおい号、米は水で洗って水で炊けよ」

11801号「……分かりました、とミサカはがっくりと肩を落とします」

青ピ「んでカミやん、僕は金ダワシを幾つに切ればええのん?」

上条「お前が一人で食ってろ」

67: 2021/10/04(月) 18:17:20.044
キョン「……アイツも面倒見がいいな。なんだかんだ言いながらキチンとあの二人も相手してるし」

打ち止め「面倒見が悪かったらミサカ達はとっくに追い出されてるよ、ってミサカはミサカはキョンの膝の上で言ってみる!」

一方通行「余計な事まで手ェ出し過ぎなンだよ、三下の野郎はよォ」

禁書「不幸だー、っていいながら自分から問題に飛び込んでいくもんね」

キョン「まぁ、そんな性格だからここまで人に頼られるんだろうけどな」

―――

上条「炊いてる途中に炊飯器のフタ開けて何する気だ!?」

11801号「酢を入れるとおいしくなるのではないかと」

青ピ「おお、ミサカちゃんナイスアイデア!! 僕酢飯て結構好きなんや~。じゃんじゃん投入しよ、じゃんじゃん!!」

11801号「はい、じゃんじゃん入れますね、とミサカは酢を片手に」

上条「おいバカやめろ!!」

―――

キョン「……食べられるものが出てくればいいがな」

一方通行「……電話帳用意しとけ」

禁書「分かったんだよ」

68: 2021/10/04(月) 18:18:19.394
上条「ったく、なんでそうやって変にアレンジしたがるんだ!? レシピどおりに作れば不味くならないんだって!」

青ピ「駄目やなぁカミやん、今は個性を尊重する時代やねんで」

11801号「料理一つとってもそれは同じなんですよ、とミサカは酢とみりんを両手に持って」

上条「増やすな!!」

青ピ「ほんでカミやん、今日のおかずなんにする?」

11801号「ミサカも手伝いますよ、とミサカは一旦酢とみりんを置いて上条当麻に向き直ります」

上条「……『一旦』ねぇ」

青ピ「あ、カミやん僕今日肉食べたい!」

上条「じゃあ、肉野菜炒めでいいか」

青ピ「んで、材料の方は?」

上条「そうだな、肉、もやし、玉ねぎ、人参、キャベツ……それと」

11801号「スポーツドリンクですよね、とミサカは分かり切った事を確認します」

青ピ「あと砥石もかな?」

上条「スポーツドリンクと砥石をなんに使うんだよ!!」

69: 2021/10/04(月) 18:18:55.165
一方通行「おい」

青ピ「おお、第一位。なんやぁ? コーヒーかぁ?」

一方通行「テメェら二人向こうで寝てろ。後は俺と三下が作る」

11801号「しかしそれでは、とミサカは酢とみりんの方を見ます」

一方通行「酢飯っつーのはなァ、炊き上がった飯に酢を混ぜンだよ、バーカ」

11801号「……ですが早く混ぜた方が味がしみ込んで良いのではないでしょうか、とミサカは一方通行に尋ねます」

青ピ「そやそや、早い方が何かと便利やろ!」

一方通行「ンで、何作ンだァ?」

上条「肉野菜炒めだから……そうだな、人参と玉ねぎの皮むき頼めるか?」

一方通行「はいはい。他のは?」

上条「俺がやっとく」

青ピ「あらぁ、二人とも無視は酷くない?」

―――

11801号「とうとう追い出されてしまいました……何が間違っていたんでしょうか、とミサカはあーさんに尋ねます」

青ピ「……んー、たぶん、第一位酢飯嫌いなんちゃうん?」

70: 2021/10/04(月) 18:19:57.369
青ピ「というわけで」

11801号「追い返されたのでこちらに来ました、とミサカは三人に現状を伝えます」

キョン「……まあ、当然そうなるだろうな」

青ピ「残念やわぁ、僕の料理で皆のほっぺた落としたろ思っとったんに。なぁ?」

11801号「はい、残念です、とミサカはあーさんに同意します」

禁書「さすがにあの材料でほっぺたが落ちる事はないかも」

打ち止め「もしかしたらほっぺたが腐って落ちる事になってたぞって意味かも、ってミサカはミサカは説明してみる!」

キョン「それはそれで面白いかもしれんな」

青ピ「リアルこぶとり爺さんやな、そらそれでええかも、なぁミサカちゃん?」

11801号「……」

青ピ「ミサカちゃん?」

11801号(今気付きましたが……今、キッチンでは、エプロン姿の上条当麻と一方通行が二人並んで……)

青ピ「なんやいきなり鼻血流して」

キョン「……あー、血は布に付くと落ちにくいから、気を付けるんだぞ」

71: 2021/10/04(月) 18:20:44.775
―――

上条「ほら、出来たぞー」

一方通行「……なンだァ? 鼻血なンか流して、気色悪ィ」

11801号「いえいえ、ごちそうさまでした、とミサカは二人に心の底から感謝します」

一方通行「……コイツ何言ってンだ?」

上条「さぁ。やおいの発想が理解できないのは俺も一緒だからな」

打ち止め「今日はいつにもまして山盛りだね、ってミサカはミサカはお皿に盛られた料理を見ながらはしゃいでみる!!」

キョン「いくらなんでもこれは多すぎないか?」

上条「ああ、残りは明日の昼ごはんにするつもりだ」

禁書「……これは、全部食べ切るしかないんだよ」

青ピ「せやなぁ。手抜きはあかんでカミやん、昼は昼でちゃんと作らな!」

上条「ったく、人の苦労も知らないで……」

一方通行「どォでもいいから、冷める前に食うぞ」

打ち止め「はーい、ってミサカはミサカは元気いっぱい!!」

      「「「「「「「いただきます」」」」」」」

72: 2021/10/04(月) 18:21:41.562
―――

青ピ「これがカミやんのおニューの布団? 僕も買うてもらえばよかったなぁ。これやと僕だけソファやん」

一方通行「テメェの分は自腹で買って来い」

青ピ「えー、なんやそれ! 僕の分は買うてくれへんの!? 意外とケチやなぁ、第一位」

上条「今だってタダ飯タダ住まいの癖にお前どこまでずうずうしいんだよ。
    あー、でも、この柔らかく包み込まれる感じ……これからは筋肉痛に悩まされずに済みそうだ」

        ガラガラ

打ち止め「お風呂あがったよー、ってミサカはミサカは11801号に頭を拭かれながら男性陣に伝えてみる!!」

11801号「お湯の張り直しは十三分二十三秒後に終わる予定です、とミサカは上位個体の髪を拭きながら言います」

一方通行「あァ、分かった」

打ち止め「あ、新しい布団だ! ってミサカはミサカは勢いよくダーイブ!!」

11801号「これは確かに寝心地が良さそうですね、とミサカも上位個体に続いて布団にもぐりこみます」

上条「飛びこむな!! 潜り込むな!! この布団は俺一人でいっぱいいっぱいなんだよ!!」

禁書「……うずうず」

キョン「ほら、まだ動くんじゃない。髪をきちんと拭いておかないと髪が傷むぞ」

禁書「……うー、分かったんだよ……」

74: 2021/10/04(月) 18:22:50.421
打ち止め「ふかふかだね、ってミサカはミサカは枕に顔をうずめながら布団の外の禁書目録に言ってみる!」

禁書「確かに、これはとうまのベッドよりもふかふかかも」

11801号「新品の布団の寝心地こそ、最高の寝心地ですからね、とミサカは布団にもぐりこんだままの状態で禁書目録に言います」

一方通行「だがよォ、あンなショボイ布団で良かったのかァ? それなりの金は渡してただろォが」

キョン「俺もそれは思ったんだが、上条が頑なに安いものでいいと言いはってな」

上条「……そう言われてもなぁ、金は使わないに越した事はないだろ?」

一方通行「貧乏が骨まで染み込ンでるっつーのはテメェの事を言うんだろうなァ。金渡された時は遠慮なく使えばいいンだよ」

上条「……そんなもんなのか?」

青ピ「そうそう、使わんでも使った事にして懐に入れとけばええんに」

上条「それは人として間違ってるだろ」

11801号「……なんだか睡魔が……」

打ち止め「……ふぁー……ってミサカはミサカは大きく欠伸して……おやすみなさい……」

上条「って、そっちはなんで上条さんの布団で寝始めてるんですかねぇ!?」

75: 2021/10/04(月) 18:24:29.027
一方通行「……フン」

          どすっ

11801号「ぐぇ、とミサカは背中をいきなり踏まれて潰れたカエルのような声を出します」

一方通行「おい、眠いンならテメェらの部屋で寝ろ。この布団は三下のだ」

打ち止め「……うん、分かった、ってミサカはミサカは目をこすりながら答えてみる……」

11801号「何故ミサカに対しては足なのに上位個体には優しく声をかけるだけなんでしょう、とミサカは一方通行に疑問を投げかけ……
      背骨を踵でぐりぐりするのはやめてください、とミサカは一方通行に懇願します」

一方通行「おい、インデックス。コイツ頼ンだ」

禁書「はーい。らすとおーだー、動ける?」

打ち止め「うん、ってミサカはミサカは禁書も……ふぁ……くろくに欠伸交じりに答えてみる」

11801号「布団から抜け出したいので足をどけてもらえると助かるのですが、とミサカは踏まれた状態からなんとか上体だけを起こして一方通行に頼みます」

一方通行「……」

        スッ

11801号「ありがとうございます、これで安眠できます、とミサカはもう一度布団の中に潜り込んで……」

        どすっ

11801号「すみません、すぐに出るので踏むのはやめてください、とミサカは踏まれた状態で再び一方通行に懇願します」

76: 2021/10/04(月) 18:25:47.767
青ピ「そや、カミやん何処で寝る?」

上条「んん? そうだな……布団動かすのも面倒だし、ここでいいか」

一方通行「お前もここで寝るのかよ」

上条「仕方ないだろ。ここ以外だと風呂場と玄関くらいしかないんだし」

キョン「じゃあ、俺も今日はそろそろ寝る。明日も早い事だし」

11801号「それではミサカもそろそろふざけるのをやめて寝ます、とミサカは背中の踏まれていた部分を押さえながら言います」

青ピ「ん? なんやミサカちゃん、今日はえらい早寝やなぁ」

11801号「早寝も何も、明日は朝から初春飾利と会う予定でしょう? とミサカはあーさんに確認します」

青ピ「ああ、そういえばそやったなぁ。そか、明日かぁ……カミやん明日暇ぁ?」

上条「暇だけど……なんだよ急に」

青ピ「いやな、明日僕らの買い物手伝ってくれへんかなぁ思て」

上条「やおい号とお前と初春さんで買い物って、嫌な予感しかしないんだが」

青ピ「ほな頼んだなー、僕お風呂いただいてくるわ」

11801号「それでは上条当麻、明日はよろしくお願いします、とミサカは答えを聞かずに立ち去ります」

上条「少しは人の意見を聞こうとしろよ!!」

77: 2021/10/04(月) 18:26:56.801
―――

一方通行「……ンン」

青ピ「おお、第一位おはようさん」

一方通行「……今何時だァ?」

青ピ「もうそろそろ八時くらいかなー」

一方通行「……寝過ごしたか。飯は?」

青ピ「それがなぁ、カミやんまだ寝ててなんもないねん」

一方通行「……」

キョン「ぐっすり寝てるのを起こすのも申し訳ないからな」

一方通行「……テメェらが作ろうとかはねェのかよ」

キョン「……朝はどうも弱くてな、何もやる気にならんのだ」

一方通行「それは誰でも一緒だ」

青ピ「……よっしゃ、ほなら僕がやるしか」

一方通行「ったく、なンで朝から俺が料理なンか……」

青ピ「あ、あらー? 第一位さんってばなんで僕が作る言うたらなんでそんなすぐに動き出すん?」

78: 2021/10/04(月) 18:27:56.894
―――

禁書「おはよー」

キョン「おう。……他の二人は?」

禁書「もう少し寝てるって。……あれ、とうまは?」

青ピ「まだ寝てる」

禁書「……」

上条「……くかー……」

       ガブッ!!

上条「痛たたたたたたた!!!!! ええ、な、何事!?」

禁書「おはよう、とうま。よく眠れた?」

上条「……噛みつかれるまではぐっすり眠ってたんだけどな」

禁書「それは朝ご飯が無かったから仕方なかったんだよ」

上条「仕方なかったって、それはアレか!? 『朝ご飯が無かったから朝ごはんのかわりに上条さんを食べる(文字どおりの意味で)』って事ですかね!?」

禁書「それも仕方ない事かも」

上条「仕方ないで食われてたまるか!!!」

80: 2021/10/04(月) 18:28:57.767
一方通行「ったく、朝っぱらから騒々しいンだよ、おめえは」

禁書「ハッ……これはご飯の匂い!!」

上条「おお、一方通行。おはよう」

一方通行「なァにが『おはよう』だ。人の迷惑も知らないでいつまでもグースカ惰眠を貪ってたくせによォ」

青ピ「第一位ご飯出来たん?」

一方通行「あァ。有り合わせで作ったなンの工夫もねェサンドイッチだがなァ」

上条「あー……悪いな」

一方通行「悪いと思ってンなら寝坊すンな」

上条「う、ご、ごめんなさい」

一方通行「おい、キョン、コーヒーだ」

キョン「ああ、すまんな」

一方通行「インデックス、飯が食いたけりゃあの馬鹿二人起こしてこい」

禁書「了解なんだよ!」

81: 2021/10/04(月) 18:29:39.943
打ち止め「おはよー、ってミサカはミサカは元気よく朝の挨拶をしてみる!!」

11801号「おはようございます、とミサカもつられて挨拶します」

一方通行「黙って座れ、飯にすンぞ」

打ち止め「はーい、ってミサカはミサカは返事を返して席に着く!」

禁書「今日も洋食だったから明日は和食だよね、とうま!」

上条「はいはい、しかし悪かったな、一方通行」

一方通行「俺は自分の腹が減ったから作っただけだ」

キョン「なるほど、これがツンデレというやつか」

青ピ「そ、これがツンデレや」

11801号「紛う事無きツンデレです、とミサカは手元の牛乳を注ぎながら同調します」

一方通行「……テメェら喧嘩売ってンのかァ?」

打ち止め「駄目だよ、ご飯の前に喧嘩しちゃ、ってミサカはミサカは貴方を止めてみる」

11801号「それでは皆さん、手を合わせてください、と今日はミサカが音頭をとります」

      「「「「「「「いただきます」」」」」」」

82: 2021/10/04(月) 18:30:12.829
―――

青ピ「さてカミやん、そろそろ出かけよかー」

上条「……拒否権は?」

11801号「ありません、とミサカは即答します」

上条「はいはい、分かったよ、俺も行きゃあいいんだろ。……それより」

青ピ「ん? どした?」

上条「なんでやおい号は眼鏡かけてるんだ? 目が悪いのか?」

11801号「目は悪くありません、これは言うなればファッション眼鏡です、とミサカは伊達眼鏡の位置をずらしながら答えます」

上条「ファッション眼鏡ねぇ……」

青ピ「もう質問ないか、カミやん? 無いんやったらそろそろ出発したいねんけど」

上条「いくらなんでも早すぎないか?」

11801号「早くついておくのが待ち合わせのマナーです、とミサカは上条当麻を急かします」

青ピ「よし、質問タイム終わりー。出発やー」

83: 2021/10/04(月) 18:30:44.201
青ピ「さて待ち合わせ場所についたわけやけど」

上条「何時集合なんだ?」

11801号「一応十一時にこの場所集合という事になっています、とミサカは今日の日程を確認します」

上条「まだ三十分もあるじゃねーか」

青ピ「だいじょぶだいじょぶ、たぶんその辺に……ほら、おったおった、おーい」

初春「あ、どーもー」

青ピ「なー? 早めに来て正解やったろ?」

上条「……なんでお前はこういう所だけは気が回るかなぁ」

初春「皆さん早いですね。もう少しかかるかと思ってたんですけど」

11801号「いつも待たせてばかりなので今日は急いでみました、とミサカは胸を張ります」

初春「上条さんも、今日はよろしくお願いします」

上条「……そういえば、俺は今日は何をすればいいんだ?」

青ピ「んー? ああ、早いうちに買い物して、買ったもんカミやんちに持って帰ってもらおう思ってなぁ」

上条「つまり荷物持ちか」

11801号「そういう事です、とミサカは肯定します」

84: 2021/10/04(月) 18:31:34.701
―――

一方通行「……暇だ」

禁書「この時間だとテレビも面白いものやってないもんね」

一方通行「なに時間潰すかなァ」

打ち止め「じゃあミサカ、ゲームがしたいな、ってミサカはミサカはゲーム機を出しながら言ってみる!」

キョン「……しかし、人生ゲームは昨日やったしな」

一方通行「おいインデックス、何か分かりやすくて面白いゲームねェのか?」

禁書「そうだねぇ……えっと……あ、これがいいかも!!」

キョン「それは?」

禁書「すまぶらだよ!!」

打ち止め「スマブラ? ってミサカはミサカはオウム返し」

一方通行「やってみりゃァ分かンだろ。ンで、どのハード使うンだァ?」

禁書「えっと、コントローラーはこれで、本体はこれで」

85: 2021/10/04(月) 18:32:23.399
一方通行「ンで? こいつはどンなゲームなンだ?」

禁書「えっとね、ボタンを操作して、戦うんだよ!!」

キョン「……分かりやすいのか……分かりにくいのか……」

禁書「とにかく、やってみるのが一番かも!!」

打ち止め「それもそうだね、ってミサカはミサカはコントローラを握ってみる!」

禁書「まずはキャラクターを選ぶんだよ」

一方通行「どいつでもいいのか? ……じゃあ俺はコイツだな」

キョン「……ふむ」

打ち止め「じゃあミサカはこの可愛いのにする、ってミサカはミサカは選んでみる!」

―――

一方通行「ハァッ!? な、なンで俺のキャラクターが食われてンだよ!!」

禁書「それがこの子の能力かも! そしてすかさずコピーだよ!!」

打ち止め「ああ、なんで寝ちゃうの!? ってミサカはミサカは自分のキャラクターをなんとか起こそうとしてみる」

キョン(……指が疲れる)

86: 2021/10/04(月) 18:32:55.240
―――

青ピ「さて、昼前後の買い物はこんなもんかな?」

上条「思ったよりも大した荷物じゃないんだな。量も、中身も」

初春「あはは、本格的に荷物の量が多くなるのはこれからですからね」

11801号「これはいわば前哨戦に過ぎません、とミサカは意味深な笑みを見せます」

青ピ「そやでー、カミやん。カミやん帰ったらそっからは大人の時間やからなぁ」

上条「……午前中だけでよかった……」

青ピ「あ、そや、カミやんなんか食う? 午前中付き合わせたお礼分くらいなら奢るで」

上条「へぇ、珍しいな。お前が奢るなんて……そうだな、じゃあ」

青ピ「よし、チョコソフトクリームなー。初春ちゃんも一緒でええやろ?」

上条「聞いてねえし!!」

初春「あ、はい。お願いします」

青ピ「よっしゃ、じゃあ二人で荷物番頼んだな。行くでミサカちゃん」

11801号「了解です、とミサカは持っていた荷物を上条当麻に預けてあーさんについていきます」

上条「しかも行っちまったし……」

87: 2021/10/04(月) 18:34:19.322
美琴「だいたいアイツもアイツよ!!!! なんであんな冴えない男なんかと!!」

黒子「まあまあ、お姉さま、堪えて堪えて。……ってあら? あれは……」

美琴「なによ!?」

―――

上条「えっと、初春さん、だっけ」

初春「はい?」

上条「ちょっと気になるんだけど……アイツらとは一体どういった経緯で知り合ったの?」

初春「アイツらっていうと、御坂さんの妹さんとあーさんですか?」

上条「そうそう。そいつら」

―――

美琴「……」

黒子「……あらあら、昨日の今日で」

美琴「……」

黒子「しかも今日は初春ですの? 手が早いというか、守備範囲が広いというか」

88: 2021/10/04(月) 18:35:24.382
初春「えっと、御坂さんの妹さんとはその手のイベントでたまたま出会って。
    あーさんとは御坂さんの妹さん経由で一週間くらい前に知り合ったんです」

上条「……つまり、やおい号……御坂妹の知り合いだったわけか」

初春「やおい号、ですか?」

上条「ああ、えっと、ほら、番号が11801だからやおい号って呼んでて」

初春「……11801……」

上条(あ、あれ……? 話がまったく繋がってない……)

上条「え、えっと初春さん……その、つかぬ事をお聞きしますが、御坂妹の事をどこまでご存知で?」

初春「……えっと、その、恥ずかしながら、御坂さんの妹さんなんだなぁって事と、同じ趣味持ってるんだなぁってくらいでその他は何も。
    妹さんが話したくなったら話してくれるかなぁって期待してるんですけど、進展なしで」

上条(……つまり御坂妹については何も知らないわけか)

初春「あ、そう言えば昨日の打ち止めちゃんって子も御坂さんの妹さんなんですよね。御坂さん、何人姉妹なんだろう?

上条「あー、初春さん、それは、その」

美琴「ちぇえええええええええりゃあああああああああああああああああああ!!!!」

         ボゴォッ!!

上条「はいぃッ!?」

89: 2021/10/04(月) 18:36:37.566
上条「な、なんだ!? 何が起こった!?」

初春「御坂さん!? 一体なにを……」

美琴「……昨日はあのモブ男、今日は初春さん、いい度胸してるじゃない、アンタ!」

       バチバチィ!

上条「……えっと、御坂さん、何をそんなに怒ってらっしゃるのでしょうか……?」

美琴「さぁて、どうしてかしら?」

               バチバチバチバチィィィッッ!!

上条「……は、はは。……初春さん」

初春「はい?」

上条「……荷物、お願いします」

初春「えっと……はい」

美琴「氏ねええええええええええええええええええええ!!!!!」

上条「不幸だぁぁぁ――――――――!!!!!」

90: 2021/10/04(月) 18:37:36.175
打ち止め「ようやくつかめた、ってミサカはミサカは目を光らせてみる!」

一方通行「……見えた、これだァッ!!!」

<PKサンダー!!
              バチバチィィッ

禁書「ら、落下したはずのあくせられーたが、帰ってきた!?」

一方通行「落下しない。これぞ、このゲームにおける最強の戦い方ってなァ!!!」

打ち止め「ふふん、余所見は禁物だよ、ってミサカはミサカは禁書目録のキャラクターに近付いて……」

           ドガァァァァァーーーーーーン!!

禁書「えええええ!? な、なんで!?」

打ち止め「このキャラクターが眠っちゃうのは攻撃の予備動作にすぎない。
       ミサカのミサカのキャラクターの軸と他のキャラクターの軸の接触率からダメージが換算されてるんだ、ってミサカはミサカは説明してみる!」

禁書「そ、そんな……『ねむる』にそんな秘密が……」

キョン「それじゃあ俺は少し出かけてくるな」

打ち止め「いってらっしゃい、ってミサカはミサカはキョンに」

一方通行「きっききききかくかかかか!! 余所見は禁物だぜェー?」

打ち止め「わ、わわわわわ! 危ない危ない、ってミサカはミサカはジャンプで華麗にかわしてみる!」

91: 2021/10/04(月) 18:38:22.750
―――

黒子「はいはい、そこまでです。……お姉さま、時には話し合いも必要ですわよ」

美琴「話し合いも何も、乙女の敵は地獄に叩き落とす、これが最善策でしょうが!!!!」

上条「乙女の敵って、上条さんそんな存在になった覚えないんですが!?」

黒子「……と、言われましてもねぇ。私にも風紀委員としての務めというものがありまして」

青ピ「まぁ、カミやんやったら乙女の敵認定されてもしょうがないわなぁ」

11801号「むしろなるべくしてなったという方が的を射ているでしょう、とミサカはソフトクリームを食べながらあーさんに話しかけます」

初春「あ、あーさん、妹さん!!」

美琴「妹? ……な、なんでアンタがここに!?」

11801号「……ミサカは用事を思い出しました、とミサカはお姉さまに背を向けて歩きだします」

美琴「ちょっと待ってよ! なんでアンタと、アイツと、初春さんが知り合いなの!? アンタとアイツが知り合いなのは分かるけど、なんで初春さんが!?」

青ピ「なんやおもろい事になってきたなぁ。なぁ、ミサカちゃん?」

11801号「離して下さい、ミサカはまだ氏にたくないです、とミサカはミサカの肩を掴むあーさんの手を振りほどこうとします」

92: 2021/10/04(月) 18:39:17.704
黒子「さて、冷たい物を食べて落ち着きましたか? お姉さま」

美琴「……それなりに」

上条(……俺のソフトクリーム……不幸だ……)

初春「上条さん、怪我は……」

上条「ん、まぁ……」

青ピ「頑丈なだけが取り柄です!!」

上条「お母さんありがとう!! じゃなくて、大丈夫だよ。こんなのもう慣れっこだしな」

青ピ「おお、さすがカミやん。こんな状況でもノってくれるんは嬉しいなぁ」

11801号「条件反射とも言えるほどの完璧なタイミングでしたね、とミサカは昨日見たエアマスターを思い出しながら感嘆します」

初春「それならいいんですけど……」

美琴「……それで、アンタたち何やってたのよ」

黒子「それは私としても気になる所ですの。
    お姉さまそっくりな方と、上条さん、そして初春。ここまで関係が気になる組み合わせというのもそうそうありませんからねぇ」

青ピ「……あら、僕もしかして蚊帳の外?」

93: 2021/10/04(月) 18:40:14.984
美琴「それで、アンタら二人と初春さんはどういう関係で、三人でなにしてたの?」

青ピ「うっわ、三人て、マジで僕アウトオブ眼中やん。お兄ちゃん悲しいわー」

11801号「ミサカと初春飾利は友人で、一緒に買い物をしていただけです、とミサカは簡潔に答えます」

上条「俺はその付き添いで、荷物持ちをさせられてたってわけ」

美琴「……アンタと初春さんが友達って……ホントなの、初春さん?」

初春「はい。仲良くさせてもらってます」

黒子「……ふむ。おかしいですわねぇ……」

青ピ「おお、なになにー? なにがおかしいん?」

黒子「お姉さまの妹さんと出会ったりしたら、いつもの初春ならイの一番に私に話すでしょう? どうして私にまで関係を隠していたんですの?」

初春「え、えっと……はは」
初春(い、言えない……即売会で御坂さんと間違えて声をかけて、そのまま仲良くなったなんて……)

11801号「人には他人に言えない趣味というものが少なからずあるものです、とミサカは事実を隠しつつ含み笑いします」

黒子「……人には言えない趣味……う、初春、まさか貴方、お姉さまの妹さんと、そういう関係なんじゃ!!」

青ピ「……この子、発想ぶっ飛んでんなー」

11801号「さすがのミサカもこれは引くわー、とミサカは少々茶目っ気交じりにあーさんに耳打ちします」

美琴「……あー、ごめん。すぐに黙らせるから」

94: 2021/10/04(月) 18:40:45.688
青ピ「レズっ子ちゃん、だいじょぶ?」

黒子「お、お姉さまの愛の鞭で、黒子、何かに目覚めちゃいそうですの……あふぅ……」

青ピ「電撃喰らって恍惚としとる……ミサカちゃん、この子末期やな」

11801号「類は友を呼ぶようになっているんでしょう、とミサカは初春飾利を見ながら言います」

青ピ「……あー」

初春「な、なんで妹さんは私を見ながらそんな事言うんですか!? あーさんも納得しないで下さい!!」

青ピ「そうは言うても……なぁ?」

11801号「ねぇ? とミサカもあーさんと同じく上条当麻に同意を求めます」

上条「……まぁ、うん。初春さんの知り合いなら仕方ないだろうなぁ」

初春「上条さんも納得しないで下さい!!」

美琴「………………」

美琴「……ねぇ」

上条「おお、どうした御坂。まだ何かあるのか?」

美琴「……そいつ、本当に私の『妹達』の一人なの?」

上条「はぁ? 何を聞くかと思えば、どっからどう見てもそうだろ」

95: 2021/10/04(月) 18:41:23.097
美琴「そりゃ見た目はそうだけど……他のとまるで別物じゃない」

上条「他のって……他の『妹達』とか?」

美琴「やけに饒舌だし、会話の仕方も若干違うし、私に対する態度も他のとなんか違うし」

11801号「きっとそれはミサカが特別な存在だからです、とミサカは厨二病を伺わせる発言をします」

美琴「ほら、今もまた」

上条「……そんな気になるもんですかねぇ。上条さん的にはあのくらいはっちゃけてた方が個性的でいいと思いますが?」

青ピ「せやせや。逆にこんなんやないミサカちゃんとか、なんかこう、想像しただけで背筋ぞわぞわーってするわ」

美琴「……ふーん……」

11801号「……ミサカは言いようのない不安を覚え、お姉さまから視線を外します」

美琴「……他のだと絶対目をそらしたりしないし」

上条「いいじゃねーか。そいつがどんな反応返そうと、やおい号はやおい号なんだからよ」

初春「あ、あの、上条さん。人目のある場所でそんな大声でやおいやおいっていうのは、その、どうかと……」

美琴「……でもなぁ」

11801号「顔を押さえないで下さい、とミサカは必氏で目線だけを外した状態でお姉さまに懇願します」

96: 2021/10/04(月) 18:42:36.740
上条「それじゃ、疑いも晴れたみたいだし、俺はそろそろ帰らせてもらうぞ。そろそろインデックスが腹減ったって騒ぎだす頃だろうからな。
    初春さん、さっきの荷物……」

初春「あ、どうぞ。上条さん、今日はありがとうございました」

上条「いやいや、俺は自分のできる事をしたまでだし」

11801号「待って下さい、帰る前にお姉さまをどうにかしてください、とミサカはお姉さまに顔をガッチリロックされた状態のまま上条当麻に頼みこみます」

上条「自分で何とかしろ。じゃあなビリビリ」

美琴「ビリビリ言うな!!」

青ピ「……んー、初春ちゃん、ごめん、僕も帰んわ」

初春「へ? あーさんもですか?」

青ピ(いくら初春ちゃんの知り合い言うても、あんな危なそーなんに絡まれたままやとリアルに命に関わる事とかありそうやし)

青ピ「ごめんなー。今日はミサカちゃんだけで我慢しといてー、今度絶対埋め合わせするから」

11801号「待って下さい、この際あーさんでもいいから助けてください、とミサカはお姉さまのロックから逃れようともがきながらあーさんに頼みます」

青ピ「……ミサカちゃん、姉妹が仲良い言うんはとっても素敵な事やと僕思うねん。ほななー」

初春「はーい、お疲れさまでしたー」

11801号「この状態が俗に言う、『悲しみを超えて無が襲ってくる』という状態なのでしょう、とミサカは諦観まじりに呟きます」

97: 2021/10/04(月) 18:43:41.485
青ピ「カミやーん、一緒帰ろー」

上条「断る」

青ピ「ちょ、即答とか! 知らんよ? 僕に爆弾発生しても!!」

上条「……あのなぁ。まず俺には爆弾の発生以前に、ただ日々を過ごしているだけでフラグが発生するようなときめきでメモリアルな青春はありえないし。
    それが有り得たとしてもお前は攻略対象に成り得ないし」

青ピ「えー、でも第一位とかは今の状態でも伊集院枠で攻略対象になりそうやん?
    それに、ミサカちゃんの好きそうな内容やと間違いなく僕も攻略対象の一人やろうし」

上条「っていうか、なんで俺が男を攻略するの前提で話進めてるんだよ!
    嫌だからな! 俺は例え攻略可能キャラクターが存在しないとしても、男とイチャイチャなんて!!」

青ピ「カミやん、今まで黙っとったけどな……実は僕、僕っ娘やねん」

上条「……昨日の朝、俺は確かにお前の『女ではあり得ない』裸を見た覚えがあるんだがなぁ」

青ピ「んじゃあ、あれや。カミやん、今まで黙っとったけどな……第一位、女の子やねん」

上条「…………一方通行に聞かれたら殺されるぞ」

青ピ「んー? 大丈夫やろ。第一位口では色々言うとんけど、実際はそれなりに優しいし」

上条「まぁ、口で言ってるよりはな……しかし、一方通行が女かぁ…………ん?」

青ピ「どーした、カミやん」

上条「いや、その……アイツって、男だよな?」

98: 2021/10/04(月) 18:44:49.671
青ピ「……は? なに言うてんのんカミやん」

上条「……いや……女じゃないとも言い切れないよなぁ、って」

青ピ「そういやそうやなぁ。僕やキョンみたいに下着姿になる事もなく。朝も昼も夜もキッチリ服着てんし……
   寝る時もカミやんバスタブに押し込んでまで頑なに一人で寝よったしなぁ」

上条「……あーでも、俺を頼ってきたって事は男だよな……? さすがに女二人で男の家に泊ろうとはしないだろうし……
    ……すまん、今のは聞かなかった事に」

青ピ「んー……ま、そらそやな。常識で考えればあんな可愛い子が女の子なはずないか!」

上条「……公衆の面前でその発言はどうかと思うぞ」

青ピ「んー? ぼかぁショタでも十分守備範囲やし。
    それにもしかしたら今の僕の発言聞いて『まぁ、素直で素敵なお兄ちゃんやわぁ』って可愛いショタっ子口リっ子寄ってくるかも知れんやろ?」

上条「それは無い」

青ピ「いやいや、万に一つくらいは」

上条「断言してやる。絶対にない」

青ピ「……したらしゃあないな。こうなったら打ち止めちゃん使って光源氏作戦しか……」

上条「お前ホントにそのうち一方通行に殺されるんじゃないか、って思えてきたわ」

99: 2021/10/04(月) 18:45:24.193
―――

上条「ただいまー」

青ピ「皆のお兄ちゃんのご帰還やー」

禁書「あ、とうまお帰りー」

上条「……」

禁書「どうしたの? とうま。いきなり頭を庇ったりして」

上条「いや、今朝みたいに腹減ったからって噛みつかれないように……」

禁書「大丈夫だよ! とうまに噛みつかなくても、あくせられーたのおかげでもうお腹いっぱいかも!」

上条「へ?」

一方通行「なンだ、テメェら。もう帰ってきたのかよ」

打ち止め「帰ってこないと思ってもうご飯食べちゃったよ、ってミサカはミサカは食器を運びながら言ってみる!」

一方通行「まァ、食いたきゃ自分で作るンだなァ」

上条「お、おお、一方通行」

青ピ「……ゴクリ」

一方通行「……あァ? なンだその反応」

100: 2021/10/04(月) 18:47:28.919
上条(…………一方通行ってよく見ると中性的な顔だよなぁ、いかにも腐女子が大好きそうな糞キャラって感じで気持ちわりいな…)

青ピ「……なぁ、第一位?」

一方通行「……」

上条「お、おい」

青ピ「僕とお風呂はいらへん?」

一方通行「……成程、氏にてェのか」

青ピ「ええええええ!? い、いやや、僕まだ氏にたくない!! 第一位とお風呂に入るまでは氏ねへん!!」

一方通行「打ち止めァ」

打ち止め「もー、じゃあ十分だけだよ? ってミサカはミサカは能力の行使に制限付きで許可を出してみる」

上条「やめろ一方通行、ジョークだから、今のジョークだから!!」

青ピ「クソッ、こうなったら僕の隠された能力で……」

上条「お前レベル0だろ!! だああああああああ!! 一方通行、室内で竜巻作るな!!」

一方通行「手ェ離せ三下ァァッ!!! 今日という今日は、この青馬鹿を、頃す!!!!」

禁書「とうま達は取り込み中みたいだし、私たちはゲームにもどろっか」

打ち止め「そうだね、ってミサカはミサカはあの人達からそそくさと離れてコントローラを握ってみる」

101: 2021/10/04(月) 18:48:29.912
上条「はぁっ……はぁっ……なんとか、マンションや家具類は壊れずに済んだ……」

青ピ「痛ぁ……手加減無しやもんなぁ」

青ピ(……これで確認できるとは僕も思っとらんかったし……かくなる上は寝込みを襲って……)

一方通行「……次変な事したら、屋上から突き落とす」

青ピ「よし、やめとこ」

上条「…………ったく、お前らは……ん? なんだ、偉く懐かしいゲームしてるんだな」

禁書「とりゃー!!」

打ち止め「それー、ってミサカはミサカは華麗に避けてからの『うたう』、『ねむる』!!」

       ドゴォォォーーーーーーン!!!
                                  キラーン>
禁書「ああ……」

上条「おお、上手いなぁ。タイミングばっちりじゃんか」

打ち止め「えへへー、ってミサカはミサカは褒められて少し恥ずかしがってみる」

青ピ「しかし、懐かしいなぁ。うっわ、選べるキャラ少ない。……よし、じゃあ僕サムスぅー」

禁書「あーさんもやるの?」

青ピ「モチのロン! 男として、これ見せられたらやるしかないやろ!!」

102: 2021/10/04(月) 18:49:01.805
一方通行「おーおー、やる気満々ですかィ?」

打ち止め「ミサカ達に挑もうなんてあーさんは愚かだね、ってミサカはミサカは見下してみる!」

青ピ「……なんやぁ? えらい自信やなぁ、二人とも。まさか戦う前から僕らに勝てる気でおるん?」

上条「僕らって」

青ピ「言うときますけど、僕とカミやんあんま舐めん方がええよ」

上条「やっぱり俺かよ……」

一方通行「……ききき、テメェらがいくら強くたってなァ、俺達ァ、負けねェ」

青ピ「へぇ……おもろいやん。カミやん、4P頼んだ」

打ち止め「上条当麻も強いの? ってミサカはミサカは聞いてみる」

上条「まぁ、もともと俺のゲームだしな。そこそこは出来ますよ、そこそこはね」

禁書「とうま、あーさん、油断しちゃダメかも……この二人は……」

上条「……それで、作戦は?」

青ピ「……『御門堕し』や」

上条「……了解」

禁書「……なんだか二人が、いつになく真剣なんだよ……」

103: 2021/10/04(月) 18:49:35.220
       GAME START !!

一方通行「そンじゃあ行くぜェ!!!!」

打ち止め「速攻、即撃、即終了! ってミサカはミサカは切り込んでみる!!」

青ピ「カミやん、第一位任せたぁー」

上条「はいはい、分かりましたよーっと」

―――

一方通行「……チィッ! やっぱりやり慣れてンなァ、こンな早々に画面端に追いやられるとは……でもなァ!!」

<PKサンダー!!

一方通行「こうやって戻ってくれば、落ちる事もないよなァー!!!」

上条「PKサンダー復帰か……ますますあの二人の戦い方にそっくりだ」

一方通行「さァて、三下ァ。教えてくれよ、復帰することができるこの『絶対に落ちない』俺のキャラクターをどうやって倒すンだァ?」

―――

青ピ「さーて、そろそろカミやん動き出すかなー」

打ち止め「余所見は禁物だよ、ってミサカはミサカは飛びこんで必殺コンボを使ってみる!!」

104: 2021/10/04(月) 18:52:02.275
上条「いい事教えてやるぜ、腐女子にしか人気のないゴミ通行w」

一方通行「あァ?」

上条「二対二の戦いってのはな……無理に自分が生き残る必要はない、最終的に相方か自分が残ってればいいんだ」

一方通行「……それがどうした」

上条「……いいぜ、一方通行」

上条「テメェが、落下からPKサンダーで復帰するっていうんなら!」

上条「テメェが落ちることが絶対にありえないなんて豪語するんなら!!!」

上条「まずはそのふざけた幻想をぶち頃す!!!!!」

      ガシィッ!!

禁書「ああ! と、とうまのキャラクターが、あくせられーたのキャラクターを掴んで……」

一方通行「お、おいおい、まさか……」

        \ドカーン/ \ドカーン/

一方通行「と、飛びおりやがった、だとォ?」

上条「これぞ『御門堕し』……PKサンダーとこうそくいどうで復帰ばっかしてくる土御門兄妹にキレた俺達二人が編み出した、『落ちない相手を落とす』作戦だ。分かったか?腐女子専用の気持ち悪いゴミキャラ一方通行くんw」

青ピ「……勝負ありやな。掴みのタイミングは完璧に技術やからなぁ。いくら不幸なカミやんでも単純なボタン操作は失敗せぇへん。
    これから第一位はずっとカミやんと氏に続けておしまい。んで……」

105: 2021/10/04(月) 18:58:11.636
打ち止め「今だ! ってミサカはミサカは」

青ピ「はいさよならー」

打ち止め「え、ええええ!? なんで避けられるの!? ってミサカはミサカは大声で聞いてみる!!」

青ピ「そらぁ、打ち止めちゃんの狙いって『うたう』『ねむる』のコンボやろ? それ分かってて当たってあげるほど、ぼかぁ優しくないよ」

打ち止め「ああああ、起きて! ってミサカはミサカはなんとか自分のキャラクターを起こそうとする!!」

青ピ「まあ起きたとしても、それ以外の攻撃は火力最低レベルやから、吹っ飛ばされる心配もないし」

上条「つまり、俺が一方通行さえ封殺出来れば負けは無いんだ」

<ドカーン

―――

―――     3P WIN!!

一方通行「認めねェぞ!!! こンな卑怯なやり方絶対無しだ!!!!」

打ち止め「そうだそうだーってミサカもミサカも断固抗議の姿勢を貫いてみる!!!」

青ピ「卑怯? 勝てば官軍って言うやろ」

上条「今回は俺達の作戦勝ちだ。大人しく負けを認めろよ。
   そもそも、お前は腐女子にしか人気が無くて存在価値すらねえし。犯罪者の悪党の癖に主人公ずらして美化されてまでイキってる。だから、お前はリアルファイトでもゲームでも上条さんに一生勝てないんだよ。何がダークヒーローだよ(笑)」

106: 2021/10/04(月) 19:01:37.796
一方通行「……」

青ピ「いやー、勝つとやっぱ気分ええなぁ、カミやん!」

上条「そうだなぁ、久しぶりにやると」

打ち止め「今だ! ってミサカはミサカは勢いを付けて上条当麻に飛びかかってみる!!!」

上条「なぁっ!? な、何をいきなり!!」

一方通行「……けけけ、面白ェ、リアルファイトか!!!!」

       ボゴォッ!!

青ピ「げはぁっ!? ちょ、第一位いきなり顔殴んのは無し!! まさかさっきの事まだ根に持ってたり……」

一方通行「喰らえェェェッ!!!!」

            ボゴォッ!!

青ピ「ぐ、カミやん! 助けて!!」

上条「重い! 暑苦しい!! 離れろ!!俺1人なら一方通行ごとき楽勝だが足手まといが一緒だと不利じゃねえか!!くそ離れろ!」

禁書「加勢するよ、らすとおーだー!!」

打ち止め「うん、ありがとう! ってミサカはミサカは上条当麻にのしかかったままお礼を言ってみる!!」

青ピ「ちょ、カミやん幼女二人にのしかかられとる!! それご褒美やん!! 金払ってでもして欲しいくらいゲハァッ!! だ、第一位、腹殴んのも無し!!
    第一位自力弱いからそんな効かんけどそれでも痛いもんは痛いんやて!! なぐ、殴らんで!!!」

107: 2021/10/04(月) 19:11:39.850
キョン「お前らは本当に元気だな」

青ピ「げ、元気に見えるか!? 顔中あざだらけの僕、元気に見えます!?」

キョン「子ども同士の遊びで怪我をするのは仕方ない事だからな。俺も昔よく悩まされた」

青ピ「でもこの怪我の量おかしいって!! ……ったく、第一位の奴、カミやんには手も足も出ないからって、しこたま俺だけを殴ってシャワー浴びに行きおってからに……」

打ち止め「卑怯な手を使った罰だよ、ってミサカはミサカはあーさんに言ってみる!」

禁書「キョンも青ピをボコる?」

キョン「……それじゃあお言葉に甘えて」

上条「おいおい。もうやめてやれよ!青ピはマジで氏にかけなんだぞ!」

キョン「冗談だ。何もそこまで声を荒げなくてもいいじゃないか」

上条「ならいいが……俺も今日は電撃喰らいそうにもなったし……」

青ピ「いや、カミやんのは絶対ご褒美やて……僕なんか一方通行にグーパンで顔連打よ?」

上条「一方通行ごときのゴミに負けるお前が悪いだろ」

青ピ「いやいやいや、それはカミやんが強すぎるだけやって。学園都市に第一位に勝てる奴なんてほぼおらんやろ。カミやんぐらいや」

キョン「……まあ、頑張ってくれ。俺は着替えてくるから」

108: 2021/10/04(月) 19:15:16.979
上条「しかし、お前よくやり返したりしなかったな。あんな犯罪者のゴミに一方的にやられたらムカつくだろ普通は」

青ピ「……しゃーないやろ。第一位の能力が反射やっていうのは有名な話やし。カミやんみたいなチート能力者ならそら楽勝やろがボクは一般人やし」

上条(……そういえば昔はオールオート反射だったんだよなぁ。まあそれでも能力だけのひ弱の雑魚だったが)

青ピ「それに……」

上条「それに?」

青ピ「……第一位に殴られてるうちに……そういうのも、まぁ、ありっちゃありかなぁって」

上条「……」

青ピ「ちょ、カミやん、なんでそんな露骨に距離とんの!?」

上条「……」

禁書「へ? なに? とうまー?」

打ち止め「なんでいきなり目隠しするの? ってミサカはミサカは若干うろたえてみる」

青ピ「なんでそうやって『汚いものを子どもに見せたくない』みたいにすんかなぁ!?」

上条「いや……これは……もう」

青ピ「冗談! 可愛い僕の可愛いジョークなの!! せやから『もう』とか言わんで!!」

109: 2021/10/04(月) 19:18:33.809
青ピ「それはそうと、カミやん……これチャンスやない?」

上条「ん? なにがだ?」

青ピ「……性別の確認の、や」

上条「……お前、まさか」

青ピ「男は度胸!! 例え突き落とす言われても、こんなチャンス前にしたらやるしかないやろ!!
    行くで、打ち止めちゃん!!!」

打ち止め「やったるでー! ってミサカはミサカは何の事かよく分からないけどエセ関西弁であーさんに続いてみる!」

青ピ「突貫!!!!」

打ち止め「うおりゃああああああああああああああ!!!! ってミサカはミサカは更衣室のドアを開けて貴方にこんにちわー!!」

一方通行「……なにやってンだ、テメェら」

青ピ「あ、あら……着替え、終わってる……」

一方通行「……テメェは、つくづく氏にてェらしいな」

青ピ「あ、あはは……そ、それ以上動くと打ち止めちゃんがどうなっても!!」

打ち止め「ねーねー、もう一回戦おう、ってミサカはミサカは上条当麻に挑戦してみる!」

上条「言っとくけどプレイヤーへのダイレクトアタックは禁止だぞー」

青ピ「ちょ、人質逃げとる!! クッ、かくなる上は僕も逃げるしか……!!!」

110: 2021/10/04(月) 19:21:53.956
一方通行「あァ? ……アイス切れてンのかよ、この暑いのに」

上条「仕方ないだろ、やおい号と打ち止めとインデックスがバクバク食うから」

一方通行「ったく、人の分くらい残しとけっての……この際アイスコーヒーでいいか」

打ち止め「あれ? あーさんは? ってミサカはミサカは貴方に聞いてみる」

一方通行「突き落とした」

打ち止め「そっか、ってミサカはミサカは」

上条「ちょっと待て!! ホントに突き落としたのか!?お前ホントに弱いものイジメしか出来ない負け犬だよな。たまには上条さんみたいに強いものにもちっとは立ち向かってみろよ」

一方通行「あァ?ウゼェよ馬鹿が、つーか、心配しなくても風紀委員に見つかるようなヘマはしねェよ」

上条「それ聞いてメチャクチャ不安になったんですけど!! 頃してないだろうな?」

一方通行「……インデックス、なんか別のゲームねェのか?」

禁書「そうだねー、じゃあ……」

上条「なんで答えないんだよ!! まさかお前……」

一方通行「心配しなくても氏ンじゃあいねェはずだ。生きてるかは知らねェが」

上条「……」

111: 2021/10/04(月) 19:24:16.612
―――

11801号「只今帰りました、とミサカはビニール袋片手に言います」

青ピ「やー、氏ぬかと思ったわぁー」

キョン「おう、二人とも、お帰り」

上条「……よかった、生きてた……」

青ピ「ええ、なに? カミやん僕の事心配してくれてたん?」

上条「そりゃあそうだろ。お前が氏ぬのはどうでもいいけど、自分の家が殺人現場になったりしたら……」

青ピ「ってそっちかい!! カミやん酷い!! 僕、ホンマ氏ぬかと思ったんに!!!」

キョン「しかし、二人一緒なのか。何処かで偶然会ったのか?」

11801号「はい。この家から一番近くにあるコンビニのゴミ箱に突き刺さっていたあーさんをミサカが回収してそのまま一緒に帰ってきました、とミサカは現状説明します」

キョン「……お前はゴミ箱に突き刺さる趣味があるのか?」

青ピ「ややわぁー、キョンさんてば。んなわけないやん。それにぼかぁ突き刺さるよりも突き刺す方専門やし!」

11801号「突き刺さる専門はどちらかと言えば一方通行ですよね、とミサカは……ごめんなさい、謝るので首を絞めるのはやめてください、とミサカは一方通行の手首をタップします」

青ピ「ちょ、氏ぬ、せっかく生きて帰ってきたんに、た、たす、助けて」

上条「あー、氏なない程度にしておけよ」

112: 2021/10/04(月) 19:25:33.598
青ピ「あー……今日だけで僕運悪かったら三回くらい氏んでたかも」

11801号「幸運ですね、とミサカはあーさんに言いつつ手元のビニール袋を漁ります」

上条「そういやそれなんなんだ? 首絞められたときも持ってたが」

11801号「ああ、これはアイスですよ、とミサカはビニール袋の中身を上条当麻に見せます」

禁書「アイス!?」

キョン「いち、に……ちょうど人数分か」

青ピ「全部お兄ちゃんの奢りやでー、ありがたくいただきぃー」

上条「珍しいな、お前が奢りなんて」

青ピ「ま、そういう日もあるって事で」

11801号「本当はミサカ達がアイスを食べつくしてしまったからこっそり補充しておこうとしていただけですが、とミサカはこっそり呟きます」

一方通行「一つもないと思ったらテメェらが食ってたのか」

打ち止め「まぁまぁ、新しいのを買ってきたんだからいいでしょ、ってミサカはミサカは貴方を宥めてみる」

禁書「なになに! あーさん何買ってきたの!?」

青ピ「えっとなぁ……これと、これと、これと」

113: 2021/10/04(月) 19:26:28.958
青ピ「ささ、みんな選んでー」

禁書「じゃあ私これ!!」

打ち止め「じゃあじゃあミサカはミサカはこれ! ってミサカはミサカは自分の好きな物を取ってみる!!」

11801号「……ミサカはこれにします、とミサカはとある思惑を巡らせつつソフトクリームを選びます」

キョン「じゃあ俺は……これかな」

11801号「……」

青ピ「……」

一方通行「じゃあ俺は……これだな」

青ピ「じゃあ僕これなー。いただきまーす! んー、冷たくておいしー」

上条「じゃあ俺は……」

青ピ「今や!! おおっと、僕とした事が手と足がいっぺんに滑ったぁぁぁ!!!!」

11801号「わー、危ないー、とミサカは避けるそぶりすら見せずにあーさんの手の進行方向の方に自分のソフトクリームを持っていきます」

       べちゃ

青ピ「うわー、やってもたー。ごめんなミサカちゃーん」

114: 2021/10/04(月) 19:27:26.088
11801号「残念です、これではミサカの分のアイスがありません、とミサカは大げさに肩を落とします」

青ピ「ホンマごめんなぁ? あー、僕のもう口つけとるしわけてあげられんなー、どないしよー」

上条「な、なんで二人して上条さんの方を見てるんですか?」

11801号「あー、どうしよう、とミサカは上条当麻の方を凝視します」

青ピ「ホンマどないしよー、どっかにアイス分けてくれる優しい人おらへんかなぁー」

上条「う……わ、分かったよ……俺の食べろよ」

11801号「それはさすがに上条当麻に悪いですが、上条当麻がどうしてもと言うのに拒否するのはミサカとしても心が痛むのでいただいておきます、とミサカは口元を緩ませたまま言います」

青ピ「ごめんなぁー、僕の食いかけや無かったらミサカちゃんにあげるんやけどな」

上条「……うう、不幸だ……」

11801号(作戦第一段階、第二段階ともに成功です、とミサカはあーさんにアイコンタクトをします)

青ピ(後は対象Iの動き待ちやな)

―――

キョン「……何してるんだ、アイツらは」

禁書「きっと暑さで頭がやられちゃったんだよ」

115: 2021/10/04(月) 19:29:01.001
上条「……アツい……」

11810号(……さぁ、舞台は整いました、とミサカは二人の方を凝視します)

青ピ(動け! 動け!!)

一方通行「……」

上条「……不幸だ……」

一方通行「……チッ、しょうがねェな。ホラ」

青ピ(動いたあああああああああああああああああああああ!!!!!)

11801号(いよっしゃああああああああああああああああああ!!!!! とミサカは心の中で大きくガッツポーズを取ります!!!!)

上条「い、いいのか?」

一方通行「いらねェなら俺が一人で食う」

上条「犯罪者のくせに、割と気が利くんだな。じゃあありがたくいただくわ」

青ピ(全て計算通りや!! 一方通行が多くのアイスの中からコーヒー味のパ○コを選ぶのも!
    カミやんの分が無くなったら、二つのうち一つをカミやんに譲るのも!! 全てまるっとすりっとずばっとどこまでもお見通しや!!!!)

11801号(ありがとうあーさん、これでミサカは今月も頑張れそうです、とミサカはあーさんに心の中で謝辞を述べます!!)

キョン「……なんであの二人はがっしりと握手をしてるんだ?」

禁書「知らなーい」

116: 2021/10/04(月) 19:29:55.332
―――

11801号「しかしあーさんは何故ミサカの計画に力を貸してくれたんですか、とミサカは疑問だった点を聞きます」

青ピ「……ミサカちゃん、ちょっと想像してみぃ。
   恥ずかしがりながらも自分の分のアイスを意中の相手に分けてあげる美少女……グッと来るやろ?」

11801号「つまりミサカとは別のベクトルで燃料補給をしていたと、とミサカはあーさんに確認します」

青ピ「そ」

11801号「ふむ……上条×女体化一方……それはそれでありですね、とミサカは新たな可能性を噛み締めます」

青ピ「……なあなあ、ミサカちゃん?」

11801号「なんでしょう、とミサカは答えます」

青ピ「第一位って……実は女の子なんやないかな?」

11801号「……なん……だと……とミサカは月並みな表現で驚きを表します」

禁書「とりゃー! フルゲージ時止めなんだよ!! むだむだー!!」

キョン「……」

上条「キョン無表情で時止め返し成功させてる……」

117: 2021/10/04(月) 19:30:29.296
一方通行「……」

11801号「……」

青ピ「……」

一方通行「……何見てンだ」

青ピ「……な?」

11801号「……言われてみれば、とミサカは新事実に驚きを隠せずに声を震わせながら答えます」

一方通行「……意味分かンねェ」

―――

上条「さて、今日の晩は何作るかな」

禁書「……とうとうこの日がきてしまったね……」

上条「んん? どうしたインデックス」

禁書「とうま、今日は私が晩ご飯の用意をしちゃうかも!!!」

上条「……えーっと」

禁書「皆が料理当番やってるから私もやらなくちゃだよね! 見ててねとうま! 今日はフルコースだよ!!」

上条「……なんだろう、昨日以上に嫌な予感が……」

118: 2021/10/04(月) 19:31:22.299
上条「……勢いに負けて追い出されてしまった」

一方通行「……一応聞いておくが、アイツの料理の腕前は?」

上条「……未知数」

一方通行「……どっちに?」

上条「おそらく、下方向に」

一方通行「……どうしたもンかなァ」

キョン「しかし、本人がやりたがってるんだし、ないがしろにするのは良くないだろ」

一方通行「やる気で料理がうまくなるワケじゃねェンだよ。食えねェもン出されたらどうすンだァ? お前が一人で食うかァ?」

上条「……包丁とかを使って怪我したりしなきゃいいが」

青ピ「そんな心配やったら手伝いに行けばええやん」

一方通行「追い出されるンだってよォ」

上条「『厨房は女の戦場かも! 男子禁制なんだよ!!』って言って、ほらこの通り」

打ち止め「綺麗に残ってるねー、ってミサカはミサカは上条当麻の腕の歯形を見ながら言ってみる」

119: 2021/10/04(月) 19:32:55.845
青ピ「つまり、女の子ならええわけやろ?」

11801号「どうやら腕の見せどころが来たみたいですね、とミサカはおもむろに立ちあがり」

一方通行「テメェは座ってろ」

11801号「……促されるままに座ります」

上条「キョン、お願いできるか?」

キョン「やれやれ、じゃあ頑張ってみるか」

打ち止め「じゃあじゃあミサカも頑張るよ、ってミサカもミサカも腕まくりしながら言ってみる!!」

上条「ああ。よろしく頼むな」

青ピ「あら、第一位は行かへんのん?」

第一位「……何言ってンだお前」

―――

キョン「という事で」

打ち止め「手伝いに来たよ、ってミサカはミサカは禁書目録に言ってみる!!」

禁書「うーん……じゃあ、お手伝いだけ! お手伝いだけだからね!」

キョン「はいはい。それで、今日のメニューは?」

120: 2021/10/04(月) 19:35:49.124
禁書「んーと、まず白ご飯と、スパゲティと、焼きそばパンと」

キョン「見事に穀物ばかりだな。糖尿病になっても知らないぞ」

禁書「とにかくおいしい物を一杯食べたいかも!」

打ち止め「でも、お料理出来るほどお野菜もお肉も残ってないね、ってミサカはミサカは冷蔵庫と流しの下を確認してみる」

キョン「……使いやすい物はこの数日で使っちまったからな」

禁書「あれだけあったのにもうこれだけしかないの!?
    うー、これだけじゃお腹いっぱいなんて程遠いんだよ……」

キョン「なに、これだけでも十分だろ。……大根、そぼろ、グリンピース……この材料だと、ふろふき大根かな」

禁書「キョンはこの材料でお腹いっぱいになれる料理が作れるの?」

キョン「まあ、お腹一杯になれるかどうかは別として、料理は一応作れるぞ」

禁書「キョンは料理の天才さんだね! キョン、作り方教えてほしいな!」

打ち止め「煮物作るの? ってミサカはミサカは大根を両手で構えてキョンに聞いてみる!」

キョン「こらこら、食べ物で遊ぶんじゃない。打ち止め、お米の用意を頼めるか? 俺とインデックスでおかずを作っておくから

打ち止め「分かった! ってミサカはミサカは元気に言ってみる!!」

キョン「よし、じゃあ始めるか」

禁書「うん!!」

121: 2021/10/04(月) 19:36:58.644
青ピ「……ええなぁ、ああいうの」

上条「どうした、いきなり」

青ピ「いやさ、可愛い幼女たちが僕の為にお料理してくれてる……ああいうのが理想かもなぁって」

上条「お前一人の為じゃないけどな」

青ピ「ま、そらそうやけどさ」

11801号「なぜミサカを行かせてくれないんですか、とミサカは目の前に立っている一方通行に問いかけます」

一方通行「テメェが行ったら邪魔になるっつってンだよ。大人しく座ってろ」

11801号「昨日の反省を生かして一回り大きくなったミサカが邪魔になる筈ありません、とミサカは熱弁をふるいます」

一方通行「……一応聞いとくが、何反省したンだァ?」

11801号「つまり糖分と脂質だけでは五大栄養素の内二つしか取れていなかったから昨日は追い出されたのではないか、とミサカは仮定を述べます」

一方通行「……」

11801号「安心してください。今日は卵白や牛乳を混ぜ、キチンと五大栄養素に配慮して料理を作ります、とミサカは自信満々で言います」

青ピ「卵白に牛乳ってお菓子作りみたいやなぁ」

上条「やおい号がお菓子作るっていうんならあの材料でもいいんだがなぁ」

11801号「何故ミサカの邪魔をするのですか、とミサカは無言でミサカの手を引く一方通行に抗議します」

122: 2021/10/04(月) 19:37:58.545
一方通行「よし、テメェらよォく聞け」

11801号「正座は苦手なので手短にお願いします、とミサカは足の方を意識しながら言います」

青ピ「てかなんで僕まで?」

一方通行「うるせェ、黙って聞け。まず料理っつーのはなァ、食えるもン作るのが大前提なンだ」

11801号「……それくらい知っていますが、とミサカはため息交じりに答えます」

青ピ「何言いだすかと思えば、第一位ってばなに当たり前の事言うてんのん?」

一方通行「テメェらが当たり前の事が出来てねェから説明してやってンだよ。
       ていうかそれじゃあなンですかァ? テメェの常識の中では金ダワシは食えるものっていうンですかねェ?」

青ピ「いやいや、さすがの僕でも金ダワシは食えんて」

一方通行「それじゃあなンで昨日あそこまで金ダワシ入れようとしてたンだよ!! 言ってる事とやってる事が矛盾してンだろォが!」

青ピ「いやいや、第一位も頭固いなぁ。あれは出汁取り用の金ダワシで」

一方通行「……テメェ、金ダワシを煮込ンだらおいしい出汁が出ると思ってンのかァ?」

青ピ「んー、おいしい出汁は出んと思うけど、鉄分接種にはええやろ」

11801号「成程、鉄製品から鉄分を接種する……理にかなっています、とミサカはあーさんを称賛します」

青ピ「あはは、ミサカちゃん、僕褒めてもなんも出ぇへんよ?」

上条「……一方通行、これは無理だ。俺たちじゃどうしようもない」

123: 2021/10/04(月) 19:39:26.929
一方通行「そもそも、鉄分をそンなに接種して何になるっつゥンだよ」

11801号「女性には定期的に鉄分が必要になる月一のイベントがあるんです、とミサカは明言を避けつつ説明します」

青ピ「そやそや。僕は皆の事を思って金ダワシで出汁取ろうと」

一方通行「……そんなに鉄分が欲しいなら釘でも齧ってろ」

キョン「……世の中には釘を噛んで鉄分を補給する人もいるらしいから、その鉄分の取り方もあながち間違いではないんだろうがな」

上条「あ、キョン。料理の方は?」

禁書「今コトコト煮込んでる所かも」

一方通行「アイツはどうしたンだァ?」

キョン「打ち止めには向こうで火の番をしてもらってる」

上条「……料理の内容は?」

禁書「ふろしき大根だよ!!」

キョン「ふろふきだ」

禁書「ふろふき大根だよ!!」

上条「……意外と普通なんだな」

禁書「キョンに教えてもらいながら作ったからね!」

124: 2021/10/04(月) 19:40:09.606
一方通行「なンだよ、和食かよ」

キョン「材料が材料だったからな。和食しか選択肢が無かったんだ」

禁書「あくせられーた、和食嫌いじゃないよね?」

一方通行「……さァ、どうだろうなァ。コーヒー飲ンでくるわ」

禁書「いってらっしゃい!」

―――

青ピ「釘、固っ!」

11801号「歯が折れてしまいそうですね、とミサカは釘を奥歯で齧ります」

上条「……それで、お前らなにやってんだ?」

11801号「本当に釘を噛んで鉄分が摂取できるのか疑問に思ったので実際に試しています、とミサカは上条当麻に釘を差し出しつつ言います」

青ピ「カミやんも一本どう?」

上条「……遠慮しとく」

125: 2021/10/04(月) 19:46:04.520
一方通行「……」

打ち止め「あれ、何か用? ってミサカはミサカは貴方に尋ねてみる」

一方通行「コーヒー飲みに来ただけだ」

打ち止め「そうなんだ、ってミサカはミサカは火の様子を見ながら答えてみる」

一方通行「……火の番なンか、面白ェのかねェ」

打ち止め「結構面白いよ! ってミサカはミサカは満面の笑みで貴方に言ってみる!!」

一方通行「……へェ、そうですか」

打ち止め「うん!」

―――

キョン「……やはり打ち止め一人に火の番をさせるのはマズいか」

上条「ああ、大丈夫だよ。たぶんコーヒー飲みに行くついでにアイツが見てると思うから」

キョン「そうか……意外と気が回るな、一方通行も。あれで口さえ悪くなければ接しやすいんだが」

上条「まあ、アイツは所詮犯罪者ですし。口が悪いのは仕方ないよ」

11801号「確かに白モヤシは救いようが無い犯罪者で小物ですが、口が悪いのは彼の長所の1つだと思いますよ、とミサカは横から会話に参加します」

キョン「そういうもんかね。まぁ確かに口のいい一方通行なんか想像は出来んが」

126: 2021/10/04(月) 19:47:42.489
打ち止め「出来たよー、ってミサカはミサカは大声で皆に伝えてみる!!」

禁書「よし、行こうはるみ!」

キョン「じゃあ、お前達もそろそろ準備しておいてくれ」

青ピ「おっしゃ、食器用意すんでミサカちゃん!」

11801号「はい、ミサカ達の華麗な食器並べで他のメンバーを圧倒しましょう、とミサカはあーさんに続いて駆けだします」

一方通行「狭苦しいのにドタバタ動き回ンな」

打ち止め「じゃあミサカはご飯を混ぜるね、ってミサカはミサカはしゃもじを浸す水を用意しながらキョンと禁書目録に言ってみる!」

キョン「頼んだ」

上条「おお、結構おいしそうだな」

禁書「ふふん! どう、とうま? これが私の実力かも!!」

上条「はいはい、すごいですねーっと。おいやおい号! 食器並べる前にテーブル拭け!!」

―――

禁書「それじゃあみんな手をあわせて!」

   「「「「「「「いただきます」」」」」」」

127: 2021/10/04(月) 19:54:10.961
禁書「とうま、どう? おいしい?」

上条「そうだな。味もしっかり染みてるし、初めてにしては上手く出来たんじゃないか?」

禁書「えへへ。見なおした?」

上条「まあ、それなりにな。……ところで、これで冷蔵庫の中からっぽなんだよな?」

キョン「幾つか残っているが、どれも単品じゃ料理できないものだな」

上条「じゃあ、明日買い足しに行ってくるかなぁ」

青ピ「あ、じゃあカミやん、ポテチも一緒に頼むわぁ」

上条「なに言ってんだ。お前も一緒に行くんだよ」

青ピ「はぁ!? な、なんで僕!? 第一位とラブラブしながら一緒に行って来れば……
    いや、今のは言葉のあやって奴で……ごめん、第一位ホンマごめん! 謝るから僕のふろふき大根穴だらけにすんの止めて!!」

11801号「これではふろふき大根ではなくあなあき大根ですね、とミサカは軽いジョークを飛ばします」

上条「明日は平日だから学校帰りに買い物するからお前に手伝ってもらった方が早く済むだろ」

青ピ「んー、しゃーないなー。まぁ、カミやんがどうしても僕と行きたいー言うなら断るのも申し訳ないし」

一方通行「金はいくらくらい必要だ?」

上条「とりあえず100万は欲しいな」

一方通行「そんな必要なのか?」

上条「当たり前だろ。と言うかな、お前は上条さん家の財布としてここに置いてやってんだ。それ以外の価値はお前には無い…もちろん出せるよな第一位様なら?」

一方通行「…ッチ。足元みやがって…まあ100万ぐらいどうってことないがなァ」

128: 2021/10/04(月) 19:56:33.009
―――

上条「おし、授業終わったし買い物行くぞー」

青ピ「……なぁなぁ、カミやん、今日の買い物僕に任せてくれへん?」

上条「ん? どうしたいきなり」

青ピ「いやなぁ、僕も皆の役に立ちたいなぁって昨日の布団の中で思って。
    せやけどほら、僕料理出来んし、平日の昼に家におらんから洗濯も出来んし、やれる事は買い物くらいやろ?」

上条「……」

青ピ「お願いカミやん、僕にも時々は花持たせてぇな、この通り!!」

上条「……いや、別に手伝いがしたいっていうんなら止めはしないけど、ちゃんと食えるもの買ってこれるのか?」

青ピ「へへ、当たり前や! あんま僕を舐めたらあかんでぇー!」

上条(……どうするかなぁ……本人がやりたいって言ってるのにそれを無視するのはいけないって昨日キョンも言ってたし……
    まあ、買い物くらいならこいつにも出来るよな……)

上条「……いいか、くれぐれも使い込みとかは」

青ピ「わーってるって。料理出来るもん買って帰ればええんやろ?」

上条「ああ。お前の買って帰ってくるものに今日の晩飯がかかってるんだからな」

青ピ「りょうかーい」

129: 2021/10/04(月) 20:00:17.365
―――

上条「……で、なんなんですかねぇ、これは」

青ピ「んん? なにって、人参に、お肉に、チョコレートに、ああこれは自腹で買ったLOやった、んでポテチ……」

上条「俺は、こっちについて聞いてるんだけど」

青ピ「なにって……お鍋用の出汁やけど」

一方通行「……この暑いのに鍋って……テメェ」

青ピ「いやなぁ、僕、一回でいいからやってみたかった事があってん」

上条「……なんだよ」

青ピ「や・み・な・べ♪」

上条「……一方通行、あと100万追加でよこせ」

一方通行「この際、1000万くらい持ってけ」

青ピ「ええええええ!? なんで!? ええやんお鍋!! 皆でわいわいしながらお鍋!! 大家族と言えばこれやろ!?
    それに余ってる材料、ネギとかお豆腐とか白菜とかやろ? 悪くなる前に一気に使いきれてええやん!!」

上条「あのなぁ……俺は100万円で優雅な二日間を過ごすつもりだったんだよ。まったく、一日でこんなくだらんものに100万使い切りやがって……」

青ピ「んな事言わんでさぁ、闇鍋しようやぁ! 別に闇鍋して氏ぬわけやないし!」

一方通行「テメェとムッツリが居る時点で十分命に関わる事も有り得ンだよ!!」

130: 2021/10/04(月) 20:02:40.139
―――

キョン「いいんじゃないか? たまにはそういうのも」

上条「はぁっ!? 闇鍋だぞ!?」

キョン「冷蔵庫の整理も出来るし、一石二鳥だろ。なんなら選択の幅が広がるように食材を買い足してこようか?」

打ち止め「ミサカもミサカも皆でワイワイお鍋食べてみたいなー、ってミサカはミサカは貴方に言ってみる!!」

一方通行「……おいおい、テメェら揃いも揃って正気かよ」

禁書「ねーねー、とうま。闇鍋って何?」

上条「闇鍋って言うのは……なんていうか……皆が秘密で持ち寄った材料を使って鍋を作るっていうか……」

禁書「なんだか面白そうかも!」

上条「……」

青ピ「よっしゃ! んじゃ早速用意しよか!!
    まずは下地の鍋として、買ってきた食料と冷蔵庫の中の野菜で最低限の鍋って言える鍋作って、そっからやな」

11801号「何を入れてもいいのですか、とミサカは一応確認を取っておきます」

青ピ「うーん……僕もやったこと無いからよう分からんけど……『自分これ食える!!』ってモンならありちゃう?」

11801号「……成程、とミサカは頷きます」

131: 2021/10/04(月) 20:04:17.344
上条「……下地の鍋自体は問題ないとして……問題は、個人的に入れられる材料だよな」

上条「さてさて、冷蔵庫の中から無くなっている物は……」

上条「うどん麺と肉団子用の肉と……だけ!?」

上条「……」

上条「あらー、どういう事ですかねこれは……確か、食材選びは上条さんが一番最後だったはずですけど……」

上条「い、いや待て……落ち着け……キョンが買い足して来てくれた分もあるし、もしかしたらそれで……」

上条「だからってこの減りはおかしいだろ!!!!!」

上条「インデックスは自分の好物を入れるはずだから……たぶん食えるもの……
    キョンと一方通行は食えないものを入れるなんてバカな真似はしないはずだ……
    問題は、打ち止めと料理オンチ二人……打ち止めはよく分からずにとりあえず突っ込むみたいな事するかもしれないし、料理オンチ二人は言わずもがなだろう」

上条「……自分の入れた物を食うのは反則だから、なんとかして危険じゃない三人の分を食えればいいが……」

―――

上条「昆布と買い足し分のエビ……これでいいか」

132: 2021/10/04(月) 20:06:19.707
青ピ「さて、皆さん材料持ちましたぁー? 持ちましたね? それでは闇鍋始めたいと思いますー。
    キョン電気消してー、ミサカちゃん鍋の火ぃ消してー」

青ピ「よし、手元も確認できんようになったし、一人ずつ入れて行こか。まず僕なー」

11801号「では次はミサカですね、とミサカはあーさんに続いて自分の材料を投入します」

上条(……よし、つまりこの二人の材料は比較的下の方に有る事になる!)

一方通行(上から少しずつ取っていけば、まず奴らの入れたもンに当たる事ァねェ!!)

打ち止め「じゃあ次はミサカね、ってミサカはミサカは自分の分を入れてみる!」

上条(問題は……)

一方通行(打ち止めが、変な物入れねェかだが……)

                         にゃー>

打ち止め「よいしょ」

上条「ってちょっと待てえええええええええええええ!!!!!」

一方通行「テメェ鍋にネコ入れるつもりかよ、打ち止めァァァッッ!!」

打ち止め「……駄目なの? ってミサカはミサカは二人に」

一方通行「駄目に決まってンだろォが!! 食えンのか!? テメェはネコが生ではいってて食えンのかァ!?」

上条「生きたネコそのまま食べるなんて真似ワンダープロジェクトとかドクタースランプとかに出てくるロボットでもない限り無理ですから!! 上条さんたちみたいな人間がネコをそのまま食べるなんて無理ですから!!!!」

133: 2021/10/04(月) 20:09:36.586
上条(今この瞬間に決まった、この闇鍋での最要注意人物は打ち止めだ!)

一方通行(まさかネコを入れようとするとはなァ……こりゃあ何が入っててもおかしくねェぞ……
       一人が入れる材料は二つ……なんとかして、打ち止めの入れた『もう一つ』とネコの代わりに入る『一つ』を引かねェようにしねェと)

禁書「じゃあ次は私だね」

上条(インデックスは大丈夫のはず……)

キョン「次は俺か」

一方通行(キョン、コイツはァ……どっか抜けてる所は有るが、食えるもンは入れるだろォな)

上条「じゃあ次が俺だな」

一方通行(三下は問題ねェ。コイツが料理に食えないものを入れるっつーのはまず有り得ねェ)

一方通行「ンで、最後が俺か」

上条(一方通行は大丈夫だ、コイツは犯罪者で生きてる価値すらないゴミだが、小心者で臆病だ。もし変な物を入れて氏者を出すようなことはしないだろう。安全な食べ物を入れるはずだ)

青ピ「皆入れ終わった? よし、じゃあ打ち止めちゃんふた閉めて」

打ち止め「了解、ってミサカはミサカはふたを手さぐりで見つけて閉めてみる!」

青ピ「よし、フタしまったな? じゃあ木山さん電気つけてー。後はじっくりコトコト煮て、しばらく時間が経ったらもう一回電気消してスタートって事で」

上条「……スフィンクス、お前生きてて良かったな」

スフィンクス「ふにゃん」

134: 2021/10/04(月) 20:10:38.486
青ピ「そんじゃもう一回上条家闇鍋祭り鉄の掟確認!! 鉄の掟1!」

禁書「入れる物は一人二つまで!」

青ピ「鉄の掟2!」

打ち止め「お鍋の中に一度入れた物は取り換える事は出来ない、ってミサカはミサカは確認してみる!」

青ピ「鉄の掟3!」

キョン「一度箸で触れた物は完食する」

青ピ「鉄の掟4!」

11801号「完食後、その材料を入れた者は名乗り出る、とミサカも確認に続きます」

青ピ「鉄の掟5!」

一方通行「基本三巡、全員が入れた物+最初から入っていた白菜・ネギ・豆腐・人参・春菊・シイタケ・エノキが一通り出れば終了」

青ピ「鉄の掟6!」

上条「食える物しか入れない」

青ピ「よし、皆鉄の掟守れとんな? んじゃカミやん、音頭よろしくー」

上条「……何が当たっても恨みっこなし。手を合わせて!」

   「「「「「「「いただきます!」」」」」」」

135: 2021/10/04(月) 20:11:59.490
青ピ「ほな僕一番箸行きまーす!! これや!! ……はぁっ!?」

上条「ど、どうした?」

青ピ「なんや固くて、つるつる滑って、少し重くて、箸じゃ持ち上げられん……第一位、お玉取ってー」

一方通行「……ほらよ」

青ピ「よし取れた! ほな、いただきまーす!!」

上条「躊躇ねぇな……」

    ガリッ!

一方通行「……なンだよ、今の音。何食ったンだ、青馬鹿ァ」

青ピ「これたぶん……卵。しかも殻ごとや」

上条「確かに食えるな。しかし、殻ごととは……誰が入れたんだ?」

11801号「ミサカです、とミサカは素直に名乗り出ます」

上条「やおい号か……思ったよりも普通だな」

キョン「だが、鍋に入れる時は茹で卵か何かの方がいいと思うがな」

11801号「覚えておきます、とミサカは素直にキョンの助言を受けます」

一方通行(料理オンチのムッツリでこれなら、案外大丈夫なンじゃねェか……?)

136: 2021/10/04(月) 20:13:16.067
青ピ「ごちそーさまでした! ほな次は、時計回りやからカミやんやな」

上条「……ああ」

上条(材料投入は青ピ→やおい→打ち止め→禁書→キョン→俺→一方通行の順。もし俺の予想が正しければ危険物は下の方に沈んでるはずだ。
    実際、今勢いよく箸を突っ込んだアイツはやおい号の入れた物を取った……つまり)

上条「これだ!」

上条(上の方に危険物は少ない!!)

上条「……あ、あれ……お、重い……なんだよこれ、デカくて、重い……」

禁書「とうま大丈夫? お玉使う?」

上条「いや、大丈夫だ。……よし、取れた。じゃあいただきます」

上条(……ん? これ、食べ物か? なんて言うかザラザラしてるし、噛み切れないし……)

打ち止め「なになに、なんだったの? ってミサカはミサカは上条当麻に尋ねてみる!」

上条「い、いや、それが、これ、食い物じゃなさそうなんだが……」

一方通行「おいおい、いきなり掟破りかよ。誰だァ? 食えないもン入れた奴ァ」

青ピ「あちゃー、もう出たったかー。軽いから上の方に来てたんやろうなぁ……あー、カミやんゴメン、たぶんそれ僕がネタで入れた」

上条(……ネタ食材、というかタオルかなんかか? どっちにしろこれが危険物じゃなくて良かった……)

青ピ「キョンの使用済みパンツや」

137: 2021/10/04(月) 20:14:45.111
一方通行「打ち止め、鍋のフタ閉めろ」

打ち止め「了解、ってミサカはミサカは言われるがままにふたを閉めてみる!」

上条「やおい号、鍋の火消してくれ」

11801号「分かりました、とミサカは上条当麻に言われたとおり火を消します」

キョン「インデックス、電気点けてくれ」

禁書「分かった!」

青ピ「あ、あらぁ? 皆なんでそんな怖い顔してんの? 僕のジョーク、ダダ滑りやったかなぁ? は、ははははは……」

     ゴスッ!!     ゲシッ!!

青ピ「ちょ、ま、第一位もカミやんも落ち着いて!! 蹴んのやめ! こ、これにはわけが!! わけがさぁ!!!」

          ゴシュッ!!    ドバドバドバ!!

青ピ「く、目にゴミが……やなくて、き、キョン無言で僕の顔に水掛けるのやめてください!! 息が出来ませんて、ホンマに!!」

   ガッシ!!    ボカッ!!

11801号「あーさんは氏んだ、スイーツ(笑)、とミサカはあーさんの代わりに言っておきます」

青ピ「たすてけ!! もとい助けて! 誰か僕に救いの手へぶぁっ!!」

138: 2021/10/04(月) 20:18:25.553
キョン「……これは、今日穿いていたパンツだな」

上条「なんかすまんな、アイツに非が100%あるとは言っても口なんか付けちゃって……」

キョン「出汁の匂いが取れればいいが……」

上条「あー……じゃあ、それ、貸してくれ」

キョン「……食べるのか?」

上条「食べるか!! 洗っておくから!!」

キョン「ああ、そういうことか……分かった。よろしく頼む」

―――

青ピ「ただのお茶目やのに……僕の身体を張ったお茶目が……」

禁書「パンツは下着なんだよ? 下着をお鍋に入れるなんてあーさんはちょっと非常識かも!」

打ち止め「そうだよ、一応皆で食べるものなんだから考えないと、ってミサカはミサカはお姉さんぶってあーさんにお説教してみる!」

11801号「確かにキョンさんのパンツなら良い匂いがしてそのまま食べられる気がしないわけでもないですが……」

青ピ「せやろ? せやろ!? 僕もそれいうて別のもん入れ直そうって腹やったんに……皆酷い……」

一方通行「まだ蹴られたりねェかァ?」

青ピ「わー、嘘嘘嘘!! 嘘です!! ごめんなさい!! 自分ちょっと調子こいてました!! 謝るんでもう蹴らんといてください!!」

139: 2021/10/04(月) 20:20:12.232
―――

11801号「と、言う事で、鉄の掟を破ったあーさん抜きで闇鍋再開です、とミサカはあーさんに変わって司会進行します」

上条「あー、ちょっといいか? やおい号」

11801号「はい、なんでしょう、とミサカは上条当麻の問いかけに答えます」

上条「闇鍋がどれだけ危険か、皆そろそろ分かっただろ。だからもういっその事電気点けたままで……」

一方通行「だなァ。あの青馬鹿が他に誰の着用済み下着を突っ込ンでるかも分からねェしなァ」

禁書「そ、それは困るかも!!」

キョン「じゃあ、もう普通の鍋として楽しむか」

打ち止め「じゃあフタ空けるね、ってミサカはミサカは確認しながらフタを開けてみる!!」

       カパッ

上条「……これは」

一方通行「なンつーか……」

キョン「……普通の鍋、みたいだな。一見」

打ち止め「うわぁ、すごくおいしそう! ってミサカはミサカははしゃいでみる!!」

11801号「なんだかんだで皆真面目に入れていたんですね、とミサカは少々感嘆します」

140: 2021/10/04(月) 20:21:26.459
一方通行「……味が妙だが……食えねェ事ァねェな」

上条「早い段階でキョンのパンツに気付けたのがせめてもの救いか……」

禁書「私のフライドチキンがお湯吸ってびしょびしょなんだよ……」

打ち止め「せっかくのチョコレートがドロドロだった、ってミサカはミサカはしょんぼり……」

キョン「…………コーヒー豆が沈んでたんだが……」

11801号「成程、どこかコーヒー風味なのはそのせいですか、とミサカは納得します」

青ピ「僕もおなか減ったなー、誰か僕に持ってきてくれんかなぁー!」

上条「あいつは無視な」

一方通行「あァ、あの手の馬鹿は放っておくに限る」

141: 2021/10/04(月) 20:23:13.911
――― 数ヵ月後

11801号「それでは、今月もやってまいりました、第六回上条家闇鍋祭りを始めたいと思います、とミサカは司会進行をします」

青ピ「わーわー、どんどんぱふぱふー」

一方通行「つゥかいつから定例になったンだ、これ?」

キョン「孤食を防ぐためにはこういうイベントも必要だろ?」

打ち止め「皆で食べた方がお鍋はおいしいしね! ってミサカはミサカはキョンと貴方に言ってみる!!」

禁書「ようし、今月もたくさん食べるんだよ!!」

上条「いつまで居座るつもりだお前ら!!」

スフィンクス「にゃー」


~~おわり~~

引用元: キョン「学園都市に来て半年…手がかりは何も無いし、取り合えず上条の家に行ってみるか」