1: 2016/10/09(日) 00:25:10.47
※百合です。苦手な方は読まないほうがいいです。
 それでもよい方は、どうぞ。









11月上旬



~夜道~


金髪女「ひひっ、今帰り?」

先生「びびびびっくりさせないでください!」

金髪女「いやー、歩いてるの発見しちゃったからさ」

先生「夜道でいきなり抱きつくのはどうかと思いますが……」

金髪女「いいじゃん。ウチも先生も女同士なんだから」

先生「そういう問題じゃ……」

金髪女「ひひっ。……って、あー! 先生またコンビニ弁当買ってる!」

先生「う……」

金髪女「コンビニ弁当ばっかり食べてたら、体に悪いんだよ!」

先生「疲れちゃって、作る元気が無いんです……」

金髪女「ふーん。先生、ウチ達に規則正しいご飯食べろってうるさかったのに」


https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1475940310

2: 2016/10/09(日) 00:26:46.37
先生「お、大人はそう簡単にいかないんです!」

金髪女「えー、大人だからきっちり出来るんじゃないのー?」

先生「う、うぅ……ぐうぅ……」

金髪女「ひひっ、冗談だよ! 先生が忙しいの知ってるって!」

先生「忙しいといいますか、悩みの原因の大半が、貴女みたいな生徒のせいですけどね」

金髪女「えー、ウチみたいな良い子が先生の手を煩わせるなんてしてないよー」

先生「どの口がそんな言葉を……」

金髪女「ひひっ。先生、ぶっちゃけウチが卒業して寂しかったでしょ?」

先生「そうですねー。貴女が卒業してから、少し静かになりましたね」

金髪女「だと思って、こうして週二日以上は会いに来てあげてるけどね」

先生「……あはは」

3: 2016/10/09(日) 00:28:24.06
金髪女「今日はお鍋の材料持ってきたんだよ。作ってあげるから一緒に食べよ?」

先生「お鍋!」

金髪女「しかも、先生の大好きな肉団子いっぱい作ってきたよ」

先生「に、肉団子……」ゴクッ

金髪女「先生の好きな餅入りとか、柚子入りとか」

先生「……」グゥ~

金髪女「ひひっ、早く帰ってつくろーね」

4: 2016/10/09(日) 00:29:51.52
~先生家~



先生「な、何か手伝うことはありますか?」

金髪女「んー、とくにないよー。先生は風呂でも入っててよ」

先生「で、ですが……」

金髪女「いいって。いつも言ってんじゃん。ウチは先生に作ってあげたいの」

先生「でも……いつも作ってもらってばかりで申し訳ないといいますか」

金髪女「んー、だったらさー」

先生「はい! 何ですか? 何します?」

金髪女「今晩も泊まるからさ、そん時に一緒の布団で寝ようよ」

先生「へ?」

金髪女「今日寒いじゃん? ちょうど先生がいい抱き枕になりそーって思って」

先生「抱き枕……ですか?」

金髪女「ひひっ。やっぱ……ダメ?」

先生「はあ……いいですけど」

金髪女「うぇっ!? マジで!?」

5: 2016/10/09(日) 00:31:19.16
先生「ふふっ。一緒に寝たいなんて、金髪女さんって意外と子供っぽかったんですね」

金髪女「お、おぉ……。やっぱ鈍いな……」

先生「へ?」

金髪女「先生が彼氏作れない理由、なんとなくわかったかな」

先生「ふええ!? か、彼氏がいないのは私の勝手です!」

金髪女「ひひっ。先生まだまだ若いんだから、焦らなくてもいいよ」

先生「ふんっ、金髪女さんだって彼氏いないんでしょ」

金髪女「んー、ウチには先生がいるから、彼氏なんていらないし」

先生「あらら、そんなこと言って、彼氏できないの私のせいにしちゃダメですよ」

金髪女「……ひひっ。全部先生のせいだもーん」

先生「ところで本当に手伝い、いらないんですか?」

金髪女「うん。いいよ。先生疲れてるでしょ。それに、下ごしらえは家でやってきたし。あとは仕上げだけ」

先生「それじゃあ、お言葉に甘えましょうか……」

金髪女「でも、さっきの約束忘れないでよ」

先生「分かってますよ。一緒に寝るんですよね」

金髪女「ひひっ。分かってるね」

6: 2016/10/09(日) 00:33:09.73






~3時間後~


先生「ごちそうさまです」

金髪女「ふいー、食べた食べた」ゲフッ

先生「こら、汚いですよ。女の子なんですから」

金髪女「ひひっ、先生しかいないから別にいいもーん」

先生「まったく……」

金髪女「んー、せんせー」ギュッ

先生「うん? なんですかー?」

金髪女「先生暖かいなぁーって」

先生「ふふっ。金髪女さんも暖かいですよ」

金髪女「んー。むふふ」

先生「本当にどうしたんですか? 今日はいつもより甘えんぼといいますか」

金髪女「……別になんもないもん」

先生「まったく……これでも貴女の担任だったんですよ? 隠し事なんてお見通しですよ」

7: 2016/10/09(日) 00:34:35.51
金髪女「……昨日」

先生「うん」

金髪女「親に反対された……」

先生「反対?」

金髪女「……大学」

先生「うん?」

金髪女「教育大学行って、教師になりたいって……でもダメだって……無駄だって」

先生「……」

金髪女「確かにウチ頭悪いよ……でも……っ」

先生「……教師に、なりたいんですね」

金髪女「先生みたいに、なりたくて」

先生「あはは、なんだか恥ずかしいですね」

金髪女「……でも、なれない……」ギュッ

先生「諦めちゃうんですか?」

金髪女「……諦めたくないよ。やっと夢……見つけたんだもん」

先生「金髪女さん……」

金髪女「……グスッ」

先生「……今だから言っちゃいましょうか」

金髪女「え?」

先生「私、金髪女さんのこと嫌いでした」

8: 2016/10/09(日) 00:36:16.68
金髪女「……へ?」

先生「あ! ご、誤解しないでくださいね! 今は大好きですよ! 大切な人です!」

金髪女「っ……! う、ウチも……好きだもん……」

先生「まぁ、嫌いといいますか……怖かった、ですね」

金髪女「言うこと聞かなかったから?」

先生「それもありますけど、一番怖かったのは……目が怖かった」

金髪女「……」

先生「何してもいい、周りの人に迷惑や危害を加えても、どうとも思わない……そんな目が」

金髪女「……あの時は……ね」

先生「金髪女さんの友達も皆そんな目をしてて、余計に怖かったですね」

金髪女「アイツらは……まぁ、ウチと同類だし。だからダチになったんだもん」

先生「担任を任されたとき、正直逃げたかったです。」

金髪女「……ウチも先生のこと、最初はウザかったと思ってたし」

先生「知ってますよ。面と向かって言われちゃいましたし」

金髪女「先生泣きそうな顔してた」

先生「家に帰って泣きました」

金髪女「マジで……? ごめん」

9: 2016/10/09(日) 00:38:26.69
先生「でも、やっぱり逃げたくなかった。きちんと向き合いたかった」

金髪女「うん、知ってる。先生、ウチらのこと最後まで見ていてくれたもんね」

先生「……今もちゃんと、見てますよ」

金髪女「先生……?」

先生「生徒と教師の関係は、卒業してはい終わり……そんなわけありません。ずっとずっと貴女は、私の生徒です」

金髪女「……えへへ。嬉しいなぁ」

先生「だから、金髪女さんが勉強苦手なのは知っています。御両親も、そのことで大学を反対したのでしょう」

金髪女「……うん」

先生「だったら、勉強して勉強して、見返すんです」

金髪女「見返す……」

先生「これだけ賢くなったんだから無駄なんかじゃないって、言ってやるんです」

金髪女「……できるかな」

先生「できます! なんだったら私も手伝います!」

金髪女「え……先生が?」

先生「はい! 勉強でもなんでも見ますよ!」

金髪女「ちょ……先生落ち着いて! なんか変なスイッチ入ってる!」

先生「あ……ごめんなさい……」

10: 2016/10/09(日) 00:39:21.84
金髪女「ひひっ。先生、熱くなったら変なキャラなるよね」

先生「ううぅ……」

金髪女「でも……嬉しい。先生がウチのこと真剣に考えてくれて」

先生「だって……大切な生徒ですから……うぅ」

金髪女「……うん。ウチ、もう一回親と話してみる」

先生「だ、だったら私も一緒に行きましょうか!?」

金髪女「いらない! 先生来たらややこしくなる!」

先生「うぅ……すみません」

金髪女「でも、ありがと。元気出た」

先生「えへへ、よかったです」

金髪女「ねぇ、そろそろ片付けしよっか」

先生「あ、そうですね。片付けは私がしますから、金髪女さんはお風呂入ってくださいね」

金髪女「んー、はいはい。甘えよっかな」

先生「どうぞどうぞ」

11: 2016/10/09(日) 00:40:46.98








~風呂場~


金髪女「ーーーっぁはぁぁ……いい湯だ」

金髪女「……なんて、おやじクサ」

金髪女「ホントは先生と一緒に入りたかった……なんてね」

金髪女「そんなこと言える勇気なんて無いっての」

金髪女「一緒に寝よって言うのだって緊張したっての」

金髪女「……あ、そっか今日一緒に寝るんだ」

金髪女「やっべ。顔赤くなるじゃん」

金髪女「それに先生、豆電球点けないと寝れないから、ニヤニヤしてるのバレるじゃん」

金髪女「気持ち悪いって思われないかな……ドン引きとか言われたら、もう氏ぬしかないじゃん」

金髪女「でも、今日は抱きつき放題じゃん。匂い嗅ぎ放題じゃん」

金髪女「……ってか、今思ったらこの湯、先生入った後の湯なんだよね」

金髪女「……っ」ゾクゾク

金髪女「って、ウチは変態かよ!!」

金髪女「あー……ホントに最近ヤバイかも」

金髪女「気持ちが抑えらんないもん」

金髪女「先生に彼氏なんかできたら……」

金髪女「……先生」

金髪女「ウチのこと……嫌いにならないよね」

12: 2016/10/09(日) 00:42:12.48





~リビング~


金髪女「ういーっす。風呂、出た……よ?」



先生「もう、だから悩まないでください。私がいつでも相談にのりますよ」

先生「うん、うん。ふふっ、よかった、元気な声になりましたね」

先生「これくらい学校でも素直だったら、私苦労しないんですけどね」

先生「あら、そんなこと言いますか。ふふっ、休み明けのテスト難しくしちゃいましょうかね」

先生「謝っても遅いですよー。ふふふ、怒っちゃいましたからね」

先生「あはは、楽しみにしておきますね。うん、うん、はーい」

先生「いいですよ、いつでも電話してください。はい、おやすみなさい」

先生「……ふう」ピッ


13: 2016/10/09(日) 00:43:14.83



先生「あ、金髪女さん上がったんですね。お風呂上りのデザートなんてどうですか?」

金髪女「あ……うん……もらう」

先生「今日買ったんですよ。じゃーん、シュークリーム!」

金髪女「あ、駅前の行列のできるヤツだ」

先生「えへへ、仕事終わりでしたけど並んじゃいました」

金髪女「そう……なんだ……」

先生「ん? どうかしました? ボーっとしちゃってますよ?」

金髪女「あ……いや、何でも……それより、さ」

先生「うん?」

金髪女「さっきの電話、誰だったの?」

先生「あぁ、今担任を受け持ってるクラスの生徒です」

金髪女「ふ、ふーん」チクッ

14: 2016/10/09(日) 00:44:11.58
先生「入学してからずっと1人でいて、無表情で、自分の心に閉じこもっちゃってる女の子だったんです」

金髪女「心に閉じこもってる……か。何か昔のウチと似てるかも」

先生「そうですね、言われてみれば少し似ているのかもしれません」

金髪女「……で、その子、先生にだけ心開いてくれたの?」

先生「そう……ですね。今はまだ、私としか上手く話せません……でも、気にかけてくれる子がクラスに何人もいます」

金髪女「……」

先生「きっと、すぐに友達ができるようになります!」

金髪女「……うん、そうだね、きっと」

先生「えへへ、すみません、何だか熱くなっちゃいました」

金髪女「先生って熱くなったらカッコよくなるよね」

先生「そ、そんなカッコいいなんて……照れてしまいます」

金髪女「ひひっ、今は顔が真っ赤で可愛い」

先生「からかわないで下さい! もう……」

金髪女「ひひひ、んじゃシュークリームいっただきまーす」

先生「あ、ココア飲みます?」

金髪女「うん、飲む! ありがと」モグモグ

15: 2016/10/09(日) 00:45:00.60




~1時間後~


寝室



先生「じゃあ、電気消しますよ」

金髪女「う、うん」ドキドキ

先生「ふふっ、一緒のお布団で寝るなんて何だか恥ずかしいですね」

金髪女「ウチも……」

先生「今日の金髪女さんは甘えんぼさんですから、いっぱい甘えてもいいんですよ?」

金髪女「え……あ、うん……」ドキドキ

先生「ふふ、ほら、抱き枕なんですから、抱き着いてもいいですよー、なんて……」

金髪女「っ……せんせぇ……」ギュッ

先生「……ぁ」

金髪女「暖かい……先生……」ギュゥゥ

先生「あ、ありがとうございます……」ドキドキ

金髪女「んふふふ……先生ぇ……」ギュゥゥゥ

先生「あらあら……本当に、金髪女さんが高校生だなんて信じれませんね」

金髪女「……ウチ、ずっと先生の生徒がいい」

先生「金髪女さんは、いつでも私の生徒ですよ?」

金髪女「そうじゃなくて……ううん、何でもない」ギュゥ

先生「ふふっ、今日の金髪女さんは可愛いですね」ナデナデ

金髪女「っ……」ドキドキ

16: 2016/10/09(日) 00:46:02.15
先生「でも、いつまでも私にばっかり甘えてたらダメですよー」

金髪女「……なんで?」

先生「いつか好きな人ができて、その人に思いっきり甘えなきゃですよ」

金髪女「……好きな人、か」

先生「んふふ、楽しみですね。金髪女さんの恋人がどんな人か」

金髪女「……先生は、誰か好きな人とかいないの?」

先生「んー、恋愛という意味の好きな人は、いませんね。というか、今まで無縁でしたから……」

金髪女「え、先生ってやっぱり、そーいう経験無いの?」

先生「う……」

金髪女「へぇーへぇー」ニヤニヤ

先生「いいんです! これから素敵な出会いがあるんです!」

金髪女「ひひっ、大丈夫だよ。ウチもまだそういうの経験無いし」

先生「当たり前です。不純なのはいけません。大人になってからです」

金髪女「んー、それもちょっと古いよ先生」

先生「いいんです! まったく、おませさんなんですから」

金髪女「……ねぇ、先生ってもしかしてキスもまだだったり?」

先生「……この会話の流れから察してくれないんですか?」

金髪女「恥ずかしがらなくてもいいじゃん。ウチもしたことないし」

先生「うぅ……あ、ありますよ、キスくらい、し、したことありますよ」

金髪女「え……うそ……誰と?」

17: 2016/10/09(日) 00:47:37.05

先生「だ、誰でもいいじゃないですか!」

金髪女「女性? 男性? どっち?」

先生「だ、男性ですよ、も、もちろん」

金髪女「何歳の時?」

先生「も、もういいじゃないですか! ね、やめましょう?」

先生(本当は、実家で飼ってる猫とキスしたなんて……言えないよぉ……ひぃぃん……)

金髪女「……うん、わかった、やめる」

先生「そうですか」ホッ

金髪女「その代わり、キスってどんなのか教えてよ」

先生「へ……」

金髪女「ウチ、知りたいなぁ。どんな感触で、どんな気持ちになるか……ね?」

先生「えっと……それは」

金髪女「説明できないの?」

先生「あ……え……ざ、ザラザラしてた……?」

金髪女「ザラザラ? なんか、まるで猫か犬みたいな人だね」クスクス

先生「うぐ……」ドキッ

18: 2016/10/09(日) 00:48:35.22
金髪女「ねぇ、せんせー。練習してもいい?」

先生「練習?」

金髪女「先生、キスして」

先生「な、ななな!?」

金髪女「いざ本番の時に焦りたくないから、練習したいの、ね? ダメ?」

先生「ダメに決まってるでしょ!」

金髪女「えー、キスの授業してよー。経験、したことあるんでしょ?」

先生「う……うぅ……ごめんなさい……嘘です。したことありません……」

金髪女「うん。知ってた。だから、意地悪したんだよ、ひひひ」

先生「うぅ……」

金髪女「……でも、初キスの相手が先生だったら、すごく嬉しいな」

先生「え……?」

金髪女「先生は、ウチが初キスの相手だったら……嫌かな?」

先生「金髪女さん……?」

金髪女「……ひひっ、冗談じゃん。本気にしちゃった?」

先生「なっ!? また私をからかいましたね!」

金髪女「ひひひ」

19: 2016/10/09(日) 00:49:28.37

先生「まったく……早く寝ますよ!」

金髪女「あぁん、待ってまだ眠たくないー」

先生「良い子は寝る時間です」

金髪女「えー、別に明日何も無いんだから夜更かししよーよ」

先生「んー……そうだ、明日私も休みですし、暇でしたらどこか行きませんか?」

金髪女「行く! 映画行きたい! あ、それとケーキバイキング!」

先生「いいですよー」

金髪女「えへへー、デートだ」

先生「あら、男性と遊びに行くのがデートなんですよ。私と行ってもデートになりませんよ」

金髪女「……先生って、クソマジメだよね」

先生「く、クソッ……!?」ガーン

金髪女「ウチがデートって言ったらデートなの!」

先生「うぅ……はい」

金髪女「映画はあれ観たい、この前公開した宇宙人のやつ!」

先生「あぁ、あれですね。わかりました」

金髪女「えへへ……明日が楽しみだなぁ」

先生「そういうことですから、早く寝ましょうね」

金髪女「うん!」ギュッ

先生「ふふっ、暖かいですね」

金髪女「……うん、暖かい……」

先生「おやすみなさい、金髪女さん」

金髪女「おやすみ……先生……」

20: 2016/10/09(日) 00:50:26.39





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~2年前~


12月中旬。
雪がチラチラと降る夜。



金髪女「え、ちょっ、どこ行く気……?」

男「どこって、今さら聞くかな。いいことしようよ」

金髪女「約束が違うじゃん! ホテルは行かないて……!!」

男「いいじゃない。ご飯食べて買い物して2万だけじゃ、君も満足しないでしょ?」

金髪女「いや……でも……そんなのしたことないし……こんなのも初めてだし……」

男「だったら、本番はしないから、ね? 後、5万は追加するから」

金髪女「い、いや……だ。帰りたい……」

男「……あのさぁ、ここまで来てそりゃないでしょ」

金髪女「でも……約束……」ビクビク

男「あぁ!?」

金髪女「ひっ!?」

男「ほら、もう戻れないよ。どうせその気だったんでしょ?」

金髪女「ちが……ぅ……」

男「いつまでもガタガタ言うの止めてね。いい加減イラつくよ?」

21: 2016/10/09(日) 00:52:11.41
金髪女「っ……」

男「よしよし、いい子だね。ほら、怖いのって最初だけだから」

金髪女「……っ……助けて……先生……」


金髪女(なんで……なんで、こんな時にあの人の顔が思い浮かんだんだろ……)

金髪女(いつもウチに絡んできて、ウザかったんじゃなかったの……)

金髪女(なんでこんなに……あの人の声が顔が……頭から離れないの……)

金髪女(なんで……なんで……)

金髪女「…………先生……っ」




先生「金髪女さぁぁん!!!」




男「あん?」

金髪女「え……」

先生「やっと……やっと見つけた……ハァハァ」

22: 2016/10/09(日) 00:53:22.70
男「えっと……誰?」

先生「ほら、帰りますよ。こんな時間に外を出歩いてはいけません」

金髪女「せん……せぇ」

男「え、先生?」

先生「すみません。その子に触らないでもらえますか」

男「いや、えっと……これは……」

先生「それとも……警察、行きますか?」

男「あ……え……でもそれは……貴女も困るんじゃ……」

先生「はい?」

男「ほら……その子も、いろいろ問題になったり?」

先生「だったら、なんですか。この子が苦しむことになるなら、私が全てをかけてこの子を守ります」

金髪女「……せんせぇ」

先生「貴方みたいな人間から、私はこの子を守る。たとえ私がどうなってもいい……それが私の、この子にできることだから」

男「わ、わかった……その子には何もしてない、だから、警察は……」

先生「……貴方がこの子にいくら払ったか知りませんが……お返しします。10万ですか、100万ですか?」

男「に、2万……です……」

先生「それでしたら2万お返しします。それと、もう二度とこの子の目の前に現れないで下さい」

男「は、はい……!」

先生「この子の人生を、そんな汚い金で壊させません。消えてください」

男「言われなくても消えるよ……! くそっ……」

23: 2016/10/09(日) 00:54:26.76
先生「……」

金髪女「……先生?」

先生「……っバカ!!」ギュゥゥ

金髪女「わっ……ふ!?」

先生「バカバカ……本当に……バカ……!」ギュゥゥゥゥ

金髪女「っ……先生……痛いよ……っぅ」

先生「もう二度と、こんなことしないでください……」

金髪女「……うん……うん……」

先生「よかった……無事でよかった……」

金髪女「先生ぇ……せん……せぇ……ぅぅえぇええん」

先生「もう……本当にバカなんですから……心配させないでください……。貴女は私の大切な生徒なんですから」

金髪女「ぅええぇえぇえっ……っっひく……ぅぅえぇえ……」

24: 2016/10/09(日) 00:55:10.64


先生「……帰りましょう、ね」

金髪女「っぅん……ぅん……ヒック……っ」

先生「家まで送りますね」

金髪女「……やだ、こんな泣き顔で帰りたくない……先生の家に行く」

先生「ぇえ!?」

金髪女「……ダメ?」

先生「だ、ダメも何も貴女には帰る家があって……え、でも帰りたくないって……!?」

金髪女「……ウチのこと大切じゃないの……?」

先生「ぅ……親御さんに連絡させてください……」

金髪女「そんなのいらないのに……」

先生「いいから連絡させてください!」

金髪女「……うん」

先生「あぁ……親御さんに何て言おう……あぁ……」

金髪女「……えへへ」




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25: 2016/10/09(日) 00:55:52.46




~現在~




金髪女「っは……夢……」

金髪女「昔の事を、夢で本当に見れるんだ……すげぇ」

金髪女(……たしか、あれがきっかけで先生のこと好きになっていったんだっけ)

金髪女(ウチのこと……守ってくれるって……言ってくれたんだよね)

金髪女「えへ、うえへえへへへ」

金髪女「あれ、そういえば先生は……? 一緒に寝てたよね?」

金髪女「せーんせー?」


先生「あぁ、やっと起きたんですね」

金髪女「せんせー、おはー。おほっ、エプロン姿とか先生可愛すぎだよー」

26: 2016/10/09(日) 00:56:50.37
先生「朝ごはん作っていたんです。まったく、もう8時ですよ」

金髪女「え、休日の8時とか早起きすぎ」

先生「早寝早起きです。まったく金髪女さんったら……」

金髪女「今日の朝ごはん何ー?」

先生「話し聞いてないですね……。今日は、金髪女さんの好きなホットケーキですよ」

金髪女「やった! あの美味しいチョコソースある?」

先生「ありますよー」

金髪女「ひひひ、やったね」

先生「顔洗ってきましょうね」

金髪女「うん!」

先生「ふふふ」



ピンポーン♪



金髪女「あれ? 誰か来たよ?」

先生「何でしょう。こんな朝早くから」

金髪女「居留守したらー」

先生「こらこら、いけません。ちょっと出てきますから、早く顔洗ってきなさい」

金髪女「はーい。あ、扉開ける前に、誰が来たか確認したほうがいいよ」

先生「知ってます!」

27: 2016/10/09(日) 00:58:12.86




~玄関~


先生「はーい。どちらさまですかー」

「……1年3組の、黒髪少女です」

先生「え!? 黒髪さん?」


ガチャ


黒髪少女「……おはようございます、先生」ニコッ

先生「お、おはようございます……。朝早くに、どうしたんですか?」

黒髪少女「すみません、何の連絡も無しに来てしまって……どうしても、ここに来て確認したいことがありまして」

先生「確認?」


28: 2016/10/09(日) 00:58:58.93



金髪女「せんせー、結局誰だった……の……?」

黒髪少女「……」ギロッ

金髪女「え、誰?」

先生「あ、この子は」

黒髪少女「先生が担任を受け持つ、1年3組・黒髪少女です。【今の】先生の生徒です」

金髪女「あん?」

先生「え? え? あ、えっと……ほら、この子は昨日、話した子です」

金髪女「あぁ、この子がね……ふーん」

先生「えっと……黒髪さん、この人が」

金髪女「先生が【初めて】受け持ったクラスの生徒、金髪女」

黒髪少女「えぇ、よく知っていますよ。先生からよく話を聞いてますから」

金髪女「え!? ウチの話してるの!?」

先生「わー! わー! 黒髪さん、その話はダメー!」

黒髪少女「クスッ……すみません。【2人だけ】の秘密ですね」

金髪女「……」イラッ

黒髪少女「……ふふっ」

先生「そ、それより確認って何だったんですか?」

黒髪少女「えぇ、確認しときたかったんです。もう、終わりましたよ」

29: 2016/10/09(日) 01:00:27.35
先生「え? え?」

黒髪少女「声がしたから、気になっていましたが……」

金髪女「……」

黒髪少女「貴女とは、少し仲良くなれそうですね」

金髪女「遠慮しとくかな、ウチ年下って苦手なんだよね」

黒髪少女「ふふっ……。それでは、失礼します。朝早くに申し訳ありませんでした」

先生「え、もう帰るんですか? 家でゆっくりしていきませんか?」

黒髪少女「先生のお誘いは嬉しいのですが、迎えが待っていますから」

先生「そうですか……。では、また明後日学校で会いましょう」

黒髪少女「はい。休み明けのテスト、頑張りますね」

先生「ふふっ、はーい」

黒髪少女「それでは、金髪女さんも、またどこかで」

金髪女「へーいへーい」

黒髪少女「では、失礼します」

30: 2016/10/09(日) 01:01:30.14
金髪女「……ねぇ、先生」

先生「はい?」

金髪女「やっぱり、あの子とウチ、少しだけ似てた」

先生「え? え?」

金髪女「【嘘つき】なとことか……とくに」

先生「どういうことですか? ねぇ、金髪女さん?」

金髪女「さぁて、ホットケーキ食べよー!」

先生「教えてくださいよー!」

金髪女「あの子にウチのこと、どんな風に話したか教えてくれたらね」

先生「そ、それはできません!!」





~END~

31: 2016/10/09(日) 01:02:28.61
おしまいです!
ありがとうございました!

32: 2016/10/09(日) 01:06:01.43
第1話で終わった感じ
おつおつ

34: 2016/10/09(日) 02:52:15.77
続きはよ!

35: 2016/10/09(日) 02:52:59.08
2クール分続くんだろ?待ってる

引用元: 金髪女「せーんせ」ギュッ 先生「ひぃっ!」