1: 2019/04/27(土) 22:54:11.086
コッコロ「キャルさま~……! お待たせ致しました~……!」
キャル「おっそいわよ! 一体どれだけ待たせるつもり……って、あんた一人? あのバカはどうしたのよ?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「あぁもうっ、いいから一旦息を整えなさい! ハーハー喋られたらこっちまで疲れてくるじゃない」
コッコロ「は、はい……ありがとうございます……」
キャル「ったく……どいつもこいつも……。あたしの貴重な時間をなんだと思ってるのかしら……」
コッコロ「……ふぅ」
コッコロ「キャルさま。まずはお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません」
キャル「まったくよ、もう。だけどあんたが謝ることないんじゃない? どうせあんたの大事な主様のせいなんでしょ?」
コッコロ「それはですね、えぇと……」
キャル「で? 元凶のあいつはどこなの? まさか来ないの?」
コッコロ「はい。結論だけ申しますと、主さまはお留守番でございます」
キャル「おっそいわよ! 一体どれだけ待たせるつもり……って、あんた一人? あのバカはどうしたのよ?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「あぁもうっ、いいから一旦息を整えなさい! ハーハー喋られたらこっちまで疲れてくるじゃない」
コッコロ「は、はい……ありがとうございます……」
キャル「ったく……どいつもこいつも……。あたしの貴重な時間をなんだと思ってるのかしら……」
コッコロ「……ふぅ」
コッコロ「キャルさま。まずはお待たせしてしまい、本当に申し訳ありません」
キャル「まったくよ、もう。だけどあんたが謝ることないんじゃない? どうせあんたの大事な主様のせいなんでしょ?」
コッコロ「それはですね、えぇと……」
キャル「で? 元凶のあいつはどこなの? まさか来ないの?」
コッコロ「はい。結論だけ申しますと、主さまはお留守番でございます」
2: 2019/04/27(土) 22:57:09.923
キャル「……」
コッコロ「あの、キャルさま……」
キャル「……平気よ。ちょーっとイラっときただけだから」
コッコロ「今日はお寝坊やおサボりではなくてですね、キチンとした理由が……!」
キャル「ふ~ん? ギルドの活動をすっぽかすだけの理由があるってんなら、是非聞かせてもらおうかしら」
コッコロ「実はですね。主さま、近頃流行している伝染病に罹ってしまいまして……。今朝から高いお熱に苦しんでおられるのです……」
キャル「はぁ? 大丈夫なの、それ?」
コッコロ「先程お医者さまに診ていただきましたので、とりあえずは……。今はお薬を飲んで眠っておられます……」
コッコロ「なにやら、あっという間に治ってしまうお薬もあるようなのですが……そちらは今、訳あって手に入らないそうで」
キャル「そ、そう……。なら、しばらく安静なのね……」
キャル「ふんっ、ほんと軟弱なんだから! 情けないわね~!」
コッコロ「うぅ……」
キャル「……貧弱でどうしようもないヤツなんだから、あんたが側についててあげなさいよ。今日の魔物退治の仕事はあたしがやっておくから」
コッコロ「あの、キャルさま……」
キャル「……平気よ。ちょーっとイラっときただけだから」
コッコロ「今日はお寝坊やおサボりではなくてですね、キチンとした理由が……!」
キャル「ふ~ん? ギルドの活動をすっぽかすだけの理由があるってんなら、是非聞かせてもらおうかしら」
コッコロ「実はですね。主さま、近頃流行している伝染病に罹ってしまいまして……。今朝から高いお熱に苦しんでおられるのです……」
キャル「はぁ? 大丈夫なの、それ?」
コッコロ「先程お医者さまに診ていただきましたので、とりあえずは……。今はお薬を飲んで眠っておられます……」
コッコロ「なにやら、あっという間に治ってしまうお薬もあるようなのですが……そちらは今、訳あって手に入らないそうで」
キャル「そ、そう……。なら、しばらく安静なのね……」
キャル「ふんっ、ほんと軟弱なんだから! 情けないわね~!」
コッコロ「うぅ……」
キャル「……貧弱でどうしようもないヤツなんだから、あんたが側についててあげなさいよ。今日の魔物退治の仕事はあたしがやっておくから」
4: 2019/04/27(土) 23:00:25.673
コッコロ「わたくしも、キャルさまとペコリーヌさまにお伝えしたら、すぐに看病に戻ろうと思っていたのですが……」
キャル「む……」
コッコロ「うつしてしまってはいけないと、お部屋を追い出されてしまったのです……」
キャル「へぇ? ま、たしかにそうね。あいつにしてはマトモな判断じゃない」
コッコロ「ですので、キャルさま。本日はわたくし、主さまの分まで働こうと張り切っています」
キャル「あっそ。じゃあさっさと済ませちゃいましょ」
キャル「けどコロ助。張り切るのはいいけど、主様の分だけじゃ足りないわよ。もう一人分頑張ってもらわないと」
コッコロ「はて、もう一人分と仰いますと……? そういえばペコリーヌさまのお姿が見えませんね?」
キャル「ペコリーヌのやつも今日は来ないから。あいつ一人で二人分の戦力だし、ちょっとだけキツいけど」
コッコロ「も、もしやペコリーヌさまもご病気に……?」
キャル「あいつはそんなヤワじゃないわよ。なんか急用だ~、って言ってたわ。顔色変えて飛んで行っちゃった」
コッコロ「……ふむ。急用であれば致し方ありません。でしたら今日はわたくしとキャルさまの二人で頑張りましょう」
キャル「はーあ……これじゃ楽できそうにはないわね~……。ま、愚痴ってもしょうがないか……」
キャル「む……」
コッコロ「うつしてしまってはいけないと、お部屋を追い出されてしまったのです……」
キャル「へぇ? ま、たしかにそうね。あいつにしてはマトモな判断じゃない」
コッコロ「ですので、キャルさま。本日はわたくし、主さまの分まで働こうと張り切っています」
キャル「あっそ。じゃあさっさと済ませちゃいましょ」
キャル「けどコロ助。張り切るのはいいけど、主様の分だけじゃ足りないわよ。もう一人分頑張ってもらわないと」
コッコロ「はて、もう一人分と仰いますと……? そういえばペコリーヌさまのお姿が見えませんね?」
キャル「ペコリーヌのやつも今日は来ないから。あいつ一人で二人分の戦力だし、ちょっとだけキツいけど」
コッコロ「も、もしやペコリーヌさまもご病気に……?」
キャル「あいつはそんなヤワじゃないわよ。なんか急用だ~、って言ってたわ。顔色変えて飛んで行っちゃった」
コッコロ「……ふむ。急用であれば致し方ありません。でしたら今日はわたくしとキャルさまの二人で頑張りましょう」
キャル「はーあ……これじゃ楽できそうにはないわね~……。ま、愚痴ってもしょうがないか……」
5: 2019/04/27(土) 23:03:17.849
~森~
コッコロ「キャルさま! とどめを!」
キャル「分かってるっての! はぁぁぁっ!」
キャル「……っと、コロ助! 屈みなさい!」
コッコロ「え? あ、はいっ……!」
キャル「消えろぉっ!」
コッコロ「わわわ……! 後ろに三体も魔物が……! た、助かりました、キャルさま」
キャル「ったく。油断するんじゃないわよ。今日はいつも指示出してるヤツがいないんだから」
コッコロ「はい……申し訳ありません……」
キャル「ケガはなかった?」
コッコロ「はい。キャルさまのおかげでこの通り、傷ひとつありません」
キャル「ん、ならいいわ。さっ、どんどん行くわよ!」
コッコロ「キャルさま! とどめを!」
キャル「分かってるっての! はぁぁぁっ!」
キャル「……っと、コロ助! 屈みなさい!」
コッコロ「え? あ、はいっ……!」
キャル「消えろぉっ!」
コッコロ「わわわ……! 後ろに三体も魔物が……! た、助かりました、キャルさま」
キャル「ったく。油断するんじゃないわよ。今日はいつも指示出してるヤツがいないんだから」
コッコロ「はい……申し訳ありません……」
キャル「ケガはなかった?」
コッコロ「はい。キャルさまのおかげでこの通り、傷ひとつありません」
キャル「ん、ならいいわ。さっ、どんどん行くわよ!」
6: 2019/04/27(土) 23:06:06.542
コッコロ「あのっ……!」
キャル「なによ? お腹でも空いたの?」
コッコロ「お、おててを繋いではいただけないでしょうか……?」
コッコロ「いつもは主さまが握っていてくれているのですが……その……」
キャル「はぁ? どうしてあたしがそんなこと……。ペコリーヌにでも──って、あいつもいないんだったわね……」
コッコロ「嫌、でしょうか……?」
キャル「イヤっていうか……。あんたそんなに甘えん坊だったっけ?」
コッコロ「……」
キャル「……あたしでいいの?」
コッコロ「はい。他に頼れる方がいませんので」
キャル「……」
キャル「繋いであげない」
コッコロ「そんなっ……」
キャル「なによ? お腹でも空いたの?」
コッコロ「お、おててを繋いではいただけないでしょうか……?」
コッコロ「いつもは主さまが握っていてくれているのですが……その……」
キャル「はぁ? どうしてあたしがそんなこと……。ペコリーヌにでも──って、あいつもいないんだったわね……」
コッコロ「嫌、でしょうか……?」
キャル「イヤっていうか……。あんたそんなに甘えん坊だったっけ?」
コッコロ「……」
キャル「……あたしでいいの?」
コッコロ「はい。他に頼れる方がいませんので」
キャル「……」
キャル「繋いであげない」
コッコロ「そんなっ……」
7: 2019/04/27(土) 23:08:42.201
コッコロ「……ふふ♪」
キャル「いい? 魔物が出たらすぐに離すのよ?」
コッコロ「キャルさまのおてては小さくて柔らかいです♪」
キャル「聞きなさいよ!」
コッコロ「少しひんやりしていますが」
キャル「うぐ……。ふんっ、手が冷たい人は心があったかいのよ」
コッコロ「ふむ、なるほど。キャルさまはとてもお優しい方ですからね。納得です」
キャル「あぁもうっ! うっさいうっさい! 黙って歩きなさいよね!」
コッコロ「……」
キャル「……ちょっとくらいなら喋っていいわよ?」
コッコロ「キャルさま、魔物です」
キャル「早く言いなさいよっ!」
キャル「いい? 魔物が出たらすぐに離すのよ?」
コッコロ「キャルさまのおてては小さくて柔らかいです♪」
キャル「聞きなさいよ!」
コッコロ「少しひんやりしていますが」
キャル「うぐ……。ふんっ、手が冷たい人は心があったかいのよ」
コッコロ「ふむ、なるほど。キャルさまはとてもお優しい方ですからね。納得です」
キャル「あぁもうっ! うっさいうっさい! 黙って歩きなさいよね!」
コッコロ「……」
キャル「……ちょっとくらいなら喋っていいわよ?」
コッコロ「キャルさま、魔物です」
キャル「早く言いなさいよっ!」
8: 2019/04/27(土) 23:10:59.068
キャル「ぜーっ……ぜーっ……」
コッコロ「キャルさま、キャルさま」
キャル「なによ……。少し休ませてちょうだい……」
コッコロ「たった今倒した、この狼のような魔物ですが。どうやら討伐を依頼された魔物のようです」
キャル「え? どれどれ? ……あ、ほんとね。依頼にあったのは、こいつと、こいつのツガイの魔物の二匹よね。てことは──」
コッコロ「恐らくこの近くにもう一体の魔物もいるかと」
コッコロ「怒らせてしまうと厄介です。この魔物の氏骸が、ツガイの魔物に発見されないうちに仕留めてしまいましょう」
キャル「ええ、それがいいわね。ん~っ……! やっと帰れるわね~。帰ったらご飯でも食べましょうか」
コッコロ「そうですね。【ギルド管理協会】に報告を済ませたら──キャルさまっ!」
魔物「ガァァァァッ!」
キャル「……え?」
コッコロ「キャルさま、キャルさま」
キャル「なによ……。少し休ませてちょうだい……」
コッコロ「たった今倒した、この狼のような魔物ですが。どうやら討伐を依頼された魔物のようです」
キャル「え? どれどれ? ……あ、ほんとね。依頼にあったのは、こいつと、こいつのツガイの魔物の二匹よね。てことは──」
コッコロ「恐らくこの近くにもう一体の魔物もいるかと」
コッコロ「怒らせてしまうと厄介です。この魔物の氏骸が、ツガイの魔物に発見されないうちに仕留めてしまいましょう」
キャル「ええ、それがいいわね。ん~っ……! やっと帰れるわね~。帰ったらご飯でも食べましょうか」
コッコロ「そうですね。【ギルド管理協会】に報告を済ませたら──キャルさまっ!」
魔物「ガァァァァッ!」
キャル「……え?」
9: 2019/04/27(土) 23:13:38.904
~???~
キャル「……ん」
コッコロ「キャルさま……!」
キャル「う、ぅ……」
コッコロ「キャルさま、ご気分はいかがでございますか?」
キャル「……最悪よ」
コッコロ「つまり……いつも通り、ということでしょうか? それはなによりでございます」
キャル「はぁ~……。説明してもらえる?」
コッコロ「先程、魔物に不意を突かれる形で攻撃を受けました。キャルさまは最初の攻撃で気を失ってしまって……」
コッコロ「わたくしがなんとか魔物を追い払い、今はこうして安全な洞穴に一時避難しております。外は既に暗くなっておりますので、今夜はここで休息を取ることに致しました」
キャル「無様ね……。ったく……イヤになるわ……」
コッコロ「あまりご自分を責めないでください。こうして事なきを得たのですから、今はそれで良いではありませんか」
キャル「いいわけないわよ……! だってあんた……そんなにボロボロになって……」
コッコロ「かすり傷でございますよ。キャルさまの方がよっぽど痛いでしょうに」
キャル「……」
キャル「ごめん……。ごめんね、コロ助……」
コッコロ「……さあキャルさま。今はまだお休みにならないと。明日になれば痛みも和らいでいることでしょう」
キャル「あたしの魔法で必ず治してあげるから……必ずよ……」
キャル「……ん」
コッコロ「キャルさま……!」
キャル「う、ぅ……」
コッコロ「キャルさま、ご気分はいかがでございますか?」
キャル「……最悪よ」
コッコロ「つまり……いつも通り、ということでしょうか? それはなによりでございます」
キャル「はぁ~……。説明してもらえる?」
コッコロ「先程、魔物に不意を突かれる形で攻撃を受けました。キャルさまは最初の攻撃で気を失ってしまって……」
コッコロ「わたくしがなんとか魔物を追い払い、今はこうして安全な洞穴に一時避難しております。外は既に暗くなっておりますので、今夜はここで休息を取ることに致しました」
キャル「無様ね……。ったく……イヤになるわ……」
コッコロ「あまりご自分を責めないでください。こうして事なきを得たのですから、今はそれで良いではありませんか」
キャル「いいわけないわよ……! だってあんた……そんなにボロボロになって……」
コッコロ「かすり傷でございますよ。キャルさまの方がよっぽど痛いでしょうに」
キャル「……」
キャル「ごめん……。ごめんね、コロ助……」
コッコロ「……さあキャルさま。今はまだお休みにならないと。明日になれば痛みも和らいでいることでしょう」
キャル「あたしの魔法で必ず治してあげるから……必ずよ……」
11: 2019/04/27(土) 23:17:31.726
~森~
キャル「よーっし! 全快全快! 昨日の借りを返すわよ!」
コッコロ「キャルさま、嘘はいけませんよ」
キャル「はぁ? あたし、嘘なんて──」
コッコロ「キャルさまのことです、わたくしの傷を癒すのに全力を尽くしたのではないですか?」
コッコロ「ご自分に回復魔法をかけるだけの魔力は、おそらく残っていなかったことでしょう」
キャル「んなわけないでしょうが。自分優先に決まってるでしょ」
コッコロ「えいっ」
キャル「い゛ったーっ!? ちょっ、あんたっ、なにすんのよ!?」
コッコロ「それはわたくしのセリフでございます。そのような身体でなにをするおつもりですか」
キャル「……決まってるでしょ。あの犬っころにキツ~いお仕置きをしてやるのよ」
コッコロ「いけません。一度帰還して態勢を整えるべきです」
キャル「そんな悠長なことしてたら逃げられちゃうわよ! 今ここでぶっ殺さないと、二度と機会はないかもしれない!」
コッコロ「その傷では返り討ちにあってしまいます。なにより魔力もなしにどう戦うおつもりですか」
キャル「そんなのっ……! ぶん殴ればいいだけじゃないっ!」
コッコロ「お願いでございます、キャルさま──」
コッコロ「討伐報酬や敵討ちなどより、わたくしはキャルさまが大切なのです……。ご自分の身を投げ打つようなことはしないでくださいまし……」
キャル「……」
コッコロ「キャルさま……一緒に帰りましょう……?」
キャル「……ええ」
キャル「よーっし! 全快全快! 昨日の借りを返すわよ!」
コッコロ「キャルさま、嘘はいけませんよ」
キャル「はぁ? あたし、嘘なんて──」
コッコロ「キャルさまのことです、わたくしの傷を癒すのに全力を尽くしたのではないですか?」
コッコロ「ご自分に回復魔法をかけるだけの魔力は、おそらく残っていなかったことでしょう」
キャル「んなわけないでしょうが。自分優先に決まってるでしょ」
コッコロ「えいっ」
キャル「い゛ったーっ!? ちょっ、あんたっ、なにすんのよ!?」
コッコロ「それはわたくしのセリフでございます。そのような身体でなにをするおつもりですか」
キャル「……決まってるでしょ。あの犬っころにキツ~いお仕置きをしてやるのよ」
コッコロ「いけません。一度帰還して態勢を整えるべきです」
キャル「そんな悠長なことしてたら逃げられちゃうわよ! 今ここでぶっ殺さないと、二度と機会はないかもしれない!」
コッコロ「その傷では返り討ちにあってしまいます。なにより魔力もなしにどう戦うおつもりですか」
キャル「そんなのっ……! ぶん殴ればいいだけじゃないっ!」
コッコロ「お願いでございます、キャルさま──」
コッコロ「討伐報酬や敵討ちなどより、わたくしはキャルさまが大切なのです……。ご自分の身を投げ打つようなことはしないでくださいまし……」
キャル「……」
コッコロ「キャルさま……一緒に帰りましょう……?」
キャル「……ええ」
12: 2019/04/27(土) 23:21:05.999
キャル「はぁ……はぁ……。うぅ~っ……! よく考えれば、あれもこれもぜーんぶペコリーヌとあのバカのせいじゃない!」
コッコロ「主さまの責任はわたくしの責任。そしてペコリーヌさまは外すことのできない急用なのですから、すなわち全てわたくしの責任でございましょう」
キャル「あんたはなにひとつ悪くないの。よしよし」
コッコロ「ふぁ……」
キャル「大体急用ってなによ!? 大食い大会とかだったらタダじゃおかないんだから!」
コッコロ「否定しきれないのがなんとも……」
キャル「その辺の魔物焼いたら匂いに釣られて出てくるんじゃないの?」
コッコロ「否定しきれないのが……」
キャル「あ~……イライラするわね……。今度会ったら問い詰めてやるわ……」
コッコロ「……ふふっ」
キャル「なによ」
コッコロ「お二人は仲良しで羨ましゅうございます。ペコリーヌさまのお話をしているときのキャルさまは、とても楽しそうなお顔でいらっしゃいますから♪」
キャル「なっ……!?」
コッコロ「主さまの責任はわたくしの責任。そしてペコリーヌさまは外すことのできない急用なのですから、すなわち全てわたくしの責任でございましょう」
キャル「あんたはなにひとつ悪くないの。よしよし」
コッコロ「ふぁ……」
キャル「大体急用ってなによ!? 大食い大会とかだったらタダじゃおかないんだから!」
コッコロ「否定しきれないのがなんとも……」
キャル「その辺の魔物焼いたら匂いに釣られて出てくるんじゃないの?」
コッコロ「否定しきれないのが……」
キャル「あ~……イライラするわね……。今度会ったら問い詰めてやるわ……」
コッコロ「……ふふっ」
キャル「なによ」
コッコロ「お二人は仲良しで羨ましゅうございます。ペコリーヌさまのお話をしているときのキャルさまは、とても楽しそうなお顔でいらっしゃいますから♪」
キャル「なっ……!?」
13: 2019/04/27(土) 23:25:36.131
キャル「あたしがペコリーヌと仲良しですってぇ? なーに言っちゃってんだか、このチビ助は」
コッコロ「とても、とても仲良しです」
キャル「あんな食ってばっかの食い意地ーヌと仲いいわけないでしょ? 当然、あんたの大事な頭空っぽ変人赤ちゃんとも仲よくなんてないから」
コッコロ「本当に素直ではないのですね、キャルさまは。ここにはわたくししかいないのですから、素直になっても良いのに」
キャル「ふんっ。これがあたしの素直な気持ちよ」
コッコロ「ではキャルさま。『ギルドの中で二人組を作って』と言われたら、どなたを選ばれますか?」
キャル「二人組って……。あたしは別に一人でいいわよ。群れるのなんて真っ平だし」
コッコロ「そうなると……。主さまとペコリーヌさまのどちらかを余らせてしまうわけにはいかず、結果としてわたくしがひとりぼっちに……」
キャル「……」
コッコロ「せっかく四人いるのに……」
キャル「……余ったらあたしが組んであげるわよ」
コッコロ「はて。今なんとおっしゃいましたか?」
キャル「なんでもないっ!」
コッコロ「やはり素直ではありませんね♪」
キャル「聞こえてるんじゃない……」
コッコロ「とても、とても仲良しです」
キャル「あんな食ってばっかの食い意地ーヌと仲いいわけないでしょ? 当然、あんたの大事な頭空っぽ変人赤ちゃんとも仲よくなんてないから」
コッコロ「本当に素直ではないのですね、キャルさまは。ここにはわたくししかいないのですから、素直になっても良いのに」
キャル「ふんっ。これがあたしの素直な気持ちよ」
コッコロ「ではキャルさま。『ギルドの中で二人組を作って』と言われたら、どなたを選ばれますか?」
キャル「二人組って……。あたしは別に一人でいいわよ。群れるのなんて真っ平だし」
コッコロ「そうなると……。主さまとペコリーヌさまのどちらかを余らせてしまうわけにはいかず、結果としてわたくしがひとりぼっちに……」
キャル「……」
コッコロ「せっかく四人いるのに……」
キャル「……余ったらあたしが組んであげるわよ」
コッコロ「はて。今なんとおっしゃいましたか?」
キャル「なんでもないっ!」
コッコロ「やはり素直ではありませんね♪」
キャル「聞こえてるんじゃない……」
14: 2019/04/27(土) 23:27:57.956
キャル「ねぇコロ助。森の出口、もうすぐよね?」
コッコロ「……」
キャル「コロ助? 聞いてるの?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっと、なんで無視すんのよ。コロ助ってば」
コッコロ「コロ助ではありません。コッコロです」
キャル「はぁ? なに意味分かんないこと言ってんのよ。コロ助はコロ助でしょ?」
コッコロ「……ぷい」
キャル「あんたねぇ……」
コッコロ「……」
キャル「意地でも返事をしないつもりね……。別にいいわよ、それならそれで」
コッコロ「……あっ」
キャル「ふふん、いつまで保つか見ものね」
コッコロ「……」
キャル「コロ助? 聞いてるの?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっと、なんで無視すんのよ。コロ助ってば」
コッコロ「コロ助ではありません。コッコロです」
キャル「はぁ? なに意味分かんないこと言ってんのよ。コロ助はコロ助でしょ?」
コッコロ「……ぷい」
キャル「あんたねぇ……」
コッコロ「……」
キャル「意地でも返事をしないつもりね……。別にいいわよ、それならそれで」
コッコロ「……あっ」
キャル「ふふん、いつまで保つか見ものね」
15: 2019/04/27(土) 23:31:08.031
コッコロ「……」
キャル「……」
コッコロ「……」
キャル「……なによ。意地っ張りね」
コッコロ「……」
キャル「そういえば前にも言ってたっけ」
ーーーーーーーーーー
コッコロ「もっとちゃんと愛情を込めて、コッコロと呼んでいただきたい……♪」
ーーーーーーーーーー
キャル「『コロ助』だって別に悪くないと思うんだけど……」
コッコロ「……」
キャル「……ねぇ、コロ助」
コッコロ「ぐすっ」
キャル「ちょっ!? あんたなに泣いてんのよ!? え!? なんで!? あたしが悪いの!?」
コッコロ「い、いえ……泣いてなんて……うぅ……」
キャル「……」
コッコロ「……」
キャル「……なによ。意地っ張りね」
コッコロ「……」
キャル「そういえば前にも言ってたっけ」
ーーーーーーーーーー
コッコロ「もっとちゃんと愛情を込めて、コッコロと呼んでいただきたい……♪」
ーーーーーーーーーー
キャル「『コロ助』だって別に悪くないと思うんだけど……」
コッコロ「……」
キャル「……ねぇ、コロ助」
コッコロ「ぐすっ」
キャル「ちょっ!? あんたなに泣いてんのよ!? え!? なんで!? あたしが悪いの!?」
コッコロ「い、いえ……泣いてなんて……うぅ……」
16: 2019/04/27(土) 23:34:16.032
キャル「あぁ~……! もうっ、困ったわね~……。子供のあやし方なんて知らないっての……!」
コッコロ「んっ……ふぇっ……くすん……」
キャル「なによなによなによ……! どうしろってのよぉ……」
キャル「うぐぐぐぐ……! しょぉーっがないわねっ!」
キャル「こ、コっ──」
コッコロ「ふ、ぇ……?」
キャル「……コッコ、ロ」
コッコロ「あ……きゃ、キャルさま……? 今……」
キャル「こっち来なさい、コッコロ。涙拭いてあげる」
コッコロ「は、はい……♪」
キャル「呼び方なんかにこだわるなんて……ほんっとお子様なんだから……。はい、おしまい」
コッコロ「キャルさまっ♪」
キャル「うわっとと! なに抱きついてんのよ! 離れなさいっ! はーなーれーなーさーいーよー!」
コッコロ「……えへへ♪」
コッコロ「んっ……ふぇっ……くすん……」
キャル「なによなによなによ……! どうしろってのよぉ……」
キャル「うぐぐぐぐ……! しょぉーっがないわねっ!」
キャル「こ、コっ──」
コッコロ「ふ、ぇ……?」
キャル「……コッコ、ロ」
コッコロ「あ……きゃ、キャルさま……? 今……」
キャル「こっち来なさい、コッコロ。涙拭いてあげる」
コッコロ「は、はい……♪」
キャル「呼び方なんかにこだわるなんて……ほんっとお子様なんだから……。はい、おしまい」
コッコロ「キャルさまっ♪」
キャル「うわっとと! なに抱きついてんのよ! 離れなさいっ! はーなーれーなーさーいーよー!」
コッコロ「……えへへ♪」
17: 2019/04/27(土) 23:36:27.345
キャル「はぁ……。はぁ~……。はぁぁぁぁ……」
コッコロ「ふふふ♪」
キャル「いい加減離れなさいよ……。出口近くとはいえ、まだ魔物のうろつく森の中なのよ……?」
コッコロ「そ、そうでした……。心地が良くて、つい……」
キャル「あんた時々ズレてるわよね……。森を出たらすぐにランドソルに着くんだから、それまでは気合い入れなさい」
コッコロ「最後まで油断せず、ですね♪」
キャル「ほら、手」
コッコロ「はて……?」
キャル「繋ぐんでしょ。早くしなさいよ」
コッコロ「い、いいのでしょうか……? その、無理をなさらなくても……」
キャル「なによ、繋がないの? なら手ぇ引っ込めちゃおうかしら」
コッコロ「繋ぎますっ。繋ぎたいです。あぁっ、引っ込めないでください~……!」
コッコロ「ふふふ♪」
キャル「いい加減離れなさいよ……。出口近くとはいえ、まだ魔物のうろつく森の中なのよ……?」
コッコロ「そ、そうでした……。心地が良くて、つい……」
キャル「あんた時々ズレてるわよね……。森を出たらすぐにランドソルに着くんだから、それまでは気合い入れなさい」
コッコロ「最後まで油断せず、ですね♪」
キャル「ほら、手」
コッコロ「はて……?」
キャル「繋ぐんでしょ。早くしなさいよ」
コッコロ「い、いいのでしょうか……? その、無理をなさらなくても……」
キャル「なによ、繋がないの? なら手ぇ引っ込めちゃおうかしら」
コッコロ「繋ぎますっ。繋ぎたいです。あぁっ、引っ込めないでください~……!」
18: 2019/04/27(土) 23:39:21.206
~ランドソル~
キャル「氏ぬかと思ったわ……。は~、しんど……」
コッコロ「お疲れ様でした、キャルさま」
コッコロ「【ギルド管理協会】への報告はわたくしにお任せください。キャルさまはすぐに傷の手当てを」
キャル「うーん、それでもいいんだけどさぁ。大丈夫なのかしら」
コッコロ「ふむ……? 大丈夫か、と言いますと……?」
キャル「あんたの主様よ。丸一日空けちゃったでしょ? 今頃変氏体として処理されてるんじゃない?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっ、冗談だから! そんな今にも氏にそうな顔しないでってば!」
コッコロ「主さま……主さまぁ……。わたくしは……うぅ……どうすれば……」
キャル「報告なんて後でもいいし、あたしも一緒についていってあげる。氏んでたら後始末しないといけないもの」
コッコロ「あぁ……あぁぁぁぁ……」
キャル「あははっ! ほんと、からかい甲斐があるわね~」
キャル「さっ、行きましょ。あいつがどんなヒドイ顔してるか楽しみだわ♪」
キャル「氏ぬかと思ったわ……。は~、しんど……」
コッコロ「お疲れ様でした、キャルさま」
コッコロ「【ギルド管理協会】への報告はわたくしにお任せください。キャルさまはすぐに傷の手当てを」
キャル「うーん、それでもいいんだけどさぁ。大丈夫なのかしら」
コッコロ「ふむ……? 大丈夫か、と言いますと……?」
キャル「あんたの主様よ。丸一日空けちゃったでしょ? 今頃変氏体として処理されてるんじゃない?」
コッコロ「……」
キャル「ちょっ、冗談だから! そんな今にも氏にそうな顔しないでってば!」
コッコロ「主さま……主さまぁ……。わたくしは……うぅ……どうすれば……」
キャル「報告なんて後でもいいし、あたしも一緒についていってあげる。氏んでたら後始末しないといけないもの」
コッコロ「あぁ……あぁぁぁぁ……」
キャル「あははっ! ほんと、からかい甲斐があるわね~」
キャル「さっ、行きましょ。あいつがどんなヒドイ顔してるか楽しみだわ♪」
19: 2019/04/27(土) 23:41:51.085
キャル「早く入りなさいよ。まさかマジで氏んでるとでも思ってるわけ?」
コッコロ「も、もしものことを想像してしまって……。足が……す、すくんで動けません……」
キャル「もう、悪かったわよ。脅かしすぎたのは謝るから。大丈夫よ、きっと元気に待ってるわ」
コッコロ「そう、でしょうか……? で、では勇気を出して──」
ペコリーヌ「あれあれ~? コッコロちゃんに、キャルちゃんじゃないですか!」
コッコロ「ひぇぇっ……!?」
キャル「ペ、ペコリーヌ!?」
ペコリーヌ「おいっす~☆」
コッコロ「あわわ……腰が抜けてしまいました……。ペコリーヌさま、どうして主さまのお部屋から……?」
キャル「あんた……! あいつのこと食べちゃったんじゃないでしょうね!?」
コッコロ「そんな……! ペコリーヌさまひどいです! いくらお腹が空いているからといって、主さまを食べてしまうなんて! あんまりでございます!」
ペコリーヌ「もぉ~、何を言ってるんですかぁ! まだ食べたりしませんよ~!」
キャル「まだ……?」
コッコロ「も、もしものことを想像してしまって……。足が……す、すくんで動けません……」
キャル「もう、悪かったわよ。脅かしすぎたのは謝るから。大丈夫よ、きっと元気に待ってるわ」
コッコロ「そう、でしょうか……? で、では勇気を出して──」
ペコリーヌ「あれあれ~? コッコロちゃんに、キャルちゃんじゃないですか!」
コッコロ「ひぇぇっ……!?」
キャル「ペ、ペコリーヌ!?」
ペコリーヌ「おいっす~☆」
コッコロ「あわわ……腰が抜けてしまいました……。ペコリーヌさま、どうして主さまのお部屋から……?」
キャル「あんた……! あいつのこと食べちゃったんじゃないでしょうね!?」
コッコロ「そんな……! ペコリーヌさまひどいです! いくらお腹が空いているからといって、主さまを食べてしまうなんて! あんまりでございます!」
ペコリーヌ「もぉ~、何を言ってるんですかぁ! まだ食べたりしませんよ~!」
キャル「まだ……?」
20: 2019/04/27(土) 23:44:15.803
コッコロ「……では、ペコリーヌさまは主さまの看病を?」
ペコリーヌ「はい♪ 昨日、急いで用事を終わらせて帰ってきたら、彼が流行り病で倒れてるっていうじゃないですか!」
ペコリーヌ「コッコロちゃんもキャルちゃんも出かけちゃってたので、手の空いたわたしが看病をしていたんです♪ 放っておくとやばいですから☆」
キャル「看病してたのはいいけどさ、結局あんたはなにしてたのよ? あんたがいないせいで、こっちは散々な目に遭ったんだけど」
コッコロ「急用、と伺いましたが……一体どのようなご用事だったのでしょう?」
ペコリーヌ「それがですね~、偶然にもこの病気に関係していまして」
ペコリーヌ「この病気を一発で治しちゃう、すんごいお薬があるんですけどね? そのお薬の原料を運ぶ商隊が、たくさんの魔物に囲まれちゃったって聞いたんです」
キャル「それを助けに行ってたってこと? なんであんたがわざわざ血相変えて出しゃばってんのよ。関係ないじゃない」
ペコリーヌ「街の人たちが苦しんでるんですよ? その人たちに笑顔が戻るんです、一刻も早くお薬を届けてあげたいじゃないですか!」
コッコロ「ペコリーヌさまらしい立派なお考えだと思います。わたくし、感動いたしました」
キャル「そのご立派な行動があたしとコッ……コロ助を危険に晒したんだけどね。少しは反省しなさいよ」
コッコロ「むっ……」
ペコリーヌ「えへへ……それは本当にごめんなさいっ。まさか彼が伏せっているとは思わなくって……」
ペコリーヌ「はい♪ 昨日、急いで用事を終わらせて帰ってきたら、彼が流行り病で倒れてるっていうじゃないですか!」
ペコリーヌ「コッコロちゃんもキャルちゃんも出かけちゃってたので、手の空いたわたしが看病をしていたんです♪ 放っておくとやばいですから☆」
キャル「看病してたのはいいけどさ、結局あんたはなにしてたのよ? あんたがいないせいで、こっちは散々な目に遭ったんだけど」
コッコロ「急用、と伺いましたが……一体どのようなご用事だったのでしょう?」
ペコリーヌ「それがですね~、偶然にもこの病気に関係していまして」
ペコリーヌ「この病気を一発で治しちゃう、すんごいお薬があるんですけどね? そのお薬の原料を運ぶ商隊が、たくさんの魔物に囲まれちゃったって聞いたんです」
キャル「それを助けに行ってたってこと? なんであんたがわざわざ血相変えて出しゃばってんのよ。関係ないじゃない」
ペコリーヌ「街の人たちが苦しんでるんですよ? その人たちに笑顔が戻るんです、一刻も早くお薬を届けてあげたいじゃないですか!」
コッコロ「ペコリーヌさまらしい立派なお考えだと思います。わたくし、感動いたしました」
キャル「そのご立派な行動があたしとコッ……コロ助を危険に晒したんだけどね。少しは反省しなさいよ」
コッコロ「むっ……」
ペコリーヌ「えへへ……それは本当にごめんなさいっ。まさか彼が伏せっているとは思わなくって……」
21: 2019/04/27(土) 23:47:13.562
コッコロ「それで、あの……そのお薬はまだ手に入らないのでしょうか……? 主さまに飲ませてさしあげたいのですが……」
ペコリーヌ「それはですね~」
ペコリーヌ「ふっふっふ~♪」
キャル「なによ、気持ち悪いわね……。勿体ぶっちゃって……あっ、もしかしてもう手に入ったの?」
ペコリーヌ「はいっ☆ 今しがた飲ませてあげたところです♪」
コッコロ「なんと……! それは本当でございますか! では主さまは……」
ペコリーヌ「今日一日ゆっくりお休みすればすっかり快くなるとのことですから、安心してください♪」
コッコロ「な、なんとお礼を言ったら良いか……! ペコリーヌさま、本当にありがとうございます……♪」
キャル「あははっ! よかったわね、コロ助♪」
ペコリーヌ「まだ感染の危険はあるみたいなので、お二人は部屋には入らない方がいいですよ? またしばらくの間、薬は手に入らないそうですから」
コッコロ「そうなのですね……。それでしたらペコリーヌさま。少しの間、主さまをお任せしてもよろしいでしょうか?」
ペコリーヌ「はい、もちろんいいですけど……どこかお出かけですか?」
コッコロ「キャルさまの手当てをしに行かないと。お元気そうに見えて、実はキャルさま、大ケガをしていまして……」
ペコリーヌ「えぇっ!? キャルちゃんが!?」
ペコリーヌ「それはですね~」
ペコリーヌ「ふっふっふ~♪」
キャル「なによ、気持ち悪いわね……。勿体ぶっちゃって……あっ、もしかしてもう手に入ったの?」
ペコリーヌ「はいっ☆ 今しがた飲ませてあげたところです♪」
コッコロ「なんと……! それは本当でございますか! では主さまは……」
ペコリーヌ「今日一日ゆっくりお休みすればすっかり快くなるとのことですから、安心してください♪」
コッコロ「な、なんとお礼を言ったら良いか……! ペコリーヌさま、本当にありがとうございます……♪」
キャル「あははっ! よかったわね、コロ助♪」
ペコリーヌ「まだ感染の危険はあるみたいなので、お二人は部屋には入らない方がいいですよ? またしばらくの間、薬は手に入らないそうですから」
コッコロ「そうなのですね……。それでしたらペコリーヌさま。少しの間、主さまをお任せしてもよろしいでしょうか?」
ペコリーヌ「はい、もちろんいいですけど……どこかお出かけですか?」
コッコロ「キャルさまの手当てをしに行かないと。お元気そうに見えて、実はキャルさま、大ケガをしていまして……」
ペコリーヌ「えぇっ!? キャルちゃんが!?」
22: 2019/04/27(土) 23:50:40.253
ペコリーヌ「大変ですっ! やばいですっ! すぐに治療を! あわわわわ……!」
キャル「落ち着きなさいよ……。別にこんなの大したことないんだから」
コッコロ「主さまのお知り合いのかたに、親切な魔法使いさまがいらっしゃいます。そのかたを訪ねてみようかと」
ペコリーヌ「じゃあわたしがキャルちゃんを支えますね! 大丈夫です、あの人は今スヤスヤ眠っちゃってますから♪」
キャル「支えるって、え? ね、ねぇ、なんでストレッチしてるの? なんであたしの大きさを確認してるの!? ちょっ、来ないでよ!? 来んなってばー!」
ペコリーヌ「よいしょっと」
キャル「ぎゃあああ! 降ろせー! 抱えんなー!」
コッコロ「キャルさま、暴れるとお身体に障ります。めっ! でございますよ?」
ペコリーヌ「そうですよ~? 暴れないでください。……あっ! 暴れられないように抱きしめちゃいましょうか♪」
キャル「うるせー! 降ろせっつってんだろー! あたしスカートなんだから……! これじゃ丸見え──」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「いだだだだだ!?」
キャル「落ち着きなさいよ……。別にこんなの大したことないんだから」
コッコロ「主さまのお知り合いのかたに、親切な魔法使いさまがいらっしゃいます。そのかたを訪ねてみようかと」
ペコリーヌ「じゃあわたしがキャルちゃんを支えますね! 大丈夫です、あの人は今スヤスヤ眠っちゃってますから♪」
キャル「支えるって、え? ね、ねぇ、なんでストレッチしてるの? なんであたしの大きさを確認してるの!? ちょっ、来ないでよ!? 来んなってばー!」
ペコリーヌ「よいしょっと」
キャル「ぎゃあああ! 降ろせー! 抱えんなー!」
コッコロ「キャルさま、暴れるとお身体に障ります。めっ! でございますよ?」
ペコリーヌ「そうですよ~? 暴れないでください。……あっ! 暴れられないように抱きしめちゃいましょうか♪」
キャル「うるせー! 降ろせっつってんだろー! あたしスカートなんだから……! これじゃ丸見え──」
ペコリーヌ「ぎゅ~っ☆」
キャル「いだだだだだ!?」
23: 2019/04/27(土) 23:53:44.386
~ギルド【トゥインクルウィッシュ】~
ユイ「えぇっと……。治療するのは……心でいいのかな……?」
キャル「うぅ……絶対許さないんだからぁ……」
コッコロ「ユイさま、どうかお願いいたします……! キャルさまの傷を癒してください……!」
ユイ「うん、任せて! ……傷を見せてもらえるかな?」
キャル「もう何もかもどうだっていいわ……。好きにしなさいよ……」
ペコリーヌ「脱がしますね☆ そーれ♪」
キャル「に゛ゃあ゛ぁぁぁっ!?」
ユイ「も、毛布を……」
ユイ「……うっ。ひどい怪我……! すぐに魔法を!」
コッコロ「キャルさま、わたくしは手を握ってさしあげるくらいしかできませんが……。ちゃんとおそばにいますから……」
ペコリーヌ「わたしはごはんの支度をしますね。お腹が空いてたら、治るものも治りませんから」
キャル「……みんな大袈裟なんだから。ぐすっ」
ユイ「えぇっと……。治療するのは……心でいいのかな……?」
キャル「うぅ……絶対許さないんだからぁ……」
コッコロ「ユイさま、どうかお願いいたします……! キャルさまの傷を癒してください……!」
ユイ「うん、任せて! ……傷を見せてもらえるかな?」
キャル「もう何もかもどうだっていいわ……。好きにしなさいよ……」
ペコリーヌ「脱がしますね☆ そーれ♪」
キャル「に゛ゃあ゛ぁぁぁっ!?」
ユイ「も、毛布を……」
ユイ「……うっ。ひどい怪我……! すぐに魔法を!」
コッコロ「キャルさま、わたくしは手を握ってさしあげるくらいしかできませんが……。ちゃんとおそばにいますから……」
ペコリーヌ「わたしはごはんの支度をしますね。お腹が空いてたら、治るものも治りませんから」
キャル「……みんな大袈裟なんだから。ぐすっ」
24: 2019/04/27(土) 23:57:50.885
キャル「へぇ~、すごいわね。みるみる傷が塞がってくわ♪ あたしの回復魔法とは比べ物にならないくらい強力なのね~」
ユイ「あはは、治療と援護しかできないから。攻撃はあんまり得意じゃなくて」
キャル「なら、ギルドの他のメンバーは攻撃要員なのかしら。一人も姿が見えないけど」
コッコロ「たしか……ヒヨリさまとレイさま、でしたね」
コッコロ「高速の拳で翻弄しながらあらゆる敵を打ち砕く獣人族のヒヨリさま、攻防一体の華麗な剣捌きと冷静な判断でどんな逆境をも跳ね返す魔族のレイさま──」
キャル「うわぁ……あんたやけに詳しいわね……」
ユイ「ヒヨリちゃんが流行り病に罹っちゃって……。レイちゃんが今見てくれてるの」
コッコロ「むむ。主さまだけでなく、なんとヒヨリさままで……」
ユイ「あれ? 騎士クンもなの?」
キャル「こうして話を聞くと、ほんとに流行ってるって感じね~。コロ助も危ないんじゃない?」
ペコリーヌ「話は聞かせてもらいました! あと、ご飯ができました♪」
キャル「……あたしは食べないわよ? なんか嗅ぎ慣れない匂いがするし」
ユイ「あはは、治療と援護しかできないから。攻撃はあんまり得意じゃなくて」
キャル「なら、ギルドの他のメンバーは攻撃要員なのかしら。一人も姿が見えないけど」
コッコロ「たしか……ヒヨリさまとレイさま、でしたね」
コッコロ「高速の拳で翻弄しながらあらゆる敵を打ち砕く獣人族のヒヨリさま、攻防一体の華麗な剣捌きと冷静な判断でどんな逆境をも跳ね返す魔族のレイさま──」
キャル「うわぁ……あんたやけに詳しいわね……」
ユイ「ヒヨリちゃんが流行り病に罹っちゃって……。レイちゃんが今見てくれてるの」
コッコロ「むむ。主さまだけでなく、なんとヒヨリさままで……」
ユイ「あれ? 騎士クンもなの?」
キャル「こうして話を聞くと、ほんとに流行ってるって感じね~。コロ助も危ないんじゃない?」
ペコリーヌ「話は聞かせてもらいました! あと、ご飯ができました♪」
キャル「……あたしは食べないわよ? なんか嗅ぎ慣れない匂いがするし」
26: 2019/04/28(日) 00:01:34.755
キャル「やめなさい! 離しなさいよっ! 食べないったら食べないのー!」
コッコロ「せっかくペコリーヌさまがマグママグロモドキを煮込んでくださったのですから。食べて精をつけてください」
キャル「ゲテモノじゃないの! 魔物なんて食べないわよ! ていうか、食べられないわよ!」
ペコリーヌ「ちゃんと食べられますよ~。ほら、ちゃんと口に入る大きさに砕きましたから♪」
キャル「口に入れば食べられるって基準やめなさいよバカリーヌ! お願い、助けてコロ助……ううん、コッコロ……」
コッコロ「キャルさまのためなのです。わかってくださいまし」
キャル「あぁぁぁクッソぉぉぉっ!」
ユイ「のどに魚の骨が刺さらない魔法……掛ける……?」
キャル「うぅ……お願い……。気休めでもなんでも嬉しいわ……」
ペコリーヌ「はい、あ~ん♪」
キャル「いやよ……いやぁ……氏んじゃうからぁ……むぐぅっ!?」
コッコロ「お味はいかがですか?」
キャル「……ごくっ」
キャル「美味しいわよ……ばかぁ……」
コッコロ「せっかくペコリーヌさまがマグママグロモドキを煮込んでくださったのですから。食べて精をつけてください」
キャル「ゲテモノじゃないの! 魔物なんて食べないわよ! ていうか、食べられないわよ!」
ペコリーヌ「ちゃんと食べられますよ~。ほら、ちゃんと口に入る大きさに砕きましたから♪」
キャル「口に入れば食べられるって基準やめなさいよバカリーヌ! お願い、助けてコロ助……ううん、コッコロ……」
コッコロ「キャルさまのためなのです。わかってくださいまし」
キャル「あぁぁぁクッソぉぉぉっ!」
ユイ「のどに魚の骨が刺さらない魔法……掛ける……?」
キャル「うぅ……お願い……。気休めでもなんでも嬉しいわ……」
ペコリーヌ「はい、あ~ん♪」
キャル「いやよ……いやぁ……氏んじゃうからぁ……むぐぅっ!?」
コッコロ「お味はいかがですか?」
キャル「……ごくっ」
キャル「美味しいわよ……ばかぁ……」
27: 2019/04/28(日) 00:05:28.420
ペコリーヌ「それはそうと、ギルドのお仲間が流行り病なんでしたっけ? やばいですね☆」
ペコリーヌ「やばいので、こちらをどうぞ!」
ユイ「これは……お薬?」
コッコロ「ふむ。もしや、これが例のお薬でございますか?」
ペコリーヌ「わたし用にってもらったんですけど……多分わたし罹らないので! どうぞどうぞ!」
ユイ「そ、そんな……! もらえないよ!」
ペコリーヌ「ふむむ……困りましたねぇ……。キャルちゃんを治してもらったお礼、って言ってももらってくれません?」
ユイ「えっと……。じゃあ……もらっちゃってもいいかな? もしあなたが病気になっちゃった時は、必ずわたしたちが力になるから!」
ペコリーヌ「そのときはおいしいご飯を作ってもらえれば……えへへ♪」
コッコロ「ささ、ユイさま。早くヒヨリさまにお薬を。わたくしたちはこれで失礼いたしますので」
ユイ「うんっ! 本当にありがとう……。わたし、このお薬を届けてくる!」
コッコロ「こちらこそ、本当に感謝しております。ペコリーヌさまにも。そうですよね、キャルさま」
コッコロ「キャルさま?」
ペコリーヌ「さっきから蹲ったまま動きませんね? そんなにご飯が美味しかったんですか?」
キャル「……具合悪い」
ペコリーヌ「やばいので、こちらをどうぞ!」
ユイ「これは……お薬?」
コッコロ「ふむ。もしや、これが例のお薬でございますか?」
ペコリーヌ「わたし用にってもらったんですけど……多分わたし罹らないので! どうぞどうぞ!」
ユイ「そ、そんな……! もらえないよ!」
ペコリーヌ「ふむむ……困りましたねぇ……。キャルちゃんを治してもらったお礼、って言ってももらってくれません?」
ユイ「えっと……。じゃあ……もらっちゃってもいいかな? もしあなたが病気になっちゃった時は、必ずわたしたちが力になるから!」
ペコリーヌ「そのときはおいしいご飯を作ってもらえれば……えへへ♪」
コッコロ「ささ、ユイさま。早くヒヨリさまにお薬を。わたくしたちはこれで失礼いたしますので」
ユイ「うんっ! 本当にありがとう……。わたし、このお薬を届けてくる!」
コッコロ「こちらこそ、本当に感謝しております。ペコリーヌさまにも。そうですよね、キャルさま」
コッコロ「キャルさま?」
ペコリーヌ「さっきから蹲ったまま動きませんね? そんなにご飯が美味しかったんですか?」
キャル「……具合悪い」
28: 2019/04/28(日) 00:08:54.549
~翌日~
キャル「うーん……うーん……」
コッコロ「キャルさま……おかわいそうに……。キャルさままで流行り病に罹ってしまうとは……」
キャル「そうよ……かわいそうだわ……。かわいそうなんだから、一人にしてちょうだい……」
コッコロ「いいえ。主さまも元気になりましたし、わたくしキャルさまの看病をさせていただきます」
キャル「バカね……! けほっけほっ! あ、あんたにまでうつるでしょうが……」
コッコロ「うつっても構いません。それでキャルさまが快くなるのなら」
キャル「あぁ~……。頭痛いわ……。どうしてこう……」
キャル「大体、主人のお世話があんたの仕事でしょ……? あたしなんかに構ってるヒマなんて……けほっ! けほっけほっ!ないじゃない……。うぅ……」
コッコロ「主さまのお世話はわたくしの使命。最も優先すべき事柄でございます」
キャル「なら、さっさと──」
コッコロ「ですが、それでも今はキャルさまのおそばにいたいのです」
キャル「……意味わかんないっての」
キャル「うーん……うーん……」
コッコロ「キャルさま……おかわいそうに……。キャルさままで流行り病に罹ってしまうとは……」
キャル「そうよ……かわいそうだわ……。かわいそうなんだから、一人にしてちょうだい……」
コッコロ「いいえ。主さまも元気になりましたし、わたくしキャルさまの看病をさせていただきます」
キャル「バカね……! けほっけほっ! あ、あんたにまでうつるでしょうが……」
コッコロ「うつっても構いません。それでキャルさまが快くなるのなら」
キャル「あぁ~……。頭痛いわ……。どうしてこう……」
キャル「大体、主人のお世話があんたの仕事でしょ……? あたしなんかに構ってるヒマなんて……けほっ! けほっけほっ!ないじゃない……。うぅ……」
コッコロ「主さまのお世話はわたくしの使命。最も優先すべき事柄でございます」
キャル「なら、さっさと──」
コッコロ「ですが、それでも今はキャルさまのおそばにいたいのです」
キャル「……意味わかんないっての」
29: 2019/04/28(日) 00:11:45.497
コッコロ「キャルさま、りんごをすりおろしてみましたが……食べられるでしょうか?」
キャル「ん、ありがと……」
コッコロ「あーん、してくださいまし」
キャル「あーん……」
コッコロ「ふふっ♪」
キャル「……なによ。しょうがないでしょ、動けないんだから」
コッコロ「いえ。あまりにも愛らしかったので、つい♪」
キャル「うぐ……ナマイキね……」
コッコロ「いい子、いい子……♪ なで……なで……♪」
キャル「はぁ……。治ったら覚えてなさいよ……」
キャル「でも……治るまでは──」
コッコロ「はい……いっぱい甘えてください……♪」
キャル「どこにも行っちゃダメよ……? ねぇコッコロ……」
コッコロ「……はい♪」
キャル「ん、ありがと……」
コッコロ「あーん、してくださいまし」
キャル「あーん……」
コッコロ「ふふっ♪」
キャル「……なによ。しょうがないでしょ、動けないんだから」
コッコロ「いえ。あまりにも愛らしかったので、つい♪」
キャル「うぐ……ナマイキね……」
コッコロ「いい子、いい子……♪ なで……なで……♪」
キャル「はぁ……。治ったら覚えてなさいよ……」
キャル「でも……治るまでは──」
コッコロ「はい……いっぱい甘えてください……♪」
キャル「どこにも行っちゃダメよ……? ねぇコッコロ……」
コッコロ「……はい♪」
30: 2019/04/28(日) 00:14:49.690
キャル「……コッコロ」
コッコロ「はい」
キャル「……」
キャル「手、繋ぎたい」
コッコロ「はい。おててをお借りしますね」
キャル「……」
コッコロ「わたくしは、いつもの冷たいおててのキャルさまの方が好きです」
キャル「あたしは、誰かをあっためられる手の方が嬉しいわ」
コッコロ「でしたらわたくしと手を繋いでいましょう。手を繋いでいれば、どちらの手も温かくなりますから」
キャル「……治ってもさ」
コッコロ「はい、いつまでもおそばにいますよ。わたくしだけでなく、主さまやペコリーヌさまも」
キャル「……」
キャル「けほっ! けほっ!」
コッコロ「そろそろお休みにならないと。しっかりと睡眠をとらないと、治るものも治りません」
キャル「うぅ……行かないで……コッコロ……」
コッコロ「心配しなくても、わたくしはいなくなったりなどしませんよ。この通り、おてても繋いだままですから」
キャル「けほっ……! はぁ、はぁ……」
コッコロ「おやすみなさい、キャルさま……♪」
キャル「すぅ……すぅ……」
コッコロ「はい」
キャル「……」
キャル「手、繋ぎたい」
コッコロ「はい。おててをお借りしますね」
キャル「……」
コッコロ「わたくしは、いつもの冷たいおててのキャルさまの方が好きです」
キャル「あたしは、誰かをあっためられる手の方が嬉しいわ」
コッコロ「でしたらわたくしと手を繋いでいましょう。手を繋いでいれば、どちらの手も温かくなりますから」
キャル「……治ってもさ」
コッコロ「はい、いつまでもおそばにいますよ。わたくしだけでなく、主さまやペコリーヌさまも」
キャル「……」
キャル「けほっ! けほっ!」
コッコロ「そろそろお休みにならないと。しっかりと睡眠をとらないと、治るものも治りません」
キャル「うぅ……行かないで……コッコロ……」
コッコロ「心配しなくても、わたくしはいなくなったりなどしませんよ。この通り、おてても繋いだままですから」
キャル「けほっ……! はぁ、はぁ……」
コッコロ「おやすみなさい、キャルさま……♪」
キャル「すぅ……すぅ……」
31: 2019/04/28(日) 00:17:46.221
~三日後~
キャル「おっそいわね~……なにやってんのかしら……。この前は失敗しちゃったし、早く挽回しなきゃいけないってのに……」
コッコロ「キャルさま~……! お待たせ致しました~……!」
キャル「遅いわよ! 病み上がりなんだからあんまり待たせるんじゃない……って、またあんた一人?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「いいから少し休みなさい。どうせまたあのバカが何かやらかしたんでしょ?」
コッコロ「や、休んでる場合では……! そうなのです、主さまが……主さまが……!」
キャル「あいつがどうかしたの!? まさか誰かに襲われてるとか!?」
コッコロ「ま、迷子になってしまって……!」
キャル「……」
キャル「は?」
コッコロ「ですからっ……! 主さまが迷子になってしまわれたのです……!」
キャル「はぁ~……何かと思えば……。そんなのいつものことじゃない」
キャル「どうせその辺フラフラしながらナンパでもしてんじゃないの? のんびり探せばいいわよ」
キャル「おっそいわね~……なにやってんのかしら……。この前は失敗しちゃったし、早く挽回しなきゃいけないってのに……」
コッコロ「キャルさま~……! お待たせ致しました~……!」
キャル「遅いわよ! 病み上がりなんだからあんまり待たせるんじゃない……って、またあんた一人?」
コッコロ「はぁ……はぁ……。それがですね……んっ……」
キャル「いいから少し休みなさい。どうせまたあのバカが何かやらかしたんでしょ?」
コッコロ「や、休んでる場合では……! そうなのです、主さまが……主さまが……!」
キャル「あいつがどうかしたの!? まさか誰かに襲われてるとか!?」
コッコロ「ま、迷子になってしまって……!」
キャル「……」
キャル「は?」
コッコロ「ですからっ……! 主さまが迷子になってしまわれたのです……!」
キャル「はぁ~……何かと思えば……。そんなのいつものことじゃない」
キャル「どうせその辺フラフラしながらナンパでもしてんじゃないの? のんびり探せばいいわよ」
32: 2019/04/28(日) 00:20:41.916
キャル「とりあえずペコリーヌのやつと合流して──」
ペコリーヌ「ほいっふ~☆」
キャル「もうなんか食べてるし!」
ペコリーヌ「むががもがっ、むぐっ♪」
コッコロ「ペコリーヌさま、一度飲み込んでからでないと……」
ペコリーヌ「……ごっくん☆」
ペコリーヌ「いやぁ、走り回っていたらお腹が空いちゃって♪」
キャル「なんで走り回ってたかは聞かないわよ。それよりペコリーヌ、あいつ見なかった? 迷子なんだってさ」
コッコロ「どこかのお店に入っていたり、フラフラとさまよい歩いてはいませんでしたでしょうか……?」
ペコリーヌ「あ~、やっぱり一緒じゃなかったんですね……」
キャル「……ねぇ、嫌な予感しかしないんだけど。あたしもう帰っていいかしら」
ペコリーヌ「待ってください! 大変なんですよ! さっき、盗賊とならず者と裏稼業の人たちが争いを始めちゃったんです!」
コッコロ「抗争、でしょうか? 万が一、主さまが巻き込まれてしまったら……あわわ……」
ペコリーヌ「えぇっとですね。とあるお宝を狙ってのことなんですけど、実はそのお宝を──」
キャル「イヤよ! 聞きたくない! ううん、聞かなくても分かるわ! どうせ、たまたまお宝を拾ったあいつがそいつらに狙われてる~、とか言うんでしょ!?」
ペコリーヌ「あっ、分かっちゃいます? やばいですね☆」
ペコリーヌ「ほいっふ~☆」
キャル「もうなんか食べてるし!」
ペコリーヌ「むががもがっ、むぐっ♪」
コッコロ「ペコリーヌさま、一度飲み込んでからでないと……」
ペコリーヌ「……ごっくん☆」
ペコリーヌ「いやぁ、走り回っていたらお腹が空いちゃって♪」
キャル「なんで走り回ってたかは聞かないわよ。それよりペコリーヌ、あいつ見なかった? 迷子なんだってさ」
コッコロ「どこかのお店に入っていたり、フラフラとさまよい歩いてはいませんでしたでしょうか……?」
ペコリーヌ「あ~、やっぱり一緒じゃなかったんですね……」
キャル「……ねぇ、嫌な予感しかしないんだけど。あたしもう帰っていいかしら」
ペコリーヌ「待ってください! 大変なんですよ! さっき、盗賊とならず者と裏稼業の人たちが争いを始めちゃったんです!」
コッコロ「抗争、でしょうか? 万が一、主さまが巻き込まれてしまったら……あわわ……」
ペコリーヌ「えぇっとですね。とあるお宝を狙ってのことなんですけど、実はそのお宝を──」
キャル「イヤよ! 聞きたくない! ううん、聞かなくても分かるわ! どうせ、たまたまお宝を拾ったあいつがそいつらに狙われてる~、とか言うんでしょ!?」
ペコリーヌ「あっ、分かっちゃいます? やばいですね☆」
34: 2019/04/28(日) 00:23:30.274
キャル「ヤバイなんてもんじゃないわよ……。クズみたいな連中が大勢襲ってくるんでしょ……?」
コッコロ「一刻もはやくお助けしに行かなくては……! ペコリーヌさま、キャルさま、どうかお力をお貸しください!」
ペコリーヌ「はい! 悪い人たちを殲滅するより先に、まずはあの人と合流しちゃいましょう♪」
キャル「えー……マジでやるのぉ……?」
コッコロ「キャルさま……どうか……」
キャル「……まぁ? あいつがボロクソにやられちゃったら、同じギルドに所属してるあたしの名前にも傷が付くし? ナメられんのは普通にムカつくし……」
キャル「はぁ~……! しょ~~っがないわね! やってやろうじゃない! その代わり、ペコリーヌ! 終わったらご飯奢りなさいよね!」
ペコリーヌ「わぁい♪ みんなとごはんが食べられるなら、いくらでも奢っちゃいますよ~♪ 美味しいお店に案内してあげますね☆」
キャル「お店はあたしとコロ助で選ぶから……。選ばせて……お願いだから……」
コッコロ「終わったあとのお話よりも、主さまでございます……!」
コッコロ「あぁ……主さま……こわい思いをしていないでしょうか……。しくしく泣いてしまっているかもしれません……」
キャル「……大丈夫よ、コッコロ。あたしに任せなさい」
コッコロ「キャルさま……」
キャル「よーっし! あたしたちにケンカ売ったこと、後悔させてやるわ! ボッコボコにして街から追い出してやるんだから!」
コッコロ「頼もしゅうございます、キャルさま♪」
キャル「ふふ~ん♪ あんたたちも気合入れなさい! ギルド【美食殿】、活動開始よ!」
コッコロ「おー!」
ペコリーヌ「お~♪」
おしまい
コッコロ「一刻もはやくお助けしに行かなくては……! ペコリーヌさま、キャルさま、どうかお力をお貸しください!」
ペコリーヌ「はい! 悪い人たちを殲滅するより先に、まずはあの人と合流しちゃいましょう♪」
キャル「えー……マジでやるのぉ……?」
コッコロ「キャルさま……どうか……」
キャル「……まぁ? あいつがボロクソにやられちゃったら、同じギルドに所属してるあたしの名前にも傷が付くし? ナメられんのは普通にムカつくし……」
キャル「はぁ~……! しょ~~っがないわね! やってやろうじゃない! その代わり、ペコリーヌ! 終わったらご飯奢りなさいよね!」
ペコリーヌ「わぁい♪ みんなとごはんが食べられるなら、いくらでも奢っちゃいますよ~♪ 美味しいお店に案内してあげますね☆」
キャル「お店はあたしとコロ助で選ぶから……。選ばせて……お願いだから……」
コッコロ「終わったあとのお話よりも、主さまでございます……!」
コッコロ「あぁ……主さま……こわい思いをしていないでしょうか……。しくしく泣いてしまっているかもしれません……」
キャル「……大丈夫よ、コッコロ。あたしに任せなさい」
コッコロ「キャルさま……」
キャル「よーっし! あたしたちにケンカ売ったこと、後悔させてやるわ! ボッコボコにして街から追い出してやるんだから!」
コッコロ「頼もしゅうございます、キャルさま♪」
キャル「ふふ~ん♪ あんたたちも気合入れなさい! ギルド【美食殿】、活動開始よ!」
コッコロ「おー!」
ペコリーヌ「お~♪」
おしまい
35: 2019/04/28(日) 00:25:38.247
乙乙
面白かった
面白かった
36: 2019/04/28(日) 00:36:33.840
キャルちゃん可愛い
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