250: 2005/04/04(月) 05:48:33 ID:???
惣流=アスカ=ラングレーはベッドの中で夢から覚めた。
閉めたカーテンの隙間から朝日が射し込み、
窓の外からは小鳥の鳴き声が聴こえてくるような気がした。
アスカの手にはぬくもり。
自分の体温で温まったシーツのあたたかみではない。
はっきりとわかる人の肌の感触。
アスカは瞼を上げ、その蒼い瞳をゆっくりと外界に晒した。
ぼんやりする視界の中で目の前の馴染みのある顔を確認する。
シンジの顔。目を瞑り、まだ夢の世界にいると思われる。
定期的に寝息を吐き続けることがそれを証明する。
アスカはその寝ているシンジの胸に手を当てたまま寝ていたらしい。
シンジは上半身裸だ。もちろん下半身も。
アスカは少しだけ顔をもたげ、ベッドの横に投げ出されている、
衣服を見つめる。シンジの、そして、アスカの寝巻きがそこにはある。
そして、すぐ横には二人の下着も。
あれから随分年月が経ったと、アスカは思う。
もし、13歳の自分がこの未来を知ったらどうなったか、
想像すると笑ってしまう。
アスカはシンジの体温を感じながらクスッと笑みを零す。
何も着けていない肌で更に身を寄せ、シンジに密着させる。
布団の中とはいえ、裸では寒い。
でも、ベッドから降りて、着替える気はない。
性交の次の日は必ずアスカが先に起きる。
その時だけ見れるシンジの寝顔。
リアルに触れられるシンジの肌。
もう少し、この温もりを感じていたいと思う。
アスカは耳をシンジの胸に付け心臓の音を聞く。
寝息と同じくトクトクと定期的なリズムで響いている。
アスカは耳を放す。
そして、手の平を胸からゆっくりと上に昇らせていき、
首筋からシンジの顎へと到着させる。

251: 2005/04/04(月) 05:49:38 ID:???
ジョリッとした感触が手に感じた。
流石に二十歳を過ぎると朝は髭がのびる。
しかし、シンジの現在の髭は申し訳程度に生えるもので、
そんなに嫌いではない。
むしろ、シンジに男を感じる部分なのだから好きなのかもしれない。
アスカは昨夜のことを思い出す。
夜だけは逆転する力関係。シンジが男らしくなる場面。
アスカは髭を触る。
それでも、親の碇ゲンドウのことを考えると、
将来はやはりあれぐらい濃くなってしまうだろうかと危ぶんでしまう。
アスカは考えながらもう一度、顎を触る。

「うぅ~ん…」

シンジは眉をしかめ、呻く。
そして、ゆっくりと瞳を開けると、目の前のアスカを見る。
この場合、アスカの方が「ごめん、起こしちゃった」と謝るのが正しいが、
この二人は違っていた。

「ごめん、起こしちゃった?」

シンジはアスカに向かって言った。

「別に構わないわよ…」

アスカは当然のように応える。
シンジはベッドのシーツに手をつき立ち上がろうとする。

「ストップ!」

が、アスカの声がそれを制す。

252: 2005/04/04(月) 05:50:19 ID:???

「な、何?」

シンジが訊くと、アスカは顎に触れていた手を動かす。
ジョリジョリと音がした。

「髭、のびてるわね…」
「朝だからね…」

シンジはアスカの触れていない所の顎の部分を触り、髭を鳴らす。
少しの間そうしているとアスカは自分の手をシンジの手の甲に重ねた。

「アタシが剃ってあげようか?」
「え!?」

シンジは目を見開き驚いた。

253: 2005/04/04(月) 05:51:03 ID:???
つい好奇心というか出来心で言ってしまった言葉。
恥ずかしくても、それを訂正しないのはアスカの性格。
アスカはシンジの手を掴むと一緒に浴室へと向かって行った。
また脱ぐのが面倒くさいので裸で廊下を歩いた。
浴室に入る前に洗面所から髭剃りとシェービングジェルを忘れない。
アスカはシンジにそれを持たせて浴室へ入っていき、
シンジは前を隠しながらそれに続いた。
いつの間にかアスカはバスタオルを肌に巻き、身体を隠している。
シンジは「アスカだけズルイ」と抗議したが、受け入れてもらえなかった。
昨日は苛めすぎたかもしれないとシンジは少し後悔した。
シンジを浴室の椅子に座らせ、アスカは正面に座る。
ジェルを手の平に出すとアスカはシンジの顎にそれを塗った。
他人に初めて、しかもアスカにされるそれは
シンジの心を容易に昂ぶらせる程の快感だった。
ぬるぬるとした感触が顎に密着する。
アスカの細い指がそれを一層、刺激してシンジを興奮させた。
シンジは前を隠す。
アスカはそれに気付かない様子で髭剃りを手に持った。

「いい? いくわよ」

シンジは観念したように頷くとアスカに自分の髭を委ねる。
アスカは恐る恐る髭剃りを近づけさせる。

「痛かったら言ってよ」

この場合痛いと感じたらすでに手遅れだと思ったが、
シンジは何も言わない。
明るい場所で見るアスカの少し怖がっている顔を見るのは久しぶりだからだ。
多少の痛みはその代償として我慢しよう、シンジはそう考えた。

254: 2005/04/04(月) 05:52:15 ID:???
刃がシンジの顎に触れる。
痛いような痒いような、そんな感じがした。
最初はおっかなびっくりやっていたアスカもすぐに慣れて、
器用に刃を動かす。
もうすぐ、終わりかけた時、シンジの顎に痛みが走った。
しかし、アスカは気付かない。
アスカは最後まで、終わり、シャワーから軽く湯を出し、
シンジの顔へ優しくかけた。

「どう初めてにしては中々でしょ?」
「う、うん」

湯が傷む箇所に当たり、軽く痛んだ。
シンジはその部分を手で押さえる。

「どうしたのよ、シンジ?
 そんなことしたら出来映えがわからないじゃない」

アスカはシンジの手をどかす。
アスカは驚く。ひゅっと息を呑む。
シンジはその驚いたアスカの表情を見て、
今まで触っていた手の平を見た。
赤い。思っていた通り、血が出ていた。
シンジは鏡を見る。

255: 2005/04/04(月) 05:52:47 ID:???
血の量の割には結構浅い。
『大丈夫、あまり深くないみたいだよ』
シンジがそう言おうと鏡の方向からアスカの方を振り向いた瞬間、
アスカはシンジに抱き着いてきた。

「わわ、ちょっと、何、アスカ?」
「だ、大丈夫、し、シンジ! ど、どうしよう?」
「平気、平気だからアスカ! 離れて!」

アスカは自分で傷つけた罪悪感か、
それとも、他人の血を見た恐怖からか、
シンジの声が聞こえないようで、パニックを起こしていた。
アスカの柔らかい乳房が否応無く押し付けられる。
指がシンジの傷の周りを動くと、
アスカは傷に唇を近づけ、血を吸いだした。
シンジの身体に快感の波が打ち寄せる。
大きくなりかけていたシンジの性器はすぐに大きくなった。

「な、何やってんだよ、アスカ!」
「だって、血が…血が、止まらないんだもん」
「だから、平気だってばぁあぁぁぁぁぁ…」

アスカの唇を顎で感じながら、シンジの男が目を覚ます。
どうやら昨夜の続きは浴室で行われるようだ。

「きゃぁ!!何よバカシンジ!!やめ…や…あんっ」


おわり

257: 2005/04/04(月) 06:34:12 ID:???
え?ここから〒になr(ry

乙ですだ。
ヒゲって他人に剃られると怖い。
いつも行くとこの理容師さんにしてもらうのも慣れるまでずいぶんかかったなぁ

258: 2005/04/04(月) 09:04:29 ID:???
>>257
ほんと、肌を切っちゃうと浅いのにヒリヒリといつまでも気になるような痛みなんだよね

>>256
乙でやんした

引用元: きゃぁ!!何よバカシンジ!!やめ…や…あんっ part4