1: 2013/08/13(火) 00:10:09.53

御坂さんが上条さんに告白しましたが、あっさり「ありがとう」と言われて、
そのまま走り去られてしまった後、インデックスさんと遭遇しました。


美琴「なんで、あんたそこにいるわけ」

インデックス「いや、その、ちょろっとね……えへ」

美琴「聞いてたんでしょ。良かったじゃない。あんた大勝利じゃん……」

インデックス「当麻は誰に対してもあんな感じだと思うけど……」

インデックス(そもそも、気持ちが伝わってるのかどうかさえ怪しいんだよ)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376320209

2: 2013/08/13(火) 00:20:29.78
美琴「うっさいわね……覗き見とはシスターのくせに品性を疑うわよ」

インデックス「べ、別に覗きたくて覗いたんじゃないんだよ!」

美琴「分かったわよ。じゃ、そういうことでさよなら覗き見シスター」

インデックス「誤解だってば!」

美琴「うん、もうどうでもいいから……」

テクテク

インデックス「あ、こら置いてくな!」

美琴「置いてくなって……あんた、家はあっちでしょ?」

インデックス「そうだけど、短髪こそ寮はそっちじゃないじゃん」

美琴「感傷に浸りたいの……一人にしてよ」

インデックス「似合わないんだよ……」

美琴「今ね、すっごく落ち込んでるわけよ?」

インデックス「うん」

美琴「うんじゃないわよ……あんたの相手する気力がないの」

3: 2013/08/13(火) 00:27:00.02
インデックス「……まあ、そう言わずに」

美琴「何よ……負け犬が後腐れないように和解しておこうって?」

インデックス「勝ちも負けもないと思うんだけど……」

美琴「だって、だって! あいつはあんたのこと……」

インデックス「え、っと、うーん、守るべき対象の一つではあるけど、恋愛対象ではないんだよ?」

美琴「何言ってんのよ……同じ屋根の下で寝食を共にしてたら、いつしかお互いのテリトリーを浸食し合うに決まってるじゃない……」

インデックス「気持ち悪い例えを出さないでほしいかも……」


4: 2013/08/13(火) 00:32:04.58
美琴「おほんッ。とにかく、もう遅いんだしこの町は物騒なんだから、あんた早く家に……」

インデックス「うー……あの、その」

美琴「?……じゃあね」

テクテク

インデックス「家出してきたんだよ……」

ピタ

美琴「……はあ?」




5: 2013/08/13(火) 00:40:06.37
インデックス「今、私は迷える子羊なんだよ……誰かに救ってもらえるとありがたいかも」

グウウウ

美琴「単純に考えれば、あいつの家の食糧がなくなって、お腹が空きフラフラと外に出歩いてお腹一杯ご飯を食べさせてもらおうって所に落ち着くんだけど」

インデックス「そ、そんなことはないんだよ。それもちょっとあるけど、私がここにいたのは……」もじもじ

美琴「喧嘩でもしたの……?」

インデックス「そ、そんな感じ」

美琴「ふーん……いつものこと、でしょ」


7: 2013/08/13(火) 22:46:25.38
インデックス「私と当麻って、いつも喧嘩してるように見えてるの?」

美琴「……まあ、あいつの周りにいる女の子は……」

インデックス「そうなると、私もその他大勢の仲間入りなんだよ。つまり、特別ではないかな」

美琴「……自分が特別だってアピールするなら分かるけど、なんであえてその逆をアピールしてくるわけ……」

インデックス「私も短髪ビリビリも変わらないってこと。でも、私より短髪の方がまだ女性として見られてるかもね」

美琴「調子狂うわね……あー、もーとりあえず、あんたと喋ることはもうないから……はい、バイバイ」

テクテク

インデックス「ちょっと、待つんだよ!」

テテテテ

ドテッ

インデックス「いったー……」

美琴「……」チラ

インデックス「……こっち見たなら、手を差し伸べてくれてもいいかも」


9: 2013/08/13(火) 22:53:33.71
美琴「……はあ」

クル

テクテク

美琴「ほら、私だって鬼じゃないんだから。手くらいは貸すわよ」

スッ

インデックス「ありがとなんだよ」

ギュッ

美琴(……冷たッ……こいつ……)ピリッ

インデックス「ぴぎゃ!? ちょ、ちょっと何ビリビリさせてるのさ!?」

美琴「あんた、血行悪くない?」

インデックス「あ、そ、そう?」

美琴「このくそ暑いのに、そんな見るからに暑そうな修道服着てるし……寒いの?」

インデックス「これは、教会スタイルなんだよ! それに、これはエアコン機能も完備で……」

美琴「エアコンねえ……そんなのに頼ってたらますます血の流れが悪くなるわよ」

11: 2013/08/13(火) 23:02:25.77
インデックス「こ、これがないと生きていけないかも」

美琴「まあ、エアコン無くなったら私もあの寮出て、隣のホテル借りるくらいには重宝してるけどね」

インデックス「……やっぱり金銭感覚が当麻とは段違いなんだよ」

美琴「へ?」

インデックス「何でもない……」

美琴「……ところで、あんたどうやったら私を一人にさせてくれるのかしら」

インデックス「明日の朝くらい……?」

美琴「え?」

インデックス「うん?」

美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ。帰りなさいよ、家に」

インデックス「だから、今現在家出的な何か状態なんだって……何回言えばいいんだよ」ふうッ

美琴「ふ・ざ・け・ん・な」

ぐりぐり!

インデックス「い、いた! いたたたた!? 頭をぐりぐりするのは反則かも!?」


12: 2013/08/13(火) 23:11:21.04
美琴「私は、児童相談所でも生活保護課でもないのよ……?」

グリグリ!

インデックス「あ、明日の朝まででいいから! いたた!!」

美琴「10歩譲って、朝まで一緒にいてあげたとする。なんで、家を出ようと思ったか理由を述べなさい」

インデックス「そ、それは言えないんだよッ」

美琴「……私が、あんたの超が付く親友だったら良かったんだけどね……こもえ先生のとことか行きようがあるでしょうに」

インデックス「こ、こもえには関係ないから……」

美琴「私には関係あるってこと?」

インデックス「……」

美琴「なぜ口を閉ざすのか」

ぶにゅッ

インデックス「うにゅにゅ!? くひをつかむのをやめれほひいかも!?」


13: 2013/08/13(火) 23:20:52.06
グイッ

美琴「だれよ?」

ミサカ「お姉さま、動物を虐待するのは非人道的です、とミサカは神速でお姉さまの腕を掴みます」

美琴「まあ、傍から見たらいじめてるように見えるか……気にしないで、しつけてるだけよ」

ミサカ「しかし、公衆の面前でそれをするのは、いささか変態趣味過ぎるのでは、とミサカはお姉さまの趣向に疑問を持ちます」

インデックス「短パツー(短髪2)! 助けてくれたのはお礼を言うけど、誰が動物だ!」

ミサカ「おお、よく吠えております。とミサカはそんな時はアイスだ! と叫びつつ、先ほどバカ買いしたチョコバーを差し出します」

ガサガサ

ミサカ「どうぞ。遠慮なくお食べなさい」

美琴「ちょ、あんた手懐けたってろくなことにならないわよ?」

インデックス「ありがとうなんだよ……飢えた心に染みわたる」

14: 2013/08/13(火) 23:27:30.81
美琴「……はあ、ところであんた、どうしてそんなにチョコバーばっかり買ってるの?」

ミサカ「これは、我が同胞達にパシラされて買いに行かされたのです。そして、そちらの方の白服を茶色く染め上げているのが、私の分。とミサカは誇らしげに言い放ちます」

インデックス「そ、そうっだんだね!? 知らなかったとは言え、悪いことをしたんだよ」ペロペロ

美琴「ちょっと、あんた服にチョコ付いてるわよ」

インデックス「ありゃりゃ……」

ミサカ「良ければ、お姉さまが服を買って下さいますよ? と、ミサカはチラチラ姉の方を2度見します」

美琴「あんた、気が利くのか図々しいのかどっちかにしなさいよ……」

15: 2013/08/13(火) 23:35:10.81
ミサカ「お姉さまの甲斐性は筋金入りである、と今までの経験から存じ上げていますので」

美琴「い、いやこれ以上このシスターに懐かれるのはまずいのよね……」

ミサカ「どうしてですか?」

美琴「だって、情が移っちゃうじゃない……」

ミサカ「……お姉さま」

美琴「変な目で見ないでよ……」

インデックス「え? なになに?」

ミサカ「今のを聞いてない所は、あの男性にそっくりですね、とミサカはペットは飼い主に似る理論を展開します」


17: 2013/08/13(火) 23:43:42.11
インデックス「ペットじゃないってば!」

ミサカ「ほほほッ、と必氏の訴えをミサカはさらりとかわします」

美琴「……さて、じゃあ妹よ、後は任せたから。はい、これお金ね」さッ!

ミサカ「へ?」

インデックス「あ、ちょ短髪!」

美琴「短髪言うな! それで服を買ってあげてちょうだい」

ダダダ!

ミサカ「お姉さま、どこの成金ですか、とうっかり滑らした口を押えながらミサカはぼやきます」

インデックス「……」

ミサカ「追いかけなくていいんですか?」


18: 2013/08/13(火) 23:51:17.70
今日はここまでです。ではまた

21: 2013/08/14(水) 21:46:11.89
インデックス「追いかけたいけど……全力で走られたら追いつけないんだよ」

ミサカ「ふむ……あんたの意志はそんなに弱いものなのか? とミサカは安易に想いを曲げてはいけないことを諭します」

インデックス「ううん……今、今だけは短髪と一緒に……いないと」

ミサカ「何やらわけありですね……お姉さまが上条当麻にふられてざまあねえのと何か関係があるんですか?」

インデックス「何だか汚い言葉を耳にしたけど気にしない……それも、理由の一つではあるかな……」

ミサカ「お姉さまは慰められても、性格上逆切れしかねませんよ? とミサカは忠告します」

インデックス「……慰めるというか……ただ、今よりもうちょっと仲良くなれたらなって思ってるだけなんだよ」

ミサカ「……なぜですか? とミサカはその真意を問いただします」

インデックス「帰る前に……友達……に……なりたくて」ボソボソ

ミサカ「はい? とミサカは耳をそばだてます」ニヤニヤ

インデックス「………今、明らかに聞こえてたよね!? 顔が崩壊して気持ち悪いんだよ!」

ミサカ「……なんのことでしょう?」

22: 2013/08/14(水) 21:58:48.38
インデックス「からかわないでくれるかなッ?」

ミサカ「まあまあ、チョコバー食うかい? とミサカは餌付けします」

インデックス「い、要らないけど……ちょっとならかじりたいんだよ」

ミサカ「ピュア過ぎるほどいやしいですね。 まあ、上げませんけど」

インデックス「……ぐぬぬ」

ミサカ「そんなことより、あなたは友達と言うものが何なのか分かりますか」

インデックス「そんなの、互いに心を許し合って、対等に交わっている人でしょ」

ミサカ「……おお、なんてマニュアル通りの友達でしょう、とミサカはやや肩を落とします」

インデックス「友達……じゃないの?」

ミサカ「ええ、まあミサカの頭の辞書の友達もそのように説明されているのですが、果たして、それで友達を説明できていると言えるでしょうか」

インデックス「ど、どういうことなの」

ミサカ「質問を少し変えましょう。では、あなたの中の友達とはなんでしょうか」


23: 2013/08/14(水) 22:16:45.20
インデックス「だから、それは……互いに」

ミサカ「それはもういいです、とミサカは手で制します」

インデックス「じゃあ、なんなのさ」

ミサカ「……私も生まれてこの方、同朋は数えきれないほどいますが、友達というものができたためしがないのです。と、ミサカは寂しさを吐露します」

インデックス「……それは寂しいかも」

ミサカ「あなたには友達がいますか?」

インデックス「いるよ」

ミサカ「その方とはマニュアル的にお友達になられましたか?」

インデックス「言っている意味がいまいちよくわからないけど、うーん、壮絶な激闘の末にホントの友達になったんだよ」

ミサカ「それですね、とミサカは手を打ちます」

インデックス「?」

ミサカ「つまり、互いに心を許し合うような何かを経験して初めて対等になるので、そのステップを踏む必要があるんです、とミサカは頷きます」




24: 2013/08/14(水) 22:25:30.76
インデックス「つまり、あの短髪ともその何かをしなくちゃってこと?」

ミサカ「イエス」

インデックス「それって……なに?」

ミサカ「さあ」しれっ

インデックス「……普通に友達になれないの?」

ミサカ「それなんですけど、お姉さまがそんなに簡単に他人に心を開くと思いますか? ミサカは声量を落とします」

インデックス「開かないの?」

ミサカ「もちろん、お姉さまも社交性は人並みにありますので、表面上は開いてます」

インデックス「表面上?」

ミサカ「ええ。あなたがその表面でおままごとをしたいならご勝手ですが……」

インデックス「……あの、短髪ってけっこう気難しいのかな?」

ミサカ「……」

インデックス「……」

ミサカ「少なくとも」

インデックス「少なくとも?」

ミサカ「あなたのように、感情を素直に表現するのは苦手だと思いますよ」


25: 2013/08/14(水) 22:33:34.09
インデックス「……そうは見えないけど。いっつもビリビリしてるし」

ミサカ「そうですねえ。ビリビリはしてますね、特定の方に絞られますけど」

インデックス「……はっ!? ま、まさか短髪のビリビリって友達として最高位に位置する人にしか与えられない……!?」

ミサカ「良い所に気が付きましたね、とミサカは称賛の拍手を贈ります」パチパチ

インデックス「……痛そうなんだよ」

ミサカ「いえいえ、案外気持ちいものですよ。肩こり、冷え、むくみにも効きますし」

インデックス「い、いやそれはいいんだけど……」

ミサカ「よし、じゃあまずはお姉さまにビリビリしてもらえるようになりましょうか、と善は急げとミサカはあなたの手を掴みます」

インデックス「ま、まだ氏にたくないんだよ」

ミサカ「まずは私の微弱な電流からならしましょう」ぴりっ

インデックス「ふにゃあ!?」ビビクン




26: 2013/08/14(水) 22:39:50.69
数分後―――

インデックス「……は! ここは」

ミサカ「気が付かれましたか? 少し気を失っていたようです」

インデックス「さっきまで、何を……どうして、短パツーに膝枕されてるのかな……」

ミサカ「……アイス食べますか」

インデックス「うん……何か今大事なことを流されてしまったような気がするよ」

ペロペロ

ミサカ「こんなにアイス食ったらデブりますね、とミサカは暴食シスターに笑顔で囁きます」

インデックス「生まれてこの方、太ったことはないんだよ」

35: 2013/08/15(木) 22:14:42.90
ミサカ「太らないとはいいですね、とミサカは奥歯を噛みしめながら作り笑顔を向けます」

インデックス「そんなイカの氏んだ目みたいなので見ないでほしいかも」

ペロペロ

ミサカ「イカ……」

インデックス「なに?」

ミサカ「いえ、何でもないです」

インデックス「う……なんだか全身がひりひりした感じがする」

ミサカ「耐久力はあるみたいですね」

インデックス「なんのこと?」

ミサカ「いえ、こっちの話です」

インデックス「? ふう……とにかく、短髪とどうやって仲良くなるか考えなきゃ」

ミサカ「……あーでは、まず、その短髪という呼び名から直しましょうか、とミサカはひねくれたあだ名に疑問を投げかけます」

36: 2013/08/15(木) 22:27:21.73
インデックス「え?」

ミサカ「え?」

インデックス「呼び名変えなきゃダメ?」

ミサカ「ええ、まあ、はい」

インデックス「困った……今さらなんて呼べないいいの」

ミサカ「いや、名前で呼べよ、とミサカは冷静に突っ込みます」

インデックス「いや、当麻がビリビリとかって呼んでるから、こっちのあだ名では相手の特徴を踏まえるのが常識なのかと思ってた……」

ミサカ「そんな慣習はないですね」

インデックス「……み、み、みー……み」

ミサカ「まるでセミの鳴き声だ、とミサカは呆れて嘆息します」

インデックス「これ、ちょっとハードル高いかも」

ミサカ「普通に美琴と呼べばいいだけですよ」

インデックス「MI・KO・TO」

ミサカ「30点」

インデックス「30点?!」

ミサカ「気持ちこめてます? とミサカは棒読みにも程があるだろと指摘します」

インデックス「み・こ・と」

ミサカ「まだまだ……はい! 美琴!」

インデックス「みこと!」

ミサカ「はい、もうちょっと! 美琴!!」

インデックス「美琴!!」

ミサカ「美琴! 美琴!」

インデックス「美琴! 美琴!」

ミサカ「いいよ! すっごくいい! はい! 美琴! 美琴!」

インデックス「美琴! みこ」


シュン――

黒子「お姉さま!?」






37: 2013/08/15(木) 22:39:01.52
ミサカ「変態が釣れましたね」

インデックス「短髪の後輩の人だね」

黒子「ここから、お姉さまに対する熱い思いと言うか、名前が聞こえたのですが……はっ! お、お姉様……ではなく、妹様の方でしたか……おや、シスターさんもご一緒で……」

ミサカ「アイス食べます?」

黒子「あら、これはどうも。明らかに溶けかけているアイスをお渡しになるその愛嬌、素敵ですわ」

ミサカ「あ」

インデックス「それって、パシられてるやつでしょ? いいの?」

ミサカ「まずい、自分の任務を忘れていました、とミサカは遊びに夢中になっていたことに後悔します」

インデックス「……短パツー、行っちゃうの?」

ミサカ「すいません。もう少し構ってあげたいところなのですが、後はそちらの変態に任せます」

黒子「お姉さまとクリソツのお顔で罵られるのもいいものですね……」フウフウ

インデックス「すごく、怖いんだよ」





38: 2013/08/15(木) 22:58:58.62
ミサカ「ああ、あと先ほどの軍資金お渡ししておきます」

ぱさっ

インデックス「何だか諭吉がゲシュタルト崩壊起こしそうかも……」

ミサカ「じゃあ、頑張ってください。では変態、よろしくお願いします、とミサカは一礼します」

インデックス「……あ」

黒子「はて、私はいったい何を任されたのでしょうか」



所変わって――


とあるマンション


打ち止め「くすくす……」バタバタ

一方通行「おい、ごろごろすんな。埃がまうだろがァ」

打ち止め「ごめんごめんって、ミサカはミサカは口元を手で押さえてみる」

一方通行「つか、なんだ、なんで笑ってやがる?」

打ち止め「えっと、今ねえいいところなの」

一方通行「はっきりしねえなあ」

打ち止め「嬉しい事だよ」

一方通行「そおかよォ。そりゃ良かったな」

打ち止め「えー、もうちょっと聞いてよって、ミサカはミサカは言いたくてうずうずしてみる」

一方通行「んじゃ、聞かねェ」

打ち止め「ケチー」

39: 2013/08/15(木) 23:07:33.87
一方通行「お前らの娯楽に興味が湧かねえからな」

打ち止め「娯楽って言うと、なんだか人聞き悪いかも、とミサカはミサカは白々しく言ってみる」

一方通行「はあ?」

打ち止め「うふふ……こっちの話」

一方通行「……ちっ」ゴロン

打ち止め「アイスまだかな……」バタバタ

一方通行「ばたばたすんな」

打ち止め「はーい」

40: 2013/08/15(木) 23:14:12.59
所変わって――

路地裏


美琴「……はあ」

美琴「……」

美琴(あっさり振られただけあって、痛くもかゆくもないとか思ってたけど)

美琴(単純に、痛覚がマヒしてたってだけだったのね……)

美琴(きっついなあ……なんで、こんなにきついんだろ)

美琴(心のどこかで、あいつらなら……選んでくれるかもって思ってたのかな……とんだ思い込みね)

カランカラン!

美琴「!?」

ネコ「にゃあ……」

美琴「ネコか……」

美琴(……気が立ってるというか、むしゃくしゃしてるというか、発散したいというか)

美琴(……暴れたい……)

45: 2013/08/17(土) 23:28:03.99
美琴(いや、暴れてどうにかなるってこともないけど……・)

美琴「……そういや、黒子帰ってるかなあ……」

美琴「あいつ、察しが良いから……このまんまだったらまた何か言われそうよね……」

美琴「……ゲーセンでも行くか」




セブンスミスト―――


黒子「はあ、お姉様とお友達になりたいのですね……」

インデックス「そうなんだよ。……ここのお店なんで、半壊してるの?」

黒子「まあ、色々ありまして……」

インデックス「ふーん」

黒子(……なんなんですのこのシスター。いつぞやは、お姉様に敵意むき出しだったはずでは……はあん!?
 まさか、お、お、お、お姉様にこ、ここ……いえ、不埒な感情を……?!)







46: 2013/08/17(土) 23:42:53.48
インデックス「ふんふんふん……あ! このワンピース可愛いかも! くろこ、ちょっと試着してくるから待ってて!」

黒子(いえいえいえ、まさか聖職者に限ってそんなことがあるわけ……いえ、でも!?)

インデックス「とうまにさえ服を買ってもらったことないのに……日頃の行いが良いのかな」

テテテテ

黒子(外国の方はあっちの方も進んでいますし……性の壁など取り払われていてもおかしくない)

黒子(あんな幼い容姿でも……もしや、お姉様を手籠め……に……)ブルブル

シャー

黒子(も、もしや私へのライバル宣言だったのでは……!?)ピクピク

黒子(ここで、消しておかなければならない……は! ダメですの、ジャッジメントとして人としてそれはダメですの……)

47: 2013/08/17(土) 23:49:40.16
黒子(落ち着いて、落ち着くのよ黒子……冷静に、あのシスターさんの瞳を見れば大抵のことは分かるはず……)

インデックス「くろこ、そこにいるー?」

黒子「あ、は、はい」

黒子(一度深呼吸して……ふう)

シャー

インデックス「ねえ、どう? 似合うかな……?」

黒子(冷静に、彼女を見つめるのですわ……)チラ

インデックス「この袖のフリフリが可愛いんだよ」ひらひら

黒子「……?!」

インデックス「どうしたの?」

黒子「ぐ、ぐぐ……」

インデックス「うん?」

黒子「グっジョブ!」




48: 2013/08/18(日) 00:04:12.25
インデックス「おお! それは最高の褒め言葉だね! 嬉しいかも!」

黒子「外国の方のワンピース姿は、どこか夢と希望とハレンチさを伴いますわね……」

インデックス「じゃあ、これにしよーっと……」

シャー

黒子(は!? 術中にハマってしまいましたわ……不覚)

黒子(し、しかしカワイイものはカワイイですし……そこは素直になってもいいですわよね)

黒子(で、ですが、このお姿でお姉様の前に立たれますと非常にまずい……可愛い物好きのお姉様のこと、いくらライバルでも心を許しかねない……)

シャー

インデックス「ふう、日本で洋服を買うってことがなかったから新鮮……」

黒子「そうだったんですの?」

インデックス「貧乏生活だったから。でも、服は無くても毎日快適だったんだけどね」

黒子(健気スキルもお持ちですって?! これは、ますますお姉様の正義感を刺激しかねませんわ)


49: 2013/08/18(日) 00:26:23.05
黒子(化けの皮を剥がして……)

インデックス「くろこ、お店に連れて来てくれてありがとうなんだよ。日本の女性はみんな優しいね」ニコッ

黒子「いえ、いえ。どういたしたしまして」

インデックス「お会計すませてくるね!」

テテテテ

黒子(……)

ゴンッ(頭を壁に打ち付ける音)

黒子(やはり、シスターさんはシスターさん……ですわね)

黒子(あの穢れの無い笑顔を見せられてしまってわ適いませんわ)


50: 2013/08/18(日) 00:45:43.77
インデックス「歩く教会は、とりあえずこの中に詰め込んでと……」キョロキョロ

黒子「どうされました?」

インデックス「えっと、あと帽子も買いたいかも……付き合ってもらっていいかな?」

黒子「ええ、お安いご用ですの。それでしたら、ここから少し出た所に私のお気に入りのお店が」

インデックス「わーい……あ」

黒子「?」

インデックス「あの、くろこはテレポーターなんだよね?」

黒子「その通りですわ」

インデックス「良ければ、そのお店まで移動してくれないかな……理由は後で話すから」

黒子「……わかりました」

インデックス「え? ほ、ほんと」

黒子「そのように驚いた顔をしなくても。私とシスターさんは共に過ごした時間は短くてもすでに知人以上、つまり友人ですわ。困っているようですし、お力になりましょう」

インデックス「……ありがとうなんだよ!」

ギュウッ

黒子「それでは、そのまま離さないでくださいまし」


54: 2013/08/18(日) 15:02:50.76
シュン――

スタッ

黒子「着きましたわ」

インデックス「……」パチ

黒子「さて……」

インデックス「ありがとう」キョロキョロ

黒子「ところで、シスターさん、あなたもしかして誰かに追いかけられてます?」

インデックス「……イエス、だよ。私は現在絶賛逃亡中の身なの」

黒子「あの、言いにくいのですが、もし悪事を働いてということでしたら……」

インデックス「ああ、そういんじゃないんだけど、一身上の都合というか……」

黒子「理由、お聞かせ願えますか?」

インデックス「うん……あのね、短髪には内緒だよ?」

黒子「……わかりました」

56: 2013/08/18(日) 15:24:45.59
インデックス説明中――


黒子「にわかには信じがたい内容ですの……」

インデックス「そうだね。こちら側の人間からすれば、全て余さず飲み込むと言うには常識に反しすぎていると思う」

黒子「ですが、理解はできましたわ……つまり、お姉さまにあなたの真意を伝えたいのですね」

インデックス「そうなんだよ。そのためにも、早急に短髪と仲よくならなきゃいけないの。今のままじゃ、絶対に分かってくれそうにないし」

黒子「ですが、シスターさん。あなたはそれで本当に良いのですか? あなたがイギリスから戻られた時、ここに
あなたの居場所はないのかもしれないのでしょう?」

インデックス「大丈夫。また、1からやり直すよ。覚えている限りだけどね。その時はもう一度、私と友達になってくれる?」

黒子「ええ、もちろんですの……」

インデックス「さて、あんまり時間もないから……目深に被れて髪も入れれそうな帽子はっと…」



57: 2013/08/18(日) 15:45:16.32
黒子(……私の知らないところでこのような事態&三角関係になっているとは……あの殿方のことですから、すでに歩くバミューダ海域。いつか、後ろから刺されかねないですわね……おいたわしや……お姉さま)

黒子(うう、しかし、納得はできませんの。いくら、シスターさんの一大決心であろうと、私の最愛のお姉様が、私から巣立つのを早めてしまう恐れがありますの……あの類人猿め……)

黒子「うう……」ぶつぶつ

インデックス「くろこ?」カブリ

黒子「はッ……あら、それもお似合いですよ」

インデックス「じゃあ、これにしよー!」ニコッ

黒子「……」



58: 2013/08/18(日) 16:47:26.45
路地裏――

ステイル「どうなっているんだ……さっきまで、この店にインデックスがいたはずなのに」

神崎「先ほどのおさげの少女……もしかしたら逃亡の手引きをしているのかもしれませんね」

上条「……白井が……なぜなんだ」

ステイル「なぜも何も、……上条当麻、今回は珍しく協力的じゃないか」

上条「何言ってんだよ。必要悪の教会に連れてって調整してやんなきゃ、あいつの身体が持たないって言ったのはおまえらだろ」

ステイル「まあ、そうなんだがね。君との思い出とやらも消えてしまうかもしれないんだよ?」

上条「思い出なんて何度だって作ればいいんだ。今はあいつの身体の方が心配だ」

神崎「インデックスにも……そう伝えたんですよね?」

上条「ああ。そしたら、急に噛みついてきて……逃亡された」

ステイル「気持ちが足りてないんじゃないのかい? 自分で伝えるなんて言っておいてこの様か」

神崎「ステイル……」

60: 2013/08/18(日) 17:04:05.68
上条「……気持ちが足りてなかったなんて言いたくない……それでも、俺はあいつを何度だって救ってやりたいって思ってる」

ステイル「……ふーん」

上条「なんだよ」

神崎「上条……君は、えらくあっさりと未来を受け入れるんだね」

上条「あいつが怖がっちまってるなら、俺が逃げちゃダメだろ」

ステイル「ああ、そうだね。仮に、インデックスが怖がっているとしたらの話だけれど」

上条「?」

ステイル「君はいつも、物事を真正面から捕える。しっかりとね。そこは素直に称賛できる。けど、君の描くゴール風景って
、いつも君自身が欠けていて、それを当たり前の様に受け入れている。そこは、歪んでいると言えるね。インデックスが危惧しているとしたら、その部分なのかもしれないね」

上条「……頭の悪い上条さんにも分かるように説明してくれませんかね? すているさん」

神崎「……インデックスはあなたが考えている以上に、とても献身的な人物なんです、上条当麻。それは、一度別れを体験した私たちだからこそ、分かるのです」


62: 2013/08/18(日) 17:20:52.57
上条「……神裂」

神裂「その意味であなたとインデックスは、少し似ているように思えます。私たちを好いてくれていた時の彼女に……」

ステイル「まあ、この説教して殴るしか脳のない男に言ってもしょうがないさ……」

上条「言いたい放題言ってくれやがって、混乱しちまうじゃねえか……まったく、あんまり理解できなかったがな、俺は必ずあいつをイギリスに送り返す!」

ステイル「まあ、そうしてくれよ。こちらとしても、大変ありがたい」

神裂「……」



64: 2013/08/18(日) 17:31:59.23
ゲーセン―――
美琴がやり始めてから1時間以上経過――


チュインチュイン!!
ドドドドド!

パァン!

美琴「っだあああ!? 連敗!? うそ! ありえない……」

「GAME OVER!」

美琴「人生楽しいことばかりじゃないのよね……苦しいことがあってこそ小さな幸せが映えるってもんよ」

ガタッ

ミサカ「あら、お姉様でしたか。どうりでやたらうるさいはずだ、とミサカは今さらながら他人のフリをします」

テクテク――ガシッ!

美琴「……」

ミサカ「あら」

美琴「……お姉様に連チャンしといてあっさり去ろうなんて……そうは行かないわよ」

ミサカ「えー、嘆くなら自分の未熟さを嘆けよ、とミサカは程よい正論でお姉様をいさめます」

美琴「どこらへんがいさめてんのよ……」

66: 2013/08/18(日) 17:44:31.20
美琴「あんたに負けるなんて……自分が許せない。……とゆーか、あんたお遣いはもう終わったの?」

ミサカ「……お姉様、よくお見分けできましたね。素晴らしい。と、ミサカはお姉様の妹愛に困惑します」

美琴「自分の顔を朝眺めて、今日は寝癖がとか、目が腫れてるとか、むくんでるとか考えてたら微妙な違いもそりゃ敏感になるわよ。まあ、そのどっちつかずの毒舌があんたの特徴って言えば特徴かな……」

ミサカ「はっはっは、さすがお姉様……」

美琴「あの白いのはどうしたのよ?」

ミサカ「気になりますか?」

美琴「いや、まあ、あんな派手なのが街中にいたら目をつけられちゃうかもしれないし……」

ミサカ「心配なら行ってあげればいいじゃないですか……」

美琴「こちとら……いろいろ気持ちの整理がついてないのよ」

ミサカ「シスターさんも時間がなさそうな感じでしたよ、とミサカは当時の様子を振り返ります」


67: 2013/08/18(日) 18:02:21.65
美琴「あー、今思えばなんだか焦ってたような……」

ミサカ「そんなシスターさんを、露を払うかのように万札で手を打つお姉様ときたら……とミサカは眉間を寄せます」

美琴「いや、あれは服が汚れたから渡したんであって……」

ミサカ「……ほう」

美琴「……う、いや、ごめん。そう、一緒にいたくなかったです、はい……」

ミサカ「お姉様、先ほど情が移るとも仰ってましたが?」

美琴「それも正解……」

ミサカ「お姉様がシスターさんと一緒にいたくないのは……」

美琴「言わないでよ……分かってるから、そんなの自分が一番」

ミサカ「すいません、お姉様。お姉様を責める気持ちはないのです。ミサカはいつまでもお姉様の味方ですから」

美琴「……知ってるわよ、バカね」

ミサカ「……」ニコッ




68: 2013/08/18(日) 18:16:15.85
美琴「私、自分のことでまだまだ精一杯なのよ……弱い自分が一番手ごわい」

ミサカ「青春くさいですね、とミサカは鼻を押さえながら口元を緩めます」

美琴「焦げた匂いも嗅がせてやろうかしら?」ニコッ

ミサカ「ノーセンキューですね」ニコッ

美琴「あーあ、あんたと話してると私の悩みが馬鹿らしく思えちゃう……」

ミサカ「だって、お姉様考えたり想像するのより、行動したり破壊したりする方が得意分野でしょう? と、ミサカはお姉様にチョークを決められながらあいたたたた」

ギリギリ――

美琴「一言余計だっつの!」

ミサカ「これも青春の影、裏舞台……とミサカはホ口リと一滴の涙を流します」

69: 2013/08/18(日) 18:17:04.85
ちょい抜けます

71: 2013/08/18(日) 19:54:08.75
お待たせしました

72: 2013/08/18(日) 20:13:23.54
美琴「あんたたちも、大概お節介よねえ」

ギリギリ

ミサカ「ギブギブ、とミサカはお姉様の愛のムチと骨の軋む音に気絶寸前です」

美琴「……あのさ、あの白いのと……もう少し話てみようかなって思ったんだけど。悩む時間ももったいないし、傷心ってキャラじゃないし」

ミサカ「おお、その意気です」

美琴「……頑張るわ」

ミサカ(司令……お姉様が行動に移るようです……)




とあるマンション――

打ち止め(うむ、わかった。とミサカはミサ)

一方通行「っかっかっか! ……何だよこりゃあ……打ち止めちゃんよォ」

打ち止め「!? こ、これは、お姉様の青春の一ページ大作戦マニュアルなんだよって、ミサカはミサカうっかりしゃべってしまったことに後悔してみる……ああ!?」


73: 2013/08/18(日) 20:29:56.22
一方通行「この夏休みの宿題ですかァ? 的な絵日記がか?」

ペラペラ

打ち止め「リアルタイムで計画中なんだよって、ああ!? そんなにじっくり見たら!?」

一方通行「『ミサカ10088号より……お姉様の告白現場目撃、これを発端……お姉様とシスターさんに仲良くしてほしいなあ。どうしたらいいかなあ。そうだねえ、お姉様の壁を取り払わないとねえ』」

打ち止め「きゃあああ、ってミサカはミサカは露見されたシークッレトにもんどりうってみる!」

一方通行「『お姉様はきっと、友達になった上で嫉妬しちゃうのが嫌なんだねえ……ミサカ10088号、ゲーセンにてお姉様と遭遇』」

打ち止め「わああああ! てミサカはミサカは」

一方通行「さっきからキメェ顔で笑ってやがると思ってはいたが……」

打ち止め「女の子に向かって、それを言う? ってミサカはミサカはあなたの手のノートを奪うためにジャンプしつつ! ふん! ふん!」

74: 2013/08/18(日) 20:44:54.68
一方通行「こりゃ、幼女の遊びにしちゃ、ちといい趣味してンなあ」

打ち止め「遊びじゃないもん! 真剣だもん!」

一方通行「……真剣ねェ。まあ、あの女がどこで発情しようが、お前らがそれについて何企もうが興味はねェがよお」

ポイッ

打ち止め「おっとと」ポスッ

一方通行「お前らのお姉様は、友達一人まともに自分で作れないほど弱ッちい生き物なのか?」

打ち止め「過保護だって言いたいんだよね? でも、お姉様は意外と繊細にできているの」

一方通行「繊細ねえ……まあ、いいわ。……そうそう、暇だったんだよォ、俺は。今日、明日と……」

打ち止め「う、うん?」

一方通行「クソみたいなおままごとでも、暇を潰すには良いだろおなァ……っかっかっか!」

76: 2013/08/18(日) 21:07:05.03
打ち止め「そ、そんな、せっかくの休日なんだから、あなたはお昼寝でもしててよって、ミサカはミサカはあなたの肩を揉んでみる」

一方通行「うちの打ち止めちゃんがいつもお世話になってることですしィ? 超電磁砲にお中元贈んないとなァ」

打ち止め「主婦みたいな発言に、ミサカはミサカはあなたの脳に虫がわいたんじゃないかと心配してみる……」

一方通行「ああ? お前らの方がよっぽど危ないって思わねえのか」

打ち止め「……?」

一方通行(楽しんでるうちはまあいい……放っておいてもいいが、もめ事起こされんのもメンドくせえェ……)

一方通行「ちッ……んじゃ、さっそく行きますか。二人の親密度あげによォ」

スタスタ――

打ち止め「アクセラキューピッド誕生……ってミサカはミサカはノートの最後に書き残してみる」



79: 2013/08/18(日) 21:22:54.95
とあるゲーセン

10088号「おお……まずいですね」

美琴「なにがよ?」

10088号「嵐がやってきます」

美琴「今日って、ずっと晴れじゃなかったっけ?」

10088号「そうではなくて、プレーヤーが一人増えました……ではなくて」

美琴「何、わけわからんことを……」

10088号「とりあえず、このゲーセンを出ましょう! とミサカは内心焦りつつ、お姉様の手を引きます」

美琴「内心駄々漏れてんだけど、どうなの……と、そんなに引っ張ったらこけッ」

タタタッ――ドベシャアアア!!

美琴「あいったああ!?」

10088号「なんで、こんな所でドジッ子属性を発動させるんですかあんたは……とミサカはお姉様のファンサービスに頭が下がります……」

美琴「あんたが引っ張るからでしょうが!?」

80: 2013/08/18(日) 21:30:24.81
10088号「……あ」

美琴「いたた……んしょッ」スクッ

黒子「お、お姉様!? お怪我はございませんか!?」

美琴「黒子?! やだ、恥ずかしいとこ見せたわね……あはは」

黒子「ああ!? おみ足が擦りむいて、血が出てますの! わ、私がぺろぺろっと、ぺろ」

美琴「やめんか!」

ビリッ!

黒子「ああん?! お姉たまあ?!」

インデックス「くろこ……なんだか嬉しそうなんだよ。気持ち悪いほどに……」

美琴「……あ……」

インデックス「短髪! こんな所にいたんだね! ……ゲーセンで傷を癒すのは健全とは言い難いかもッ」


81: 2013/08/18(日) 21:47:43.71
美琴「ど、どうしてあんた達一緒にいるの?」

黒子「誤解の無いように申しておきますが! 私はお姉様一筋です!」

インデックス「くろこは意外と良い人だけど、犯罪予備軍スレスレの匂いがプンプンするかも」

10088号「全く、誰も説明になっていない、とミサカはお姉様の心中を察して吐露します」

黒子「あ、失礼しましたわ。この方とは偶然お会いしたんですの…………お姉様」

美琴「な、なにかしら?」

黒子「どうぞ、この方とごゆるりとご歓談下さいな……今日は寮監殿も休暇のためおりませんし」

美琴「も、もとよりその覚悟よ」

10088号「なぜ、果し合いを申し込まれた武士のような面持ちなのですかお姉様……」

インデックス「美琴……ありがとう」

美琴「……お礼とか必要ないわよ」

ピッ―――

インデックス「!?」

美琴「ん? どうしたのよ」

インデックス「ま、まずい」

シュボッ!

シュボボボボ!

黒子「なんですの!?」

ザッ――!

美琴「火の玉……能力者?!」

インデックス「こ、この術式……」


ザ、ザ、ザ―――、


ステイル「いや、大変助かったよ……君の注意がそれる瞬間を待っていた」

上条「インデックス……帰るぞ」

83: 2013/08/18(日) 22:17:04.80
インデックス「あわわ……大変だよ。追手が来ちゃった……」ワタワタ

美琴「追手?」

黒子「お姉様、シスターさんを連れて逃げますわよ!」

10088号「ふむ、状況はなんとなく理解しました。ここは、私が足止めしますので、とミサカはお姉様方を先に行かせるため立ちはだかります」

美琴(……あいつ、もしかして、あの時白いのを探してたんじゃ。私、自分のことばっかりで、あいつの状況とか全然気にしてなかったけど……)

インデックス「短パツー! ありがとうなんだよ!」

10088号「いーえのことです。ああ、それから、私のことは10088号とお呼びください。短パツーは他にいくらでもおりますから、とミサカは自分の個性をアピールします」

インデックス「呼びにくいんだよ、パツパツでいいかな?」

10088号「30点」

インデックス「また!?」

シュボッ!

黒子「危ないですの!」シュンッ

美琴「うお!?」

シュン――

インデックス「ステイル?! 本気なんだよ……」

ステイル「遊びはお終いさ……」

上条「お前がどうしても帰らないっていうんならな、まずはその幻想をぶち壊す!」

神裂「お二人とも、決め台詞喋る暇があったら、さっさと足を動かしてください」

ステイル「そのつもりさ……イノケンティウス!」

上条「お、おい、あいつらを傷つけるのはよせ!」

ステイル「君は立場的にめんどくさいから、スッコンデテ欲しいね」

シュッボオオオ!



84: 2013/08/18(日) 22:38:42.74
キュイン―――!

上条「ばか、火の粉が髪の毛にでもついたらどうするんだ?! もっと、他のやんわりとしたやつでやれよ!」

ステイル「き、み、は……」イラッ

神裂「……」

テクテク

神裂「……インデックス、あなたには時間がない」

インデックス「分かってるよ……」

神裂「あなた一人の問題ではないのです……」

インデックス「……ッ」

美琴「あー、なんかもう展開が速すぎて処理能力落ち気味なんだけど……白いの!」

インデックス「な、なに?」

美琴「私は、あんたに話がある! だから、まだこっちにいてもらうわよ。理由はそれで十分でしょ」

インデックス「……うん、うん!」

黒子「ああ、何かしらこの心のもやもやは……うぐぐ」

10088号「……早くテレポートでもなんでもしてくださいよ、とミサカはやや焦り気味に……あ、やべ来ちゃったよ、あいつ」

ドゴゴオオオオオオ!

上条「空から、鉄槌が?!」

ステイル「な、なんだ?!」

ドゴオオオオオ!

インデックス「魔術じゃない……なに?」


ッカッカッカッカッカ!!


打ち止め「その高笑いは悪の親玉っぽい、ってミサカはミサカはあなたの背に追われ囁いてみる」


―――ドゴオオオオオン!!!


一方通行「お中元お持ちしましたああアァ!!」



95: 2013/09/08(日) 20:29:08.92
ッカッカッカッカッカ!!


ステイル「……なんだあれは、君の知り合いか? 上条当麻……」

上条「……なんで俺を睨むんだよ。そりゃ、知ってるっちゃ知ってるけど……」

ステイル「はあツ……どうしていつも君は邪魔なことしかしないんだい」

上条「いやいや!? 呼んでないですよ俺は!?」

神裂「敵なんですか、味方なんですが?」

上条「それは……」

上条(あいつ……何しに来たんだ……?)



インデックス「あの人なんでここに……?」

10088号「……」

美琴「ちょ、どういうことよ? なんで一方通行と打ち止めがここに来るわけ?」

10088号「あ、えー、助っ人です、とミサカは自分にも納得させるようにみなさんに説明します」

美琴「助っ人って、誰が呼ん……あんたまさか」

10088号「違います、とミサカ首をふります」フルフル

美琴「なわけないでしょーが! ネットワーク上で、リアルタイムにこっちの状況が筒抜けっつーことでしょ要するに!?」

10088号「後半部分については否定はしませんが、これもお姉様のためなんです」

美琴「どーも、踊らされているみたいで気に入らないわね……」

10088号「お姉様、あのモヤシの意図は分かりかねますが、私たちはお姉様に普通の日常を送って欲しいだけなんです、とミサカは内心を吐露します」

96: 2013/09/08(日) 20:42:23.40
美琴「すでに、日常のにの字も残ってないけど……」

打ち止め「そういうんじゃなくって! とミサカはミサカは突如としてお姉様の真横に姿を現してみる!」

美琴「のわあ!?」

黒子「ちっこいお姉様……はああん!?」

インデックス「くろこが悶えだした!?」

美琴「打ち止め……」

打ち止め「私たちは、お姉様にお友達をつくって欲しいだけなのって、ミサカはミサカは親指を立ててお姉様にエールを贈ってみる」

美琴「友達って……そのために来たって言うの? あの一方通行も?」

打ち止め「うん!」

ザッ

一方通行「いや、うん、じゃねえよ。お前らの監視役できてやったンだよ」


97: 2013/09/08(日) 21:14:59.15
10088号「正直助かりました、早く追っ手を蹴散らして来てください、とミサカは合掌します」

一方通行「つーか、何? なンでヒーロー君がいるわけ? 敵なンですか?」

インデックス「当麻は私を捕まえて、イギリスに売り渡す気なんだよ!」

上条「こら! 語弊のあり過ぎる説明をするんじゃありません!」

一方通行「カッカッカ! なるほど、そりゃ傑作だわ……愉しいねェ、さすが、ヒーローは退屈させないなァ、そのお仲間も、コスプレにへそ出しルックスとは……おもしれえわ」

ステイル「何なんだ君は、邪魔するなら容赦はしないよ?」

上条「これは、俺たちの問題だ……お前の好き勝手にはさせやしねえぞ」

一方通行「おいおい、まるで俺が悪者みたいな扱いだ……さすがはヒーロー」

ステイル「……」

シュボッ!

一方通行(火ね……)

一方通行「……おい、テレポーター!」

黒子「わ、私のことですの?」

一方通行「お前以外に誰がいんだよ。さっさと、そいつら連れていけ」

打ち止め「あなたって、ホントに口と行動が合わないよねって、ミサカはミサカはあいたたた?!」

グリグリ

一方通行「俺は俺のために動いてんだ。いちいち変な勘繰りするんじゃねェ」

黒子「お、お姉様、シスターさん……」

インデックス「お願いしたいんだよ」

美琴「ま、よく分かんないけど、この場は任せろって言ってくれてるわけだし……」

10088号「お姉様、自分に素直に、とミサカはお姉様の背を押します」ポンッ

美琴「な、なんのことよ」

10088号「……っふ」

美琴「見透かしたように笑わないでくれるかしらッ……?」

美琴(先のこと考えてなかったけど……)

黒子「そ、それじゃあ行きますわよ」

美琴(私、この白いのに何を話せば……)

インデックス「美琴ってば!」

美琴「あ、あんたいつの間に名前で……」

黒子「では、寮へ参ります」


シュン―――

98: 2013/09/08(日) 21:32:49.36
上条「インデックス!」

一方通行「女のケツを追いかけるたア、男らしいじゃねえの」

上条「インデックスをイギリスに返してやらねえとあいつの身体がもたないんだ。だから、協力してくれよ」

一方通行「俺に言われてもねえ」

上条「お前になら、分かると思って言ってるんだ……守るものがあるお前なら、俺の気持ちがわかるはずだ」

一方通行「分かった所で、俺は俺の意志でしか動かない。同情を誘う相手を間違えなさンな」

打ち止め「ここから、先は一方通行だ! ってミサカはミサカ決めてみる!」

一方通行「つーわけだ」

10088号(息ぴったりですね)

ステイル「時間がないというのに…インデックスはこんなやつとも関わっていたのか……」

神裂「日本に……長く居すぎましたね」

上条「……」

一方通行「……ヒーローよお、一つだけアドバイスしてやる」

上条「なんだよ……」

一方通行「今のお前、最高にかっこ悪いぜェ?」カッカッカ!


99: 2013/09/08(日) 21:43:46.12
シュン―――


黒子「着きましたわ……」

インデックス「ありがとうなんだよ」

美琴「……」

黒子「それでは、私はこれで」

美琴「え、なんでよ!?」

黒子「いえ、戻って援護に回りますの。シスターさんが目的を果たすまでは、お友達として出来る限りのことをさせていただきますわ」

シュン――

美琴「黒子!」

インデックス「……くろこは本当に優しいね」

美琴「そうね……」

インデックス「さて」

クル――

美琴「うッ……」

サッ

インデックス「どうして身構えるのかな?」

100: 2013/09/08(日) 22:12:56.40
美琴「あ、いやなんとく……その服」

インデックス「似合う?」

美琴「似合うけど……」

美琴(やっぱ、可愛いのよね……女の子らしくて華奢で……守ってあげなくちゃって思うのもわかる。私でさえ思うもの)

インデックス「美琴?」

美琴「……さて、話したいってことだったんでしょ。遠慮なくどうぞ」

インデックス「うん、私ね、もうすぐ日本で過ごした記憶が無くなっちゃうの」

美琴「な!?」

インデックス「それで、ちょっと調整も必要で、これをしないと私の脳が壊れちゃうんだよね」

美琴「……さらっととんでもないこと言ってくれるじゃない……」

インデックス「だから、日本を立つ前に、美琴と友達になっておきたかったの」

美琴「……う」

美琴(真っ直ぐに見つめて来るじゃない……)

インデックス「それが、美琴のためにも、当麻のためにもなるから」

105: 2013/09/12(木) 21:36:01.86
美琴「私とあいつのため?」

インデックス「……ううん、それは私のエゴかも……当麻に幸せになって欲しいって思う私のワガママ」

美琴(こいつ何を……)

インデックス「とりあえず、凄いのを一つお願いなんだよ」

美琴「…………ん?」

インデックス「はやくー……心の準備はで、できてるし」モジモジ

美琴「い、いや何を?」ドキッ

インデックス「何って電撃なんだよ。それを受けて初めて友達になれるんでしょ?」

美琴「い、いやいや!?……友達になるのに、そんな定義あるか!」

インデックス「ええ?! 違うの?」

美琴(妹たちかしら……この入れ知恵は……)ハアッ

美琴「そんなに私と友達になりたいわけ?」

インデックス「うん」

美琴「……う……」

美琴(だから、あんたはなんでそんなさらっと言えるのよ……)

106: 2013/09/12(木) 21:59:18.47
インデックス「友達として、美琴に頼みたいことがあるから」

美琴「何よ?」

インデックス「それは友達になってから言うんだよ」

美琴「……その頼みってさ、あんたにはできないことなの?」

インデックス「そうなんだよ」

美琴「そっか……そうね。分かった」

インデックス「じゃあ……」

美琴「あんたとは、友達にはなれない」

インデックス「……ええ!?」

美琴「まあ、もともと、あんたとはそりが合わないかなって思ってたし?」

インデックス「今の流れでこうなるとは思わなかったかも……ッ」

美琴「だって、あんた全然嬉しそうな顔してないんだもん」

インデックス「……え」ピクッ

美琴「あたしと友達になろうって言った時のあんたの顔、必氏過ぎでしょ」

インデックス「それは……真剣だからだよ」


107: 2013/09/12(木) 22:18:36.88
美琴「真剣なのはいいけど……それと、隠し事をされて、友達になろうなんて思う?」

インデックス「あ……」

美琴「焦るのは分かる……んー、まあ、あんたの辛いのを分かってやれるのはたぶんあいつだけだろうけど……あいつにはそのお願い事話したの? 大方、関係あるんでしょ?」

インデックス「当麻にはまだ内緒なんだよ……」

美琴「内緒内緒って……あんなに必氏に呼び止めてたのよ、あいつ。黙ってなきゃダメなことなの?」

インデックス「……うん、最初はそうじゃなかったんだよ。なんでだろうね。……本当は言わなくちゃいけなかったんだよ……でも、言えなかったの」

美琴「……当ててあげましょうか」

インデックス「……」

美琴「自分の記憶が無くなっても、あいつはきっとあんたのことを待ち続ける。だから、私にあいつの傍にいてあげろって言うんでしょ?」


110: 2013/09/12(木) 23:07:25.70
インデックス「……う、ん」

美琴「でも、それを言ってもあいつが待つって言うって思ったら言えなかった、そんな所かしら? それとも、実際、言われた?」

インデックス「当麻は……記憶がないままでも、私を守ってくれた。同じように、私の記憶がないとしても、当麻はまた私を守ろうとしてくれると思うんだよ。でも、それは、当麻を縛ってしまう。きっと、当麻をすごく悲しませることになる……」

美琴「あいつがあんたのことを待つのは、あいつの勝手じゃないの……?」

インデックス「そうだね……それでも、私は当麻の人生に影響を与えすぎてしまった責任があるんだよ」

美琴「何よそれ……」

インデックス「美琴は当麻のこと好きでしょ?」

美琴「……ちょッ!?」

インデックス「それに、当麻もあなたのことすごく信頼してる。だから、私を忘れさせて欲しいの。私は、当麻と同じ時間を生きてはいけないから」

美琴「……な、によ」ズキッ

インデックス「……ね、お願い。当麻を守ってあげて」ニコ

美琴「……いい加減にしてよ」

111: 2013/09/12(木) 23:30:30.77
ビリリ――

美琴「……あんたッ、あいつのことが大切なんでしょ!?」

インデックス「そうだよ……」

美琴「じゃあ、あいつのことはあんたが守ってやりなさいよ! 何、自己犠牲に浸ってるわけ? あんたは、逃げてるだけでしょ!? 現実から目を背けてるだけ……違う?」

インデックス「そうとってくれてかまわないんだよ……でもね、みことなら、きっとみことなら分かってくれるって信じてる」

美琴「……私は、私だって、あんたのこと嫌いじゃないのよ?」

インデックス「……」

美琴「私だって、あんたと一緒に……普通に遊んだりできたらって思ってた。それなのに、あんたときたら……」

インデックス「……じゃあ、行こうよ」

美琴「へ?」

インデックス「遊びに行くんだよ」

美琴「うん?」

インデックス「海に行くんだよ!」

美琴「お、おう?」





112: 2013/09/12(木) 23:45:21.58
黒子「……あら」

ピリリリ――

黒子「お姉様から……」

ミサカ10088号「どうされました?」

黒子「海に行くから……後のことはよろしくと」

打ち止め「お姉様が、駆け落ちした!」

ミサカ10088号「ばか言ってんじゃないよ、とミサカはおませな上位個体にチョップします」ガスッ

打ち止め「あいたッ」




一方通行「ぎゃはッ! ぎゃひややあああッ! 愉悦! 愉快! 楽しいねェ! 久しぶりに身体を動かすのは気持ちがいいぜェ!」

ガガガガガガ―――!!

ステイル「何の詠唱もなく、魔力もなく、なぜあれほどまでできるんだ……」

上条「……」

神裂「純粋に破壊を楽しいんでいるようにしか見えませんね。周りに犠牲が出る前にケリをつけましょう……」

上条(あいつ……変わったな……)

上条(なんだか……置いて行かれちまった気分ですよ……)

上条(かっしいな……なんで、拳握れねえんですかね……)





120: 2013/09/15(日) 08:53:14.99
一方通行「軽い軽い軽い軽い!! ッカッカッカカカカ!!」

上条「くッ!」

キュイン――!

一方通行「ヒーローよォ……ナニ不幸面してんのォ?」

上条「……」

一方通行「惚れた女の一人すら守れないなんてなァ……」

上条「そういうんじゃねえ……」

一方通行「へえ?」

上条「でも、大切なやつだ……守ってやるって決めたんだ……」

一方通行「ガキみたいな正義感振りかざして……そいつが通じるのは……俺みたいな悪党くらいだぜ?」

上条「俺は俺のためにやってる。ガキでけっこうだよ……」

一方通行「なんつーかさァ……アレだよ、アレ、なんつったかなあ」

ミサカ10088号「乙女心を分かってない、とミサカは助け舟を出します」

一方通行「それそれ、乙女心」

打ち止め「あなたの口から、よもやそんな言葉が出るとはってミサカはミサカはあっちょんぶりけ」グニュ



121: 2013/09/15(日) 09:03:33.98
ステイル「上条当麻……君は……はあッ……もっと言い方ってものがあるだろう」

上条「え? 仲間内から溜息ッ?」

神裂「インデックスがいなくて良かったですね……」

上条「か、神裂まで……」

黒子(お姉様はこんな類人猿のどこが良いのでしょうか……まったく)はあッ

上条「なにやら、そこかしこからプレッシャーを感じませう……ッ」

打ち止め「あなたは事実をありのままに伝えすぎるのって、ミサカはミサカは大人の女性風に言ってみる」

上条「こ、子どもにまで……」

122: 2013/09/15(日) 09:21:46.53
一方通行「ククッ……悪いねェ。敵を増やしちゃったようで……クックク」

上条「……いや、きっと世間一般的に360°どっから見ても俺が悪かった……んですよ……」ガクッ

ステイル「あー、もうとりあえず君のことはどうでもいいから! 僕らが彼を抑えてる間に君は彼女たちからインデックスの場所を吐かせたまえ」

神裂「……」

一方通行「せいぜい、青春しなよヒーロー……っかっかかか!!」

ダダダダ―――!



上条「……」

テクテク――

上条「あのう、ちょっとお尋ねしますが」

打ち止め「尋ねられても、出すものなんてないのってミサカはミサカはあっかんべえ」ペロ

黒子(くそかわ……いいですの)フーフー

ミサカ10088号「ちょ、落ち着けって、とミサカは上位個体との間に割り込みます」

上条「言葉のキャッチボールしようぜ……」

ミサカ10088号「あなたには言われたくない、とミサカは変態を後ろから羽交い絞めにしながら言います」

黒子「は、離してくださいまし! 何もしませんの!」バタバタッ

打ち止め「なに、この人怖い……ってミサカはミサカは最近あの人の家で見た漫画に台詞を口に出してみたり」






124: 2013/09/15(日) 09:53:00.35
上条「なあ、頼むよ、インデックスはどこにいったんだ? 知ってるなら教えて欲しい」

打ち止め「……あなたはどうしてシスターさんが、逃げるんだと思う? ってミサカはミサカは逆に質問してみる」

上条「それは……」

打ち止め「私たちは、理由は知らないの。でも、お姉様がこれからもっともっと幸せになっていくなら、あのシスターさんをあなたから守るよ。それが、私たちの幸せだから」

ミサカ10088号(……)

上条「御坂のこと本当に大切に思ってるんだな……」

打ち止め「うん」

上条「でもな、インデックスには時間がない。悩んでる暇はないんだよ……」

黒子「それで、お話もろくにせず、一方的にああしろこうしろと仰っているのですか?」

上条「話をしたら……家出されたんですよ」

ミサカ10088号「大方、さっきみたいに強制送還させようとしたのでしょう、とミサカは呆れます」

上条「そうでもしなきゃ、インデックスの身体が壊れちまうんだ……」

打ち止め「そっか……けどね、女の人はね、自分をないがしろにしても、周りのことをすごく気にするんだよ……ってミサカはミサカは涙腺が緩んじゃう」


125: 2013/09/15(日) 10:10:21.38
打ち止め「あなたとシスターさんは、家族みたいなものなんでしょう……?」

上条「ああ……」

打ち止め「それなら、かけてあげる言葉って、きっともっと心を温かくしてくれるものなんじゃないかな」

上条「……」

打ち止め「ねえ、シスターさんは今心の中ぽかぽかしてるかなあ? ってミサカはミサカはシスターさんの心中をあなたに聞いてみる」

ミサカ10088号「……」

上条「それは……」

打ち止め「ミサカはミサカは背伸びしてみる」ナデナデ

黒子「……お姉様……」

ミサカ10088号「いえ、違いますよ」ガシッ

黒子「離してください、何もしませんのッ ちょっと幻覚が……」

上条「俺、子どもに慰められてる……?」

打ち止め「うん、慰めてるよ」

上条「たはは……情けねえな」

打ち止め「男の人は情けないくらいでちょうどいいって思うの、ってミサカはミサカは……あの人からの熱い視線を感じたから離れてみる……」

ソロソロ―――


126: 2013/09/15(日) 10:22:52.11
一方通行(たくッ……あのガキなにしてやがんだ)


ヒュボッ!


一方通行「っと」

ステイル「よそ見をする暇はないよ……」

一方通行「……」

キュインッ――ブシュバアア!(噴水の水を凝縮している)

一方通行「くそ暑いしなあ、頭でも冷やそうぜェ!! ヒーロオオオ!!」

神裂「なにを……」


バッ―――――


上条「へあ?」

127: 2013/09/15(日) 10:53:12.66
飛行場―――沖縄行き搭乗口


美琴「はい、これチケット」

インデックス「ありがとう……海に行こうとは言ったけど、まさかこんなことになるとは」

美琴「何よ。今さら嫌だって抜かすんじゃないでしょうね」

インデックス「ううん、全力でびっくりしたけど、もう慣れたんだよ」

美琴「それは、こっちの台詞だっつーの!」

インデックス「えへへ……」

美琴「何よ?」

インデックス「嬉しいんだよ……こうやって、我がままに付き合ってくれるのが」ニコ

美琴「……それこそ、今さらだわ…………私、ちょっとお手洗い行ってくるから、そこで荷物見張っててくれる?」

インデックス「了解なんだよ」


131: 2013/09/16(月) 19:46:04.46
インデックス「……お腹空いたかも」

ゴゾゴゾ(ポケットを漁っている)

インデックス「チョコが一つ……」

ぐぎゅるる――

インデックス「もう、だめかもしんない……」


カツカツ――


男1「ねえ、君、可愛いね。観光?」

インデックス(誰……?)

インデックス「そんな感じなんだよ」

男2「へえ、一人?」

インデックス「友達と二人だけど」

男2「ちょうど良かった! 俺たちも男二人でさあ、つまんねえなあって言ってたところなんだよ」

インデックス「? 友達と一緒に行くんだよ? つまらなくないんだよ」

男1「ああ、違う違う。男だけってのがさ、花がないよなって話だよ。君、面白いね」

132: 2013/09/16(月) 20:02:19.87

インデックス「ふーん……」

男1「友達って女の子だよね? そこの可愛い鞄の子」チラ

インデックス「そうだけど」

男1・2「……」チラ

男2「ここで会ったのも何かの縁だしさ、良かったら一緒に観光しようぜ?」

インデックス「うーん、日本は縁を大事にするって言ってたけど、本当なんだね。どうも、親切にありがとうなんだよ」

男2「あ、いや……ははッ」

インデックス「?」

男1「あははッ、君、外国の人だよね? どこから来たの?」

インデックス「イギリスなんだよ」

男1「そっか、日本語すごく上手だね。日本はあっちとは全然違うから驚くこともたくさんあるでしょ」

インデックス「そうでもないんだよ。確かにけっこう危ないこともあったけど、色んな人が助けてくれるから」

男1「君可愛いからね、やっぱり話しかけてくる奴多いでしょ」

インデックス「そういう理由で話しかけてきた人はいないかも」

男2「え、うそじゃん!? 俺だったら、視界に入ったらすぐ話しかけに言っちゃうわ」


133: 2013/09/16(月) 20:29:41.42
男1「僕も、絶対話しかけちゃうなあ」

インデックス(……ごますり、違うか……なんだっけ、お世辞? 日本人は人を立てるのも上手だよね……)

インデックス「褒めてくれて嬉しいんだよ」

ぐぎゅるる――

インデックス「……おうふ」

男1「お腹空いてるの? 搭乗までまだ時間あるし、連れの子が戻ってきたらさ、どっか食べにいかない? 僕ら奢るよ?」

インデックス「すごくありがたい申し出なんだけど、何も返せないんだよ」

男2「真面目ちゃんかよッ。奢るって言ってんだから素直に乗っておけって」

男1「そうそう。それと、僕らけっこう沖縄行くんだよね。雑誌に載ってあるところって人が多かったりして、冷めちゃったりするでしょ? 穴場とか教えれるよ」

インデックス「うーん、ごめんなさいなんだよ」

男2「いいじゃん行こうぜ」

ガシッ

インデックス「いたッ……善意の押し付けは良くないんだよ」

男1「君こそ素直に僕らと一緒に行けば、痛い目見ないですむよ?」ニコ

インデックス「……離して」


134: 2013/09/16(月) 21:08:47.81

シュン――

ベチョベチョッ

黒子「手が少しヌメッとしてしまいましたわ……」

上条「悪かったよ……」ペチャペチャ

黒子「時間がないですの……」キョロキョロ

上条「あいつら、どこに……」

黒子「……次は、間違えないようにしてくださいまし」

上条「……まだよく分かんねえんだ」

黒子「……」

上条「でも、まずは謝るよ。話をしてくれるように」

黒子「ええ……」

黒子(お姉様……ごめんなさい)

黒子「……あら? あれって……」

上条「インデックス!! と、あれは……ッなにやってんだよ」

ダッ!

黒子「あ、上条さん!」


135: 2013/09/16(月) 21:18:18.74
タタタタタ――!

上条「インデックス!」

インデックス「と、当麻!?」

男2「ナニ、あんた?」

上条「あー、すいませんね、俺の連れなんですよ」

ビチャッ

男1「ていうか、君なんでそんなにずぶ濡れなわけ? っと、近づかないでよ」

上条「あ、わりい。さて、行こうかインデックス」

男2「はあ? なわけないだろ。この子、今俺らと話してんだけど」

上条「嫌がってるように見えるんだけど。手、離して欲しそうだし」

男1「仮に知り合いだとして……インデックス? ちゃんは、この男と一緒に行きたいの?」

インデックス「……」

男1「あら」

上条「い、インデックス」

男2「ふられてやんの。ざまあ」ククッ




136: 2013/09/16(月) 21:42:26.07
男1「君さ、邪魔みたいだよ」

男2「用済みみたいじゃん? バイバイ。さっさとコインランドリーに行って来いよ」

上条「……」

インデックス「……」

上条「ごめん、ごめんなインデックス」

インデックス「……」

上条「お前の話をちゃんと聞いてやらなくて、お前の事ちゃんと分かろうとしてなくて」

インデックス「……」ピクッ

男2「はいはい。使用済み男はもういったいった」

グイグイ

上条「やめろ」

男1「君さ、彼女見てみなよ。君のこと見向きもしないよ。それってさ、すでに君の独り善がりってことじゃん」

上条「……そう、かもしんねえ。インデックス、だから、話してほしい……。逃げた理由を。俺は、それごと一緒に背負ってやる」

インデックス「だから、だよ……。だから、当麻には話せないの。そうやって、自分の事後回しにするから」

上条「そんなことは」

インデックス「そんなことあるんだよ! 記憶のない私が、いったい当麻にどれだけ酷い事を言ってしまうのか……待つ時間がどれだけ辛いのかを、当麻は分かってないんだよ」

上条「俺は苦に思ったりなんかしない」

インデックス「私が嫌なの……当麻の未来を潰してしまうのが、嫌なんだよ!」

上条「そんな風に思ってくれてたのか……」



137: 2013/09/16(月) 22:06:49.61
インデックス「だから、お別れなんだよ、とうま」

上条「……お前はそれで、本当にいいのか?」

インデックス「うん」

男2「はい、結論出たみたいじゃん?」

シッシッ

男1「しつこいのは嫌われるぜ」

ドンッ

上条「っいて」

トサッ

上条「あ、わりい……て、御坂!?」

男2「お、連れの子? 今さあ、一緒にご飯でもどうって言ってたとこなんだよ……え?」

ブン――ゴスッ!

男2「がはッ?!」

ドサッ

美琴「あ、ごめん。あんたの顔にハエが止まってたのよ、って聞こえてないか」

男1「ひどいなあ、いきなり殴らなくても」

美琴「親切心でやってあげたのよ。あんたも、殴られたい?」

男1「はあッ……興醒めだよ……」

138: 2013/09/16(月) 22:18:38.76
スタスタスタ――ズリズリズリ――

上条「御坂、何も殴らなくても……」

美琴「……ごめん、白いの。先に謝っとくわ」

インデックス「へ?」

シュッ――

パアアン!!

上条「っつ!?」

美琴「……ハエいたのよね」

上条「い、いませんでしたよッ?」ヒリヒリ

美琴「上条当麻って言う煩いのがいたのよ」

上条「なッ……」

インデックス「美琴、何を……」

美琴「ぴーちくぱーちく……うるさいのよ。こっちは、朝からむしゃくしゃしてんだから」

上条「わりいが、今、そういうのに付き合ってる余裕は……」
 
美琴「あんたが! 余裕がないって言いながら、どうでもいいことばっかり話してるから!」

インデックス「……美琴?」

美琴「一言、言えばいいじゃない……見てるこっちがイライラする」

139: 2013/09/16(月) 22:33:23.09
ビリリ――

美琴「一言、俺が嫌なんだって……どうして言ってやれないの? あんたの当り障りのない正義感が、白いのを傷つけてるってなんで分かんないわけ?」

上条「そ、うなのか……」

インデックス「……違うよ、違うんだよ。私は」

美琴「……あんたも、どうして素直に言わないのよ。こいつの記憶が無くなるのが怖いって……あんたたち、一番大事な所から逃げてるだけでしょ?」

上条・インデックス「……」

美琴「私が言うのもあれだけどさ、素直になんなよ……そうしなくても、せめてお互い土俵に立ちなさいって」

インデックス「……美琴」

美琴「これ以上、言わせんな…………黒子! いるんでしょ!」

シュン――

黒子「は、はいお姉さ……」

ガシッ

美琴「ちょっと、屋上でも行こうか……」

黒子「え」

美琴「早く!」

黒子「は、はいですの!」

シュン――!


140: 2013/09/16(月) 22:59:51.28
上条「……インデックス、俺やっぱり自分の事ばっかり考えてたよ」

インデックス「……」

上条「……強がりばっかり言ってた。かっこつけてた……お前を不安にさせたくもなかった。でも、お互いがそれを見せなかったから、こんなことになってんですよね」

インデックス「当麻も、怖いんだよね……」

上条「ああ、すっげえ怖いし、できることなら行ってほしくない……それを言うのすら嫌だったんだ。これからのことを肯定しまうような気がして」

インデックス「……うん。考えただけでも耐えられそうになかった……だから、ちゃんと考えなかったんだよ」

上条「……そうだな」

インデックス「だから、離れたのに……せっかく一度、仕舞い込んでたのに……美琴め……」

上条「……あいつには感謝しなくちゃな。俺たちの弱さをちゃんと叱ってくれた……」

インデックス「私は、まだ私の考えを捨てたわけじゃないんだよ……」

上条「イ、インデックス?」

インデックス「当麻のせいかもね……」

上条「何が……」

インデックス「くすッ……諦めが悪いの移っちゃったかも」

タタタタ――

上条「インデックス、どこに……」

インデックス「屋上! 当麻はそこで待ってて!」


149: 2013/09/22(日) 18:52:29.38
屋上――

ゴオッ――――


美琴「……夕日が綺麗ねえ」

黒子「お姉様……お姉様の方が美しいです」

美琴「あー、今日も長い一日だったわ」

黒子「く、黒子の小さな胸で良ければお貸しいたします」

美琴「何言ってんのよ」

黒子「ここには、私とお姉様だけしかおりませんの。だから、存分に吐き出してください……」

美琴「吐けって言われてもねえ……出るのは溜息くらいよ」



150: 2013/09/22(日) 19:00:13.08
ヒュー――

スタン!


一方通行「湿っぽいもん出してんじゃねえよ」

打ち止め「お姉様、こんな所で黄昏てどうしたのって、ミサカはミサカ聞いてみる」

美琴「げッ?! あんたたち、どうしてここが!?」

黒子「黒子の携帯、一時的にちっこいお姉様にジャックされてまして……」

一方通行「お友達ごっこは終わったのかァ?」

美琴「あんたには関係ないでしょ」

一方通行「ひねくれちゃって、可愛くねえなァ……カカッ」

153: 2013/09/22(日) 21:03:56.90
打ち止め「お姉様が今ここにいるってことは、やっぱりゆずちゃったんだねってミサカはミサカは……お姉様?」

美琴「……あの赤い髪のやつらはどうしたのよ」

ポタ――

一方通行「まあ、あと1時間くらいは出てこれないんじゃねえの。一応、一人見張りは残してきたが」

美琴「時間稼ぎご苦労様。お陰様で、こっちは解決したわ」

ポタ――

黒子「お、お姉様」

一方通行「俺も礼を言わねえとなァ。良い暇つぶしになったしな」

打ち止め「お姉様、ちゃんと気持ちを……伝えた? シスターさんと、お友達になれた?」

美琴「ええ」

ゴシッ

打ち止め「じゃあ、どうしてここにシスターさんはいないの? ってミサカはミサカは心を鬼にしてみる」

美琴「私の役目が終わったから。後は、あの二人の問題」


154: 2013/09/22(日) 21:17:18.27
打ち止め「お姉様が本当にそう思ってるなら、こんな風に介入したりしないよってミサカはミサカはちょっと怒ってみる。だから――」

一方通行「おい、やめとけ」

打ち止め「で、でも」

一方通行「まあ、待て――」


ドンドンドン!


インデックス『みこと! いるんでしょ! ここ開けて!』



黒子「シスターさん……」

美琴「……しょっとッ」

ガシャン! スタッ――スタスタ

黒子「お、お姉様どこに」

美琴「沖縄よ。黒子も一緒に行く? ちょうど、1枚余ってるの」

黒子「でしたら、普通にそこの扉から戻られたらいいのでは……そんな向かいのビルに飛び移らなくても」

美琴「こっちの方が近いのよ」


ドンドン!

インデックス『ちょ、ちょっと! 話し声がまるっと聞こえてるんだからね! 観念するんだよ!』


155: 2013/09/22(日) 21:29:01.48
打ち止め「お姉様が開けないならミサカが開けるよって……」

美琴「待ちなさいよ……あの白いのに慰められてたまるもんですか……」

打ち止め「白いの……お姉様、やっぱりちゃんと話してない」

美琴「話し合うことなんてないの」

一方通行「……カカカッ」

スッ――カチ

ガキイイイイン!

美琴「一方通行!? あんた!! っと、ひやあ!? か、身体が動かない!?


バアアン!

インデックス「こら! みこと! って、なんで向かいのビルの屋上にいるんだよ……?」


一方通行「さあて、ギャラリーは撤収すっぞ!」

黒子「……」

打ち止め「お姉様……どうか、心を殺さないで。私たちはお姉様の幸せだけを願うよ……」


シュン――

バッ!

156: 2013/09/22(日) 21:45:03.70
インデックス「そこを動かないでなんだよ」


美琴「……言われなくても動けないわよ」

グッ――

美琴(磁力が逆方向に……あんにゃろ)

インデックス「みことには、ちゃんとお別れを言いたいの」

美琴「えー、さようなら。また、会いましょう」

インデックス「もう! からかわないで! どうしてそんなにひねくれてるのかなあ、もう!」

美琴「……むぅッ……どうせ、ひねくれてるわよ! 私は、お子ちゃまだし! すぐに切れるし! ビリビリだし!」

インデックス「……い、いや誰もそこまでは」

美琴「でも、嫉妬だってする……上手く話せないことばっかり」

インデックス「いいよ、それでも」

美琴「何がいいのよ」

インデックス「そんなみことと、私は友達になりたいの……そして、当麻を守って」

美琴「……またッ、あんたは」

157: 2013/09/22(日) 22:14:43.28
インデックス「それから……戻ってきたら、また、私と友達になって、当麻の話を聞かせて欲しいの……」

美琴「……ッ」

インデックス「戻ってからが、本当の勝負だよ……!」ニコ

美琴「私は、あいつのことが好きなのよ? あんたがいない間にどうなるかわからないじゃない……」

インデックス「変わってくものがあるのは仕方ないんだよ……」

美琴「そうやって、あんたが諦めるから……私は……」

インデックス「諦めてなんかない」

美琴「……」

インデックス「恋も友情も、私が知った数少ない人間らしさだから……それを、もう一度思い出したの」

美琴「私でいいの……ううん、なんで私なの」

インデックス「みことだから。理由なんて、それ以上いる?」

美琴「白いの……」

インデックス「だから、みことも諦めないで……」

美琴「あんた、絶対……バカだわ……」

インデックス「私は白いのでもバカでもないんだよ……もう、いい加減に」

美琴「……インデックス」ぼそ

インデックス「……」

美琴「覚えてないとか、呼べないとかそんなわけじゃないから! そ、そこんとこ勘違いしないでよ」

インデックス「もー、言おう言おうと思ってたけどさ」

美琴「何よ……」

インデックス「……うーん、やっぱり止めた!」

美琴「ちょ、気になるじゃない……!」

インデックス「また、帰って来た時にね」

――タタタ

美琴「こら! インデックスあんたね! ……っちょ、なんでこっちに走ってきてんの!?」

インデックス「えへへー」ニコ

美琴「わ、私は動けないんだって……!?」

インデックス「いっせーのー!」


トン―――





158: 2013/09/22(日) 22:46:36.71
空港内――

上条「……一方通行」

テクテク――

一方通行「よお、忠犬。水も滴るねェ」

上条「お前のおかげで、目が覚めたわ……そうだ、インデックスと御坂見たか?」

一方通行「……あいつらは、そのうち帰ってくる。お前は、信じて待っててやンな」プラプラ

テクテク――

上条「へッ……どっちがヒーローだよ……」


ピリリリ――


上条「お?」


送信者【御坂美琴】
件名【インデックスと二人で】

本文
『沖縄行ってくる』


上条「なんですとォォオ!?」






おわり


こんなssに付き合ってくれありがとう!

引用元: 美琴「なんか白いのに慰められた」インデックス「白いの言うな!」