1: 2015/10/16(金) 18:40:28.279
商人「もちろん貫通いたします」
客「いや、それではどんな矛も防ぐ盾とは言えないではないか」
商人「いえそんなことはございません」
客「いや、それではどんな矛も防ぐ盾とは言えないではないか」
商人「いえそんなことはございません」
3: 2015/10/16(金) 18:42:37.779
客「貫通するのであればその矛を防げないではないか」
商人「そうではございませ。無限の年月をかけて貫く事ができるのです」
客「やはり防げないのではないか」
商人「そうではございませ。無限の年月をかけて貫く事ができるのです」
客「やはり防げないのではないか」
6: 2015/10/16(金) 18:45:27.473
商人「ところで、貫くとはどういう事を指し示すのでしょうか」
客「それは穿つという事だろう」
商人「そうですね。この矛を盾へ向かって投げた場合、盾を突き破り反対側へと達するという事です」
客「それは穿つという事だろう」
商人「そうですね。この矛を盾へ向かって投げた場合、盾を突き破り反対側へと達するという事です」
8: 2015/10/16(金) 18:48:54.617
客「そうであろう。ならばそちらの矛が盾を突き破ってしまうではないか。まったくもって防げてはいない」
商人「まぁそう結論をあせらずに、ゆっくりと考えましょう」
客「どんなに考えようと両者が同時に成り立つ事などあり得ない」
商人「まぁそう結論をあせらずに、ゆっくりと考えましょう」
客「どんなに考えようと両者が同時に成り立つ事などあり得ない」
9: 2015/10/16(金) 18:52:39.300
商人「穿つという事を考えてみましょう。穿つためには盾を削る、あるいは割く必要があります」
客「それはそうだろう」
商人「少しずつ削っていきそれが反対側へと達するのです」
客「それはそうだろう」
商人「少しずつ削っていきそれが反対側へと達するのです」
11: 2015/10/16(金) 18:54:43.856
客「まあそうであろうな」
商人「普通の矛が普通の盾を貫く場合、その過程が一瞬にして行われるわけです」
客「そうだな」
商人「普通の矛が普通の盾を貫く場合、その過程が一瞬にして行われるわけです」
客「そうだな」
16: 2015/10/16(金) 18:57:06.815
商人「では、普通の矛をこの盾に向かって投げたらどうなるでしょうか」
客「それは防ぐだろう」
商人「そうですね。しかし、盾の表面くらいは傷つける事ができるやもしれません」
客「それは防ぐだろう」
商人「そうですね。しかし、盾の表面くらいは傷つける事ができるやもしれません」
19: 2015/10/16(金) 18:59:47.361
客「貫通はしないが傷はつける、と」
商人「そう。普通の矛にもこちらの盾を削る能力はあるのです。しかし貫通はしません」
客「なぜだ?」
商人「そう。普通の矛にもこちらの盾を削る能力はあるのです。しかし貫通はしません」
客「なぜだ?」
20: 2015/10/16(金) 19:04:28.013
商人「削る力が盾によってそがれるからです」
客「削る力が削がれるって妙な言い回しだな」
商人「投げた矛は勢いよく盾を削って行くでしょう。ところがこれは長くは続きません、やがて力は衰え終には止まってしまうのです」
客「削る力が削がれるって妙な言い回しだな」
商人「投げた矛は勢いよく盾を削って行くでしょう。ところがこれは長くは続きません、やがて力は衰え終には止まってしまうのです」
22: 2015/10/16(金) 19:10:08.944
客「だから貫く事ができないわけか」
商人「そういうことです。矛には削る能力、盾にはそれを削ぐ能力があり両者の力量の差で貫くかどうかが決するのです」
客「なるほど、ならばそちらの矛と盾ではどちらの力量が優っているのか?」
商人「そういうことです。矛には削る能力、盾にはそれを削ぐ能力があり両者の力量の差で貫くかどうかが決するのです」
客「なるほど、ならばそちらの矛と盾ではどちらの力量が優っているのか?」
23: 2015/10/16(金) 19:11:46.784
商人「矛です。ごくごくわずかですが矛が優っています」
客「ならばやはり矛が貫通してしまう」
商人「肝心なのはごくごくわずかだという点です」
客「ならばやはり矛が貫通してしまう」
商人「肝心なのはごくごくわずかだという点です」
24: 2015/10/16(金) 19:14:53.604
客「わずかであろうが優っていれば貫くではないか」
商人「差がほとんどないために両者が衝突した時盾によって削ぐ力の大半が失われてしまいます」
客「おや、それでは貫けないのではないか」
商人「差がほとんどないために両者が衝突した時盾によって削ぐ力の大半が失われてしまいます」
客「おや、それでは貫けないのではないか」
25: 2015/10/16(金) 19:18:04.319
商人「いえ、違います。わずかに削ぐ力が残っている、これが重要なのです」
客「そんな微力で貫けるのか」
商人「ちりも積もれば山となると言いますでしょう。少しずつではありますが盾は削られていくのです」
客「そんな微力で貫けるのか」
商人「ちりも積もれば山となると言いますでしょう。少しずつではありますが盾は削られていくのです」
26: 2015/10/16(金) 19:19:53.662
客「ならばやはり(ry」
商人「いえ、問題となるのはその速度なのですよ」
商人「いえ、問題となるのはその速度なのですよ」
28: 2015/10/16(金) 19:22:12.288
客「速度?」
商人「傍目には止まっているようにしか見えない速度で盾を削り続けるのです」
客「ああ、だから無限の年月がかかるわけか」
商人「傍目には止まっているようにしか見えない速度で盾を削り続けるのです」
客「ああ、だから無限の年月がかかるわけか」
30: 2015/10/16(金) 19:25:54.478
商人「そういうことです。どれほど遅かろうといずれは反対側に達するのですから矛は盾を貫けます」
客「やはり貫けてしまうのだな……いや、待て。無限に朽ちない矛や盾など存在するのだろうか」
商人「もちろん、そんなものは存在いたしません」
客「やはり貫けてしまうのだな……いや、待て。無限に朽ちない矛や盾など存在するのだろうか」
商人「もちろん、そんなものは存在いたしません」
32: 2015/10/16(金) 19:30:05.216
客「では削っている最中に両者は壊れてしまうではないか。これでは貫けない」
商人「はい、いずれ盾も矛も朽ちる事でしょう。しかし、先ほどわたくしが言った事を思い出してください」
客「先ほど?なんのことだ」
商人「はい、いずれ盾も矛も朽ちる事でしょう。しかし、先ほどわたくしが言った事を思い出してください」
客「先ほど?なんのことだ」
34: 2015/10/16(金) 19:33:25.702
商人「矛の力量とは削る能力、盾の能力とはそれを削ぐ能力」
客「たしかにそのような事を言っていたな」
商人「矛はどんな盾にも勝る力量があります。すなわちどんな盾をも貫き通す力があるのです」
客「たしかにそのような事を言っていたな」
商人「矛はどんな盾にも勝る力量があります。すなわちどんな盾をも貫き通す力があるのです」
36: 2015/10/16(金) 19:37:50.347
商人「しかし、その矛をしてこの盾を貫く事はできません。なぜならば朽ちてしまうからです」
商人「盾は矛が貫く事を妨げるのです。すなわちこれどんな矛をも防ぐ盾」
商人「盾は矛が貫く事を妨げるのです。すなわちこれどんな矛をも防ぐ盾」
37: 2015/10/16(金) 19:39:25.955
客「うーむ、煙に巻かれた気がするな」
商人「いえそんなことはございません」
客「ちなみに、その矛で普通の盾を突いたらどのくらいの時間で貫くのだ?」
商人「いえそんなことはございません」
客「ちなみに、その矛で普通の盾を突いたらどのくらいの時間で貫くのだ?」
38: 2015/10/16(金) 19:41:41.910
商人「それ言わないといけませんか?」
客「ついでに聞いてみただけだが、そんな言われ方すると余計気になる。どのくらいかかるのだ?」
商人「はぁ、では言いますけど。無限の年月です」
客「ついでに聞いてみただけだが、そんな言われ方すると余計気になる。どのくらいかかるのだ?」
商人「はぁ、では言いますけど。無限の年月です」
42: 2015/10/16(金) 19:45:05.371
客「なぜだ!?どんな盾にも勝る力量があるのではないのか?」
商人「たしかにどんな盾にも勝ります。しかしこの矛、実は削ぐ力自体は大した事がないのですよ」
客「なん…だと」
商人「たしかにどんな盾にも勝ります。しかしこの矛、実は削ぐ力自体は大した事がないのですよ」
客「なん…だと」
44: 2015/10/16(金) 19:48:12.374
商人「この矛の真の能力は、自らの削ぐ力の大半を犠牲にして盾の防ぐ力を無効化する事にあるのです」
客「つまりどういうことだ?」
商人「防ぐ力を失くす事だできるのです。だから、どれほどの盾であろうと貫けます」
客「つまりどういうことだ?」
商人「防ぐ力を失くす事だできるのです。だから、どれほどの盾であろうと貫けます」
47: 2015/10/16(金) 19:52:24.438
商人「つまり本当の事を言いますと盾の防ぐ力が優っていようと貫けるわけです」
商人「防ぐ力を失くすことができるのですから盾の力量など実は関係ないのです。どんな盾であれ貫きます」
商人「しかし、自らの削ぐ力の大半を犠牲するがゆえに、どんな盾であれ貫くのに無限の年月を要するのです」
商人「防ぐ力を失くすことができるのですから盾の力量など実は関係ないのです。どんな盾であれ貫きます」
商人「しかし、自らの削ぐ力の大半を犠牲するがゆえに、どんな盾であれ貫くのに無限の年月を要するのです」
48: 2015/10/16(金) 19:53:54.989
客「そんな矛いらんわ」
おしまい
おしまい
引用元: 商人「こちらにございますのはどんな盾も突き通す矛、そしてこちらはどんな矛も防ぐ盾」客「その矛でその盾を突いたらどうなるのか」
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