1: 2010/11/26(金) 19:50:11.29
HAPPY BIRTHDAY YUI & AZUSA

2: 2010/11/26(金) 19:55:23.84
梓「はふう……すいません遅れました」

唯「先輩遅刻ッス」

梓「ちょっと準備に手間取っちゃって」

唯「寒かったなぁ」

梓「う……ごめんなさい」

唯「なんてね! それじゃ行こっか!」

4: 2010/11/26(金) 19:58:12.39




唯「いざ、常夏の島へ!!」




6: 2010/11/26(金) 20:04:10.48
梓「ところで……どうしてギター担いでるの?」

唯「このギターケースの中身はギターじゃないのだよ」

梓「じゃあ何を」

唯「秘密~」

梓「……まあいいけど」

梓「あと飛行機のチケットとパスポート忘れてないよね?」

唯「ええっと、これがチケットで……パスポートが……あれっ!?」

梓「えっ!?」

唯「なんちゃって~ちゃんと持ってるよ」

梓「そういう冗談はやめて下さい」

唯「ごめんごめん」

7: 2010/11/26(金) 20:10:33.00
唯「それにしてもテンション上がるよ~!」

唯「私実は海外旅行って初めてなんだ」

梓「私も初めてだよ」

などと話しつつ国際空港へ向かう私達。
私の方が遅刻してしまうという失態を犯したけど早めに集合していたので問題無かった。
空港に着いてからチェックインやら検査を終えた後はお茶をしたり、早速お土産を買おうとしている人を窘めつつ自由時間を過ごす。

そうこうしているとアナウンスが流れた。
私達はゲートへ向かい飛行機に搭乗する。
実は出かける前からワクワクしてたんだけど、ここに来てますます盛り上がってきた。
寒さも忘れるくらいだ。

席に着き、シートベルトをして、飛び立つ。
これが昼だったら空港や周りの街がどんどん小さくなっていくのが見えるんだろうな。
帰りは昼の飛行機だから楽しみにしておこう。
飛行機は偏西風を受け流してさらに上昇する。

8: 2010/11/26(金) 20:16:18.19
唯「おあー暗くてよく分からないけど街の明りが綺麗ー」

唯「うおー凄いよ! これイヤホンかと思ったら空気も出てくるよ!」

唯「ラジオが聞けるんだね~。テレビも見れるの? あっゲームもできるんだ~!」

梓「……」

よかった。
空いてる飛行機でよかった。
本来は寝て過ごす予定の機内で高校生みたいに大はしゃぎする姿を見てつくづくそう思う。
せっかくだから私も起きてようかなと思っていたら……
頭が痛い、耳が痛いと言い出して急にテンション駄々下がり。
最後に「気持ちわるぃ……」と言い残して深い眠りに落ちていった。

梓「忙しい人だな……」

10: 2010/11/26(金) 20:22:13.08
そりゃあ当初は寝る予定だったけどさ。
騒ぐだけ騒いで寝入ってしまったこの人を見てるとなんだか……
なんだかイタズラしたくなってきた。
鼻を摘んでやろうか、瞼を開けてやろうか、それとも唇に……いや、やめておこう。
元々乗り物に弱い人だしもし起きたら可哀想だ。

梓「はぁ……」

仕方のない人だなという言葉の代わりに溜息が出た。
残された私は何をしようか。
ラジオ、テレビ、ゲーム……どれも気が乗らない。
というわけで貴方が眠るなら私も眠ります。
枕が欲しいから肩を借りるね。
いいにおい。
少しの間おやすみなさい。



――――

――――――――

――――――――――――

12: 2010/11/26(金) 20:37:50.86
唯「うおおーーーー!!」

梓「んわあっ!! ……じゅる」

梓「んもうびっくりしたなあ……あさからなにごとなの……」

唯「凄いよ! 外見て外!」

梓「へぇあ?」

梓「う……」

梓「うおおーーーー!!」

飛行機の窓から覗くと辺り一面がエメラルドブルーに染められていた。
海に日差しが反射してキラキラしている。
夜は暗闇しか見せてくれなかったのにその下ではこんなにも常夏の景色が。
否が応にもテンション上がる。
気付いたら眠気も何も忘れて叫んでしまっていた。

唯「ねっ! 凄いでしょ!」

梓「すごーい!」

14: 2010/11/26(金) 20:46:52.58
梓「……はっ」

空いてる飛行機でよかった。
一瞬我に返ったけどテンションは高いまま。
誰だってこの景色を見せられたら興奮するよね。
気が付くと私達は一緒になって大盛り上がりしていた。

その後相方も乗り物酔いすることなく無事に常夏の島へ到着した。
ホント気分屋なんだから。

唯「うおー暑いぞー!」

確かに飛行機に乗るまで厚着していたのが嘘みたいだ。

梓「ほら、いい年して叫ばないでよ」

自分の事を棚に上げつつホテルへと向かう。

唯「なにー、今月から同い年なんだからね。これで二人とも四捨五入したら……」

梓「はいはい。それも今日までだけどね」

15: 2010/11/26(金) 20:55:06.16
唯「む……そういえばさ、空港で『観光ですか』とか聞かれなかったね」

唯「せっかく切り返しを考えてきたのにさー。”Sightseeing?” ”No...combat.”」

梓「またしょうもないことを……て言うか英語で話し掛けてくるとは限らないと思う」

唯「おうふ……」

梓「それよりチェックインしなきゃ」

唯「そうでした」

こんなでもちゃんと英語も勉強してHTTの作詞を担っている一人なのだ。
私よりも優秀な英語力に期待してたんだけどちょっとダメかもしれない。
とりあえずチェックインやボーイさんとのやりとりは全て私がこなした。

16: 2010/11/26(金) 21:04:14.57
唯「おおー! いい部屋だね!」

梓「そりゃあいいとこ選びましたから」

梓「特別な日だからね……」

今回は私達二人の誕生日旅行という名目だ。
今月の空いている日にやろうということになり、それがたまたま26日からだったので丁度よかった。
こうして常夏の島で誕生日を迎える瞬間を二人で祝えるんだから。

唯「え……? ああーそうだったね!」

ひどいや。

唯「海が楽しみでつい……へへへ。それより早く海に行こうよっ!」

18: 2010/11/26(金) 22:05:07.15
私だって海が楽しみだけど……。
とか思っていると早速準備を始めてるよこの人。

唯「ほら早く早く!」

梓「わかったわかった」

準備を終えていざ常夏のビーチへ。
それにしても暑いなあ。
ビーチへ向かって歩く僅かな時間でもう汗が吹き出てくる。
昨日までコートを羽織って生活してたんだから無理もないか。

服を着ているのが馬鹿馬鹿しくなるほどの日差し。
映像でしか見たことのなかった白い砂浜。
手前は透明で奥はエメラルドブルーな素晴らしい海。
それとは違った色彩を放つ群青の空。

唯「おーーーー!!」

思わず叫んでしまうのも仕方ない。

20: 2010/11/26(金) 22:08:50.80
脱衣所でさっさと着替えていざ海へ。
二人して波打ち際まで走った。
私達の足が透き通った波に浸かる。

唯「うはあぁ~冷たくて気持ちいい」

梓「ひゃっ」

唯「ん? かわいい声で鳴くじゃないか」

梓「うるさいな」

唯「ふふふ~……ほいっ!」

ばしゃあ。

梓「っぷは! 冷たっ! もう、何するの!」

唯「あはははは!」

テンション上がりすぎて何を言っても無駄そうだ。
かくいう私もはしゃぎたくてうずうずしている。
とりあえずお返し。

梓「このっ!」

唯「ひゃああ!」

21: 2010/11/26(金) 22:13:23.36
梓「はははは!」

唯「くぬぅお~!」

それからひたすら水を掛け合う。
それだけでこんなに楽しいなんて思わなかった。
自然と笑みが零れる。
子供の頃に戻った気分だな。

人もまばらだから迷惑もかからないし私も人の目を気にしないではしゃげる。
そもそも人の目とか気にしないではしゃいでる人もいるけどね。

唯「あははっ、楽しいねっ!」

梓「うんっ!」

年甲斐もなく暴れる二人。
だけどそんなことは気にしない。
ていうかまだ20代だしいいよね。

23: 2010/11/26(金) 22:19:42.22
唯「なんだか合宿を思い出すやぁ」

梓「軽音部の?」

唯「うん。そういえばあの時に着てたピンクの水着可愛かったね」

梓「私が着てたやつ?」

唯「そうそう。それさあ、次の年にも着てたよね」

梓「わ、悪い?」

唯「いやぁ~ただ成長しなかったのかなぁって」

梓「あれからちゃんと成長しました!」

くそー自分が成長したからって……。
私だって高校の時より成長したんだから。
……目の前のビキニには負けてるけど。

24: 2010/11/26(金) 22:24:36.23
唯「あーーたのしーーーー!」

唯「そうだっ!」

梓「どしたの?」

唯「実はとっておきがあるんだよ」

とか何とか言いながら荷物置き場へ向かう。
なんだろう?

唯「見て見て!」

バッグから取り出したるは……

梓「メ、メロン……?」

25: 2010/11/26(金) 22:29:07.00
梓「なんでメロンなんか持ってるんですか……?」

唯「実はスイカ割りがしたかったんだけど家にメロンしかなくって」

梓「……あぇ?」

唯「とりあえずメロン持ってきたんだ。でね、こっちが――」

よく見ると何故かギターケースがある。
え、ビーチに何もって来てるの。

唯「メロンってスイカみたいにパックリ割れなさそうだからこれ持って来た」

ギターケースから細長いものを取り出して腰に添える。
そして柄に手を掛け腰を捻り一息で鞘を抜くと切っ先が光った。
日本刀である。

28: 2010/11/26(金) 22:34:39.31
梓「っちょ、何やってるんですか!」

唯「これでスイカ割りしよっかなーって」

梓「あ……ははは」

いくらテンションが高くてもそれは恥かしいです。
周りを見回すと外人の夫婦がこちらを見ていた。
SAMURAI? みたいな声が聞こえてくる。
combatってこういう事だったんだろうか。

梓「いやーははは……」

唯「目隠しお願いね!」

梓「……わ、わかったよ」

ここまできたら楽しもう。
わざわざ海外に来てまで小言ばっかりなのもアレだし。
レプリカとは言えよく空港で引っかからなかったな……。

29: 2010/11/26(金) 22:39:31.10
唯「ふう……」

梓「まっすぐ、まっすぐ、ちょっとだけ左……」

上段の構えでよろよろとメロンに近づいていく。

梓「そこ」

唯「きええぇぇい!」

梓「あぁ……」

唯「やった!?」

梓「やってないよ」

唯「あれー!? じゃあもう一発……」

結局いくらやってもメロンは割れなかったのでホテルへ持ち帰ることに。
かわりに近場で何故か売っていたスイカを買って食べた。
このぐらいの奇抜さが無ければHTTのギターボーカルは勤まらないのかもしれない。

30: 2010/11/26(金) 22:44:08.56
全力で遊んでいたら時間があっという間に過ぎていった。
海と空はいつしかオレンジ色に染まり、太陽が海に落ちていく。
二人並んでビーチに座りそれを見ていた。
流石に疲れたな。
おまけにこんがり焼けちゃったよぅ。

唯「小麦色だねぇ」

梓「……まずいよねコレ」

唯「すぐ戻るから大丈夫だよ」

梓「だといいけど……」

唯「そんなに黒いと夜になったら見えなくなっちゃ――」

梓「うるさい。それより夕日が綺麗だよ」

唯「だね~。まさにサンセット!」

31: 2010/11/26(金) 22:50:21.86
唯「ほんと綺麗だよね」

梓「うん……」

心地よい疲労感がいつまでもここにいたいと訴える。
だけどそろそろホテルに帰らないと。

梓「疲れたね、そろそろ戻ろうか」

唯「そだね。美味しいごはんも食べたいし!」

やっぱりとことん元気な人だな。

33: 2010/11/26(金) 22:55:05.55
唯「しかし……」

梓「何?」

唯「女二人がビーチにいるのに誰にも声かけられなかったね」

梓「声かけられたかったの?」

唯「まさかぁ」

ですよねー。日本刀構えてましたもんね。

唯「でももったいないよね、スーパーギタリスト達と過ごす常夏の夜だよ?」

梓「スーパーギタリスト達? 私以外に誰かいるの?」

唯「ええっ!? しどい……」

梓「うそうそ」

34: 2010/11/26(金) 23:01:32.94
ホテルに着いて一休みした後、私たちはスペシャルなディナーをいただいた。

唯「……うぷ」

梓「大丈夫?」

唯「なんとか……うぷ」

どうしてそんなになるまで食べるんだ。

唯「だって美味しいんだもん……」

これで本当に太らないのかな。

唯「なんだか眠くなってきたかも」

梓「今寝たら誕生日の瞬間を逃しちゃうよ?」

唯「だよね……」

36: 2010/11/26(金) 23:12:35.88
今回の旅行は何と言っても誕生日を祝うのが目的だからね。
27日まであと僅か。
なんだけど。

梓「眠い……」

唯「んが……」

疲れてお腹いっぱいになったらそりゃあ眠くなるよね。
そだ。

梓「お風呂入ろ?」

唯「おふろー……後でいいやぁ」

梓「ここのお風呂海が見えるようになってるんだよ。全室オーシャンビュー」

唯「いいねえ」

食いついた。

37: 2010/11/26(金) 23:29:30.29
割と大きな浴室に二人で入る。
これで少しは目が覚めたかな。
ただオーシャンビューなんだけど夜だから海は殆ど見えなかった。
そのかわりホテルのプールがライトアップされてて綺麗だ。

唯「明日はプールにも行こうか」

梓「うん、行きたい」

唯「はあ~……」

梓「はふ~……」

二人でのびのびする。
足を伸ばせるお風呂って最高。

唯「きもちいねぇ……」

梓「だねぇ……」

ああ……極楽。
ちょっと身体がヒリヒリするけど。

39: 2010/11/26(金) 23:36:06.88
お風呂上がり。
さっぱりしたところで喉の渇きを潤したい。
二人で冷蔵庫を覗いて、私達の意見は「飲もっか」で一致した。

梓「何飲む?」

唯「甘いのがいいな」

グラスを出してトロピカルフルーツなカクテルを注ぐ。
何となく私も同じカクテルにした。

梓「入れたよ」

グラスを渡そうとすると

唯「ちょっと待って」

と言い、照明を薄くして窓のカーテンを開けた。

唯「こっちで飲も?」

43: 2010/11/26(金) 23:44:08.68
部屋は暗めに、ほのかな暖色がベッドの脇に一つ。
窓際で二人寄り沿いながらグラスを傾ける。

梓「星が綺麗だね」

唯「うん、綺麗。普段はあんまり見れないからねえ」

梓「都会だからね。山に行けば見れるんだろうけど」

唯「夏フェスとかね」

梓「そうそう」

いつかの夏フェスで見た星空もよかったけど異邦の地で見上げる星空もいい感じ。
ただ星を見ているだけなのに、何物にも代え難い時間だ。

不意に――

唯「あずさ」

梓「っ……何?」

名前で呼ばれてドキッとした。

44: 2010/11/26(金) 23:52:12.25
振り向くといつもの笑顔とは違う慈愛に満ちた表情で

唯「誕生日おめでとう」

私の誕生日を心から祝ってくれた。

梓「う、あ、ありがと……」

いきなり真面目になるからこっちとしては恥かしさが先行してしまう。
照れて顔を背けると部屋の時計に目が行った。
時刻は間もなく0時。
そうだ、今度は私が心を込めてお祝いしなきゃ。
せっかく独り占めしてるんだから。


46: 2010/11/27(土) 00:00:03.27
私は向き直り相手の目を見る。
あれ、思ったより恥かしくない。
さっきまでの恥かしさが不思議となくなっている。
普段の私だったら見つめるだけで恥かしくなるのに。
おめでとうって言うのも照れくさいのに。
今ならきっと自然に言える。
普段出来ないこともごく自然に出来そう。

なんでだろうと考えて、ふと『この場所だから』かな、なんて思った。
この南国でならいつもより素直な私でいられるのかもしれない。

理由は分からないけど――。

梓「ゆい」

唯「うん」

梓「誕生日おめでとう」


49: 2010/11/27(土) 00:07:30.75
唯「ふふ、ありがとね」

優しく微笑む。

つられて私も微笑んでる。

普段は自分からなんて滅多にしないけど、ここにいる私なら自然に出来る。

私は甘酸っぱいカクテルの入ったグラスを置いて、改めて唯と向かい合い――



――――

――――――――

――――――――――――


50: 2010/11/27(土) 00:14:10.99
梓「……んあ」

頭がぼーっとする。

梓「今何時……?」

のそのそと起き上がって時計を見る。

梓「12時……うそっ12時!?」

昼の12時って……いくら疲れていたとは言え寝過ぎだ。
とりあえず私の隣で気持ち良さそうに眠っている人を起こす。

唯「ふえ……? くぅ……」

梓「ほら起きろー」

しつこく頬をペチペチしてたら嫌々起き上がった。

唯「……痛い」

梓「おはよう」

唯「……おはよ」

51: 2010/11/27(土) 00:21:07.96
梓「ほら、早く準備しなきゃ! 今日で帰るんだから」

唯「あー……もう帰るのかぁ……」

梓「二泊三日じゃ少なかったかもだね」

唯「一週間くらいは居たかったなぁ」

梓「だね。今度来る時はそうしよ?」

唯「うん」

梓「じゃあ急いで準備して。早くしないとお土産買う時間なくなっちゃうよ」

唯「それはまずいねーみんなに怒られちゃう」

梓「ちょっと……口ばっかりで身体動かしてないじゃん!」

52: 2010/11/27(土) 00:28:08.12
その後どたどたと忙しなく準備をしてホテルのチェックアウトを済ませた。
急ぎつつもしっかりお土産を購入して空港へ向かう。
疲れたけど飛行機の時間には間に合った。

唯「今度来る時は海の上に泊まりたいな」

梓「ああ、水上コテージの事?」

唯「そうそう! なんかいーよねぇ」

梓「だね」

唯「はぁー、帰りたくないや」

梓「はは」

唯「常夏の香りが遠ざかってゆく……」

梓「大げさな」

唯「いや、こんなところから常夏の香りが……くんくん」

梓「はいはい、離れてね」

53: 2010/11/27(土) 00:35:08.71
飛行機に乗ると、私の相方は疲れていたのかすぐに寝てしまった。
私は窓からどんどん小さくなる街を眺めて、それが見えなくなったところで目を閉じる。

うん、すっごく楽しい旅行だった。
来年も私達の誕生日旅行やりたいな。
今回は誕生日当日を私だけと過ごしてくれてありがとう。
独り占めしちゃったけど、それがすごく嬉しかった。

また一つ思い出が胸に刻まれる。
こうして出来たいくつもの時間の彫刻を大事にとっておこう。

っていうのは隣で爆睡してる人の受け売りなんだけど。

梓「ふあぁぁ……」

そんなこんなで、せっかくだから今回も肩を貸してもらおう――。



――――

――――――――

――――――――――――


54: 2010/11/27(土) 00:42:19.37
唯「あれー、パスポートが……」

梓「ふざけてないで早く出して! 次私達の番だよ!」

唯「いや、ふざけてるわけじゃ……」

梓「急いでっ!」

唯「時に!!」

梓「!?」

唯「『観光ですか?』って聞かれるかな!?」

梓「なんで帰国してるのにそんなこと聞かれると思うのよ……」

大きい声でわざと聞こえるように……何がしたいんだこの人。

56: 2010/11/27(土) 00:48:05.02
唯「ええー!? そんなぁ!」

梓「ほら、順番回ってきたよ」

職員「観光はいかがでした?」

や、優しい人だ……。

唯「……」

何で黙ってるんだろう。
あ、サングラス外した。

唯”No......combat!”

キリッ。
後ろに並んでいた外人の『ワァァオ……』が頭から離れない。
こうして余計な思い出も刻まれてしまいましたとさ。



END

58: 2010/11/27(土) 00:58:27.01

59: 2010/11/27(土) 01:05:55.88
乙。殆ど新婚旅行みたいだなww

引用元: 梓「南国」