真琴「お！ ついに優衣も積極的になったか！？」

優衣「えっ、そ、そんなんじゃないよ！」

真琴「またまたぁ～。風邪で寝込んで弱ってるところを____って魂胆なんだろ」ﾆﾔﾘｯ

優衣「もうっ！ 何言ってるの！？ 真琴ちゃんのバカ///」

真琴「何恥ずかしがってんだよ。優衣の場合そのくらい積極的にならないといつまで経ってもアイツに告白しようとしねえだろ」

優衣「うぅぅ…………っ」

そして放課後、

真琴「それじゃアタシは今日はこのまま帰るから」

優衣「うん。また明日ね、真琴ちゃん」

真琴「頑張ってアイツのこと射止めちまえよ」ﾆﾔ

優衣「もうっ、真琴ちゃんってば///」

真琴「アハハッ、それじゃなーー」ﾀﾀﾀｯ

優衣「うぅぅ……真琴ちゃんったら」

優衣(でも真琴ちゃんのいう通りかも。いつまでも想いを伝えないままじゃダメだよね……！)

優衣(騎士くんのお家で、しかも風邪で寝込んでる騎士くんと二人っきり………)

優衣(………………………/////)

ﾌﾟｼｭｰｰｰｰｰｰ////



優衣「私ったらバカバカっ！！ 真琴ちゃんにそそのかされたからって何いけない妄想してるのよぉ～～～～っ////」






春咲ひより「あっ、優衣ちゃん！」

士条怜「優衣、一人で何をしているんだ？」

優衣「はわわわっ！？ 怜ちゃんにひよりちゃん！？」ﾋﾞｸｯ

ひより「どうしたの優衣ちゃん？ なんだか様子がおかしいけれど……」

優衣(うぅぅ……恥ずかしいところ見られちゃったよぉ……///)ﾓｼﾞﾓｼﾞ

怜「顔が真っ赤だけど、体調でも悪いの？」

優衣「ち、違うよ！ 体調が悪いのは私じゃなくて騎士くんで____」ｱﾜｱﾜ

怜、ひより「「えっ？」」

優衣「あっ……、実はね____」

優衣は二人に事情を説明した____。



ひより「そっか、先輩風邪ひいちゃったんだ」

怜「まったく、みっともない。体調管理もろくに出来ないなんて」

優衣「まあまあ。最近すっかり寒くなってきたし、風邪とかも流行ってるからね」

ひより「それで、優衣ちゃんはこれから先輩の家へお見舞いに行くの？」

優衣「うん。迷惑じゃなかったらお粥くらい作ってあげようかなって」

ひより「おお！ さすがは優衣ちゃんだね。優衣ちゃんの家は定食屋さんだし普段からお料理してるんだよね」

優衣「うん。騎士くん、喜んでくれると良いんだけど……」

ひより「大丈夫だよ。優衣ちゃんお料理上手なんだし！ 優衣ちゃんのお粥が食べられるなんて先輩が羨ましいなぁ～～」

優衣「えへへっ、そうかな……///」

ひより「あ、そうだ！ よかったら私たちも先輩のお見舞いに行っていいかな？」

優衣「え、二人も？」

ひより「うん、怜さんは今日は予定大丈夫？」

怜「別に構わないけれど。そもそも、今日は予定をあけておいたから、新しいクエストについて話し合いをするために」

優衣「そうだったんだ」

怜「しかし風邪で寝込んでいるところに三人で押し寄せて大丈夫かな？」

ひより「確かに、言われてみれば……」

優衣「少し様子を見てお粥作ったらすぐに帰るつもりだけど」

ひより「そうだね。先輩も風邪で辛いだろうし、迷惑にならない程度にお見舞いした方がいいよね」

怜「それに、私たちまで風邪を移されたらミイラ取りがミイラになるからね」

優衣「あははっ……」

ひより「あ、そういえばこの辺りに新しくドラッグストア出来たよね？ そこで風邪薬とか買ってかない？」

怜「いや、すでに風邪をひいているんだし薬ぐらい家にあるだろう」

ひより「あははっ、確かしそうかも。じゃあ飲み物とか買ってってあげようよ！ 手ぶらでお見舞いってのもなんだかさ」

優衣「そうだね。ならスポーツ飲料や果物でも買っていこう」

怜「そうと決まればさっさとドラッグストアへ行こうか」

そして優衣たちはドラッグストアへ____、


ひより「ええっと、飲み物は……」ｷｮﾛｷｮﾛ

怜「ひよりったら、そんなにキョロキョロしてまるで子供みたいだぞ」

ひより「だってさ、こうしてみんなでお買い物するの楽しいじゃん！」

怜「お買い物って、あくまで見舞いのための品を買いに来たんだぞ」

ひより「うぅぅ……なんだか怜さんが私のお母さんみたいだよ」

怜「ひよりが子供っぽすぎるんだよ！」

優衣「あははっ……」

ひより「ねえ優衣ちゃん、お粥ってどんなの作るの？」

優衣「うーーん……食べやすい方が良いと思うから、シンプルなのにしようと思うけど」

怜「味付けはサッパリしていて、それでいて栄養があるのがいいかも」

ひより「風邪の時って首にネギを巻くのも効くって言うよね？」

怜「ドラッグストアにネギなんかないだろ」

優衣「…………えっ」

怜「優衣、どうした？」

優衣「あんなところに……ネギが！」

ひより「あ、本当だ！？」

怜「最近のドラッグストアではネギも売っているのか！？」

優衣「そういえばドラッグストアでも野菜を見かけることって結構あるよね」

怜「そうなのか……。私はあまりこういう店には行かないからこういうのもあまり知らなかったな」

ひより「あははっ、確かに怜さんはドラッグストアとかあんまり行くイメージないかも」

優衣「とりあえずネギは買っておこうかな」

ひより「おっ、やっぱり先輩の首に巻くの？」

怜「いや、そもそも風邪をひいたときに首にネギを巻くというのは本当に効くのか？ 迷信は気がするけど」

優衣「首に巻いて効くかはわからないけれど、お粥の材料にしようかなって思って。お鍋の具材にもネギって使うでしょ？」

怜「鍋かぁ……。さすがは優衣だな、風邪をひいた時はあたたかくて食べやすいものが良いからな」

ひより「なるほど！」

そして優衣たちはレジへ向かう……


店員「合計で○○円になります」

優衣「はい」っ

店員「あ、それとお客様、今キャンペーンをやっていまして○○円以上お買い上げの方にクジをひいてもらってます」

優衣「え、クジですか？」

ひより「面白そう！ 私がやるーー！！」

店員「それでは箱の中からクジをひいてください」

ひより「はい」ｺﾞｿｺﾞｿ

ひより「これだ！」っ

店員「お、おめでとうごさいます！！ 当たりです」

ひより「ウソ、当たりだって！？ やったぁぁーー！！」ﾌﾞｲｯ

優衣「ひよりちゃんすごいね！」

怜「ひよりってクジ運良いんだな」

ひより「えっへん！」ﾄﾞｬｧ

優衣「それで、当たりって何を貰えんるんですか？」

店員「はい。こちらになります」っ

三人「「「えっ！？」」」

そして、騎士くんの家の前____、


ひより「先輩の家に着いたね」

怜「途中で思わぬ収穫があったけど、彼は喜ぶだろうか……」

優衣「騎士くんは今頃寝ているかな……」

ひより「とりあえずチャイム押すね」



ﾋﾟﾝﾎﾟｰｰﾝ!!

ｶﾞﾁｬ

騎士「はい、どちら様……って、草野！？」

優衣「騎士くん、具合はどう？」

ひより「やっほー先輩、みんなでお見舞いに来たよ」

怜「見たところ思ってたより体調は良さそうだけれど、心配して損したな」

騎士「ひよりに怜まで？ みんなしてお見舞いに来てくれたのか？」

優衣「うん。休み時間に騎士くんの姿が見えなくて、真琴ちゃんに聞いたら早退したってきいたから」

騎士「ああ、ちょっと風邪ひいちゃったみたいでさ。でも薬飲んでだいぶ楽になったし」

ひより「優衣ちゃんったら先輩のことが心配で心配で気が気じゃなかったんだよ」

優衣「もうっ、ひよりちゃんったら騎士くんの前でそんなこと言わないでよぉ～～」ｱﾜｱﾜ

騎士「そうなのか？ 心配かけちゃったな、草野」

怜「まあこの様子なら大丈夫そうだな……。まったく、キミは体調管理も出来ないのかい」

騎士「うっ、怜は相変わらずだな」

優衣「まあまあ怜ちゃん。騎士くんが元気そうで何よりだよ」

騎士「ところで、その買い物袋は一体？」

優衣「騎士くんの家を訪れる前にね、近くのドラッグストアで買い物してきたの。何か飲み物でもと思って」

騎士「そうか、わざわざ悪いな」

怜「それと、優衣がお粥を作るそうだから私たちも手伝おうと思ってな」

騎士「え、そうなのか」

優衣「うん。迷惑じゃなかったら……台所借りてもいいかな？」

騎士「そんな迷惑だなんて。草野のお粥が食べられるなんて嬉しいよ」

優衣「え、ええっ！？ そんな……///」

ひより「あれ、優衣ちゃんも赤くなってる！？」

怜「まさか、騎士の風邪が移ったのか？」

騎士「え、大丈夫か草野！？」

優衣「だ、大丈夫！ 風邪じゃないから、それじゃ早速台所借りるねぇ～～！！」
ﾀﾀﾀﾀｯ

騎士「あ、草野！」

ひより「おおー、優衣ちゃん気合い入ってるね！ それじゃ私たちも優衣ちゃんの手伝いしよっか、怜さん！」

怜「ああ、それじゃ邪魔するよ。キミはちゃんと寝ているんだぞ」

騎士「あ、ああ……」

ひより「お粥できたら呼ぶから先輩はちゃんと寝てるんだよ！」

その頃、キッチンにて……


優衣「うぅぅ～～、みんなして私のことからかうんだから///」

優衣「でも、せっかく騎士のお家にお邪魔になったんだし、これはチャンスだよね……」

優衣「よしっ、頑張ってお粥作るぞ！」ｸﾞｲｯ

優衣「それに……"コレ"もあるし……///」っ

ひより「優衣ちゃん、気合十分だね！」

優衣「うん……って、はわわわ！？ ひよりちゃん、いつの間に！？」ﾋﾞｸ

怜「優衣、その手に持ってるのって……！」

ひより「あ、それはドラッグストアのくじ引きで当たった惚れ効果のあるアロマ！」

優衣「……………………///」

怜「優衣、まさかそれをお粥に入れるつもりか……」

優衣「え、えっと…………あの、その……」

ひより「えっと……あはは、私休養を思い出しちゃったから今日はもう帰るね……」

怜「私も、今日はもう帰るよ。優衣の邪魔しちゃ悪いしな……」

優衣「そ、そんなぁーー！！ 二人とも一緒にいてよぉ～～！！ 騎士くんと二人だけだと恥ずかしいよぉーーーーーっ////」



終わり