1: 2015/10/09(金) 00:05:30.37
……
-公園
響「出てきてよー! ハム蔵のごはん食べたのは謝るからー!」
響「ハム蔵ってばー! ……おかしいな、どこ行っちゃったんだろ」
響「いつもならすぐ戻ってくるのに……心配だぞ……」
「おーい!」
響「! この声は」
青年「よっ!」
響「…………誰!?」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1444316730
2: 2015/10/09(金) 00:06:33.98
青年「ひどいな響ちゃん、オレだよオレ」
響「オレオレ詐欺か? 残念だけど自分完璧だからそーいうの引っかからないぞ」
青年「そもそもオレオレ詐欺が何か分かってんの響ちゃん」
響「うがー! バカにしないでよ!! ……って、この感じ……」
青年「やっと気づいてくれた?」
響「で、でも……いや、そんなまさか……」
青年「そ、…………オレ、ハム蔵」
3: 2015/10/09(金) 00:07:30.15
響「……」
青年「あ、なにその怪訝な眼差し。信じてないな?」
響「当たり前でしょ!」
青年「なら証拠を見せてやる……これだ!」サッ
響「それはっ……! ヒマワリの……種!!」
青年「そう、そしてこれをムシャムシャムシャ」バリバリモグモグ
響「なんだお前!!?」
青年「ゴクン……どう?」
響「ハムスターのエサをバリバリ食べるなんて絶対普通じゃないぞ……頭おかしいんじゃないか!?」
青年「……」
響「そうか分かった! 変質者だな!! 通報してやる!!」
青年「人間の姿になった途端に事案とは、世知辛いね」
5: 2015/10/09(金) 00:09:05.76
青年「ならこれでどうかな。響ちゃんが下着を収納してるのはタンスの〇段目。きれーに折りたたんで柄ごとに並べてある」
響「」
青年「お気に入りは中でも水色のテカテカしたやつだけどちょっとエOチかなと思うと人前で穿く勇気が」
響「わぁああああああ!! やめろぉおお!!!」
青年「ちなみにオレは、あれ寝心地悪いから好きじゃない」
響「人のパンツを寝床にしないで!!!」
6: 2015/10/09(金) 00:10:23.29
青年「で、分かってもらえたかな?」
響「分かったぞ……さてはストーカーだな!!?」
青年「……」
響「自分も最近よーやくアイドルとして人気が出てきたからな。ファンになってくれるのは嬉しいけど、パンツを暴くなんて変態行為はやめるさー! 変態ストーカー!!」
青年「……ちなみに今日は白。ワンポイントでリボンがついていて、通称ハルカパンツと」
響「やめろぉおおおお!!!」ドガッ
青年「ぐはぁっ動物虐待!!」
響「人聞きの悪いこと言わないで! 自分みんなを叩いたことなんてないでしょ!」
青年「でも今ぶったじゃ」
響「それは、でも……人間だし」
青年「人間が響ちゃんのパンツを子細に知るものかよ! 一枚一枚シミの度合いまで」
響「うぎゃぁあああああああああ!!!」ドガァッ!
青年「ぐほぁっ!」
7: 2015/10/09(金) 00:11:34.80
青年「ぅ……に、二度もぶった……親父にもぶたれたことないのに!」
響「殴ってなにが悪い!! よくもズケズケと人のパンツの中に入る……恥を知るさこの変態!!」
青年「……くやしいけど、オレは男なんだな」
響「だから問題なんでしょ! もう!」
8: 2015/10/09(金) 00:12:17.41
響「とにかくもう通報するからね。話は署で聞くさー」スッポパピ
青年「やめろぉ!!」ガシッ
響「う、うわっ離して!」
青年「埒があかないから拉致しよう。話は事務所でね」ズルズル
響「引っぱらないでよ! このっ……誰かー! 助けてー!!」
9: 2015/10/09(金) 00:13:44.13
……
-事務所
美希「むにゃむにゃ……」
伊織「はぁ、まったく。だらしない顔で寝ちゃって。この」ツン
美希「んむぅ……? むにゃ……あむ」パクッ
伊織「ひゃっ!? こ、こら私の指」
美希「むにゃ……ぃおにぎり」
伊織「おにぎりじゃないわよ! ったくもう。……ふふっ」
ガチャッ
響「は、はいさーい、伊織」
伊織「おおおはよう響」ササッ
響「ん? なに指を隠してるんだ?」
伊織「べべ別になんでもないわよ! それよりあんた元気ないじゃない、どーかした?」フキフキ
10: 2015/10/09(金) 00:14:37.51
響「いや……それが」
青年「おはよーーいしょっと」タタッ……ポス
美希「……んっ?」ムニョン
響「なんだこいつ流れるような動きで美希の谷間に顔突っ込んだぞ」
伊織「」
美希「んー……だぁれ?」
青年「ふぁむふぉう(ハム蔵)」
美希「そっか……じゃあいいや。おやすみー」
伊織「よくないわよ!!!」
青年「……」モミュモミュ
美希「んっ……やぁん、ハム蔵のえOち」
響「ハムぞぉおう!!!」
11: 2015/10/09(金) 00:17:47.23
青年「いやなんかいつもと違って安定しなくてさ。っていうかなんでまたぶたれたの」ヒリヒリ
伊織「当たり前よ!! この変態! ド変態!! 変態ハムスター!!」
響「ハムスターってことは認めちゃうのか……」
伊織「なによ、あんただってハム蔵って呼んだじゃない」
響「それは……そうだけど。でもとりあえず他に呼びようがないからで……」
伊織「とにかくこれがハム蔵なら、しつけるのはあんたの責任でしょ。なんとかしなさいよね」
響「えぇ……」
ガチャッ
やよい「うっうー! おはようございまーす!」ガルーン
響「あ、おはようやよい」
伊織「ちょっとやよいダメよ、今事務所に変な」
青年「おはよー!」サッ
やよい「!」
やよい・青年「「ハイ、ターッチ!」」パシンッ
やよい「いぇい!」
伊織「」
12: 2015/10/09(金) 00:18:44.01
伊織「手を出されたからってナチュラルにハイタッチしないで。知らない人と」
やよい「う? なに言ってるの伊織ちゃん。知らない人じゃないよ?」
伊織「え?」
やよい「あ、まだ時間あるし、事務所のお掃除しちゃいますねー」
伊織「ちょっと」
青年「手伝うよやよいちゃん」
やよい「ありがとーハム蔵ちゃん」
伊織「」
13: 2015/10/09(金) 00:19:45.20
響「伊織さっきから白目剥きすぎだぞ」
伊織「剥いてないわよ! 変なこと言わないで!」
響「でもだって目の中真っ白で……」
伊織「少女漫画的表現だって分かりなさいよね!」
青年「はい、ほうきとちりとり」
やよい「ありがとー」
青年「じゃあオレはいつも通り狭い隙間をぞうきんで……」ギュムッ
青年「お、おかしいな……入れないぞ」グイグイ
やよい「う?」
響「当たり前でしょ!! もう!!」
伊織「っていうか、いつもそんなことしてたの……」
14: 2015/10/09(金) 00:20:53.49
青年「いやーここ来てすぐの頃、事務所の隅に別荘作ってたら、掃除してるやよいちゃんに見つかちゃってさ。反省のしるしに掃除手伝って、それ以来ずっと」
やよい「とっても助かってますー」
響「そ、そうだったのか……」
伊織「あんた飼い主なのに知らなかったの」
響「いや、でも……自分まだこれをハム蔵だって認めたわけでは」
やよい「ハム蔵ちゃんはハム蔵ちゃんですよー?」
青年「ありがとうやよいちゃん!」ペロペロ
やよい「あはは! くすぐったいよー」
伊織「」
15: 2015/10/09(金) 00:21:35.31
青年「ほーれここがいいんだろぅ」ペロペロペロ
やよい「あっあ! だめっハム蔵ちゃんそこはっ……あー!」
伊織「頃す! もうこいつがハムスターでも人間でもなんでもいい!! 頃してハム酢豚にしてやる!!」ジタバタ
響「落ち着くさー! 伊織!!」ガシッ
16: 2015/10/09(金) 00:22:47.65
青年「またぶたれた」ヒリヒリヒリ
やよい「伊織ちゃん! なんでひどいことするの!?」
伊織「え、ちがっ私は」
やよい「めっ!!」
伊織「」
響(また白目剥いてる……)
19: 2015/10/09(金) 00:24:28.35
……
やよい「……つまり、この子がハム蔵ちゃんだって分かればいいんだよね?」
響「この子って言い方に違和感しかないぞ」
伊織「早く目を覚ましてやよい」
青年「でも何言っても全然信じてもらえなくて……どうしたら」
やよい「うー…………あ! そうだ!」
やよい「いつもみたいに鳴いてみたらどうかな?」
青年「なるほど。理屈ではなく感覚に訴えるわけか……よし!! よく聞いとけよ響ちゃん!」
響「まぁ、一応聞いてはみるけど」
やよい「うっうー! それじゃ、いい声で鳴いてくださーい!」
青年「ぢゅ……ぢゅい!(低音)」
響「……」
伊織「……」
やよい「……」
青年「…………ぢゅい(低音)」
21: 2015/10/09(金) 00:26:31.03
青年「ぢゅい! ぢゅぢゅい!(低音)」
やよい「もやし(裏声)」
伊織「似てないわね……」
響「春香のが似てるぞ」
青年「ぢゅいいいーー!!!(低音)」
美希「ちくわ大明神(裏声)」
響「誰だ今の」
美希「ミキだよ?」
23: 2015/10/09(金) 00:27:57.86
青年「でゅ……でってぃう」
やよい「あ、今のは似てました!」
伊織「なんによ」
美希「ハム蔵かどうか、確かめればいいんだよね?」
響「うん、そうだけど」
美希「ならカーンタンなの!」
美希「ハム蔵が響に、キス、すればいいって思うな♪」
響「」
24: 2015/10/09(金) 00:29:57.08
美希「姿が変わる呪いは、キスでとける! これはもうジョーシキなの!」
響「はっ離せぇ!!」ジタバタ
やよい「うー大人しくしてくださーい!」
美希「さ、ハム蔵! ぶちゅーっと濃厚なの、一発かますの!」
響「やめろぉおおお!!」
青年「……」
美希「? どうしたの、ハム蔵?」
青年「オレには……できないよ。響ちゃんが嫌がることなんて……」
やよい「ハム蔵ちゃん……」
響「最初の嫌がらせはなんだったの」
26: 2015/10/09(金) 00:32:15.50
青年「それにオレは……ただ、これを渡しに来ただけだから」スッ
響「え……これ、って」
青年「それと…………一言、伝えたくて」
青年「……ハッピーバースデー、響ちゃん。…………今までありがとう」
響「え、あ……い、いきなりなに言って」
青年「大丈夫……また、すぐ会えるから」
響「は、ハムぞ」
青年「っ……」ダッ
ガチャッ
タッタッタッタッタ
響「なっ……どこへ!?」
美希「響……」
響「……」
伊織「……行きなさい。もう分かってるんでしょ」
響「っ……!」ダッ
ガチャッ
タッタッタッタッタ
27: 2015/10/09(金) 00:33:30.37
伊織「これで、良かったのかしら」
美希「響が前に進むためには……必要なことなの」
やよい「……響さん、毎日ハム蔵ちゃんを探して、とってもつらそうでした……」
伊織「そうよね……私たちにできるのは、これぐらいだもの。あとは……」
29: 2015/10/09(金) 00:34:54.23
……
-公園
響「はぁっ、はぁ……ハムぞぉーーー!!」
響「…………どこ行ったんだよ……出てきてよ……」
響「ハム蔵……」グスッ
??「響ちゃん」
響「ハム蔵!? どこだ!? どこにいるんだ!?」
??「……誕生日プレゼント、渡せてよかった」
響「ハム蔵…………自分の誕生日……」
響「明日なんだけど……」
??「…………」
??「アディオス!!」ダッ
響「あっハム蔵! ハムぞぉおおーーー!!」
30: 2015/10/09(金) 00:36:52.98
……数日後
-事務所
響「はいさーい! みんなおはよう!」
やよい「あ、響さん。おはようございまーす!」
P「おう、おはよう。今日は響メインのミニイベントだから、ゲネは午後からだけど、早めに会場入りして準備とか確認しとかないとな」
響「うん! あれ? やよいとプロデューサーだけ?」
P「美希がそこで寝てるよ」
美希「むにゃむにゃ……」
やよい「あ、それと、」
美希「むぅ……?」ムニョン
ハム蔵「ヂュイ!」ヒョコッ
響「………………えぇえぇえええええええ!!!???」
31: 2015/10/09(金) 00:43:41.75
響「へは!? ハム蔵!!? ハム蔵なんで!?」
ハム蔵「ヂュヂュイ!」
響「いや確かにすぐ会えるとは言ったけども……」
ハム蔵「ヂュイ」
響「いやそんなこと言われても全然納得いかないぞ。なんで何日も行方不明だったの」
ハム蔵「ヂュイ、ヂュイヂュイ」
響「……まさかよそで彼女作ったのか?」
ハム蔵「ヂュヂュ!? ヂュヂュヂュイ!!」
響「ふぅん…………言いたくないならいいけど。じゃあ代わりにさ」
ハム蔵「?」
響「これ」ピラッ
ハム蔵「!!?」
響「このスケスケレースの黒いパンティ。どーいうつもりでくれたのか、説明してくれる?」
ハム蔵「ヂュ!? ヂュヂュヂュイィ!!」
P「……」
響「こら逃げるな! 待てぇーー!!」ダダダダ
ハム蔵「ヂュイィイイ!!」タタタタ
32: 2015/10/09(金) 00:45:13.47
P「ほんとに穿いてきたのかぁ……ハム蔵にもいい誕生日プレゼントになったな」
P「さて、そろそろ行くか。おーい響! いつまでもハム蔵とじゃれてないで」
響「あっ待ってよプロデューサー! ハム蔵のやつひどいんだぞー聞いてよー」
ハム蔵「ヂュイヂュイ!」
P「はいはい。二人共ケンカするなよー」
ワハハ
ダゾー
ヂュヂュイー
??「待ちなさい!!」
響「だ、誰だ!?」
少女「私? 私はね……」
少女「スーパーペットいぬ美ちゃんよ」
響「」
おわり。
33: 2015/10/09(金) 00:49:37.41
ここまで読んで下さった方は、本当に有難うございます。
フライングだけどひびきんハム蔵、誕生日おめでとう。
ハム蔵だってたまには外泊してハメたおし……ハメを外したいかなーって。
では。
34: 2015/10/09(金) 01:00:05.38
乙
35: 2015/10/09(金) 01:01:19.72
乙です
引用元: 響「おーいハム蔵ー! どこだー!」
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