妹「はぁ……」

妹「これからどうしよう…」

妹「起きててもお腹すくだけだし寝ようかな…」

妹「……Zzz」

７時間後――ガチャッ

兄「ただいまー」

妹「ん……、あっ、お帰りなさい」

兄「久しぶりに焼肉くったけどうめぇーｗｗ」

妹「……そう。私、明日もお手伝い行かなきゃいけないから寝てるね」

兄「おお、しっかり稼いで来いよ」

妹「……ねぇ、おにいちゃん？」

兄「うぷっ、もう食えねぇ……なに？」

妹「私、まだ小学生なんだよ？」

兄「しってる」

妹「知り合いのおばさんだから『お手伝い』って事で仕事させてもらってるけど…」

兄「マジたすかってるよな」

妹「あのね、一人じゃしんどいから……おにいちゃんも働いて…欲しいなぁ…って」

兄「いや、ほら！オレは大学受験とかで忙しいから」

妹「……そう」

――１ヵ月後

妹「ふぁー…おはよ……あれ？おにいちゃん？」

妹「また遊びに行ったのかな……」

妹「……？」

妹「あれ？……あれ！？」

妹「今月の食費……」

兄「ただいまー」

妹「おにいちゃん！今月の食費しらない！？」

兄「はぁ？そんなの知らねぇよ」

妹「……」

兄「なに？俺を疑ってんの？どーせお前が使ったんだろ」

妹「それ…その箱……なに…？」

兄「ん？ああ、これな。女にプレゼントしようと思ってさｗｗ」

早くこの兄を何とかしろ！！

妹「……あっ、」

店「妹ちゃん、大丈夫？」

妹「は、はい。すみません」

店「なんだか顔色が良くないけど…子供なんだから無理しちゃダメよ？」

妹「えへへ……でも、私が仕事しなきゃ…生きていけないから…」

店「何言ってんの、お兄さんがいるじゃない」

妹「おにいちゃんは…その……」

店「そういえば今月から通帳にお給料振り込めばいいのよね？」

妹「…え？」

店「昨日お兄さんが来て銀行振込みで…って」

妹「うそ…私なにも聞いてない……」

妹「おにいちゃん、銀行振込みって何…？」

兄「ああ、そっちの方がカードでお金も下ろせるし便利だろ？」

妹「そうだね…じゃあ、カード……」

兄「ばーか、子供にカードなんて持たせる訳にはいかないだろ」

妹「大丈夫、私こう見えて結構しっかりしてるんだよ？」

兄「それにさ、お前最近…稼いだ金、かくしてるだろ」

妹「だって…おにいちゃんが無駄使いするから……」

兄「マジ探すの苦労したんだからよ。だからカード作った訳」

妹「！！？……ない…ちょっとづつ貯金してたのに…」

兄「んじゃ遊びに行ってくるわ。今日は給料日だろ？さっそくカード使ってくるｗｗ」

妹「…うっ…ううっ…」

妹「今日も疲れたなぁ…私、何の為に働いてるんだろう……」

兄「アハハッ」

妹「…？おにいちゃん…？今日は家にいるのかな…？」

兄「それでよー」

妹「ただいま……」

女「きゃははっ！…ん？だれ？」

妹「……」

兄「ああ、こいつ俺の妹。…んー、今ちょっと取り込み中だから出て行ってくれる？」

妹「でも…ここは私の……」

女「何この子？マジ空気嫁ないやつってウザいよねｗｗ」

兄「ごめんごめんｗほら、コレで何か食ってこいよ」

妹「……１００円？」

妹「……はぁ」

妹「でも…今日はこうして夕飯が食べれるんだから幸せかな…」

妹「はふっ、はふっ…肉まん美味しい……」

妹「……うぅっ…どうして…」

妹「私、頑張ってるのに…つらいよ……苦しいよ…」

妹「お母さん、お父さん…助けて……」

妹「どうして…私もあの時一緒に氏ねばよかった……氏にたかった…」

妹「ぐすっ…」

妹「……帰ろう、風邪ひいちゃう…」

――２時間後…

妹「ただいま…」

女「……ﾊｧ？早すぎるっての」

兄「お前、もうちょっと時間つぶしてこいよ。…ったく」

女「あーあ、なんか白けちゃった。帰るね」

妹「えっと……」

兄「はぁ…」

妹「……ごめんなさい」

兄「謝るんだったら俺じゃなくて女に謝ってこいよ」

妹「私が…悪いの…？」

兄「いいからさっさと行って連れてこいよ」

妹「でも、私何も悪いこと――」

――パシッ！！

妹「いたっ…ぃ……」

兄「早く責任取って連れて来いって言ってんだよ」

妹「……うん」

妹「川沿いの道……はっ…ハッ……いたっ…！」

妹「私が、謝って…連れて帰らなきゃ……」

妹「……私が？…どうして……」

妹「…………この人を、この土手から突き落とせば…おにいちゃん、目を覚ましてくれるのかな…」



妹「あの…」

女「…？なに、あんた？ウザいんだけど」

妹「ちょっとお話が…」

女「んー…まぁいいわ。私も言いたいことあったし」

妹「……ごめんなさいっ！」

――――ドンッ

妹「……えっ？」

女「きゃははっｗあんた邪魔なの、分かった？ｗｗ」

妹「うそ…どうして私が……」

妹「そっか…悪いことしようと思ったから罰があたったのかな……」

妹「くやしいな……今まで頑張ってたのに…」

妹「でも…もう……」

女「さぁ、私はあなたのお兄さんの所に戻るわねｗ」

妹「……ろす…頃してやる！！！！！！！」

女「はいはい、あんたが生きてたらねｗ」

――――ドシャッ

兄「おー、お帰り！さっきは悪かったな」

女「ただいまー」

兄「あいつちゃんと謝った？」

女「あいつ？」

兄「あれ？妹が謝りに行ったんじゃないの？」

女「え？知らないよ？私はあんたが恋しくなって帰って来ただけー…なんちゃってｗ」

兄「そっかｗあいつどこほっつき歩いてんだよｗｗ」

女「家出でもしたんじゃないの？ｗｗ」

兄「あー、ありえるｗｗじゃあ帰ってくるまでお前うちに泊まる？ｗ」

女「いいねｗ家賃ただだしｗｗｗ」

妹「んっ……」

男「おお、大丈夫か？」

妹「えっと……おじさん、誰…ですか？」

男「ああ、俺はここで寝泊まりしてる…まぁホームレスだな」

妹「…私は……」

男「それはこっちが聞きたいくらいさ。帰ってきたら川沿いに転がってたんだぞ？」

妹「……どうして…」

男「…？」

妹「私…どうしてこんな所に…？」

男「な、なんだ、どうした？記憶喪失とかベタな展開か？」

妹「……？」

男「まぁあれだ…とりあえず警察いくか？」

妹「警察に…？」

男「ああ、そうすれば家も分かるかもしれないし、早く帰りたいだろ？」

妹「…私、お母さんもお父さんもいない……と思う」

男「でも知り合いとか…」

妹「帰りたくない…帰ったら、私…殺される……」

男「！？」

妹「よく分からないけど…殺される気がする……」

男「そう言えば…顔に叩かれたような跡が……」

妹「……」ぐうぅ…

男「とりあえず…飯でも食うか？」

妹「……ご、ごめんなさい」

妹「はむっ、もぐもぐ、」

男「おいおい、もっとゆっくり食べなさい」

妹「ごめんなさい、でも…お腹ぺこぺこで……」

男「全部半額の売れ残りだけど、それだけうまそうに食ってもらえれば飯もよろこんでらぁ」

妹「とっても美味しいです！こんなの、久しぶりに食べた気がする…」

男「そーか、んじゃコレも食べな」

妹「…でも」

男「子供が遠慮なんてするもんじゃねーよ。ほらっ」

妹「…ありがと……ございます…」

男「それじゃ俺は寝るけど…お嬢ちゃんどうするね？」

妹「……えっと」

男「こんな所で良かったら泊っていっても良いけど」

妹「いいんですか？」

男「まぁ雨風くらいはしのげるから野宿よりはマシじゃねーか？」

妹「じゃあ…お言葉に甘えて…」

男「ああ、それと俺は明日あさ早いから、出て行く時は気にせず勝手に出ればいいからな」

妹「明日、なにかあるんですか？」

男「ほら、明日は缶の回収日だからな。しっかり稼がねぇと生きていけんだろｗ」

妹「あっ、じゃあ私も手伝います！」

――翌日

妹「おじさん、これは？」

男「あー、それはスチールだな。アルミじゃないとダメなんだ」

妹「えっと…これは？」

男「うん、それは大丈夫、つぶしてこの袋に入れておくれ」

妹「はーい」

男「やれやれ、孫といるような気分だな」

妹「おじさーん、こっちにもいっぱいあるよー！」

男「おお、そーか。すぐ行く」

妹「すごいすごい♪アルミ缶いっぱい」

男「しかし…こんな事ばっかり手伝わすわけにも…」

――１ヵ月後…

妹「おじさん、今日も頑張ろうね♪」

男「ん…ああ、そうだな」

妹「おじさん？」


女「ｷｬハハッ、なにあれ？親子？爺と孫？」

兄「うわっｗｗ二人で缶拾ってらｗｗｗ」

女「ほらっ！空き缶恵んでやんよｗｗｗ」

――カランッ！

男「…っつつ、」

妹「おじさん！大丈夫…？」

男「へ、平気だよ…気にしないで良いから…」

妹「……」

兄「おいｗｗｗ俺もっと缶拾ってくるわｗｗｗ」

女「うはｗｗ硬いのお願いｗｗｗ」

――タッタッタッ

妹「あの…やめてもらえませんか？」

女「はぁ？何言って……！！？」

妹「……？」

女「な、なんで、あんたが…」

妹「あなた誰ですか？」

女「へ？あ、そ、そうよね、気のせい…他人の空似よね…」

妹「？」

女「……気持ち悪っ…」

男「おーい、缶もってきたぞーｗｗｗ」

女「もういいよ、いこっ」

妹「おじさん、あの人たち追い払ったよ！」

男「そうか…でも、無理しちゃだめだぞ…？」

妹「大丈夫！私こう見えてしっかりしてるんだから！……？」

男「どうかしたか？」

妹「なんだか…昔にも同じこと言った気がする……」

男「何か思い出したか？」

妹「ううん……でも、なんだかモヤモヤするの…あの人の顔を見てたら…」

男「そうか…」

妹「？」

男「あのな、缶を集めるのは今日で最後にしようと思うんだ」

妹「え…？どうして？」

男「おじさんな、臨時社員って形だけどちゃんと仕事する事にしたんだ」

妹「それって…いい事だよね？」

男「ちゃんと働いて…ちゃんと家も借りて、そこで暮らそうと思うんだよ」

妹「うん！それ、とってもいい事だと思うよ♪」

男「ちゃんと仕事する事なんて二度とないと思ってたんだけどねぇ…」

妹「私もうれしい♪」

男「お嬢ちゃんが来て…もう一度ちゃんとした生活を送る気になったんだ。お嬢ちゃんのおかげで」

妹「私はなにもしてないよ？」

男「これからはもっと人並の生活送らせてやれると思うから…一緒に来てくれるかい？」

妹「うん！私、おじさんが大好きだもん♪」

――１ヵ月後…

男「ただいま」

妹「おかえりなさい！今日はおじさんの好きなオムライスを作ったよ♪」

男「ほお…本当に料理が上手だな」

妹「うん、私…昔も作ってたのかも。特にオムライス…誰かが好きだった様な……」

男「……お、おい！」

妹「え？」

――べしょっ…

妹「あっ、ああっ！オムライスが…」

男「こりゃさすがに食えんな…」

妹「ごめんなさい、すぐに作り直すから――」

男「いや、今日は初給料が入ったんだ。飯を食べに行こう」

妹「焼きにく…？でも、これって高いんじゃないの…？」

男「たまには贅沢もしなくちゃな。それとも食べたくないか？」

妹「食べたい！凄く食べたい！……けど、」

男「じゃあ決まりだな。ほら、入るぞ」

妹「あっ、おじさん、まってよー」


妹「はむっ…んー！おいひぃ♪」

男「遠慮せずにどんどん食べるんだぞ」

妹「うん、いっぱい食べて明日からいっぱいがんばる♪」

男「はっはっはっ、そうか、そりゃ頼もしい――」


女「ｷｬハハッ、焼肉うめえぇｗｗｗｗ」

女「焼肉なんて超久々だしｗｗｗ」

友「あんた彼氏がいるんでしょ？」

女「あー、あれね、なんか貯金も全部なくなったとかで急に羽振りがわるくなってさｗｗｗ捨てたｗｗｗ」

友「うわっ、ひっどーｗｗ」

女「だって金無いなら用なしでしょｗｗ」

友「だよねーｗｗｗ」


男「……ちょと騒がしいな」

妹「もぐもぐっ…もぐもぐ……」

男「ちょっと注意してくるから、ここで待ってておくれ」

妹「もぐもぐ……はぁーい♪」

もうかなり幸せになってるなぁ妹。
兄は野垂れ氏かな？

男「ちょっとあんた達、子供もいるんだ、そう言う話はよそで――」

女「はぁ？何この爺ｗｗｗ」

友「説教されてるしｗｗｗｗ」

男「おい、人の話はちゃんと――」

女「うっせーよ、爺ｗｗｗ」

友「誰か呼ぼうか？ｗｗｗ」

女「うはｗｗ爺悲惨ｗｗｗ」

友「とりあえず外でお話しましょうよ、子供もいるんでしょ？ｗｗ」

男「むっ…そうだな……」

妹「…？おじさん？」

男「ほら、お前は、そこでジッとしてなさい」

男「この辺りで良いだろ？」

女「ったく、あわよくば食い逃げしようと思ってたのに」

友「しっかり金は前払いで取られたねｗｗ」

男「それで、少しは反省して――――」

女「あーあ、爺さん…そんな所に立ってたらうっかり足滑らして階段から落ちちゃうよ？」

男「は？」

女「たとえばこんな風に…」

――ドンッ

男「なっ…」

妹「おじさん、どこー？おじさ……」

――ドサッ…

友「うわっ、やっば…なんか動かないよ？」

女「さ、いこいこ」

妹「…………」

妹「……あっ、」

男「うっ…」

妹「おじさん、大丈夫！？おじさん、おじさん！」


男「……ん…？」

医「目が覚めましたか？」

男「ここは…病院？」

医「ええ、階段から足を滑らして頭を強くったんですよ」

男「そうですか……あっ、お嬢……娘は、娘はいませんでしたか！？」

医「さっきまでいましたけど…無事とわかったら何処かへ行きましたよ？」

男「何処かへ…？」

女「あー、もう最悪。踏切開かないし雨まで降ってくるし！……はぁ…階段上がってさっさと帰ろっと…」

女「だるっ……」

『かーごめ、かーごめ…』

女「？」

『いーついーつ出会う……』

女「なにこれ？」

『つーるとかーめが滑ったー……』

女「……？」

妹「後ろの正面だーあれ…」

女「……」

妹「後ろの正面だーあれ」

女「……」

妹「どうして振り返らないんですか？」

女「……」

妹「振り返ったら突き飛ばすつもりなのに」

女「……」

妹「この高さなら…氏んじゃうかな？氏んでもいいですよね？」

女「あんた…」

妹「全部思い出したんですよ♪だから、仕返しにきました…♪」

女「くっ…！」ダッ！！

妹「あっ、雨でぬれてるのにそんなに焦って走ったら」

女「えっ…！？あっ、きゃああぁぁぁぁ！！！！！」

――ぐしゃっ

妹「あーあ、仕返ししようと思ったのに…勝手に落ちちゃった……」

これほど人が氏んで嬉しいと思ったことはない

良い展開

そういや　本丸は兄貴だった　女はあっさり程度で丁度良かったな

兄「ひもじい……」

兄「なんかもう……なんだよこれ…」

妹「おにいちゃん」

兄「ん？…おっ、おお！！どこ行ってたんだ！心配新たんだぞ！ｗｗ」

妹「ちょっとやせたんじゃない？」

兄「ああ、女と別れてな！だからこれからは二人で頑張って――」

妹「はい、これ」

兄「……１００円？」

妹「それで一晩は大丈夫なんでしょ？」

兄「え…？」

妹「明日からがんばってお仕事探してね」

兄「いや、でも給料日まで金が……」

妹「空き缶でも集めればいいんじゃないかな？」

兄「そ、そんな……」

妹「さようなら、おにいちゃん」

ちょっと物足りないが兄ざまぁｗｗｗｗｗｗ

メシウマｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

妹「おじさん、大丈夫？」

男「おお、帰って来てくれたのか…！」

妹「？」

男「俺はな、お前がもう帰ってこないのかと…」

妹「あははっ、そんな訳ないよｗ」

男「そうか、それを聞いて安心したよ」

妹「私にはおじさんしか家族がいないんだから♪」

男「でも記憶が戻れば本当は――」

妹「記憶もちゃんと戻ったんだよ？」

男「ほ、本当か！？……あっ、しかし…じゃあ……」

妹「私にはお父さんも、おかあさんも…兄妹も、誰もいなかったみたい」

男「……そうか」

妹「だからこれからもよろしくね、おじさん♪」

終わり

よく頑張った 感動した

～fin～

乙

おつ
これで寝れる