1: 2012/07/14(土) 12:32:41.42
小鳥「う~ん……」ボリボリ

P「どうしました?小鳥さん」

小鳥「え?ああ!ごめんなさい私ったらはしたない」アタフタ

P「猛烈な勢いで背中掻いてましたね。虫さされですか?」

小鳥「そういうのとは……ちょっと違う……と思うんだけど……」ボリボリ

P「まあ俺は別にかまいませんけど、他の人の前じゃあんまりやらないほうがいいですよ」

小鳥「ぴよ?私また掻いてました?」

P「ばっちり掻いてましたよ。 ふぁぁ~……それじゃあ俺は仮眠取るんで……お休みなさい~」

小鳥「う~ん?なんでこんなにかゆいのかな~?」ガリガリ



――思えばこのときからすでに始まっていたのだ。災厄の予兆が……

3: 2012/07/14(土) 12:34:37.92
翌朝……



美希「ハニー、ハニー!起きてなの!」

P「ん~……おお、美希か……どうした?」

美希「あのね、小鳥の様子がね、おかしいの」

P「様子がおかしい?」

小鳥さんの様子がおかしいのはいつものことじゃないか、といいかけてやめた。
美希の表情はおびえていた。

俺は美希の肩越しに小鳥さんのデスクを見る。

春香「小鳥さん~?起きてくださいよ~もう朝ですよ~」

雪歩「こ、小鳥さん……」

春香が小鳥さんの体を揺さぶっている。それを雪歩が泣きそうな顔で見守っている。

だが……小鳥さんはそれに対してまったく反応がない。

顔を机に押し付け、両腕はだらりと力なく垂れ下がっている。

6: 2012/07/14(土) 12:35:54.46
P「こ、小鳥さん!?」

俺は小鳥さんに近づきその左腕を取った。

手首に指をつける。―――ない。

P「脈が……ない」

雪歩「!!」

春香「そ、そんな……!」

美希「小鳥……し、氏んじゃったの……?」

そんな馬鹿な……昨日の夜はあんなピンピンしてたじゃないか……

そうだ!こんなのは何かの間違いだ。

P「と、とにかく……救急車を……まだ氏んだと決まったわけじゃない」


9: 2012/07/14(土) 12:37:47.03
春香「そ、そうです!まだ助かるかも!」

ガチャッ

社長「ん?どうしたんだねみんな?そんな慌てて」

雪歩「社長……!音無さんが……音無さんが……!」

社長「音無?音無くんならそこに立ってるじゃないか」

春香「え?」

P「たっ……て?」

小鳥「………………」

小鳥さんは立ち上がっていた。確かにさっき脈はなかった。そのはずなのに……

その顔は氏人のように青ざめていた。




10: 2012/07/14(土) 12:38:32.61
P「そ、んな……だって……確かにさっきまで……」

社長「音無くんどうしたんだね?ひどい顔色だよ 今日は休んだほうがいいんじゃないかね?」ツカツカ

社長は立ち上がった音無さんに近づいていく。俺はそれを見守るしかなかった。

唐突な展開に何が起こっているのか脳が理解することを拒否していた。

音無さんはすぐそばまで歩みよった社長の肩を掴み………………

渾身の力をこめて首筋に噛み付き、その肉を引きちぎった。

社長「え……?」

社長の首から鮮血が噴出す。音無さんの机は一瞬で赤く染まり、一番近くにいた春香の顔に血が跳ねる。

14: 2012/07/14(土) 12:42:17.28

春香「……え?」

美希「い…………」

雪歩「いやあああああああ!?」

雪歩の悲鳴で俺は我に帰った。

小鳥さんは食いちぎった社長の首の肉を咀嚼し、

ごくんと飲み込むと次は春香のほうへゆっくりと手を伸ばし始めた。

春香「あ、あわわわ……」

春香は足が震えて動けないようだ。

P「春香!」



1.小鳥さんに掴みかかる。

2.小鳥さんに灰皿を投げつける。

3.春香を見捨てて雪歩と美希を連れて逃げる。


>>18

18: 2012/07/14(土) 12:43:55.59
2

21: 2012/07/14(土) 12:47:38.25
P「小鳥さん!ごめんなさい!」

俺は近くにあった灰皿を小鳥さんに向けて投げつけた。

灰皿は小鳥さんの頭に当たり、ゴンッと鈍い音が響き、小鳥さんはよろめいた。

そしてゆっくりとこちらを振り向く。

P「い、痛くないのか?」

小鳥さんは普段からは想像のつかないような形相でこちらに近づいてくる。

ガチャッ

千早「ちょっと騒がしいですよ。音楽に集中できません」

真美「何の騒ぎ~?」

奥で休憩していたらしい千早と真美が出てきた。

P「千早!」

千早「え?」

1.助けてくれ!

2.みんなをつれて逃げろ!

>>25

25: 2012/07/14(土) 12:49:20.27
2

26: 2012/07/14(土) 12:51:58.46
千早は床に転がる社長の氏体を見てある程度状況を察したようだ。

千早「みんな!逃げるわよ!春香!早く立ち上がって!」

春香「は、はいぃ……」

千早「プロデューサー!」

P「俺は後から行く!いいから先に行け!」

千早「は、はい!」

千早たちは全員無事外に出れたようだ。

小鳥「ウゥゥゥl…………」

P「こ、小鳥さん?落ち着いて……」

28: 2012/07/14(土) 12:56:06.13
小鳥さんの迫力に後ずさるうちに何かにつまづいてしまった。

P「あっ……」

倒れまいと机を掴もうとするが、手がすべり、物をぶちまけながら尻餅をついた。

小鳥さんはその機を逃がさず、俺の上に馬乗りになる。

小鳥「ウガアアア!!」

P「や、やめてください!小鳥さん!」

女性の力とは思えない腕力に引きはがすことができない!

そのとき俺の右手に何かが触れた。さっき机の荷物をぶちまけたとき、地面に落ちたフォークだ。

P「うおおおお!!」

俺は小鳥さんの腹にフォークを突き刺した。だが小鳥さんはまったくひるむ様子はない。

小鳥さんが口を大きく開き、歯をむき出しにしながら、俺の首筋を狙う。

P「う、うわあああああああ!」


30: 2012/07/14(土) 12:59:32.92
ブスゥッ!

俺は咄嗟に小鳥さんの右目にフォークを突き立てていた。

勢いよく指したため、その先端は脳にまで届いているようだ。

小鳥さんは少しうめいた後、動かなくなった。

俺は自分の体の上から小鳥さんの氏体をどけた。

P「はぁ、はぁ…………!?」

目の前の光景が信じられなかった。

さっき小鳥さんに首を噛まれ、氏んだはずの社長……それがいつの間にか立ち上がっていた。

だが…………様子がおかしい。



社長「グゥゥゥゥオオオオオ…………」

俺は事務所の出口へと走った。

直感的に分かった。あれはもう社長ではない。小鳥さんと同じく……「何か」になってしまったのだ。

31: 2012/07/14(土) 13:03:43.22
プロデューサーの体力 4/5

外に出るとアイドルたちが待ち構えていた。

真と響と貴音も合流したらしい。

貴音「あなた様……何かあったのですか?」

響「すごい汗だぞプロデューサー……」

真「大丈夫かい?雪歩……よしよし……」

P「説明している時間はない!とにかく警察を……!」

といいかけた時、

事務所の近くの電柱に軽トラックが衝突し、止まった。

35: 2012/07/14(土) 13:08:04.15
軽トラックの運転席から男がひとり現れた。その足取りは酔っ払いのようにフラフラしている。

頭から血を流しているが、まるで痛みを感じている様子はなかった。

美希「ひぃ……!」

P「まさか……小鳥さんや社長だけじゃなく……街中がこうなってるのか!」

男は小鳥さんと同じく、こちらに噛み付き、頃すために、手を伸ばしながら近づいてくる。

真「プロデューサー!なんかあの人様子がおかしいですよ!」

P「ああ、分かってる!」

何か武器はないか!プロデューサーとしてアイドルたちを守らなければ……!

男はこちらの目の前まで迫っていた。が、その時、

猛スピードで一台の自動車が目の前を通り過ぎた。

当然男の体は大きく跳ね飛ばされ、地面に落ちる。

37: 2012/07/14(土) 13:13:52.32
自動車の窓から見慣れた顔が現れた

律子「プロデューサー!みんな!逃げるわよ!早く乗って!」

春香「り、り、り、律子さん!?」

美希「律子!助けに来てくれたの!」


律子「さんをつけなさい!って今はそれどころじゃないわ!早く乗って!」

周りを見るとどうやら小鳥さんや、社長、そして今の運転手と同じような「奴ら」があちこちにいるようだ。

だが、律子の車は全員乗るには明らかに小さすぎる。

どうやら他の座席には竜宮小町の3人も乗っているようだ。

俺は軽トラックの運転席を見た。キーはまだ着いている!

少々危険だが、軽トラックに何人か乗ったほうがよさそうだ。

5人は軽トラックに乗っていかなければならないだろう。

誰を連れていく?(竜宮小町、やよい以外)

一人目(助手席)>>40 二人目(荷台)>>43 三人目(荷台)>>46
4人目(荷台)>>49 5人目(荷台)>>52



40: 2012/07/14(土) 13:15:23.42
貴音

43: 2012/07/14(土) 13:16:43.97
春香

47: 2012/07/14(土) 13:18:31.02
みき

49: 2012/07/14(土) 13:19:06.37

52: 2012/07/14(土) 13:21:00.22
やよい

53: 2012/07/14(土) 13:21:00.59
kskst

58: 2012/07/14(土) 13:24:08.60
やよいはいないので雪歩で


P「貴音!俺と一緒にトラックへ!春香、美希、響、雪歩は荷台に乗れ!ほかのみんなは律子の車へ!」

貴音「は、はい!」


 【運転席】
貴音  P
 【荷台】
春香 美希

響   雪歩


律子「プロデューサー!これから病院に向かいます!そこでヘリが救出に来るはずです!」

P「分かった!」


60: 2012/07/14(土) 13:27:06.16
美希「プロデューサー!急いで!あいつが立ち上がるの!」

美希が指差す方を見ると、先ほど律子に跳ね飛ばされた男が再び立ち上がろうとしている。

P「なんなんだよ奴らは……不氏身なのか?」

響「ま、まわりの変な奴らもこっちに近づいてくるぞ!」

P「頼む!早くかかってくれ!」

2、3回ほどキーを回しエンジンはかかった。

奴らの伸ばされた手を振り切りながら、律子の車の後を追って発進した。

63: 2012/07/14(土) 13:30:45.44
トラック・運転席内

貴音「面妖な……あの人の姿をした怪物たちはいったいなんなのでしょう」

P「分からん……ラジオで何か情報が得られるかもしれん」

貴音「なるほど……らじおならばなにかにゅーすがやってるかもしれませんね」

貴音「ではどこかからからじおを持ってこなければなりませんね!」

P「……いや……普通に車載ラジオが着いてるから」

俺はラジオのつまみを捻り、有力な情報を探し始めた。

65: 2012/07/14(土) 13:34:49.53
『はげし……混乱』

『どこにも……逃げ場…』

『前代…聞の……災害……』

『……を破壊してください。繰り返します』

『奴らの頭を破壊してください!』

P「!!」

『原因不明で氏んだはずの人間がよみがえり、人を襲うという事態が発生しています!』

『二つのことに注意をしてください!まず一つ目は普通に殴るだけでは倒れません!』

『首を切断するか、脳を破壊するのです!』

P「頭を……破壊する……!」





67: 2012/07/14(土) 13:38:11.80
『そしてもうひとつ!奴らには絶対に噛まれないように!』

P「!」

『奴らに噛まれると個人差はありますが、およそ8時間以内に噛まれた者は氏亡、』

『そして奴らと同じように起き上がり、人を襲い始めるのです!』

貴音「そんな……」

『そして氏体には絶対に近づかないように!氏亡したものは急速に変化が進みます!』

『早ければ氏亡してから一分以内に起き上がり、人を襲い始めたという報告もあります!』

『繰り返します!』

『奴らには噛まれないで!そして頭を破壊してください!』

P「奴らには噛まれるな……頭を破壊しろ……」

72: 2012/07/14(土) 13:43:47.44
春香「…デューサー!プロデューサー!あれを見てください!」

春香の叫びで我に帰る。どうやらラジオに集中しすぎて春香の声が聞こえなかったようだ。

春香の指差すほうを見る。そこには奴らの大群がいた。いや、それだけじゃない。

やつらに追われている女性がいる!

春香「プロデューサー!スピード緩めて!あの人も助けないと殺されちゃいます!」

前を見る。律子の車は気づいていないのかスピードを緩める気配はない。

ここでスピードを落としたら……あの女性は助かるかもしれない。だが、律子たちとは分断されるかも……。

それに「奴らに荷台に乗り込まれるかもしれない。」

女性「助けて!私たちも乗せてください!」

P「……どうする!」

1.スピードを緩め、女性を助ける。

2.スピードを上げ、女性を見捨て、奴らの大群から逃げる。


>>75

76: 2012/07/14(土) 13:45:43.60

78: 2012/07/14(土) 13:49:03.32
P「クソ!見捨てられるか!」

俺は車の速度を緩める。止めたりはしない。

止めたらとたんに奴らに群がられ、荷台のあいつらは殺されてしまうだろう。

春香「頑張って!あと少しです!」

響「手を伸ばすんだぞ!」

サイドミラーから後ろの様子が見える。

女性はなんとか俺たちのトラックに追いつき響の手を取った。

響「は、い、さーーーーい!!」

響は女性を力いっぱい引き上げた。

それを確認して俺は再びアクセルを踏み込む。


84: 2012/07/14(土) 13:54:06.96
バックミラーで後ろの様子を見る。助けられた女性はアイドルたちにしきりに感謝している。

春香「やりました!やりましたよプロデューサー!助けられました!」

P「よかった…………」

アイドルを危険にさらした俺はプロデューサー失格かもしれない。

それでも、あの女性を助けることができてほっと安堵した。

P「そうだ。春香!その女性は体のどこかに噛み傷とかないか!?」

念のため、確認しなければならない。

もし傷があったら、俺はどうするんだろう?




86: 2012/07/14(土) 13:57:04.08
春香「ええっと……見た感じどこにも怪我はありませんよ!大丈夫です」

P「そっか……」

これで、本当に一安心、といったところか。

貴音「律子たちからはだいぶ離されてしまいましたね……」

P「ああ、ちょっとスピードを上げないと……。……?」

待てよ、何かが引っかかる。

そうだ。あの女性はこちらに向かって何と叫んでいた?

『助けて!私たちも乗せてください!』

P「私、たち……だと?」

俺は後ろの様子を見るために振り返った。

90: 2012/07/14(土) 13:59:16.35
女性「お願い!目を開けて!」

あの女性が抱えているものはなんだ?

なぜ叫んでいるんだ?

女性「ああ、なんてこと!どうして息をしてないのよ!こんな小さな噛み傷なのに!」

P「響!!すぐにその赤ん坊を捨てろ!!」

響「えっ!ええっ!!?」

P「急げ!早くするんだ!」

響「で、でも!」

101: 2012/07/14(土) 14:04:03.00
赤ん坊「オギャ……!」

女性「ああ!良かった!目を覚まし…!」

女性は赤ん坊に頬ずりをするように顔を近づけた。

赤ん坊は、とても赤ん坊とは思えないような力で、母親の首を顔を掴むと、

その首すじに噛み付いた!

女性「いっだああああああ!!」

雪歩「ひいいいいい!!」

響「な、な、な!!」

P「何やってる響!!早く赤ん坊を捨てろ!!」

響「う、うわああああ!!」

響は赤ん坊を掴むと荷台の外へと放り投げた。

後ろで嫌な音がしたが、サイドミラーは見なかった。

107: 2012/07/14(土) 14:08:04.59
美希「は、早く血を止めないと!お母さんも氏んじゃうの!」

P「美希!母親ももう駄目だ!早く落とすんだ!」

母親は首から血を噴水のように噴出し、動かなくなっていた。

響「ご、めんなさい・・・・・・!ごめんなさい・・・・・・!」

響は泣きながら母親の体を持ち上げようとする。

だが、生きている人間と違い、氏んでる人間をひとりで持ち上げるのは容易ではない。

美希「ミキも手伝うの!」


111: 2012/07/14(土) 14:11:05.18
響と美希が荷台から母親の氏体を下ろそうとする。

P「まずいぞ……一分……!」

ガシッ……

響「え?」

美希「嘘……」

母親「ア、アアアァァァァ……」

響「うわあああああ!!」

起き上がった!まずい!

P「春香!雪歩!二人を支えてくれ!」

113: 2012/07/14(土) 14:13:15.84
春香「は、はい!」

雪歩「はひぃ……!」

俺はアクセルを踏み込みスピードをさらに上げる。

母親はいまや再び動きだし、荷台の上で立ち上がろうとしていた。

P「しっかりつかまってろよ!!」

俺はハンドルを大きく右に切った!

美希「きゃっ!」

響「わひぃ!?」

115: 2012/07/14(土) 14:16:01.33
美希と響の体は春香と雪歩によって支えられていた。

走るトラックの荷台の上で立ち上がろうとしていた母親はバランスを崩し、

落下していった。

響「うわぁ……!うわぁ……!」

美希「ヒック……ヒック……」

P「お前ら大丈夫か?全員無事か?」

春香「は、はい……なんとか……」

雪歩「ううううう……ううううぅぅ……」

律子たちの車からだいぶ離されてしまった!クソっ!

119: 2012/07/14(土) 14:21:06.41
貴音「あなたさま!あれを!!」

P「今度はなんだ!?」

前方の律子たちの車は踏み切りを渡るところだった。

踏み切りの周囲にはどういうわけか奴らの数が多い。

P「ニ、三人轢いてでもいかないきゃ駄目か……」

貴音「違います!あっちです!」

P「あっち?」

貴音の指差す方向。線路の先。

そこには電車があった。動く電車。こっちに近づいてきている。

P「!! まずい!!」

なんでこんなときに電車が!?いやこんなときだからこそか!

とにかく!急がなければ!

踏み切り待ちなんてしていたら律子たちから完全に分かれてしまう!

いやそれ以前に奴らのど真ん中で停車するなんて!

P「……どうする!?」

133: 2012/07/14(土) 14:26:26.07
カンカンカンカン……

P「間に合うか……クソッ!」

貴音「あなた様!電車が!」

ゴオオオオ……!

P「!! 駄目だ!間に合わん!!」

俺たちを乗せたトラックは踏み切り前の奴らを2、3人跳ね飛ばしながら、踏み切り前で停車した。

そのすぐ前を電車が通りすぎていく。

もし、このまま……突っ込んでいたら……

139: 2012/07/14(土) 14:29:54.86
春香「プロデューサー!プロデューサー!早く!早く!」

周囲の奴らがこちらに近づいてくる。

P「みんな!しっかりつかまってろよ!!」

ギアをバックに入れる。後ろにいた奴らを跳ね飛ばし、そのまま向きを変える。

踏み切りの前にはもはや突破できない数の奴らが集まってきていた。

貴音「あなた様!いったいどこに行きますの!?」

P「目的地は一緒なんだ!離されても必ず合流できる!今はこいつらからなんとかして逃げるんだ!」

俺たちは踏み切りから背を向け、奴らの大群から逃げ出した……

147: 2012/07/14(土) 14:34:56.16
P「まずいな……」

派手に動かしすぎたせいか、軽トラックのガソリンメーターが危険な値を示している。

P「病院までは……持たないな……ともかく、まずはガソリンを補給しなければ」

バックミラーにちらりと目をやる。みなそれぞれ疲労してはいるが、特に美希と響の消耗が激しい。

ガソリン補給も兼ねて、休息も取らなければ、後できれば食料もほしい。

春香「プロデューサー。私この近くのガソリンスタンド知ってますよ!コンビニも併設されている奴!」

春香は4人の中では今のところ一番元気だ。しっかり者の春香のことだから、自分が頑張らねばと思っているのだろう。

P「頼む。春香。案内してくれ」

春香「任せてください!」

149: 2012/07/14(土) 14:38:30.27
春香の案内に従い、ガソリンスタンドに到着した。

今のところ周りに奴らの姿は見えない。

P「良かった……」

貴音「ですが、いつまでいないかは分かりません」

P「そうだな……急いで給油して、食料や物資も持てるだけあれば……ん?」

ガソリンスタンドには先客がいるようだ。

パトカーが駐車されている。ただし運転手の姿は見えない。

P「どういうことだ……?調べてみる必要がありそうだ」

153: 2012/07/14(土) 14:42:34.29
時間をかけていたら、いつ奴らが現れるか分からない。

ガソリンの補給を行う班と、コンビニで物資を調達する班に分かれたほうがいいだろう。

俺の班がコンビニで物資を調達している間、車に残った班が給油と周囲の警戒を行う。

コンビニへは誰を連れていこう?(『連れていかない』もあり)


コンビニ班
最大4人まで

貴音、春香、雪歩、響、美希


>>157

157: 2012/07/14(土) 14:43:43.84
貴音雪歩

163: 2012/07/14(土) 14:46:56.73
P「貴音、雪歩。ついて来てくれるか?」

貴音「はい!」

雪歩「わ、私もですか……?」

P「ああ。」

P(貴音は機械オンチだから残していっても役に立たないだろう)

P(美希と響はさっきの騒動で消耗している。できれば休ませたい)

P「春香。車は任せたぞ」

春香「はい!任せてくださいっ!」

P「うむ」

美希「……ハニー」

P「ん?」

美希「気をつけてね……あとおにぎり買ってきてなの」

P「ああ任せとけ」

167: 2012/07/14(土) 14:50:14.71
春香たちは給油を開始した。

俺たちもあたりの捜索を行おう。

P「まずは……この先客さんの車を調べようか」

俺はパトカーの中を調べた。銃が手に入るものかと期待したが、残念ながら無かった。

たぶんこのパトカーの持ち主が身につけているのだろう。

メーターを見るとこのパトカーもガソリンが切れかけていたらしい。

P「お、いいもの発見」

ダッシュボードの中からスタンガンを見つけた。

奴らに効くかどうかは分からないが念のため持っておこう。

168: 2012/07/14(土) 14:52:24.40
雪歩「あ、あの!プロデューサー!そこに何か落ちてますよ!」

P「ん?これは?」

貴音「どれですか?」ホソメ

拳銃の弾丸だ。3発落ちている。

持ち主が落としたのだろうか?

ともあれ、肝心の銃が無いんじゃ意味がない。

P「ほかに特にめぼしいものはないな……時間もない。コンビニで物資を調達しよう」

172: 2012/07/14(土) 14:56:59.62
給油はまだ少しかかりそうだ。

P「春香。ちょっとコンビニ行って来る。何かあったらプップーで知らせろ」

春香「はい!こっちは任せてください!」

コンビニの中に入る。店員はどこにもいない。

ニュースを聞いて逃げたのかもしれない。

P「まあ、お金置いとけばいいか……貴音、雪歩。ちょっと食料をかごに入れてトラックに乗せてきてくれ」

貴音「はい」 雪歩「はいぃ……」

さて、俺はコンビニの奥のスタッフルームに入っていった。

174: 2012/07/14(土) 15:01:48.74
P「まあ、身を守る武器になりそうなのは……これくらいか」

ナイフ、モップ、ほうき。どれも頼りないが、無いよりはマシだ。

スタッフルームから出る。貴音と雪歩は順調にトラックに食料を運びこんでいる。

P「まあ、こんくらいあれば大丈夫だろう。ちょっとした医療品とかも運び込んでるか?」

雪歩「す、すいません!そうですよね……食べ物ばっかりじゃ駄目ですよね……」ショボーン

P「い、いや……そこまで落ち込まなくても……今から運べばいいし……ん?」

P「そういえば……トイレって調べたか?」

雪歩「えっ?」

貴音「あなた様……女子にそのようなことを聞くのは……」

P「いや……そういう意味ではなくて……」

どうやら二人ともトイレには入っていないらしい。


179: 2012/07/14(土) 15:07:45.08
パトカーの警官はおそらく俺たちと同じ考えにいたったはずだ。

前代未聞の大災害。これからの展開は誰にも予想がつかない。

それならば……ガソリンスタンドの横にコンビニがあったなら。必ず物資の補給という考えにいたるはずだ。

コンビニの店内には姿はなかった。だがトイレはまだ調べていない……。

俺はトイレの扉の前に立った。ドアノブに手を伸ばしたとき、

中から「うぅ……」と、かすかにうめき声が聞こえた。

雪歩「ぷぷぷ、プロデューサー!?中に誰か!いますよ!?」

貴音「ひょっとしたら……『誰か』じゃなくて『何か』かも……」

雪歩「ひぃっ!?」

P「……どうしよう。怖くなってきた。」

1.意を決し、扉を開ける。

2.中の人に声をかける。

3.貴音と雪歩に開けさせる。

4.聞かなかったことにする。

>>183

183: 2012/07/14(土) 15:08:58.90

198: 2012/07/14(土) 15:13:04.41
P「……ごめん。雪歩、貴音……代わりに開けて……」

雪歩「え?ええ!?」

貴音「あなた様……」

P「す、すまん……今までクールな顔してたが……苦手なんだよ……お化けとか……そういうの……」

雪歩「だ、だからって女の子に開けさせようとしますか!?」

P「わ、分かった!じゃあこうしよう!雪歩が扉を開ける!で貴音はそこに突っ込む!」

P「俺は何かあったときのために身構える!な?これでいいだろ?」

貴音「……少し幻滅しました……」雪歩「うん……」

P「うぅ……」

雪歩「まあいいですけど……長物貸してください…………準備いいですか?……開けますよ?」

203: 2012/07/14(土) 15:16:05.78
ガチャッ

雪歩の手で扉が開かれた。

貴音「……これは」

P「?」

俺は貴音の肩ごしにトイレの中を見る。

意外に広い。普段ならば快適に用を足せたであろうトイレの床に

額に10円玉くらいの穴が開いた氏体が転がっている。

そして洋式便器の上に警察の制服を着た男が座っている。

肩から血を流して、それが腕を伝い、ポタポタとトイレの床に落ちている。


208: 2012/07/14(土) 15:19:27.74
恐らく、あのパトカーの持ち主だろう。

右手には拳銃を持っている。

P「これは……もう必要がないだろうからもらっておくか」

俺が拳銃に手を伸ばそうとしたそのとき、

警官の右手が上がり、俺の目の前に銃口が突きつけられる。

P「ひっ……!」

警官「お前ら……人間か?」

どうやら、彼はまだ息があるようだ。

214: 2012/07/14(土) 15:22:57.36
雪歩「あああぁ、だ、大丈夫ですか!?すぐ手当てしないと……!」

警官「いや!いい!俺には分かってる。俺はこいつらに噛まれちまった……もう駄目だ……」

警官は忌々しげに地面に倒れた奴らの氏体をにらむ。警官はこいつと戦い頭に銃弾を撃ちこみ倒したが、

逆に自分も噛まれてしまったようだ。

警官「俺は知ってるんだ……噛まれたら8時間程度で奴らと同じになっちまう!でも俺の場合はもっと早いだろうな……」

警官「この傷じゃ俺は長くもたない……でも……あんたたちが来てくれてよかった……」

警官は俺に向かって銃を差し出した。

警官「俺の頭を……撃ってくれ……自分では怖くて撃てなかった……あいつらみたいにはなりたくない……」

218: 2012/07/14(土) 15:27:03.64
俺は警官から拳銃(リボルバー式)を受け取った。

以前、貴音のドラマの撮影のためある程度本物の銃について調べたことがあるため、多少は使い方は分かる。

俺は銃の残弾数を調べた。この銃は5発はいるはず……。だが1発はすでに使用されている。

床に転がる奴を撃ったときに使ったのだろう。威力は確かだ。至近距離から奴らの頭に当てれば一撃で倒せる。

問題は……パトカーで手に入れたものとあわせて、残りの弾は7発しかない。

7発。あまりにも頼りない数字だ。

目の前の警官はそのうちの1発を自殺のために使ってくれと言っている。

P「…………」

貴音「あなたさま?」

雪歩「ど、どうするんですか?プロデューサー!?」

219: 2012/07/14(土) 15:28:16.47
1.警官を頃す(銃を使う)

2.警官を頃す(包丁を使う)

3.銃をもらい、警官を放置して去る。

>>223

223: 2012/07/14(土) 15:28:58.52
1

232: 2012/07/14(土) 15:31:38.88
P「貴音、雪歩……トイレから出て、目をつぶって耳を塞いでろ」

雪歩「……!」

貴音「……分かりました」

俺は警官の眉間に狙いを定める。

決してはずさないように、銃を支える。

P「本当に……いいんだな?」

警官「……ああ、頼む」

俺は、引き金を引いた。

火薬の破裂する音があたりに響き渡った。

235: 2012/07/14(土) 15:34:20.85
俺は拳銃から、使用済みの二発の薬きょうを取り出し、代わりに手持ちの二発を詰めた。

これで拳銃の中には5発。ポケットに残り一発残っていることになる。

雪歩「お、終わりましたか……?」

P「ああ……」

ププ~!ププ~!

P「!!」

クラクションの音が鳴り響いた。あれは春香からの緊急信号だ!

238: 2012/07/14(土) 15:37:39.90
俺たちはコンビニから飛び出した。

P「春香!」

春香「プロデューサー!大変です!さっきの大きな音でこっちに集まってきています!!」

どこに隠れていたのか、奴らは周囲からガソリンスタンドを目指して群がりつつある。

P「逃げるぞ!早くトラックに乗り込め!」

貴音と雪歩はトラックの荷台へ、俺は春香を助手席にどかせて運転席に座った。

春香「エンジンはもうかけておきました!」

P「でかした!」

俺たちは奴らの大群を背後に、ガソリンスタンドから出て、再び病院へと向かった。

241: 2012/07/14(土) 15:41:53.74
美樹「おにぎりおいしーの♪」

荷台では美希がコンビニおにぎりをうまそうにほおばっている。

先ほどまで疲れきっていたのが嘘のようだ。

P「あいつはおにぎりさえあれば大丈夫だな」

貴音「響。大丈夫ですか?」

響「え?ああ!自分は大丈夫だぞ…はは……」

響のほうは……そうもいかないようだが。

やはり目の前で赤ん坊と母親が氏んだのが応えているらしい。

P「」

245: 2012/07/14(土) 15:44:45.67
春香「ねぇプロデューサー……病院に行く前にひとつ気になることがあるんです」

P「なんだ?」

春香「律子さんの車に……やよいは乗っていましたか?」

P「……!」

確かあの時、乗っていたのは竜宮小町と律子だけだった。

P「事務所には……?」

春香「いませんでした……」

P「まさか……クソ!」


251: 2012/07/14(土) 15:47:37.49
俺は自分の手帳を取り出し、やよいのスケジュールを確認する。

P「そうだ……今日はやよいはオフだった!なんでこんなことを忘れていたんだ!」

小鳥さんの豹変。社長の復活。そんな事態に気をとられて全く気が向いていなかった。

『多分律子の車に乗っているだろう』そんな希望的観測が頭の中にあったのかもしれない。

P「少し、寄り道するぞ!やよいの家に向かう!」

春香「はい!」

杞憂であってほしい。すでに避難が済んでいればいいが……

259: 2012/07/14(土) 15:50:13.52
やよいの家の前に到着した。

もしものときのためにトラックには何人か残していったほうがいいかもしれない。

やよいの家に入るメンバーはどうしよう。

春香、雪歩、貴音、響、美希

全員で行ってもいいし、P一人で行ってもいい。

>>264

268: 2012/07/14(土) 15:54:35.95
P「春香!一緒に行くぞ!」

春香「はい!」

P「貴音!……はやめたほうがいいな。美希。いつでもエンジンをかけて出発できるようにしといてくれ」

美希「分かったの!」

P(そんなに時間はかけなくていい、ちょっと覗いて、やよいがいたら連れていけばいいし、いなかったら避難したんだろう)

俺は玄関の扉に手をかける。

開かない。

P「…………」

273: 2012/07/14(土) 15:57:15.01
春香「鍵がかかってるってことは……留守ってことですかね?」

P「…………」

インターフォンを押してみる。

……何も反応がない。

駄目だ。不安で心が折れそうだ。

中に、誰もいないってことを確認しなければ、進めそうにない。

1.玄関のドアを破壊する。(拳銃)

2.玄関のドアを破壊する。(体当たり)

3.鍵を壊す道具を探してくる。

>>276

276: 2012/07/14(土) 15:57:55.61

282: 2012/07/14(土) 15:59:58.15
P「春香……ちょっと下がってろ」

春香「え?」

俺は玄関の扉に向かって体当たりをした。

春香「ぷ、プロデューサーさん!?」

一度では壊れない。だが手ごたえはある。

数回ぶつかったとき、古い扉の鍵は壊れ、開いた。

【Pの体力3/5】

288: 2012/07/14(土) 16:02:16.51
タタタ……

廊下の奥から見慣れた顔が駆けてくる。

ああ、あの顔は長助だ。やよいの弟だ。

何度かもやしパーティーに誘われたことがあるから知っている。

それが今、口から血をたらしながらこちらに向かって走ってきている。


1.長助を抱き上げる。

2.長助を頃す。

>>292

292: 2012/07/14(土) 16:03:04.38

302: 2012/07/14(土) 16:05:29.22
俺は走ってきた長助の胸に向かって、コンビニで手に入れたナイフをつき立てた。

長助はバランスを失い、一度は倒れるが、それでも這うようにこっちに向かってくる。

P「ごめんな長助」

俺は長助の頭を足で踏み砕いた。


309: 2012/07/14(土) 16:09:11.12
長助は奥の部屋から飛び出してきた。

俺は靴も脱がずに廊下を進む。

奥の部屋には……5人分の氏体が転がっていた。

女性の氏体はやよいの母親のものだろう。

男性の氏体はやよいの父親のものだろう。彼はバットを握っていた。

ほかの三人は子供の氏体だった。

やよいの弟、妹たちだ。

やよいの氏体はなかった。

春香「うぅうぅぅぅ……!」

春香は吐きそうになるのをこらえている。


313: 2012/07/14(土) 16:13:35.55
氏体はそれぞれ頭を砕かれていた。

父親の氏体以外は。

そういえば長助の口から垂れていた血は新しかった。

となると、この状況は、父親が奴らと同じになった家族をひとりひとり頃していったが、

最後は長助に噛まれ、息絶えた、ということだろう。

P「……」

1.やよいの父親の頭を破壊する。(銃を使って)

2.やよいの父親の頭を破壊する。(バットを奪って)

3.やよいの父親を放置する。家から出る。

>>325

少々出かけるわwwwwwwwwwwwwww

15分くらいで帰って来るわwwwwwwwww

325: 2012/07/14(土) 16:17:14.88
3

333: 2012/07/14(土) 16:33:11.00
P「もう時間がない……トラックに奴らが集まってくるかもしれない」

春香「でも……!」

P「いいから行くぞ!」

できれば……もう見知った顔の人間を頃したくはない。

氏亡した人間は、通常よりもはるかに早く、あいつらになる。

それを避けるには、ここから一刻も早く、出なければ……

そのとき、廊下の脇のトイレのドアが開いた。

中からやよいが顔を出す。目があった。

やよい「プロデューサー?春香さん?」

P「やよっ……!」

そしてやよいは俺の顔の少し横に視線をずらして、言った。

やよい「……お父さん?」

339: 2012/07/14(土) 16:37:28.67
春香「プロデューサー!危ない!!」

先に反応したのは春香だった。春香に突き飛ばされ、俺は床に尻餅をついた。

顔をあげたとき、やよいの父親は春香の上に覆いかぶさっていた。

P「は、春香!」

春香「プロデューサー!助けて!」

1.拳銃でやよいの父親の頭を撃ち抜く。

2.やよいの父親を無理やり引き剥がす。

3.やよいに助けを呼びに行かせる。(誰を呼ぶかも合わせて)

>>342

342: 2012/07/14(土) 16:38:01.82
2

348: 2012/07/14(土) 16:41:06.42
P「やめろ!春香を離せ!!」

俺はやよいの父親の肩を掴み引き剥がす。

だがやよいの父は腕を振り回し、俺を投げ飛ばした。

俺は背中から地面に転がった。

春香「ゲホッ!ゲホッ!ゴホッ!」

P「やよい!早く春香を連れていくんだ!」

やよい「え、おとうさ……え……?」

P「早くっ!」

やよい「……!春香さんっ!」

やよいは春香に肩を貸し、玄関へと向かった。

352: 2012/07/14(土) 16:44:36.88
俺はなんとか息を整え立ち上がった。

畳の上に転がっていた。やよいの父のバットを拾う。

P「……ごめんなさい!!」

思い切り振りかぶって、バットをやよいの父親の側頭部に叩きつけた。

少し体制を崩した。が、頭を完全に破壊するには至らない。

だがそれで十分だった。

俺はバットを投げ出し、よろめいた隙をついて玄関へと走った。

【Pの体力2/5】


354: 2012/07/14(土) 16:47:40.44
美希「ハニー!何があったの!?」

外では美希と響がトラックの上に春香を引き上げていた。

P「説明は後だ!逃げるぞ!」

俺は運転席に乗り込む。エンジンはすでにかかっている。

助手席のやよいがかけてくれたのだろう。

P「出発するぞ!」

最後に、やよいの家の玄関から、やよいの父親の顔が見えた気がした。

360: 2012/07/14(土) 16:54:20.06
やよい「プロデューサー……あのね……昨日ね……かすみがね……おかしくなってね……」

P「……大丈夫だ。しゃべらなくていい。」

やよい「かすみがね……あたしに噛み付いてね……それでかすみはね……お医者さんがくるまで縛ってたんだけどね……」

P「やよい……」

やよい「ちゃんと縛ってたのに……さっき、かすみが縄ををちぎって……それでお母さんに噛み付いて……お父さんが逃げろって……」

P「やよいッ!」

やよい「!!」ビクッ

P「今さっきなんて言った!?」

365: 2012/07/14(土) 16:57:23.99
やよい「お、お父さんが逃げろって……」

P「その前!」

やよい「かすみが縄をちぎって……」

P「もっと前だ!」

やよい「か、かすみがあたしに噛み付いて……?」

やよいの右手を見る。

さっきは気づかなかったが、確かに右手に包帯を巻いている。

P「そんな……なんで……!!」

やよい「……プ……プロデューサー?」

372: 2012/07/14(土) 17:00:01.94
俺はやよいに銃口を向けた。

やよい「え……?な、なんで……?プロデューサー?」

P「やよい……!」

1.やよいを頃す。

2.やよいと話を続ける。

>>377

377: 2012/07/14(土) 17:00:55.39
あれ?でも昨日噛まれてたら8時間経ってないか?

386: 2012/07/14(土) 17:01:59.68

397: 2012/07/14(土) 17:03:44.17
やよい「プロ……デューサー?」

P「すまない……やよい……!」

俺はやよいに向けて引き金を引いた。

414: 2012/07/14(土) 17:09:38.62
残弾 6発
【P 体力2/5】

あずさの氏体は道路脇に置いてきた。

美希や雪歩、響から理由を問い詰められた。(春香はショックでしゃべれもしなかった)

俺はやよいの噛み傷について説明した。

彼女たちは泣いていた。俺もやるせない気持ちでいっぱいだった。

今、助手席には誰も座っていない。

全員、後ろの荷台にいる。

座りたくないのだろう。当然だ。

そして誰も俺の隣にいないことが逆にありがたかった。

彼女たちは表面上は納得したが、そう簡単に割り切れるものでもない。

俺は、彼女たちから責められるような視線を向けられるのに耐えられないだろう。

430: 2012/07/14(土) 17:13:58.09
キキーッ

P「ついたぞ……病院だ」

ここが、救助ヘリが来るという病院。

だが、その周囲はいまや、奴らの大群でいっぱいだった。

ごめんね……やよいだったごめんね……

響「人の集まるところに、あいつらも集まる、ってことなのかなぁ……」

貴音「面妖な……」

美希「ハニー……あの中に突っ込むつもりなの?」

P「…………」

1.トラックで群れに突っ込む。

2.周囲を回ってみる。

3.もう少し建物の状況を観察する。


>>435




435: 2012/07/14(土) 17:14:57.65

439: 2012/07/14(土) 17:19:47.38
P「あそこに突っ込むのは無茶だ。別の入り口がないか確認してみよう」

春香「そう……ですね……そのほうがいいですね……」

俺はハンドルを切り、病院の周囲を回ってみる。

響「あっ!あれ!あそこから入れるんじゃないか?」

響が指差したのは職員用の裏口らしい扉だった。

P「なるほど……あそこの周囲には奴らはいないしな……」

P(だが、扉が開いてるとは限らない。どうする?)

1.裏口を調べる。

2.さらに周囲を捜索する。

>>443

443: 2012/07/14(土) 17:20:53.59

446: 2012/07/14(土) 17:23:39.14
P「駄目だ。鍵を開けている間に襲われるかもしれん……」

響「ん?プロデューサー!あれ!」

P「ん?今度はなんだ?」

響は病院の屋上を指差していた。

そこにはスーツを着た女性のシルエット……いや、あれは律子だ!

P「なんかプラカードを持ってるぞ……」

律子はプラカードにマジックですらすらと何かを書き始めた……が、

P「み、見えん……」

貴音「見えません……」ホソメ

448: 2012/07/14(土) 17:25:50.83
響「自分は見えるぞ!自分視力2.0だからな」

響「なになに?『今、裏口の扉を開けるから』」

響「『絶対、扉壊すな!!』だってさ!」

P「こっちがやろうとしてることはお見通しか……」

しばらく待ったら裏口の扉が開けられた。

452: 2012/07/14(土) 17:29:27.96
裏口から姿を見せたのは真だった。

真「プロデューサー!みんな!無事だったんですね!早くこっちへ!」

雪歩「真ちゃん!よかったぁ~!」

俺は裏口の近くにトラックを止め、荷物を中に運びこんだ。

全員が入ったあと、真は再び裏口の扉に鍵をかけ、俺たちが通るために開けてくれたらしいバリケードを再び設置しなおした。

456: 2012/07/14(土) 17:34:15.18
亜美・真美「あっ!にーちゃん!みんな!」

あずさ「よかった……みんな無事だったんですね……」

伊織「心配させないでよね……」

千早「…………」

律子「プロデューサー!良かった!途中でいなくなっちゃったから心配でしたよ!」

どうやら律子と一緒に行ったグループも全員無事なようだった。

P「千早?どうしたんだ?」

律子「……ああ、あの子は……やよいがどこにもいないからって」

P「……!」

460: 2012/07/14(土) 17:37:25.27
律子「病院に家族で来てると思ったんですけどね~……まああの子しっかりしてるし、どこかよその避難所にいるのかも……」

P「律子……やよいは……氏んだ……」

律子「……えっ?」

俺は律子に今まで起きたことを説明した。

律子「そう……ですか……やよいが……それは千早には?」

P「当然まだ言ってない」

律子「言わないほうがいいでしょう。千早ももうギリギリなんです」

P「そうだな……」

465: 2012/07/14(土) 17:43:09.25
律子「次の救助ヘリは1時間後に来るそうです。病院にもともといた人たちと重傷者から救助されてやっと私たちの番」

P「そうか……これでやっと終わるんだな……」

病院のロビーには俺たち以外にも何人かの人たちがいた。

彼らも自分たちが救助されるのを今か、今かと待ちわびているのだろう。

病院の入り口という入り口にはバリケードが敷かれ、それぞれに見張りも立っている。

もうここは安全だ。たしかに長期間篭城するには少し不安が残るが、それも1時間後の救助ヘリですべて終わる。

P「ああ、疲れた……」

安堵したらどっと疲れが出てきた。

もう、休んでもいいだろうか?

1.救助ヘリが来るまで休む

2.病院内を散策してみる。

>>470

470: 2012/07/14(土) 17:44:25.58
2

478: 2012/07/14(土) 17:46:28.80
P「寝過ごして、救助ヘリを逃すなんて笑えないしな。ちょっと病院内を散策してみるか」

P「ひとりで回ってもいいが……誰かを連れていくのもいいな」

連れて行く人物

>>481

481: 2012/07/14(土) 17:47:15.61

488: 2012/07/14(土) 17:50:27.05
P「おーい!真~!」

真「?どうかしましたかプロデューサー?」

P「ちょっと病院探索でもしようぜ~!」

真「プロデューサー……こんなときに元気ですね……」

さっきまで極限状態だった反動なのかもしれない。

真「まあ、いいですよ。どうせ救助来るまで暇ですし。でもなんで僕?」

P「いや、なんかもし襲われたとしても真がいれば守ってくれそうだし」

真「それ普通逆じゃないですか!」

P「……え?」

真「素で聞き返さないでください……普通に凹みます」

489: 2012/07/14(土) 17:53:53.67
P「というわけで病院内を散策してみたわけだが……」

真「楽しいですか?」

P「いや、全然」

真「まあそりゃそうでしょう……病院なんて殺風景なもんですし」

真「あ、でも中庭の花畑はすっごくきれいなんですよ!行ってみます?」

P「ほほう……そりゃあ見てみたいな。まだ時間はあるか……」

と、その時。廊下の先に二人の人影が見えた。

何かを離してるらしい。

P「なんでこんなところで?」

491: 2012/07/14(土) 17:58:23.30
真「プロデューサー?どうしたんですか?」

P「シッ……」

気づかれないように、息を頃しながら、聞き耳を立てる。

人影は男女一人ずつ。

男「大丈夫か……?あともう少しだからな?」

男が女に話かけている。だが女はほとんど反応せず、うなづくだけだ。

男「あと少し……ここから抜け出せたらきっとなんとかなる。お前を殺させたりしない」

男「最悪……ヘリを奪ってでも……」

そして、男は女を抱えるように移動していった。

真「あれは……いったい何の話をしていたんでしょう?」

P「さぁな……おっと、もうこんな時間だ。ロビーに戻るぞ」

495: 2012/07/14(土) 18:03:17.65
ロビーに戻った。他のみんなははヘリが来るまで休んでいるようだ。

…………?誰かひとり、足りないような…………。

亜美「あ!にーちゃん!まこちん!どこ行ってたのさ!心配したんだよ!」

P「ああ、ちょっと暇つぶしに散歩に……ところで、あずささんは?」

真美「あずさお姉さんは探したんだけど……ロビーにいないみたい。また、迷子になっちゃったのかな?」

貴音「さすがのあずささんも、ヘリが来るころには戻る……と思いたいですが……」

あずささんが……いない?

あずささんが急にいなくなるのは今は状況が状況だ。

病院の中は安全とはいえ……。

P「ちょっと俺探してくる」

律子「ちょっとプロデューサー!もう検査が始まりますよ!」

498: 2012/07/14(土) 18:07:51.40
P「え?検査って?」

律子「プロデューサーも知ってるでしょ?あいつらに噛まれた人間は8時間以内にあいつらと同じになる」

律子「救助ヘリの中で発症してしまったら逃げ場はない。だから、ヘリに乗る前に検査を行うんです」

確かにお医者さんが生存者たちに傷がないかひとりひとり確認していっている。

俺たちの順番はまだまだ先のようだ。

P「だったら……なおさらあずささんを探してこないと……」

律子「あずささん、いなくなっちゃったんですか!?」

その時、検査を行っているあたりで叫び声が上がった。

499: 2012/07/14(土) 18:11:38.99
前のほうで一人の女性が倒れている。

その体は小刻みに震えているようだ。

医者「お、おいあんた!大丈夫かね!」

男「おいやめろ!妻に触るな!」

女のそばにいた男が医者を静止する。

真「!! あの声は!」

さっき廊下で話をしていた男女の男のほうだった。

医者は女の服の腕の部分がはだけ、その皮膚があらわになったのに気づいた!

医者「噛まれている!その女!奴らの噛み痕があるぞ!」

503: 2012/07/14(土) 18:15:16.80
生存者たちは男と女から一斉に距離を取った。

男は女を抱えたまま、入り口のほうに移動する

そしてバリケードの一部に手をかけた。

男「お前ら動くな!!ヘリに乗るのは俺たちだ!妙な真似したら扉を開けてやるからな!!」

P「な、何を言ってるんだ!そんなことして何になる!」

男は気づいていなかった。自分の腕の中の妻がすでに痙攣をやめていることを。

彼の妻はすでに氏んでいるのだ。そして――

507: 2012/07/14(土) 18:18:22.47
女「グオオォォォ!!!!」

男の腕の中にいた女は突然雄たけびを上げた。

そして自分を支えていた腕に噛み付いた。

男「うわああああ!?」

男はあまりの痛みに女を離した。

自由の身になった女は男に向き直り、腕を伸ばす。

男「ひ、ヒィィィ!」

混乱した男は最後の逃げ道へと向かった。

つまり、背後の入り口。

医者「やめろ!!扉を開けるな!!」


509: 2012/07/14(土) 18:22:13.69
男は目の前の恐怖から逃れるのに精一杯だった。

彼は持っていたナイフで入り口を閉じていた紐を切断し、外へと逃げ出した。

女は男を追って外に出る。

外にいた奴らの何人かは男を追ったが、その他の多くは新たな餌場への入り口が解き放たれたことに気づいた。

医者「まずい!早く屋上へ逃げるんだ!!」

生存者たちは一斉に階段をあがっていく。

律子「さあ!早く私たちも!」

P「…………」

律子「プロデューサー!」

1.律子についていく

2.あずさを探す


>>512

512: 2012/07/14(土) 18:23:12.75
2

517: 2012/07/14(土) 18:27:05.19
P「あずささんを探してから行きます!律子さんたちは先に!」

律子「ちょ、ちょっとプロデューサー!?」

春香「プロデューサーさん……!」

律子「あの馬鹿!もう!みんな!あずささんはプロデューサーに任せてヘリに乗り込むわよ!」

亜美・真美「う、うん……!」

P「病院の入り口は厳重にバリケードが敷かれている……外に出てるってことはないはず……!」

P「まだ探していない場所……どこだ……?どこだ……?」

真『あ、でも中庭の花畑はすっごくきれいなんですよ!行ってみます?』

P「そうだ!中庭!」

520: 2012/07/14(土) 18:30:29.88
中庭に着いた。真が言ってたとおり、見ごたえのあるきれいな花畑だ。

その中心にあずささんはいた。

P「こんなところにいたんですか。あずささん」

あずささんもこっちに気づいたようだ。にっこりと、彼女らしい微笑みを返してくれた。

あずさ「あら、プロデューサーさんに見つかってしまったわ」くすくす

P「ん?見つかった?」

それはつまり……どういうことだ?

528: 2012/07/14(土) 18:34:39.58
あずさ「プロデューサーさん……あなたはどこに行っても、必ず見つけてくれるんですね」

あずさ「そんなプロデューサーさんだから……最後に……あなただけは知っておいて欲しいの」

P「あずささん?何を言ってるんですか?みんな待ってますよ!早く行きましょう!」

あずさ「私は……一緒にいけません」

P「なぜ!」

あずささんは少し悲しそうな顔を見せた。

そして、自分のロングスカートの裾を掴み、上に持ち上げた。

あずささんの足が徐々にあらわになる。

P「あずささ……!?」

533: 2012/07/14(土) 18:38:46.54
あずささんの足首には、噛み傷があった。

あずさ「病院に来る途中で……倒れていた人に、噛まれたの……」

あずさ「噛まれた人がどうなるか知っていたけど……怖くて言い出せなかった……」

P「そんな……あずささん……!」

あずさ「氏ぬのは怖い……でも……怪物になって、人を襲うのはもっと嫌……!」

あずさ「プロデューサー……!私の最後のわがままを聞いてください」

あずさ「私を……頃してください……」

1.あずさを頃す。(拳銃)

2.あずさを気絶させ、ヘリまで連れていく(スタンガン)

3.逃げる

>>536

536: 2012/07/14(土) 18:39:30.09
3

549: 2012/07/14(土) 18:47:31.95
俺はその場から逃げ出した。

あずささんの最後の願いすら放棄し、俺はとにかく走った。

道を埋め尽くす奴らを押しのけ、ヘリまで駆けた。

その間の記憶はあいまいだ。何発も奴らの頭にぶち込んでやった。

そして……気づいたときにはヘリの中にいた。

律子「大丈夫ですか?プロデューサー」

P「律子……」

律子「あずささんは……あずささんはいなかったんですね?」

P「…………ああ」

律子「分かりました……。これで全員です!出発してください」

俺たちを乗せて、ヘリは飛び立った。

P「……この病院……空からだと、中庭がよく見えるんだな。」

中庭にはもうあずささんの姿はなかった。

俺たちは街からの脱出に成功したが、すでに感染は街の外にまで広がっていた。

奴らに対する有効な手立てはいまだ見つかっていない。
                                           END            

551: 2012/07/14(土) 18:48:14.40
終わっただと

552: 2012/07/14(土) 18:49:04.81
分岐書くならこのスレだけじゃ終わらんかもよ
どうするの>>1

560: 2012/07/14(土) 18:50:24.54
別の分岐を見るか

>>561

561: 2012/07/14(土) 18:50:40.57
見る

568: 2012/07/14(土) 18:52:22.66
>>372から

572: 2012/07/14(土) 18:56:51.30
じゃあもう安価はなしでハッピーエンドルートを一気にやっていく



引き金を引くことができなかった

俺はゆっくりと銃を下ろした。

P「……」

やよい「プロデューサー?いったい、どうしたんですか?」

P「やよい……やよいィ……」

やよい「わわっ!プロデューサー!何か悲しいことでもあったんですか!?」

今ここで、殺さなかったところで、やよいはいずれあいつらと同じになる。

ラジオで何度も聞いたし、その様子も見た。

奴らに噛まれたものは……8時間で奴らと同じになる……!

587: 2012/07/14(土) 19:03:46.03
ん?8時間?

P「ちょっと待てよ。やよい。いつ噛まれたって?」

やよい「え?え~っと、昨日のお昼くらい、です」

P「今は……もう3時を回ってるなつまり、軽く15時間ほど経過していることになる。」

P「どういうことだ?」

やよい「プロデューサー?どうかしたんですか?」

つまり、どういうことだ?やよいが噛まれた時点では妹はまだ奴らと同じではなかった?

あるいは初期段階だと感染力が弱いのか?

だが、とにかく、やよいは今頃氏んで奴らと同じになっているのにそうなっていない。

P「氏んでるはずなのに氏んでない。やよい。お前まるでゾンビみたいだな」

やよい「へっ?どういう意味ですかそれ?」

とにかく、やよいを今頃す必要はない。もし、ゾンビになったときそのときに殺せばいいだけだ。

問題を先送りにしているような気がしないでもないが。


588: 2012/07/14(土) 19:05:04.52
キキーッ

P「ついたぞ……病院だ」

ここが、救助ヘリが来るという病院。

だが、その周囲はいまや、奴らの大群でいっぱいだった。

響「人の集まるところに、あいつらも集まる、ってことなのかなぁ……」

貴音「面妖な……」

美希「ハニー……あの中に突っ込むつもりなの?」

P「…………」

589: 2012/07/14(土) 19:06:13.02
P「あそこに突っ込むのは無茶だ。別の入り口がないか確認してみよう」

春香「そう……ですね……そのほうがいいですね……」

俺はハンドルを切り、病院の周囲を回ってみる。

響「あっ!あれ!あそこから入れるんじゃないか?」

響が指差したのは職員用の裏口らしい扉だった。

P「なるほど……あそこの周囲には奴らはいないしな……」

P(だが、扉が開いてるとは限らない。どうする?)

やよい「あっ!プロデューサー!あれを見てください!」

P「ん?今度はなんだ?」

響は病院の屋上を指差していた。

そこにはスーツを着た女性のシルエット……いや、あれは律子だ!

P「なんかプラカードを持ってるぞ……」

律子はプラカードにマジックですらすらと何かを書き始めた……が、

P「み、見えん……」

貴音「見えません……」ホソメ

591: 2012/07/14(土) 19:06:50.85
響「自分は見えるぞ!自分視力2.0だからな」

響「なになに?『今、裏口の扉を開けるから』」

響「『絶対、扉壊すな!!』だってさ!」

P「こっちがやろうとしてることはお見通しか……」

しばらく待ったら裏口の扉が開けられた。

裏口から姿を見せたのは真だった。

真「プロデューサー!みんな!無事だったんですね!早くこっちへ!」

雪歩「真ちゃん!よかったぁ~!」

俺は裏口の近くにトラックを止め、荷物を中に運びこんだ。

全員が入ったあと、真は再び裏口の扉に鍵をかけ、俺たちが通るために開けてくれたらしいバリケードを再び設置しなおした。

593: 2012/07/14(土) 19:09:22.85
亜美・真美「あっ!にーちゃん!みんな!」

あずさ「よかった……みんな無事だったんですね……」

伊織「心配させないでよね……」

千早「……やよい?」

やよい「あっ!みんなも無事だったんですね!」

千早「やよいぃぃぃぃ……!」

律子「プロデューサー!みんなも!やよいも無事だったんですね!」

P「ああ、そっちこそ無事で何よりだ」


599: 2012/07/14(土) 19:13:18.43
律子「間に合ってよかった……あと1時間で救助のヘリが来るはずです」

P「ハハハ……結構ぎりぎりだったな」

律子「まだ時間もありますし……少し休んだらどうですか?」

P「ああ、そうだな……じゃあそうさせてもらうか……」

それまでの疲れが一気に押し寄せてきた。俺はソファーに横になるとすぐに眠りについた。

―――なんだか周りが騒がしい。

誰かの叫び声が聞こえる。

やよい「やめてください!離してください!!」

P「やよい!?」

604: 2012/07/14(土) 19:17:42.64
やよいが白衣の男に腕を掴まれている。

P「いったい何が……!?」

律子「やよいの腕の包帯……『奴ら』に噛まれた傷かもしれないって……」

そういうことか!うかつだった。

医者「ここに置いておくのは駄目だ!他の生存者を危険にさらすことになる!」

やよい「いやですっ!プロデューサー!助けてっ!」

P「やよい!!」

やよいを助けなければ!何か方法は……!

607: 2012/07/14(土) 19:21:52.59
俺は医者に拳銃を向けた。

P「おいあんた!やよいを離せ!」

銃を突きつけられ、医者は困惑する。

医者「あんたこの子の保護者か?残念だが、娘さんをここに置いておくわけにはいかない」

医者「あんたも知ってるだろう?奴らに噛まれた人間は奴らと同じになる」

確かに正論だ。だが……

P「だが!やよいは違う!」

医者「何が違う!」

P「やよいの傷は何かの間違いだ!でなけりゃやよいは5時間前に氏んでいることになる!」

P「やよいに手を出そうとする奴はこの俺が絶対に許さん!!うおおおおお!!」

医者「何を世迷言を!……なんだって?」

609: 2012/07/14(土) 19:23:32.90
P「へ?」

医者「今なんて言ったんだ?」

P「うおおおおおお!!」

医者「それはどうでもいい!その前!」

P「弥生に手を出そうとする奴はこの俺が許さん?」

医者「その前!」

P「やよいは5時間前に氏んでいることになる!」

医者「それだあああ!!」

619: 2012/07/14(土) 19:28:57.93
P「な、なんだ?どうしたんだ?」

医者「5時間前に氏んでいる!っていうのはつまりこの子が噛まれたのは今から15時間前!そういうことだな?」

P「あ、はい……」

医者「分からんのかね!つまりこの子は、現在唯一!人を怪物に変える病気の『抗体』をもっているかもしれないということだよ!!」

男「!」女「……」

P「は、はぁ……」

医者「ちょ、ちょっと検査させてくれ!大丈夫!痛いことはしないから!」ハァハァ……

やよい「ぷ、プロデューサー……」

P「だ、大丈夫……悪いことをするわけじゃなさそうだし俺がついててやるし……」

やよい「は、はい!プロデューサーが着いててくれるなら!」

やよい「よくわかんないけど……これでみんな助かる……ってことなんですかね?」

やよい「じゃあ私!頑張ります!注射は怖いけど……」

P「やよい……」キュン…


626: 2012/07/14(土) 19:32:53.13
しばらく後……

医者「できた!ワクチン試作型一号!」

亜美・真美「やったああああ!」

P「うおおおおおおおお!」

千早「まさかやよいが、この病気に対する唯一の抗体の持ち主だったなんてね」

律子「驚きね……でも……」

美希「たったの……一回分だけ?」


632: 2012/07/14(土) 19:42:39.22
医者「うむ……この病院の設備では一回分作るのが限界だった」

医者「それに……ぬか喜びさせて悪いが、これが本当にワクチンとなるかは微妙なところだ。実際に使ってみないことには……」

律子「これはまだ他の人たちには言わないほうがいいかもしれませんね」

P「どうして?」

律子「どうしてって……今の段階でこんなものがあるってことを発表したら、みんなこぞってそれを使いたがるでしょ?」

律子「無用な混乱を避けるためにも……それは隠しておいたほうが……」

P「なるほど……」

亜美「ん?そういえばあずさお姉ちゃんは?」

雪歩「え?さっきまでいたはずなのに」

律子「まさかあずささんまた迷子になったんじゃ……」

P「しょうがないなぁ……もうすぐ出発だっていうのに……俺が探してきます」

律子「ひとりで大丈夫ですか?」

P「ふーむ……誰か一緒にいくか?」

誰か連れていこうか?>>635


635: 2012/07/14(土) 19:43:24.46
やよい

639: 2012/07/14(土) 19:47:20.03
やよい「私も一緒に探してきます!」

律子「あっ!やよい!行っちゃった……」

P「あずささーん!どこですか~!……ここにもいないか……」

やよい「うっう~!プロデューサー!さっき人に聞いたら、中庭に行くの見たって!」

P「やよい!着いてきちゃったのか!まあいいや、中庭に行こう!多分そこにいるだろう」

やよい「うっう~!」

641: 2012/07/14(土) 19:50:12.96
中庭に着いた。見ごたえのあるきれいな花畑だ。

その中心にあずささんはいた。

P「こんなところにいたんですね!あずささん」

やよい「あずささん、やっぱりここにいたんですね~!」

あずささんもこっちに気づいたようだ。にっこりと、彼女らしい微笑みを返してくれた。

あずさ「あら、プロデューサーさんに見つかってしまったわ」くすくす

P「ん?見つかった?」

見つかったっていうのはつまり……隠れていたってことか?

645: 2012/07/14(土) 19:53:01.69
P「あずささん?そろそろヘリが来ますよ?みんな心配してます。早く行きましょう」

あずさ「ごめんなさい。私はいけません」

やよい「へっ?」

あずさ「二人は私を見つけてくれたから……二人にだけは最後に知っておいて欲しいの」

あずささんはゆっくりと自分のスカートを捲り上げた。

あずささんの足が少しずつあらわになる。

やよい「あ、あずささん!?」

P「…………これは」

648: 2012/07/14(土) 19:56:16.48
あずささんの足首には明らかな噛み傷があった。

あずさ「私ったらほんとドジ。足元に倒れていた人に気づかなくて、噛まれちゃったんです。病院に来る途中で」

あずさ「噛まれた人は怪物になる。そのことは知ってたけど、怖くて言い出せなかった」

P「で、でも!抗体が見つかったんですよ!あずささんはこれで助かるはずです!」

やよい「そうですよ!もう大丈夫です!……まだ試作って言ってたけどきっと大丈夫です!」

あずさ「もうひとりいるの」

P「えっ?」

651: 2012/07/14(土) 20:02:16.67
あずさ「この病院の中にはもう一人、噛まれた人がいるの。その人は噛まれたことを隠してる。私と同じように」

P「そんな……!!」

あずさ「その人にはね……結婚している旦那様がいるの」

あずさ「こんなことになる前はきっと本当に幸せな夫婦だったんだろうなぁって……そう思ったら……」

あずさ「私には……その二人の幸せを壊してまで……生きる権利なんてあるのかなって……」

P「あずささん!」

あずさ「プロデューサー……わがままだとはわかっています。けど私の最後のお願いを聞いてくれませんか?」

P「お願い?」

あずさ「氏ぬのは怖い……けど……怪物になってみんなを襲うのはもっと嫌……」

あずさ「プロデューサー……私を頃してください……」


1.あずさを頃す。(拳銃)

2.あずさを気絶させ、連れていく(スタンガン)

>>655


655: 2012/07/14(土) 20:03:02.02

661: 2012/07/14(土) 20:06:02.51
P「あずささん……」

あずさ「私……プロデューサーになら大丈夫よ……怖くないわ」

P「うれしいよ……あずささん……でも……」

バチィッ

あずさ「あっ…………」

P「俺はプロデューサーなんだ!アイドルを守ることを第一に考えないでどうする!!」

やよい「プロデューサー!どうするんですか!」

P「あずささんにワクチンを打つ!急がなければ!話が本当なら、もうひとりの感染者にワクチンがもう打たれてるかもしれない」

やよい「で、でもそうなったらもうひとりの噛まれた人は……!」

P「…………!」

664: 2012/07/14(土) 20:09:54.98
あずささんを背負って、ロビーに戻った。

男「ありがとう……ありがとう!!これで妻は……!」

医者「そんな期待しすぎないでください。これはあくまで試作型……本当に効くかどうかはわからない」

今まさに、ワクチンを感染者の女性に注射しようというところだった。

P「まずい!!」

やよい「待ってくださああああい!!」

医者「えっ!?」

医者の手が止まった!

669: 2012/07/14(土) 20:13:23.35
俺は拳銃を取り出し、医者に狙いを定めた。

P「注射するな!注射すると撃つぞ!」

医者「な、な、な何を!」

男「おい!なんだっていうんだ!?早くワクチンの注射を!」

律子「プロデューサー!いったい何が……あずささんはいったいどうしたんですか!?」

P「申し訳ないが……そのワクチンはここにいるあずささんのために必要なんだ……返してもらう」

俺は銃を構えたまま医者の手からワクチンを奪う。

男「な……そんな……」

千早「あずささん……噛まれていたの?」

P「……ああ」


680: 2012/07/14(土) 20:18:20.25
バタッ……

男「お、おい!お前!目を開けてくれ!おい!」

注射を待っていた女はその場で倒れた。

けいれんが始まっている……。

男「頼む!頼むよ!ワクチンをこいつに打ってくれ!俺の妻なんだ!頼むよ!」

P「……!それは……できない……すまない……」

男は女を抱きしめ、じりじりと入り口へと近づく。

男「それだったら俺にも考えがあるぞ!ワクチンをこっちに渡せ!さもなきゃあこの入り口を開放して、中をゾンビだらけにしてやろうか!!」

686: 2012/07/14(土) 20:24:00.15
P「…………」

男「どうなんだ!返事をしろよ!急げよ!俺の妻なんだよ!」

この距離では撃ったところでうまく当たるかどうか分からない

どうする……?

1.男を撃つ。

2.女を撃つ。

3.両方撃つ。

4.ワクチンを自分と相手の中間地点に投げ、拾いに来たところを射頃する。

5.ワクチンをおとなしく投げ渡す。(あずささんを見捨てる)

6.説得する。

>>689

689: 2012/07/14(土) 20:24:46.14
4

699: 2012/07/14(土) 20:28:32.96
P「……分かったよ。お前の愛情に負けたよ。お前の勝ちだ」

男「!!それじゃあ……」

P「それじゃあ……そっちにワクチンを転がすからな……」

男「あ、ああ!早くしろ!」

俺はわざと、力をこめずにワクチンの入った注射器を転がした。

当然男の足元までは届かず、中間地点で止まる。

男には時間がなかった。例えこれが罠だと気づいたとしてもワクチンを取らざるをえなかっただろう。

彼は入り口から手を離し、ワクチンを取りに走った。

それはちょうど、この拳銃の射程距離だった。

パン、パン、パン、パン!

706: 2012/07/14(土) 20:31:36.08
放たれた弾丸のうち、3発は外れたが、1発は男の心臓付近に命中した。

男「そ、んな…………」

男はなおも注射器に手を伸ばそうとする。

俺は男が手に取る前に注射器を拾った。

女「ウオオオォォォ……」

いつの間にか女は起き上がっていた。

男の敵をとるかのように、こちらに近づいてくる。

俺は最後に残った弾丸を女の頭部に撃ち込んだ。

718: 2012/07/14(土) 20:38:26.57
振り向くとみんながこっちを見ていた。

みな一様に言葉を失っていた。

P「すいません。あずさにワクチンをお願いできますか?」

医者「あ、ああ……」

律子「プ、プロデューサー!あなた!自分で何したか分かってるんですか!?」

P「分かってるさ……」

律子「こんなの……最低ですよ!もっと他に何かやり方があったはずです!」

P「最低でも、プロデューサーだ。プロデューサーがアイドルを守らなくてどうする」

律子「…………」

その後、俺たちは救護ヘリに乗り、街から脱出した。

感染は街の外にも広がっていたが、やよいの遺伝子から得られたワクチンを量産し、事態は沈静化しつつある。

地獄から生還したアイドルたちの冒険は話題を呼び、(一部の真実を隠して)映画化もされた。

いまや765プロのアイドルたちは知らないもののいないトップスターだ。


Conguraturation! あなたはすばらしいプロデューサーです!    END

722: 2012/07/14(土) 20:39:31.80
そうだな プロデューサーという意味でならすばらしいな


723: 2012/07/14(土) 20:41:21.11

引用元: P「アイマス・オブ・ザ・デッド?」