1: 2010/12/28(火) 00:15:19.41
昼休み

キーンコーンカーンコーン…♪

紬「うふふ、さぁ~て行きましょ☆」タッタッタッ…


唯「最近ムギちゃん昼休みになるとどっか行っちゃうよね?何かあったのかな?」

律「あれ、唯知らないの?」
唯「ほぇ?」

澪「ムギのやつ、昼休み限定で校内のお悩み相談室開いてるんだってさ」
唯「えー?なにそれ初耳ー」

律「先月からやってるんだ、『シスタームギのお悩み相談室』って、早くも校内で人気高いんだって」

和「なんでも恋愛相談から進路相談、友情関係家族関係部活の悩み、今日の献立まで幅広く請け負ってるそうね」

澪「これまで解決された悩みは述べ数10件、結構信頼されてるんだと。」

和「まぁ生徒会長としては、生徒の悩みを聞くのが仕事だから少し複雑なんだけどね…あはは。」
澪「……別に和の力が足りないわけじゃないと思うけど…」

唯「へー、私も何か相談乗ってもらおっかなぁー?」
律「じゃあ聞くけど唯、お前悩みなんてあったのか?」

唯「え?……ぁー…なにもなかったー、あはははは☆」

澪律和(だよなー…)

2: 2010/12/28(火) 00:16:57.05
律「でも、せっかくだし面白そうだから覗きに行こうぜー!」

唯「はい!りっちゃん隊長賛成ー☆」

澪「律、唯!ムギは遊びでやってるわけじゃ…」

律唯「えー、ヤダヤダ行きたい行きたい~~~~」ジタバタジタバタッ

和「みーお、いいじゃない。それに…あの二人が一度言ったら聞かないでしょ?」

澪「まったく…和が言うなら仕方ないか…」
澪(……いつから私と和は二人の保護者になったんだ…?)

3: 2010/12/28(火) 00:17:45.07
2階廊下

律「確か2階の空き教室だったな…あったあった、ここだ……って、なんだよこの人数…」


ガヤガヤ…ワイワイ…

「ねーねー、何占ってもらうの?」

「私は…進路、そっちは?」

「私は…恋愛…かな?///」



澪「すごい行列だな…」

和「僅か1ヶ月でここまで並ぶなんて、すごい人気なのねー」

唯「あ、誰か出てきた」

5: 2010/12/28(火) 00:20:26.61
1年A「(ガラッ)…ありがとうございました!!」

1年B「よかったねー、前向きに頑張って…だってさ」

1年A「うん…私、今度この気持ちを先輩にぶつけてみるっ!」

1年B「うん!当たって砕けろだね!」

1年A「そこは砕けちゃ駄目ぇ~~」


律「しかもめちゃくちゃ本格的っぽいと」

澪「今の1年生、どこかで…」

和「はぅ…私の立つ瀬が……」

唯「だいじょーぶだよ!和ちゃんは和ちゃんでしっかりやってるよ!」

和「唯…うふふ、ありがとうね。」

6: 2010/12/28(火) 00:26:20.25
律「おい唯、あそこ見てみ」

唯「んん…?あの子は…?」


純(…………ドキドキ///)


澪「あの子、確かジャズ研の…」

唯「純ちゃんだよ、あずにゃんと憂のお友達の」

律「声かけてみよーぜ」タッタッタッ…

澪「りーつ!ちょっ…」

律「やっほ~☆」

純「え?…あ、律先輩?」

律「どーしたのさ?悩み事?」

純「ええ、まぁ…」ドキドキ…

律「私達も相談乗るよー、なんたって梓の友達なんだしさ☆」

7: 2010/12/28(火) 00:27:06.61
澪「律ー、それをムギに話しに来てるからここに並んでるんだろーが。」ゴチンッ

律「あいた、もー澪なんだよー?」

純「あの、先輩方は?」

唯「私達、ムギちゃんがここで悩み相談してるって聞いてさ~」

律「ふふん…やはり部長としてはー、部員が何をしているのかをだな~」

澪「見え見えの嘘をつくなって」


純「あはは、みなさんありがとうございます♪」
純「でも大丈夫ですよ、そこまで深刻な悩みじゃないですし、どっちかって言うと愚痴に近い感じですしね。」

純「……でも、ムギ先輩の悩み相談けっこう頼りになるって評判だし、試しに行ってみようかな~なんて、ホントそんなノリですから。」
純「心配かけちゃってすみません、でも、ありがとうございます☆」


紬「次の方ー、どうぞー☆」

女生徒「…はい!」

和「しかし、初めて見たけどすごい人気ねぇ~」

9: 2010/12/28(火) 00:38:06.69
キーンコーンカーンコーン……


律「あ、もう昼休み終わりか。」


「ちぇー、今日こそ相談できると思ってたのにー」

「私、明日から頑張ってみる!」

「まずは…目標から頑張らないと…」



ガラッ

紬「ん~~、今日も楽しかったわぁ~☆」

唯「あ、ムギちゃん☆」

紬「あれ?みんなどうしたの?」

10: 2010/12/28(火) 00:40:50.47
律「お疲れさん。いやぁ~、ムギの相談室がここまで人気だったとは知らなかったな~」

澪「ごめん、こっそり付いてきたんだ」

和「もしかして、お邪魔だったかしら?」

紬「いえいえ、みんなも何かあったら私に是非話してね☆」

唯「うん!でも、どうしてお悩み相談室なんて開こうと思ったの?」

紬「私、前からテレビとかラジオとかでやってるお悩み相談室を開くのが夢だったのよー☆」

紬「それで、○のさんとか、細○先生みたいになれればなーって思ってねー」

律「あんまり…参考にしちゃいけなさそうなのを参考にしてる気がするが…いいのかそれは?」



澪(って事は……私なんかがもし行ったら…)

11: 2010/12/28(火) 00:45:44.98
澪ワールド


黒紬「次の方ー」
澪「(ガラッ)あの…悩み相談があるんですけど…」

黒紬「…まずアンタの場合……悩み云々よりもその引っ込み事案な性格を直す事が大事ね」ギロリ
澪「え?」

黒紬「いいから、オドオドしてんじゃないよまったく!アタシの目ぇ見な!」バンッ!
澪「ビクッ…ひいぃぃ!!」

黒紬「大体アンタは…田舎のお母さん泣いてるよ!良い歳してビクビクして…まったくアンタは…」
澪「は…はぃ……」

黒紬「もうね、いっそ部活辞めなさい、部活辞めてアタシん所でね、修行しなさい、修行。」
澪「でもでも…文化祭も…ライブハウスだって…その……」

黒紬「そんなんどーだっていいでしょ!!でないとアンタ…地獄に落ちるよ?」
澪「ぅぅぅぅ………」グズッ


澪「……そ…そんなのムギじゃないいいいい!!!!」ガクガクッ

12: 2010/12/28(火) 00:50:11.90
紬「あのー、澪ちゃん?」

律「またいつもの澪ワールドが始まったか…おーい澪戻ってこーい!」

澪「ムギー!お茶もお菓子もいらないから、いつものムギに戻ってくれえぇ~…うっうっ…」

律「戻って来るのはお前だーー!!」ゴチンッ!

澪「む~ぎ~~~!」

唯「あははは…澪ちゃんってたまに変わってるよねぇ~」
和「澪も唯にだけは言われたくないでしょうね…」

紬「澪ちゃん、だいじょーぶよ?」

澪「ほ…本当に?」

紬「ええ、私は変わらないから、安心して…ね?」

澪「う…うん。」

13: 2010/12/28(火) 00:55:58.38
放課後、部室

梓「え?ムギ先輩のお悩み相談室ですか?」

唯「そ、あずにゃん知ってた?」

梓「そりゃ噂ぐらいは聞いたことありますけど…でも、私達がわざわざ行く必要もないんじゃないですか?」

梓「だって、そもそも仲間なんですし。そうやって改まって悩み相談に行かなくても、ここにはみんながいてくれますし…」

律「お…大人な意見だな~」

唯「あずにゃんステキだよぉ~☆」スリスリ

梓「だからって抱きつかないで下さい…!」


紬「一応安心して貰えるように、お客さんとは薄布一枚挟んであるから。みんなも気にしないで来てくれて構わないのよ?」

澪「プライバシーも守られてるのか、本格的だなー。」

唯「ねえムギちゃん、もし良かったら私達にもお手伝いさせてもらえないかな?」

紬「わぁ~、嬉しいわ☆」

14: 2010/12/28(火) 01:00:08.65
澪「唯…受験勉強は…?」

唯「澪ちゃん!世の中には…勉強よりも大事なことが…いっぱいあるんだよぉ!」グッ!

律「そーだぞ澪!それを分かってくれないとは…はぅっ…お母さん悲しいわっ」ウルウル…

澪「お前ら単に勉強サボりたいだけだろーがっ」


紬「まぁまぁ澪ちゃん…実際お茶の準備だったり照明の準備だったりアロマテラピーの用意だったりと一人では手が回らない事もあったから…」
紬「だから、人手が増える事は大いに嬉しいわ☆」

梓「お茶出して…アロマだったり…しかも照明って、もうどこの占い屋敷ですか…」

澪「それかもはやカウンセリングルームだな…」

律「それじゃー、明日から私達でアシスタントやりまーす☆」

唯「いぇ~い☆」

澪「まったくお前らは…わかったよ、ムギ、私にも手伝える事があったら言ってくれ、出来る限り協力するから」

梓「みんなずるいです!私も…何か協力したいですっ!」

紬「うふふ、みんな…ありがとう☆」

15: 2010/12/28(火) 01:06:42.91
律「もはやムギのお悩み相談室じゃないよな…いっそ昼休みティータイムのお悩み相談室にでもするか?」

唯「あはは、縮めてHTTだね、放課後ティータイムと上手くかかってるねぇ~」

澪「わかってると思うけど…相談する側は何かしら弱みがあるんだから、デリケートに扱うんだぞ?特に律」

律「むぅ~、なんで私だけ~」

梓「でもそれだと、複数の人にその…自分の悩みを聞いてもらうことになりますよね?…それってなんていうか…恥ずかしい気が…」

紬「大丈夫よ、みんなにお手伝いはしてもらうけど…基本的に相談中部屋には私とお客さんしかいないようにするから」

紬「だから、アシスタントにはお客さんの出入りがあった時だけ手伝ってもらうようにして、相談中には別室か外で待っててもらうようにして貰うわ。」

澪「それなら、プライバシーも大丈夫そうだな。」

梓「考えてますね~…」

律「これが功を成して上手い事やれば部外活動が認められて…もしかして部費アップに繋がったりして…」ニヤリ…

唯「あー、りっちゃんが悪い顔してる~」

16: 2010/12/28(火) 01:10:28.81
翌日早朝 正面玄関

澪「……ん?」

パラッ…

澪「靴箱から…手紙?」

澪(……………まさか、ら……ららら…)
澪「……………らぶれたー?///」

澪(………ドキドキ…///)

律「おーす澪おっはよーって…どーしたんだよ固まって?」
澪「(ビクッ)律!いや、なんでもないよあははははh!」ガサゴソッ!

律「ふーん。変な澪~」

澪「さ、さぁ、早く教室に行こう…」ドキドキ…
律(…?)


澪(えと…放課後…講堂裏で待ってます…か)
澪「誰かの冗談…だよな、きっと……」

澪(………………………)

17: 2010/12/28(火) 01:15:27.25
昼休み アシスタント・唯


紬「じゃあ唯ちゃん、お香を炊いてそこに置いておいてくれるかしら?」

唯「ムギちゃん、これ、もしかして全部自前?」

紬「ええ、もちろんティーセットもね」

唯(暗くても安心できる香りに優しい色合いの照明…なんか本当に専門のお店みたいだねー…)


唯「…ムギちゃんの家って本当にすごいんだね~…」

紬「うふふ、そんなことないわよ☆ それじゃあ…始めるわね。唯ちゃんは外でお待たせしてる方にお茶をお配りして貰えるかしら?」

唯「うんわかった、それじゃあ呼んで来るね~☆」ガチャッ

唯「お待たせしましたー、どうぞー☆」

19: 2010/12/28(火) 01:21:40.03
1年「は…はい!よ…よろしくおねがいします!!」

紬「はい、それで…どんなご相談かしら…?」

1年「あの…以前相談をしてもらった者なんですけど…///」

紬「ええ、覚えていますわ…確か憧れの上級生がいると仰っていた…」

1年「はい…それで、今日の放課後に…先輩に…私の気持ちを伝えようと思うんですけど…」

紬「それはそれは…素敵な事ですねぇ☆」

1年「ですが…上手く伝えられるか不安で…」

紬「あなたは…勇気が…欲しいのですね。」

1年「…はい、シスター、私に勇気を下さい…!」

紬「…うふふ。では…」


紬「―大丈夫よ、自信を持って伝えれば…結果は必ず応えてくれます―」

20: 2010/12/28(火) 01:31:03.73
1年「………あ…ありがとうございます!私…なんだかできそうな気がしました☆」

紬「良い結果が出ると良いですね…もしまた何かあれば、遠慮なくここをお尋ねなさい。私はいつでも待ってますから☆」

1年「はい!あの…シスター、ありがとうございました!」

紬「はい、では、お気を付けて…」

1年「失礼しました!」ガラッ!


唯「ありがとうございましたー☆」

1年A「どうだった?」
1年B「うん、私…やるよ☆」

紬「唯ちゃん、次の方を…」

唯「はーい、それじゃあ次の方~!」


唯(あの子すっごく元気そうだったな~、やっぱムギちゃんすごいや☆)

21: 2010/12/28(火) 01:35:36.20
放課後

澪「…あのさ律、私、少し遅れるから、先行っててくれ。」

律「ん?ああ、いいけどどーしたんだよ?」ニヤニヤ

澪「ちょっと、野暮…コホンッ、用事があってさ///」

律「ふーん、まぁ、あまり遅くならないよーになー?」

澪「うん、すぐに戻る。」

律(…………………。)

22: 2010/12/28(火) 01:44:19.06
講堂裏

澪(…………ドキドキ///)

律(気になって付いてきてしまったが…やっぱマズかったか?)
律(いや…でも、うん、澪の人気に嫉妬した不良の罠ってこともあるし…用心しとくに越したことないよな…うん!)



1年「あの、秋山先輩!」

澪「あ…もしかして、手紙くれたのって……………」

1年「はい!私、入学してからずっと秋山先輩に憧れてたんです!」

澪「そ…そうなんだ、いや、嬉しいような…照れくさいような…」

1年「あの…私…前から秋山先輩に伝えたかった事があったんです…!」

23: 2010/12/28(火) 01:49:40.47
澪(来たか…っ!///)ドキドキ

1年「あの…秋山先輩!!」

澪「は…はい!///」

1年「わ…私の……」

澪(…………)ゴクリッ




1年「師匠になって下さい…!!」

澪「そ…そんな私…!!って……へ?」

律(ズルッ!!)

1年「秋山先輩のベースに憧れてるんです!どうすれば秋山先輩みたいなかっこいいベーシストになれますか!?」

澪「あ…あの…もしかして、それを伝えるために??」

1年「はい、どーかしましたか?それとも…やっぱり無理なんですか??」

24: 2010/12/28(火) 01:55:48.38
澪「い…いや…無理じゃないけど…その…」
澪「…じゃあ今度、放課後にでも軽音部の部室、覗いてみない?」

1年「…いいんですか?」

澪「うん、弟子とか師匠ってのは無理だけど、私に教えられる事なら教えてみるからさ…☆」

1年「あ…ありがとうございます!秋山先輩!」

澪「いつでも待ってる、じゃあ、私はこれで…」
澪(変な汗かいた…部室でムギのお茶頂こう……)


律(………………)

律(まったく、私しゃなーに期待してたんだか…早く部室行こ行こ…)

25: 2010/12/28(火) 02:02:47.63
翌日 アシスタント・律


紬「次の方ー☆」

律「あの人はアリなのかねぇ…?」コンッ…

律「んん??」
律(……おいおい、壁に耳当てれば結構聞こえるじゃんよ……)


ガラッ

さわ子「あのー、私も良いでしょうか?」

紬「(この声は……)えーと、本日はいかがいたしましたか?」

さわ子「最近、私の中のキャラクターが合ってないといいますか…その…」

紬「と申しますと?」

さわ子「私は!もっとおしとやかでいたいんです、でも、周りの環境がそれを許さないと言うか…」

さわ子「おかげで彼氏にはフラれるし…クラスの問題児は進路も真面目に決めてくれないし…うううっ…」

律(生徒に何愚痴ってんだよあの人…飲み屋のオヤジかっ!)

27: 2010/12/28(火) 02:07:37.79
紬「やまな…コホン、あなたは無理に自分を貫こうと焦っているんですね~…」

紬「もっと、周りを信じてみましょう、そうすれば…きっと、道は開かれますわ…☆」

紬「たとえあなたがどう変わろうとも…それがあなたなのですよ」

紬「むしろ、そうやって壁を作ってばかりいると…誰も本当のあなたに気付けないかも…それは少し寂しいと思いませんか?」


さわ子「………確かにそうかも…私、無理に自分を曲げてたような気が……」


紬「いいじゃないですか、無理に型にはまらなくても…もっとあなたらしいあなたをさらけ出して、それを受け入れてくれる周りを信じてみましょう…☆」

紬「自分を愛せなければ人だって愛せません、そうでしょう?」


さわ子「あ…ありがとぅございます、シスターぁぁ~~」

紬「いえいえ…では、何かあれば、またここにおいでください。」

さわ子「はい、ありがとうございます!」

律「さわちゃん…仕事疲れてんのかな……」

28: 2010/12/28(火) 02:15:13.76
紬「りっちゃーん、次の方を…」

律「あーい、ええと…次の方ー?って、純ちゃん?」


ガラッ

純「失礼します…」

紬「はい、どうもこんにちは、今日はどんなお悩みを?」

純「シスターは…存在感についてどうお考えですか?」

29: 2010/12/28(火) 02:24:20.52
紬「…はい?」

純「私…その……あまりキャラが立ってないって言うか…髪もアフロだし…てか箒って言われるし…その…………」

純「とにかく!私もっと目立ちたいんです!!mopとかmobとか言われるのもう嫌なんです!」

紬「……あなたの悩みはわかりました…」

紬「あなたには…自分が思ってる以上に輝けるものがあると思いますよ?」

純「と言いますと…?」

紬「あなたはそう、いわばダイヤの原石…磨けば光る事もきっとあると思います」

紬「まずは、19日を待ちましょう…」

30: 2010/12/28(火) 02:32:26.45
純「19日…?」

紬「ええ、その日、あなたの認知度はますます大きくなると思います。」

紬「その時こそ、大いに名乗りましょう、ジョース○ー家の血族、ジ○ジ○の名を…」

純(もしかして…あのジャケ絵の事…?)

純「……はい、よくわからないけど、元気が出てきました!ありがとうございます!」

紬「いえいえ……では、頑張ってくださいねー☆」

紬(憂ちゃんと和ちゃん相手にどこまで伸ばせれるか…頑張ってね~)


律「今日はこんなもんか…しっかし、みんなけっこう悩んでるのな…」

32: 2010/12/28(火) 02:38:53.33
同日 放課後部室


ガヤガヤ…ガヤガヤ……

律「うーっす……って、何このにぎやかさ?」

梓「あ、律先輩、澪先輩のベース講座の見物生ですよ」

唯「ほとんどの人がファンクラブの隊員みたいだけどね~」

紬「みんなー?お茶とお菓子運ぶの手伝って~~」


澪「えと…ここのコードは…人差し指と中指を使って……」ドキドキ…


ジー…

「秋山先輩かっこいい~~☆」

「憧れるよねぇ~☆」

33: 2010/12/28(火) 02:49:47.70
澪(……………………は…恥ずかしい~~!!)

澪(あの子にいつでも待ってるとは言ったけど…こんなに大勢なんて聞いてないぞ~~~!!)

律「うふふ、澪ちゃんはモテますのね~☆」

純「ふむふむ…あー、そうやって弾けばいいのか…メモメモっと…」
梓(純…あんた何ちゃっかり参加してんの~!!)


1年「あの…平沢先輩…」

唯「…あ、はい?」

1年「私に…その、ギター教えてください!」

1年「新歓ライブ見て感動しました!私達!平沢先輩みたいなギタリストになりたいんです!」

唯「いやぁ~…照れるなぁ~~/////」

唯「じゃあ教えちゃおう!そのかわり、私の授業はちょっと厳しいからねぇ~?」

梓「また適当な事言って…唯先輩!私も手伝いますから!」

34: 2010/12/28(火) 03:00:58.83
1年A「琴吹先輩!あの…今度私ピアノのコンクールに出るんですけど!」
1年B「ママから聞きました!桜高の琴吹先輩って人が、ピアノでいくつも賞を貰ってるすごい人だって!」

紬「あらあら、もしかして、私にピアノを教わりたいのかしら?」

1年「「はい!!☆」」

紬「いいわよ、でしたら音楽室に移りましょうか?」



律「………………」

律「なーんで私んとこだけ……」

律「ええい!この中にドラマー志望はいないのかぁ~~~~!!!」

35: 2010/12/28(火) 03:07:25.92
ガチャッ

さわ子「あらあらどーしたの?今日はずいぶん大賑わいじゃない」

唯「さわちゃん!こっち来て~!みんなー!この人が昔軽音部の、デスデビルのヴォーカルだった山中さわちゃん先生だよー!」

さわ子「ちょっ!何勝手に人の黒歴史暴露してっ…!」ダッ…


「きゃー!さわ子先生すてき~~!!かっこいい~~~☆」


紬(先生……っ!)

さわ子(…………………)
さわ子(『もっとあなたらしいあなたをさらけ出して、それを受け入れてくれる周りを信じてみましょう…』ね…)



さわ子「………ッチィ、しゃーねーな………」

唯「おおお!さわちゃん覚醒??」

さわ子「おめーらぁ!ここに来た以上タダで帰れると思うなよぉーーーー!!!!」


「きゃーーー!!ステキ~~~~☆」


紬「先生……かっこいいわぁ☆」

37: 2010/12/28(火) 03:17:09.71
数時間後


「平沢先輩!中野先輩!ありがとうございましたー☆」

「澪先輩!今度お弁当作ってきますので…食べてください!」

「さわ子先生!今度現役時代のビデオ見せてください!」



澪「つ…疲れた」

唯「でも、楽しかったね~☆」

梓「今までで一番部活やってる感じがしましたよね…」

紬「そうね~…はい、お茶が入りましたよ~」
律「ありがと……ううう……私もドラム教えたかった~~~!!」

梓「でも、あんなにファンがいるのに…なんで新入部員は相変わらずいないんでしょうね…?」
さわ子「前に聞いたけど…HTTの輪に入れるかどうか自信がないんだってさ」

さわ子「クラスでもいるでしょ?あまりに仲良しな仲良しグループって、なかなか輪に入りづらいものなのよ…」

梓「別に…気にしなくてもいいのに…」

38: 2010/12/28(火) 03:26:18.00
さわ子「その変わりにあの素晴らしい名演奏が生まれるんだから、良いっちゃ良いんだろうけどね…」

唯「難しいね~」

澪「とりあえず…しばらく続くんだろうな…きっと…」

律「まぁ…そうだろうな…」
梓「私的には賛成です、練習にもなりますし、先輩たちのやる気もこれなら下がらなさそうですし…」チラリ…

律「なーんでそこで私と唯を見るかな~?」

梓「そんな事ないですよー?」


澪「まぁ、石の上にも3年って言うし、新入部員が入ってくれることを信じてこれからも頑張ろう、な!みんな」

一同「おー!!」

41: 2010/12/28(火) 03:40:22.89
数週間 後昼休み


憂「え?シスタームギのお悩み相談室?」
純「そう、憂は何か悩みとかある?あったら是非行ってみなって、けっこう為になるからさ☆」

憂「ん~…じゃあ今度行ってみるよ、ありがと純ちゃん」


曽我部先輩「ありがとうございましたーー!!澪ちゃん私はあきらめないわよぉ~~~!!」

和「今…見覚えのある人がいたよーな………」


憂「和さん!」

和「憂、どうしたの?」

憂「すごいんですね…紬さんの悩み相談室」

和「こうまで人気があると何があってもおかしくないからね…」
和「かといって…解散させて生徒との間に溝を作るのもよろしくないし…だから生徒会として公式に自治にあたってるってわけ」
和「おかげで昼休みはパーよ、まったく…」

憂「大変ですね…」

和「でも、生徒の明るい笑顔が見れるんだから、悪い気はしないけどね…☆」

42: 2010/12/28(火) 03:50:39.45
梓「次の方ー!って、唯先輩??」

唯「えへへ、じゃー入るよ~」ガラッ…

憂「お姉ちゃん…?」

憂(お姉ちゃんが悩みって…なんだろう…?)




憂「梓ちゃん!」

梓「憂!びっくりした、どーしたの?」

憂「今入ってったのって…」

梓「ああ、やっぱり気になる?」

憂(…………)ジッ…

梓「ふう、これは私の独り言だからね?……なんでも、壁に耳を当てれば中の音が聞こえるらしいよ?」

憂(……………)コクリッ

梓「私、前しか見ないから、何も見てないからね?」

憂(うん…ありがとう、梓ちゃん。)

43: 2010/12/28(火) 03:56:31.33
唯「失礼しまーす」

紬「あら、聞き覚えのある声…」

唯「ムギ…ちゃん、あのさ…」

紬「いいえ、私はシスタームギ、決してムギちゃんではありませんわ。」

唯「うん、ごめんね…」

紬「それで、本日はどういったお悩みを…?」

唯「あのね…すごく言いだしづらいんだけど………」

唯「妹の……事なんだ…………」

44: 2010/12/28(火) 04:03:25.73
憂(………………!!!!)
梓(憂…?)

紬「まぁ…、う…い妹さんと何か?」

唯「あのね…こんな事…妹には絶対に言えないんだけど…………///笑わないで聞いてもらえますか??」

紬「私は迷える子羊を救うシスター、笑うなんてとんでもない…さぁ、どうぞ悩みを打ち明けてください…」
憂(……………)ドキドキ…


唯「前ね…妹にカレーを作ってもらったの…っても、ウチのごはんはいつも妹が作ってくれるんだけどね」
唯「その時に気付いたの…最初はぼやけてたんだけど、今なら胸を張って言える!私のこの感じ、やっぱり間違いなんかじゃないんだよ…」

憂(まさかお姉ちゃん……わたしのことが…)

紬「……それは、何に気付いたのでしょう?」

45: 2010/12/28(火) 04:11:59.99
唯「憂の作るカレーはね…………」

紬憂(……………)ドキドキ…


唯「からいんだよ!!!!」



紬「………ッッ!!」ガタッ!!
憂(ズルルルルルルゥゥゥ!!!)

梓「………憂???今すごい音がしたような………」

唯「もうね!!からくてからくてしかたないんだよ!」
唯「憂の前では頑張って食べてるけど…けど、スパイス2杯は私的には多いんだよ!!って、シスター聞こえてる??」

紬「(ガタッゴトッ…)ええ…大丈…夫ですよ…そ…それはそれは…今まで言えなくて大変だったでしょう……」(お尻が…
憂(お姉ちゃ~~ん………)

唯「それで…いつも憂にはお世話になってるし…いつも作って貰ってるからそんな文句言えないし………でもね、私これだけは譲れないの!」

唯「私は、もっと甘口がいい!!」ドーン!

唯「なんだけど、こんな事をいつもお世話になってる妹に向かって言うにはどうすれば良いでしょうか?」

46: 2010/12/28(火) 04:24:53.90
紬「ええと…少々お待ちください…………はい、あのですね~」

紬「やはり姉妹でしたら、そういった小さな不満も遠慮なく打ち明けるべきだと思います。」

紬「小さな不満でも溜めるとやがては大きな溝にもなりかねません…」
紬「ですから、早速今日にでもその気持ちを妹さんに打ち明けてみてはいかがでしょう?」

紬「大好きなお姉ちゃんの為に毎晩夕飯を作ってくれる妹さんですもの、それで喧嘩になるような方だとは思えませんよ?」

唯「そっか…………うん!ありがとー!早速話してみるよ☆」

紬「いえいえ、また何かあれば…ここにいらっしゃいな☆」

唯「うん!ムギちゃ…じゃなくってシスター、ありがと~!」ガラッ…!

紬「唯ちゃん…面白い子ね~……」


憂(そっか…私のカレー…からいんだ…おねえちゃん今までごめんね~)

47: 2010/12/28(火) 04:34:14.19
唯「あ!憂~!」
憂「お姉ちゃん!ど…どうしたの?」アセアセ…

唯「おねーちゃんは今日憂に言いたい事があります!」フンスッ!
憂「はい!な…なんでしょう??」

唯「うい~~…あのね~~~??」

唯「カレー、今度からもうちょっと甘めに作ってもらってい~い?」

憂「……うふふっ…わかった。ごめんね?今までからくして……」
唯「こっちこそごめ~ん、いつも作ってもらってばっかりなのに…」

憂「いいって☆お姉ちゃんには私の料理、もっと美味しく食べてもらいたいから♪」

唯「うい~、ありがと~~~」スリスリ
憂「お姉ちゃん、人が見てるよ~~…」

48: 2010/12/28(火) 04:46:37.18
梓「さて次は………澪先輩?」

澪「梓…まだ、空いてる……?」

梓「ええ…大丈夫ですか?魂抜けかかってますよ??」

澪「あはは…後輩に教えるコードの復習と…受験勉強と授業の予習復習で…あまり寝てなくてさ…あと作詞も………」

梓「ちょっ!澪先輩!!肩貸しますから!とりあえず中入りましょう!」

澪「わるいなぁぁぁ…でも、もーだいじょーぶ…だいじょー……ぶ………」



紬「ええと…大丈夫ですか?顔色の悪さが布越しにでも伝わって来るようですが………」

澪「ムg…シスター…聞いてください…私は……私のような下等な生き物は…みんなの期待に添えられるだけの人間ではないのです…」

紬「とりあえず私としては…ここよりもまずは保健室に行く事をお勧めしますが…」

澪「ふっ……シスターも…こんな私用済みだと思ってるんですね…ああそーだそーだ…どーせ私なんて…」

紬「え? ああああ!落ち着いて!分かりました…あなたの悩みを…お聞かせ下さい!いえむしろ喋って下さい!心の底からぶちまけて行って下さい!」

澪「いいのですか…?私のような者が口を聞いても……??」

紬(澪ちゃん完全にノイローゼね…頑張れ私!カウンセリングよ!)フンスッ!

49: 2010/12/28(火) 04:58:24.30
紬「…コホン…あの、とりあえずハーブティーを飲んで落ち着きましょう…ね?」

澪「はい…いただきます………」コクッ…コクッ…

紬「………………」


待つこと数分…


澪「私は…駄目な女です…」

澪「慕ってくれる後輩もあんなにいるのに……私は…みんなに何もしてやれてない…」

紬「ええ…そうですか…」

澪「部活だって勉強だって…期待に添えられるような人間なんかじゃないのに…みんなの期待が私にかかってきてる気がする…」
澪「いや、気がするんじゃなくてきっとそうなんだ…」

紬「そう…ですか…」

澪「でも私は…期待に応えなきゃいけないのに…それから逃げようとしている、今まさに現状がそうだ…だからこうやって言い訳をして…私はダメな女なんだ……」

紬「………………」
紬(言ってあげたい事はいっぱいあるけど…まずは相談者が全部言い終わってから…よね。)

50: 2010/12/28(火) 05:08:27.26
澪「……シスター…どう思いますか…?」

紬「はい…では、私から…」

紬「まず期待をかけられる、これはとても名誉な事だと私は思いますよ?」

澪「………」

紬「そして…それに応えようとする姿勢、これもまた素晴らしいことです…」

澪「でも…私は……その期待から逃げ出そうとして……」

紬「あなたは逃げてなんかいない…むしろ、今、立派に戦っているじゃないですか…!」

澪「そんな……私は………」

紬「では…何故あなたは……そんなにも今ボロボロなのでしょう…?」
紬「逃げずに今まで戦っていたから…今傷ついているのでは…?」

澪「……………」ウルッ…

紬「そして、戦いを続けているうちに…自分が何のために戦っていたのかを…忘れてしまったのでは……?」

52: 2010/12/28(火) 05:19:18.05
澪「そ…それは……うっ…」ポロポロ…

紬「良いんですよ…人が頑張るのに、理由はいりません。」

紬「ただ、理由はなくても…それを支え合える仲間は…必要だと思います」

紬「あなたに必要なのは…己の士気を支える強固な意思ではなく…その背を支えられる…仲間なのでは…?」

澪「仲…間……」

紬「優しいあなたのこと…きっと、仲間にその傷を見せるのも臆病だったのでは…?」

澪「そ…それは…確かに…心配させたくなかったのはあったかも……」

紬「うふふ…仲間に遠慮は…いらないんじゃないかしら…?」ギュュウ…

澪(ムギ…いや、シスターの手……あったかい…)

紬「むしろ、仲間の傷を癒すのが仲間…でしょ?」


紬「コホン…この場で私は『頑張れ』とは言いません、何故ならあなたは…もう充分に頑張ったから…」

紬「後は、みんなに任せて…ゆっくりお休みなさい。澪ちゃん…」

澪「……はぃ………あ…ありがとう…ございます……!」

紬「梓ちゃん、出口へ…」

53: 2010/12/28(火) 05:29:50.80
梓「はい!澪先輩!」

紬(事前に頼んでおいた方、お連れできたかしら?)
梓(ばっちりです、今廊下で待ってもらってます!)
紬「うふふっ、ありがとうね☆」

唯「み~おちゃん☆顔色悪いよ大丈夫?」

律「バカ澪~、お前昔っから何でも背負い込みやがって…このこのっ!」ガシガシッ

梓「澪先輩、今日はゲストがいたの見てなかったんですか?」


「秋山さん…」


澪「この声は…曽我部…先輩…?」

曽我部「聞いたわよ、ファンクラブのみんなのために…ベースを教えてくれてるんですって…?」

澪「そんな…大した事じゃ……」

唯「それだけじゃないんですよ!それに…私やりっちゃんの勉強も見てくれて!」

律「澪のおかげで最近は部活もメリハリついたっていうか!!もう!澪がいなきゃ始まらないっていうか~!」

梓「もう、いっそ澪先輩が部長でもいいってかんじで!!」

律「あー!中野それはどーゆー意味だぁ!」

54: 2010/12/28(火) 05:36:27.32
唯「じゃー澪ちゃんが部長で!」

澪「………ぷっ…くくくっ」


一同「んん?」



澪「あはははははっっ!もう、なんだよみんなしてっ…あはははっ!」

梓「澪先輩…やっと笑ってくれましたね……☆」

澪「みんな、律は確かにだらしないけど…やっぱ、私は律が部長の方がいいな、なんていうか…そうであるべきだと思う、うん!」

唯「澪ちゃん……」

55: 2010/12/28(火) 05:44:23.21
曽我部「…今まで……ありがとう…秋山さん」

曽我部「でも、もう大丈夫よ、だからみんなの為に無理はしないで…ね?」

澪「……………はい…!でも、私…もう少し頑張れそうです…今度は一人じゃなく…みんなで頑張ってみます!」

律「へへっ…」
唯「澪ちゃん、大人だね~」

梓「感心してないで、お二人ももっと澪先輩に世話焼かせないで下さいよ?」

澪「そもそも、二人がいらん負担をかけるから私が疲れるんだからな!仲間ならもっと気を遣え~」

律「ちぇー、なんだよ元気になったからって~」

澪「あははははっ!!」


曽我部「秋山さん…良い仲間に出会えたのね…私、ここに来て…ファンクラブを作って…本当によかったわ~」

56: 2010/12/28(火) 05:52:04.79
梓「上手く行きましたね…ムギ先輩」

紬「澪ちゃんにとって『みんなの為』ってウエイトが大きかったみたいだからね」

紬「やっぱり、最後は仲間…よね~♪」


キーンコーンカーンコ-ン……

紬「あら、予鈴ね…」

紬「うふふっ…みーおちゃ~ん☆」ギュッ!

澪「うわ!シスター!」

紬「私はシスターなんかじゃないわよ? 今の私は…みんなの仲間の琴吹紬よ?」

澪「うん、ムギ、さっきはありがとうな…」

紬「なんのことかしら~?私は何も知らないわよ~☆」

唯「ムギちゃん…」



律「ふぅ…よーし!今日もあと2時間、放課後まで頑張るぞー!」

一同「お~~!!」

57: 2010/12/28(火) 06:00:05.64
唯(そうして1ヶ月…2か月と日は進み…



コンコンッ…

梓「コホン…あの…人生相談…あるんだけど………!」

紬「(梓ちゃん…あらら、無理にキャラ変えちゃって…)はいはい?いかがなさいましたか?」

梓「ぅぅ……先輩達が卒業しても…私、大丈夫なのかなーって思って…さ……」

紬「うふふ…それはですね…」


…………………

ガラッ!

梓「ありがとうございました!!」

憂「梓ちゃん!どうだった…?」

梓「うん、なんか、私の想い過ごしだったみたい、あーあ、なんかお腹すいちゃった…あはは♪」



――シスタームギの相談室も相変わらずの大盛況で…OBの方や先生の間でも結構評判がよく…

58: 2010/12/28(火) 06:03:53.24
律「あのー、すみませーん」

紬「りっ……コホン…本日はいかがなさいましたか?」

律「あのーわたし、某部活の部長なんですけどー、部活見学の子がー、私の所に全然こなくてー…」

律「それでなんていうか~、私の部長としての尊厳ってなんていうか~…」ブツブツ…

紬「では…イメチェンなんてどうでしょう?」
紬「たとえば前髪を降ろしたりして、イメチェンを図ってみては?あなたの新たな魅力に気付く人がいるかも知れませんよ?」

律「いや、私が前髪降ろすっておかしーし!!」

――おかしくねーし!!!――


律「誰だ今のーーー!!!」



―――たまに解決されたのかよくわからないときもありますが…相変わらずの大盛況です。

59: 2010/12/28(火) 06:09:56.63
―――もちろん、部活もすごい賑わいです!

澪「じゃあ今日は………前回教えたコードの復習と…」

「はい!澪先輩!!」


唯「ええと…じゃあみんなでふわふわ時間の演奏を」

「私…ラヴがいいなー」

梓「ですって…さわ子先生…」

さわ子「ああぁん?? テメーらみてーなヒヨッ子がアタシの領域に踏み込むだぁぁぁ!??面白ぇじゃねーーか!!」

―――ギターは…へヴィメタと普通の2パターンに別れてるけど…気のせいかな…みんなさわちゃんっぽくなってるような……。

梓「じゃあ、ふわふわ時間のハードロック版でいきましょうか? こんな風に」ギュイギュイギュイィィンン……!!

さわ子「いいビートだぜAZUSAぁ!気に入った…それだ!!」

唯「あずにゃん…すごすぎる……」


―――みんな、演奏技術は前と比べものにならないぐらい向上してます。

60: 2010/12/28(火) 06:15:50.76
紬「お茶は…あと15人分かしら?」


律「ううう……恥ずかしい…///」

紬「あら?りっちゃんイメチェン?」

律「お前なぁ…///」

紬「??どーかしたのかしら?」ニヤニヤ


「あれ?あの先輩……」
「可愛い~~~☆」
「あのー、田井中先輩…ですよね?ドラム…教えて下さい!!」

律「…えっと、それ、私に…?」

「はい…!」

律「へへっ…しょ…しょーがないな…………///」



―――りっちゃん、念願の後輩ができてよかったね☆

62: 2010/12/28(火) 06:20:10.08
―――そうそう、そのムギちゃんの悩み相談教室なんですが…

和「では…文化祭のクラス発表は『シスタームギの占い館』ってことで…」

紬「みんな…いいの?」

「いいよいいよ~~~!!」
「むしろやってくれ~!私も救われたんだから!!」

律「だってよー、ムギ、頑張れよ~」ニヤニヤ

―――なんと、文化祭では占い館として正式にオープンすることになり…!

父兄のみなさんや、ここを受験する予定の中学生に向けた相談室も行うみたいです。


―――文化祭といえば……HTTのライブも一味違うライブになるみたいです

律「ファンクラブのみんなと一緒に演奏するぞー!!」

澪「律!そんな大量の楽器どーするんだよ!!」

紬「うふふ…なんとシスタームギのお悩み相談室の一件をお父様に認めてもらい…」
紬「なんと、1日だけウチの楽器を全部無料でレンタルする事に承諾してもらっちゃいましたぁ~☆」バーン!

梓「すごすぎです…ムギ先輩……」

63: 2010/12/28(火) 06:23:08.89
―――そして…
ベース10人…キーボード4人…ギター6人のドラム3人…総勢23名の超楽団!新生放課後ティータイムの結成です!!

ちなみに、中には憂と純ちゃんもちゃっかりいたりします…!



講堂

唯「みんな~~~~~!!!今日はありがとーーーー!!!!」

ワーワーワーワーワー!!!!!!

唯「ファンクラブのみんな!!お父さんにお母さんに世界中のみんなにありがとーーー!!!」

ワーワーワーワーワーワー!!!!

唯「放課後ティータイムは…いつまでも…いつまでも……放課後です!!!」

64: 2010/12/28(火) 06:25:59.29
律「唯…!!」

澪「………それじゃ…聞いてください!!卒業しても変わらない輝きを…新生放課後ティータイム、NO,Thank you!」

唯「この曲は…タイトルから作詞まで部員のみんなで決めました!」

澪「みなさん、NO,Thank youのTHANKを書いてみてください!」

律「Tは田井中のT」
唯「Hは平沢のHで!」
澪「Aは秋山のA…」
梓「Nは中野のNで…」
紬「Kは琴吹のK!」


唯「私達に思い出はいらない!だって…今が輝いてるから!!!」

澪「でも、この輝きをあなたに託したい!このライブを見てる…すべての『あなた』へ…!!」

律「行くぜぇぇぇぇ!!!!!!」ドンドンドンドン……♪


「放課後ティータイムさいこーーーーー!!!!!」
「愛してるーーーーーっっっ!!!!!」

澪「~~~♪ホワイトボードにひしめきあう………♪」



――――――――ライブはもちろん…大成功!!!

65: 2010/12/28(火) 06:30:06.00
その後…音楽室で皆で大泣きして………

律「…では…名残惜しいですが…我々放課後ティータイムはぁ…グズッ…受験勉強の為に…」
律「……一時解散とします!!みなさん!!今までありがとうございました………!!」

唯「でもでも、必ず再結成して…また歌うから…みんな、それまで…まっててね………!!」

「澪せんぱーい!お疲れ様でしたー!!」

「田井中先輩も平沢先輩も…中野先輩に琴吹先輩…今までありがとうございましたー!

憂「お姉ちゃん……お疲れ様…お姉ちゃん…すごく…かっこよかったよ……!!」ギュゥゥ!

唯「憂…ありがと…」

純「梓ぁ~!私、軽音部に入るから!約束するから!」

梓「純……ありがとね………」



――― 一時的な解散式も終えて、私達は本格的に受験勉強へ……!!

66: 2010/12/28(火) 06:36:26.42
唯「X=…なんだっけ………?」
律「ここはだなー…………」

唯(………)ジーッ…
律「ん?どーした唯?」

唯「ううん…でも、髪を降ろしたりっちゃん、やっぱり可愛いねぇ~」ニヤニヤ
律「ば…バカいってないで…勉強すっぞ!べんきょー!」

澪(照れてる照れてる…)

紬「イメチェン大成功ねぇ…☆」


―――そして…みんなの第一志望への合格も決まり…シスタームギのお悩み相談室の最終日……

律「あれぇ?最終日だってのにえらく人少ないのな?」

紬「もう、みんな私の助けを必要としてないのかもね…」

唯「そうなのかな?」

紬「ええ、それに、悩み相談室がいつまでも人気があるなんて…やっぱりよろしくないわ…」

澪「ま、行列があるだけ、心を痛めてる人がいるって事だからな……」

紬「趣味で始めた道楽だけど…ここもお開きね…」ガチャッ…

67: 2010/12/28(火) 06:40:31.00
律「ちょーっと待った!」

紬「りっちゃん…?」

律「まだ一人、悩みを打ち明けてない生徒がいるんじゃないのか?」

唯「………あー、そういえば…」

紬「……?」

澪「いたな、一人だけ…」

律「ムギ、お前だー」

紬「私……?」

唯「ムギちゃんだけだよ?ここを使わなかったのはー?」

紬「そんな…私は……」

澪「ムギ、最後ぐらい…何か言っちゃおう」

律「仲間だろ、私達は?」

69: 2010/12/28(火) 06:44:52.23
紬「じゃあ……一つだけ………」

唯「うんうん…」

紬「卒業しても軽音部は…大丈夫かなって……」

律唯澪(………………)

紬「もちろん梓ちゃんの事を信じてないわけじゃないのよ、でも…」



「…………まったく……そんな事心配してたんですか???」


律「ムギの事だからそんな野暮ったい事考えてるんじゃないかと思ったよ……ほら…」

澪「その答えは、ドアの中を見れば分かるよ…」

70: 2010/12/28(火) 06:47:50.15

紬「……?」ガラッ…!


梓「誰が心配なんですか~?」

憂「むしろ…こんなにいっぱいで大丈夫かなって…」

純「上級生3人に対し新入部員15人って…ジャズ研といい勝負ですよコレ…!」

後輩一同「ムギ先輩~~~~!!」

「私たちでがんばりますから!心配しないでください!」
「唯先輩みたいなギターはまだできませんけど!梓先輩にならって覚えます!」
「私も!律先輩みたいなドラマーになります!」

「私は…澪先輩を超えます!」
「じゃー私はムギ先輩みたいなお茶を!!」

71: 2010/12/28(火) 06:50:41.89
紬「……みんな…………っ!」

律「見たかムギ!来年の新入部員は私らの時より4倍も多いんだぞ!」

唯「新歓ライブで獲得すればもっとだよ!」

澪「むしろ、全員分の衣装作るとか言ってた先生の方が心配だ!」

さわ子「なーにいってんのよ~~~~~~~………こーんくらい…へーきへーき………」バタッ!

律「どあー!さわちゃんが倒れたーー!!」

澪「ほ…保健室!保健室ー!」

唯「えいちきゅー!えいちきゅー!!」


和「あ、いたいた、みんなー?」

唯「あ、和ちゃん!」
和「みんなー、この1年お疲れ様、校長先生も褒めてたわよ、よかったわね?」
和「放課後の活動と昼休みの活動が認められて…来年度の軽音部の予算大幅アップだって」

73: 2010/12/28(火) 06:57:44.84
紬「…………………っっっっ……!!」


梓「よかった~~~☆」

澪「これで梓も一安心だな。みんな…梓、軽音部…よろしく頼んだよ。」

梓「……は…はい!」

律「今から大変だな~、梓、部長頑張れよ~?」


―――なんと、私達の活動が認められて来年軽音部の予算が増えるらしいです。

よかったね、あずにゃん……☆



律「これで、悩みの種は綺麗に飛んだよな??」

紬「………ええ…ええ………っっ…みんな…ありがとぅ…ありがとぉぉぉっ!」


―――その時のムギちゃんの涙は…とても…とても輝いて見えました………!!!

74: 2010/12/28(火) 06:59:58.69
卒業式

唯「卒業かぁ……」

律「名残惜しいけど、卒業だよなぁ~…」

澪「まだ泣くなよ…みんな…」

紬「うふふっ、一番涙目なのは誰でしょうかね~?」

澪「ムギー!」

律「とりあえず、呼ばれてるから部室に行くぞー!」

75: 2010/12/28(火) 07:02:55.53
部室

梓「あ、きたきた…」

憂「おねーちゃん、みなさん、卒業おめでとうございます☆」

「おめでとうございます!!!」

純「名残惜しいけど…今日で最後ですね…えへへっ!」グズッ…

憂「純ちゃん…泣かないって言ったのに……」

純「だってさぁ………っ!」


梓「みなさん…もう…大丈夫ですから…私達………っっっ…」

後輩A「梓先輩!やりましょう!」

梓「そう…だね……っん(ゴシゴシッ)……みなさん、私達の演奏…聞いてください……!」

後輩(ドラマー)「わんつーすりーふぉー!」

76: 2010/12/28(火) 07:05:31.04
~~~♪~~♪~~

澪「この歌は……」

梓「今ー私のー…願ーいごとがー…」

律(唯。覚えてるか?この曲…)

唯(忘れるわけないよ……私がここに来て…初めてみんなが演奏した歌だもん…!)

紬(なつかしいわ…あれからいろんなことがあったものね……)

澪(合宿やって……文化祭やって…ライブハウスでライブやって…夏フェスにも行っていっぱいいっぱいあったな…!)

律(澪…最初の文化祭の時…あははっ)
紬(りっちゃん、ふざけるのはあとで…)

律(ああ、ごめん…)

全員「こーのー大空に翼を広げ…飛んで行きたいよーー…」

77: 2010/12/28(火) 07:08:17.73
悲しみの無い自由な空へ…翼はためかせ……行きたい――――――――――


梓「………どう…だったでしょうか……」
律「……」パチパチパチ……

パチパチパチ………!!!!

唯「みんな…すごいよ!もう…私…感動だよ!!」

澪「みんながここまでしてくれて…最高に幸せだ!!」

律「もう思い残す事…ないよな?」

紬「ええ…………!!」

澪「じゃあ、今度は私達から…」

唯「勉強の合間縫って曲作ってみたんだ、聴いてくれるかな?」

梓「唯先輩……」
憂「お姉ちゃん…私、聴きたい!」

律「じゃー行くぞ!みんなハンカチ持ったかー!?」

一同「おー!!」

唯「私達の最後の…『桜高で歌う』最後の歌です!聴いてください!『天使にふれたよ!』!!」

ワーワーパチパチパチパチ!!!!

78: 2010/12/28(火) 07:10:59.09
―――演奏中…みんなは涙を止めて聴いてくれてました


―――――でも、演奏が終わったら…もう、どこからそんなに涙があったのかってぐらい号泣で……


憂「みんな…みんな…本当に…おめでとぅ……っっっ!」


唯「みんなみんな……ありがとーー!!大好き!!」

紬「みんなに会えて…私…幸せよ…!」

梓「みんなー!胴上げやるよー!!」

澪「ちょっ!梓!!みんなまで///」

一同「せーのっ!」

唯「あははははっ!!」
律「澪ー!スカートひっくりかえってって…うわー私も!///」
澪「ひいぃぃ~~~!!♪」
紬「もっと高くーーー!!」


胴上げで決まった写真には、みんなの笑顔が…!!

79: 2010/12/28(火) 07:12:59.77
後日

紬(最初は小さな夢を叶えるつもりだった…)

―――でも、その夢は雪だるまのように大きくなり…小さな悩み相談室は…大きな希望へと変わり…

―――大きな希望は―――小さな奇跡を生み…

―――今でも思う、あれは夢だったのではないのかと…

―――でも、夢じゃなかった…!

―――この写真は…あの時のまま変わらず輝いていて…そして私は……

司会「それではまいりましょう!夏の野外ロックフェスAステージ!まずは放課後ティータイムのみなさんです!!!」


律「いえええいい!!!みんなー盛り上がってるかー!!」

唯「私達が…放課後ティータイムでーす!!!」

澪「まずは一曲目!私達の代表作、ふわふわ時間!!聴いてください!」

ワーー!!ワーー!!ワーーーーー!!!!


―――大学に入ってからも…あの輝きを…あの時以上に…輝かせている――――


おしまい。

80: 2010/12/28(火) 07:23:12.90
とりあえず書ききれた…

やっぱ工口くしたり百合路線の方が受けるのかななんて思ったりしましたが…
けいおんでそれはしたくないと思ったりするわけで。

ド平日のこんな時間に需要あったのかなんて思いますが…もし読んでくれた人いたらありがとうございます…

81: 2010/12/28(火) 07:27:17.62

よかった

82: 2010/12/28(火) 07:38:34.68
乙!!

引用元: 紬「シスタームギのお悩み相談室~☆」