1: 2011/01/03(月) 21:55:23.09

さわ子「そうよ! 今度の映画化にあたって一度やっておこうと思うの」

さわ子「真の一流けいおん部員とは一体どんなものか。その身一つで教えてもらおうかしら」

梓「それって何でしたっけ? バラエティ番組?」

澪「なんかあれだろ、問題の答えはずしたらどんどんランク下がっていく奴」

梓「あー年明けにやってるアレですね」

唯「昔はゴールデンだったのにね~」

律「おおーやりたいやりたい!」

紬「私もやりたいです!」

さわ子「会場は準備できてるわ」

唯「でもさ、さわちゃん」

さわ子「何?」

唯「もしこれで……いや、やっぱいいや」

さわ子「真のけいおん部にふさわしくないと判断されたら映画の出演は無しよ」

澪「えぇええええ!!」

2: 2011/01/03(月) 21:56:39.25

和「さぁ、ようこそ一流けいおん部の皆様」

和「どうぞおかけになってください」

唯「あ、和ちゃん司会なんだ!」

和「格付けマスターと呼んで頂戴」

憂「私はナレーションだよお姉ちゃん!」

梓「唯先輩! この椅子すごいふかふかです!」

律「スリッパもやべぇ!」

澪「ふふ、なんてったって私たちは一流だからな」

律「今はな」

紬「すご~い。いつのまに舞台セットを」

和「ご存知ない方のために一応ルールを説明しておくわね」

唯「は~い」


3: 2011/01/03(月) 21:58:20.55

和「けいおん部格付けチェック‐お前たちは果たして何流けいおん部員なのか!?‐とは」

和「これから全五問、「高級品」と「一般品」を見分ける問題に挑戦してもらうわ」

和「そしてその正解数に応じてランクを決めていくの」

和「解答方法は「A」か「B」の二択」

和「で、選んだ選択肢に応じたAとBの部屋がそれぞれ用意してあるから、そこに入って正解発表を待つの」

和「どちらの部屋にもモニターが設置してあるから、次の解答者の様子を見ることができるわ」

和「全員の解答終了後、正解の部屋に私こと格付けマスターが入ることで結果がわかるシステムよ」

和「そして最初は全員「一流けいおん部」にランクされているけど」

和「1問間違える毎にランクが下がっていき、ランクが下がるにしたがって待遇も大きく変わるわ」

唯「なるほど~」

和「それではさっそくまいりましょう!」

澪「お~!」

5: 2011/01/03(月) 21:59:33.81

和「第一チェックは放課後ティータイムの代名詞ともいえるずばり『紅茶』よ」

和「最高級の紅茶と一般の紅茶を見分けてもらうわ」

和「当然高いほうを選んでもらうわね」

律「おぉ!」

唯「ただでのめるの? 太っ腹~」

梓「紅茶ですか……これはなにがなんでも外せませんね……」

紬「これ外したら私たち何のために生きてるの?って感じよね」

澪「余裕だろ。一体どれだけ飲んできたとおもってるんだ」

唯「間違えたらけいおん部の存在否定だよ~」

律「おい、無邪気にハードルあげるな!!」

7: 2011/01/03(月) 22:02:11.05

憂「今回ご用意させてもらった紅茶は」

唯「憂~」

憂「えへへ、がんばってねお姉ちゃん」

唯「うん!」

和「進行を妨げないで」

憂「こほん、それでは改めまして」

憂「今回ご用意させてもらったのは、『エリザベス女王戴冠50周年記念 ゴールデンチィップスブレンド紅茶』」

憂「エリザベス女王の戴冠50周年を記念して作られた特性献上紅茶です」

澪「よくわからないけどすごい紅茶なんだな……」

憂「お値段は40g 約25000円」

律「ぶふぅっ」

梓「もったいなくて飲めません!」

唯「庶民には値段で説明してくれたほうがわかりやすいね!」

紬(普通に飲んだことあるわ……)

9: 2011/01/03(月) 22:04:30.85

憂「そしてもう一つ。一般品としてはスーパーの特価品、大手メーカーのティーパック30袋298円」

梓「それはさすがにわかるでしょ……」

律「外したやつは今後紅茶なしで」

唯「早く飲みたいよ~」

和「では解答者は控え室へ移動して。私たちはスタジオで見守ってるわ」

和「解答の順番は名前順で行くわね」

和「それと解答者たちの様子は校内のテレビへ中継されるからそのつもりでね」

澪「名前順ってことは秋山だから私からか……みんなに見られるのか……」

唯「澪ちゃんいいなー」

律「うーっし。じゃあ行くか」

梓「楽しみです!」

紬「頑張ろうね!」

10: 2011/01/03(月) 22:05:57.21
控え室

律「このパフェうんめぇ!」

梓「このエスプレッソもおいしいです」

澪「スリッパも椅子もふっかふかだな!」

唯「いい待遇やのぅ~」

紬「これがずっと続けばいいけど……」

コンコン

唯「はーい」

純「秋山様出番です。解答室へ移動してください」

澪「よし……いくぞ……」

律「がんばれーお前ならいける」

紬「澪ちゃん! 日頃の成果みせてあげて!」

唯「澪ちゃんが外すわけないじゃん!」

梓「やめましょうよプレッシャーかけるの……」

澪「…………」ドキドキ

11: 2011/01/03(月) 22:07:24.71

憂「秋山澪様」

憂「私立桜が丘高校のけいおん部が誇るレフティーベーシスト券ボーカル」

憂「クールで優しく、大人びていてプロポーションもよく、まさに容姿端麗」

憂「さらに成績優秀で人柄もよく、スポーツも万能。完全無欠のスーパースター」

憂「わが校で唯一のファンクラブをもち、発端となったライブでの伝説はいまなお語り継がれる」

憂「HTTの楽曲は彼女によって作詞、命名されているが、そのセンスは非常に独特である」

憂「仲間からの信頼もあつい。これぞ一流けいおん部員」

12: 2011/01/03(月) 22:09:37.20

解答室

澪「…………」

いちご「まずはAから」

澪「ありがとう」

澪「……」ズズ

澪「熱い!!」

澪「ん? けどうまいな」


―――――――――


和「あちゃあいきなり飲んじゃったわね」

さわ子「香りを楽しまないなんて……」

憂「ちょっとアガってるようにも見えますけど」

和「あ、Bに口つけたわ」

14: 2011/01/03(月) 22:10:46.29

さわ子「ところでこの紅茶、特徴とかないの?」

憂「そうですね。特徴として、この紅茶はほとんどが貴重なゴールデンティップスで作られています」

憂「ゴールデンティップスとは茶樹の一番上に生えている新芽のリーフのことです」

憂「大変紅茶らしい香りを放ち、また収穫量が少ない希少なものです」

憂「そのゴールデンティップスの量により、その紅茶の善し悪しが大きく決まってしまいます」

憂「まさに『リーフのなかのリーフ』といったところです」

憂「そのゴールデンティップスをふんだんに使ったこの紅茶は」

憂「最初に口を襲うインパクトから、10秒後に様変わりするフルーティーな甘さ、何時間も浸れる甘い余韻は、もはや紅茶以上の味を髣髴させます」

さわ子「……へぇ、すごいのね! 私も飲みたいわっ!」

―――――――――

18: 2011/01/03(月) 22:13:52.77

澪「Bは……なんだか飲みにくいな」

澪「喉が若干いがらっぽいっていうか……」

澪「紅茶かコレ?」

澪「ぶっちゃけていうと口に合わないような……」

澪「まぁ、普段からいいお茶ばかり飲んでいたからな」

澪「いまさらこんな安物の紅茶なんて飲めないよ」

澪「この紅茶は出来損ないだ」

澪「というわけでAが最高級紅茶。間違いない」

純「それではAの部屋へどうぞ~」

澪「あぁ」

20: 2011/01/03(月) 22:16:13.88

ガチャリ

澪「ふぅ~」

澪「お、ここから解答室の様子がみれるのか!」

澪「Bの部屋の様子もみれるんだな」

澪(にしても、緊張して味があんまりわからなかったなんて言えないよ……)

澪「大丈夫かな……」

澪「わたしの次はムギか……ムギが来てくれたら安牌なんだけど……」

澪「なんとしてでも一流の座、氏守してみせる!」


―――――――――

さわ子「Aときましたか……」

和「そうね、あの子たちはいつもいいお茶のんでるから案外簡単なのかもね」

さわ子「次はムギちゃんね。まぁムギちゃんなら楽勝でしょ」

―――――――――

21: 2011/01/03(月) 22:18:29.70

憂「琴吹紬様」

憂「放課後ティータイムのキーボード。作曲担当」

憂「大企業の社長令嬢。美しく光るベージュ色のロングヘアーが特徴」

憂「その類まれなる才能から、『ふわふわ時間』をはじめとした数々の名曲を生み出す」

憂「4歳のころからピアノを習っており、コンクールでの受賞歴もあり、キーボードの腕は一流」

憂「腕力、財力、権力、全てにおいてけいおん部員にとって頼れる存在」

憂「彼女のもってくる紅茶とケーキは至高絶品」

憂「いま現在の放課後ティータイムのスタンスを創り上げた人物である」

憂「まさに一流けいおん部員」

22: 2011/01/03(月) 22:20:40.02

いちご「まずはAから」

紬「……」スゥ

紬(この香り……うん)

紬「いただきます」ズズ

紬(そしてこの味……間違いないわ)

いちご「Bを」

紬「……」ズズ

紬「あらあら」

紬「随分と簡単な問題ね。私たちを舐めてるのかしら」

紬「ふふ……この風味豊かな花のような香り」

紬「甘みは控えめだけどどこか力強く、渋みのない優しいテイスト」

紬「まるで喉の奥で軽快なダンス踊るような口当たりの良さ」

紬「まさに贅沢を極めた至高の一品」

23: 2011/01/03(月) 22:21:45.50

紬「答えは……Bよ!」

紬「間違いないわ!」


澪『え”っ!?』


純「それではBの部屋へ~」

紬「はぁ~い」


ガチャリ

紬「うふふ、澪ちゃん当ぜん―――」

紬「…………?」

澪『よ、よぉムギ。ハハハーどうした?』

澪『不調っぽいな』

25: 2011/01/03(月) 22:22:31.48

紬「み、澪ちゃんどうしてそっちの部屋にいるの!?」

紬「気でも触れたの!?」

澪『う、うるさいな……まだ結果はわからないだろ』

紬「澪ちゃん……とても残念ね」

紬「これからは澪ちゃんだけリプトンでいいわよね」



和「いきなり別れたわね」

さわ子「ムギちゃんの方が説得力あったしもうBで決まりじゃない?」

和「さぁどうでしょう?」

さわ子「次はあの子ね」

26: 2011/01/03(月) 22:23:44.80

憂「田井中律様」

憂「放課後ティータイムのドラム、コーラス担当」

憂「威勢の良さ、ギャグセンス、ストレートな物言いとその社交性から幅広い人脈をもつ頼れる部長」

憂「大きく露出した額と元気な跳ねっ毛が特徴的」

憂「性格面では部内の空気を尊重、周囲への細やかな気配りも忘れないムードメーカー」

憂「その存在感からけいおん部いちの愛されキャラと言えるだろう」

憂「廃部寸前のけいおん部を見事救い、現在に至る放課後ティータイムの基礎を創り上げた一流けいおん部員」


27: 2011/01/03(月) 22:26:21.26
律「よーし! やっと私の番だぞ!」

律「まちくたびれて喉カラカラだ」

いちご「……はいA」

律「サンキュー! まずはA茶からっと」グビグビ

律「うめぇ!!」

律「次はBな!」グビグビ

律「こっちもうめぇ!!」

律「よし同時にのんでみよう」グビグビグビグビ

律「うめええええ!!」

律「うめぇぇえええええこんなの飲んだことねぇ!!」

律「ってことでBです」

純「ではBの部屋へどうぞ~」



澪「なんでだよッ!!」ガタン

紬「逆にちょっと自身なくなってきたわ……」

29: 2011/01/03(月) 22:28:38.20

ガチャ

律「お! ムギじゃん! 良かった~」

紬「り、りっちゃん……」

律「なんだよ~自信持とうぜ。うまかったじゃん」

紬「そこよ……単純な味の話だとたぶん……」

律「あ?」

澪『あははは律ー! お前馬鹿だろ。ちゃんと味わえよな』

律「なんだ澪ちゅわん。一人で哀しい絵だな」

澪『うるさいな独り勝ちだ!』

澪『次は梓だなーあいつは当ててくるぞ』

紬「梓ちゃん何気にいいとこ育ちだものね」

律「ま、安っぽい舌ではないよな」

33: 2011/01/03(月) 22:30:46.65

控え室

梓「それじゃ唯先輩、いってきますね」

唯「おうおう」

梓「……だからいい加減離してください」

唯「わたしをひとりにしないで~~」

梓「必ず正解の部屋で会いましょう」

唯「あずにゃ~ん、絶対だよ~」

梓「はい!」

純「じゃ、梓こっちきて」

梓「純、それが一流けいおん部員に対する言葉遣い?」

純「すいませんでした……中野様どうぞこちらへ」

梓「わかれば宜しい」

36: 2011/01/03(月) 22:32:37.21

憂「中野梓様」

憂「けいおん部で唯一の2年生。ギター担当」

憂「しかし歳を感じさせない大人びた立ち振る舞いと、その面倒見の良さからもっぱら先輩の世話係である」

憂「ルックスは誰もが認めるレベル、その背丈と愛くるしさから、天使と形容されることも」

憂「彼女の部屋はジャズバンド系のレコードやコンパクトカセットデッキ、SACDプレーヤー、

ハイエンドクラスやミドルクラスのAVアンプなどのオーディオ機器で埋め尽くされており、

女の子らしい私物はほとんどないという音楽狂」

憂「まさに世界と音楽に愛された一流けいおん部員」

39: 2011/01/03(月) 22:34:20.20

いちご「はい。Aの紅茶」

梓「いちご先輩じゃないですか。どうしたんですか」

いちご「ただの配膳係」

梓「お疲れ様です。それではいただきます」

梓「……っとその前に香りを」クンクン

梓「鼻詰まっててわからないです」

梓「もう飲んじゃえ」ゴクゴク

梓「飲みやすくておいしい……けどどこか家庭の味がします」

梓「てかうちにこういうのある……」

梓「それではBを」ゴクゴク

梓「……苦」

梓「これは……ない、かな」

梓「正直これに25000円はだせないです」

梓「だからあえてこれで」

梓「Bです」

40: 2011/01/03(月) 22:36:12.89

澪「…………おい」

澪(そっか、素直に選んだらだめなんだー)

律『あれれー、一人ぼっちでしゅね~澪ちゃん』

澪「うぐ……」

紬『また適当な……大丈夫かな……』

律『なっかまが増えた! 仲間が増えた!』


ガチャ

梓「あ! ムギ先輩! 良かったです!」

紬「いらっしゃーい」

律「よ!」

梓「あぁ、いたんですか……」

律「くぅ~なんだお前ら私の勘を信じてないな」

41: 2011/01/03(月) 22:38:15.68

澪『梓の裏切り者ー』

梓「澪先輩……」

梓「ま、まだわかりませんし落ち込まないでください!」

澪『……』

律「あとは唯だけだな」

梓「ぶっちゃけ唯先輩は一番わからなさそうですよね」

律「何食ってもおいしいよ~しか言わないからな」

澪『この際唯でいいからこっち来てくれ……』

42: 2011/01/03(月) 22:39:14.56

憂「平沢唯様」

憂「桜ヶ丘高校けいおん部放課後ティータイムのリードギター、ボーカル」

憂「おっちょこちょいな天然でやや子供っぽく、のんびり屋でほわわんとした性格」

憂「他人を思いやれる純粋なこころと優しさを持っており」

憂「けいおん部員全員の認める癒し系」

憂「つね日頃からだらだら生きているがその一方で」

憂「音楽に関しては、自分の耳だけでチューニングを行い、他バンドの曲の耳コピを一夜でやり切るなど、絶対音感と相対音感を兼ねた才能を持ち」

憂「わずか二年でウィンドミル奏法を自力で編み出すほどの成長を見せた」

憂「作詞面では独特のセンスを発揮し、その堅実な歌唱力も大変評価されている」

憂「いまやけいおん部には欠かすことの出来ない、一流けいおん部員」


43: 2011/01/03(月) 22:41:57.52

唯「ふんす!」

唯「さぁやってまいりました!」

唯「いちごちゃんその服にあってるね~」

いちご「……はいA」

唯「おぉお~!」

唯「香りはともかくおいしそうだよー」

唯「ゴクゴク!」

唯「んーおいしいよ~。けどなんだか安物のケーキと一緒に飲みたくなる味だね!」

唯「次はB!」

唯「うわぁ……これだけ離れてても芳醇なお花の香りが私の鼻孔をくすぐる」

唯「味にも期待できるね。ゴクゴク」

唯「んーおいしいよ~。なんだか晴れやかな昼下がりのブレイクに子猫を抱きながら、静かにまったり飲みたくなる味だね」

唯「ってことでBで!」

44: 2011/01/03(月) 22:43:47.08

紬「わかってるじゃない唯ちゃん!」

梓「以外と味わかったりするんですね……」

律「本能レベルで良し悪しを見分けられるんじゃないのか?」

梓「きっとイメージが流れこんでくるんでしょうね」

澪『なんだよっ!!! ずるいぞ楽しそうに!!』


ガチャリ

唯「おじゃましま~」

梓「唯先輩!」

律「唯!」

唯「だよね~簡単簡単」

紬「いらっしゃ~い」

45: 2011/01/03(月) 22:45:12.72

律「まぁ座れ座れ」

唯「……あれ? 放課後ティータイムってこの4人だっけ?」

律「あぁほかになんかいたなぁ」

梓「私ベースやりましょうか?」

澪『……まだだ。まだわからないぞ』



さわ子「……さて、でそろったしそろそろいきますか」

和「以外な結果になったわね」

和「それでは結果発表」

憂「正解は果たしてAかBか」

憂「格付けマスターの入った部屋が正解の部屋です」

47: 2011/01/03(月) 22:46:43.33


和「心の準備はできた? 入るわよ」


澪(頼む……私に勝利を)

紬(大丈夫……私たちは大丈夫)

律(……こっちにはムギがいる)

唯(また飲みたいな~ムギちゃん持ってきてくれないかな~)

梓「ちょっと唯先輩離れてください!」



ガチャリ  テッテーンテン テッテテーン!

全員「!!」

和『おめでとう!』

55: 2011/01/03(月) 23:07:09.08

澪「うおおおおおぉぉぉ……?」


律『よっしゃああああ』

唯『いえい!』

梓『良かったですね! 唯先輩!』

紬「ほっとした~」


澪「……はぁ」


梓『あれ、向こうの部屋だれかいますよ……』

唯『おーい澪ちゃーん。ふつうの澪ちゃ~ん』

和『だめよ唯。一流の人間がそんなこと言っちゃ』

律『まぁ澪、気落ちするなって。まだ普通のけいおん部員だから。ふつうの』


澪 一流→普通
紬 一流
律 一流
梓 一流
唯 一流

56: 2011/01/03(月) 23:09:42.92

憂「いやーさすが一流けいおん部のみなさん。こんな問題お茶の子さいさいでしたね」

憂「大変失礼いたしました~」

憂「あ、でもふつうの秋山さんには難しかったかな」

憂「もっと良いもん飲めよー(笑)」

憂「普通の秋山さんの椅子とスリッパはまぁ、こんなもんで十分でしょ」


スタジオ

澪「椅子が……」

梓「澪先輩のだけパソコン教室のアレになってますね」

唯「スリッパもやっすいのになってるね」

律「うわぁこれ実際目の当たりにすると結構きついなぁ」

澪「……グス」

律「……次、がんばれ」

紬「これ以上おちたらどうなるのかしら……」

唯「み、みんなもっと楽しくやろうよ! ただのゲームみたいなもんだし!」

58: 2011/01/03(月) 23:12:01.49

和「澪、紅茶はジュースじゃないのよ?」

和「まず香りをひととおり楽しんでからちょっとずつ味を楽しむ。これが紅茶」

和「まだ、あなたにはちょっと無理だったかしらね」

和「ベースの腕前よりも先に品性をみがきなさい?」

澪「…………」プルプル

梓(まだ普通ランクなのに容赦ないですね)

律(あたしも外してたら言われてたんだろうなぁ……)

唯「いやーでも楽しかったよ」

紬「次のチェックはなにかしら」

和「第二チェックは楽器よ」

律「楽器ぃ~?」

梓「とてもけいおん部らしいですね!」

澪「次ははずせない……次ははずさない!」

唯「えー私あんまり普段から聞かないし、わかんないよー」

61: 2011/01/03(月) 23:14:24.50

律「で、その楽器は?」

和「リコーダーよ」

澪「なんでギターとかじゃないんだよ!! けいおん部関係ないだろ!!」

梓「急に元気になりましたね」

和「一つは全て象牙でつくられた最高級リコーダー。290万円」

唯「……ゴクリ」

澪「たかい!」

和「もう一本はよくあるプラスチック製リコーダー。店頭価格2900円よ」

律「うわぁ千倍の差かよ……」

唯「いくらなんでもこれは外さないでしょ……」

澪「……う、うん」

紬「あら、澪ちゃん顔がこわばってるわよ?」

律「私は例えわからなくても自分の勘を信じるぜ!」

梓「やってやるです!」

62: 2011/01/03(月) 23:16:23.90
控え室

澪「おもてなしのデザートがグレードダウンしてる……ははは」

唯「澪ちゃんのそれスーパーとかで売ってるよね」

梓「それでもちょっと高いやつなんだから充分じゃないですか?」

澪「……まぁおいしいけど」モグモグ

律「あぁ~このモンブランうめぇ!」

紬「このダージリンも最高ね」

澪「なんで私だけ麦茶なんだ……致命的に合わない」

唯「あーやだやだ。私ぜったい一流のままでいるよ!」

梓「私もです!」

コンコン

純「澪先輩出番です」

律「1ランク下がるだけで様付けじゃなくなるのか……」

澪「よし……みてろ」

63: 2011/01/03(月) 23:17:05.41

憂「総象牙製のリコーダー」

憂「人工ではなくホンモノの象牙を使った現在ではほぼ入手不可能と言われている希少なリコーダーです」

憂「その音には奥行きと広がりがあり、聴覚を通して五感全てを刺激するほどの趣があります」

憂「まずはAの演奏をお聴きください」



~~♪


澪「……」

澪「……くく」


憂「続きましてB」


~~♪


澪「……ふふ」

65: 2011/01/03(月) 23:18:15.75

澪「なんだこれ」

澪(全然わからない)

澪(でもちょっとだけBのほうが音が甘いっていうか)

澪(軽いような気がするなぁ)

澪「よし! Aだ!」

澪「というか奏者がテクでカバーしちゃうんだよな。安い楽器でもとても綺麗にきこえる」

澪「Bは安物なぶん、ちょっと強めに出してやろうって感じがした」

澪「Aで決まりだ!」

純「それではAの部屋へどうぞ~」

66: 2011/01/03(月) 23:19:36.14

和「Aを選んだわね」

さわ子「今回も自信満々じゃない」

和「虚勢を張ってるのよ」

和「さて、ではスタジオの皆様にだけ先に正解をお教えします」

和「総象牙のリコーダー290万円は」

和「Bです!」

さわ子「澪ちゃん……しっかりしてよ」

さわ子「このままじゃ映画も危ういわよ」

和「不憫な二流アーティストね」

67: 2011/01/03(月) 23:20:16.71

ガチャリ

澪「よー! って誰もいないんだよな」

澪「トップバッターはコレが嫌なんだよ」

澪「部屋をあけるときのドキドキも醍醐味だろうに」

澪「みんな早くきてくれー」←不憫な二流アーティスト

69: 2011/01/03(月) 23:23:08.50
紬「しつれいしま~す」

憂「それではAをどうぞ」

~~~♪~♪

紬「…………」

紬「……なるほど!」

憂「次はBです」

~~~♪~♪

紬「うんうん……なんとなく、Aからは前半バロック期のノスタルジーを感じたわ」

紬「音に深みがあるっていうのかしら?」

紬「高音が、低音が五感すべてに訴えかけてくるの」

紬「だからAです!」



和「あら、これは以外な答え」

さわ子「あらら」

71: 2011/01/03(月) 23:24:31.76

紬「おじゃましま~す♪」

ガチャリ

澪「よーし! ムギ! イエス!」

紬「あら、澪ちゃん! よかった~」

紬「澪ちゃんも音楽をたしなむ人だものね。安心したわ~」

澪「やっぱ音違うよな! さすが違いのわかる私たち」←間違ってるのに自信満々

紬「そうよね~今回も自信あるわよ~」←間違ってるのに笑顔

澪「次は律だな……」

紬「りっちゃんは……こないで欲しいかな、あえて」

澪「わかる」

72: 2011/01/03(月) 23:25:33.01

~~♪♪~~♪


律「……ふむふむなるほどなるほどぉ!」

律「これは……Aだろ!」

律「Aのほうがなんかいい感じだ!」

律「響いてるな。音量がでかい!」

律「象牙ってことは象なんだろ? パオーン!」

律「でかいほうが価値があって勝ちだ!」

律「なんつって!!」

純「それではAの部屋へどうぞ」

73: 2011/01/03(月) 23:26:56.29

ガチャ

律「おーいたいた」

紬「…………」

澪「おい、律なんだあの選び方は」

律「いやいやーでも結果的にあてずっぽうでも当たればいいんだよ」

澪「そりゃそうだけど」

律「お前たちがいるなら安心だ~」←間違ってます

澪「そうだな! いまんとこ全員こっちだし!」←全員で間違ってます

紬「そうよ私たちは一流だもの! 間違えるわけないわ!」←もう普通ですよ

74: 2011/01/03(月) 23:27:45.41

控え室

純「中野様、早くしてください」

梓「ちょっと唯先輩! もう出番ですから離してください」

純「またか……」

唯「う~ん一流のあずにゃんの抱き心地は最高だよ~」

唯「一流の匂い、一流の柔らかさ、一流の重み」

梓「さっきから一流一流うるさいです」

唯「怒り方も一流だね~」

梓「あーもう! 精神統一でもしといてください」ブン

唯「いってら~」

77: 2011/01/03(月) 23:28:57.22

~♪~♪~♪

梓「…………いまのがAで」


~♪~♪~♪

梓「……これがB」


~♪~♪~♪

梓「……これがAで」


~♪~♪~♪

梓「こっちがB」

梓「…………じゃあAで」

梓(こんなの全然わかんないよ……)

梓(てか演奏してるひとうますぎ……)

純「Aの部屋へどうぞ」

78: 2011/01/03(月) 23:30:09.40

梓「しつれいしま~」

ガチャ

梓「ッ!?」

澪『よぉ梓~そっちは広そうでいいなー』

梓「あれ!? 嘘ぉ!? 私一人ですか!?」

律『梓ちゃんは耳がいいんでちゅねー』

紬『すごいわねー梓ちゃん』

梓「……うぅ、そんなぁ」←不安だけど正解

梓「もう澪先輩のこと笑えないよぉ……」←半泣きだけど正解

澪『おいおい』

梓「唯先輩はどっちを選ぶのかな……」

律『はっはー!』←ハイテンションだけど不正解

82: 2011/01/03(月) 23:35:44.80

~~♪~~~~~♪


唯「……」ジーン

唯「この世に生まれた奇跡に感謝したくなるくらいの感動だよ」

唯「まるで深くてとても蒼い海の底で、気泡が生まれはじける音を一人静かに聞いてるみたい」

唯「これほどのやすらぎと幸せがあっていいのかなぁ」

唯「最高だね、Bのリコーダーは!」

唯「うーんと逆にAはね。奏者の人にテクニックがあるからかなぁ」

唯「音を大きくだそうとしてるって感じ」

唯「だから安物にしてはかなりいい音出てると思うよ」

唯「これはミュージシャンだからというか……」


唯「一流だったらすぐわかる」

84: 2011/01/03(月) 23:37:55.00

澪『!!?』

紬『でたらめいわないで!』

律『唯の分際で音楽を語るな!』

梓『唯先輩……かっこいい……』


ガチャリ

唯「あ~あずにゃ~ん!」

梓「信じてました唯先輩!」ダキッ

唯「まぁあずにゃんもミュージシャンだもんね。当然だよね」

梓「はい……はいそうです!」ギュー

唯「おーおー、一人で寂しかったんだねー」ギュー

梓「いひゃい、いひゃいですふへへ」←気持ち悪いけど一流

86: 2011/01/03(月) 23:39:20.19

澪『あーあー普通同士でじゃれ合って』

律『……はは』

紬(不安だわ……)


さわ子「それじゃいくわね」

憂「運命の結果発表」


唯「大丈夫だよあずにゃん。絶対間違いないから」

唯「こんな簡単な問題はずすようなパーチクリンのいる部屋に和ちゃんが入るわけないよ」

梓「はい! 唯先輩なら間違いはありません!」

澪『二人そろって仲良く下に落ちろっ!!』

律『たのむ……和……』

紬『一流じゃなきゃ私のイメージが……お嬢様なのに』

88: 2011/01/03(月) 23:42:12.19
ガチャリ

和「おめでとう!!」

さわ子「さすが一流ね、唯ちゃん梓ちゃん!」

唯「ほらね?」

梓「すごい……やったぁ!!!」

唯「いまのは簡単でホントよかったよ」

澪『そんな~和ぁ~』

律『ちっくしょ~』

紬『むぎぎ……』


澪 普通→二流
紬 一流→普通
律 一流→普通
梓 一流
唯 一流

92: 2011/01/03(月) 23:44:29.50

憂「いやーさすがですお姉様、中野様」

憂「真の一流けいおん部たるもの、正しい聴力と突出した感性はもってないとダメですよね」

憂「それにくらべてそっちの3人ときたら。しったかして外すほど痛々しいものはないですよ」

憂「琴吹さんは似非お嬢様だったんだ。化けの皮が剥がれましたねぇ」

憂「二流の秋山はこんな扱いで充分だろ(笑)」


澪「椅子の背もたれがなくなってる……」

律「スリッパつめてぇなー」

紬「うぅ……こんなの私じゃないわ」

梓「まだ第二チェックだから油断できませんね」

梓「いつ私たちもああなるか」


101: 2011/01/03(月) 23:53:05.49
和「第三チェックはお菓子よ!」

唯「お菓子ー!!」

律「よっしゃあ!」

和「真のけいおん部たるものスイーツの違いくらい見分けられないとだめね」

梓「もうけいおん部全然関係ないですね」

澪「よーし、そろそろ本気出すかー」コキッコキッ

紬「私も目隠しとーろうっと」

梓「見苦しいですよ」

唯「ねぇ一体どんな高級スイーツがでてくるの!?」

和「今回はそれぞれ違うお菓子をご用意したわ」

和「答えは同じだけどね」

唯「私アイスがいいなー」

和「そうね、じゃあ唯はアイスのにするわね」

106: 2011/01/03(月) 23:58:01.92
ストックなくなった。
結局誰がランク落ちてもそのファンに叩かれるんだよ
泣く

127: 2011/01/04(火) 00:10:51.80

控え室

澪「雑な扱いもだんだん慣れてくるもんだな」

澪「最初はあんなに嫌だったのに」

律「うわ、ほんとに麦茶になった!」

澪「気をつけろ律、その下はお湯だから」ズズズ

梓(馴染んでる……)

紬「りっちゃん! ムギちゃんなのか麦茶なのかはっきり発音してよ」

梓「このパフェおいしいですね!!」

唯「そうだね! 底辺饅頭かじってる澪ちゃんたちを見ながらだとなおおいしいよ!」

梓(さっきから私の中での株が右肩さがりですよ唯先輩)

澪「あーうまいうまい。たまに饅頭たべるとおいしいなー」

律「開きなおってる……」

紬「次はデザートだなんて楽しみね」

梓(ここでもりもり食べてますけどね……)

131: 2011/01/04(火) 00:15:25.31
純「秋山~」

澪「さすがに後輩に呼び捨てにされるとイラっとくるな」

純(すいませんすいません)

澪「ま、いってくる」

澪「これ以上落とすとたまったもんじゃないからな」

律「がんばれー」

唯「私の行く部屋にはいないでね」

梓(まだ三問目なのに疫病神みたいな扱いに……)

律「なんかちょっと半なきだったな」

梓「目元がきてましたね」

紬「あぁみえて澪ちゃんは強い子だからきっと大丈夫よ」

律(まけんなよ……世間の風当たりとか評判とかいろいろ!)

135: 2011/01/04(火) 00:21:04.25
憂「今回ご用意いたしましたのは」

憂「『白イチゴ~初恋の香り~のタルト』」

憂「なんと1ピース 1575円」

憂「上品な甘みとやさしい口当たりに仕上げたバニラ風味の白いババロアを上質なバターたっぷりのパイ生地に流しました」

憂「贅沢に並べた白イチゴと一緒にほおばると、サクサクのパイの食感と、ジューシーなイチゴのハーモニーが口の中いっぱいに広がります」

憂「20年の歳月を費やし生まれた世界初の白イチゴ「初恋の香り」を栽培できるのは極数名の生産者だけで、非常に稀少性の高いものです」

憂「もう一方は市販でふつーな苺タルト。1ホールで1500円」


和「贅沢ね」ジュルリ

さわ子「あぁん私もたべた~い」


いちご「はい、これ」

澪「あ、そっか食物だから目隠ししないといけないんだったな」

いちご「そう」

澪「いちごが食べさせてくれるのか? なんだか恥ずかしいな」

いちご「イチゴだけにね」

139: 2011/01/04(火) 00:27:39.13

いちご「まずはAから」

いちご「はい、あーん」

澪「はむっ」

澪「モグモグ」

澪「うまっ」

澪「……この食感くせになるな」


いちご「次はこっち」

澪「はむっ」

澪「おお!こっちもなかなか……」

澪(美味しい方はAなんだ……けどそれだともしかしたら紅茶のときみたいに外すかもしれない)

澪(ならBか!? けど裏をかいてA……ううう)

澪「よし決めた」

澪(もう迷わない。素直にいきるんだ。おもったとおりの道へすすめばいい)

澪(結果がどうなろうとかまわない)

145: 2011/01/04(火) 00:32:33.27

澪「正解の初恋なんとかかんとかタルトはAだ!」

澪(みんな、見てててくれ。私は誰に見られても恥ずかしくない生き方をする)

澪(一流だろうが二流だろうが関係ない)

澪(人間はみな等しく正しく尊いんだ)

澪(笑い飛ばされたって笑顔で手をふってやる!)

澪(それが私のぴゅあぴゅあハート)

澪「A!」


和「おー」

さわ子「え、何あたり?」

和「第三チェックは全てAです」

さわ子「なんか今の澪ちゃん……カッコイイわ。二流だけど」

和「二流なりになにか考えがあるのでは?」

149: 2011/01/04(火) 00:38:21.58
ガチャリ

澪「と~んでいっちゃえ~ きみのもとへ~わた~しの♪」

澪「はぁ……おいしかったなぁ」

澪「正解してたらかならず買いに行こう。なんとかタルト」

澪「ムギはどんなスイーツを食べるんだろう」


憂「お次に用意したのは」

憂「ホテルニューオータニ スーパーフルーツケーキ」

憂「全ての素材が最高級のフルーツケーキです」

憂「素材にこだわり、製法にもこだわって完成させた逸品」

憂「大切な人への贈り物として、自信を持っておすすめできる大人のための贅沢スイーツ、スーパーフルーツケーキと呼べるでしょう」

憂「販売価格は1個 13,650円」

憂「そしてもう一方は、私がつくったフルーツケーキです」

憂「材料費もろもろで1000円です!」

156: 2011/01/04(火) 00:40:58.86

紬「それではお願いします~」

いちご「アイマスク」

紬「これが目隠しプレイっていうやつね!?」

いちご「そう」

紬「すごいわ~。視界が真っ暗! 未来も真っ暗!」

いちご「じゃ早速たべて。Aから」

紬「私、いちごちゃんに食べさせてもらうのが夢だったの~」

いちご「叶って良かったね。あーん」

紬「ムギュムギュ」

紬「おいしい~♪」

紬「例えるならなにかしら。フルーツの集団自殺や~」

いちご「それダメじゃない」

紬「ふふ、冗談よ」

159: 2011/01/04(火) 00:45:01.15

紬「ほんとはね。フルーツの宝石箱や~っていうつもりだったの」

いちご「わざわざ無理してボケなくていいよ」

いちご「ちゃっちゃか食べて終わらせて。私ギャラとかないから」

紬「ご、ごめんなさい……食べます」

いちご「はい、あ~ん」

紬「こっちもおいしい……」

紬「けどすごく家庭的な味があるような……暖かいわ」

紬「おいしい」

紬「おいしいです。ほんとに……これ」

いちご「で、解答は?」

紬「でもおいしいほうをあてるゲームじゃないのよね」

いちご「そう」

紬「じゃあ……そうね」

161: 2011/01/04(火) 00:50:06.52
紬「Bからは憂ちゃんの真心がつたわってくるわ。だから答えはAかしら」

紬「Aです」


和「これは簡単よね」ムシャムシャ

和「憂のほうがまずいもの」ムシャムシャ

憂「えへへ~材料費ケチって腐ったフルーツつかっちゃったから」

さわ子「唯ちゃんと入れ替わってるの?」

憂「梓ちゃんあたりに当たるとよかったんだけど」

和「やっぱ憂だわ」


ガチャリ

紬「こんにちは~」

澪「おぉ! 見てたぞ」

澪「一口しか食べれないってひどいよな。せっかくおいしいスイーツなのに」

紬「あとでいくらでも取り寄せるからどうでもいいわ」

165: 2011/01/04(火) 00:55:42.84
控え室

律「よーし次は私のバンダナ」

梓「えっカチューシャやめてバンダナにするんですか!?」

唯「……しょーもないこと言うのやめようよ」

唯「こんなところで無駄にテンションあげても疲れるだけだよ」

律「唯、お前すっげぇ冷めてんな」

唯「そろそろ一流にも飽きてきてね」ヤレヤレ

唯「私も澪ちゃんみたいにボロクソされたほうがおいしいし」

梓「おいしいとかそんなこと言わないでください!」

律「ま、いってくるわ」

唯「頑張れふつうのりっちゃん」

律「私は特別でもなんでもねぇ凡人りっちゃんさ!」

梓「身の振り方をこの年で考えてるなんて泣けてきますね」

唯「いいおとなになるよ。 りっちゃんは……」

169: 2011/01/04(火) 00:59:53.75

唯「ところであずにゃんや」

梓「な、なんです?」

唯「もし一流のまま終わることができたらさ」

唯「あ、いや……なんでもない」

梓「……?」



律「たのもー!!」

律「って私のスイーツは?」

憂「はい!」

175: 2011/01/04(火) 01:04:10.40
憂「田井中さんのためにご用意させていただいたのは」

律「あ、そっかもう様付けじゃないんだな」

憂「有名ブランド、ノカ・チョコレートよりシグネチャーボックス 4ピース入り」

憂「極上のシングルカカオを使用。4種のダークチョコレート(カカオ分75%以上)の詰め合わせとなっております」

憂「それぞれ VIVIENTE:ビビエンティ。ベネズエラ産カカオ生き生きとした華やかな風味」

憂「CARMENAGO:カルメニャーゴ。エクアドル産カカオ粘りのある濃厚な風味」

憂「BAMBARRA:バンバーラ。コートジボワール産カカオ香り高い魅力的な風味」

憂「TAMBORINA:タンボリーナ。トリニダッド産カカオ刺激ある複雑な風味」

憂「となっております。販売価格は一箱7,000円」

律「たっけぇ! 4粒しかないのに!?」

律「おいおい1粒いくらだよ。わかんねーけどたっけぇ!」

憂「そしてもう一方は」

憂「こないだ梓ちゃんにつくってもらったダークチョコです」

憂「市販のチョコをとかして味付けして固めただけです」

180: 2011/01/04(火) 01:09:42.91

憂「まぁこんな糞まずい産業廃棄物と比べたら余裕ですよね」イライラ

律「おーい、スタジオどん引きしてるって。どんだけ嫌いなんだよ」

憂「おふざけはここまでにしてどうぞお召し上がりください」

律「ならとりあえず食うかー」

いちご「その前に目隠し」

律「あいよ」ゴソゴソ


澪「なんであのアイマスクって変な目がプリントしてあるやつばっかなんだ?」

紬「りっちゃんの顔おもしろーい」

紬「ねー私のはどんなのだった?」

澪「写輪眼だった」

紬「……?」


いちご「じゃあこれ、A。あーん」

律「もぐっ!」

183: 2011/01/04(火) 01:13:13.84
律「苦い……」

律「苦い…………」

律「この手のチョコ苦手なんだよなー」

律「だからあんまり食べたことない」

いちご「次はB。口あけて」

律「モグモグ」

律「苦い……」

律「苦い…………」


澪「あははー苦いしか言ってないぞ」

紬「ダークチョコは大人の味なのよー」

澪「どっちみち律の馬鹿舌じゃわからないよなー」

紬「澪ちゃんの二流の舌ならなおのことどうかしらね」

澪「ナチュラルに挑発するのやめろよ!」

185: 2011/01/04(火) 01:17:11.41
律「まようなー」

律「食べやすさでいったらBなんだよな~」

律「梓も料理ヘタではないし安物の材料でもその辺誤魔化せてるのかなー」

律「あーもう悩んでもしかたない」

律「運も実力のウチ!」

律「どーちーらーにーしーよーうーかーなー」


澪「最悪だ……」

紬「ある意味あれってタブーじゃないの?」

澪「外れてもある程度言い逃れできるもんな」

紬「もう普通とか二流とか関係なしにクズね」

澪「決まったようだぞ」


律「Bでぇ~っす!」


澪「ばいばい律」

紬「あら、寂しそうね」

189: 2011/01/04(火) 01:21:45.98
澪「別にそんなんじゃないけど」

紬「氏なばもろともがいいのね?」

澪「外れ部屋 みんなで入れば 怖くない  だ」


ガチャ

律「おいーっす! ってあれぇええ」

澪『なんだあの選び方は! ずるいぞ!』

紬『次ふざけたらそのふざけたオデコに風穴あけるわよ』

律「デコはふざけてねーって……」

澪『でもこれでムギか律は二流落ち確定だな』

澪『ざまぁみろ!』

紬『わたしが落ちる場合は澪ちゃんは三流だけどね』

澪『三流ベーシストってインディーズな感じがたまらなくロックだな』

律「だめだこいつ……恥も外聞もなくなってる」

194: 2011/01/04(火) 01:27:21.71

梓「じゃあいってきますね」

唯「あずにゃん……一流ってなんだろう」

唯「人が人を格付けすることって本当にできるのかな」

唯「いったい何をもって人の上下が、価値が決まるんだろう」

唯「私なんだか言いようもない狂気を感じて怖くなってきたよ」

唯「なんていうんだろ、人の無神経さが生み出す恐怖っていうのかな」

唯「まるで真っ暗な海に落とされたような不安感……」

唯「あずにゃんは感じ無い?」

梓「その続きは戻ってからでいいですか? めんどくさいんで」

唯「あぁ~ん、いけずぅ~~」

梓「勝手にホラーごっこやっててください」

唯「……いってらっしゃい」

197: 2011/01/04(火) 01:31:18.49

梓「なんか楽しいテンションで食べれそうにないです……」

梓「なんであんなくらい話するんだろう信じられない」

梓「で、私のスイーツは何ですか?」

和「今回ご用意いたしましたのは」

和「ルショコラドゥアッシュよりトリュフノワール。世界三大珍味の黒トリュフが入った香り豊かなショコラです」

和「一粒1050円から」

梓「あれ? 憂がナレーションするんじゃなかったんですか?」

和「なんか、嫌なんだって」

梓「……?」

梓(あんだけ説明させられてノーギャラだもんね)

和「もう一方は憂がつくったショコラよ」

憂「……」

梓「わかりました」

204: 2011/01/04(火) 01:40:04.71

いちご「まずは目隠しして」

梓「はい」スチャ

いちご(そして猫耳をそっと……)トサ

いちご(究極完全態グレートあずにゃん完成!)

いちご(写真とっておこ)ピロリーン

梓「あの、まだですか?」

いちご「はいじゃあAから。あーん」

梓「ムグムグ」

梓「あぁ、おいしいですねェ!」

梓「じゃあもうこれで決定でいいです!」

梓「はい、Aいきます!」


憂「えっ……」

憂「……は?」

憂「どうして食べないの……」ギリギリ

215: 2011/01/04(火) 01:47:47.63

梓「おじゃましま~」

ガチャ

澪「よ!」

紬「よ!」

梓「なにが『よ!』ですか」

梓「お二方がいたところでなんの安心もないですよ」

梓「そして今度は律先輩が一人ですか」

律『ちくしょ~』

澪「梓、そういえばどうしてB食べなかったんだ?」

梓「いえ、自己防衛本能が働いたというか」

梓「運命の神様が味方してくれてるんですね」

梓「私をハッピーエンドへと導いてくれるんです」

梓「私いい子ですからね。すごく」

澪「は?」

紬「なにこの子」

216: 2011/01/04(火) 01:52:57.03

律『次は唯の番か~』

澪「唯はああ見えて意外とポテンシャルが高いからな」

梓「あれでもオツム以外一流ですから」

澪「しかも唯の好物が問題になってるんだもんな」

梓「正直ひいきしてますよね、和先輩」

紬「唯ちゃんがAに来てくれればいいけど……」

律『くそー唯カモン! Bはまだ席いっぱいあいてるぞー!!』

梓「見守りましょう」

梓「唯先輩はなんだかんだで一流を取りに来るはずです」

澪「唯の本気ってやつがみれるんだな」

梓「えぇ」

梓(だって唯先輩は……さっき)

219: 2011/01/04(火) 02:01:06.51

唯「さて、そろそろいこうかな」

コンコン

純「出番です」

唯「よっし。ま、軽く一流ってこよう」

唯「本音いうとそういったくだらない定義やレッテル貼りなんてどうでもいいんだけどね」

唯「でも一流なら映画の出番とか増えるんだろうし」

唯「これから3期にむけて、なにかと立ち回りやすくなるかなー」

唯「便利なもんだよ一流って」

唯「世の中は一流を中心に回ってるからね」

唯「いやいやほんと興味ないけどね? 一流とか」

唯「…………まぁ」

唯「一応こういうスタンスでいれば仮に普通に落ちても割り切れるし、逆にすごい!みたいな?」

唯「あははー保険保険」


純(やっぱりこの人は憂の姉妹なんだな……)

221: 2011/01/04(火) 02:07:26.20

憂「デルレイのロイヤルアイスクリーム・ショコラ」

憂「味のバリエーションはJivaraジヴァラ、Manjariマンジャリ、Sao Thomeサントメの3種で、
いずれもチョコレートをベースとしたアイスクリームでありながら、
個性あるカカオを選出したことにより、従来とは全く異なるテイストのチョコレートアイスクリームが誕生しました」

憂「まるで、チョコレートを食べているかのような錯覚を覚えるほどの、風味豊かな極上のチョコレートアイスクリームです」

憂「販売価格は各2300円」

憂「もう一方業務用アイスクリームショコラ味」

憂「一個あたりのお値段約30円」


唯「ひぇ~すごい値段だね~」

唯「それが毎日たべれたら幸せだなぁ~」

唯「ま、一流ならそれくらい食べれるんだろうけどね~」


澪「どうしたんだ唯……」

紬「あきらかに様子がおかしいわ」

梓「……」

223: 2011/01/04(火) 02:11:10.48

澪「ていうかここにきて問題簡単になりすぎだろ」

紬「どう外すの?って感じよね」

梓「……唯先輩」



唯「目隠しおーけい」

唯「胃の調子おーけい」

唯「準備できました」

唯「いちごちゃん! お願いします!」

いちご「はいA」スッ

唯「んん~♪」

唯「すごいねーおいしいよー」

唯「まるで闇に沈んだ滅びの世界に一筋の光がさしこんだような」

唯「そんなイメージが脳裏をよぎったよ」

228: 2011/01/04(火) 02:20:59.65
いちご「じゃあB食べて」

唯「ペロペロ」

唯「あ!」

唯「あれ……おかしいな……」

唯「ペロペロ ペロペロ」

唯「あれぇ!?」

唯「うそだ……」

唯「味の違いがわからない……」

唯「それどころか」

唯「~~~っあぁあ――――――

唯「あれは8月もそろそろ終わりの熱帯夜、私は一人だった」

唯「暑い……五感すべてが狂ってしまうような、うだる暑さ」

唯「私はついに我慢できなくなって、右手にいくらかの小銭をにぎりしめ近くのコンビニへとむかった」


梓「なんかはじまった……」

紬「だまってききましょう」

230: 2011/01/04(火) 02:30:16.30

唯「この体の火照りはどこからくるのか。どうすれば収まるのか」

唯「なにもわからない私は一時的な熱冷ましとなるアイスを求め、狂ったように闇夜を駆けた」

唯「途中の川辺でとある人物をみつける」

唯「視界はよくないが、見慣れたシルエット」

唯「腰まで届きそうなほど長いまっすぐなツインテールに華奢な体躯」

唯「それは私の唯一とも言える後輩であった」

唯「思わず声をかける」

唯「もしもしお嬢さんや。こんな夜更けにこんな所へ何用かな?」

唯「気づいた少女が振り返る」


梓「なんで勝手に私だすんですか」

澪「そんなことがあったのか実際?」

梓「ないです」

律『長くなりそうだったら一旦トイレいってくるな』

234: 2011/01/04(火) 02:37:35.80
唯「どうしてないてるの?と私は問う」

唯「少女は答える」

唯「とっても怖い夢を見た、と」

唯「それは一体どんな夢なの?」

唯「あなたに会えない夢です」

唯「え、それは……一体」

唯「こういうことです」

唯「そうつぶやいた少女が私の背に腕を回す」

唯「私のこの熱は、これは真夏の暑さではないというの!?」

唯「うろたえる私を置き去りに続けざまに少女はこういう」

澪「完」

唯「えぇ~~!?」

梓「唯先輩って頭おかしいですよね」

唯「えぇ~~!?」

245: 2011/01/04(火) 04:02:47.73
唯「いちごちゃん突然ひどいこといわないでよ~」

いちご「なにも言ってないけど」

唯「いやー、確かにいま罵られたんだよ」

唯「だれだ……」

いちご「ここには私たちしかいない」

唯「……」キョロキョロ

いちご(けいおん部……楽しそう)


澪「で、結局なんだったんだ」

梓「きっとBがいかにすばらしいか伝えようとしたんですよ」

梓「唯先輩は頭に浮かんだことをそのまま声にだす癖がありますし」

澪「ってことは実はノンフィクションだろあれ」

梓「……はい」

紬「聞かせてもらえる?」

梓「恥ずかしいですよ……」

246: 2011/01/04(火) 04:10:33.71
澪「じー」

紬「じー」

梓「……もう。わかりました話します」

梓「無性に散歩がしたくなる夜ってありません?」

梓「理由はなんでもいいんです。好きな音楽をききたくなったとか、月が綺麗とか、風を感じたいとか」

梓「その日は私、たまたま深夜にぶらぶらしてたんですよ。あ、深夜っていっても日付変わる前です」

梓「なんだか寝付けなくってですね、河原歩きながら適当にIpodで音楽聞いてました」

梓「そしたら唯先輩に会いました。突然現れてほんとにびっくりしました」

梓「そしてその後すこしおはなしして」

梓「コンビニで買ったアイスを一緒に食べて帰りました」

梓「ほんとにそれだけです」

澪「一体どんな話したんだ?」

梓「……いろいろですよ。いろいろ」

紬「色々ねぇ……うふふ」

澪「なんか青春っぽくていいな!」

248: 2011/01/04(火) 04:27:01.66
梓「その時の記憶がフラッシュバックして急に語りだしたんでしょうね」

澪「こええなぁ」

紬「今度もっと詳しくきかせてね! 唯ちゃんとの暑い夜の話!」

梓「はいはい」


いちご「で、どっち?」

唯「……うーん」

唯「Aはおいしかった。すごくすごくね」

唯「でもBはかけがえのない大切な思い出の味がしたんだよ」

唯「暑くって冷たくって楽しかった」

唯「だからどっちが美味しいかっていわれるとBをえらぶよ私は」

唯「……何を食べるかではなく、誰と食べるかが大事なんだ」

唯「人生もね、何をするかではなく、誰と過ごすか」

唯「一流だとか二流だとかにがんじがらめにされるなんて、そんなのくだらないよ」

唯「私はね、ずっと側にいてくれる人さえいれば……」

唯「それが一流の人生なんじゃないかって思うよ」

249: 2011/01/04(火) 04:32:11.57
憂「お姉ちゃん……」

梓「唯先輩……」

和「唯……」

さわ子「唯ちゃん……」

いちご「……」ドキドキ

純「やだ、唯先輩なのに……なんなのこの気持ち」


紬「なんだかおかしなことになってきたわ」

澪「いやーアツはナツいですなー」

律『まーだやってんのかよ!』

251: 2011/01/04(火) 04:38:14.97

いちご「そ、それで解答は……」ドキドキ

唯「……私は、また大事な人とこのアイスを食べたいな」

唯「いまの気持ち、大切にしたい」

唯「だから」

唯「Bで」



梓「なんか趣旨間違えてません?」

澪「やっぱ馬鹿なんだな」

紬「ほうっておいてあげて! 恋は盲目なの! 思考回路はショート寸前なの!」

律『よっしゃぁ! よくわからんが唯がきてくれたらこわいもんなしだぜ!』←でも不正解

澪「いや、まぁまだわからないもんな」

梓「いやいや、あの味はもう確定でしょ……」 ←片方食べてないから不安

紬「……」←不安

252: 2011/01/04(火) 04:44:09.78

ガチャ

律「よぉ! 唯!」

唯「……え、りっちゃんだけ?」

律「そうだけどなにか!?」

唯「…………」

唯「……ルール……間違えました」

律「は?」

唯「うぇええええ和ちゃあああん! やり直させてよおおおおおおおおお!!」


澪『馬鹿がいるぞ。やっぱBは馬鹿のBだな』

紬『いいのよ、唯ちゃんが普通けいおん部員だろうと評価は変わらないわ』

梓『その清らかな心とまぶしい笑顔だけで、唯先輩はいつまでも一流です』


唯「グレードダウンはいやだよおおおおおおおお!!」

律「おい、まだ決まってないだろ! 諦めるな!」←二流おめでとう

254: 2011/01/04(火) 04:58:41.96
和「それじゃ、行きましょうか」

さわ子「さようなら一流の唯ちゃん」


和「はいるわよ」

澪「!」

律『きたか!? アホのA部屋に目にもの見せてやる!』←もうすぐ目にもの見せられる

紬「……お願い……ままよ」

梓「……私か唯先輩のどちらかがこれで一流の座からこぼれ落ちる」

唯『……』ニコッ


ガチャリ

和「おめでとう!」

澪「やったあああああ!!」

梓「……ィェス」グッ

紬「うふふふふ和ちゃ~ん」

律『嘘だろ……唯がいるのに……』

271: 2011/01/04(火) 12:30:37.20

律『おい、唯! どういうことだよ!』

唯『…………』

唯『わかったでしょ? 所詮私も……凡人ってことさ……』フッ

唯『これでやっと、スポットライトに焦がされる日々から抜け出せる……』

唯『あずにゃん、後はまかせたよ』

唯『私はもうすぐ卒業する、この学校から、主人公の座から』

唯『あぁ、主役じゃない私はなんだかこの照明は眩しすぎる』

唯『りっちゃんたちはいつもこんな思いをしていたんだね……』

唯『なんか、いままでごめんね』

律(どうしようもないくらいうぜぇ……)

273: 2011/01/04(火) 12:37:51.34

梓「唯先輩は例え普通でも唯先輩です!」

梓「むしろ普通の唯先輩がいいです!」

梓「唯先輩が一流だと……どんどん距離が開いていくような気がして……」

澪「うるさいなぁ一流がそんなこと言っても嫌味にしかきこえないんだよ」

紬「私たちはこの先コンプレックスに悩まされながら生きて行くのよ~」

純(ただのゲームでしょ……おおげさな)

いちご(やっぱりけいおん部楽しそう……)

275: 2011/01/04(火) 12:46:34.14
澪 二流
紬 普通
律 普通→二流
梓 一流
唯 一流→普通


憂「律先輩早くもだだすべりで二流落ち」

憂「こんな味の違いもわからないんじゃ生きてても楽しくないよね(笑)」

憂「あ、お姉ちゃんは案外普通だったんだね、ある意味ほっとしたよ」

憂「じゃあこれからはハーゲンダッツじゃなくてスーパーカップでいいね」

憂「梓ちゃんは流石だね。一流のゴキ……ううん、嫉妬しちゃうなぁ!」

憂「あとニ回頑張ってね」


律「うわ、ほんとに背もたれ無くなった……」

澪「やーい二流~」

律「澪に言われたくないやい!」

紬「唯ちゃん、普通どうし仲良くしましょ?」

唯「やっぱ普通が一番だよね」

277: 2011/01/04(火) 12:52:06.85
和「さて、あと残すところは2問よ」

唯「よし、これ以上は落ちないよ」

紬「私もさすがに二流って呼ばれたくはないわ」

梓「肩もんでくださいよ二流の先輩方」

澪「モミモミ」

梓「もうちょっと力いれて」

澪「こうか? モミモミ」

律「やめろ……悲しくなる。もっとプライドを持て」

唯「あずにゃん、そんな偉そうな座り方したらパンツみえるよ」

梓「一流のパンツが見れるなんて幸せだと思ってください」

唯「一流の人って水玉はくんだね知らなかった」

梓「……へへ」


和「次のチェックもみんなに馴染み深いものよ」

296: 2011/01/04(火) 17:13:18.36
唯「馴染み深いもの……なんだろう」

澪「ベースの音当てとかかな!」

梓「いえ、きっと猫耳です」

紬「沢庵じゃないかしら」

律「わかった!」

和「カレーよ」

律「くそぉ! 言おうとしたのにぃ!!」

和「お前らけいおん部はカレーの曲つくるくらいカレー好きなんでしょ?」

唯(あれ、今おまえらって言われたような……)

和「なんていう曲だっけ、カレーはおかずだっけ?」

律「カレーのちライスだ!!」

和「あぁ、そんな曲だったわね。じゃあそのカレーにかける情熱を見せてもらうわ」

梓「なんかめんどくさそうですね和先輩」

297: 2011/01/04(火) 17:20:31.19

和「用意したのは1杯1万円のカレーライス『究極の萬カレー』よ」

律「たっけぇ!」

澪「それしかリアクションとれないよな」

梓「カレーに一万円なんてもったいないですよね」

唯「で、今回あて馬にされる可哀想なカレーは何!?」

和「そこのモップちゃんが」

純「はい! 私がつくった愛情たっぷりカレーでーっす!!」

紬「まぁ、庶民の味なんて素敵」

梓「今回こそみなさんも余裕っぽいですね」

唯「これ外したらもうあの曲歌う資格ないよね~」

律「カレーには絶対の自信があるぞ。普段と同じやっすい味がするほうの逆を選べばいいだけだ」

紬「私はずしたら家のシェフくびにするわ~」

澪「無駄にハードルあげるんじゃない!」

澪「お前たちはそうやって毎度自分を追い詰めてなにが楽しいんだ!」

298: 2011/01/04(火) 17:25:26.68
和「それでは控え室へどうぞ」

さわ子「みんながんばってね~」


控え室

律「なー二流でせんべい+緑茶ってことはさ、三流落ちするとどうなんの?」バリバリ

澪「考えたくもない」バリバリ

唯「わーあずにゃんのフラッペおいしそ~」

梓「あげましょうか?」

唯「いいの~!?」

澪「おい! ずるいぞ!」

梓「はい唯先輩あ~ん」

唯「あ~ん」」

梓「とみせかけてっ!パクッ」モグモグ

唯「…………は」

梓「トチ狂って普通に落ちるから悪いんですよ」

梓「あー冷たくてとってもおいしいです♪」

301: 2011/01/04(火) 17:31:50.27
純「秋山~出番だよ~(すいませんすいません)」

澪「よし! 秋山澪いきます!」

律「あたしのことは呼び捨てしたらぶん殴るからな」

純「ひーん」

梓「もうここは先輩後輩の力関係がまかりとおる世界じゃないですよ律先輩」

唯「格が上か下か、それだけだよ」

律「ぐっ……ちくしょうっ」

梓「さぁ拳を下ろして惨めったらしく煎餅かじっといてください」

梓(調子のっちゃってるけど、これ落ちたら私どうなるんだろう……)

紬「さすが一流は言う事がちがうわ~」

303: 2011/01/04(火) 17:40:00.21
憂「1杯1万円のカレーライス『究極の萬カレー』」

憂「素材の吟味からレシピまで、最高を追求しました」

憂「肉は米沢牛の柔らかいモモ肉で、最高位品、米は山梨県の武川米、ニンジンは群馬、セ口リは長野など各地から集め」

憂「全40種類のスパイスは1品ごとに世界各国で最高のものを産地で選定しています」

憂「もちろん調理したのも超一流カレー専門店ののオーナーシェフ」

憂「そしてもう一方は」

憂「鈴木家特製牛カレー」

憂「料理ヘタな純ちゃんが一ヶ月の試行錯誤の末たどりついた至高の一品」

憂「材料費はおよそ一食200円」

憂「過剰なスパイスと荒い野菜、贅沢にもそのままぶちこんだ牛肉がお腹をあっという間に満たしてくれます」

和「頑張ったのね」

さわ子「偉いわよ鈴木さん!」


憂「現在二流の秋山澪」

憂「カレーにはあまり縁がないのか、不安そうな顔で解答室へ」

304: 2011/01/04(火) 17:44:34.22

澪「そうか、また目隠しか」

いちご「はい。これ」

澪「すまないな、ノーギャラなんだって?」

いちご「そう、だから早く」

澪「お礼に今度部室にケーキ食べにこないか?」

いちご「いいの?」

澪「あぁ、みんなで待ってる」

いちご「……そう」

澪「それじゃあ頼む」

いちご「まずはA」

澪「んっ」

澪「辛っ、あっ辛!」

澪(味全然わからない……)

305: 2011/01/04(火) 17:48:05.44

いちご「たぶん中辛」

澪「大人味なのか……」

澪「女の子は甘いのが好きなんだぞ……」

いちご「しらない。次B」

澪「ぎゃあぁああ辛い!! こっちは辛いしもう痛い!」



和「悶絶してるわね」

さわ子「そんなに辛くしたの?」

純「えっと、わかりません!」

純「でも気づいたらスパイスの瓶がすっからかんでした!」

和「ということで最高級カレーはAよ」

和「Bがこの子のつくった産業廃棄物」



澪「うわあああああああ! 水をくれぇえええ!!」

306: 2011/01/04(火) 17:52:03.01

澪「ふぅ……ふぅ、まだ舌が痛い」

澪「答えださなきゃな……」

澪(やばい、完全にもうダメだ何もわからなかった)

澪(でも最高級カレーがそんなに辛いわけないし……)

澪(いやでも案外……うーん)

澪(さっきもう私は迷わないって決めたのになぁ)

澪(とりあえずまだ辛くなかった方でいいか)

澪「Aで」


和「おっ」

純「選びましたね~」

さわ子「なによつまらないじゃない!」


憂「秋山、自信なさげに正解の部屋Aへ」

307: 2011/01/04(火) 17:56:00.27

ガチャ

澪「……」

澪「……」

澪「……」

澪「……」

澪「……」ドキドキ


和「あーもう、なんかしゃべりなさいよイライラする~」

さわ子「澪ちゃんバラエティとか絶対向いてないわよね」

和「次は普通お嬢様の番」


紬「また会ったわね~」

いちご「うん」

309: 2011/01/04(火) 18:05:01.57

紬「それじゃあお願いします~」

いちご「まずはA」

紬「おいしい~、ピリっときたあとに広がるマイルドな口当たり。びっくりよ~」

紬「シャワーが一瞬だけ水にかわるあの驚きと似てるわ~」

いちご「わからない。B食べて」

紬「は~い」モグモグ

紬「これは……」

紬「これほどスパイス同士がいがみ合い、具材も牽制しあってるカレーははじめてよ

紬「まさにカレーの第二次世界大戦や~」

紬「…………」

いちご「なにその顔、うざい」

紬「こんなバイオ兵器をつくりだせるなんて梓ちゃんのお友達は天才ね」

いちご「そうかも」

310: 2011/01/04(火) 18:16:16.61

紬「じゃあ私はAでいくわ」

純「それではAの部屋でどうぞ~」


澪「!」←うれしそう


さわ子「この問題サービスすぎたわね。全員正解するんじゃない?」

和「まだ馬鹿が三人いますから……」


ガチャリ

紬「澪ちゃ~ん」

澪「ムギ~~♪」

紬「澪ちゃ~ん」

澪「ムギ~~♪」

紬「澪ちゃ~~飽きたわ」

澪「ムギ~~♪」

311: 2011/01/04(火) 18:22:03.11
憂「このまま三流へ転落するのか? 田井中、解答室へ」


律「どーん!」

ガチャリ

のぶ代「……あら律」

律「な"っ」

律「なーんでいちごちゅわんじゃないんだよぉ!!」

のぶ代「なんか文句あるの?」

のぶ代「……」ジー

のぶ代「……じー」

律「いえ、ないです……」

のぶ代「そういえば律って案外かわいいとこあるよね」

のぶ代「ジュリエット……よく似合ってた……///」

律「あ、あー、それはその……」

のぶ代「ねぇ律。これが終わったらさ……話が」

律「ないないないない! はいさっさと食べさせろー!」

315: 2011/01/04(火) 18:30:24.34
のぶ代「その前に目隠し……して?」キュルン

律(おぅぇえええええ嫌なもんみちまった)

のぶ代「はい、つけてあげる」

律(あ、でもこれつけたらもう見ないで済む)

のぶ代「……律、可愛い」チュ

律「ん? なんかいま額にへんな感触が」

のぶ代「じゃあまずはAのカレーからね」

律「おう」

のぶ代「はい口あけて?」

律「スプーン持たせてくれ」

のぶ代「……チッ」

律「どれどれAはと」パク

律「おおおお! 辛い!」

316: 2011/01/04(火) 18:36:25.49

律「そういえば私って結構率直な感想しかしてないな」

律「唯ですらなにかに例えたりしてるっていうのに」

律「悔しい!」

律「すげぇ!とか、うめぇ!だけじゃまるで頭が悪い人間みたいだ」

律「そうだな……例えるならこのカレーは……」

律「このカレーは……」

律「すげぇうめぇ!!」

のぶ代(律はそういうとこがいいんだよね……)



澪「大丈夫か律の奴」

紬「さっきのデコチュー教えてあげるべきかしら」

澪「やめとこう……トラウマになりかねない」

317: 2011/01/04(火) 18:42:54.20
律「そしてこれがBか」モグモグ

律「まっずぅ……」

律「しかもすげぇ辛いし……」

律「ええい! シェフを呼べ」

律「ってことでAかな~」

律「あえてのBってのもあるけど。まぁAでいっか」


憂「田井中、自信満々で正解のAの部屋へ」


ガチャリ

律「おいっすー」

澪「よ、よぉ……」

紬「りっちゃん……強く生きてね」

律「?」

澪(デコに口紅ついてる……プクク)

紬(澪ちゃん、ダメよ人の恋路を笑っちゃプクク)

322: 2011/01/04(火) 18:52:23.50

控え室

梓「教えてください唯先輩……私はあと何回離してくださいと言えばいいんですか」

唯「一流の~一流の~抱き心地だよ~」

梓「ふつうの分際で安安と抱きつかないでください」

梓「ふつうが感染ります」

唯「あずにゃんひどい~」シクシク

梓「ぎゃああもう鼻水とかでベタベタにしないで!!」

梓「てか口の周り汚れてますよ、拭いてください」

唯「ふきふき」

梓「ぎゃあああ私の服でじゃない!」

唯「ふぇ~~」

323: 2011/01/04(火) 18:58:13.47

梓「やれやれ……全く唯先輩は……」ブツブツ

梓「これはお仕置きが必要です」ブツブツ


憂「ここまでパーーーフェクトな中野梓。ぶつくさ言いながら解答室へ」



いちご「……」

梓「またお世話になります」

いちご「さっきの」

梓「え?」

いちご(猫耳まだつけてる……)

梓「?」

いちご「とりあえずカレーたべる?」

梓「はい」

324: 2011/01/04(火) 19:09:44.59

梓「ではいただきます」パク

梓「に"ゃ!?」

いちご(にゃーだって……)

梓「あぅ……ぁぅ」

梓「かりゃいです……おみじゅ……」

いちご「はい」

梓「ングング」

梓「はぁ……辛かった」

梓「けど美味しいと思います」

梓「上手く形容はできませんが、いままで味わったこと無いようなコクでした」

梓「はじめは辛いけど後味はすっきりしてますね」


澪「うわー真面目に解説してるよ」

紬「澪ちゃん半ばリアクション芸人みたいになってるものね」

律「梓あの猫耳いつ気づくんだろう……」

326: 2011/01/04(火) 19:20:29.62

梓「じゃあBお願いします」

いちご「はい」

梓「……」パク

梓「あ"あああああ!!」

梓「あ"あ"あああああ!!」

梓「あ"ぎゃああああっ!!!!」

いちご「!」ビクッ

梓「ゴクゴク」

梓「ゴクゴク」

梓「もうやってらんねーです。スタジオにカチコミにいってきます」

バタン


澪「……」

紬「いっちゃったわ……」

律「……放送事故だろ」

330: 2011/01/04(火) 19:27:21.32

和「ちょっと……こっちくるわよ」

さわ子「どうしたらいいの」

和「あなたちょっと責任とりなさい」

純「私がですか……」

憂「こうなったのも純ちゃんがあんなまずいカレーもどきをうみ出すからだよ」

純「ひどい……がんばったのに」

さわ子「とにかく戻るように説得して!」

純「私にできるかなぁ」


梓「……」ザッザッザ


和「もうかなり来てるわ」

さわ子「入った瞬間土下座よ」

純「えぇ~梓に頭さげるなんて嫌ですよぅ」

332: 2011/01/04(火) 19:31:35.38

バタン

梓「モップウウウウウ!!!!!!!」

和「来たっ!!」

梓「おいモップウウウウウッ!!!!!!!」

純「すごい激昂してる」

和「ツインテールが逆だってるわ」

純「あれで串刺しにされたら……」アワアワ

憂「頭にがつんとくる味だったんだね」

和「でも先輩トリオはなんともなかったわ?」

さわ子「人によって感性って違うものね」

憂「うちのお姉ちゃんもたまにおいしいものを食べるとトリップしてますもん」

さわ子「天才型の人にはよくあることらしいわ」

和(ないでしょ……)

336: 2011/01/04(火) 19:36:38.34
梓「これぇ!!! なにこれ! え!!?」

梓「劇薬ぅ!? 劇薬でもいれたの!?」

梓「あやうくあんた前科持ち!!? わかる!!?」

梓「よっくも罪なき私の胃袋に風穴あけてくれたねえええ!!!」

憂「うそぉー見てみたい」

純「梓って時々おおげさだよ……」

和「表情豊かね。さすが一流のけいおん部員」

さわ子「来年のけいおん部はこれで安泰よ」

梓「さっさと土下座!!」

梓「それができないなら!!」

pipipi

梓「あ、もしもし」

梓「はい、実はですね~」

梓「はい、あ、すぐこれますか助かります」

純「?」

338: 2011/01/04(火) 19:40:07.14
五分後


憂「純ちゃんが警察に連れてかれちゃった……」

和「……」

さわ子「……」

梓「あ、答えはAで」

いちご「それじゃあAの部屋へ」


憂「一流の中野梓、晴れ晴れとした表情を浮かべながら先輩たちの待つ正解のAの部屋へ」



ガチャリ

梓「よかったー。やっぱAですよねー」

澪「……」

紬「……」

律「……どうすんだよこれ」

340: 2011/01/04(火) 19:43:53.64

梓「次は唯先輩ですか」

紬「私たちさっきので正解わかっちゃったんだけど……」

澪「Bがハズレなんだよな……」

律「あの子のつくった殺人カレー押収されたもんな……」

梓「代わりに憂のつくったカレーをBに使うそうです」

律「それはずるいな」

澪「第四チェックこれ完全に罰ゲームじゃないか」

紬「高級カレーをディスるのだけはやめましょう?」

梓「あ、唯先輩入りましたよ」

343: 2011/01/04(火) 19:48:19.76

唯「なんか騒がしかったけど事件でもあったのかな~」

いちご「大丈夫」

唯「あ! いちごちゃんまだいたんだね!」

いちご「いたけど」

唯「メンゴメンゴ、なんか私の中ではいちごちゃんってキャラ薄くてさー」

いちご「……」

唯「忘れないようにじっくり目に焼き付けておくよ」ジィー

いちご「……うん」


梓「ナチュラルに最低なこといってますね」

澪「無神経パワー炸裂!」

律「いちご……ちょっと泣きそう」

紬「これでノーギャラはきついわぁ~」

澪「で私たちはギャラあるのか?」

梓「あるわけないでしょ」

344: 2011/01/04(火) 19:53:40.30
唯「さて、いただこうかな。あーん」

いちご「……自分で食べて」

唯「えっ?」

いちご「もう帰るから」

唯「ちょ、いちごちゃん……?」

いちご「……」

バタン


唯「……?」


梓「あちゃーすごい空気ですね。放送事故ですよこれ」

澪「お前がいうのか」

紬「どうするのよ第4チェックにして脱落者二人目よ」

律「脱落っていうか、なぁ……?」

梓「……まぁ、まじで純はどうでもいいけどね。そもそも映す価値なしですし」

澪「梓……怖いよ」

347: 2011/01/04(火) 20:01:12.34

唯「寂しいな……」

唯「とりあえずAから食べよう……」

唯「ムシャムシャ」

唯「いちごちゃんにきらわれちゃった……」

唯「モグモグ」

唯「あれ……おかしいな……涙で味がわからないや」



律「いや! わかるだろ!」

梓「馬鹿なんですねー」

澪「いちごに謝罪のメールしとこ」

紬「それにしても唯ちゃん器用に食べるわね。目隠ししてるのに」

梓「あの写輪眼っぽいアイマスクどこで売ってるんですかね」

律「欲しいのかよ」

349: 2011/01/04(火) 20:05:08.81
唯「B……もおいしいかも」

唯「……」

唯「なんかもういいや」

唯「ほんとは食べながらカレーのちライスでも熱唱して」

唯「ウケを狙うつもりだったんだけど……」

唯「もういいや……」

唯「Bがおいしかったです。Bで」



澪「また趣旨まちがえてる……」

律「だーからどっちがおいしいとかじゃなくって!」

梓「馬鹿ですかね」

紬「でもあの唯ちゃんが選んだんだからもしかしたら」

梓「……」←不安

澪「……」←不安

律「……」←不安

357: 2011/01/04(火) 20:34:22.80
憂「ふつうのお姉ちゃん。誰もいない不正解のBの部屋へ」



唯「よーし。みんなー」

ガチャリ

唯「あ、あれ……? だれもいない……」

梓『唯先輩ちぃーっす』

紬『うふふ、ちぃ~~す』

澪『あははーそっち広くていいなー』

唯「なに!? みんなA?」

唯「どう考えてもBのほうが食べやすかったしおいしかったけど」

律(何も知らないってしあわせだな)

梓『ま、結果はみてのお楽しみですよ』←一流だけど生意気

唯「えーみんな舌が狂ってるよ。嫌だなぁこれから先味音痴とつるむなんて」←自信満々だが不正解

梓『そう言われればBもなかなか……』

澪『おい! しっかりしろ! 梓がつきだしたんだぞ!』

358: 2011/01/04(火) 20:39:37.16
和「では結果発表。正解の部屋に入ります」



紬「勝ちは確定してるけどこの瞬間はやっぱり緊張するわね」

律「和ぁ~和ぁ~こい……こい」

澪「唯はこのまま真っ逆さまだな」

唯『ひどいよ~やっぱり私もAにする~』

梓「あはは唯先輩惨めったらしくていいですね!!」

唯『あずにゃ~ん』

紬「甘えた声だしても二流は逃れられないわよ唯ちゃん」


和「じゃあ入るわよ」


ガチャ! 

和「正解おめでとう!」

唯「やったああああ和ちゃん!!!」

359: 2011/01/04(火) 20:45:01.37
唯「あれ……え?」

律『よっしゃあああ!!』

澪『やったぁ!!』

梓『あと一問でパーフェクツです!!』

紬『和ちゃん信じてたわ~~』

和『誰かさんを除いてみんなおめでとう!』


唯「うぇーん、いま一瞬こっちの扉あけたじゃ~ん」

唯「ぬか喜びだよーぶうううう」


梓『あ、なんか向こうの部屋泣いてる人いません? プッ』

唯「あずにゃんいけずぅ~~」

澪『あぁ、なんか主人公づらしてるくせに二流なんだよな』

律『もうヘアピンとか外しちゃえよ』

紬『まぁ私と梓ちゃん以外は罵る資格ないわよね』

365: 2011/01/04(火) 20:57:10.46

澪 二流
紬 普通
律 二流
梓 一流
唯 普通→三流


憂「お姉ちゃん。ついに三流落ち。あーやだやだ三流と一緒に住むなんて」

憂「そっくりさんにリーチですよ? もしそうなった場合はもう姉妹じゃないよね?」

憂「中野様はさすがです。一人くらい欠けてもそれを補えるくらいのオーラありますね」


唯「ちょっと待って! なんで一気に三流なの!?」

和「あら、言ってなかった? もうすぐ終盤だし2ランクダウンなんて当然よ?」

唯「えぇ~~理不尽だよ~」

梓「ってことは……私もうかうかしてられない」

澪「怖いゲームだな……」

唯「次はずしたらそっくりさん……?」

梓「いえ、次も2ランクだとしたら一気に映す価値なしです」

唯「ひぇ~」

367: 2011/01/04(火) 21:03:24.17

唯「……便所スリッパですか」

澪「しかももはや椅子じゃなくてただの段ボール」

律「うわー唯どんまい」

唯「こんなのおしり汚れちゃうよー。よっこらせっと」

唯「うぎゃあ」ビタン

梓「座ったら潰れるとか……」

紬「唯ちゃんのこの凋落っぷり……体張ってるわね」

唯「もう早く帰りたいよ~」


和「さぁいよいよ最終チェックね」

さわ子「もう外が真っ暗になっちゃった」

唯「さっさと終わらせようよ~」

唯「明日も練習忙しいし~」

371: 2011/01/04(火) 21:16:44.64

和「じゃあ発表するわね」

和「最後は」

梓「……」ゴクリ

紬「……」ワクワク

和「スッポンモドキよ」

唯「トンちゃん!?」

澪「はぁ~~?」

律「なんだよそれー」

和「あなたたちの部室のマスコットなら簡単よね?」

和「片方はホンモノのトンちゃんチェケラッチョイ。もう片方はよく似たニセモノよ」

梓「トンちゃんか……」

377: 2011/01/04(火) 21:28:36.27

和「トンちゃんチェケラッチョイを見事当てて頂戴」

和「まぁトンちゃんチェケラッチョイのほうが安もんだけどね」

和「あなたたちけいおん部とトンちゃんチェケラッチョイの絆見せてもらうわ」

唯「ツッコンでほしいのかな……」

澪「触れちゃだめだぞ」

梓「でもトンちゃんなら外すわけにはいきませんね。てかどうやって外すのかと」

律「大事な大事な私たちの仲間だもんな!」

紬「そうなの!? 」

唯「あずにゃんの大事な後輩だよね~」

梓「はいです! これ外したら私たち二度と先輩づらできませんね」

澪「まぁたそうやって追い込んで」

和「じゃあ間違えたら3ランクダウンでいいわよね? 決定」

梓「えっ!?」

380: 2011/01/04(火) 21:35:33.81

さわ子「さぁ早く控え室に移動して、ちゃっちゃすませちゃってめんどくさいから」

澪「露骨に急かすのやめてください」

さわ子「私だって暇じゃないのよ!」

律「あの~あたしたちも暇じゃないんですけど……」

唯「さわちゃんはいいじゃん~どうせこの間もお給料でるんでしょ?」

唯「私たちなんて一挙手一投足につきギャラリーから非難轟々なのにノーギャラだよ~?」

梓「やってられないです!」

律「もう早く終わらせようぜ。いくぞ」

紬「トンちゃんってどんな顔だっけ……あんまり興味なかったから思い出せない」

唯「えぇムギちゃんひどい! 鼻にダイナマイトつめたくなる可愛さだよ~」

梓「ピーナッツって言ってたじゃないですか!」

唯「ピーナッツは前いれてみたけどいまいちだったなぁ~」

梓「やめてください! 虐待ですよ!?」

さわ子「巻きでお願い! 早く行く!」

381: 2011/01/04(火) 21:39:22.18
控え室

梓「これが最後の控え室ですね~」

澪「うん」ズズ

澪「お湯もうめー」

唯「うわ~ん青汁と乾パンなんて嫌だよ~」ムシャムシャ

梓「しっかり食べてるじゃないですか」

律「梓はまたうまそうなパフェか」

紬「いっぱい食べてるわね」

澪「毎回そんなにがっつり食べたら太るぞ」

梓「……」ピクッ

唯「あずにゃん太っちゃやだ~」

梓「あの唯先輩……いりますか?」

唯「えーいいのぉ~!?」

梓「はい。べ、別にダイエットとか関係ないですけど」

382: 2011/01/04(火) 21:44:10.42

唯「じゃあ食べさせて~」

梓「し、仕方ないですね」

唯「あ~ん」

梓「……特別ですよ?」

紬「……」ワクワク

唯「はやく~」

梓「はい、あ~ん」

梓「なわけないでしょ」パク

梓「別に太っても映画までに痩せれればいいですし」ムシャムシャ

梓「三流に食わせるパフェはねーです」

唯「……」

紬「……は」

澪「なぁ律、これが一流の姿なんだとしたら私は自分から願い下げだよ」

律「あたしもパスー」

梓「凡人の僻みでスイーツがうまいです」

385: 2011/01/04(火) 21:51:10.90

澪「そういえば連行されたあの人の代わりに誰が呼びに来るんだろう」

梓「もうそういう下っ端ポジションの人いないですよね」

澪「なんだー自分からいかなきゃなのか?」

律「秋山ぁー秋山ぁー! ってあれちょっと好きだったな」

澪「普段では体験できないもんな」


「秋山ぁー秋山ぁー出番だぞー!」


澪「この声は!!」

ガチャ

純「……秋山……出番」

澪「純ちゃん……」

梓「純! どうして!?」

紬「豚箱おくりになったはずじゃあ……」

純「事情を話したらすぐ釈放になったんです!」

梓「……」

386: 2011/01/04(火) 21:54:51.31

梓「あのさ……純」

純「いいってことよ……あたしこそ悪かったね。あんなもん食わして」

梓「ううん、純……良かった」

梓「ほんと……ごめん、ね?」グス

純「なかないなかない一流に涙なんて似合わないよ」

澪「純ちゃん……おかえり!」

唯「おかえり純ちゃん!」

紬「おかえり!」

律「おかえり!」

梓「……おかえり!!」

純「ありがとう! けいおん部最高!」


憂「こうしてけいおん部に笑顔がもどったのであった」

憂「これからの彼女たちの活躍にこうご期待を」

394: 2011/01/04(火) 22:06:46.09

澪「さて、トンちゃんか……」

プクプク

澪「AかBどちらかはほんもの……」

亀A「……」

亀B「……」

澪「わかるわけない……だろ」

澪「それにしてもブッサイクだなぁ」

澪「もっといい亀いくらでもいただろうに」

澪「Aがちょっと生意気だな、梓に似ている」

澪「よくペットは飼い主に似るっていうし……」

澪「Aかな?」

亀A「……」

澪「腹立つ顔してるなぁ……」

澪「Aで」

398: 2011/01/04(火) 22:09:18.98

紬「う~ん。これは難問ね」

紬「正直亀の世話は梓ちゃんと唯ちゃんに任せっきりだったから」

紬「そんなに触れ合う時間なかったのよね」

紬「なにかヒントはないのかしら」

亀A「……」

亀B「……」

紬「……腹立つ顔してるわぁ」

紬「これが可愛いなんてどんな神経してるのかしら」

紬「あ、だめだめいくらなんでも水槽におクスリいれるなんて非道よね」

紬「昂ぶる気持ちは抑えなきゃ……」

紬「せめてスッポン鍋ならよかったのになぁ」

亀A「……」

亀B「……」

399: 2011/01/04(火) 22:16:57.39
紬「こんなの悩んでもしかたないわよね」

紬「私の生まれ持ったスター性にかけることにするわ!」

紬「ホンモノのトンちゃんはBで!」

純「それではBの部屋でご案内~」


和「あー別れたわね」

憂「スター性……ププ」

さわ子「いいわよぉこの調子」


憂「琴吹、秋山とは違うBの部屋を選択」


ガチャリ

紬「おじゃましま~っす♪」

澪『……』

紬「……最後の最後で」

澪「Aのほうが生意気じゃなかったか?」

紬「そんな選びかたでいいの?」

401: 2011/01/04(火) 22:20:34.33
控え室

律「さてと……」コキッコキッ

律「いっちょ当ててくるかー」

律「……っていうか」チラッ


唯「あ~んあずにゃんひどい~」

梓「もう! 一人で食べてください! てか離れてください三流風情がァ!!」

唯「やっぱりあずにゃんのなじり方は一流だよ~」


律「毎回この空気たえられないんですけど……」イライラ

純「田井中ー」

律「あ?」

純「……先輩」

律「それでいいんだよそれで」

405: 2011/01/04(火) 22:26:22.76
律「よーし! サクっと見分けて名誉返上だ!」

律「……うそうそ汚名返上だっつーの!」

律「だれもツッコミがいないなんて寂しい」

律「せめてトンちゃんは笑ってくれるよな?」

亀A「……」

亀B「……」

律「……ん~」

律「微妙にAの方がデカイか?」

律「でもBのほうがいきが良いような……」

律「いくらみたところでわかんねー」

律「おてあげでぇ~っす」



澪「律は飽きっぽいからなぁ」

紬「……」←結果が不安で声がでない

406: 2011/01/04(火) 22:32:21.59
律「じゃあもうAでいいや。アホのAで」


憂「田井中、秋山の待つAの部屋へ」


律「おいーっす!」

ガチャリ

律「あれ……?」

律「だれもいない……うそぉ!?」

澪「わっ」

律「ぎゃああ!」

澪「ようこそアホのAへ」

律「びっくりさせるなぁ!」

紬『りっちゃんもA? 見る目ないのね』

律「いやーあんなのわかんないでしょ」

澪「でも私たちはともかく梓と唯ならさすがにわかるんじゃないか?」

409: 2011/01/04(火) 22:36:32.20
控え室

梓「それでは最後の聖戦……行って参ります」

唯「ういうい。がんばれー」

純「中野様、準備ができましたらどうぞこちらへ」

梓「純……いいよもう敬語なんて」

純「いえ、これも私の今後のため」

純「なーんてね、ちゃんと演技ができるってわかれば映画の出番も増やしてもらえるかと!」

唯「……そうだあずにゃん!」

梓「なんですか?」

唯「もしこのままあずにゃんが一流で終わったらさ……」

梓「またその話ですか? さっき言いよどんだじゃないですか」

唯「……もし一流で終わったらさ」

梓「……」ドキドキ

唯「私の出番増やすように映画監督さんに言っといて」

梓「……」

412: 2011/01/04(火) 22:43:06.06
梓「唯先輩なんてこのまま映す価値なしになって消えちゃってください!」

梓「ボワンとね!」

唯「……」

唯「……ッ」

梓「…………」

梓「……やだ」

梓「いやだよぅ……消えないで……」

梓「もういくら抱きついても怒らないから、三流唯先輩でもいいから……」

梓「消えないでよぉ……」グス

唯「あずにゃん……よしよし」

唯「私が消えても、ずっとあずにゃんの……ううん、みんなの心のなかにいるよ?」

梓「そんなこと言わないで!」

梓「一緒に正解しましょう! 映画にもでましょう!」

梓「唯先輩がいないけいおんなんて私考えられません!」

梓「私! 絶対絶対絶対ぜぇーったい正解します!」

417: 2011/01/04(火) 22:51:31.20

梓「いってきます唯先輩。こんどこそ本当に!」

唯「いいの? 今生の別れになるかもしれないよ?」

梓「……う、じゃあ最後に……もう一度だけ」

梓「……いえ、それは帰ってからにしましょう!」

梓「大丈夫です! 私たちなら!」

唯「……そっか!」

純「それではこちらへ」


さわ子「なーんか勝手に盛り上がってるわねぇ」

和「今生の別れか……」

さわ子「おおげさよねー」

和「おおげさ? 私ならもっといろいろしときますけど」

さわ子「え? ただのバラエティ番組でしょ?」

和「え? けいおんはアニメですよ? 消えるってことは本当に消えるんです」

さわ子「あ、そうだったわね。てへっ」

419: 2011/01/04(火) 22:56:20.08
憂「パーフェクトの中野梓。はたしてこのまま超一流のまま終えることができるのか」

憂「先輩とのつかの間のロマンス。不安を胸にいざ解答室へ」


梓「トーンちゃん!」

亀A「……」

亀B「……」

梓「はい! ほんもののトンちゃんはそのままジャーンプ!」

亀A「……」

亀B「……」

梓「あれぇ……」

梓「トンちゃん機嫌悪いのかな……」

梓「そりゃそうだよね。こんなとこに無理やり連れだされて」

亀A「……」

亀B「……」ニコ

梓「あ! いまニコって! 笑ったね! トンちゃん!!」

422: 2011/01/04(火) 23:00:37.98
梓「トンちゃ~ん」コンコン

亀B「……」

梓「間違いない! トンちゃんだ!」

梓「唯先輩のいってた鼻にピーナッツいれたくなる可愛さっていまならちょっとわかるかも」

梓「ふふ」

梓「これ終わったら、おっいしい餌たっくさんあげるからね!」

亀A「……」

亀B「……」

梓「Bです!」


紬「いえす! いえすうう!!」←大喜び

澪「……嘘だろ……おい」←超不安

律「梓さま……考えなおしてくりゃせんか」←超不安

澪「3ランクダウンしたとすると……三流そっくりさん映す価値なしか……嫌だぁ」

律「映画でて~よ~」

426: 2011/01/04(火) 23:04:53.96

憂「中野梓、自信満々でBの部屋へ」


梓「~♪」

ガチャリ

紬「梓ちゃん!」ヒシッ

梓「のわぁ! びっくりさせないでください」

紬「良かったわ~」

澪『まだわからないだろー』

律『梓のばーか』

梓「ププ、向こうの部屋の二人もうすぐボワーンですよ」

紬「なかよく画面アウトなんて笑えるわね」

澪『うぐぐ……』←消えるかもしれない

律『ちくしょー』←消えるかもしれない

梓(あとは唯先輩だけだ……お願い……神様)

427: 2011/01/04(火) 23:10:13.64

和「もうすぐ終わるわね……」

さわ子「どうしたの? 寂しい?」

和「いえ、別に……そんな感情とっくの昔に捨ててきましたから……」

さわ子「あらそう、私もよ」


唯「よーし! やっと私の番だよ!」

唯「まっててトンちゃん!」フンス


憂「あとがない平沢唯、愛すべき後輩亀の待つ解答室へ」



唯「……」

亀A「……」

亀B「……」

唯「……ふ、ふたりとも鼻にピーナッツいれたくなる可愛さだねぇ……あはは」

唯「……あはは」

唯(どうしよ~!)

429: 2011/01/04(火) 23:17:55.36

唯「……トンちゃん」

唯「あの日君にであってから」

唯「いろんなことがあったよね」

唯「たくさんの思い出のカケラ。名前を付けて保存するなら宝物がぴったりだね」


澪「また語りモードか」

律「めんどくせえええ」


唯「だから……私にわからないわけないじゃん!」

唯「トンちゃん! 大好きな後輩!」

唯「トンちゃんの笑顔は私にたくさんの愛とパワーをくれたんだよ!」



和「チェケラッチョイ」

432: 2011/01/04(火) 23:24:22.19

梓「唯先輩……」グス

紬「感動したわ~」グス

澪「唯、お前は最高の先輩だよ」

律「唯バンザイ!」


唯「だからトンちゃんはBです!」


律「は? まじか」

澪「帰れ三流ヘアピン」

梓「やったあああああ! 唯先輩! 唯先輩!」

紬「キマシタワー」


和「……これで出揃ったわね」

さわ子「ついに結果発表ね」

和「今回は部屋の前で答えを開封します」

435: 2011/01/04(火) 23:28:05.63
唯「どうせだからトンちゃんも一緒にいこ?」ガシ

バシャ

唯「おとと、おっきくなったねぇ」

純「ではBの部屋へどうぞ~」



ガチャリ

唯「あの~だれかいらっしゃいますか~」

梓「待ってました!」ダキッ

唯「おぉ!!」

紬「唯ちゃん、いらっしゃい」

唯「やったぁ! あずにゃんとムギちゃんがいるなんて!」

澪『ぶー、唯の裏切り者ー。三流のくせに』

律『うぜー』

唯「ほらートンちゃんもいっしょだよ」

梓「もう、唯先輩ったらぁ。あとでちゃんと水槽もどしてあげてくださいね?」

438: 2011/01/04(火) 23:33:03.51

和「つきました」

和「では答えの部屋に入ります」

全員「!!」

さわ子「私たちだけ先に答えみるわね」

さわ子「……おっとこれは!」

和「……そう、残念ね」

梓(どきどき)

紬(私たちは大丈夫)

唯(うーんなんかこのトンちゃん少しちっさいような……)

澪(あぁカミサマお願い)

律(一度だけのミラクルタイムください!)


ガチャ

和「おめでとう~~」


ボワン!

441: 2011/01/04(火) 23:38:58.21
澪「いやったああああああああ!!」

律「おっしゃあああああこらあああ!!!」

和「おめでとう、本当におめでとう!」


ベシャ

亀B「……」

梓「……あーあ、ついに外れちゃいました」

梓「これで私は一気に三流です。唯先輩は……編集で消されちゃうんですよね」

沢庵「もう、唯ちゃんたら、ショックのあまりトンちゃんもどき落としちゃって」

梓「あれ? 唯先輩? どこ行ったんですか?」

沢庵「あら? いまのいままでいたわよね」

梓「唯先輩……?」


梓「えっ……どこ、いったの?」


『唯先輩?』

450: 2011/01/04(火) 23:44:52.21

梓「あ、あぁ。 あ、い、いや、いやあああああああああ!!!」

沢庵「唯ちゃん! 返事して! 唯ちゃん!」

梓「一緒に帰るって……行ったのに……」

律「哀れ唯。存在消滅」

澪「次の映画ポジションあらそい大変だなぁー」

律「あたしが部長なんだし主人公でいいじゃーん!」

澪「私だってボーカルだぞ!」


和「は? 何言ってるの?」

452: 2011/01/04(火) 23:48:09.69

澪「え?」

和「二流と三流とそっくりさんが映画になんて出れるわけないじゃない」

律「は?」

さわ子「これでやっとたくさん出番がまわってくるわよー」

さわ子「映画はデスデビルがしっかり演奏するわね!」

憂「良かった。邪魔な人が一気に消えてくれた。これで肩の荷が下りるよ」

純「おーいそこの三流のちんちくりん。パン買ってきてー」

梓「グスッ、一緒に帰るって……グス、唯先輩……」

憂「三流にはお似合いだね、中野!」

沢庵「あれ、私なんだかおかしいわ」

和「あー今日は琴吹紬さん呼んだはずなんだけどまさか漬物がくるとわねー」

和「手配しくったわー」

沢庵「嫌ぁ……いやああああああああああああ!!!」

澪「おいふざけるな! 和!」

和「ププ」

458: 2011/01/04(火) 23:52:47.69

律「ちくしょう! 唯を返せ!」

澪「そうだ! いくらなんでも消滅なんてあんまりだ!」

和「知らないわよ、これは不可抗力」

和「あの子の運命よ」

沢庵「私は琴吹沢庵……お嬢様で……一流で……」ブツブツ

沢庵「うわああああああああああ!!!」


純「生意気なツインテールめ」

憂「やってやるです(笑)」

憂「大事な後輩の亀も見分けられないんじゃ、来年部長やるなんて無理だよね」

純「けいおん部は廃部で~す」

梓「うぅ……ひどい……」

464: 2011/01/04(火) 23:58:53.31

さわ子「真のけいおん部にふさわしくないと判断されたら、映画の出演は無しって言ったわよね?」

律「確かにいったけど」

澪「なにもここまですることはないだろ!?」

さわ子「あのねぇ、商業化ってあなたたちが思ってる以上に残酷なのよ?」

和「人気がなくなったらポイされて終わり。あっというまに廃れるわ」

梓「……唯先輩がいない世界なんて唯先輩がいない世界なんて唯先輩」ブツブツ

和「私たちは常に飽きられないように努力しないといけないの?」

澪「それは……わかるけど」

さわ子「あなたたちの売りは何? ほのぼの青春学園ライフでしょ?」

律「そう……です」

和「それにしてはずいぶん汚くて醜い争いしてたわよね?」

澪「大変申し訳ない」

さわ子「もう済んだこと。後の祭り。謝っても一度離れたファンは二度と戻らない」

和「消えた唯みたいにね」

梓「うわああああああああああ!!!」

467: 2011/01/05(水) 00:01:47.81

さわ子「でもある意味これでよかったんじゃない?」

梓「……何が」

さわ子「消えた誰かさんがステージで言ってたじゃない」

澪「……やめろ、やめてください」

さわ子「放課後ティータイムは永遠に」

さわ子「放課後ってね」

和「あははははは! あなたたち、一生終わらない放課後を仲良くすごせばいいわ!」

憂「映画とか続編はまかせてください!」

純「梓、頑張ってね」

律「うわああああああああああ!!!!!!!」

澪「……くそおおおおおおお!!!」

478: 2011/01/05(水) 00:08:50.66
梓「唯先輩いいいいいいいいいいいいいい!!!」

沢庵「誰か私をおいしくたべてええええええええええええ!!!」

さわ子「悲観しなくても大丈夫よ」

和「放課後ティータイムが消えても私たちがいるもの」

純「笑いに感動、燃えに萌えまでばっちり!」

さわ子「それにデスデビルがあればけいおんってタイトルは続けれるしね」

さわ子「この際だから†けいおん†にしとくわね」

梓「いやぁあああいやあああああ!!」

憂「永遠の無の中で苦しんでね皆さん!」

澪「あれ、なんだか体がふわふわしてる」

律「なんだよこれ! なんだよ!」

和「はじまったのね。オワコン化」

さわ子「そのままさまよい続けるのよ。だれもすくい出してくれない無限地獄を」

澪「忘れられていく……! 人々の記憶からっ!?」

憂「まさにふわふわ時間だね!」

485: 2011/01/05(水) 00:14:38.19
梓「だめぇ……消えたくない!」

律「もっと輝けるはずなんだ!! やり残したことはいっぱいある!!」

澪「お願い時間を!! やりなおす時間をください!!」

さわ子「だめよ。時間だけは絶対にもどらないわ」

さわ子「この格付でわかったように、人は決して平等じゃないけれど」

和「時間だけは、時間だけは平等なのよ」

さわ子「あそんでようが、勉強してようが、親孝行していようが、何をしていようがね……」

憂「お茶とか雑談のかわりになにか他にすることあったんじゃない?」

純「そういえばけいおん部って無駄なことばっかしてたよね」

梓「あ……あぁぁもうやめて!」

さわ子「大丈夫よ。誰か一人でも意識して覚えててくれる人がいればあなたたちは一応存在はできる」

和「でもそれも、もって数年ね」

憂「早ければ来年には消滅してるかも~」

梓「そんなの……くやしいよ」

494: 2011/01/05(水) 00:19:31.35
和「じゃあ、そろそろ私たち映画の撮影があるから」

さわ子「そろそろ始めないと間に合わないわよねー」

和「私たちが失敗したら本当の本当にあなたたち消えちゃうもの」

憂「私たちの映画をみることによって、あぁそういえば過去にこんなやつらいたなぁってやっと思い出してもらえるんだよ!」

純「なにそれあたしらさまさまじゃん!」

沢庵「――――――」

律「――――――」

澪「おい沢庵! 律! 返事しろ!!!」

和「さようなら。放課後なんちゃらかんちゃら」

憂「またいつか人々の記憶から彫り出してもらってね」

純「ばぁ~い♪」

澪「いやだ……終わりたくない!」

澪「放課後ティータイムは! 放課後ティータイムは―――――」

梓「唯先ぱ――――――」 

499: 2011/01/05(水) 00:23:33.25
平沢家

唯「っていう初夢をみたんだよー」

梓「長すぎっ!!」

憂(正夢にならなきゃいいけどね……)

唯「あ、そうだ忘れてた!!」

梓「そういえばそうですね」

唯「ふふ、せーの!」


『明けましておめでとうます!』

『今年もけいおん!をよろしくお願いいたします!』


唯「よーしあずにゃん憂! 羽つきしようよ!」

梓「その前に初詣です!」




お し ま い

507: 2011/01/05(水) 00:26:15.89

引用元: 唯「けいおん部格付けチェック!」