34: 2019/02/17(日) 19:33:35.72


石上「はい! 四宮先輩は告らせたいんです!!」


本日の勝敗
 石上が氏ぬ

35: 2019/02/17(日) 19:34:40.53

 石上優、恐れる事をやめた男

 様々な苦難を乗り越え成長した男

 それは生徒会会計として2期目となる彼と 四宮かぐやとの関係にも変化をもたらした

 体育祭、定期テスト、文化祭、そして子安つばめ

 奇しくも彼自身の問題に直面した時、もっとも頼りとしたのは恐怖の対象であったはずの 四宮かぐやだった

 そしてそんな時間をすごすうちに 彼の中で四宮かぐやを恐怖の対象から尊敬する心優しき先輩へ変わっていったのもまた当然だったと言えよう


 その結果……
 

36: 2019/02/17(日) 19:35:54.95

 氏期を早めた

石上「あれは、ぜっっったいに ガチ惚れなんで!!」

石上「なんだったら くっつけちゃえばいいんじゃないっすか!!!」HAHAHA-

37: 2019/02/17(日) 19:36:43.80

圭「そう…」

石上「あれ? それだけですか?」

圭「そうですね…。正直、生徒会室に来る途中でそんな噂を聞いたから話題にしただけですし」

圭「言っても? うちは兄妹の仲も特別いいわけじゃないんで」

圭「兄が誰と付き合おうと興味ないです」

石上「ドライだな~。 まあ僕も兄貴いるけど彼女がいるとか知りたくないしそんなもんか?」

圭「ええ、それより書類の更正をお願いしていいですか?」

石上「はいは~い」

圭「・・・・」
 

38: 2019/02/17(日) 19:38:16.22

 嘘である

圭(え?うそ?ほんとに?)

圭(やだ、どうしよう…すっごい嬉しい!!)

圭(うれしいよー♪)

 しかし、反抗期の圭にとって兄への興味など御法度

圭「でも、気のせいってこともありますよね?」

圭「証拠! 証拠はあるんですか!」

 絞り出した結論は否定的立場からの尋問風にすれば恥ずかしくないというものだった
 

39: 2019/02/17(日) 19:40:07.62

石上「う~ん…。ぶっちゃけ前に四宮先輩に聞いたことあるんですよ」

圭「あるんですか!!」ガタッ

石上「そん時は めっちゃ否定されました」ハッハッハッ

圭「否定?」

石上「ええ、しまいには首を締められちゃって…」

圭「かぐやさんは否定したんですね…」シュン

石上「いや、僕もその一件以降なるべく触れないようにしてたんですけど、 最近になって思えばやっぱ好きなんじゃないかって根拠が出てきて」

石上「例えば、これ夏休みの花火大会の写真なんですけど」

石上「見てください、せっかく先輩のためにタクシー走らせたのに花火じゃなくて会長の横顔に見とれてるんですよ」

圭「ほんとだ…」
 

40: 2019/02/17(日) 19:42:22.99

圭「でも、たまたまそう見えるってだけでは?」

石上「まあ、そうなんですけど」

圭「やはり勘違い…」

石上「でも四宮先輩の思う良い男の定義って勉強が出来る人なんすよ…」

石上「それでいて優しさもあって、それって会長みたいな男ですよね!」

圭「それって一般論じゃ…」

石上「ぐっ」
 

41: 2019/02/17(日) 19:43:54.53

圭「まさか騙して…」

石上「嘘じゃないですって!体育祭の時なんて倉庫で押し倒されてたって伊井野が言ってたし!!」

石上「それ以来、四宮先輩が会長と話してる時だけ頬を撫でる仕草をよくするし!!」

石上「あれ絶対ルーティーンです!! もうそんなんに頼らなきゃならないくらい意識してるんです!!」

圭「え?妄想?」

石上「猫耳メイドォォ!!!!」

圭「え?え?猫耳?」

石上「はい! 文化祭の衣装だって猫耳メイド衣装を会長に披露してたんです!!」

石上「猫耳メイドっすよ!猫耳メイド!!」

石上「そんな前時代的で恥ずかしい格好頭イカれてなきゃ好きな人の前でしか出来ないっすよ!!!!」

かぐや「・・・・」
 

42: 2019/02/17(日) 19:45:03.73



かぐや「石上くん?」


石上「ヒィッ!!」

 

43: 2019/02/17(日) 19:48:54.08

石上「し、四宮先輩…いつから?」

圭「か、かぐやさん」

かぐや「あら圭、遊びに来てくれたの?」

圭「い、いえ。書類のチェックしてもらいたくて」

かぐや「そう、なら石上君は適任ね」

かぐや「彼の情報処理能力は私よりも上だもの」

かぐや「私はお客様にお茶を淹れましょうか」ニコッ

石上(聞かれてなかった?)

かぐや「本当に…」

かぐや「ただ、〝致命的〟に口の軽いのよね」

石上(こ、殺される!!)ゾクッ

石上「すみません、ここ場から少しでも離れたいんでお先に失礼します」ダラダラ

圭「え、ええ…」

石上「良かれと思ったのに…」フラッ

かぐや「何やら石上君が行ってしまいましたし書類は私が見ますね」ニッコリ
 

44: 2019/02/17(日) 19:50:05.41

かぐや「ああ、その前にお茶を淹れるんでした」

圭「あ、お手伝いします」

かぐや「ふふ、ありがとう」

かぐや「でもお客様は座ってていいのよ? これでも紅茶を淹れるのは自信あるんだから」


 一見すると普段通りのかぐや
 

45: 2019/02/17(日) 19:50:47.77

 だが内心はこんなんである

かぐや(あ~~どうしましょう!どうしましょう!)

かぐや(圭に知られちゃったぁぁぁ~~!!)

かぐや(どうしよう!どうしよう!どうしよう!)

かぐや(もう、どうしたらいいのぉ~~!!)
 

46: 2019/02/17(日) 19:52:26.21

 ちなみに白銀圭はこんなんである

圭(はぁ…、今日もかぐやさんは素敵…)

圭(それにそれに、もしかしてもしかしたら私のお姉ちゃんに~~♪)

圭(その時は かぐや姉ちゃん? それとも、かぐや義姉さん? かぐ姉!?)

圭(かぐ姉!!??)

圭(ふわぁぁ~~~!! かぐ姉いい!かぐ姉って呼びたい!!!)
 

47: 2019/02/17(日) 19:54:10.69

 だが両者共に好きな相手には積極的になれない者同士

かぐや(誤魔化したいけどどうしたら?)

圭(確認したいけどどうしたら?)

 次の行動に移れないまま膠着状態に突入するかと思われた次の瞬間!

ガチャ

伊井野ミコ「あれ?石上は?」
 

48: 2019/02/17(日) 19:55:59.14

かぐや「あら伊井野さん、石上君を探してるの?」

かぐや「彼ならもう帰りましたけど」

ミコ「ええ!! 用事あるって言っておいたのに…」

ミコ「まったく、これだから石上はダメなのよ!」

かぐや「そうね…」

かぐや「石上君ってそういうとこあるわよね」クスッ


 情 報 の 信 頼 度 !!

 この情報化社会において確かな情報源のない情報などゴミクズ同然!

 そのようなモノを信じていればたちまち情弱のレッテルを貼られてしまう

かぐや「石上君は洞察力はあるけど肝心な部分でズレてというか…」

かぐや「そんな彼が男女の機微なんて分かるのかしら?」

 かぐや、石上の情報源としての信頼性を損なうことによりこの場を逃れる作戦
 

49: 2019/02/17(日) 19:58:27.19

伊井野「男女の機微~? そんなの石上からもっとも遠い言葉です!」

かぐや(思ったとおり食いついてきたわ。 石上君には悪いけどここは伊井野さんに同調しておくのが吉)

かぐや「そうよね♪ そうよね♪ 石上君に恋愛事なんてわかりっこないわよね♪」

圭「そっか…」

伊井野「あら? お客様がいらっしゃったのですね」

圭「あ、はじめまして。中等部生徒会会計の白銀圭と申します」

伊井野「ご丁寧にどうも、会計監査の伊井野ミコです」

伊井野「ところで白銀ってもしかしたら…」

圭「はい、こちらの生徒会会長 白銀御行は私の兄です」

伊井野「やっぱり! お兄さんでしたら職員室ですれ違ったのですぐ来ると思います」

圭「いえ、兄に用事はなくて…」

伊井野「では、義姉さんに用事ですか?」にっこり

圭「義姉さん?」

伊井野「そうですよね♪ 白銀会長と四宮先輩は付き合ってますもん」

伊井野「ご家族と仲がよくて当然ですよね♪」

かぐや「…伊井野さん?」
 

50: 2019/02/17(日) 20:00:40.66

 情報の信頼性、それは複数の情報源から得られることによって補強される

伊井野「うんうん、家族公認の健全な男女交際。 風紀委員としてもとても素晴らしいことだと思います」

 補強

伊井野「でしたら安心してください。 お二人の仲は私の目から見ても良好そのもの」

伊井野「普段から会長を立てる先輩のそれは〝妻〟のようです」

 補強

かぐや 圭「「つ、妻!!?」」

伊井野「ですけど四宮先輩は時々会長への〝愛〟が行き過ぎてます!」

伊井野「前なんて神聖であるべき生徒会室で言葉にできないようなことを…」

 伊井野、これでもかと石上の情報を補強する

かぐや「ち、ちがうのよ? 伊井野さんはちょっと思い込みが激しくて…」

圭「伊井野…? そうだ! 伊井野先輩が倉庫で兄がかぐやさんを押し倒してたのを見たっていうのは本当ですか!!」

かぐや「圭!!」テンパリゲージ+5

伊井野「はい!はっきり見ましたとも!!」
 

51: 2019/02/17(日) 20:03:18.71

かぐや「違うのよ、あれは事故で…」

伊井野「じゃあ、下着の好みをきくのも事故ですか?」

かぐや「それは別じゃない!」

伊井野「別じゃないです! きっと見えないとこでは二人きりになったら破廉恥なことを……」

かぐや「圭は信じてくれるわよね?」スッ

圭「…頬をさわるのはルーティーンですか?」

かぐや「圭!?」カアァァァ

 ルーティーンを封じられたかぐや、その様子を見て確信にかわる白銀圭

圭(ほんとに付き合ってるの? いや好きあってる? そもそも告らせたいってなに?)

 しかし! 自身の兄が敬愛するかぐやと好きあっているという情報は脳をオーバーヒートさせ錯乱状態にさせる

圭(えっと、かぐやさんはお兄ぃの横顔に見とれて猫耳メイドで押し倒されて私はかぐ姉って呼びたくて…)アワアワ

 情報を処理しきれず混乱する圭は、ここで普段ではあり得ない言葉がこぼれ出す

圭「…かぐや、お姉ちゃん?」
 

52: 2019/02/17(日) 20:04:34.22

かぐや「圭?」

圭「はっ! 私ったらなにを!?」

圭「その、今日は帰ります! いろいろありがとうございました!!」ガタッ

タッタッタッタッ

伊井野「帰りましたか。 なにやら騒がしい子でしたね」

かぐや「伊井野さん…」ゴゴゴゴゴ

伊井野「はい?」


 本日の勝敗…
 

53: 2019/02/17(日) 20:05:25.16


 伊井野も氏ぬ


伊井野「いやあぁぁぁ~~~!!!」




終わり

54: 2019/02/17(日) 20:09:12.58
これで終わりです

アニメはテンポはやくて圭も出番ありそうで嬉しい

引用元: かぐや「かぜひいたけど がっこういく!」早坂「ダメです」