1: 2011/01/15(土) 01:13:48.95
きょうしつ!
純「ほら、セキセイインコっているじゃん。こんぐらいの鳥で、言葉しゃべるやつ」
梓「そっちじゃないよ! ……でもなんで私? っていうか純ってインコ飼ってたっけ」
純「鳥なんて飼ってるわけないじゃん。ほら……あずにゃん2号いるし」くすくす
梓「もうその名前のことはいいじゃん!」
純「ってか梓って意外と気に入ってるよね、あずにゃん」
梓「うっさいなあ……あずにゃんのことはいいでしょ」
純「名前を付けるぐらいだし、ほんとに唯先輩のペットみたいだね」にやにや
梓「もう、純なんて知らないから!」
純「あはは、ごめんってば」
純「ほら、セキセイインコっているじゃん。こんぐらいの鳥で、言葉しゃべるやつ」
梓「そっちじゃないよ! ……でもなんで私? っていうか純ってインコ飼ってたっけ」
純「鳥なんて飼ってるわけないじゃん。ほら……あずにゃん2号いるし」くすくす
梓「もうその名前のことはいいじゃん!」
純「ってか梓って意外と気に入ってるよね、あずにゃん」
梓「うっさいなあ……あずにゃんのことはいいでしょ」
純「名前を付けるぐらいだし、ほんとに唯先輩のペットみたいだね」にやにや
梓「もう、純なんて知らないから!」
純「あはは、ごめんってば」
5: 2011/01/15(土) 01:19:50.24
梓「で、なんで純が鳥の世話なの?」
純「んー、従兄弟の家がちょっと出かけるらしいんだよね。その間、世話する人がいないんだって」
梓「はぁ……最初に断らなかったの?」
純「前にあずにゃん2号預かってもらった恩があるっていうか・・・・」
梓「純ってそういうの気にする人だったっけ」
純「気にするっつーの! ……お母さんが」
梓「やっぱ気にしないんじゃん」
7: 2011/01/15(土) 01:24:51.02
純「いいじゃんその話は。ま、お母さんが断りきれなかったってだけなんだけどね…」
梓「うーん…いいけど、私が勝手に預かっちゃっていいの?」
純「あ、その話はもう親戚の人にしてあるから。大丈夫みたいだよ」
梓「私が引き取る前提で話進めるとか…」じとーっ
純「あはは。でも梓って意外と動物好きそうじゃん?」
梓「こないだはこないだだよ。・・・・正直、あのときも唯先輩に迷惑かけちゃったし」
純「いいじゃんいいじゃん。あれがきっかけでよくうち来るようになったんでしょ?」くすっ
梓「それとこれとは話がべつー!」
8: 2011/01/15(土) 01:29:51.71
純「まあまあ。とにかくさ、今回だけは許してよ。おねがい!」
梓「なんなのその拝むポーズは…はずかしいからやめてよ」
純「あっそうだ。これあげるから」ずいっ
梓「『スカイタワー コスモスケープ 特別招待券』・・・?」
純「ほら、村元駅前にこないだオープンしたプラネタリウム。福引きでお母さんが当てたらしくって」
梓「あー。みんな話してたね、すっごい混んでたって。……で、なんで2枚なのさ」
純「それは、その……使い道があるんじゃん? いい感じの」にやにや
梓「……断っていいですか」
純「冗談だってば!」あせっ
11: 2011/01/15(土) 01:34:52.72
ほうかご!
唯「へぇ~、あずにゃん家にインコがくるんだ!」きらきらっ
梓「なんで唯先輩がうれしそうなんですか…」
唯「だってインコだよ? 人間の言葉しゃべれるんでしょ?! ねぇみせてよお…!」
律「だよなだよな! せっかくだしなんか覚えさせてみよーって!」
澪「おまえら、人のペットだぞ…」
紬「ねぇねぇ梓ちゃん、明日みんなで見に行ってもいいかなあ・・・・?」きらきらっ
梓(う…ことわりづらいぐらい目を輝かしてる……)
唯「ねぇーえ、あずにゃあん!」ゆさゆさ
律「たのむよあずにゃーん」ゆさゆさ
紬「おねがいあずにゃーん」ゆさゆさ
梓「律先輩まで! ていうかムギ先輩も?!」
澪「……あ、あずにゃーん」ぼそっ
梓「澪先輩もですかー?!」
13: 2011/01/15(土) 01:39:53.48
梓「はぁ……わかりました。明日なら空いてますから、うちに来ていただければ」
唯「やったあ!」
律「よーし、じゃあ今からなに教えるか考えとこうぜ!」
唯「りょうかいです、りっちゃん隊員!」
澪「おいおい・・・・でも梓、いいのか? 結構な人数になっちゃうけど…」
梓「あ、大丈夫です。今日明日はお父さんもお母さんも出かけてるので、私ひとりなんですよ」
律「……ははーん」にやっ
梓「なっなんですか」
律「さては梓、一人じゃさみしいから私たちを呼んだな?」
梓「そ、そんなんじゃありません! 私は来年もひとりでできるもん!」
紬「まぁまぁ、いまは一緒にいようよ」にこっ
梓「は、はい…」
17: 2011/01/15(土) 01:44:54.34
そのひのよる!
梓(純おそいな…)
ぴんぽーん
梓「やっときたし……はーい、いまあけまーす」
ガチャ
純「ごめんごめん、ソファーの誘惑が…」
梓「いいからあがって。さむいよ」
純「あー、わるいねー」
19: 2011/01/15(土) 01:49:55.04
梓「で、その子が…」
純「うん。オスのセキセイインコで、名前がピー太」
梓「えっ」
ピー太「チュ チュ チュ」
純「ん? なんか言った?」
梓「いや、なんかすごいデジャブが…」
純「・・・・・あー。ギー太ねえ。はいはい、ピー太にギー太ねえ」にやにや
梓「なにその言い方」
20: 2011/01/15(土) 01:54:55.74
純「べつにー? 梓っていっつも唯先輩のことばっか考えてるなあって、改めて」
梓「う……純にはいわれたくない!」
純「あははっ。……っていうか、もう意地はるのやめたほうがいいんじゃない?」
梓「……分かったこといわないでよ」
純「……つんでれだよなー、ほんっと」
梓「だれがさっ」
21: 2011/01/15(土) 01:59:56.48
梓「ん……と。えさやりってこんな感じでいいのかな」
純「いいんじゃーん? あと、てきとうに水とっかえといて」
梓「適当って……」
ピー太「アリガトウ アリガトウ!」ぱたぱた
梓「……」
純「喜んでるっぽいよ?」くすっ
梓「……ふふっ」
ピー太「ピータ アリガトウ!」
梓「えっ」
純「……じ、自画自賛?」
23: 2011/01/15(土) 02:04:57.21
純「じゃあ私帰るねー。明日ジャズ研で練習あるし」
梓「へー、日曜も集まるんだ……うちとは大違いだ」
純「軽音部は軽音部でいいとこあるじゃん」
梓「なに? どこ?」
純「え、ええーっと……その、自由奔放なとこ!」あせっ
梓「……無理したでしょ」
純「そんなことないってばー。ほら、はたから見てると五人の演奏って――」
ピー太「オハヨウ!」
梓「今?!」
純「こんにゃろー! いいこと言おうとしたのに!」
ピー太「アリガトウ!アリガトウ!!」
純「ほめてませーん!」
梓(純が鳥に翻弄されてる…)
24: 2011/01/15(土) 02:09:57.93
純「はぁ…なんかムダに体力つかっちゃうから帰るね……」
梓「あ、うん……お疲れさま」くすっ
純「なんで笑ってるのっ」
梓「だって、インコ相手にムキになってるのが……ぷふっ」
純「こいつ態度がわるいんだよお! むかつく!」
ピー太「ウルサイ!」
純「うるさいのはおまえだー!」
梓「あはは、わかったわかった。じゃあ、月曜に学校でね」
純「はぁ……じゃあ、ピー太のお世話よろしくね」
ガチャ
梓「ふぅ…やっかいなこと引き受けちゃったかもなー」
ピー太「アリガトウ!」
梓「あはは…」
25: 2011/01/15(土) 02:14:58.61
梓「……しずかだなー」
ピー太「……」
梓「純がいなくなった反動かな……」
梓「………」
梓「やっぱ一人だと…うちって広いよね」
ピー太「……」
梓「……」
梓「――だめ! 来年も軽音部一人でもがんばっていくんだもん!」
梓「……はぁ」
ピー太「……」
26: 2011/01/15(土) 02:19:59.30
梓「ギターでも弾こうかな…アンプつながなきゃいいよね」
ピー太「~♪」
梓「あれ、ピー太もうたうの?」くすっ
ピー太「~♪」
梓「ふふっ、なんか唯先輩みたいだね」にこっ
梓「……」
ピー太「……」
梓「じゃあ、ふでぺんぼーるぺん」
梓「…うぃず、ぴーた。なんちゃって」
ピー太「アリガトウ!」
梓「……えへへ」
27: 2011/01/15(土) 02:25:00.20
梓「そろそろねよっか、ピー太」
ピー太「オヤスミ!」
梓「…………あ、ず、さ」
ピー太「……」
梓「わたしの名前はねー、あずさだよ。あ、ず、さ」
ピー太「……」
梓「……あはは、そんなにすぐ覚えないか」
梓「あした唯先輩来たらどうしよっかな…」
梓「……」
ピー太「オハヨウ! ユイセンパイ」
梓「気が早いよ?!」
29: 2011/01/15(土) 02:30:00.91
梓「でも、あたまいいんだねピー太。すぐ覚えちゃったね」
ピー太「アリガトウ!」ぱたぱた
梓「えへ、どういたしまして。……唯先輩もこれぐらい音楽用語おぼえてくれたらなー」
梓「唯先輩、ちゃんとやればすごいんだからもっと努力しなきゃだめだよ…」
梓「……ふわぁ…」
ピー太「……」
梓「いっしょにねよっか、ピー太」
ピー太「~♪」ぱたぱた
梓「あはは、夜おそいからしずかにね」
31: 2011/01/15(土) 02:35:01.62
あずさのへや!
梓「ふぅ……あ。メール来てた」
梓「憂からか…」
憂〔お姉ちゃんが誘ってくれたんだけど、あした私も梓ちゃんち行っていいかな?〕
梓「ふふ、家でも唯先輩話してたんだ…」
梓「そーしんっと」
ピー太「アリガトウ!」
梓「ピー太もうれしいの?」
ピー太「オハヨウ!」
梓「……まちどおしいんだね」くすっ
32: 2011/01/15(土) 02:40:02.33
梓「ふぅ……じゃあ、おやすみピー太」
ピー太「オヤスミ!」ぱたぱた
梓「……すぅ…」
ピー太「……」
梓「…すぅ……」すやすや
ピー太「……」
梓「…ぃせんぱぁい……」
ピー太「……」
梓「……ゆいせんぱ……すきぃ……」
ピー太「……」
梓「……はなれちゃ……やだよぉ…」
ピー太「……」
梓「……いすきぃ……すぅ…」
33: 2011/01/15(土) 02:45:03.03
――――――
――――
――
ゆい「それじゃああずにゃん、けいおんぶのことはまかせたよっ」
あずさ「まってください、ゆいせんぱい! まだ…」
ゆい「あずにゃん、どうしたの・・・・?」
あずさ「……なんでも、ない、です」
ゆい「……へんなあずにゃん」くすっ
ゆい「それじゃあ私も時間だから。またね」
あずさ「そんな、そしたら私、ひとりに――」
ゆい「だいじょうぶ。ぎゅー」
あずさ「・・・・だきしめないでよぉ」
ゆい「…?」くすっ
あずさ「だきしめられたら、離れられなくなっちゃう……」
――――
――
ゆい「それじゃああずにゃん、けいおんぶのことはまかせたよっ」
あずさ「まってください、ゆいせんぱい! まだ…」
ゆい「あずにゃん、どうしたの・・・・?」
あずさ「……なんでも、ない、です」
ゆい「……へんなあずにゃん」くすっ
ゆい「それじゃあ私も時間だから。またね」
あずさ「そんな、そしたら私、ひとりに――」
ゆい「だいじょうぶ。ぎゅー」
あずさ「・・・・だきしめないでよぉ」
ゆい「…?」くすっ
あずさ「だきしめられたら、離れられなくなっちゃう……」
34: 2011/01/15(土) 02:50:03.74
――
――――
――――――
梓「……うぅ」
ピー太「オハヨウ!オハヨウ!!」ぱたぱた
梓「あれ、もう朝………わ。もうこんな時間!」
ピー太「オハヨウ!」
梓「ありがと、起こしてくれたんだ…」くすっ
梓(……最近、あの夢ばっかり見る…)
梓(………)
梓「……だめだってば。先輩方も受験ちかいんだし、私もしっかりしなきゃ!」
――――
――――――
梓「……うぅ」
ピー太「オハヨウ!オハヨウ!!」ぱたぱた
梓「あれ、もう朝………わ。もうこんな時間!」
ピー太「オハヨウ!」
梓「ありがと、起こしてくれたんだ…」くすっ
梓(……最近、あの夢ばっかり見る…)
梓(………)
梓「……だめだってば。先輩方も受験ちかいんだし、私もしっかりしなきゃ!」
35: 2011/01/15(土) 02:55:04.46
梓「……メールしたし、もう少ししたら来るかな」
ピー太「……」
フワッフワッターイム♪
梓「あ……唯先輩、おくれてくるんだ……」しゅん
梓「……へぇ、憂がお菓子もってきてくれるんだ。楽しみだな」
ピー太「……」
梓「そろそろ憂がくるかな…」
梓「じゃあね、ピー太。先輩たちの前ではいい子にしてなきゃだめだよ?」
ピー太「・・・・・ユイセンパイ、ダイスキ!!」ぱたぱた
梓「なっ……えええっ///」
41: 2011/01/15(土) 03:17:45.66
梓「なっなんて言葉おぼえてるのさ!//」
ピー太「ユイセンパイ、ダイスキ!」ぱたぱた
梓「あぁ…うああ……どうしよ、このままじゃ先輩がくるよぉ……」
ピー太「ユイセンパイ ハナレナイデ!」
梓「もっもうしずかにしてよお!!」うるっ
梓「と、とにかく落ちつかなきゃ…」
梓「そうだよ、言葉を忘れさせる方法を探さなきゃ!」
梓「でもお父さんの部屋のパソコンって……」
ピー太「ユイセンパイ ダイスキ!」
梓「いっいまは緊急事態だよね」あせっ
43: 2011/01/15(土) 03:22:47.44
おとうさんのへや!
梓「……」かたかた
梓「……」かたかた
梓「……うー、ぜんぜんヒットしない…」
ピー太『オハヨウ!』
梓「こっちの部屋まで聞こえるし…」
梓「……先輩たちが来るまでになんとかしなくちゃ」
ぴんぽーん
梓「ええっ、もう?!」
44: 2011/01/15(土) 03:27:48.17
梓「ど、どうしよう…あんまり待たせるのもよくないし……」そわそわ
梓「…でも……」
梓「…時間がないよぉ……」
ピー太『オハヨウ! オハヨウ!!』
ぴんぽーん
梓「……とにかく、行かなきゃ…」しゅん
ガチャ
45: 2011/01/15(土) 03:32:48.86
げんかんさき!
憂「おはよう、あずさちゃ……って、その目どうしたの?」
梓「え、あ……うん、いや、ちょっとね…あはは」
憂「なんかちょっと赤くなってるけど…」
梓「いいのいいの。ごめんね、朝おきたの遅くてばたばたしちゃってて…」
憂「そう? ごめんね、こんな時間に押しかけちゃって・・・・」
梓「こんな時間って、もう9時じゃん。私も一人じゃすることないし、気にしないでよ」
憂「そっか…あ。クッキー焼いてきたよ」
梓「わぁ……ありがとう!」
憂「お姉ちゃんや律さんたちの分もあるから、みんな集まったらたべようね」
梓「うん!」
梓(ふぅ…憂と話してたら落ち着いてきたかも……)
47: 2011/01/15(土) 03:37:49.89
憂「へぇ……この子がそのインコさんかあ」きらきらっ
ピー太「……」
梓(お願い、よけいなこと言わないでねピー太……)どきどき
憂「? どうしたの梓ちゃん」
梓「あっううん、なんでもないよ」
憂「あ、勝手にさわっちゃったらだめだったかな……」
梓「んーん、憂のことじゃないからだいじょうぶだよ!」あせっ
憂「……お姉ちゃんのこと?」
梓「あは……そう、いうわけでもないんだけど」
48: 2011/01/15(土) 03:42:50.64
憂「もう11月だもんね…」
梓「そうだねえ……センターまで二ヶ月ちょっと、かあ」
憂「……お姉ちゃんたち、受かるといいね」
梓「……受かるよ、きっと。唯先輩たちすごく努力してるもん」
憂「うん、きのうも古文の勉強を遅くまでがんばってたんだよ!」にこっ
梓「それで寝坊かあ…ふふっ」
憂「ごめんね、ちょっと寝かせてあげたくなっちゃって…」
梓「気にしてないよ。からだ壊すほうがやだってば」
憂「そうだね……ありがと、お姉ちゃんの心配してくれて」
梓「ふふ、憂だってそうじゃん」
憂「えへへっ」
49: 2011/01/15(土) 03:47:51.46
梓「じゃあ、律先輩たちが来るまでにお茶の支度でもしておこっかな」
憂「あ。私手伝うよ」
梓「いいっていいって。憂はお客さんなんだから」
憂「でも待ってるのも悪いかなって…」にこっ
梓「ふふ、憂らしいね。ありがと、じゃあ私がお茶いれるから憂はテーブルクロスと――」
ピー太「ユイセンパイ ダイスキ!!」ぱたぱた
梓「なっ――!?//」
50: 2011/01/15(土) 03:52:52.51
ピー太「ユイセンパイ、ハナレナイデ! ダイスキ!!」
梓「やめてってばあっ、もう!!」ばたばた
憂「……ぷふっ、くふふっ…」
梓「憂もわらわないでよお!」うるっ
憂「ごっごめん! ……なんか、ピー太くんが正直すぎて…」くすくす
梓「……もうやだよぉ…」うるうる
憂「ごめんね! その、ピー太くんも悪気があって…」
ピー太「アリガトウ!」
梓「うるさいピー太!」
憂(梓ちゃんが小鳥さんに翻弄されてる…)
53: 2011/01/15(土) 03:57:53.27
梓「もう、ピー太がへんな言葉覚えるから疲れちゃったよ…うぅ」
憂「しょうがないよ、動物なんだから…」
梓「ていうか、どうにかしてあいつに言葉をわすれさせないと!」
憂「えっ…ええっ?」
梓「だって、先輩たちがきたら……」
梓「……」
憂「……」
梓「……うああっ、だめだよ! そんなのぜったいだめー!//」
憂(な、なに想像したのかな、いま…)
54: 2011/01/15(土) 04:02:54.01
梓「と、とにかく……唯先輩が来るまでになんとかしなくちゃ」あせっ
憂「お姉ちゃん限定なんだ…」
梓「ねぇ憂、なにか方法ないかな? どうしたらあいつ忘れてくれるとおもう?!」ゆさゆさ
憂「ひぇ?! えっ、えーっと…その、きゅうには……」あせっ
憂「……あ」
梓「えっ?」
憂「ほかの言葉をたくさん言って、それを覚えさせたらわすれるんじゃないかな?」
梓「そっかあ! ありがとう、ういー!」ぎゅっ
憂「ひゃ?! ……て、てれるよお//」
56: 2011/01/15(土) 04:07:56.04
りびんぐ!
梓「で、ええっと……なに言ったらいいんだろ」
憂「なんでもいいんじゃないかな? その、住所とか電話番号とか…」
梓「――唯先輩なんてだいっきらい!」
憂「えええっ?!」
梓「……いや、ちがうよ? そんなこと思ってないよ? ほんとだよ?」
憂「あ…うん、それはわかるけど――」
梓「正反対のこと言えば大丈夫だよ! 打ち消されるはず!」
憂「ええー…それってどうなのかな……」
58: 2011/01/15(土) 04:12:56.82
梓「唯先輩きらい! 練習しないとことか、まじめにやらないとことか、すぐ音楽用語わすれるとことかだいっきらい!」
憂「そ、それはそれで覚えちゃったらまずいんじゃ……」
ピー太「ユイセンパイダイスキー」
梓「きらい! 軽音部みんなきらい! お茶ばっかり飲んで練習しないで、そのくせ演奏だけはすごくよくって、」
梓「勝手にバンドメンバーになって、そりゃ入部したの私だけどさ、でも勝手に卒業しちゃうの……きらい!」
ピー太「~♪」
梓「だいっきらい! 私一人残してどっかいっちゃうなんて勝手だよ! だいっきらい! 唯先輩なんてきらいーっ!」
梓「……はあっ、はぁ…」
ピー太「~♪」
憂(梓ちゃん……)
60: 2011/01/15(土) 04:27:35.32
40分に再開します
62: 2011/01/15(土) 04:36:00.20
憂「……梓ちゃん」
梓「ごめん、さっきのは気にしないで! その――忘れさせるためだから!」
憂「いや、そうじゃなくって……ごめんなんでもない」
梓「……ごめんね、ちょっと落ち着かなきゃ…」
憂「あのね、梓ちゃん・・・・・できることあるか分かんないけど、もしつらかったら――」
ぴんぽーん
梓「うわ…律先輩たちだよね……」
憂「しっしんぱいないよ! それに律さんたちだって梓ちゃんのこと、」
梓「とっとにかく迎えにいってくる!」だっ
がちゃ
ばたん
憂(梓ちゃん……だいじょうぶかな)
63: 2011/01/15(土) 04:44:30.08
げんかんさき!
紬「おじゃましまーす♪」
澪「わるいな梓、休みの日に押しかけちゃって」
梓「いえいえ、ほんと気にしてませんから!」
律「いやー、梓んち行くのってひさびさだよな」
澪「確かにな……軽音部全員ってなると、唯か律の家が多かったからな」
紬「梓ちゃんの家って楽器やレコードがたくさんあっておもしろいんだよね! 配置とかもきれいだし…」きゃっきゃ
律「物色するなぁ! おまえは渡辺篤史か!」ぱしっ
紬「きゃっ?!……ふふふっ」
梓「なんではたかれてうれしそうなんですか…」
64: 2011/01/15(土) 04:49:17.46
紬「それでそのインコってどこにいるの」
梓「……あー、ええっと…」
律「どうしたんだよ梓ー、もったいぶんなよぉ」
澪「こ、こら律!」
梓「……わ、わかりました…とりあえずあがってください、立ち話もなんですから」
律「お、待ってましたー!」
紬「わあ…このスリッパ猫さんだ! 唯ちゃんがよろこびそう!」
梓「……うぅ」
65: 2011/01/15(土) 04:51:58.40
律(……おい澪)ぐいっ
澪(なっなんだよいきなり耳元で)
律(……梓、なんか調子わるそうじゃね?)
澪(あ……たしかに)
梓「? 律先輩たち、どうしたんですか?」
律「えっ? ああなんでも! いっやあ澪のやつがおトイレがまんしてるみたいで…」
澪「しょうもないうそをつくな」ぱこん
律「ひゃ!」
梓「あ、お手洗いは階段の横の――」
澪「い、いやいいんだいいんだ。それよりそのインコの方を…」
梓「・・・・・わかりました」しゅん
澪(言われてみると…やっぱりおかしい、かも)
66: 2011/01/15(土) 04:58:06.26
りびんぐ!
紬「あ、憂ちゃん先にきてたんだ」
憂「おじゃましてます」にこっ
律「・・・・・で、唯のやつは寝坊かい」
憂「すみません、明け方まで勉強してるお姉ちゃん見たら起こすのがかわいそうになっちゃって…」
澪「聞いたか律。お前も唯を見習え」
梓「そーですよっ。唯先輩でさえがんばってるんですから、律先輩はもっとちゃんとしてくださいっ」
律「うっ…まさか唯を見習えなんて聞くとは思わなかった……」
紬「ふふ、りっちゃんも唯ちゃんに負けないぐらいがんばらないとね」くすくす
憂「メモ残して目覚ましかけといたんで、もうしばらくしたら来ると思います」
紬「よかった…じゃあ、ちょっとインコさんとお話させてくれるかな?」
梓「あ……はい」
67: 2011/01/15(土) 05:03:09.91
梓「えっと……この子です」
ピー太「……」
紬「わあ、かわいい!」きらきらっ
澪「へぇ……名前はなんていうんだ?」
梓「……ピー太、っていうらしいです」
律「ぷふっ、どっかにいたなぁそんなの」
紬「それはギー太だよ」くすっ
68: 2011/01/15(土) 05:08:11.77
律「でさ、ピー太はしゃべるの?」
梓「……あ、はい! ええっと、しゃべりますよ」
律「いま意識とんでただろ梓」にやにや
梓「とんでません! ……律先輩じゃあるまいし」ぼそっ
律「なんだとー?! こんにゃろおっ!」ぐいっ
梓「ひゃあっ?! やっやめてくらさいぃ!」
澪「お前ら子どもか……」
69: 2011/01/15(土) 05:13:31.05
紬「ピー太ぁ……げんき?」つんつん
梓「あの、ムギ先輩……あんまり鳥かごさわらない方が……」
ピー太「オハヨウ! オハヨウ!!」ぱたぱた
澪「わっ、しゃべった!」
律「おお、インコってほんとに人間の言葉話すんだな!」
梓「話すって言っても意味も分からないで発言してるだけみたいですけどね。声帯模写と一緒です」
澪「はは、なんだか調べたみたいな言い方だな」
憂「あはは……」
紬「ねぇねぇ、私の名前おぼえるかな?」
梓「そうですね……その子、かなり物覚えいいみたいですし、うん」
憂「そ、そうだよね…」
紬「つーむーぎ。つむぎ。わたしのなまえはつむぎですよー、ピー太くん」
律「一番の子どもはムギかもな…」くすっ
70: 2011/01/15(土) 05:18:24.32
梓「それじゃあ……お茶だしますね」
憂「あ、私もクッキー持ってきました」
律「おおっ、気が利くなあ!」
澪「律も少しは人んちだって自覚を持ちなさい」
律「なんだいみおー、澪だって手みやげとか持ってきてないくせにー」
澪「律は態度がおおきすぎるんだ!」
紬「まぁまぁ…それじゃあ梓ちゃん、お願いしていいかな?」
梓「はい!」
71: 2011/01/15(土) 05:25:09.30
きっちん!
梓「ふぅ……気が気じゃなかったよ……」
憂「いまのところは大丈夫そうだね…」
梓「これからどうしよっかなあ……」
憂「もう、しょうがないと思うんだけどな……梓ちゃんは、やっぱりだめ?」
梓「だめっていうか、恥ずかしすぎるでしょ……憂だったらどうする?」
憂「えっ、なにが?」
梓「こう、お姉ちゃんだいすきー! とか、お姉ちゃんあいしてるー! ……なんて言われちゃったら」
憂「あっあいしてるって//」
梓「ごめんなんでもない//」
72: 2011/01/15(土) 05:31:18.58
憂「うーん、かわいいなあって思うだけかも」
梓「えっ……?」
憂「たしかに私、お姉ちゃんのこと大好きだけど……あいしてるとか、そういう気持ちじゃないもん」
梓「……そっかあ」
憂「梓ちゃんは、ちがうの?」
梓「・・・・・・いま聞く? そのこと」
憂「ごめん、つい…」
梓「……とりあえず、律先輩たち待たせてるから向こういこ」
憂「あっうんそうだね!」あせっ
74: 2011/01/15(土) 05:37:01.62
りびんぐ!
梓「おまたせしました……どうぞ」
紬「わあ…いいにおい!」
梓「ムギ先輩のほどじゃないですよ…」くすっ
澪「でもこれ、けっこう高級な紅茶なんじゃないのか?」
梓「もらいものですから気にしないでください。お父さんの仕事の関係で、よくもらうんですよ」
憂「あ……プロ奏者なんだよね、梓ちゃんのお父さんって」
梓「うん、それで付き合いでもらったりとかね」
律「いーいなあ。私んとこなんか普通のサラリーマンだぜ?」
澪「そこで張り合うなよ…」
75: 2011/01/15(土) 05:42:27.58
律「じゃあ……いただきまーす!」
梓「ふふ、どうぞ」
澪「お茶もおいしいけど……憂ちゃんのクッキーもおいしいな」にこっ
紬「手作りだからかな……味が深いかんじがする!」
憂「えへへ……ありがとうございます」
律「しかし私たちって食べ物にはめぐまれてるよなー」
澪「はは……ムギもいろいろ持ってきてくれるからな」
紬「みんなだって、きのこの里とかたけのこの森とかいろいろ教えてくれたもの」
律「微妙にちげえ……」
76: 2011/01/15(土) 05:47:38.75
律「きのこー!」
澪「いーやたけのこだっ、これはゆずらん!」
律「なんだよおっ、たけのこなんてしょせんチョコの少なさをごまかしてるだけの――」
澪「律はおこちゃまだからなー、チョコさえ塗りたくってればおいしいとおもってるんだろ?」
律「あんだとー」ぐにっ
澪「ふるさーい」ぐにっ
紬「ふふ……りっちゃんたち子どもみたいだね」くすっ
律澪「「ムギにはいわれたくない!」」
梓「みなさん、もうちょっと大人になりましょうよ……」
憂「ぷふっ……ふふふっ・・・・・・」
律「何より憂ちゃんに大うけなのがへこむな…」
澪「律のせいだからな…」
78: 2011/01/15(土) 05:53:00.91
紬「ねえねえ、ピー太くんの話なんだけど」
梓「ひゃ?! ……なっなんですかっ」
律「あずさー、おまえだいじょうぶか?」くすっ
梓「律先輩よりはだいじょうぶですー」ぷくー
澪「まあまあ……ムギ、なんだ?」
紬「やっぱり、なにか覚えさせてみたいかも……私たちのこととか」
律「おーう、そうだな! じゃあ手始めに部長の私が――」
ピー太「ケイオンブ ダイッキライ!!」
律「……えっ」
80: 2011/01/15(土) 05:58:44.41
梓「わぁあああっ! ちょ、ピー太なんてことをっ!!」だっ
澪「おっおい梓落ち着けって――」
ピー太「ケイオンブ! ダイッキライ! サボル! ダイッキライ!!」ぱたぱた
梓「ちょ――おねがい、だまってよぉ!」がたっ
律「あっおい、そんなことしたら鳥かごが――」
がたっ
がっしゃーん
ばたばたばたっ
澪「ひっ――ひゃあっ?!」
81: 2011/01/15(土) 06:02:58.80
ピー太「ダイッキライ! ケイオンブキライ!!」ばたばた
澪「ひいっ!!」ぶるぶる
紬「わわっ……どうしよう!」
律「とりあえず捕まえないと……ってうわっ?!」
ばたばたばたっ
憂「りっりつさんだいじょうぶですか?!」
律「いってえ……」
梓「あ……あ・・・・・・・」うるうる
憂「とにかく…あの子をつかまえないと……」
梓「――わぁあああっ!!」だっ
律「あっ、あずさ?!」
83: 2011/01/15(土) 06:08:20.60
すうふんご!
律「おい澪、起きろって」
澪「ひっ?! うぅ……なんだりつかぁ・・・・・」がくがく
律「まったく…立てないなら肩かしてやるから、ほれ」
澪「うぅ……ありがとう」
紬「……行っちゃったねえ」
憂「はい……ピー太くんも、梓ちゃんも」
律「なんにしても探して捕まえないとなぁ…」
紬「…梓ちゃん、泣いてた……」
84: 2011/01/15(土) 06:14:11.11
律「・・・・・なんかさー、梓のやつ様子おかしかったんだよな」
澪「ああ…」
紬「えっ・・・・・そうだったんだ」しゅん
憂「あの、梓ちゃんは決して――」
律「?」
憂「――いや、なんでもないです…」
律「うーん、まあ今はピー太のやつを探さなきゃなあ」
紬「じゃあみんなで手分けして…」
澪「いや、だめだ」
87: 2011/01/15(土) 06:19:40.50
憂「えっ?」
澪「だって、この家の住人が誰もいないまま全員で出てくのはまずいだろ? 鍵の場所もわかんないし」
律「そっかあ……玄関開けっ放しはアレだよなあ。下手すりゃ一日仕事になりそうだしな」
憂「たしかに、お姉ちゃんもこれから来ますからね…」
紬「それなら、誰かがここに残ればいいんじゃない? 他のみんなで手分けして探そうよ」
澪「そうだな、じゃあ…」
律「とりあえず澪は残りだな」にやっ
澪「なっなんでだよ!」
律「さっきピー太に飛びかかられて腰ぬかしたくせにー」にやにや
澪「……わっわかったよ、うるさいなっ」
88: 2011/01/15(土) 06:25:24.54
憂「あ、なら私も残っていいですか? あとから来るお姉ちゃんにはじかに伝えときたいんで……すいませんっ」
律「そうだなー。澪ひとりじゃ不安だもんなー」じろっ
澪「律は私をなんだと思ってるんだ…」
律「とにかく私とムギでピー太探しか! うでがなるぜー!」
紬「そうね、がんばろうねりっちゃん!」
澪「…梓……」
律「いまそんなこと考えてもしょうがないだろー。それに、梓が本気で私たちのこと嫌いだと思うか?」
澪「わかんないだろっ」
紬「………」しゅん
89: 2011/01/15(土) 06:30:04.77
律「……もし嫌ってたとしたってさ、唯だけはちがうだろ。あいつ」
澪「あ・・・・・うん」
憂「あの……わたしも、そうだと思います。梓ちゃん、お姉ちゃんのこと気に入ってたみたいだし」
律「ぐぬぬ・・・・部長のわたしをさしおいてー!」
紬「まぁまぁ…」くすっ
憂「と、とりあえず梓ちゃんが入れてくれたお茶でも飲みませんか?」
澪「えっ、でもそんなことしてたら――」
律「みーお。……私らまであわててどうするんだよ」くすっ
紬「みおちゃん。いったん梓ちゃんのいれてくれたお茶で落ちつこう? それぐらいなら大丈夫だよ」
澪「……ふふ、そうだな」
90: 2011/01/15(土) 06:38:25.61
紬「……あのね」
澪「ん?」
紬「この紅茶、とってもおいしいね」
律「そうだなあ、梓のやつ腕あげたな」くすっ
憂「紬さんが紅茶の入れ方教えてたんですよね?」
紬「うん……知ってたの?」
憂「はい、梓ちゃんから聞きました。……伝統みたいなものだからってわらってましたよ」にこっ
澪「変な伝統だな」くすっ
91: 2011/01/15(土) 06:43:26.41
紬「・・・・あのね、こんなにおいしくいれるには、飲む人のことを考えなきゃできないとおもうの」
律「あー……ムギもそうなのか?」
紬「うん。……だから、梓ちゃんは、なにか理由があったんだと思う」
澪「……そっか」
律「水くさいやつだよなー……はは」
澪「人のこといえるか」くすっ
律「なっ……私は正直ものだし!」
澪「またまたぁ」
紬「ふふっ」
92: 2011/01/15(土) 06:48:27.31
律「じゃあ……逃げられないうちに、つかまえにいくか! ムギ!」
紬「まかせてりっちゃん隊員! わたし、全力でつかまえてみせる!」きりっ
澪「ケガするなよな? 律はすぐ無茶するからな…」
律「わーってるって。じゃあな!」
がちゃ
ばたん
澪「まったく……鉄砲玉みたいなやつだな」くすっ
憂「あの…えっと……」
澪「…ど、どうしたんだ?」
憂「すいません! 全部わたしのせいなんです!」
96: 2011/01/15(土) 07:56:08.17
いちじかんご!
律「ちっくしょー……いねえなあ、どっちも」
律「っつか、家から持ってきたけどこんなもので捕まえられるのか…?」
律「……なんか小学生みたいだし、私」くすっ
ヴーヴー
律「ん。ムギからか」
紬〔みつかった?〕
律「……向こうもまだかー。こりゃ先は長いな…」
純「……あれ、律先輩?」
律「おっ」
98: 2011/01/15(土) 08:01:08.84
純「……どうしたんですか、虫取り網なんか持って」
律「いやあ…ちょっと昆虫採集にさ、ははっ」
純「ほんとですかー?」くすっ
律「……純ちゃんごめん! 梓のインコ、逃がしちゃった!」
純「えっ――ええっ?!」
律「……ごめん、いま手分けして探してるとこだから!」
純「そんな……ど、どうしたんですか?」
律「……えーっとな」
律「私が遊んでたらさ、梓がびっくりして鳥かご落としちゃって…」
純「そ、そうなんですか…」
律(……こういうしかないよなあ…)
100: 2011/01/15(土) 08:06:09.52
律「ごめんな、梓は責めないでやってくれよ」
純「それはいいですけど……でも、今インコと梓は大丈夫なんですか?」
律「それが……どっちも行方不明で、だからこうやって」
純「……それであずにゃんをつかまえるんですか?」くすっ
律「そうそう! 迷い猫をこうやって振りかぶって、こう! ってな!」ぶんっ
律「――ってちがわーい!」
純「あははっ」
律「とにかく、いま軽音部で手分けして探してるから。絶対見つけるよ」
純「それもそうなんですけど…梓、大丈夫かな……」
101: 2011/01/15(土) 08:11:10.19
律「……あ、引き留めちゃってわるかったね。部活だよな?」
純「はい。……でも、それどころじゃないですよ。私も探します」
律「そっか……わるいなー、純ちゃん」
純「いえいえ、元はと言えばむりやり押しつけたのはこっちですし」
純「あ。ジャズ研の友達にメールしていいですか?」
律「いいよ、気にしないから」
純「ありがとうございます」にちにち
103: 2011/01/15(土) 08:16:10.97
律「……」
純「……」にちにち
律「……あのさ、純ちゃん」
純「なんですか?」にちにち
律「梓って……軽音部のこと、悩んでたりしてた?」
純「えっ、そんなのありえないですよ」
律「そうなのか?」
純「だってずっと軽音部の――ていうか唯先輩の話ばっかだし」くすっ
律「あはは……そりゃよかった」
純「なにかあったんですか? 梓に」
104: 2011/01/15(土) 08:21:11.63
律「なにかって……まあ、なにかって訳じゃないんだけどさ」
純「うーん…」
律「ほら、受験でいそがしくてかまってやれなかったし……スネてんのかなって」くすっ
純「あはは……梓ってほんっとにいじっぱりですからねえ」にやにや
律「そうそう、ひっでえツンデレだよな!」
律「ぜったい唯のこと大好きなのに、唯先輩そんなんでいきていけるんですかぁ? とかって!」
純「あ、わかります?」くすっ
律「へへ、部長なめんなって話だよ」にこっ
105: 2011/01/15(土) 08:30:51.63
純「……ていうか、梓になにかあったんですか」
律「ああ……うん、私もわかんないけどさ」
律「……いや、インコに嫌われるとは思わなかったよ。はは」
純「どういうことですか……?」
律「いやー、あの逃げてるインコが『ケイオンブ、キライ!』って」
純「………」
律「そりゃ部室でサボってばっかなのは自覚してるけどさー。初対面の相手にきらいとか、言い過ぎじゃね? あははっ」
純「……本心じゃないですって、それ」
律「私もそう思いたいけどさ。……でも、そんなこと言いたくなるぐらいのなんかはあったんだよ、梓にも」
純「……唯先輩のことかなあ」
律「え?」
106: 2011/01/15(土) 08:35:52.31
純「梓、唯先輩にぞっこんですから」
律「うん」
純「……こないだ模試返ってきたじゃないですか。河合の」
律「あー、学校でうけたやつね。唯、C判定出してはしゃいでたっけ」
純「あの時、梓すごいブルーだったんですよ」
律「へ、なんで?」
純「さぁ……でも、自覚しちゃったのかも。受験とか卒業とか、そういうの」
律「ああ……そっか」
律(もしかして、梓のやつ……)
108: 2011/01/15(土) 08:40:53.14
純「まあ、こんど直接聞いてみますよ。……ちゃんと話してくれるかわかんないですけど」くすっ
律「私も唯に言っとくかなー。あずにゃんがさびしがってるって……ぷふっ」
純「あはは、それはよろこびますよ!」
律「そしたら全力で抱きつくだろうな! ……めんどくせえ性格だよな、ほんと」
純「梓が、ですか?」
律「違う違う、唯とか……私とかも」
純「そんなことないですよ……ていうか探さないと」
律「うお、けっこう油売ってたし……じゃあ純ちゃんは向こうよろしく」
純「はい!」
109: 2011/01/15(土) 08:45:53.95
ひるさがり!
澪「……おちついた?」
憂「はい……すいません、迷惑かけちゃって……ぐすっ」
澪「いいっていいって。涙は心からあふれた想いの表れ……なんだろうから」
憂「あは……澪さんってやっぱり詩人ですね」くすっ
澪「なっ…つ、つい//」
憂「ありがとうございます。……いろいろ、気を使ってくれて」
澪「みんなに、唯や梓に気を使ってるのは憂ちゃんの方だろ? いいって、本当」
憂「はい……すみません」
ぴんぽーん
憂「あ……お姉ちゃんかな」
110: 2011/01/15(土) 08:50:54.61
唯「……お、おはようございます…」
憂「もう、お姉ちゃん髪の毛はねてるよ?」くすっ
唯「だって、気づいたら12時近くで、走ってきたから……あはは」
澪「まったく……そんなあわてて、車にでもひかれたらどうするんだよ」
唯「えへへ……めんぼくない」
憂「ごめんね、私…ちゃんと起こした方がよかったよね」
唯「んーん、ありがと憂。・・・・ねえ、うい」
憂「え?」
唯「……泣いてたの?」
112: 2011/01/15(土) 08:55:55.28
憂「えっ……ううん、だいじょうぶだよ」
唯「……そっか、ならよかった」にこっ
憂「えへへ…」
澪(唯のやつ……こういうとこは鋭いんだよなあ)
唯「ところでさ、あずにゃんどうしたの?」
澪「……ああ。それがな――」
113: 2011/01/15(土) 09:00:56.01
唯「――えええっ?! じゃああずにゃん大丈夫なの?」
澪「ああ……それが、さっきからメールしても返事がなくって」
憂「電話もドライブモードなんだよね……だいじょうぶかな……」
唯「じゃあ、みんなで探さなくちゃ!」
澪「えっ、でも家にだれもいなくなったら――」
唯「それは大丈夫です!」ふんすっ
憂「お……おねえちゃん?」
114: 2011/01/15(土) 09:05:56.97
げんかんさき!
唯「みて憂、ここの植木ばちの下に……」
憂「おっおねえちゃん、勝手に人の家をあさったら――」あせっ
唯「あった! ほら、あずにゃんちの鍵!」
澪「なんで唯が知ってるんだ…」
唯「ほら、戸締まりもできるよ! はやくあずにゃんさがそっ?」
澪「梓もそうだけど、ピー太も……」
唯「もうっ、じゃあわたしがあずにゃん探すから澪ちゃんたちはインコさがして! いい?」
憂「あ……うん、わかった!」
澪「ああ、うん…」
115: 2011/01/15(土) 09:10:57.62
唯「じゃあいってくるね? ――まっててあずにゃん!」
たったったっ
澪「……行っちゃったなあ」
憂「では、私たちもピー太を探しに行きましょう」
澪「………」
憂「だいじょうぶですよ。……梓ちゃんを心配するのは、お姉ちゃんの役目ですから」にこっ
澪「……ふふ、そっか」
118: 2011/01/15(土) 09:19:55.69
すうじかんご!
梓「………」とぼとぼ
梓「………どこにもいない…」
梓「……さいごのさいごで、迷惑、かけちゃったな…」
梓「どうしよう……会わす顔ないよね……」
梓「せめて……せめて、わたしが逃がしちゃったんだから……私がみつけないと」
120: 2011/01/15(土) 09:24:56.22
梓「……ぴーたぁ」ごそごそ
梓「……ぴーた、どこぉ…?」ごそごそ
梓「………」ごそごそ
梓「……」
梓「こっちの公園もいないか……」
梓「……ここ、唯先輩ときたっけ……あは」
梓「………」
梓「……ばーか。それどころじゃないじゃん私。なに考えてるのっ」
梓「………ピー太、どこなの・・・・・?」
121: 2011/01/15(土) 09:29:56.99
梓(……メールきてる)
梓(…心配、してくれてるんだろうな……)
梓(……たぶん、探してもくれてるんだろうな……)
和「……あら」
梓「……あ、和先輩…」
122: 2011/01/15(土) 09:34:57.71
和「軽音部の後輩さんよね。いつも唯がお世話になってるわね」
梓「あは……はい」
和「で……中野さんはなにかさがしもの?」
梓「え……どうしてですか?」
和「スカートのすそ。土ついてるわよ、ちょっとこっち来なさい」
ぱしっ ぱしっ
和「ほら、取れたわ」
梓「あ、ありがとうございます……」
124: 2011/01/15(土) 09:39:58.37
和「それで、なに探してるの?」
梓「あ……えっと、大丈夫です。和先輩もどこかに出かけるとこだったんですよね?」
和「自習ぐらい家でもできるからいいわよ。今日は予備校の授業も入ってないから」
梓「そうなんですか……すみません、邪魔しちゃって」
和「あなたね……さっきから卑屈すぎるわよ。なにかあったの?」
梓「え、ええっと……なんでもないです! すいません、忙しいので失礼します!」だっ
和「あっ……ちょっと待ちなさい!」
和「……行っちゃったわね」
126: 2011/01/15(土) 09:44:59.15
和「……はぁ、なんなのよ…」
和「あの子、軽音部関係でなにかあったのかしら…」
和「……また唯がなにかしたのね」
和「ひとまず唯にメールでもした方がいいわね」
唯「あ、和ちゃん!」
和「タイミング良すぎでしょあなた」
129: 2011/01/15(土) 09:49:59.84
唯「た、たいみんぐ……?」きょとん
和「いいの、こっちの話だから」
唯「う、うん……それより和ちゃん、あずにゃんみなかった?!」
和「……やっぱりタイミング悪すぎね、あなたは」
唯「えっ…あずにゃんみたの! どこ、ねえどこ?!」あたふた
和「お、落ち着いて唯…中野さんはあっちに飛んでいったわよ」
唯「そっか……ありがと、和ちゃん!」だっ
和「待ちなさい」ぎゅっ
唯「へ? いっいま時間ないの、ごめんね!」あせっ
和「唯、中野さんになにかしたの?」
133: 2011/01/15(土) 10:05:07.62
唯「……し、してないよぉ…!」
和「あの子、必氏でなにか探してたけど」
唯「……」
和「しかも泣きはらした目で」
唯「……あずにゃんがね、インコ、逃がしちゃったの」
和「……それだけじゃなさそうな顔つきだったけど」
唯「わかんないよぉ、私にも……」
和「………」
唯「でも……私のせいなら、あやまらなくっちゃ」
和「……ふふ。いつになく真剣ね、あなた」
唯「だってあずにゃんだもん」
134: 2011/01/15(土) 10:10:57.48
和「はぁ……本当変わらないわね」
唯「な、なにが…?」
和「そうやって、一つのことにどこまでも夢中になって我を忘れるところとか」
唯「え……どうなんだろ」
和「唯はもうちょっと、自覚っていうものを身につけなさい」
唯「は、はぁ……」
和「中野さんと何かあったの?」
唯「だからなんにもないってばあ…」
和「……じゃあ、なんにもないことが原因ね。おそらく」
136: 2011/01/15(土) 10:15:58.14
唯「どういうこと……?」
和「さぁ、自分で気づきなさい。ただ、唯は相手の気持ちも自分の気持ちも見えてないのよ」
唯「え……あずにゃんのこと?」
和「ほかに誰の話があるっていうの」
唯「……あずにゃんは、好きだよ。だいすき。だから…どうしていいか、いまもわかんなくって……ぐすっ…」うるうる
和「……今度は唯が泣き出したわ」
唯「のどかちゃんうるさい…ひっく・・・・・ぐすっ……」
和「ほら、泣かないの」なでなで
唯「うぅ…ぐすっ……ひっ……」
138: 2011/01/15(土) 10:20:58.80
和「――落ち着いた?」
唯「うん・・・ごめん、和ちゃん」
和「いい? 自分の好きって気持ちだけじゃ、相手はどうしていいか分からなくなるの」
唯「う……うん」
和「相手の気持ちも考えなきゃだめ」
唯「・・・・私だって、考えてるよ」
和「知ってるわよ。ただ…見えてない部分もあるってこと」
唯「……」
和「とにかく、まずは中野さんを探してあげなさい。それから、ちゃんと話をした方がいいわ」
唯「……うん」
140: 2011/01/15(土) 10:25:59.60
和「……なんか私、らしくない説教をしてたわね」
唯「ううん、ありがとう……和ちゃん」
和「でも、あんたは一度、周りの人との距離をはかりなおした方がいいわよ」
唯「距離・・・・?」
和「……話して、相手のことがどれぐらい大事なのかをちゃんと確かめて、それから距離を決めなさい」
唯「……うん」
和「じゃあ私、予備校の自習室行ってくるね」
唯「……ありがとう、和ちゃん」
和「あんたもちゃんと勉強するのよ? 色恋沙汰にかまけてばかりいないで」
唯「いっいろこいざた…?」
和(ここまで鈍感だと道徳と保健体育の教科書を読ませたくなってくるわね…はぁ)
142: 2011/01/15(土) 10:32:08.28
つうがくろ!
梓「…結局みつからなかった……」
梓「もう、陽がくれちゃうよ……」
梓「……メール、ひらかなくちゃ…」
梓(……ごめんなさい)
From: 律センパイ
From: 澪センパイ
From: 律センパイ
From: 紬センパイ
From: 憂
From: 唯センパイ
From: 唯センパイ
From: 唯センパイ
From: 唯センパイ
梓「……っわあ…」
143: 2011/01/15(土) 10:37:08.98
梓(……みなさんに、帰ってもらわなきゃ)
梓(でないと……私のせいで、体こわしたら……)
ぷるるるっ
梓「あ……澪先輩からだ」
梓「どうしよう…」
ぴっ
澪『もしもし、梓? いまどこにいるんだ?!』
梓「……橋の近くの、通学路です…」
145: 2011/01/15(土) 10:42:09.63
澪『……大丈夫だから、いったんうちに帰ってきなよ』
梓「なっ――だめです! あのっ、私が逃がしちゃったから…」
澪『そのことはもう、みんな気にしてないよ。それより……夜、寒くなってくるだろ?』
梓「そんなの……だめです、よ……」
澪『……あのさ、梓』
梓「はい……」
澪『こんな時ぐらい、私たちを頼ってほしいな』
146: 2011/01/15(土) 10:47:10.33
梓「・・・・・」
澪『じつは、憂ちゃんから聞いたんだ。いろいろと』
梓「……そうなんですか」
澪『あ、唯には言ってないよ。憂ちゃん、勝手にそういうこと言うのためらってたみたいだし』
梓「……わたしのせいですよ」
澪『ごめんな。私たちもいろいろ気を回せなくて』
梓「そんな…そんなことないです」
澪『だからさ、おあいこだよ。梓が悪かったとしても、私たちも悪かったんだって』
梓「・・・・・」
澪『……唯にも伝えとくからさ、ゆっくり二人で話しなよ』
梓「……すみません」
147: 2011/01/15(土) 10:52:11.09
澪『律じゃないけど……水くさいって。せめて今は…いろいろ、言ってほしいかな』
梓「……」
澪『卒業しても……バンドは、私たちの音楽は続けたいけどね』
梓「……はい」
澪『……今から、勝手に一人にならなくたっていいじゃないか』
梓「その……気にしないでください。ひとりぼっちになる練習してるんですよ、こんなの」
澪『そうか? ……まあ、いいや。ただ、待てる限り待ってるよ』
梓「……すみません」
澪『迷惑、かけられたいんだ。私も、律も、ムギだって……それから、唯も』
梓「…ありがとう、ございます……」
153: 2011/01/15(土) 11:09:51.50
澪『それじゃあ私は梓んちで――って、なに? 憂ちゃん』
梓「へ?」
澪『……へぇ、そうかあ! そっか、じゃあ律に伝えとくから!』
梓「あの、澪せんぱい・・・・?」
澪『ああっごめんごめん。こっちの話』
梓「えっと、どうしたんですか…?」
154: 2011/01/15(土) 11:14:52.24
澪『……梓。いま、橋の近くって言ったよな?』
梓「あ…はい」
澪『その近くの、土手に行ってみてくれないか? ゆいあずの練習したとこ……らしいから、憂ちゃんいわく』
梓「え……はい、わかりました…」きょとん
澪『それじゃあな、応援してるから!』
ぴっ
梓「応援って…な、なにを……?」
梓(まあ……行けばわかるかな)
156: 2011/01/15(土) 11:19:52.92
はしのうえ!
梓「もう…夕方かあ」
梓(……ここの橋にうつる夕焼け、きれいなんだよね…)
梓(今日はあんなことあったけど……またいつか、一緒に帰りたいな)
梓(……いつか)
梓「……あれ」
梓「もしかして、あれは…」
157: 2011/01/15(土) 11:24:53.59
梓(――唯先輩!)
唯「……!」
唯「…! ――!」ぶんぶんっ
梓「……なにか呼んでる?」
梓(……それに、手のひらになにか……)
梓(とにかく、いかなきゃ!)
159: 2011/01/15(土) 11:29:54.25
どて!
梓「……ゆ、ゆいせんぱい…」
唯「……えへへ。あずにゃん探してたら、ピー太くんが先に見つかっちゃった」
ピー太「アリガトウ! アリガトウ!!」
梓「……っわ、わたし…その……」うるっ
唯「なんかねー、澪ちゃんに『鳥は自分の家に帰る』って聞いたから、純ちゃんからピー太くんのおうち聞いたの」
梓「…っ・・・・・ひっ…」
唯「この辺だってきいて行ったら……びっくり! ピー太の方からこっちにきたんだよ!」
唯「私ってもしかして、天才?!」
梓「・・・・あは…ゆいせんぱいらしいですね……」うるうる
唯「……そろそろ、鳥かご持ったりっちゃんがくるんだ」
梓「・・・・・」
唯「……だいじょうぶだよ。もう、逃げないから。ここにちゃんといるよ」
161: 2011/01/15(土) 11:33:17.31
梓「・・・・ピー太が、ですか」
唯「ピー太も、だよ」
梓「……どういう、こと…ですか」
唯「……あずにゃん、おいで」
なでなで
梓「ううっ…ぐすっ……ふうっ……」
唯「よしよし、いいこいいこ」
162: 2011/01/15(土) 11:38:40.16
唯「……おちついた?」
梓「……はい。とっても」
唯「ごめんね。……今まで、気づいてなくて」
梓「そんなの…わたしが、かってにしたことです……」
唯「んーん。……わかってなかったのは、私の方だよ」
梓「………」
唯「私にとって……あずにゃんが、どういう人なのかとか」
梓「……じゃあ、きいてもいいですか…?」
唯「……うん」
梓「……すき、です」
163: 2011/01/15(土) 11:44:18.16
唯「……」
梓「……わたし、今まで…ほんっとうに……自分のこととか、わかんなくって…」
唯「……うん」
梓「こんな気持ちになったこと…なくって、……どうしていいか……ぐすっ…わかんなくて……」
唯「……」
梓「はなれないでって、そつぎょうしないでって……おもっちゃったり、して……」
唯「……」
唯「……ありがとう」
唯「……私も、すき、だよ」
164: 2011/01/15(土) 11:49:37.29
梓「……それは、わたしと…ひっく・・・・・おなじ、すき、なんですか……」
唯「……ごめんね」
唯「……そう、だよ」
梓「……じゃあ、はなれないで…いてくれますか……?」
唯「……うん。好きだよ、……あずさのことが」
梓「……ひっ……ぐすっ……」
唯「・・・・ずっと、そばにいてね」にこっ
梓「……はい」にこっ
梓「…ゆいせんぱい……あいしてます」
唯「うん……わたしも」
166: 2011/01/15(土) 12:02:40.00
『おーい、あずさーっ! ゆいーっ!!』
唯「ひゃ!」
梓「ふあ……み、みなさん!」
律「……はぁっ、はあ……ピー太見つかったかあ」
唯「うん……だいじにしてたの、ちゃんとみつかったよ」にこっ
律「そっか……ほら入れピー太、こっちだぞ」がちゃ
ピー太「オハヨウ! オハヨウ!!」
律「ふぅ……これで一安心か」くすっ
梓「よかったぁ……」うるうる
169: 2011/01/15(土) 12:11:00.90
唯「ねえ、この子すっごくあたまいいんだよ! 私の名前もすぐ覚えちゃった!」
澪「あはは…」
紬「あー、唯ちゃんずるい! 私も名前おぼえさせたいのに!」
唯「えへへ……ねえピー太、この子の名前は――」
ピー太「ユイセンパイ! ダイスキ!!」
梓「なっ///」
171: 2011/01/15(土) 12:17:51.37
ピー太「ユイセンパイ! ダイスキ! アイシテル!!」ぱたぱた
梓「もっもおやめてよう…!//」
律「うひょお」
澪「……こ、こっちが恥ずかしくなるよ」
唯「う……ピー太、だいたんすぎるよ…//」
ピー太「ユイセンパイ! ダイスキ!」
梓「おねがいしずかにしてえ!」
ピー太「ウルサイ! オハヨウ! アイシテル!」
紬「ま、まあまあ……結果よければすべてよしってことで、ね?」あせっ
梓「やっぱりピー太なんかだいっきらい!!」
176: 2011/01/15(土) 12:25:00.40
――――――
――――
――
つぎのひ!
唯「あずにゃんおはよう」にこっ
梓「ゆいせんぱい、おはようございます」
憂「おはよう。……昨日はたいへんだったね」くすっ
梓「あはは…あいつのせいでね」
唯「ねぇ……」
梓「あ、うん…」
憂「?」
ぎゅっ
――――
――
つぎのひ!
唯「あずにゃんおはよう」にこっ
梓「ゆいせんぱい、おはようございます」
憂「おはよう。……昨日はたいへんだったね」くすっ
梓「あはは…あいつのせいでね」
唯「ねぇ……」
梓「あ、うん…」
憂「?」
ぎゅっ
177: 2011/01/15(土) 12:32:50.38
唯「……あずにゃんと手つないで登校するの、夢だったんだぁ」
梓「もう……ムギ先輩ですか」くすっ
憂「ふふ……よかったね、仲直りできて」
唯「むしろ今までよりも仲良くなっちゃったよ」
梓「えへへ…」
梓「あ。そうだ」
唯「?」
179: 2011/01/15(土) 12:40:31.23
梓「これ、どうぞ」
唯「……こすもすけーぷ?」
梓「ほら、スカイタワーのプラネタリウムですよ!」
唯「あぁ……すっごくきれいなとこだってエリちゃんが言ってた!」きらきらっ
梓「よかったら……いきませんか? その、二枚あるんで…」
唯「・・・・・はじめてのデートだねっ」
梓「そ、そうですね…//」
憂「ふふふ。行ったらお話聞かせてね」にこっ
182: 2011/01/15(土) 12:48:09.08
梓「……ねえ、唯先輩…?」
唯「なあに、あずにゃん?」
梓「なんだか……みんなが、わたしたちの方みてる気がするんですけど……」
唯「え? そっ、そうかな」
憂「うーん……気のせいじゃない?」
梓「いや、でも……気のせいだといいんですけど」
183: 2011/01/15(土) 12:49:50.04
がっこう!
唯「じゃあ、あずにゃんここでしばしのお別れだね…」
梓「はっはい」
唯「……あずにゃん、げんきでねっ」だきっ
梓「こっここでですかっ!//」
唯「ぎゅー。あずにゃんあったかぁい…」
梓「ちょ…ひとがみてますからあ……!」
唯(……いいじゃん。あずにゃんはわたしのものだもん)ぼそっ
梓「……!//」どきどき
憂「あ……あずさちゃん?」
梓「……」きゅー
唯「えへへっ」
唯「じゃあ、あずにゃんここでしばしのお別れだね…」
梓「はっはい」
唯「……あずにゃん、げんきでねっ」だきっ
梓「こっここでですかっ!//」
唯「ぎゅー。あずにゃんあったかぁい…」
梓「ちょ…ひとがみてますからあ……!」
唯(……いいじゃん。あずにゃんはわたしのものだもん)ぼそっ
梓「……!//」どきどき
憂「あ……あずさちゃん?」
梓「……」きゅー
唯「えへへっ」
184: 2011/01/15(土) 12:54:55.02
きょうしつ!
梓「うぅ……ひどいよ唯先輩……」
憂「あはは…お姉ちゃんは、こう……すなおだから」あせっ
梓「素直って……こっちがはずかしいよっ」
純「あ。おーい、しあわせものー」
梓「出たなことの発端」
純「……へ?」
185: 2011/01/15(土) 13:00:25.13
梓「まったく、ピー太のせいでひどいめにあったんだから!」
純「あはは……まあ、丸くおさまったんだからいいじゃん」
梓「……でも、逃がしちゃったりして……ごめん」
純「それはいいって。なんだっけ、リビングの窓から飛び出したんだっけ?」
梓「うん。あの日の朝、ピー太を私の部屋において石油ストーブでリビングあっためててさ…」
純「あー……そっか」
梓「あとで気づいて、あわてて換気したんだけど……ピー太がへんなこと言うから、忘れちゃったよもう」
186: 2011/01/15(土) 13:05:56.18
憂「ごめんね、私が気づけばよかったよね…」
純「まー過ぎたことはいいじゃん。これで梓のいじっぱりもなおったんだし」にやにや
梓「うるさいよ、純…」
梓「……でも、ピー太にはちょっと感謝してるかも」くすっ
憂「ピー太くんはキューピッドだったもんね!」
梓「えへへっ」
純「いやー、私も梓に押しつけたかいがあったよ」
梓「調子にのんないでよっ」
憂「ふふっ」
188: 2011/01/15(土) 13:11:15.07
梓「……ていうかさ」
純「んー?」
梓「……やっぱり、さっきから視線感じるっていうか…」
純「……あー。梓さん、大変言いにくいことが…」
友1「おめでとう、あずにゃん!」
友2「平沢先輩とつきあいはじめたんだよね?!」
梓「えっ……ええっ?!」
190: 2011/01/15(土) 13:16:51.04
梓「みんな……なんでしってるの……?」
友1「え? そりゃあもう……」
友2「友1ちゃんが、商店街歩いてたら……」
梓「……純。おこらないから知ってること正直に話しなさい」じろっ
純「ひっ?! わっわたしのせいじゃないもん!」
憂「ねえ……なにがあったの?」
友1「そうそう! 買い物してたらインコがとんできて、ユイセンパイダイスキーって!」
梓「」
191: 2011/01/15(土) 13:22:41.16
梓「……つまり、あの鳥はきのう一日かけて私の気持ちを町中に言いふらしてまわってたと…」
純「あははは……」
憂「う、うんがわるかったんだよきっと!」あせっ
梓「まったく……」
純「ひっ」
梓「どれもこれも純のせいだよ!」
純「わわっ、ごめんってごめんほんとごめんって?!」
梓「もうっ、ピー太も純もだいっきらいなんだからあ!!」うるっ
憂「あはは…」あせっ
おわり。
192: 2011/01/15(土) 13:27:58.02
読んでくれた人ありがとう
動物ネタを勧められて書いたのにまたなぜか考えたのとずれていった 予定通りにいった試しがねえ・・・
とりあえず次は澪が入院するか、唯が夜中に出歩くか、律が増える話にする
動物ネタを勧められて書いたのにまたなぜか考えたのとずれていった 予定通りにいった試しがねえ・・・
とりあえず次は澪が入院するか、唯が夜中に出歩くか、律が増える話にする
198: 2011/01/15(土) 14:23:41.91
乙
非常に良かったですたい
非常に良かったですたい
199: 2011/01/15(土) 14:43:36.76
乙
引用元: 純「インコあずかってよ」梓「え?」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります