1: 2012/12/22(土) 00:07:47.68
伊織「はぁ? あんた何言ってんのよ」

P「俺の頭がおかしいんだ」

伊織「……馬鹿なの?」

P「違う! こ!の! 頭だよ!」

伊織「だから! あんたが馬鹿だから何なのよ!」

P「そうじゃない! 頭の形がおかしいって話だ!」

2: 2012/12/22(土) 00:08:59.58
伊織「へ?」

P「いや、この頭というか顔がおかしいだろ?」

伊織「まあ、イケメンではないわね。私はキライじゃ――」

P「――じゃなくて! イケメンとかブサメンとか以前の問題だって話だ!」

伊織「しつこい自虐ネタは嫌われるわよ、面白くないし」

4: 2012/12/22(土) 00:10:59.85
P「あ゛ーーもう、話が通じない! そうじゃなくて!」

伊織「じゃあ、何よ」

P「人間の! 頭の! 形は! アルファベットの! 『P』の形してないだろ!」

伊織「……そうかしら? 個性の問題でしょ」

P「あ! り! え! ない! だろ!」

5: 2012/12/22(土) 00:14:04.20
伊織「なんでよ、世の中には数十億人のヒトがいるのだからありえなくないでしょ?」

P「個性じゃ済まないんだよ!」

伊織「自分だけ特別みたいのは思春期までに済ませておきなさいよ」

P「中二病じゃねえよ!」

伊織「そうね二十二病かしら」

P「年齢の問題じゃなくて!」

6: 2012/12/22(土) 00:18:05.40
伊織「でも、まあ変でもないんじゃない?」

P「ああ、今まではそう思ってたさ! だがな、俺は矛盾に気付いてしまったんだ」

伊織「ふーん」

P「そう、気付いてしまった。不幸なことに気付いてしまったんだ」

伊織「もったいぶらないで、さっさと言いなさいよ」

8: 2012/12/22(土) 00:20:10.91
P「なんだよ、1番の盛り上がりなのに冷たいなあ。わかった、いいか? それはな! この顔には口がないのに、俺は今しゃべってる!」

伊織「な……!?」

P「人間は口から声を出すはずだ、だが口のない俺は今言葉を発している」

伊織「く、口が……だ、だけどあんたは生きてるじゃない!」

P「ああ、そうだ。俺は自意識がある。伊織からは観測出来ないが、まあそんな事は今は関係ないんだ」

14: 2012/12/22(土) 00:25:05.82
伊織「ヒトじゃないって言うの……?」

P「そうだ」

伊織「……あんたは何者なのかしら?」

P「わからん。だから、仮説を立ててみた」

伊織「どんなものよ?」

P「俺は宇宙人なのかもしれない」

15: 2012/12/22(土) 00:25:33.23
(こいつ直接脳内に・・・!)

20: 2012/12/22(土) 00:30:04.21
伊織「う、宇宙人!? どうして宇宙人なの?」

P「それしか考えられないんだ。アメコミのスーパーマンと同じなんだよ、きっと」

伊織「って事はあんたの故郷は!!」

P「そう、だろうな。崩壊してるんだと思う」

伊織「で、でも何を根拠に――」

P「――今まで、この頭の形にツッコミを入れたやつはいるか?」

22: 2012/12/22(土) 00:35:00.57
伊織「いない……かしら」

P「そうだ。きっと高度な技術で他の人の認識をずらしてたんだろう」

伊織「否定出来ないわね……」

P「俺は、この世界で育って、この世界で生きてきた。だが、孤独だったんだな。俺はたった1人いや、たった1宇宙人だったんだ」

伊織「そんなこと……そんなことないわよ!」

25: 2012/12/22(土) 00:40:08.36
P「いや、俺は今までこのPヘッドをしてるやつを他に見たことがない」

伊織「違うわ! そうじゃなくて、たとえ宇宙人でも私はあんたと一緒にいてあげるって言ってんの!」

P「伊織……いいのか? 俺はヒトじゃないんだぞ?」

伊織「でも、あんたの心は本物でしょ?」

P「……ああ、俺は、たしかに俺だ」

29: 2012/12/22(土) 00:45:08.11
伊織「にひひっ。だったらあんたはヒトじゃないけど私の大切なパートナーよ」

P「伊織……ありがとうな」

伊織「別にホントの事を言っただけよ」

P「嬉しいことを言ってくれるんだな。でも、これからどうしようか……」

伊織「ど、どうしようって、あんたプロデューサー辞める気!?」

P「いや、だが社長だって宇宙人をプロデューサーとして雇う訳にはいかないだろう」

32: 2012/12/22(土) 00:50:12.48
伊織「そんなの黙ってればバレないわよ!」

P「ダメだ。社長に嘘をつくことは出来ない」

伊織「でも!」

P「いいんだ。今から話すつもりだよ」

伊織「プロデューサー……だったら、私の家に来て」

34: 2012/12/22(土) 00:54:35.68
P「ははっ、庭師として雇ってくれるってのか?」

伊織「違うわ。私の付き人をやってもらうの。新堂に鍛えてもらうんだから!」

P「それは大変そうだ。お手柔らかにとはいかないだろうな。それじゃあ、俺は社長室で話してくるよ」

伊織「何言ってるの? 私も行くに決まってるじゃない」

P「いや、だが……」

35: 2012/12/22(土) 00:57:48.24
伊織「あんたは私のパートナーなんだから当然よ」

P「そうか……わかった。準備はいいか?」

伊織「ええ、もちろん」

P「社長! よろしいでしょうか!」トントントン

社長「何だね、入りたまえ」

P「失礼します!」

伊織「失礼します」

37: 2012/12/22(土) 01:00:57.55
社長「おやおや、どうしたのかね水瀬くんまで」

P「実は、私から言わなくてはいけないことがあるのです。伊織には勇気をもらうために同席してもらいました」

社長「そんなに重大なことなのかい?」

P「ええ、実は私は……」

社長「私は?」

P「ヒトじゃないんです!」

社長「……」

P「……」

社長「それだけかね?」

42: 2012/12/22(土) 01:05:01.52
P「いや、えっとそうじゃなくて……」

社長「というかキミがヒトじゃないことくらい私は知っているよ」

P「え?」

伊織「なんですって?」

社長「いやいや、当然だろう。社員のことを知らない社長なんて社長失格だよ」

P「ご存知だったんですか!? 私が宇宙人だったって!」

44: 2012/12/22(土) 01:09:32.95
社長「ああそうだ……うん? いや、宇宙人?」

P「私が宇宙人だと知っていたならなぜ、教えてくれなかったんですか!」

伊織「プロデューサー、ダメ。社長はそれを知っていながらも雇ってくれたのよ。責めてはいけないわ」

P「そう……だな。社長、失礼な態度申し訳ありません。こんな怪しい自分を何も言わず、雇ってくださったのに……」

伊織「でも、良かったじゃない。プロデューサーの仕事を続けられるみたいで」

P「伊織の付き人が出来ないのは少しだけ残念だけどな」

伊織「もう、ふざけないでよね!」

45: 2012/12/22(土) 01:13:14.31
社長「あの~」

P「それでは失礼します! この後もスケジュールがありますので!」

社長「ちょちょちょ、ちょっと待ちたまえ!」

P「はい? 何でしょうか?」

社長「いや、さっき宇宙人と言ったかね?」

P「ええ、宇宙人と言いました」

46: 2012/12/22(土) 01:16:13.89
社長「……」

P「……?」

社長「冗談だろうね」

伊織「さっきから何を言ってるのよ?だって 知ってたんでしょ、そのこと」

社長「ああ、いや、そうじゃなくて……おかしいなあ……」

P「なんですか? もしかして私の秘密について何か知っているんですか!?」

社長「いや、というよりキミは宇宙人ではないよ」

P「はい?」

伊織「えっ?」

48: 2012/12/22(土) 01:20:48.98
社長「いやキミはアンドロイドだろう?」

P「えっ!? あっ!! そうだった。宇宙人じゃなくてアンドロイドでした。ロボットじゃないぞ」

伊織「な、何よそれ!」

P「あー、そうだ。頭のこれはバッテリーだったんだっけな。型が古いから頭が人の顔してないんだった」

社長「明日は休んでメンテナンスに行ってきなさい。記録に異常が見られるようだからね」

P「ご迷惑おかけしました。失礼します」

伊織「ちょ、あんたアンドロイドだったの!?」

P「ああ、そうだった。勘違いしてたわ」

伊織「もう! 心配して損したわよ! メンテナンスくらいしっかりしなさいよ!」

P「すまんすまん。あれ? あずささんアホ毛が垂れてきてますよ」

あずさ「あらあら、そう言えば昨日は充電し忘れてました。事務所で充電させてもらいますね」

おわり

52: 2012/12/22(土) 01:23:28.25
短いですがこれで終わりです

Pヘッドとか、あれ人間じゃないだろと思って書いてみました

引用元: P「頭がおかしい事に気付いた」