1: 21/11/01(月)17:13:42
――事務所

――キッチン

若葉「ぐすっ、どうせ私なんて……」シクシク

菜々「まぁまぁ。さ、イヤなことがあった時は飲んで飲んで」

若葉「はい……グビグヒ」

菜々「じゃあ、何かお腹に入れようね……ちょうどお好み焼きの鉄板があるし、何か焼いてもらいましょうか」

若葉「じゃあ、『シュウマイ』を」ヒック

菜々「ナナは『エチオピア』をお願いしますね」



千枝「はーい」ジュージュー

由愛「え、エチオピア?」

聖「ど、どんなのだろう……」ワクワク

3: 21/11/01(月)17:22:12
聖「あ、あの……」

由愛「は、はい……」

聖「若葉さんは……その……」

千枝「どうして泣いてるってことですか?」

「……それは」



~~~~~~~~~~~~ホワンホワン



ちひろ「というわけで、事務所内のアイドルで子供の恰好をしてより多くお菓子が貰えた人が優勝のサバイバルゲームを行います!」

「ルールは簡単。ちゃんと小学生っぽい恰好でこの会場の人たちからお菓子をもらうことです」

「最後まで残った人は豪華商品があります」

「ただし、自分の名前を当てられた人は退場になりますのでご注意を」



杏「はーい、しつもーん!」

ちひろ「もらったお菓子なら好きに食べてもいいですよ」

杏「やりぃ!……じゃなくて、杏達がかなり有利になるけどいいの?」



珠美「達って誰のことですか!!」

芳乃「ほー」

輝子「ふひ……」

4: 21/11/01(月)17:29:40
ちひろ「それは皆さん既に有名ですし、万が一に備えて身長149以下の子達をメインに顔写真をあちこちにばらまいてありますから」



紗枝「そうすると、うちも……ってことどす?」

茜「頑張ります!!」

ちひろ「そうなりますね。あと、お菓子をまったくもらえないのもアウトですのでご注意を」

乃々「で、ではもりくぼは事務所で隠れてますので、皆さんは頑張ってください……」

まゆ「うふっ、ダメですよ。乃々ちゃんも参加なんですから」

乃々「あぅ……いぢめです。いぢめなんですね。もりくぼはただ、ハロウィンでは静かに霊を鎮めようとしているだけなのに……」

小梅「だ、大丈夫……だよ……だって、机の下……ほら、いっぱい遊びに来てるよ……」

乃々「むーりぃー!」ドドドド

5: 21/11/01(月)17:32:35
若葉「……」

(ど、どうしよう……)

(さっき、ガールズパワーのみんなにいいようにおもちゃにされて、子供みたいな恰好になっちゃってます……)

(ま、まぁ、私は大人の女性ですから、あふれる気品のあるオーラで直ぐにわかっちゃうはずですから)





ちひろ「それでは参加する皆さんは用意してくださーい」

6: 21/11/01(月)17:36:20
――ゲーム中

杏「すみませーん、トリックオアトリート!」キャピ

一般の方「あ、双葉杏ちゃんだ」

一般の方「本当だ。可愛い!」

杏「うわ、即効でバレた」





若葉「トリックオアトリート!」

一般の方「あ、はい。お菓子ね」

一般の方「小学生?可愛いわね」

若葉「あ……ど、どうもありがとう……」

一般の方「恥ずかしがっちゃって可愛いわね!」バシバシ

若葉「痛い痛いっ!」

7: 21/11/01(月)17:44:58
――終了前

若葉「……」

(な、なんでみんな気がつかないの!?)



内匠P「ふぁぁ……まったく、くだらんイベントだな」

米内P「ダメですよ。最後まできちんとやらないと」

武内P「しかし……我々の方には誰も来ません……ね」

内匠P「はーっはっはっ!そりゃ、チンピラと大ボスがいる所に来たがるガキなんかいないさ!」



若葉(チャーンス!私が大人の女の人ってわかってもらえるメンツよ!)←既に趣旨を間違え中







「あ、あの……」

内匠P「んー?」

米内P(あ、可愛い子)

武内P(ん?あれはL.M.B.Gの日下部さんですか?)

(いや……このイベントは小さい子ばかり出ているはず)

(日下部さんのような大人の女性が参加して……ませんよね?)



若葉「と、トリックオアトリート!」

内匠P「お、お菓子か。ほい」ドサー

米内P「沢山あるからみんな持って行っていいからね」ドサー

武内P「私からも……どうぞ」ドサー



若葉「うぅ…………あ、ありがとう……」

クルッ

「っ!」ダッシュ

8: 21/11/01(月)17:47:07
米内P「あ……走っていっちゃいましたね」

内匠P「やっぱりビビらせちまったか?」

武内P「あの……お二人共……」

二人『ん?』





武内P「今のは……日下部若葉さんでは?」





二人『え』



『えーっ!!』

9: 21/11/01(月)17:51:39
~~~~~~~~~~~~ホワンホワン

千枝「ということがあって……」

由愛「しょ、ショックですね」

聖「かわいそう……心が傷ついて……」





若葉「おーいおーい!」パクパク

菜々「あー、食べるか泣くかどっちかにした方がいいですよ」

「あ、追加でカツレツを」

若葉「わ、私はオムレツを」

千枝「はーい」ジュージュー

由愛「手伝おうか?」

聖「わ、私も……」

千枝「あ、では由愛さんはオムレツのお肉を用意しておいてください」

「聖さんはカツレツのパン粉を」

二人『はいっ!』

10: 21/11/01(月)17:57:27
――何枚か食べました

若葉「すぅー、すぅー」スヤスヤ

菜々「ふぅ……落ち着いて寝てしまいましたね」

千枝「お疲れ様です」

由愛「えっと……毛布とか……」

菜々「その必要はありませんよ」

聖「ん?」

コツコツ

「あ……」







若葉P(以下P)「ここにいたのか……すみません。菜々さん」

菜々「まったくもう。担当アイドルなんですから、ちゃんと面倒を見てあげてくださいよ」プンプン

P「面目次第もございません」

菜々「それより、ちゃんとしたアフターケアをお願いしますよ」

P「任せてください」

グッ

若葉「んんっ……」

P「よっと」ダキッ



千枝「わぁ……」キラキラ

由愛「お姫様だっこです……」キラキラ

聖「いいなぁ……」キラキラ

11: 21/11/01(月)18:09:14
――若葉は連れてかれました

菜々「ふぅ……一安心ですね」

千枝「はいっ!」

由愛「でもお姫様だっこか……」

聖「私もされてみたい……」

菜々「ふふっ、みんなは若いんだからまたチャンスはありますよ」

三人『はーい』

菜々「じゃあ、まだ材料は残ってるし、ナナが一文字焼きの極意。籠入りの蕎麦を伝授しますよ」

ジュージュー

千枝「わぁ……すごい……」

由愛「溶いた小麦粉で網目を焼いたと思ったら、クルッと曲げて籠の形に……」

聖「さらに中に色んなのを焼いたのを入れてて……」



菜々「昔は屋台で色々作りましたからね。立体で亀を作るぐらいなら、今でもお茶の子さいさいですよ!」





千枝「昔……?」

由愛「今でも……?」

菜々「な、ナナのアルバイト先での話ですよ!!」

アハハー



おしまい

12: 21/11/01(月)18:12:54
昔のお好み焼きには、お汁粉やお寿司にビフテキなんてものがありましたとさ



なお、若葉は紗枝に茜に小糸ちゃんと同じ身長だったりします

(つまり由愛や芳乃に七海。颯に凪より小さい)



では読んでくださった方に、イカ天のお好み焼きを

13: 21/11/01(月)20:54:10
千枝「では、お好み焼きの作り方です」

由愛「まず、エチオピアですが……水で溶いたメリケン粉にあんこを混ぜてそれを焼きます」

聖「焼き上がった色が……エチオピアの方の肌の色に似ているからエチオピアという名前とか……」





千枝「続けてお汁粉です」

由愛「細長く敷いたメリケン粉ベースの生地上に、細長く切った豆餅とこし餡をのせてくるくると巻いてそれを輪切りにします」

聖「それを……あらかじめメリケン粉生地で焼いて作った器に入れて……黒蜜でいただきます」

千枝「黒蜜味のお汁粉……気になります!」

14: 21/11/01(月)21:02:32
菜々「カツレツはメリケン粉生地を焼いた下地に、串かつにするぐらいの薄い牛肉または豚肉を乗せて上からさらに生地をかけパン粉を乗せます」

若葉「それをひっくり返して、ソース……といっても当時なので酢醤油に香辛料的の辛味がついた程度の調味液を塗ってできあがりです」

菜々「豚バラ肉のお好み焼きの元祖みたいな感じですね」





若葉「続けてオムレツの作り方は、今までメリケン粉生地だけだったけど、これに玉子を一個入れて丸く平らに焼きます」

菜々「焼けたらそれに牛スジのそぼろを乗せて半分に折りたたむように焼き上げてソースを塗ってできあがり」

若葉「これぐらいなら誰でもできる料理ですね」フンヌ

15: 21/11/01(月)21:12:24
千枝「最後はシュウマイですよ」

由愛「お餅を長さ五センチ、断面が二センチ四方ぐらいに切ったのを四本用意してラードをひいて焼きます」

聖「井桁状に並べて……四角い枠を作って土手にします……」

菜々「その枠の中にメリケン粉を水で溶いたのを半分ほど流し込んで、牛スジのそぼろ大さじ一杯ぐらいを生地の中央に乗せてっと」

若葉「周りに玉葱のみじん切りを並べます。好みでにんにくを刻んだのも入れましょう」

千枝「そうしたらさらに上にメリケン粉を溶いたのを流し込んで蓋をし、火が通ったらひっくり返して」

ペラン

由愛「ふぅ……両面焼きましょう。焼けたら切って酢醤油か辛子醤油でいただきます」

聖「一番……手が込んでる……?」

若葉「でもその分おいしいですよ」パクパク

菜々「皆様、お試しあれ……キャハッ☆」

16: 21/11/01(月)21:14:27
なお、資料として近代食文化研究会の「お好み焼きの物語」を参照させていただきました

引用元: 【モバマス】泣いて笑って唄って耐えりゃ