1: 2014/11/06(木) 04:33:18.94
美少女「ネズミーランドだよ、妹ちゃん!」

妹「わ、おっきいね!お姉ちゃん!」

美少女「スッゴク楽しいし、スッゴク広いんだよ!妹ちゃん!」

妹「わぁぁ……」キラキラ

美少女「どうやってはいるのかな……あ、あそこにみんな集まってる!!行こ!妹ちゃん!!」ギュッ

タタタッ

美少女「あのー……」

俺「?、こんにちは」ニコッ

美少女「え、えと、すみません……夢の国へはここから入れば良いんですか??」

俺「え?うん、そうだけど……お嬢ちゃん、お父さんかお母さんは?」

美少女「え、な、なんででしょう……!」ビクッ

6: 2014/11/06(木) 04:38:36.53
俺「中は広いから、大人の人がいないと危ないよ?」

美少女「そ、その……」

妹「お、お姉ちゃん……」ギュッ

美少女「お、お母さん達は今ちょっと……」

俺「……てことは、パパやママに黙って来たのかい?」

美少女「は、はい……」シュン

俺「……」フーッ

妹「お、お姉ちゃん……お兄さん怒ってるよぉ……」フルフル

美少女「……大丈夫……大丈夫だよ……」コソコソ

俺「……よし、分かった。折角ここまで来たんだ、お兄さんが夢の国へご招待しよう!」

美少女「え?あの……」

俺「その様子じゃお金も殆ど持ってきてないんだろ?」

美少女「え、あ、お金は……帰りの電車代が……」

8: 2014/11/06(木) 04:42:58.46
俺「わかったわかった。もう俺上がるからちょっと待ってて。ついでにチケット二人分取ってくるからさ」

美少女「あ、えっと……ありがとう、ございます」ペコッ

妹「ございます」ペコッ

俺「気にしないで。俺にも妹が居たからほっとけないんだ」ニコッ

美少女「お兄さんが……」ジーン

俺「じゃあ、行ってくるよ。人が多いからじっとしてるんだぞ!」タタッ

美少女「はい!」


妹「……あの人、優しい人でよかったねお姉ちゃん」

美少女「うん、本当に……」

10: 2014/11/06(木) 04:48:04.36
俺「ふー、お待たせ。さ、行こっか」

美少女「はい!えっと……」

俺「あ、俺の事は俺って読んでくれればいいよ」

美少女「えっと、俺さん、よろしくお願いします……あ、この子もネズミーランドは初めてなので、よろしくお願いします」

妹「……します」

俺「?……ああ、うん。宜しくね」ニコッ

妹「……///」テレッ

俺「ん、このウサギのペンダントはママに買って貰ったの?」

美少女「ええっと、これはお母さんと妹と三人で作ったんです」テレテレ

俺「そっかそっか」ニコニコ

俺「じゃあ早速遊ぼっか!」

12: 2014/11/06(木) 04:51:47.18
俺「じゃあ最初は何に乗る?」

美少女「え、えっと……」チラッ

妹「……?」

美少女「妹ちゃん、何が良い?」

妹「うーん……」

妹「あ、あれ!!あのお山のやつ!」

美少女「え、あ、あれ?」

妹「うん、あれが良い!!」


美少女「す、すみません……あのお山みたいなアレって……」

俺「お、おお最初から飛ばすね……ま、いっか、よし!いこう!」

美少女「はい!」パァァ

14: 2014/11/06(木) 04:56:23.56
美少女「楽しみです!」ワクワク

俺「あんまりはしゃぎすぎちゃだめだよ」フフ


係員「あ、すみません伸長大丈夫か……って、俺さん?何やってンすか……」

俺「ん、おお、オッス」

美少女「こ、こんにちは……」

係員「妹さんすか!?……カワイイっすねぇ~……」

俺「違う違う。たまたま面倒みてあげてるんだよ」

係員「えっ、それってなんかヤバくないっすか?」

俺「うっせ、ほっとけなかったんだよ。しょうがないだろ」

係員「相変わらず口Oコンすね~」

俺「はいはい、もう行って良いか?」

係員「あ、はい、二名様どうぞ~」

16: 2014/11/06(木) 04:59:50.95
俺「ごめんな。アイツ後輩なんだ」

美少女「い、いえ……それより私迷惑じゃないですか……?」

俺「気にするなって、大丈夫。俺口リコンとかじゃないから!キリッ」

美少女「え?ろ、ろり?」

俺「い、いやなんでもない……さ、シートベルト着けて!始まるぞ!」

美少女「はい!」ワクワク

妹「!!」ドキドキ

………………
…………
……

美少女「」

妹「」

俺「……ははは、そんなに怖かったか」

美少女「……スッゴク怖かったです」ブルブル

妹「……」ブルブル

18: 2014/11/06(木) 05:03:58.54
俺「ごめんごめん、お詫びにジュース買ってくるよ……ちょっと待ってて!」タタタッ


美少女「……こ、怖かったね……妹ちゃん……」ブルブル

妹「うん……怖かった……」ブルブル

美少女「あんなに速いなんて聞いてないよ……」

妹「お兄さんも顔ひきつってた……」


俺「ほい、お待たせ。アイスココアで良いかな?」スッ


美少女「あ、ありがとうございます!」パァァ

妹「やった!ココア!!」パァァ

俺「喜んでくれて良かったよ」ニコニコ

22: 2014/11/06(木) 05:09:37.77
俺「さ、次は何処にいく?」

美少女「うーん……もう怖いのは……あ、ここ!」

妹「わ、クマさんいっぱい!!」

俺「ん?おお、そこか!女の子はみんなソコ大好きだな!!」

美少女「えへへ……」テレテレ

俺「よし、じゃあ行こっか!」

美少女「はい!」

妹「クーマ!クーマ!」

………………
…………
……

キャッキャッ

俺「ふー、楽しかった?」ニコニコ

妹「クマさんスッゴク可愛かったね!お姉ちゃん!!」

美少女「うん!とっても!!」

俺「良かった。お土産屋に縫いぐるみ買ってくか!」

25: 2014/11/06(木) 05:13:05.86
美少女「すっごい!どれもカワイイ!」

妹「色んなクマさんがいるね!」

美少女「あ、これ……」スッ

俺「ん、気に入った?よし、じゃあそれ買ってくるよ」

美少女「あっ……」

妹「いいなー!私も!!」バタバタ

俺「ん、ほら、妹ちゃんのも」ニコッ

美少女「あ、ありがとうございます!!」

妹「やった!!」

………………
…………
……

俺「さ、次は何処にいく??」

30: 2014/11/06(木) 05:17:23.85
美少女「えっと、じゃあこれ……」

俺「どれどれ……おおう……」チラッ

美少女「?」

俺「ううん、なんでも!さ、行こっか!」スッ

美少女「はい!」ギュッ

………………
…………
……

俺「さ、つ、着いたよ!」チラチラ

妹「わあ、おっきなコップが回ってる!!」

美少女「あれはティーカップっていうんだよ、妹ちゃん」ニコニコ

俺「さ、い、行こっか」ソワソワ

美少女「はい!」ニコッ

31: 2014/11/06(木) 05:21:41.73
………………
…………
……

美少女「わわわ、まだ目がくるくるします……」クラクラ

妹「うまく歩けないよー……」クラクラ

俺「うっぷ……おうふ……」クラクラ

チラッ

美少女「……」

妹「…… 」

俺「……」

「「……プッ!」」

俺「あー、何回乗ってもなれないよ、あれには」ケラケラ

妹「ぐるぐるぐる」ケラケラ

美少女「ふふ、だから選んだときにゲッ、て顔してたんですね」ニコニコ

俺「ははは、バレたか……」ポリポリ

33: 2014/11/06(木) 05:25:49.56
俺「ふー、少し休憩しよっか」

美少女「はい」

俺「……えっと、君は電車でここまで来たんだよね?」

美少女「……はい。そうです」

俺「その……何かあったのかな?いや、無理に答えなくても良いんだよ?」アハハ

美少女「……」

美少女「……パパとママが」

妹「……ママが」

俺「……あ」

美少女「パパとママが!今日ここに遊びに来るって約束を破ったんです!」ドーン

妹「そうだー!」ドーン

俺「」

34: 2014/11/06(木) 05:30:11.36
美少女「前から約束してたのに!!」ドーン

妹「してたのに!!」ドーン

美少女「だ、だから私達だけで来ちゃったんです!!」ギュッ

妹「そうだー!!」

俺「……」

美少女「……あっ!……ごめんなさい、大きな声だして……」カァァ

俺「……ククッ」

美少女「……?あの……俺さん……?」

俺「なーんだ、安心したよ」クスクス

美少女「えっと……その……」カァァ

妹「笑うなー!笑うなー!」

俺「ごめんごめん。でも良かった!さ、休憩ばっかりしてたら時間が無くなっちゃうな!次いこう!!」ニコッ

美少女「えっ、えっと……はい!!」ニコッ

35: 2014/11/06(木) 05:36:21.46
俺「さ、次は黄色いクマさんのとこいくぞ!」

美少女「はい!」

妹「えー、またクマー?」ブーブー

………………
…………
……

俺「どうだった?」

美少女「凄かったです!……ね?妹ちゃん?」

妹「凄かった!絵本の中に行ったみたい!!」

俺「ふふ、良かった良かった」

俺「ちょっと小腹減ったね。ポップコーンでも買ってくるよ」


従業員「いらっしゃいませ……って」

俺「えっと、キャラメルポップコーン2つと……それと……ん?」

従業員「俺?あんたもう終わったの?」

俺「お、よ、よう!……あ、訳あって早く切り上げてもらったんだよ」

36: 2014/11/06(木) 05:42:02.00
従業員「本当~?なによその訳って」

俺「な、なんでも良いだろ……それよりはやくポップコーンを……」

従業員「怪しいわね……ま、いっか。はいどうぞ」

俺「お、サンキュー。お前も、頑張れよ!」

従業員「わ、分かってるわよ!買ったら早く行きなさいよ!」

………………
…………
……


美少女「あ、俺さん!!」ニコッ

俺「ごめんごめん、ちょっと捕まってた」

美少女「?」

俺「気にしないで!……あ、はいこれポップコーン!キャラメルだけど良いかな?」

妹「やったぁ!キャラメル大好き!」ニコニコ

美少女「わあ、何から何までありがとうございます……」

俺「気にしないで!……良かった」ニコニコ

37: 2014/11/06(木) 05:46:21.57
俺「よし、じゃあ次はこれ行こう!」トントン

美少女「えっと……」

妹「こわそー」

俺「大丈夫!そんなに怖くないよ!」

美少女「そ、そんなにってことは怖いんじゃないですかぁ!」

俺「ごめんごめん、やっぱりお化けは嫌い?」

美少女「……嫌いというか…………怖いのは嫌いです!!」

俺「大丈夫!俺がついてるから!それに結構面白い事も多いんだよ! 」

美少女「……」

美少女「……そこまで言うなら……」

妹「絶対こわいぞー」ブルブル

………………
…………
……

38: 2014/11/06(木) 05:50:05.35
美少女「」

妹「」

俺「うーん、相変わらず面白かったな~」

美少女「怖かったです……」

妹「……怖かった」

俺「あはは、ごめんな。次は……っと、そろそろ時間も無くなってきたな……どうする?」

美少女「えっと……」

美少女「……あ!、そうだ、船!おっきな船ってありますか!!」

俺「う、うんあるけど……」

美少女「それ、ソコ行きたいです!!」

俺「わ、分かった。じゃあ行こっか!!」

美少女「はい!!」

39: 2014/11/06(木) 05:55:12.28
………………
…………
……

美少女「すごい、本当にこんなおっきな船があるなんて……」

俺「ふふ、満足した??朝も良い景色なんだけど、やっぱり夜の方が幻想的なんだよね、ここは」

美少女「はい。本当にありがとうございます」

美少女「これで、きっと」

美少女「きっと、妹も満足した思います……」

俺「えっ?」



ブチッ ヒュッ トポン



俺「あっ、……ペンダント!!」スッ

俺「……っ、い、いいの?大切なペンダントじゃ……」

美少女「……もう良いんです」

俺「でも……」

40: 2014/11/06(木) 06:00:27.23
美少女「……妹は先週事故で氏んじゃったんです」

俺「……えっ?」

美少女「私があのとき目を離したから……」

俺「……」

美少女「妹は今日ここに来るのをずっと楽しみにしてたんです。でも、パパもママも、あの子が氏んじゃったばかりなのになに考えてるんだって……」

美少女「だから、私、二人で来ちゃったんです。今日はあの子の誕生日だから……」

俺「……それでペンダントに話しかけてたんだ……」

美少女「……」コクッ

俺「……」

………………
…………
……

41: 2014/11/06(木) 06:07:19.87
美少女「……今日は本当にありがとうございました」

俺「……ううん。でも帰りは大丈夫?やっぱり送って行こうか?」

美少女「……大丈夫です。それに、ここにあの子もいるから」ギュッ

俺「……そっか」

美少女「……すっごく、すっごく楽しかったです。ありがとう、ございました……」

そう言って踵を返す彼女の後ろ姿は、とても脆く、しかし何処か力強く見えた。
小さな両腕で2つの大きな人形を抱えながら、彼女は夢の国から現実へと帰っていく。
ネズミーランド。ここは夢の国。
いつか醒めてしまう儚い国。

-完-

43: 2014/11/06(木) 06:20:12.32
泣いた

44: 2014/11/06(木) 06:40:16.24
割と本当に泣いた

引用元: 美少女「ほ、ほら妹ちゃん!着いたよ、夢の国だよ!」 妹「!!」