1: 2014/05/09(金)21:56:46
P「やよいは偉いな~」

やよい「うっう~!!」

プルルル…プルルル………

P「おっと電話だ。やよい、ちょっと待っててくれ」

P「はい、765プロですが?ハイ!!お世話に………」バサッ

やよい(机から何か落ちたみたいっ!拾わなきゃ)

P「失礼いたします。ふぅ。あれ、やよいは?」

やよい「こ、これは!?」

2: 2014/05/09(金)21:57:50
Pはデスクの上に置いていた封筒が消えている事に気づく、そして同時にしゃがみ込むやよいの姿も確認した。

P「やよい何してるんだ?………!?」

やよいに声をかける。
それと同時に信じられないものを見てしまった。
やよいが拾おうとした封筒にはTV局Pに渡す予定のワイロ(現金100万)が入っており、それをやよいがネコババしようとしている瞬間であった。

もちろん、やよいにネコババをする気などない。
ネコババに見えたのは落下した時の衝撃で封筒の口が開き、現金が外に出てしまったからだ。

P「やよい!!それを床に置きなさい!!」

3: 2014/05/09(金)22:00:00

やよい「あわゎゎゎゎゎ!?」

やよいは今すぐにでも手を離したかったが、生まれて初めての札束の重みに筋肉が固まり思うように動かない。

P「まさかお前が、そんな奴だったとわな………」

Pはデスクの引き出しを開き護身用である3Dプリンタで作った拳銃を取り出した。そして静かに銃口をやよいに向ける。もちろん、弾は入っていない警告のためだった。しかし、アイドルを守るために作成した銃をアイドルに向けたのである。

P「やよい、最終警告だ。今すぐ封筒を床に置け」

5: 2014/05/09(金)22:01:53
やよい「あわゎゎゎゎゎゎゎ!!」

やよいはパニックになった。拳銃を見て自分に危険が迫っている事は直ぐに分かった。しかし、封筒を持った手の筋肉は完全に膠着して離れそうもない。

やよい「すっすいません!!」バリッン

P「なんだと!?」

やよいは、窓ガラスを突き破り事務所から逃亡した。Pはやよいを追いかけようと窓に手をかけたが飛び降りる恐怖で踏み出す事は出来なかった。

7: 2014/05/09(金)22:04:30

そして、一度深呼吸して現状を分析して気づいた………。拳銃の引き金を引いていたことを。
やよいが逃亡した瞬間、Pの指はやよいを殺そうとしていたのだ。弾は入ってなかったとはいえ、威嚇のためだったとはいえ、Pは大きな罪悪感に襲われた。

P「まさか、やよいが………糞!!」

Pは壁を殴りつける。拳には血が滲んだが痛みは感じなかった。

プルルル…

律子「ハイ」

9: 2014/05/09(金)22:07:00
P「律子、俺だ。」

律子「分かってますよ。名前が出ていますから」

P「ああ、そうだな………」

律子「何かあったんですか?」

P「ああ、実は………やよいが事務所の金を持って逃亡した」

律子「はあ?ちょっと冗談やめて下さいよ」

P「………」

律子「………本当なんですか?」

P「ああ」

11: 2014/05/09(金)22:08:27
なんでPはそんな殺伐としてるの?

12: 2014/05/09(金)22:09:04
律子「それでPは、どのように事態を収集しようとお考えですか?」

P「この行為は765プロに対する反逆だと捉える。つまり解雇(アイドル用語:意味 抹殺・暗殺)だ。」

律子「事態が事態とはいえ重すぎるのでは?」

P「律子…俺はもう戻れない………一度、やよいを殺そうとしてしまったから………」

電話越しからでもPの意思の硬さを感じた。そして同時に悲しんでいるようにも聞こえた。

15: 2014/05/09(金)22:13:44
律子「分かりました。しかし、他のアイドルには何て説明すればいいのですか?」

P「それは考えてある。協力してもらえる者には真実を話し、その他には事実を作り上げればいいだけだ」

律子「それで本当に大丈夫ですかね?特に伊織は信じるとは思えません。自分で真相を突き止めようとするかもしれない」

P「だろうな。伊織ならそうする。いや、そうしなきゃ伊織じゃない」

律子「それでは!?」

P「安心しろ。すでに手はうった」

16: 2014/05/09(金)22:16:14
水瀬宅.豪邸

伊織父「伊織、実はブラジルにお前にあって見たいという大富豪がいてな………」

伊織「嫌よ??何で私が………」

伊織父「新堂やれ」

新堂「はっ」

伊織「ちょっと新堂何をやってる………」バタッ

新堂「これでよかったのでしょうか?」

伊織父「ああ、十分だ。今回の事は伊織には重すぎる。ほとぼりが覚めるまで海外に行く。もちろん、情報もシャットアウトでだ」

新堂「分かりました。直ぐにご用意いたします」

17: 2014/05/09(金)22:18:23
765プロ

小鳥「今だに信じられません。まさかやよいちゃんが」

P「俺だって信じられません。だが事実だ」

小鳥「しかし、それが事実だとしてやよいちゃんの居場所は分かってるのでしょうか?」

P「いえ、千早に【やよいから家に遊びに来て欲しい】と言ってるとか嘘をついて自宅に突入してもらったのですがいなかったそうです」

小鳥(千早ちゃん……チョロい)

18: 2014/05/09(金)22:21:00
小鳥「では、この辺りに潜んでいるのでは?」

P「実はそれも考えて響に【やよいが事務所周り半径30kmでかくれんぼしてるから動物たち、特にイヌミと探してくれ】と言っておきました」

小鳥「それで信じたのですか?」

P「少し疑ってましたが、天才、天才言ってれば二つ返事で了承してもらえました」

小鳥(響ちゃんも………チョロい)

20: 2014/05/09(金)22:24:15
P「そして、貴音のファンだった警察署長に頼んで他県への道は封鎖済ですし、雪歩の親族にも協力してもらって捜索中です」

小鳥「それは大丈夫なのですか?」

P「大丈夫ですよ。署長は音無さんの秘蔵ビデオ10本で手をうってくれましたし、雪歩の親族は【うちの娘の事務所に汚れ仕事をさせるわけにはいかない】とノリノリでしたよ」

小鳥「あの私に被害が出てません?」

P「社長~音無~さ~んが~!!」

小鳥「すいません。すいません。すいません????」

P「そして春香には睡眠薬入りのクッキーを作ってもらいました。これを各所にばらまいておけば直ぐに見つけられるでしょう」

小鳥(さすがPさん。仕事が早い)

21: 2014/05/09(金)22:28:25
やよい「大変な事になちゃった………」

やよいは事務所裏にあるゴミ箱の中に隠れていた。ここは強烈な匂いのためイヌミの鼻でも見つけることの出来ない。最高の隠れ家であった。

時間がたち手から離れた封筒を見てやよいはため息をつく。本当は今すぐにでも謝りたいが拳銃を持ったPの姿を思い出すたび足がすくんですまう。

ぐぅぅぅ………

やよい「お腹がすきました」

22: 2014/05/09(金)22:31:28
その時、やよいが隠れているゴミ箱の蓋が開いた。

貴音「やはりここにいましたか」

やよい「貴音さん………」

貴音「何があったのかは知りませんが、Pからメールを見ると何か大変な事が起きているようですね」

やよいは本当の事を一生懸命説明した。

23: 2014/05/09(金)22:33:36
貴音「どうやら、私が思ってたほど難しい問題ではないようですね」

やよい「え………」

貴音「簡単な話です。批はないとはいえ謝りたいと思っているのですから気持ちに正直になればいいのです。素直に謝る事が出来れば何の問題もないのですから」

やよい「貴音さん。ありがとうございます。私、元気が出てきました」

貴音「そのいきです。やはり、やよいは元気な姿が一番似合っています」

やよいは貴音に深くお辞儀をして場を後にした。

貴音「こんなところにクッキーが!?」

24: 2014/05/09(金)22:36:16
765プロ

小鳥「さすがにこれは………」

P「何を言っているのですか?退路を立たれた敵が最後にすること。それは本陣である。ここ765プロ事務所に攻め込んでくるに違いありません??」

P「ええ、資金は最近STAP細胞とかいう物を見つけた亜美真美の父親に出してもらい、961プロとの共同制作した対人兵器とトラップを事務所までのエレベーターと階段に仕掛けたというわけです」

25: 2014/05/09(金)22:40:09
小鳥「あーの、それで真ちゃんがソファーで氏んだように眠ってるのは?」

P「ああ、真に設置してもらったのですよ。何、【少し模様替えをしようと思う】とか言ったら、僕も手伝いますよって言ってくれました」

ビービービー

小鳥「な、何???」

26: 2014/05/09(金)22:43:55
P「どうやら本当に攻め込んできたようだ」

小鳥「やよいちゃん…」

P「そりゃそうですよ。俺さえ消せばやよいの証言を邪魔する奴はいなくなるんです。やよいだって人間です。自分の身は可愛いでしょう」

29: 2014/05/09(金)22:47:52
765プロ F1

やよい「なんだかいつもと雰囲気が違います」

やよいは恐る恐る足を進めて行く。

P「ふふふ、やよい!!お前の姿はモニターで監視してるのだよ!!さあ、早く選べ!!事務所に通じる二つのルートをな!!」

やよい「いつもは階段で行くんだけど今日はエレベーターで行こうかな」

やよいはそう言ってエレベーターのボタンを押した。しばらくするとドアが開いて中に入った。

30: 2014/05/09(金)22:50:18
P「ハハハ!!かかったな??そのエレベーターの中に入ったら最後、炎が吹き出て二階に着くことには骨になっているであろう!!!!」

小鳥「や、やよいちゃん!?」

やよい「………」

エレベーターのドアが静かに閉まる。

32: 2014/05/09(金)22:53:20
P「よし!!このスイッチを押せば………」

小鳥「待って下さい。エレベーターの中にあずささんがいます!?」

P「なんだと、さっきまでは!?」

モニターにはやよいと話すあずささんの姿が映っていた。

小鳥「ど、どうするんですか?」

P「………」

34: 2014/05/09(金)22:55:37
Pはボタンを押すことができなかった。

やよい「ことエレベーター待ってても動きませんね。壊れてるんでしょうか?」

あずさ「そうね。ボタンは生きているみたいだし一度外へ出ましょうか?」

やよい「ハイ」

やよいとあずさはエレベーターからの脱出に成功した。そこでやよいは気づいた。

35: 2014/05/09(金)23:00:12
やよい「あずささんがいません!?」

P「どういう事だ?あずささんの生態反応が消失した」

小鳥「二ヶ月ぶりに姿を見せたと思ったら、また消えたのですか?アイドルたちの中でも出席率が悪すぎて都市伝説化してるくらいなのに???」

P「しかたない。他に犠牲を出すことは出来ないからな。しかし、これでルートは階段の一つだけ………我々に敗北はない????」

36: 2014/05/09(金)23:05:00
小鳥「あの、そのことなんですが………」

P「なんだ?」

小鳥「モニター見てもらえます?これ階段の映像なのですが美希ちゃんがいるんですよね………」

P「な、なんと言うことだ??」

小鳥「おそらく事務所に来ようとして途中で力尽きてしまったんですね。完全に寝てます」

モニター内では美希と起こそうとするやよいの微笑ましい姿が映し出されていた。

37: 2014/05/09(金)23:09:11
P「どうやら覚悟を決めないといけないようです」

小鳥「Pさん。あなたはやよいちゃんのことが大好きだったはずなのにナゼ??」

P「もう俺たちは引き返せないところまで来てしまった。それだけです………」

小鳥にはPが泣いているようにも笑っているようにも見えた。

ガチャ

ドアが開く。

38: 2014/05/09(金)23:14:50
やよい「おはようございます!!」

やよいの声が響く。
そして、静寂に包まれる。

小鳥「やよいちゃん……」

P「やよい待っていた……」

Pはやよいに近づき一言述べると腕を大きく開いた。

P「やよい。お前の勝ちだ。ここまで数々の追跡、トラップを乗り越えてきたのだろう………。正直、完敗だ。俺の命をお前にやるよ」

39: 2014/05/09(金)23:21:01
小鳥「プ、Pさん??」

小鳥は急いでPとやよいの間に回り込む。

小鳥「やよいちゃん。まだよ。Pさんの命を取らせるわけにはいかないわ!!殺るなら先に私を殺ってからにしなさい!!」

P「こ、小鳥さん」

Pと小鳥は目を閉じた。
しかし、お互い時間が立っても何も起こらない現状を不思議に思い目を開けた。

40: 2014/05/09(金)23:24:58
やよいが頭を下げていた。

床の水滴からやよいが泣いている事が分かった。
小鳥は直ぐにでも抱きしめてあげようとしたが、それはPの方が早かった。

P「やよい!!」

やよい「プ、プロデュ~サ~ああ~ごめんなさい」

P「ああ、俺が悪かった。やよいは何も悪くないぞ」

41: 2014/05/09(金)23:25:34
Pはやよいを抱きしめて何度も
「大丈夫だ」と繰り返した。

そして、落ち着くとやよいは今日の出来事を話した。Pが落とした封筒を拾おうとしたこと、腕が言うことをきかなかったこと、拳銃に怖くなって逃げ出してしまったこと。
やよいの言葉は涙混じりで聞き取りずらかったがPは「うん、うん」と相槌をうち続けた。

Happy end

42: 2014/05/09(金)23:28:27
小鳥「それで真相はPの勘違いと言うことなんですけど、みんなにはどうやって説明します」

P「大丈夫です。皆にはメールしときました」

小鳥が携帯を確認すると確かにPからメールが届いていた。


メール 本文

ありゃ嘘だwww
騙されてやんのww


小鳥「Pさん………」

P「なんですか音無さん?」

小鳥「今度は本当に殺されますよ」

43: 2014/05/09(金)23:33:40
終わった!!

45: 2014/05/09(金)23:49:02

引用元: P「おっと!!」バサッ やよい(さ、札束……!?)【SS】