1: 2021/11/13(土) 22:25:00.384
魔王「どうにか逃げてきたがもう限界だ…」バタっ
村人「!?誰か倒れてるぞ!」
………
魔王「むっ…ここは?」
村人「よかった目ぇ覚ましてくれてこれお粥な」
魔王「う、うむ助けてくれたのか…礼を言うぞ人間…」
村人「なに言ってんだ困った時はお互い様だぁ」
魔王「……」
村人「!?誰か倒れてるぞ!」
………
魔王「むっ…ここは?」
村人「よかった目ぇ覚ましてくれてこれお粥な」
魔王「う、うむ助けてくれたのか…礼を言うぞ人間…」
村人「なに言ってんだ困った時はお互い様だぁ」
魔王「……」
2: 2021/11/13(土) 22:26:02.770
いや、その見た目で行き倒れは無理やろ
3: 2021/11/13(土) 22:28:46.452
ゾーマを想像しながら朗読
4: 2021/11/13(土) 22:29:36.162
魔王「体調もよくなったし散歩してみるよ」
村人「おう、オラは田んぼの方行ってっけど暗くなる前に帰ってこいよ」
魔王「わかっておる」
……
魔王「城の贅沢な生活に慣れていたが紅葉に染まった里山の風景に和むのもよいものだ…」テクテク
お爺さん「おう!坊ずんところに泊まってる行き倒れか!元気になったんか?」
魔王「むっ…失礼な行き倒れていたのではない少し道の真ん中で休んでいただけだ」
お爺さん「そうかそうかそうだ、干し柿あるから持ってき!」
魔王「恩に着るぞ」
村人「おう、オラは田んぼの方行ってっけど暗くなる前に帰ってこいよ」
魔王「わかっておる」
……
魔王「城の贅沢な生活に慣れていたが紅葉に染まった里山の風景に和むのもよいものだ…」テクテク
お爺さん「おう!坊ずんところに泊まってる行き倒れか!元気になったんか?」
魔王「むっ…失礼な行き倒れていたのではない少し道の真ん中で休んでいただけだ」
お爺さん「そうかそうかそうだ、干し柿あるから持ってき!」
魔王「恩に着るぞ」
5: 2021/11/13(土) 22:32:20.893
魔王「むっ川も流れているのか自然豊かな村だな」
ガキ「あっ!行き倒れー!」
魔王「子供よ、川の周りではしゃぎすぎると危ないぞ」
ガキ「みてみて!カニ捕まえたの!あげる!」
魔王「どれどれ…いてっ挟んできおったぞこやつ」
ガキ「あははは!」テテテテ
魔王「暗くなる前に帰るのだぞ」
ガキ「あっ!行き倒れー!」
魔王「子供よ、川の周りではしゃぎすぎると危ないぞ」
ガキ「みてみて!カニ捕まえたの!あげる!」
魔王「どれどれ…いてっ挟んできおったぞこやつ」
ガキ「あははは!」テテテテ
魔王「暗くなる前に帰るのだぞ」
6: 2021/11/13(土) 22:36:01.690
村人「帰ってきたらええ匂いするからなにかと思ったら料理してたんか」
魔王「うむ…キヨさんからは大根とカブ、ロクローさんからはニンジンをもらったからな鍋でもとな」
村人「ええのもらったなぁあとでお礼持ってくわぁ」
魔王「うむ、我も恩を返したいから明日から村の仕事を手伝おうと思うぞ」
魔王「うむ…キヨさんからは大根とカブ、ロクローさんからはニンジンをもらったからな鍋でもとな」
村人「ええのもらったなぁあとでお礼持ってくわぁ」
魔王「うむ、我も恩を返したいから明日から村の仕事を手伝おうと思うぞ」
7: 2021/11/13(土) 22:39:11.500
青年会
青年「えーというわけで今日から青年会のメンバーになる魔王さんでーす!」
魔王「若輩者だがよろしく頼むぞ」
みんな「パチパチ」
青年「じゃあ魔王さんの仕事だけど火の用心の見回りをやってもらいたいんだ」
魔王「承ったぞ」
……
魔王「メラの一言火事のもと〜」カン!カン!
青年「えーというわけで今日から青年会のメンバーになる魔王さんでーす!」
魔王「若輩者だがよろしく頼むぞ」
みんな「パチパチ」
青年「じゃあ魔王さんの仕事だけど火の用心の見回りをやってもらいたいんだ」
魔王「承ったぞ」
……
魔王「メラの一言火事のもと〜」カン!カン!
8: 2021/11/13(土) 22:41:54.849
魔王「青年会の打ち上げで遅くまで飲んでしまった」
村人「おう帰ってきたか、野犬に襲われてんじゃねえかと心配だったぞ」
魔王「…我にとっては犬など恐るるにあたいせぬ」
村人「寒くなってきたな…明日は雪かもしれんなぁ」
魔王「ふむ…囲炉裏にもう少し近づいてよいか」
村人「おう帰ってきたか、野犬に襲われてんじゃねえかと心配だったぞ」
魔王「…我にとっては犬など恐るるにあたいせぬ」
村人「寒くなってきたな…明日は雪かもしれんなぁ」
魔王「ふむ…囲炉裏にもう少し近づいてよいか」
9: 2021/11/13(土) 22:44:10.088
村人「積もったなぁ〜」
魔王「予想以上の雪で驚いたぞ我の家臣の氷雪系幹部でもここまでの雪は生み出せん」
村人「雪かきすっかぁ」
魔王「我も手伝うぞ…炎の呪文は藁葺き屋根が燃えてしまうから使わぬ方がいいな」
村人「ひと汗流すべ」
魔王「うむ」
魔王「予想以上の雪で驚いたぞ我の家臣の氷雪系幹部でもここまでの雪は生み出せん」
村人「雪かきすっかぁ」
魔王「我も手伝うぞ…炎の呪文は藁葺き屋根が燃えてしまうから使わぬ方がいいな」
村人「ひと汗流すべ」
魔王「うむ」
10: 2021/11/13(土) 22:47:55.408
魔王「お爺さんはおるか?」
お爺さん「おお坊んのとこの魔王」
魔王「青年会からお主は腰を悪くしていると聞いてな雪かきを手伝いにきたぞ」
お爺さん「おお、助かるねぇ終わったらうち上がってきなここあ出してやっから」
魔王「楽しみにしておくぞ」
お爺さん「おお坊んのとこの魔王」
魔王「青年会からお主は腰を悪くしていると聞いてな雪かきを手伝いにきたぞ」
お爺さん「おお、助かるねぇ終わったらうち上がってきなここあ出してやっから」
魔王「楽しみにしておくぞ」
11: 2021/11/13(土) 22:50:12.281
春
魔王「そろそろお爺さんからもらった半纏も着ずにすむようになってきたな」
村人「山さ行ったらふきのとう生えてたからとってきたぞ」
魔王「む?これは食べれるのか?」
村人「天ぷらにしりゃうめぇぞ」
魔王「今日の夕飯は楽しみだな」
魔王「そろそろお爺さんからもらった半纏も着ずにすむようになってきたな」
村人「山さ行ったらふきのとう生えてたからとってきたぞ」
魔王「む?これは食べれるのか?」
村人「天ぷらにしりゃうめぇぞ」
魔王「今日の夕飯は楽しみだな」
12: 2021/11/13(土) 22:52:36.941
魔王「ふむ、たけのことりというのも楽しいものだな埋まってるものを探す…ダンジョンになども使えるかもしれん」
村人「山菜も取れたから帰っか」
魔王「山の恵みとは素晴らしいものだな」
……
「わー!勇者様が村にいらっしゃったぞー!」
村人「なんだぁ?騒がしいなぁ」
魔王「勇者、だと?」
村人「山菜も取れたから帰っか」
魔王「山の恵みとは素晴らしいものだな」
……
「わー!勇者様が村にいらっしゃったぞー!」
村人「なんだぁ?騒がしいなぁ」
魔王「勇者、だと?」
13: 2021/11/13(土) 22:54:57.167
勇者「ようやく見つけたぞ魔王!ここで決着をつける!」
魔王「待て勇者村で戦うとゲンさんやみっちゃんの家が傷つくかもしれん場所を移動しよう」
勇者「ならばあちらの山の方はどうだ」
魔王「あそこは山の幸の宝庫だ戦いで汚すことなどできん」
勇者「ならば川は」
魔王「ガキどもの遊び場を荒らす気か?」
勇者「……じゃあ荒野に行くぞ!」
魔王「待て勇者村で戦うとゲンさんやみっちゃんの家が傷つくかもしれん場所を移動しよう」
勇者「ならばあちらの山の方はどうだ」
魔王「あそこは山の幸の宝庫だ戦いで汚すことなどできん」
勇者「ならば川は」
魔王「ガキどもの遊び場を荒らす気か?」
勇者「……じゃあ荒野に行くぞ!」
14: 2021/11/13(土) 22:58:55.120
勇者「おらぁ!」
魔王「ぐふっ…腕をあげたな勇者よ」
勇者「はぁはぁこれで世界を真の意味で取り戻したぞ!」
魔王「……そのことだが勇者よ、かつて私はお前に世界の半分をやると言ったことがあったな」
勇者「ああ…俺は断りお前を倒したが…」
魔王「私を倒し、いま世界の実権を握っているのは勇者お前だ…ゆえに頼みがある」
勇者「なんだと…!?」
魔王「世界なぞ半分もいらぬから、この村だけは我から奪わないでくれるか…?」
魔王「ぐふっ…腕をあげたな勇者よ」
勇者「はぁはぁこれで世界を真の意味で取り戻したぞ!」
魔王「……そのことだが勇者よ、かつて私はお前に世界の半分をやると言ったことがあったな」
勇者「ああ…俺は断りお前を倒したが…」
魔王「私を倒し、いま世界の実権を握っているのは勇者お前だ…ゆえに頼みがある」
勇者「なんだと…!?」
魔王「世界なぞ半分もいらぬから、この村だけは我から奪わないでくれるか…?」
15: 2021/11/13(土) 23:03:43.152
王都
「勇者様が帰ってきたぞー!」
勇者「魔王は倒した!これで世界は平和になりました!」
格闘家「これでよかったのか?」
賢者「まあいいんじゃない?あんな辺境の村なんて王政に関わることなんてないし」
勇者「それに魔王もすっかり野望も失い田舎者くさくなっていたし驚異なんてないようだったしな!さぁパーティーに行こうぜ!肉も魚もたらふくあるらしい!」
格闘家「ならばいいが!うむ!ビールを樽でもってこい!」
賢者「わたしもパーティに着ていくドレス選ばないと!討伐報酬でもらったお金でうんっと豪華な服買っちゃおう!」
「勇者様が帰ってきたぞー!」
勇者「魔王は倒した!これで世界は平和になりました!」
格闘家「これでよかったのか?」
賢者「まあいいんじゃない?あんな辺境の村なんて王政に関わることなんてないし」
勇者「それに魔王もすっかり野望も失い田舎者くさくなっていたし驚異なんてないようだったしな!さぁパーティーに行こうぜ!肉も魚もたらふくあるらしい!」
格闘家「ならばいいが!うむ!ビールを樽でもってこい!」
賢者「わたしもパーティに着ていくドレス選ばないと!討伐報酬でもらったお金でうんっと豪華な服買っちゃおう!」
17: 2021/11/13(土) 23:08:42.047
ガキ「魔王〜釣りいこうぜ!」
魔王「うむ、では出かけてくるぞ」
村人「おう、気をつけてな」
お爺さん「魔王!ちょっと将棋の相手してくれんか?」
魔王「また今度伺おう」
青年「魔王さん!うちの蔵でできた酒今夜飲みませんか?」
魔王「ではつまみになるものも釣れるように善処しよう」
魔王はこうして平和にこの村で暮らしていったとさ
のちに魔界村と名付けられたのでした
完
魔王「うむ、では出かけてくるぞ」
村人「おう、気をつけてな」
お爺さん「魔王!ちょっと将棋の相手してくれんか?」
魔王「また今度伺おう」
青年「魔王さん!うちの蔵でできた酒今夜飲みませんか?」
魔王「ではつまみになるものも釣れるように善処しよう」
魔王はこうして平和にこの村で暮らしていったとさ
のちに魔界村と名付けられたのでした
完
18: 2021/11/13(土) 23:14:03.030
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