7: 2011/07/17(日) 20:55:05.74
純「唯先輩! 実は、折り入って相談があるんです!」
唯「ほえ? 突然どうしたの?」
梓「ねえ、やっぱりやめようよ。こんなこと…」
純「だまらっしゃい、ここはずばっと言うべきだよ」
唯「なになに、なんの話?」
純「憂の体臭が……キツいんです!」
唯「ほえ? 突然どうしたの?」
梓「ねえ、やっぱりやめようよ。こんなこと…」
純「だまらっしゃい、ここはずばっと言うべきだよ」
唯「なになに、なんの話?」
純「憂の体臭が……キツいんです!」
9: 2011/07/17(日) 21:01:19.65
唯「体臭がきついって…憂がくさいってこと?」
純「そうです! 今まで我慢してきましたが…はっきり言って苦痛です!」
唯「え~、そうなの?」キョトン
唯は梓に視線を向ける。
梓「言いにくいけれど……やっぱり…少し、いえ、かなり!くさいです」
唯「ほえぇ~…」ポリポリ
純「あ、憂だ」
純「そうです! 今まで我慢してきましたが…はっきり言って苦痛です!」
唯「え~、そうなの?」キョトン
唯は梓に視線を向ける。
梓「言いにくいけれど……やっぱり…少し、いえ、かなり!くさいです」
唯「ほえぇ~…」ポリポリ
純「あ、憂だ」
12: 2011/07/17(日) 21:05:20.69
てくてく
憂「あれ、こんなところで、どうかしたの?」
純「憂! こんなところで会うなんて、奇遇だね!」
純(くさい…)
憂「そうだね」
憂「めずらしい組み合わせだね。なにしていたの?」
梓「そこでばったり会って! だからちょっと話していただけなの! ホントそれだけなんだから!」
梓(やっぱりくさい…)
唯「うーん…」クンカクンカ…
憂「あれ、こんなところで、どうかしたの?」
純「憂! こんなところで会うなんて、奇遇だね!」
純(くさい…)
憂「そうだね」
憂「めずらしい組み合わせだね。なにしていたの?」
梓「そこでばったり会って! だからちょっと話していただけなの! ホントそれだけなんだから!」
梓(やっぱりくさい…)
唯「うーん…」クンカクンカ…
15: 2011/07/17(日) 21:11:07.49
梓(せ、せんぱい何やっているんですか!?)
唯は、憂の体に顔をくっつきそうなほど近づけて、
くんかくんか、憂のにおいを嗅ぎあさっていた。
憂「…? お姉ちゃん、どうしたの?」
唯は、憂の体に顔をくっつきそうなほど近づけて、
くんかくんか、憂のにおいを嗅ぎあさっていた。
憂「…? お姉ちゃん、どうしたの?」
20: 2011/07/17(日) 21:17:11.26
~~憂の体臭をなんとかしよう会・対策本部~~
唯「毎日、ファブリーズをして上げるって言うのは?」ハイ!
純「無理がありますよ。だいたい、憂がくさいって言っているようなものじゃないですか」
純「ここはさりげなく、香水をプレゼントとか!」
梓(なんで私の部屋……)
24: 2011/07/17(日) 21:23:45.13
――夜・平沢家――
唯「ういー、プレゼントだよ!」
憂「プレゼント!? お姉ちゃんが? 私に?」
唯「そう! はい、これ」
憂に、小ぎれいに包装された小箱を手渡す。
憂「お姉ちゃんがプレゼントをくれるなんて…!」ウルウル
唯「いやー、憂には日ごろお世話になっているからね。そのぶんだよ!」
憂「ねぇねぇ! あけていい?」
唯「うん!」
25: 2011/07/17(日) 21:29:25.98
憂は丁寧に箱を開ける。
憂「これは…香水?」
唯「そうだよ。憂ももう高校生なんだから、そーゆうのも必要かなって思ってさ!」
憂「お姉ちゃん、そんなに私のことを考えてくれていたなんて…私うれしい!」
憂「これからは毎日使うね!」
唯「えへへ、照れるなぁ」ポリポリ
26: 2011/07/17(日) 21:35:55.11
昼、梓の部屋で憂に香水をプレゼントしようと決めた後。
三人は町まで出向いて香水を買いに行った。
三人とも香水なんて使ったことなく、なにを買えばいいのかさっぱり分からなかったので、
とりあえず無難に、一番においが強いものを買うことに決めたのだった。
――翌朝・憂のクラス――
ざわざわ……
ざわざわ……
憂「…?」
27: 2011/07/17(日) 21:42:19.13
生徒A(なんか変なにおいしない?)ヒソヒソ
生徒B(するする。すごいにおい!)ヒソ
生徒C(やばいよね! どこからこんなにおいが…)ヒソ
何となく、感づいていたらしい。
皆一様に、憂の方を振り向いた。
生徒A(…まさかねー!)
生徒B・C(あははは……)
憂「なんだか、教室の雰囲気がいつもと違うような…」
28: 2011/07/17(日) 21:49:21.69
ガラガラ!
梓「ふあー…」
純「みんな、おはよう!」
憂「あ、梓ちゃんと純ちゃんだ」
純「クッサ!! ここクッサァ!!」
憂「純ちゃん…? ど、どうしたの?」
純「うわっ!! 憂クッサァ!!!!!!!」
憂「ええええええええええええ」ガビーン
32: 2011/07/17(日) 21:55:49.67
――ひとけの無い体育館裏――
憂「うう……ぐすん」
梓「……」
憂は、体育座りで背中を丸め、腕の中に顔を埋めている。
純「いや、その……ごめん! 悪かったよ」
真摯な声で、しかし憂から少し距離を取って純が言った。
33: 2011/07/17(日) 22:02:09.74
憂「……私って、くさかったの?」
梓「そんなこと……」
言いかけて、一歩近づいた憂から、梓も一歩、後ずさる。
憂「……」
梓「あ…いや、これはその……」
憂「ひっくッ…」
憂「うわあああああああああああああああん」
憂は泣きながら走り去ってしまった。
梓「……」
純「……」
35: 2011/07/17(日) 22:08:51.20
~~憂の体臭をなんとかしよう会その2・対策本部~~
純「あの後、憂はクラスからくさいくさいと言われるようになったらしい」
純「大問題になりました! さあ、どうするべきか!」
唯「今度はファブリーズをプレゼントするとか」
梓(また私の部屋……)
36: 2011/07/17(日) 22:16:22.67
梓「そんなことよりも、いまは心の傷をなんとかするべきだと思うんです」
唯「こころのきず?」
梓「いわゆるトラウマ、です。あの子、下手したら登校拒否とかになってしまうかも……」
唯純「とうこうきょひ!?」
37: 2011/07/17(日) 22:23:22.73
※
その日以降、憂は自分の部屋から出てこなくなった。
唯「登校拒否どころか、引きこもっちゃったね……」
唯の部屋で話し合う三人。
梓「やっぱり、純が精神誠意、謝罪をすれば……」
純「何度もしたじゃない! これ以上どうすればいいのさ!」
38: 2011/07/17(日) 22:30:12.64
~~~~
純『くさいなんて言ってごめん。
あれは香水がくさいってことで、決して憂がくさいなんて意味では…』
憂『そんなの聞きたくない! 帰って!』
~~~~
門前払い。
部屋に入れてすらもらえなかった。
梓「ファブリーズ作戦もダメだったし…」
昨日は憂の部屋の、ドアの手前にファブリーズを置いてみた。
「これがあれば体臭なんてへっちゃら♪」という憂の反応を期待したものだが、
現実はそう上手くもいかず。
三人が次にそこを見た時には、ファブリーズボトルは真っ二つに両断され、
中の液体があたりにそこらに飛び散っていた。
40: 2011/07/17(日) 22:36:54.23
純「そういえば…毎日お酢を飲むと、体臭が消えるって。
氏んだおじいちゃんが言っていたっけ」
梓「本当!? なら、今度はお酢作戦で…」
唯「……ねぇねぇ、」
黙り込んでいた唯が、口を開いた。
42: 2011/07/17(日) 22:43:50.05
唯「私たちが憂の体臭を消そう消そうって頑張っているのが、
逆に憂を傷つけてそうな気がするんだ」
梓純「……ッ!!」
唯「私、憂がくさいなんて一度も思ったことないし……
というか、憂はいいにおいだなーって、今まで……
私、すきなんだ。憂のにおい」
梓「先輩、」
勢いよく立ち上がり、
梓「目が覚めました! 」
純「ええ、私たちは間違っていたんです!」
44: 2011/07/17(日) 22:50:53.77
――ガラガラ!
憂「みんな、いつまでそこで……わっ!?」
唯純梓「ういーー!!!」ガバッ
憂「なっ…なっ…」///
憂「は、はなれてっ……においうつっても知らないよ!?」ギュウギュウ
唯「うつってもいい! 私、憂のにおい好きだから!」
憂「ッ……!!」
梓「そのとおりなんです! 憂はにおいを含めて、憂なんです!」ギュウギュウ
純「憂臭のない憂なんて憂じゃないよ!」ギュウ
憂「みんな……」ウル…
45: 2011/07/17(日) 22:57:59.06
※
――エピローグ――
次の日、憂は久しぶりに学校へ行った。
早速クラスメイトから、くさいくさいとからかわれたが、
憂は気にする様子を見せず、笑って流した。
時間が経つにつれ少しずつクラスも落ち着き、それでも梓と純はことあるごとに、
くんかくんか、憂のにおいを絶賛し、次第にクラスメイトたちにも飛び火していった。
いつしか、クラスの誰もが憂の『憂臭』に魅了されていた。
くんかくんか。朝から晩まで生徒たちが憂臭をかぎに来る。
クラスから学年へ、学年から学校へ。
憂臭ブームは広がっていき、いつしか桜ヶ丘女子校に、
空前の憂臭フィーバーが巻き起こっていた。
46: 2011/07/17(日) 23:05:50.62
純「これはチャンス!」
純は、憂臭を有料で販売しようと言う。
現状、憂臭は行列待ちだ。
憂の周りには、つねに長蛇の列が出来ていた。
あまりの行列に、泣く泣く憂臭を断念する人も多い。
ならば、憂臭を缶詰に封入し、憂臭をかげない人に売りさばいてしまおう。
それが純の考えだった。
純「ぜったい儲かるって!」
50: 2011/07/17(日) 23:13:43.42
憂は反対した。
自分のにおいを売って金をもらうというのは、どうも乗り気になれなかった。
だが、純からこのことを聞いた唯は、大賛成だった。
最初は反対だった梓も、純と唯につられ、なびいていった。
結局三対一になり、憂は釈然としないながらも了承した。
51: 2011/07/17(日) 23:22:12.05
その後、憂臭缶は飛ぶように売れ、世界的大ヒット商品となり、
四人は巨万の富を得てあばばばっあびゃばびゃばばwwwwwwwww
おしまい
53: 2011/07/17(日) 23:28:08.21
以上でおしまいです。
読んでくれた方ありがとうございました
強い香水と強い体臭が混じるとにおいがブレンドされて
その相乗効果でものすごい悪臭になることがあるそうな。
てか、エピローグの話を流さないでちゃんと書いてたら本編より長くなりそうだな
読んでくれた方ありがとうございました
強い香水と強い体臭が混じるとにおいがブレンドされて
その相乗効果でものすごい悪臭になることがあるそうな。
てか、エピローグの話を流さないでちゃんと書いてたら本編より長くなりそうだな
56: 2011/07/17(日) 23:45:55.30
やはり、憂の体臭は素敵臭だったか……。
乙。
乙。
57: 2011/07/17(日) 23:48:40.85
乙
60: 2011/07/18(月) 00:13:25.51
ドラえもんで、スネ夫が世界の空気の缶詰をのび太に自慢していたのを思い出した。
缶詰を開けてしまうとそれっきりだから、眺めてその空気の場所を想像したり、
寝るとき枕元においたりしてその夢を見るのが正しい使い方だってスネ夫が言っていた。
缶詰を開けてしまうとそれっきりだから、眺めてその空気の場所を想像したり、
寝るとき枕元においたりしてその夢を見るのが正しい使い方だってスネ夫が言っていた。
引用元: 純「憂って体臭キツいよね」
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