歩夢「…………」

かすみ「……」

歩夢「……」

かすみ「……」

歩夢「……あ、画面」

かすみ「えっ、…あっ…その……」

歩夢「なんともないや」

かすみ「もおおおおおお！！！」

かすみ「びっくりするじゃないですか！！」

歩夢「かすみちゃんうるさい」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

歩夢「てかほんとに割れてたらどうするつもりだったの？」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

かすみ「う…」

歩夢「…」

歩夢「……」ｺﾄ

歩夢「…かすみちゃん」

かすみ「…はい」

歩夢「かすみちゃんってそういうところあるよね」

かすみ「……はい」

歩夢「…」

歩夢「…結果的に何ともならなかったけどさ」

歩夢「危ないなって思うこと、よくあるよ」

歩夢「普段から」

かすみ「……はい」

歩夢「この前もあったよね」

かすみ「…」

歩夢「なんだっけ、ねずみのおもちゃか何かでしずくちゃん驚かせて」

歩夢「足挫きそうになったの」

かすみ「…」

歩夢「…しずくちゃんは優しいから許してくれたけどさ」

歩夢「一歩間違えたら大変なことになってたわけじゃん」

かすみ「…」

かすみ「ごめんなさい」

歩夢「……」

かすみ「………」ﾎﾟﾛｯ

歩夢「……え」

かすみ「ごめんなさい……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

歩夢「ちょ、ええ…？」

歩夢「なんで泣くの……？」

かすみ「ううっ…ぐすっ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

かすみ「……歩夢せんぱい」ｸﾞｽｯ

歩夢「…なに？」

かすみ「私の…私のこと嫌いですか…？」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

歩夢「……は？」

かすみ「うぅ…だって…」

かすみ「歩夢せんぱい…私にだけあたり強いじゃないですか……」ｸﾞｽｸﾞｽ

歩夢「……」

かすみ「……ぐす」

歩夢「……いや」

歩夢「今の話はかすみちゃんが悪くない？」

かすみ「そうですけどお！」

かすみ「なんか…こう……態度とか、言葉とか…」

かすみ「いっつもキツイんですよ…歩夢せんぱい……」ｸﾞｽｯ

歩夢「……」

かすみ「……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

歩夢「……あのねかすみちゃん」

かすみ「……はい」ｸﾞｽｯ

歩夢「私はかすみちゃんのこと、好きだよ？」

かすみ「………」

かすみ「…ほんとですか……？」

歩夢「ほんと」

歩夢「だからね、ちょっといじわるしたくなるの」

かすみ「……」

かすみ「………ちょっと…ですかね…？」

歩夢「うん、ちょっと」

かすみ「……はい」

歩夢「…ごめんね？」

かすみ「…」

歩夢「今日はちょっとやりすぎちゃった」

かすみ「……いえ…」

かすみ「元はといえばかすみんが」

歩夢「うん、それは当然だけど」

かすみ「……」

歩夢「……これからはほどほどにするね？」

かすみ「…やめはしないんですね」

歩夢「…」

歩夢「…かすみちゃんぐらいしかいないから」

歩夢「こう…いじめたくなる子」

かすみ「それ褒めてます…？」

歩夢「褒めてるよ」

かすみ「……」

かすみ「…」

かすみ「………嫌いです、歩夢せんぱいなんか」

歩夢「もー」

歩夢「そんなこと言わないでよ」ｷﾞｭｰ

かすみ「わ」

かすみ「ちょ…やめてくださいよ」ｸﾞｲｸﾞｲ

歩夢「いや」ｷﾞｭｰ

かすみ「苦しいですって…」

歩夢「苦しそうなかすみちゃんも好きだよ」ｷﾞｭｰ

かすみ「…頭いかれてるんですか」

歩夢「そんな言葉づかいしちゃだめ」ﾒｯ

かすみ「……子供扱いしないでください」

歩夢「子供だよ、かすみちゃんは」

歩夢「…」

歩夢「……中学んときの保育園実習思い出すな」

かすみ「……ふん」

歩夢「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

かすみ「…」

歩夢「…」

歩夢「……ごめんね？私性格悪くって」

かすみ「…そのセリフが性格悪いですよ」

歩夢「……」ｷﾞﾘｷﾞﾘｷﾞﾘ

かすみ「ちょ…しまってますって……」

歩夢「……」

かすみ「……」

歩夢「…」

かすみ「……」

歩夢「………はあ」

歩夢「…なんか……変な気分になってきちゃった」

かすみ「…は？」

歩夢「これもかすみちゃんのせいだよ？」ｷﾞｭｯ

かすみ「なにが…」

かすみ「……！」

かすみ「…」

かすみ「……なんで心臓そんなばくばくいってるんですか」

歩夢「……」

かすみ「……」

歩夢「……ねえ、かすみちゃん」

かすみ「……」

歩夢「ちゅーしよっか」

かすみ「……」

かすみ「……は？」

歩夢「かすみちゃんが悪いんだよ」

かすみ「だからなにがですか！」

歩夢「別に女の子同士、ふつうだって」

かすみ「いやいや、ちょっ…」

歩夢「…」ｸﾞｸﾞｸﾞ

かすみ「ちょ…ほんとに…」

かすみ「侑せんぱいに言いますよ！？」

歩夢「侑ちゃんは関係ないでしょ」

かすみ「ないんですか！？」

歩夢「……」ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞ

かすみ「…ほんとに……まっ……」

ｶﾞﾁｬｯ

菜々「あれ、おふたりともいらしたんですね」

歩夢「…うん」

かすみ「……」

歩夢「…せつ菜ちゃんはどうしたの？」

菜々「置きっぱなしのカバンを取りに」

歩夢「……ああこれ、せつ菜ちゃんのか」ﾋｮｲ

菜々「ありがとうございます」ｽｯ

かすみ「…」

菜々「あ、まだこの部屋使います？」

歩夢「ああー…うん、使う」

菜々「っと…じゃあこれを……」ｽｯ

菜々「私たぶんここ戻って来れないので…鍵お願いします」

歩夢「ん、わかった」

菜々「では、よろしくおねがいしますね」ﾀｯﾀｯ

ｶﾞﾁｬ

歩夢「……」

かすみ「……」

歩夢「……」ｶﾁｯ

かすみ「……」

かすみ「…なんで鍵かけたんですか」

歩夢「……いや…ね」

歩夢「鍵ここにあるから、中から鍵かえば」

歩夢「外から誰も入ってこれないなーって」

かすみ「……」

歩夢「……ね、かすみちゃん」ｽｯ

かすみ「……」

──私も変になったのかな。

歩夢せんぱいが私に一歩近づくたび。

…心臓がびくりと跳ね上がる。

夕暮れの空、2人きりの部室。

しんと静まり返る空間は。

私に鼓動を聴かせてくれる。

なんて言ってるのかな。

……歩夢せんぱいなら良いって？

…うん、そうかもしれない。

いじわるで、でもかわいくて、私のじまんのせんぱい。

…うん、良いかもしれない。

いや…むしろせんぱいじゃなきゃダメかもしれない。

……初めてなんだけどな。

頭をよぎる恥じらいを捨てて。

私はそっと目を閉じる──

…ｶｼｬｯ

かすみ「……は？」

歩夢「……なーんちゃって」

かすみ「…はああああ！？」

歩夢「わ、見てかすみちゃん」

歩夢「かすみちゃんのキス待ち顔、可愛いね」ｽｯ

かすみ「わああああああ！！////」

かすみ「ちょ！！はやく消してください！！」

歩夢「いーや」

歩夢「待ち受けにしよっと」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

かすみ「やめてください！やめてください！」

歩夢「かすみちゃんうるさい」

かすみ「もおおおおお！！！！」

──やっぱり歩夢せんぱいって、私へのあたり強くないですか？

あゆかすの可能性

おつ
次も期待