2: 2014/06/09(月) 21:37:10.43
優希「そうだじぇ。咲ちゃんは二つ名を持つ狼として、連日暴れ回ってるんだじょ」
和「何をバカなことを。咲さんは戻ってきたお姉さんのために、スーパーにお買い物に行ってるんですよ」
優希「本当なんだじぇ。のどちゃんも見物してみるといいじょ」
和「…わかりました。でも、嘘だったら承知しませんよ?」
和「何をバカなことを。咲さんは戻ってきたお姉さんのために、スーパーにお買い物に行ってるんですよ」
優希「本当なんだじぇ。のどちゃんも見物してみるといいじょ」
和「…わかりました。でも、嘘だったら承知しませんよ?」
3: 2014/06/09(月) 21:37:56.90
某スーパー店内。そこでは優希の言ったとおり、無数の飢えた狼たちが半額弁当を争って、激しい戦いを繰り広げていた。
和「そんな……あの咲さんが……」
優希「今日も咲ちゃんの独り舞台のようだじぇ」
咲「ツモ!特選幕の内弁当、ピンピンロク(1160kcal)です」
やえ「くっ、デビュー間もないニワカ狼ごときに!」
煌「圧倒的な戦闘力、実にすばらです」
玄「おねーちゃん痛いよぉ……助けてぇ……」
和「…ねえゆーき、ここにいてはいけない人たちがいるのは、気のせいでしょうか」
優希「こまけぇことはいいんだじょ」
和「そんな……あの咲さんが……」
優希「今日も咲ちゃんの独り舞台のようだじぇ」
咲「ツモ!特選幕の内弁当、ピンピンロク(1160kcal)です」
やえ「くっ、デビュー間もないニワカ狼ごときに!」
煌「圧倒的な戦闘力、実にすばらです」
玄「おねーちゃん痛いよぉ……助けてぇ……」
和「…ねえゆーき、ここにいてはいけない人たちがいるのは、気のせいでしょうか」
優希「こまけぇことはいいんだじょ」
4: 2014/06/09(月) 21:39:47.84
華菜「でも、【魔王】の出番はこれで終わりだし!スパイシー唐揚げ弁当は華菜ちゃんがいただくし!」
白望「ダルいけど、残りの一つは渡さない」
次の目標に狙いを定める狼たち。しかし咲は、再びその戦いの輪の中へと踊りこんだ。
咲「誰が終わりって言いました?倍プッシュです」
初美「ふ、二つも持っていくのはマナー違反ですよー!」
智美「ワハハー。こりゃ今日もカップめんだぞー」
怜「ごめんみんな……お弁当、勝ち取れへんかったよ……」
強豪たちの抵抗も空しく、スパイシー唐揚げ弁当は咲の手に渡る。
白望「ダルいけど、残りの一つは渡さない」
次の目標に狙いを定める狼たち。しかし咲は、再びその戦いの輪の中へと踊りこんだ。
咲「誰が終わりって言いました?倍プッシュです」
初美「ふ、二つも持っていくのはマナー違反ですよー!」
智美「ワハハー。こりゃ今日もカップめんだぞー」
怜「ごめんみんな……お弁当、勝ち取れへんかったよ……」
強豪たちの抵抗も空しく、スパイシー唐揚げ弁当は咲の手に渡る。
5: 2014/06/09(月) 21:41:08.26
咲「お姉ちゃん、私やったよ。もうすぐ帰るから待っててね!」
胡桃「そーゆーのいーから、代金払って」
あまりにも傍若無人な強さと振る舞い。それこそ咲が【魔王】の二つ名を持つ由来だった。
優希「納得した?」
和「……」
優希「咲ちゃん、このままだと孤立して、集中攻撃の的になってしまうじょ」
和「……」
優希「のどちゃん?」
和「咲さん。お姉さんのためにあんなに頑張って……なんてお優しいのでしょう」
優希「ダメだこりゃ。のどかフィルターかかりまくりだじぇ」
胡桃「そーゆーのいーから、代金払って」
あまりにも傍若無人な強さと振る舞い。それこそ咲が【魔王】の二つ名を持つ由来だった。
優希「納得した?」
和「……」
優希「咲ちゃん、このままだと孤立して、集中攻撃の的になってしまうじょ」
和「……」
優希「のどちゃん?」
和「咲さん。お姉さんのためにあんなに頑張って……なんてお優しいのでしょう」
優希「ダメだこりゃ。のどかフィルターかかりまくりだじぇ」
6: 2014/06/09(月) 21:42:48.25
翌日の放課後。
部活を終えた面々は、それぞれの家路につこうとしていた。
咲「それじゃ皆さん、お疲れ様でした」
和「あ、咲さん。一緒に帰りませんか?」
咲「えっと、ごめんね?私、お買い物していかなきゃいけないから」
咲の返事に、若干寂しそうな表情をする和。しかしすぐに気を取り直し、言葉を続ける。
和「…半額弁当を、手に入れるためですか?」
咲「……!」
優希「のどちゃんド直球だじぇ」
部活を終えた面々は、それぞれの家路につこうとしていた。
咲「それじゃ皆さん、お疲れ様でした」
和「あ、咲さん。一緒に帰りませんか?」
咲「えっと、ごめんね?私、お買い物していかなきゃいけないから」
咲の返事に、若干寂しそうな表情をする和。しかしすぐに気を取り直し、言葉を続ける。
和「…半額弁当を、手に入れるためですか?」
咲「……!」
優希「のどちゃんド直球だじぇ」
7: 2014/06/09(月) 21:44:10.71
咲「し、知ってたの…?」
和「昨日、ゆーきに教えてもらったんです。まさか咲さんが、帰りにあんなことをしていたなんて」
咲「あうあう…」
和「でも、ちゃんと理由があってのことだとわかっています。だから今日は、私もついていきます!」
咲「ええっ!?あ、危ないんだよ?」
和「たった一人で、あんな大人数を相手にするほうがよほど危険です。咲さんは、私が守ります!」
こうと決めた時の、和の頑固さは十分に知る咲。説得も早々に諦め、スーパーへと向かうのだった。
和「昨日、ゆーきに教えてもらったんです。まさか咲さんが、帰りにあんなことをしていたなんて」
咲「あうあう…」
和「でも、ちゃんと理由があってのことだとわかっています。だから今日は、私もついていきます!」
咲「ええっ!?あ、危ないんだよ?」
和「たった一人で、あんな大人数を相手にするほうがよほど危険です。咲さんは、私が守ります!」
こうと決めた時の、和の頑固さは十分に知る咲。説得も早々に諦め、スーパーへと向かうのだった。
8: 2014/06/09(月) 21:45:22.65
和「ゆーきは参加しないんですか?」
優希「んー、タコス弁当があれば、咲ちゃんにも譲らないけど」
咲「普通、お弁当にそれはないと思うよ」
優希「だから咲ちゃんの連勝記録が伸びるよう、お祈りしておくじぇ」
途中で優希と別れ、戦地へと到着した咲と和。
店内では既に、数多の狼たちがその時を静かに待っていた。
咲「昨日より、人が増えてるような…」
智美「ワハハ。今日はユミちんたちに応援を頼んだからね。いつまでも好き勝手はさせないぞー」
宥「あったかいお弁当……おねーちゃんが持って帰るから!」
優希「んー、タコス弁当があれば、咲ちゃんにも譲らないけど」
咲「普通、お弁当にそれはないと思うよ」
優希「だから咲ちゃんの連勝記録が伸びるよう、お祈りしておくじぇ」
途中で優希と別れ、戦地へと到着した咲と和。
店内では既に、数多の狼たちがその時を静かに待っていた。
咲「昨日より、人が増えてるような…」
智美「ワハハ。今日はユミちんたちに応援を頼んだからね。いつまでも好き勝手はさせないぞー」
宥「あったかいお弁当……おねーちゃんが持って帰るから!」
9: 2014/06/09(月) 21:46:11.58
やえ「ほぉ、【魔王】の相方は原村和か。麻雀ならともかく、ここではニワカは相手にならんよ」
和「…咲さん、今日はどのお弁当を狙うんですか?」
咲「えっとね、お姉ちゃんはあの、ガチ盛り海鮮丼を食べたいんだって」
和「そうですか。じゃあ咲さんの分は、私が買ってきてあげますね」
咲「う、うん…」
やえ「お前ら、無視するなぁ!」
豊音「よしよし、ぼっちじゃないよー」
和「…咲さん、今日はどのお弁当を狙うんですか?」
咲「えっとね、お姉ちゃんはあの、ガチ盛り海鮮丼を食べたいんだって」
和「そうですか。じゃあ咲さんの分は、私が買ってきてあげますね」
咲「う、うん…」
やえ「お前ら、無視するなぁ!」
豊音「よしよし、ぼっちじゃないよー」
11: 2014/06/09(月) 21:48:11.58
和「この京風鰆の西京焼き弁当って美味しそうですね。お姉さんもお魚だし、ちょうど良さそうです」
咲「ちょ、ちょっと待って和ちゃん。まだハーフプライスタイムじゃないよ」
和「はぁふ……なんですか?」
弁当を取ろうとしたその手を、咲が止める。ルールを知らない和に対して、周りから失笑の声が漏れた。
咲「あのね、半額神って呼ばれてる店員さんが、半額のシールを貼りに来るの。全てのお弁当に貼り終わって、バックヤードの扉が閉まるまでは、手を出しちゃいけないルールなの」
和「そんなお約束ありえません。持って行ってシールを貼ってもらえば、無駄な争いをしなくて済むじゃないですか」
咲「まさかのSOAキター」
初美「ひどいですねー、まるで伝説の荒らし【大猪】(おおじし)おばさんみたいですよー」
華菜「むしろ【大乳】だし」
原村和の二つ名が、【大乳】(おおちち)に決まった瞬間だった。
咲「ちょ、ちょっと待って和ちゃん。まだハーフプライスタイムじゃないよ」
和「はぁふ……なんですか?」
弁当を取ろうとしたその手を、咲が止める。ルールを知らない和に対して、周りから失笑の声が漏れた。
咲「あのね、半額神って呼ばれてる店員さんが、半額のシールを貼りに来るの。全てのお弁当に貼り終わって、バックヤードの扉が閉まるまでは、手を出しちゃいけないルールなの」
和「そんなお約束ありえません。持って行ってシールを貼ってもらえば、無駄な争いをしなくて済むじゃないですか」
咲「まさかのSOAキター」
初美「ひどいですねー、まるで伝説の荒らし【大猪】(おおじし)おばさんみたいですよー」
華菜「むしろ【大乳】だし」
原村和の二つ名が、【大乳】(おおちち)に決まった瞬間だった。
12: 2014/06/09(月) 21:50:43.40
咲「お願い和ちゃん。決め事は守らないと、明日からここでお買い物できなくなっちゃうよぉ」
和「…仕方ないですね。咲さんがそうおっしゃるのなら」
このとき和、意外と素直。今にも泣きそうな咲の表情に、萌えていたのはまた別の話。
桃子「ルール守ってないのは、リンシャンさんの方だった気がするっす」
白望「ダルい説明と説得、サンキュー」
ゆみ「そろそろ時間のようだな」
その声に一同の視線が集まる。バックヤードの扉が開き、半額神が姿を現した。
和「…仕方ないですね。咲さんがそうおっしゃるのなら」
このとき和、意外と素直。今にも泣きそうな咲の表情に、萌えていたのはまた別の話。
桃子「ルール守ってないのは、リンシャンさんの方だった気がするっす」
白望「ダルい説明と説得、サンキュー」
ゆみ「そろそろ時間のようだな」
その声に一同の視線が集まる。バックヤードの扉が開き、半額神が姿を現した。
13: 2014/06/09(月) 21:52:34.58
貴子「揃っているようだな、飢えた犬ども」
華菜「げっ!コ、コーチが半額神!?」
貴子「不甲斐ない戦いをしてるバカがいるって聞いてな。頼み込んで交代してもらったんだよ」
華菜「あわわわ……」
貴子「池田ァ、あたしの前で無様な姿晒したら……わかってんだろうな?」
華菜「は、はひっ!」
華菜を睨みつけながらも、一つ一つ丁寧にシールを貼っていく貴子。
貴子「いいか貴様ら。狼として喰らうか、負け犬で終わるか。迷ったときには自分の腹に聞け。あたしに言えるのはそれだけだ」
半額神としての作業を終え、ゆっくりと去っていく。
勝者だけが半額弁当を手にし、敗者は地面に這いつくばる。決戦の時は来た。
華菜「げっ!コ、コーチが半額神!?」
貴子「不甲斐ない戦いをしてるバカがいるって聞いてな。頼み込んで交代してもらったんだよ」
華菜「あわわわ……」
貴子「池田ァ、あたしの前で無様な姿晒したら……わかってんだろうな?」
華菜「は、はひっ!」
華菜を睨みつけながらも、一つ一つ丁寧にシールを貼っていく貴子。
貴子「いいか貴様ら。狼として喰らうか、負け犬で終わるか。迷ったときには自分の腹に聞け。あたしに言えるのはそれだけだ」
半額神としての作業を終え、ゆっくりと去っていく。
勝者だけが半額弁当を手にし、敗者は地面に這いつくばる。決戦の時は来た。
14: 2014/06/09(月) 21:54:09.48
……バタン!
扉が閉まると同時に、戦いの火蓋が切って落とされた。
咲と和が半額弁当へと駆け出す中、それを阻止せんと、猛者たちが立ちふさがる。
やえ「ニワカどもに、狼の戦いってやつを教えてやる!」
咲「カンッ!」
やえ「」
掛け声と共に繰り出された、咲の鋭い蹴り。
直撃を受けたやえは、背後にいた三人を巻き込んで壁に叩きつけられた。
やえ「み……見せ場なし…?」
扉が閉まると同時に、戦いの火蓋が切って落とされた。
咲と和が半額弁当へと駆け出す中、それを阻止せんと、猛者たちが立ちふさがる。
やえ「ニワカどもに、狼の戦いってやつを教えてやる!」
咲「カンッ!」
やえ「」
掛け声と共に繰り出された、咲の鋭い蹴り。
直撃を受けたやえは、背後にいた三人を巻き込んで壁に叩きつけられた。
やえ「み……見せ場なし…?」
16: 2014/06/09(月) 21:56:08.70
ゆみ「なるほど、あれが【魔王】の戦法か」
智美「ワハハー。ユミちん、何か作戦はあるのかー?」
ゆみ「わざわざ相手の舞台に立つことはない。引き摺り下ろしてやるまでだ」
智美「よくわからんが、援護するよー」
ゆみ「ああ、頼む」
開始から5分。既に十数人が咲の手によって、戦闘不能に追い込まれていた。
咲「うん、いい感じ。今日もいけそう」
玄「あ……あわ……」
咲「悪く思わないでね!」
玄「ひぃぃっ!………………あれ?」
次の獲物を仕留めようとしたその時、咲の拳が動きを止めた。
智美「ワハハー。ユミちん、何か作戦はあるのかー?」
ゆみ「わざわざ相手の舞台に立つことはない。引き摺り下ろしてやるまでだ」
智美「よくわからんが、援護するよー」
ゆみ「ああ、頼む」
開始から5分。既に十数人が咲の手によって、戦闘不能に追い込まれていた。
咲「うん、いい感じ。今日もいけそう」
玄「あ……あわ……」
咲「悪く思わないでね!」
玄「ひぃぃっ!………………あれ?」
次の獲物を仕留めようとしたその時、咲の拳が動きを止めた。
17: 2014/06/09(月) 21:58:02.58
咲「これは……マフラー?」
玄「お、おねーちゃん!」
宥のマフラーが咲の右腕に巻きつき、玄の危機を救っていたのだった。
宥「玄ちゃんの仇は……私が取ります…!」
玄「いや、私まだやられてないよ?」
咲「…くっ」
軽く焦燥した咲に、他の狼たちが襲い掛かる。
咲「雀牌!点棒!靴下!」
飛び道具を放って流すものの、片手を封じられていては止めを刺すまでには至らない。
窮地に陥る咲。しかしその口元には、軽い笑みがこぼれていた。
玄「お、おねーちゃん!」
宥のマフラーが咲の右腕に巻きつき、玄の危機を救っていたのだった。
宥「玄ちゃんの仇は……私が取ります…!」
玄「いや、私まだやられてないよ?」
咲「…くっ」
軽く焦燥した咲に、他の狼たちが襲い掛かる。
咲「雀牌!点棒!靴下!」
飛び道具を放って流すものの、片手を封じられていては止めを刺すまでには至らない。
窮地に陥る咲。しかしその口元には、軽い笑みがこぼれていた。
18: 2014/06/09(月) 21:59:25.17
咲「半額弁当って、素敵だね」
宥「え…?」
咲「最初は家計の足しになるかな?って思ってただけなのに、喜んでくれるお姉ちゃんを見てると……なんだか私も嬉しくなっちゃって」
宥「……」
咲「そしてお姉ちゃんと一緒に食べるお弁当が、こんなにもあったかくて、美味しいものだなんて!」
宥「あったかい……お弁当……」
咲「だから私は、負ける訳にはいかない!」
宥「わ、私だって……玄ちゃんと一緒に食べるんだから!」
宥「え…?」
咲「最初は家計の足しになるかな?って思ってただけなのに、喜んでくれるお姉ちゃんを見てると……なんだか私も嬉しくなっちゃって」
宥「……」
咲「そしてお姉ちゃんと一緒に食べるお弁当が、こんなにもあったかくて、美味しいものだなんて!」
宥「あったかい……お弁当……」
咲「だから私は、負ける訳にはいかない!」
宥「わ、私だって……玄ちゃんと一緒に食べるんだから!」
19: 2014/06/09(月) 22:01:22.90
マフラーを引っ張り、主導権を握ろうとする宥に、咲はその懐へと飛び込んで、拘束を緩めようとする。
宥「読み通り!」
咲「!?」
刹那、片手をポケットに入れた宥は、予備の手袋を投げつけ、咲の視界を遮る。
宥「もらいます!」
咲「…惜しかったね。これで一直線だよ」
宥「横にスライド……ワンテンポずらしたの!?」
宥は、咲がそのまま攻撃してくると思っていた。しかし咲の本当の狙いは、宥と玄を含めた4人を直線上に並べることだった。
宥「読み通り!」
咲「!?」
刹那、片手をポケットに入れた宥は、予備の手袋を投げつけ、咲の視界を遮る。
宥「もらいます!」
咲「…惜しかったね。これで一直線だよ」
宥「横にスライド……ワンテンポずらしたの!?」
宥は、咲がそのまま攻撃してくると思っていた。しかし咲の本当の狙いは、宥と玄を含めた4人を直線上に並べることだった。
20: 2014/06/09(月) 22:03:00.56
咲「カンッ!」
宥「ひゃぁぁん」
十分な溜めをおいての一撃は、確実に4人を仕留めると思われたが…
咲「あれ?いち、にい、さん……3人しかいない?」
ゆみ「残念ながらその槓、成立せずだ」
咲「鶴賀の槍槓さん!?それじゃ、あとの1人は……」
ゆみ「ああ、そこでノビてるぞ」
玄「……」
ゆみは咲の槓が決まる直前に、横から玄を蹴飛ばしていたのだった。
宥「ひゃぁぁん」
十分な溜めをおいての一撃は、確実に4人を仕留めると思われたが…
咲「あれ?いち、にい、さん……3人しかいない?」
ゆみ「残念ながらその槓、成立せずだ」
咲「鶴賀の槍槓さん!?それじゃ、あとの1人は……」
ゆみ「ああ、そこでノビてるぞ」
玄「……」
ゆみは咲の槓が決まる直前に、横から玄を蹴飛ばしていたのだった。
22: 2014/06/09(月) 22:04:36.92
咲の熱戦が続く一方、原村和。
和「咲さん、大丈夫でしょうか…?」
白望「ハァ、他人を気にするとは余裕だな」
華菜「そろそろ混ざれよ。清澄の【大乳】」
二人がかりの攻撃。だが、和は身構えることもなく、平然と歩を進めていく。
華菜「ナメたマネしてくれるし!」
白望「あたしよりやる気ない?」
和「…手を出すまでもありませんから」
和「咲さん、大丈夫でしょうか…?」
白望「ハァ、他人を気にするとは余裕だな」
華菜「そろそろ混ざれよ。清澄の【大乳】」
二人がかりの攻撃。だが、和は身構えることもなく、平然と歩を進めていく。
華菜「ナメたマネしてくれるし!」
白望「あたしよりやる気ない?」
和「…手を出すまでもありませんから」
23: 2014/06/09(月) 22:06:20.04
ボイィーン
華菜「なっ…!」
白望「うわー、なにこれダルい」
二人の拳は確実にヒットしたのだが、和はその威力を、胸の弾力で跳ね返していた。
和「その程度では、私には通じませんよ。おとなしく引き下がってくれませんか?」
華菜「なんかムカつくし。腹パンせずにはいられないな」
白望「んー、ちょっとタンマ」
なおも立ちふさがる華菜とは対照に、なにやら考え込む白望。
和「…来ますか?」
華菜「なっ…!」
白望「うわー、なにこれダルい」
二人の拳は確実にヒットしたのだが、和はその威力を、胸の弾力で跳ね返していた。
和「その程度では、私には通じませんよ。おとなしく引き下がってくれませんか?」
華菜「なんかムカつくし。腹パンせずにはいられないな」
白望「んー、ちょっとタンマ」
なおも立ちふさがる華菜とは対照に、なにやら考え込む白望。
和「…来ますか?」
24: 2014/06/09(月) 22:07:54.74
白望「疲れた。あたしオリる」
華菜「にゃっ!?」
白望「んじゃ、あとよろしくー」
和「……」
華菜「えーと」
和「あなたも出直します?」
華菜「そ、その必要はねーし!ライバルが減って好都合!」
和「では、遠慮なく」
華菜「にゃっ!?」
白望「んじゃ、あとよろしくー」
和「……」
華菜「えーと」
和「あなたも出直します?」
華菜「そ、その必要はねーし!ライバルが減って好都合!」
和「では、遠慮なく」
25: 2014/06/09(月) 22:09:26.27
初美「ふっふっふ、順調に狼たちが減ってますねー」
初美「そして私の位置。ここはお弁当の位置から鬼門、北東なのですよー」
初美「ここで待っていれば、向こうからお弁当が飛び込んでくるのd…」
華菜「にゃあああーーー!」
初美「ふぇっ!?」
待ち伏せ策を取っていた初美。そこへ和にやられた華菜が吹っ飛んでいく。
和「待ってるだけで、勝手にお弁当が来るなんてSOA」
華菜「この痴女巫女、絶対バカだろ…」
初美「きゅうぅ~」
初美「そして私の位置。ここはお弁当の位置から鬼門、北東なのですよー」
初美「ここで待っていれば、向こうからお弁当が飛び込んでくるのd…」
華菜「にゃあああーーー!」
初美「ふぇっ!?」
待ち伏せ策を取っていた初美。そこへ和にやられた華菜が吹っ飛んでいく。
和「待ってるだけで、勝手にお弁当が来るなんてSOA」
華菜「この痴女巫女、絶対バカだろ…」
初美「きゅうぅ~」
26: 2014/06/09(月) 22:11:14.86
再び、咲vsゆみ
ゆみ「さあ、得意技を封じられてどう戦う?」
咲「…槍槓さん、ここはルール無用の狩場だよ?ただひたすら、半額弁当を求めて戦うだけ」
ゆみ「そうか。その割には、動きが鈍ってるようだぞ」
咲を牽制しつつ、そっと目配せをするゆみ。
その視線の先では、智美が咲の背後から襲い掛かろうとしていた。
智美「ワハハー、隙ありだー!」
咲「……」ガシッ
智美「ワハ?」
しかし咲は、動じることなくその攻撃をかわし、智美の顔面を鷲掴みにして捕らえた。
ゆみ「さあ、得意技を封じられてどう戦う?」
咲「…槍槓さん、ここはルール無用の狩場だよ?ただひたすら、半額弁当を求めて戦うだけ」
ゆみ「そうか。その割には、動きが鈍ってるようだぞ」
咲を牽制しつつ、そっと目配せをするゆみ。
その視線の先では、智美が咲の背後から襲い掛かろうとしていた。
智美「ワハハー、隙ありだー!」
咲「……」ガシッ
智美「ワハ?」
しかし咲は、動じることなくその攻撃をかわし、智美の顔面を鷲掴みにして捕らえた。
27: 2014/06/09(月) 22:12:41.50
咲「せっかく隙を突いたのに、どうして大声で知らせるんですか?」
ギリギリメキメキ
智美「ワハ……ワハハ……」
ゆみ「全くもって言い返せん。バカかお前は」
咲の轟盲牌がこめかみを締め上げる。
やがて宙吊りのまま動かなくなった智美を、倒れている宥たち3人に向かって無造作に投げつけた。
咲「カン。これで加カン成立です」
ゆみ「やるな。これで1対1の勝負だな」
ギリギリメキメキ
智美「ワハ……ワハハ……」
ゆみ「全くもって言い返せん。バカかお前は」
咲の轟盲牌がこめかみを締め上げる。
やがて宙吊りのまま動かなくなった智美を、倒れている宥たち3人に向かって無造作に投げつけた。
咲「カン。これで加カン成立です」
ゆみ「やるな。これで1対1の勝負だな」
28: 2014/06/09(月) 22:14:56.85
咲「私は負けない」ギュル…
ゆみ「ん?」
咲「お姉ちゃんとの、楽しい夕食のためにも!」ギュルル…
ゆみ「お、お前まさか……姉の必殺技を!?」
ギュルルルルルル…
咲「あ、これ私のお腹の音」
ゆみ「おい」
咲「だからあなたでは、私には勝てない。狼は、飢えているほど強くなる!」
ゆみ「私だって腹は減っている!私は……弁当が欲しい!」
ゆみ「ん?」
咲「お姉ちゃんとの、楽しい夕食のためにも!」ギュルル…
ゆみ「お、お前まさか……姉の必殺技を!?」
ギュルルルルルル…
咲「あ、これ私のお腹の音」
ゆみ「おい」
咲「だからあなたでは、私には勝てない。狼は、飢えているほど強くなる!」
ゆみ「私だって腹は減っている!私は……弁当が欲しい!」
29: 2014/06/09(月) 22:16:27.79
激しい激突音。重なる二人の影。
咲「…ツモ。ガチ盛り海鮮丼、イチサンニンロク(1326kcal)」
ゆみ「これが【魔王】か……見事だ」
咲「……」
ゆっくりと崩れ落ちるゆみ。
咲もまた、弁当を手にしたまま片膝をつく。
咲「危なかった……この人、やっぱり強いや」
咲「もう一つ欲しいけど……和ちゃん、お願いだよ。頑張って…!」
咲「…ツモ。ガチ盛り海鮮丼、イチサンニンロク(1326kcal)」
ゆみ「これが【魔王】か……見事だ」
咲「……」
ゆっくりと崩れ落ちるゆみ。
咲もまた、弁当を手にしたまま片膝をつく。
咲「危なかった……この人、やっぱり強いや」
咲「もう一つ欲しいけど……和ちゃん、お願いだよ。頑張って…!」
30: 2014/06/09(月) 22:18:53.56
桃子「あちゃー、センパイが負けちゃったっすか」
桃子「すいませんっす。私がもう少し早く、気配を消せていたら……」
桃子「でもこれで、私がお弁当ゲットしたら、センパイと仲良く半分こができるっす!」
桃子「ここからは、【ステルスモモ】の独壇場っすよ!」
ガシッ
和「何をコソコソとしているんです?」
桃子「げ……清澄のおっOいさん、雀卓囲んでるわけでもないのに、私が見えるっすか!?」
和「見えていますよ?私が咲さんと一緒に、食卓を囲んでる姿が」
桃子(この人、デジタルかと思ったら、電波さんでもありましたか)
桃子「すいませんっす。私がもう少し早く、気配を消せていたら……」
桃子「でもこれで、私がお弁当ゲットしたら、センパイと仲良く半分こができるっす!」
桃子「ここからは、【ステルスモモ】の独壇場っすよ!」
ガシッ
和「何をコソコソとしているんです?」
桃子「げ……清澄のおっOいさん、雀卓囲んでるわけでもないのに、私が見えるっすか!?」
和「見えていますよ?私が咲さんと一緒に、食卓を囲んでる姿が」
桃子(この人、デジタルかと思ったら、電波さんでもありましたか)
31: 2014/06/09(月) 22:21:18.09
桃子「でも、譲らないっす!センパイとのお弁当半分このためにも!」
和「それいいですね。その案、ポンです」
ボイィーン
桃子「くっ、さすがに大きさと弾力では負けるっすか」
和「何の話ですか?」
桃子「しかし、形と色ツヤと感度では、私が勝ってるっす!」
和「…よくわかりませんが、なんとなく不愉快です。これで決めます」
桃子「なっ、回転して……遠心力を加えての攻撃!?」
ゴッ!
ステルス能力を見抜かれたモモに、和の大乳大回転を止める術はもはや無く、ゆみたち同様、床に這いつくばる結果となった。
和「それいいですね。その案、ポンです」
ボイィーン
桃子「くっ、さすがに大きさと弾力では負けるっすか」
和「何の話ですか?」
桃子「しかし、形と色ツヤと感度では、私が勝ってるっす!」
和「…よくわかりませんが、なんとなく不愉快です。これで決めます」
桃子「なっ、回転して……遠心力を加えての攻撃!?」
ゴッ!
ステルス能力を見抜かれたモモに、和の大乳大回転を止める術はもはや無く、ゆみたち同様、床に這いつくばる結果となった。
32: 2014/06/09(月) 22:24:21.17
和「これでリーチです。あとはあなた一人だけですか?」
豊音「あうぅ……と、通らばリーチだよー」
和「失礼、そこは通しません!」
ボイィーン
和「…ロン。京風鰆の西京焼き弁当、チッチー(770kcal)です」
豊音「わあぁぁん、ちょー痛いよー」
原村和。デビュー戦にして、弁当ゲットと二つ名の称号を得る、という快挙を達成。
咲「和ちゃん、やったね!」
和「咲さん……」
和は右手に弁当、そして空いた左手を天に突き上げ、咲の想いに応えるのだった。
豊音「あうぅ……と、通らばリーチだよー」
和「失礼、そこは通しません!」
ボイィーン
和「…ロン。京風鰆の西京焼き弁当、チッチー(770kcal)です」
豊音「わあぁぁん、ちょー痛いよー」
原村和。デビュー戦にして、弁当ゲットと二つ名の称号を得る、という快挙を達成。
咲「和ちゃん、やったね!」
和「咲さん……」
和は右手に弁当、そして空いた左手を天に突き上げ、咲の想いに応えるのだった。
33: 2014/06/09(月) 22:26:18.83
負け犬たちのその後。
華菜「うっ……ぐすっ……」
貴子「おい池田ァ!」
華菜「えぐっ、ゴォチィ……」
貴子「誰がマモルだ。てめぇ弁当取られたくらいで、泣きべそかいてんじゃねぇ!」
華菜「うぐっ、な、泣いてなんかないし!」グシグシ
貴子「チッ、牛丼くらいなら奢ってやる。さっさとその汚ねぇツラ洗って来い!」
華菜「はいっ、コーチ!」
華菜「うっ……ぐすっ……」
貴子「おい池田ァ!」
華菜「えぐっ、ゴォチィ……」
貴子「誰がマモルだ。てめぇ弁当取られたくらいで、泣きべそかいてんじゃねぇ!」
華菜「うぐっ、な、泣いてなんかないし!」グシグシ
貴子「チッ、牛丼くらいなら奢ってやる。さっさとその汚ねぇツラ洗って来い!」
華菜「はいっ、コーチ!」
34: 2014/06/09(月) 22:27:39.54
胡桃「ありがとうございましたー」
ウィィ~ン
白望「ハァ……お腹すいた」
エイスリン「シロ!シロ!オベントウハ?」
白望「無理。勝てなかったからカップめん」
エイスリン「……」カキカキ
白望「ざけんなゴルァ、って?」
エイスリン「……」ウンウン
白望「ダルい…」
ウィィ~ン
白望「ハァ……お腹すいた」
エイスリン「シロ!シロ!オベントウハ?」
白望「無理。勝てなかったからカップめん」
エイスリン「……」カキカキ
白望「ざけんなゴルァ、って?」
エイスリン「……」ウンウン
白望「ダルい…」
35: 2014/06/09(月) 22:30:23.40
ゆみ「済まん。負けてしまったな」
桃子「センパイだけのせいじゃないっす。次は頑張るっす」
智美「ワハハー。腹減ったなー」
ゆみ「仕方ない。我々もカップめんを買うとするか」
美穂子「あ、あの……わたし、お弁当持って来たんです。よろしければご一緒にいかがですか?」
ゆみ「え?いやしかし…」
美穂子「華菜に、と思って作ったんですけど、コーチが食事に連れて行ってしまったので」
ゆみ「そうか。ならばご好意に甘えるとしよう」
智美「ミッポ、感謝するよー」
睦月「うむっ!うむっ!うむっ!」パクパクパクパク
桃子「ちょ、なんで名前すら出ないままボロ負けしたむっちゃん先輩が、我先にかっ喰らってるんすか!」
桃子「センパイだけのせいじゃないっす。次は頑張るっす」
智美「ワハハー。腹減ったなー」
ゆみ「仕方ない。我々もカップめんを買うとするか」
美穂子「あ、あの……わたし、お弁当持って来たんです。よろしければご一緒にいかがですか?」
ゆみ「え?いやしかし…」
美穂子「華菜に、と思って作ったんですけど、コーチが食事に連れて行ってしまったので」
ゆみ「そうか。ならばご好意に甘えるとしよう」
智美「ミッポ、感謝するよー」
睦月「うむっ!うむっ!うむっ!」パクパクパクパク
桃子「ちょ、なんで名前すら出ないままボロ負けしたむっちゃん先輩が、我先にかっ喰らってるんすか!」
36: 2014/06/09(月) 22:33:01.78
後日
衣「とーかとーか!咲から聞いたぞ。スーパーには半額弁当という、美味なるものがあると」
透華「半額弁当…?なんですかそれは。ハギヨシ、あなた存じていまして?」
ハギヨシ「はい、実はかくかくしかじか」
透華「な、なんて醜い……そのようなことをせずとも、定価で買えばよろしいじゃありませんの」
衣「でも、ののかも大活躍したって」
透華「原村和ですって!?ハギヨシ、車を用意なさい!龍門渕家の名にかけて、半額弁当は私たちが頂きます!」
ハギヨシ「はい、透華お嬢様」
新たな戦いが今、始まろうとしていた。
胡桃「そーゆーのいーから、これで完結!」
衣「とーかとーか!咲から聞いたぞ。スーパーには半額弁当という、美味なるものがあると」
透華「半額弁当…?なんですかそれは。ハギヨシ、あなた存じていまして?」
ハギヨシ「はい、実はかくかくしかじか」
透華「な、なんて醜い……そのようなことをせずとも、定価で買えばよろしいじゃありませんの」
衣「でも、ののかも大活躍したって」
透華「原村和ですって!?ハギヨシ、車を用意なさい!龍門渕家の名にかけて、半額弁当は私たちが頂きます!」
ハギヨシ「はい、透華お嬢様」
新たな戦いが今、始まろうとしていた。
胡桃「そーゆーのいーから、これで完結!」
38: 2014/06/09(月) 22:42:28.91
乙 面白かったわ
41: 2014/06/09(月) 23:14:52.43
コメント感謝です。
龍門渕編も考えたけど、衣の言葉遣いとか難しくて俺にはむりぽ
龍門渕編も考えたけど、衣の言葉遣いとか難しくて俺にはむりぽ
引用元: 和「半額弁当……ですか?」
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