2: 2014/11/28(金) 23:29:26.39
まゆ「Pさんと、うふふっ、キスをしてしまいました」

凛「ふぅん」

まゆ「これはもう、まゆの勝ちですよねぇ」

凛「プロデューサーのキスってミカンの味するよね」

まゆ「えっ!? えっと……えぇ、そうですね、柑橘系の、ええと」

凛「あれ? リンゴだったかな」

まゆ「えっ!? あ、ええと、そうでした、なんとなく、さわやかな……」

凛「……」

まゆ「……」

3: 2014/11/28(金) 23:30:03.28
まゆ「どういうことですかぁ!?」ギュー

P「ネクタイを締め上げるな、氏ぬ」

まゆ「まゆにはキスしてくれないのに、凛ちゃんとはするなんて……!」

P「いや、何の話だ」

まゆ「確かに凛ちゃんは可愛いですけど、まゆだって……」ギュー

P「苦しい苦しい」

4: 2014/11/28(金) 23:31:00.57
まゆ「Pさんがまゆを抱きしめて、耳元で囁くんです……『愛してる』って」

凛「ふぅん」

まゆ「これはまゆだけですよね、まゆの勝ちですよねぇ」

凛「その後によく言うあの台詞がいい味出してるよね」

まゆ「えっ!? 台詞、って、え、はい、あの……」

凛「ほら、三千世界の……っていうやつ」

まゆ「あっ、ああ、あの、カラスが、はい、わかりますよ」

凛「三千世界のアザラシ集め、クッションにして寝てみたい、って」

まゆ「えっ!? あっ、えぇ、アザラシです、もちろんアザラシです、まゆのときもそれでした……」

凛「……」

まゆ「……」

5: 2014/11/28(金) 23:31:46.13
まゆ「まゆには一度も言ってくれたことないのに!」ギュー

P「ネクタイを引っ張るな、氏ぬ氏ぬ」

まゆ「まゆにも、まゆにもアザラシのお話、してください」

P「えっ、何のお話?」

まゆ「まゆだってアザラシのクッションに寝たいです……!」ギュー

P「苦しいって」

6: 2014/11/28(金) 23:32:38.27
まゆ「Pさんから、うふふっ、指輪を貰ってしまいました」

凛「ふぅん」

まゆ「うふふっ、家に大事に保管してありますので、まゆの勝ちですねぇ」

凛「あっ、あのとき一緒に選んだやつかな」

まゆ「えっ!?」

凛「あれそれなりの値段だったけど、二個買ってたんだ」

まゆ「えっ? えっ?」

凛「私のも見せるから、まゆのも今度、着けて見せてよ」

まゆ「あの、ええと……まゆうっかりさんなので、失くしてしまう、かもです」

凛「……」

まゆ「……」

8: 2014/11/28(金) 23:33:12.43
まゆ「まゆにはポテリングしかくれなかったのに!」ギュー

P「ネクタイに何か恨みでもあんのかまゆ、氏ぬってば」

まゆ「ポテリングで感動してたまゆが馬鹿みたいです……」

P「だから何の話なんだよ……」

まゆ「凛ちゃんばっかりずるいです、凛ちゃんばっかり贔屓して……!」ギュー

P「苦しいのにも慣れてきたな」

10: 2014/11/28(金) 23:34:25.62
まゆ「Pさんのお家で手料理を振舞いました!」

凛「意外と調味料揃ってるよね」



まゆ「Pさんのお家にお泊りしました!」

凛「あっ、私の歯ブラシ置いてあるけど、使わないでね」



まゆ「Pさんのご両親にご挨拶をしてきました!」

凛「お父さん、陽気な人だったでしょ」



まゆ「お腹にPさんの赤ちゃんがいます!」

凛「私の方は女の子って言われたけど、まゆはどうだった?」



まゆ「Pさん!」

P「もうネクタイあげるから好きにしてくれ」

11: 2014/11/28(金) 23:35:02.71
未央「最近しぶりんがままゆで遊んでるという噂が」

凛「うん、ちょっとからかってる」

未央「しぶりんも悪い女ですなー」

凛「だって、まゆがバレバレの嘘ついてくるから」

卯月「まゆちゃんワタワタしちゃってるから、早めにネタ晴らししてあげたほうがいいよ……」

凛「うん、まぁ、そのうちね」

12: 2014/11/28(金) 23:36:16.48

数年の後



まゆ「突然呼び出してしまって、ごめんなさい」

凛「別に問題ないけど」

まゆ「……」

凛「……まゆがアイドル辞めて以来だから、半年以上ぶり、かな」

まゆ「はい……。凛ちゃんは、大学を出てからもアイドルを続けるんですか?」

凛「ん、とりあえずタレントとしての活動は続けるつもり」

まゆ「そうなんですね」

凛「……そういう話するのに呼んだの?」

まゆ「……」

13: 2014/11/28(金) 23:37:02.40
まゆ「私、あの、今……」

凛「うん」

まゆ「……Pさんと、交際させてもらってます」

凛「……ふぅん」

まゆ「来年には、その……式を、挙げようって……」

凛「そっか」

まゆ「凛ちゃんには、私の口から言っておかなくちゃって、思って……」

凛「……」

まゆ「……」

凛「まゆの勝ちだね」

まゆ「えっ?」

凛「ううん、なんでも」

14: 2014/11/28(金) 23:37:44.79
凛「……」

凛「もしもし、プロデューサー? いきなりごめん、いま大丈夫かな」

凛「あのね……そのまま聞いて」

凛「……」

凛「……プロデューサーのこと、好きだよ」

凛「……ううん、一人の女性としての、好き」

凛「……」

凛「……うん」

凛「……」

凛「……うん…………だよね、ありがと」

15: 2014/11/28(金) 23:38:35.64
凛「……まゆ、来てくれたんだ」

まゆ「すみません、お待たせしてしまいました」

凛「私もついさっき来たとこだから」

まゆ「凛ちゃんの方から呼んでもらえるなんて……何か、ありましたか?」

凛「……」

まゆ「……」

凛「……プロデューサーに、告白した」

まゆ「えっ?」

凛「この前、プロデューサーに、好きって言った」

まゆ「……」

16: 2014/11/28(金) 23:39:33.26
まゆ「あの、Pさんは……」

凛「うん、安心して、思いっきり振られたよ」

まゆ「……そう、ですか」

凛「長い付き合いだから、気持ちが誰に向いてるかって、分かってたし」

まゆ「……」

凛「ただ撃沈しにいっただけで、奪ってやろうとか、そういうつもりは全く無いから」

まゆ「……」

凛「こういう時期にこういう事するのは、まゆに悪いってのも、分かってたんだけど……」

まゆ「……」

凛「でも、ずっと大切にしてきた想いだったから、伝えるだけ伝えたくて」

まゆ「凛ちゃん……」

凛「ごめん、本当に」

まゆ「……いいんです」

17: 2014/11/28(金) 23:40:23.44
凛「まゆから結婚のこと聞いたとき、分かってたとか言いながらやっぱりショックでさ」

まゆ「すみません……」

凛「動揺しちゃってて、言ってなかったから、いま言うね」

まゆ「……」

凛「おめでとう。幸せになるといいよ」

まゆ「……っ」

凛「何で泣きそうになってるの」

まゆ「……私、ずっと気がかりで」

凛「……」

まゆ「凛ちゃんも、Pさんの事、好きだったのにって……」

凛「うん、まあ……」

まゆ「凛ちゃん、私のこと、恨んでるんじゃないかって……」

18: 2014/11/28(金) 23:41:13.15
凛「恨むわけないよ」

まゆ「でも……」

凛「ほら、泣かないで、まゆは悪くないから」

まゆ「……」

凛「プロデューサーはまゆを選んだ。私はその決定に従う」

まゆ「……」

凛「……改めて、おめでとう。本当に、心の底から、二人の幸せを祈ってる」

まゆ「……ありがとうございます」

凛「うん」

まゆ「……まゆは」

凛「ん?」

まゆ「まゆは、これからも……凛ちゃんとお友達で、いられますか……?」

凛「……当然」

まゆ「…………凛ちゃん、ありがとう、良かった……」

19: 2014/11/28(金) 23:42:39.48
まゆ「また連絡しますね」

凛「うん、私もいきなり呼んだりとかあると思うから」

まゆ「はい、いつでも大歓迎です。では」










凛「……」

未央「行ったかな?」ヒョコッ

凛「うん……」

未央「……しぶりん」

卯月「うぁあああああん凛ちゃぁああん!」ダバー

未央「しまむーちょっと静かにして」

20: 2014/11/28(金) 23:43:25.87
凛「私、ちゃんと出来てたかな」

未央「うん、完璧」

卯月「凛ちゃん、凛ちゃんが……うぁああん!」

未央「しまむー静かにして、人が見てるから」

凛「……私、自然に振舞えてた?」

未央「傍から見てた感じは大丈夫だったよー」

凛「ちゃんと、笑って、おめでとうって、言えてた……?」

未央「うん、しぶりん、頑張ったね」

21: 2014/11/28(金) 23:44:23.56
凛「私、まゆと……」

未央「うん」

凛「これからも、まゆと、友達でいられるかな……」

未央「当ったり前だね! 未央ちゃんが保障します!」

凛「でも、いま私……結構酷い事とか、考えちゃってるよ」

未央「今はまだ仕方ないんだってば!」

凛「……仕方なくなんか」

未央「仕方ないの! 本気の本気で好きだったんだから!」

凛「……」

未央「それに、ままゆのために酷い考えとか隠して笑ってたじゃん!」

凛「……」

未央「それって凄く偉いことだよ、大統領だよ」

凛「……大統領では」

未央「うん、大統領ではないね! ごめん!」

22: 2014/11/28(金) 23:45:24.20
未央「よし、じゃあ今から未央ちゃんハウスに向かうよ」

凛「……」

未央「しぶりん、それまで泣くの、我慢できる?」

凛「……うん」

未央「我慢できなかったらそれでもいいから。とりあえずタクシー!」

凛「……大丈夫」

未央「よしよーし! 流石しぶりん!」

凛「卯月が泣いてるの見たら、私には外でこれは無理だなって」

未央「ほら、しまむーの泣きっぷり見てしぶりん引いてるよ!」

卯月「だって、だっでぇ……えぐっ、ぐすん」

凛「卯月、ありがとう、私のために泣いてくれて」

卯月「うぁあああん凛ちゃぁあん!」ダバー

未央「ああもう好きなだけ泣くといいよしまむー!」ワシワシ

23: 2014/11/28(金) 23:46:27.74

翌年・六月



ちひろ「ではケーキ入刀でーす!」

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ちひろ「夫婦になって始めての共同作業! この機会をお見逃しなく!」

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未央「いやー感動的だったね」

愛梨「あのケーキ、私が作りましたっ」

未央「えっ嘘でしょ」

愛梨「上から下まで全部食べられるんですよ」

未央「どれだけ大作なのかね」

かな子「試作品食べさせてもらったけど、全箇所おいしかったです」

卯月「……全部食べたわけじゃ、ないよね」

かな子「あっ、いくらなんでも一人じゃ無理だよ、菜帆ちゃんと二人でだよ」

未央「えっ嘘でしょ」

24: 2014/11/28(金) 23:47:28.36
まゆ「……」

凛「……」

まゆ「凛ちゃん、蒼いドレス、似合ってる」

凛「まゆのウェディングドレス姿も、よく似合ってるよ」

まゆ「ありがとうございます」

凛「リボンのふりふりが、まゆっぽいね」

まゆ「うふふっ、オーダーメイドなんです」

凛「……」

まゆ「……」

25: 2014/11/28(金) 23:48:24.39
まゆ「凛ちゃん」

凛「なに」

まゆ「ありがとう」

凛「……うん」

まゆ「まゆ、凛ちゃんのこと、大好きです」

凛「……うん」

まゆ「……凛ちゃんは」

凛「私も、まゆのこと、好きだよ」

まゆ「……」

凛「……」

まゆ「……照れますね」

凛「ま、まゆが言わせたんでしょ」

まゆ「……うふふっ」

凛「……ふふ、もう、なんで笑うの」

まゆ「凛ちゃんだって、うふふっ」

26: 2014/11/28(金) 23:49:20.56
まゆ「……一つだけ、謝らせて下さい」

凛「なに」

まゆ「昔、凛ちゃんとよく、勝ち負けを競っていましたよね」

凛「ああ、あったね、そんな事」

まゆ「Pさんとキスしたとか、泊まりに行ったとか」

凛「うん、言ってた言ってた。懐かしいね」

まゆ「あれ実は……全部、嘘だったんです、ごめんなさい……」

凛「……いや、それは知ってたよ」

まゆ「えっ!? ……あっ、凛ちゃん、ユッコちゃんにサイキックなんとかを教わってたから、それで……」

凛「ユッコは関係ないかな」

まゆ「あ、そうなんですか」

凛「って言うかユッコが勝手に延々と語ってただけで、別に教わってないよ」

まゆ「ユッコちゃん……」

27: 2014/11/28(金) 23:49:58.36
凛「……まゆ」

まゆ「はい」

凛「久しぶりに私の格好良いところ、見たくない?」

まゆ「うふふっ、はい、見たいです、凛ちゃんの格好良いところ」

凛「じゃあ、よく見ててね」

まゆ「自分でハードル上げちゃうのが、凛ちゃんらしいです」

凛「……」

まゆ「……」

28: 2014/11/28(金) 23:50:49.40
凛「プロデューサーとまゆが、末永く、いつまでも幸せでありますように!」

まゆ「……」

凛「……どうかな、悪くないでしょ」

まゆ「はい……格好良すぎて、涙でてきました……」

29: 2014/11/28(金) 23:51:39.62
まゆ「……」

まゆ「Pさん」

まゆ「まゆは、Pさんのことを愛しています」

まゆ「まゆが必ず、Pさんを、世界で一番幸せな旦那様にしてみせます」

まゆ「だから」

まゆ「Pさんが、まゆを、世界で一番幸せなお嫁さんに、して下さい」

まゆ「……」

まゆ「世界で一番幸せな夫婦になりましょう」

まゆ「私の、大切な友達が」

まゆ「私たちの幸せを、祈ってくれていますので」

30: 2014/11/28(金) 23:52:10.22
二次会

凛「では続きまして、エスパーユッコによる超面白サイキックです」

裕子「!!?」

33: 2014/11/28(金) 23:55:38.14
以上です。

りんまゆは仲良しがいいです。

前半と後半で別のssにしたほうがいいのではってくらい空気違いますね。

HTML化の依頼を出して参ります。ご覧頂きましてありがとうございました。

34: 2014/11/28(金) 23:58:21.40

ユッコ強く生きろ

引用元: 渋谷凛「まゆの幸せを祈りたい」