1: 2014/06/11(水) 12:12:20.19
佐藤「へっくしゅん!」

千葉「夏風邪かぁ?」

佐藤「いや、ただの悪寒だ……」

千葉「それが風邪だろ?」


緒方・伊藤・加藤「「すぅぅぅぅ……!!」」

緒方「はぁぁ……。今日も佐藤くんの匂いで活力を補充できたわね!!!」

伊藤「うん。これで今日一日がんばれるね」

加藤「佐藤くんの匂いってどうしてこんなに素敵なんだろうね」

緒方「もー、何言ってるのよ、真由美。そんなの佐藤くんだからに決まっているじゃない」

伊藤「できることなら一日中佐藤くんの匂いに包まれていたいよねー」

緒方「確かに。今のままでは佐藤くんとの魂の共有に変化はないわね。私達が成長するためにも佐藤くんの匂いをもっと味わう必要があるわ」

加藤「匂いを味わうの? でもどうやれば一日中も佐藤くんの匂いに包まれることができるんだろう」

緒方「名案が浮かんだわ! みんなで佐藤くんの下駄箱に一日中顔を突っ込んでおけばいいじゃない!! よし、行くわよ!!」ダダダッ

加藤「おがちん!? 全然、名案じゃないよ!?」

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402456340/

2: 2014/06/11(水) 12:14:43.66
宮下「はぁ……」

杉崎「見て、これ。何だと思う?」

吉岡「もしかして香水? 杉ちゃん香水つけるの? いいなぁ、大人って感じだねー」

杉崎「まぁ、夏だからね。これただの香水じゃないの。アムアージュっていう高級な香水なのよ」

宮下「はぁ……はぁーぁ……」

吉岡「すごーい!! どんな香りがするのー? 嗅がせてー」

宮下「はぁー……あー……あぁー……」

杉崎「ちょっとだけつけてみる?」

吉岡「いいのー!? うれしー!!」

宮下「はぁぁぁぁー!!!」

杉崎「なに? 腹式呼吸でもしてるの?」

吉岡「バスケも掛け声は大事だもんね。がんばってね、宮ちゃん」

宮下「違う!! 疲れてるんだ!! なんでこのときだけ反応するんだよ!!」バンバンッ

杉崎「元気じゃないの」

宮下「あぁ……いまので本当に疲れた……」

3: 2014/06/11(水) 12:16:31.53
吉岡「練習が大変なの?」

宮下「試合も近いからな。ある程度は仕方ないんだけど、やっぱり連日ハードな練習をしていると体力も戻らなくてさ」

杉崎「おばさんみたいなこというのね。あんた、本当に小学生?」

宮下「いくら小学生でも疲れるときは疲れるに決まってるだろ!!」

松岡「宮ちゃんの言うとおり!!」

宮下「げ!? ま、松岡……」

松岡「年齢なんて関係ないわ。憑かれるときは憑かれるもの。ね、宮ちゃん?」ギュッ

宮下「お、おい!! お前は絶対に勘違いしてるだろ!?」

松岡「うふふ、宮ちゃんにはどんなのが憑いたの? 女の霊? バスケ選手の霊? キャー!!」

宮下「キャーじゃねえよ!! 離れろ!!」

杉崎「どう?」

吉岡「うーん。この香水、私には少し早いかも」

宮下「お前らも助けろよ!! 勝手に話題を戻すな!!」

松岡「宮ちゃん、全身に経文書いてあげるね……うふふふ……」

宮下やめろー!!! あたしには何も憑いてないんだー!!!」

4: 2014/06/11(水) 12:18:15.96
松岡「なーんだ。疲労のほうだったんだ。宮ちゃん、紛らわしいこと言わないでよ」

宮下「今の会話で霊のほうに関連づけるのはお前ぐらいだよ……」

杉崎「で、宮下は疲れているアピールして、私たちにどうしてほしいわけ?」

宮下「そんな言い方するなよ。なんかあたしがウザい奴みたいだろ?」

杉崎(自覚がないのが更にウザい……)

宮下「なんかこうないもんかな、疲れが効果的に取れる方法とかさ」

吉岡「やっぱりマッサージとかいいんじゃないの?」

宮下「吉岡、やってくれるのか?」

吉岡「うん。それぐらいならいいけど」

宮下「サンキュー。じゃ、腰と足を重点的に揉んでくれ」

吉岡「こ、ここでそこをぉ!? それはちょっと、恥ずかしいよぉ……」

杉崎「みつばじゃないんだから、友達にそんなこと頼む、ふつー?」

宮下「あたしはあんなのじゃないだろ?」

みつば「聞こえてるわよ!!! あんなのとはなによ!!!」バンッ!!!

吉岡「ご、ごめんね、みっちゃん!」

5: 2014/06/11(水) 12:19:56.88
杉崎「あーら、みつばさん。本当のことを言われたぐらいで机を叩くなんてはしたない。ご自分の重みで机が割れちゃうんじゃないの?」

みつば「ふたばじゃあるまいし、そんなことあるわけ――」ミシッ

宮下「い、今、床がミシッって鳴らなかったか……?」

みつば「なに言ってるのよ!? そんなわけないでしょう!?」

吉岡「そうだよぉ!! ずっと前から鳴ってたよ!! だから気にしないで、みっちゃん!!」

みつば「な……」

宮下「吉岡!!」

杉崎「ぶふっ!」

みつば「違うわよ!! 私の所為で鳴ったんじゃないの!!」

松岡「じゃあ、霊の仕業ね!!」

みつば「はっ!? しまった!?」

松岡「実はずっと気になっていたの!! みっちゃんには豚の霊がついているんじゃないかって!!」

みつば「うるさぁぁぁい!!!! そんなことあるかぁぁ!!! この電波女ぁぁぁ!!! 氏ね!! 末代まで氏ね!!」ペチンッ!!

松岡「末代は呪ってぇ」

宮下「仲いいな」

6: 2014/06/11(水) 12:21:58.20
杉崎「で、なんの話してたっけ?」

吉岡「えーと、確か……」

みつば「私に給食のデザートをくれるって話でしょ?」

宮下「違う!! あたしが疲れたって話だ!!」

松岡「霊ね!?」

宮下「お前はもう黙ってろ!! 話が進まないだろ!?」

吉岡「そうだったね。でも、揉むのはちょっとぉ。私と宮ちゃんがそういう関係だって勘違いされちゃうし……」

宮下「い、いや、もう揉んでくれとは言わないよ。そんな時間もないし、できれば家で一人のときでも出来るようなことがいいしな」

吉岡「うーん、それなら……」

みつば「ところで、この臭いは何よ? あれ、杉崎ちょっと臭くない?」

杉崎「はぁ? 庶民にはこの高尚な香りは毒なのかしらねぇ?」

みつば「何が高尚よ! そんなの牛乳拭いた雑巾を生乾きしたような臭いじゃないの!!  吐き気を催す臭気ね!!」

杉崎「きぃぃ!! なによ!! あんたなんか常時お菓子みたいな臭いじゃない!! 糖尿なんじゃないの!?」

吉岡「杉ちゃん、そんな失礼だよ。みっちゃんも気にしてるはずなのに。……匂い?」

宮下「吉岡もちょっと黙ったほうがいいな……」

7: 2014/06/11(水) 12:23:49.02
みつば「だぁれが糖尿よ!!」

杉崎「糖尿女ぁ!!」

宮下「お前ら、そんなことを大声でいうなよ……」

吉岡「宮ちゃん、アロマとかどうかなぁ?」

宮下「アロマ?」

松岡「アクマ? ゆきちゃん、アクマがどうかしたの?」

吉岡「アクマじゃないよ!! アロマ!! アロマテラピーのこと!!」

松岡「あ、お香のことね」

吉岡「そうそう。あれって疲れをとるのにも効果的なんだよね」

宮下「聞いたことはあるけど、ホントに効果あるのか?」

杉崎「あるわよ。少なくともリラックスはできるもの」

松岡「うんうん。そうだよね」

みつば「はぁ? あんたたちがアロマテラピーなんてしてるの? 全然、似合わないわね」

杉崎「こっちはあんたの所為でいつもストレス溜めちゃうの!!!」

みつば「私の所為にするんじゃないわよ!! こっちだってあんたの所為でストレスの塊よ!!」

8: 2014/06/11(水) 12:26:44.11
ひとは「……みっちゃんは脂肪の塊」

みつば「そこ!!! なんかいった!?」

ひとは「何も」

吉岡「さっちゃんもアロマしてるんだ」

松岡「私の場合は職業柄絶対にしなくちゃいけないから、体に臭いが染みついているレベルなの。嗅いでみればわかるよ」

吉岡「えー? うーん……?」

宮下「お前からは線香の匂いしかしないぞ……」

松岡「当たり前じゃない」

吉岡「ど、どういうこと?」

松岡「寝る前はお線香の香りを部屋に満たすと気持ちよくなるから……うふふふ……」

宮下「それ、一酸化炭素中毒じゃないよな?」

松岡「私と三女さんにとっては至高のアロマテラピーなの。ね、三女さん!」

ひとは「満面の笑みで同意を求めてこないで……。そんな癒しかたはしたことないよ」

松岡「えー? またまた、三女さんからも私と同じ匂いがするんだから、絶対そうだよ。照れなくてもいいのに」

ひとは「言いがかりも甚だしいよ」

9: 2014/06/11(水) 12:28:56.64
吉岡「やっぱり三女さんとさっちゃんは体臭までも移し合うような関係なんだぁ……」

松岡「さ、三女さん!! このお線香の匂い!! 私と全く同じだわ!! うれしい!! 私とお揃いのを使ってくれているのね!!」

ひとは「いつも松岡さんに付きまとわれているから臭いが服に移ってるだけ」

吉岡「ぐぬぬ……!!」

宮下「アロマかぁ。試してみたいけど、どんなのがいいのかさっぱりだな。やっぱり個人差とかあったりするのか?」

杉崎「あるかもね。人によっては嫌な臭いもあるでしょうし」

宮下「うーん。あたしはどんな匂いが好きなんだろうな。考えたこともなかったぞ」

杉崎「この香水の匂いはどう?」

宮下「キツいな」

杉崎「え……」

みつば「あーっはっはっはっは。やっぱりクサいのは、あんたね」

杉崎「ぐぐ……!! 宮下、ウザい!!」

宮下「な、なんで私……? 感想を言っただけなのに……」

みつば「でも、ちょっと興味が出てきたかも。私も杉崎の所為で毎日大変だし、やってみようかしらアロマテラピー」

ひとは「みっちゃんが……?」

10: 2014/06/11(水) 12:31:36.70
緒方「下駄箱で佐藤くんの匂いを一日中楽しむ作戦は失敗ね。一人しか楽しめないもの」

加藤「やる前に気付こうよ。結局、おがちんが下駄箱独占してたし」

伊藤「靴のほうが持ち運べるからいいのにね」

加藤「詩織ちゃん……? 何かとってきたの?」

伊藤「え? なにもなかったから取ってないよ」

加藤(あったらとったの……!?)

緒方「考えてみれば、私たちはこうして佐藤くんと同じ空間にいられるだけでも十分に匂いを味わうことができるから必氏にならなくてもいいわね」

伊藤「それもそうだね」

加藤「うん。私たちは普通にしていればそれでいいのかも」

緒方「じゃあ、今日もいつも通りに――」

ひとは「みっちゃんは砂糖の匂いだけで癒されるから、特別なものは必要ないよね」

みつば「どういう意味よ!!! そんなわけないでしょ!?」

緒方・伊藤・加藤((佐藤……くん……の匂い……!?))

杉崎「ありえそー」

みつば「ないわよ!! 私が砂糖の匂い程度で癒されるわけないでしょ!! そんなに安い女じゃないんだから!!」

11: 2014/06/11(水) 12:33:35.58
緒方「(ど、どういうこと……? まさか変なパンツ女も佐藤くんのことを……?)」

伊藤「(でも、いつも佐藤くんには罵声を浴びせてるのに)」

加藤「(好きだからこそ嫌がらせをしていたのかも)」

緒方「(好きなのに嫌がらせですって!? なんて酷い女なの!! 愛しているなら正面から好きだって気持ちをぶつけて然るべきはずなのに!!)」

伊藤・加藤「「(う、うん、そうだね……)」」

緒方「(許せないわ。そんなことをするぐらいなら私たちの仲間にしましょう。そして矯正するのよ!!)」

杉崎「砂糖の匂いがするアロマなんてすぐにできそうね。ママに頼んで作ってあげましょうか?」

みつば「はぁー? そんなの焚いてアリが大発生したら家ごと弁償してくれるんでしょうね?」

ひとは「そんなアロマにしたらみっちゃんが常に涎を垂れ流すことになるね」

みつば「なるかぁ!!!」

宮下「砂糖の匂いって結構ありかもな。落ち着くかもしれない」

吉岡「そうだねぇ」

松岡「私も嫌いじゃないけど、やっぱり線香のほうがいいな」

緒方「(き、聞いた……? あのオカルト女まで佐藤くんの匂いを……!!)」

伊藤「(うん。いつの間に佐藤くんの匂いがこんなにも人気に……)」

12: 2014/06/11(水) 12:37:00.08
緒方「(でも、佐藤くんの匂いをアロマにできるとも言ったわよ!? これってすごいことじゃない!?)」

伊藤「(うんうん!!)」

加藤「(それを作れたら一日中佐藤くんを香りを楽しめるね)」

緒方「(それだけじゃないわ!! 服とか家具とか肺とか、いや五臓六腑全てとかも、とにかくありとあらゆるものに佐藤くんの匂いを染み込ませることもできるはず!!)」

緒方「(つまりそれは、いつでもどこでも佐藤くんを感じることができるってことよ!!!)」ブフッ!!!

加藤「(おがちん!? 鼻血が!!)」

緒方「(あなたもよ、真由美)」

加藤「(はっ!? いつの間に!?)」ゴシゴシ

伊藤「(おがちん、頼んでみよう。あんな超アイテム、他にはないよ)」

緒方「(でも、あのグループとはあまり話したことがないからいきなり頼んだってきっと断られるわ)」

杉崎「ん……?」

宮下「どうした?」

杉崎「なんか見られてるような」

吉岡「緒方さんたちだ……。もしかして杉ちゃんのことを……」

杉崎・宮下「「ないない」」

13: 2014/06/11(水) 12:39:39.46
吉岡「なら、宮ちゃんとか……」

宮下「お前や松岡の可能性は考えないのか?」

吉岡「わ、私ぃ!? そんな、それはないよぉ」

宮下「松岡は?」

吉岡「さっちゃんはないと思いたいなぁ。三女さんとあんなに仲良しなんだし」

松岡「新しい心霊スポットができたの!! 今度一緒に除霊しに行きましょう!!」

ひとは「いかない。あと線香臭いから私から離れて」

吉岡「で、でも、愛の形は人それぞれだし、略奪愛なんかもぉ……」

宮下「もういい……」

みつば「まぁ、気の所為でしょ。あの変態一味は変態パンツ佐藤のことしか眼中にないもの」

杉崎「それもそうね」

緒方「(何かいい方法はないかしら)」

加藤「(断られるの覚悟で素直にお願いしてみたら? もしかしたら佐藤くんの匂い分けてくれるかもしれないし)」

緒方「(急にそんなことを言って、私が佐藤くんのこと好きだって知られたら恥ずかしいじゃない……)」モジモジ

伊藤・加藤((今更……!?))

14: 2014/06/11(水) 12:48:58.18
緒方「(ここで勇気を出すのも必要よね……でもぉ……)」

加藤「(おがちん……。そこで恥ずかしがるならパンツはいて……)」

伊藤「(どうしよう。私だけでも頼みに行こうかなぁ)」

加藤「(詩織ちゃん……!!)」

伊藤「(冗談だよぉ)」

杉崎「……やっぱり、見られてない?」

宮下「何かあたしたちに言いたいことでもあるのか?」

吉岡「や、やっぱり……私たちの誰かのことを……」

みつば「んなわけないでしょ。きっと変態佐藤のことよ」

宮下「まぁ、そうなんだろうけど。あたしたち、目をつけられるようなことしたか?」

杉崎「してないと思うけど」

吉岡「そんなのわからないよぉ。話しかけたくても話しかけられない気持ち、誰にだってあるもん」

宮下「あぁ、そうだな」

ひとは「松岡さんのこと見てるんじゃない?」

松岡「私!? ま、まさか!! 緒方さんたちもこちら側の人間だったの!?」

15: 2014/06/11(水) 13:03:29.84
ひとは「そうじゃなくて、前にしんちゃ……佐藤くんに向かって「私と佐藤くんは付き合うことになりました」とか言ってたから」

吉岡「えぇぇ!? そうなのー!? 何時の間にそんなことが……!!」

宮下「そりゃ、恨まれるな」

杉崎「何してくれてるのよ」

松岡「あのときは三女さんの所為でおかしな誤解が生まれたからで」

ひとは「こっちはいい迷惑だよ」

杉崎「とにかく謝ってきたら?」

松岡「謝るといわれても……」

杉崎「はやく」

松岡「えぇー?」

緒方「(こうしましょう。さりげなく匂いが欲しいことをアピールするのよ。それで向こうから声をかけてくれるのを待つ作戦。名づけて飛んで火にいる夏の虫作戦よ)」

伊藤「(虫はきっと私たちのほうだよ)」

加藤「(おがちん。やっぱりちゃんとお願いしたほうが……)」

緒方「(そんな……どう話かけていいのか……)」モジモジ

松岡「あのー。緒方さん、なに話してるの?」

16: 2014/06/11(水) 13:22:17.23
緒方「お、オカルト女!! 何用よ!?」

松岡「杉ちゃんのことずっと見てるけど、なにかあるのかなって思って」

緒方「そ、それはぁ……」

伊藤・加藤((おがちん、がんばって!!))

緒方「べ、別にあんたたちのことなんて見てないわよ!! 勘違いしないで!!!」

伊藤・加藤((あぁー……))

松岡「私たちを見てない……? な、なら、一体何を見ていたの……?」

緒方「な、なにって……その……目には見えないものよ」

松岡「な、なんですって……!?」

緒方「それ以上は言えないわ!!」

伊藤(間違ってないけど)

加藤(もっと言い方なかったのかなぁ)

松岡「緒方さん!!」ガシッ

緒方「な、なによ!?」

松岡「よくわかったわ。打ち明けてくれてありがとう」

19: 2014/06/11(水) 23:49:07.45
緒方「え?」

松岡「緒方さんも私と同じだったのね」

緒方「同じ……」

松岡「緒方さんは知っていると思うけど、私もずっとそうだったから。緒方さんの気持ちは分かるの」

緒方(そういえばこの女、前に佐藤くんに向かって付き合うことになったとか言ってたわね)

松岡「でも緒方さんは否定してなかったっけ?」

緒方「あ、そ、それは……」

緒方(確かに好きな人はいるかどうか聞かれたときはいつもいないって答えちゃっていたけど……)

伊藤「(おがちんって意外と照れ屋だもんね)」

加藤「(うん。パンツは穿かないのに)」

松岡「どうして言ってくれなかったの!? 言ってくれたらもっと早くから私たち仲良くなれていたのに!!」

緒方「私だってあなたが好きだったなんて知らなくて」

松岡「どうして!? こんなにもあからさまなのに!!」

緒方「言葉ではっきりいったこととかあった?」

松岡「あるわ!! いつでも傍にいたいぐらいだって公言しているもの!! ね、三女さん!」

20: 2014/06/11(水) 23:55:15.11
ひとは「おぉう」ビクッ

松岡「三女さんだって私と同じでしょ?

ひとは(いきなり私が槍玉にあげられた……)

緒方「三女も好きなの?」

ひとは「いや、そんなことないよ」

松岡「三女さん、どうしてそんなことを言うの!? 傷つくよ!?」

ひとは「えぇ……」

緒方「そういえば三女、前に佐藤くんと一緒に遊園地へ行ったときの疑惑があったわね」

伊藤「そうだったねぇ」

加藤(詩織ちゃんが前に出ちゃった!?)

松岡「ああ、あの遊園地で撮影された写真のことね」

緒方「そう、それよ」

松岡「三女さんは好かれやすいから仕方ないけど」

緒方「なんですって!? やっぱり幼馴染だからなの!?」

松岡「そうね。三女さんの付き合いはもう幼少の頃からだもの」

21: 2014/06/12(木) 00:11:10.73
緒方「三女ぉぉ……!!」

ひとは(ひぃ……何故私が……)

宮下「待てよ。どうして三女が何か言われなきゃならないんだ。三女は関係ないだろ」

ひとは「宮口さん……」

宮下「三女の好きなものをお前たちが否定するな」

ひとは「なっ……」

緒方・伊藤・加藤「「……」」ガタッ

宮下(よぉし。キマった)

ひとは(どうかこの人が地獄に落ちますように……!!)

吉岡「きゃー。これを相関図にすると混線しすぎちゃうよぉ」カキカキ

杉崎「書かなくていいから……」

みつば「また面倒なことになってきわねぇ」

松岡「緒方さん、これからは仲良くしましょう。ね?」

緒方「ま、まぁ……抜け駆けされても嫌だし、一緒にいるほうが、メリットは多いわよね」

伊藤「うん。私たちの知らないところから佐藤くんに魔の手が伸びていたんだね。どうにかしないと」

22: 2014/06/12(木) 00:33:26.75
加藤「あ、あの、おがちん、あ、あれを分けてもらえるかどうか、訊いてみよう?」

緒方「そうね。こうなったら隠すのもおかしな話だし……。ねえ、ちょっと」

杉崎「な、なによ?」

緒方「さっきの話なんだけど……」

杉崎「え? アロマのこと?」

緒方「そうそれよ!! それで、匂いを簡単に作れるとか……なんとか……」

杉崎「ああ、砂糖の匂いね。まぁ、できるんじゃない?」

緒方「ホントに!? じゃ、じゃあ、観賞用と布教用と保存用の3つちょうだい!!」

宮下「使えよ、アロマ……」

伊藤「100個ください」

加藤「お願いします!!」

杉崎「ちょ、ちょっとなに!? 迫ってこないでぇ!!」

みつば「待ちなさいよ。なんであんたたちにまで分けなきゃいけないわけぇ?」

緒方「はぁ?」

みつば「杉崎は私に砂糖のアロマをくれるって言ったのよ。まずは私に許可を取りなさいよね」

23: 2014/06/12(木) 00:50:29.76
杉崎「あんた、さっきいらないって言ってなかった?」

みつば「いらないなんて一言も言ってないでしょう。私はもらえるものはなんでも貰うし、それを欲しがるやつがいれば買い占めるタイプなのよ」

宮下「さ、最低すぎる」

ひとは「いつものみっちゃんだけど」

吉岡「これをジェラシーといわずなんていえばいいの……」

宮下「強欲女じゃないか?」

緒方「みつばが作るんじゃないんでしょ」

みつば「でぇもぉ、杉崎は私のために作ってくれるって言ったんだしぃ」

杉崎「言ってないわよ」

みつば「言ったわよ」

緒方「なによ。そんなに好きなの?」

みつば「勿論よ」

ひとは「みっちゃんは無類の砂糖好きだからね」

緒方「なぁ……!? 真由美の言っていた通り、いつもの態度は愛情の裏返しだったのね……」

宮下「いつもの態度もあまり変わらないような気がするけどな」

24: 2014/06/12(木) 01:19:42.28
緒方「でも、信じられないわ。いつもの態度を見る限りじゃね。下品なことばっかり言ってるし」

ひとは「下品……。食べかたのこと?」

みつば「はぁー? 私はいつも上品に食べているでしょう」

ひとは「砂糖はそう思ってないだろうけど」

みつば「そんなことを言う口はこれぇー!?」グニーッ

ひとは「ふぃふぃふふぁみ」

緒方「た、たべ……たべ……さ、さとう……をたべ……うーん……」バタッ

加藤「おがちん!!」

伊藤「それはもしかして家で……?」

みつば「まぁ、基本は家に決まってるでしょ」

杉崎「学校でも食べてるじゃない」

宮下「あんなに食べて恥ずかしくないのか?」

みつば「うるさいわよ!! 私の勝手でしょう!!!」

伊藤「わ、私たちの目を盗んで……!!」

緒方(そ、そうか!! いつもふたばを佐藤くんに近づけて私たちの目を欺いていたわけね……!!! やるじゃない……!! そこまでとは思ってもみなかったわ……!!)

25: 2014/06/12(木) 05:40:58.68
吉岡「みっちゃん、授業中もこっそり食べてたよね」

みつば「いいじゃない。矢部っちも許してくれてるし」

宮下「いや、それは諦められてるだけだろ」

緒方「授業中も!?」

伊藤「そ、そんな……!!」

加藤(おがちん以上の存在!?)

杉崎「気が付いてなかったの?」

緒方「ま、全く……」

杉崎「臭いでわかると思うんだけど」

緒方「に、匂い……!?」

伊藤「おがちん。もしかして、食べているって佐藤くん本人じゃなくて、匂いのことなんじゃ」

緒方「そうか!! 匂いをすらも味わっていたのね!!」 

加藤「匂いって味わえるものだったんだ……」

みつば「あら、杉崎みたいに何もわかってお子様なのね。目で楽しみ、匂いを感じ、最後は味わうのよ」

緒方「な……!? そんな……こんな変なパンツ女に諭されるなんて……!!」ガクッ

26: 2014/06/12(木) 05:47:24.35
みつば「なによ!! あんたなんかパンツすら穿いてないじゃないの!!!」

緒方「これ以上の遅れを取るわけにはいかないわ!!! 詩織!! 真由美!!」

伊藤「うんっ。覚悟はできてるよ」

加藤「わ、私も……。好きって気持ちだけは誰にも負けないから……」

杉崎「な、なんなの?」

緒方・伊藤・加藤「「私たちにも匂いをわけて!! お願い!!」」

宮下「ど、土下座って……」

吉岡「そこまでして杉ちゃんのが欲しいの……」

松岡「臭いをわけて……?」

ひとは(これはろくでもないことになってる。関わらないようにしよう)

みつば「うふふふ……!!! そんなんじゃダメよ!! もっと乞いなさい!! 足を舐めて乞うがいいわ!!! あはははははは!!!!」

宮下「うわぁ……」

吉岡「あぁー!! 止まらない愛の暴走だよぉ!!」

宮下「お前も落ち着けよ」

緒方「それぐらいならやるわ!!! いえ、やらせて!!!」

27: 2014/06/12(木) 06:23:15.45
みつば「1舐めにつき1ポイント、それが100ポイント溜まったらアロマをくれてやるわ」

宮下「どこの景品だよ!?」

緒方「うぅ……負けられない……負けられないの……」

伊藤「好きって気持ちは絶対に……」

加藤「誰にも……」

みつば「おーっほっほっほっほっほ!!!」

宮下「お、おい」

杉崎「待って!!」

緒方「え……?」

みつば「なによ、邪魔するつもり?」

杉崎「それぐらいなら、あげるから。みつばの足を舐めるなんてやめなさいよ」

緒方「ホ、ホントに?」

みつば「何勝手なこといってんのよ!!!」

杉崎「いいじゃないの!! ここまで真剣なんだから!! アロマぐらいあげるわよ!!」

緒方「あなた……。ただの盗撮マニアじゃなかったのね……」

28: 2014/06/12(木) 06:28:57.88
杉崎「誰が盗撮マニアよ!!!」

緒方「だって、いつもケータイのカメラで写真をとってるし」

杉崎「あ、あれは無意識なの!」

みつば「それが余計に性質悪いっていってんのよ!!」

吉岡「杉ちゃん、もしかしてみっちゃんの足を舐められるのが嫌で……!!」

宮下「良心じゃないのか」

松岡「……」

杉崎「とにかく、砂糖の匂いがするアロマなんてすぐに作れるわ。だから……」

緒方「嬉しい!!」ギュッ

杉崎「ちょ、ちょっと!!」

緒方「やっぱり私たちは仲間だったのね!!」

杉崎「えぇ!? な、仲間ぁ!?」

緒方「言うなれば同志よ!! ね!?」

杉崎「そんな笑顔で同意を求められてもぉ」

緒方「好きなもの同士、これからは仲良くしましょう!!」

29: 2014/06/12(木) 06:48:06.15
杉崎「あ、私はそこまで……」

緒方「いいわよね、詩織、真由美」

伊藤「うん。大事なグッズを手に入れられるなら」

加藤「詩織ちゃん!? もっと素直に同意して!!!」

杉崎「まぁ、とりあえずママに頼んでみるけど」

緒方「ねえ、私たちにも作る協力をさせてくれないかしら!!」

杉崎「え? 協力って?」

緒方「たとえば匂いの元を集めるとか」

伊藤「それいいね。色々集められて一石二鳥だよ」

加藤「詩織ちゃん……」

杉崎「そうね。そうしてくれると嬉しいわ。あーあ、どっかのがめついだけの人とは違うわぁ」

みつば「言われてるわよ。宮下」

宮下「お前だろ!!!」

緒方「それじゃあ少し待ってて!!」ダダダッ

杉崎「え!? い、今から集めるの!?」

30: 2014/06/12(木) 07:51:04.70
伊藤「おがちん、匂いの元ってどうするの?」

緒方「そうね……」

加藤「や、やっぱり、服とかかな? く、靴下なんかもいいかも……」

伊藤「リコーダーとかあとは体液?」

加藤「体液!?」

緒方「あ!! いいのがあるわ!! 下駄箱の空気を袋につめちゃえばいいのよ!!! いくわよ!!!」ダダダッ

加藤「おがちん!? また名案じゃないよ!!!」


杉崎「しかし、あの連中がアロマに対してあそこまで情熱を持っているのは意外だったわね」

吉岡「杉ちゃんからもらえるアロマだからじゃないの?」

宮下「どうしてもそっちに繋げたいんだな」

みつば「もう少しで新しい下僕ができるところだったのに」

松岡「……」

ひとは(晩御飯、どうしよう)

松岡「緒方さんたちの行動がやっぱり三女さんも気になってるのね。そうよね。あれだけ臭いに拘るには絶対に何かあるはず。もしかして臭いで霊を呼び寄せる術を持っているとかかしら?」

ひとは「え? いや、なにいってるの?」

31: 2014/06/12(木) 08:03:21.79
緒方「二人とも!! 詰めるの手伝って!!」

伊藤・加藤「「う、うん……」」

緒方「佐藤くんの匂いをこの袋一杯に詰め込んで……詰め込んで……」

加藤「おがちん?」

緒方「この袋の中にはいるから、そのあと袋の口をぎゅっと縛って閉じて」

加藤「窒息するから!!」

伊藤「それもいい……」

加藤「よくないよ!!」

緒方「うーん。でも、下駄箱だけの匂いじゃ少ないわよね。もっと効率よく集められないかしら?」


佐藤「へっくしゅん!!」

千葉「おいおい。マジで風邪なんじゃないか?」

佐藤「どうだろうな……」

ふたば「しんちゃん、大丈夫? 小生のティッシュで鼻をかんで」ゴソゴソ

佐藤「悪いな、ふた……って!? お前!! どこからだしてるんだよ!!!」

ふたば「こんなこともあろうかとしんちゃんのためにパンツの中でティッシュを温めておいの! さ、使って、使って!!」

32: 2014/06/12(木) 08:16:09.28
緒方「ふたばぁぁぁ……」

伊藤「待って、おがちん」

緒方「止めないで、詩織!!」

伊藤「ここは堪えて。私に考えがあるから」

緒方「考えですって?」

加藤「な、なにするの?」


ふたば「ほらぁ、しんちゃん。遠慮することないよ」

佐藤「わ、わかった、使う。使うから」

ふたば「あはっ」

千葉「流石は佐藤。パンツの中で熟成されたティッシュを使うとはな。尊敬するぜ」

佐藤「しなくていい!! あぁもう……ふたばの匂いが……」

ふたば「どう? いい感じでしょ?」

佐藤「意味が分からない。……チーンッ!!」

ふたば「小生が捨ててきてあげる」

佐藤「いいよ!! 自分で捨てる!!」

33: 2014/06/12(木) 08:26:11.56
ふたば「えー? 照れなくてもいいのに」

佐藤「照れてないし、そういう問題でもない。全く」ポイッ

千葉「佐藤は工口上級者のくせに普通に優しくされるのは嫌なんだな」

佐藤「これは優しさとかじゃないだろ!!」


伊藤「おがちん、今捨てられたティッシュを回収しよう」

加藤「なるほど。あれならたっぷりと佐藤くんの匂いが――」

緒方「はむっ」

伊藤・加藤「「もう食べてる!?」」

緒方「はむっ……はむっ……」モグモグ

伊藤「おがちん、ずるい!! 私にもわけて!!」

加藤「私も佐藤くんの使用済みティッシュ食べたいのに!!」

緒方「はむっ……はむはむはむ……」

伊藤・加藤「「おがちん!!」」


佐藤「さ、寒気が……」ブルブル

34: 2014/06/12(木) 08:38:22.06
緒方「はっ!? つい夢中になってしまったわ!!」

伊藤「あー。もうおがちんの口臭しかしない」

加藤「でも、まだ少しだけ佐藤くんの匂いが……!!」クンクン

緒方「こんなことじゃダメよ!! 二人とも!!! いつまでたっても佐藤くんの匂いを集められないわ!!!」

伊藤「匂いが残っている部分を切り取って……」

加藤「この辺、この若干湿ってるところがまだ……」

緒方「ちょっと真面目にやりなさい!!」

伊藤・加藤「「えぇ……」」

緒方「私たちでは反射的に佐藤くんの物には飛びついてしまうから、ティッシュぐらいじゃすぐに匂いが落ちちゃうわね」

加藤「そうなるともう服ぐらいしかないような気が……」

緒方「体操服ね」

伊藤「待って、おがちん。私たちが服を貸してと言ってもきっと断られるだけ。誰かに頼んだほうがいいと思うの」

緒方「誰にそんな大役を任せるわけ?」

伊藤「適任が1人だけいるよ。私が交渉してくる」

加藤「誰のことだろう……?」

36: 2014/06/12(木) 08:56:57.53
伊藤「ふーたばちゃん」

ふたば「あ、詩織ちゃん。どうしたんスか?」

伊藤「ふたばちゃんに折り入ってお願いがあるの」

ふたば「いいっスよ。なんでも言ってくれっス」

伊藤「あのね……」ゴニョゴニョ

ふたば「しんちゃんの服を?」

伊藤「うん。こんなことふたばちゃんにしか頼めないから」

ふたば「でも、どうして服が必要なんスか?」

伊藤「どうしても佐藤くんの匂いが必要なの」

ふたば「しんちゃんの?」

伊藤「これはみんなの願いでもあるから、協力してほしいな」

ふたば「みんなって誰っスか?」

伊藤「クラスのみんなだよ。杉崎さんとか吉岡さん、それから松岡さんもね」

ふたば「そ、そんなに!? わかったっス!! 小生がなんとかするっス!!!」

伊藤(うふふ……これで佐藤くんのふたばちゃんに対する好感度はガタ落ち……そして服も手に入る……)

37: 2014/06/12(木) 09:02:11.60
ふたば「しんちゃーん!!!」

佐藤「なんだよ?」

ふたば「服ちょーだい!」

佐藤「な、なん……へっくしゅん!!!」

ふたば「あらら。ティッシュ、使う?」

佐藤「あ、ああ。ありがとう」

ふたば「しんちゃん、顔が赤いけど、どうしたの?」

佐藤「なんか熱っぽいんだよな」

ふたば「それは大変!! さ、しんちゃん!! 小生の背にのって!!」

佐藤「な、なんでだよ!?」

ふたば「すぐに保健室に行かなきゃ!!」

佐藤「ひ、1人でいけるって」

ふたば「こんなときに遠慮はダメ!!」グイッ

佐藤「うわぁ!?」

ふたば「しんちゃんを助けられるのは小生だけだからー!!!」ダダダッ

38: 2014/06/12(木) 09:06:42.77
ふたば「どうっスか?」

栗山「ちょっと熱があるみたいね。少し休んでいったほうがいいわ」

佐藤「そ、そうですか」

ふたば「しんちゃんはよくなるっスか!?」

栗山「うん。大丈夫だよ。心配しないで」

ふたば「はぁ……よかったぁ……」

佐藤「お前はいちいち大袈裟なんだよ」

ふたば「だって、しんちゃんのこと心配なんだもん」

佐藤「うっ……。あ、ありがとう」

ふたば「ゆっくり寝てて」

佐藤「お前は教室に戻れよ」

ふたば「あ、そうだね! それじゃ、また様子みにくるから!!」

佐藤「来なくていいよ」

栗山「仲良しだね」

佐藤「た、ただの幼馴染ですから……」

39: 2014/06/12(木) 09:11:33.52
ふたば「あー、よかったー」

伊藤「ふたばちゃん?」

ふたば「あ、詩織ちゃ――」

伊藤「佐藤くんの服は?」

ふたば「はっ!? ごめんなさいっス!! すっかり忘れてた!!」

伊藤「お願いね」

ふたば「すぐに行ってくるっス」テテテッ

伊藤「あれじゃあ、益々佐藤くんとふたばちゃんの仲が……!!」

緒方「ふたばに任せていいのかしら? 佐藤くんに何するかわかったもんじゃないのに」

ふたば「――おまたせー」

加藤「あ、もう戻ってきた」

伊藤「ふたばちゃん、今度こ――」

ふたば「とってきたっス。じゃじゃぁーん。しんちゃんのパンツー」

緒方「さ、さ、さささ……佐藤くん……パパパパ……パンツ……!?!?」ブフッ!!!

伊藤「ど、どうやってそんなものを……!! 期待以上の働き……!!」ブフッ!!!

40: 2014/06/12(木) 09:18:07.35
ふたば「しんちゃん、今熱出してるから服はちょっと可哀相だったんで、パンツにしてみましたー」

加藤「パ、パンツはすごい!! 佐藤くんの匂いが染み込んでるよ!!!」

緒方「それどころか鍋にいれたら良い出汁がでるわ!!! これぇぇ!!!」

伊藤「さ、さぁ、ふたばちゃん……それを……」

ふたば「これをみんなに届ければいいんスね? すぐに渡してくるっス!!」ダダダッ

緒方「待ちなさい、ふたばぁぁぁ!!!」

加藤「おがちん!?」

緒方「まずはそれ!! それを堪能させなさいよぉぉ!!!」

加藤「なにいってるの!?」

緒方「前の中央部分を切り取って……額縁に……!!」

伊藤「エキスが……佐藤くんのエキスが……」

加藤「わ、わたしも佐藤くんのパンツ、はきたい!!!」

緒方「それ採用よ!! 真由美ぃ!!」ブフッ!!!

伊藤「そんなことしたら妊娠しちゃうかもぉ」

緒方「に、妊娠ですって!? そうなったら責任をとって結婚するしかないわね!!!!」

41: 2014/06/12(木) 09:26:08.50
宮下「で、アロマの材料って小学校でも手にはいるものなのか?」

杉崎「花とかあればまぁ……。でも、よくよく考えればママに頼んで知り合いの会社に作ってもらうんだから、ここで材料をもらってもあまり意味がないのよね」

吉岡「杉ちゃんのために尽くしてあげたいって気持ちが前に出ちゃったんじゃないかなぁ?」

杉崎「まぁ、そこまで気を遣われるのは悪い気はしないけどね」

みつば「なにか言いたいことでもあるわけ!?」

杉崎「何も言ってないでしょう」

みつば「ふんっ!! むかつくわねぇ!!」

松岡「やっぱり緒方さんはお香の臭いを利用して霊を見ていたのよ。きっと悪霊が傍にいれば臭いが微妙に変化すると思うの。三女さんも同意見?」

ひとは「何もいってないよ」

ふたば「もー!! なんスかー!!」

緒方「いいからそれを私たちに渡しなさい!!!」ギュゥゥ

杉崎「何かしら?」

宮下「ケンカか?」

ふたば「小生が届けるっスー!!」

緒方「それは私たちが届けないといけないのよ!!! その匂いの元を!!!」

42: 2014/06/12(木) 09:33:31.47
ふたば「でも小生が借りてきたパンツなのにー」

緒方「私たちが無理いって頼んだもので私たちが匂いの元をとってくるって言ったから……!!」

ふたば「おがちん……」

緒方「だから……私たちでぇぇ……」

杉崎「ちょっと何してるの?」

緒方「あ!? に、匂いの元を持ってきたの!! ただ、その前にこの匂いでいいのかどうか試食しようと思って、ね?」

伊藤・加藤「「うんうん」」

宮下「試食ってなんだよ」

緒方「何でも試すのはいいことでしょ!?」

吉岡「杉ちゃんのためにこんなに必氏に……愛がなせることだねぇ……」

宮下「そうかぁ?」

杉崎「そこまでしてくれなくても、ちゃんとプレゼントしたのに」

緒方「でも、何から何まで注文するのは悪いじゃない。これぐらいは当然よ」

杉崎「あ、ありがと……」

みつば「ぐぬぬ……!!」

43: 2014/06/13(金) 05:57:32.61
杉崎「なにか、みつばさん?」

みつば「私のときとは態度が違うじゃないのよ!! 私のときもそういう風に下手に出なさいよ!!」

杉崎「あんたがもっと下手に出たらね!!」

吉岡「みっちゃんが緒方さんに嫉妬してるよぉ。愛の大三角形だねぇ」

宮下「全然違うと思う」

杉崎「そんなことより、一応匂いの元はもらっておくわ。で、それはどこにあるの?」

緒方「えっと……」

ふたば「杉ちゃん、これっスよ!!」スッ

杉崎「……え?」

宮下「こ、これって……!?」

緒方「あぁー!!」

吉岡「男の子のパ、パ……」

ふたば「しんちゃんのパンツっスよ」

杉崎「ぎゃあぁぁぁ!!! なんなのよこれはぁ!!!」パシンッ!!!

緒方・伊藤・加藤「「佐藤くんのパンツがぁー!!!」」ズサァァ!!!!

44: 2014/06/13(金) 06:06:20.56
ふたば「もー、疑ってるんスか?」パシッ

緒方・伊藤・加藤「「しまった!!」」

杉崎「疑ってるとかじゃなくて……!!」

ふたば「ちゃんと匂いを嗅げばわかるっスよ。ほら」

杉崎「や、やめ……!!」

ふたば「えいっ!」ゴシゴシ

杉崎「おご……ぅぐ……うげ……!?」

緒方「佐藤くんのパンツで顔を拭くなんて……!!! 私もふいてぇー!!!」

伊藤「私もおねがーい!!!」

加藤「わ、わたしもぉ!!」

みつば「とんでもない変態どもね!!!」

宮下「結局、いつもと同じなのかよ、こいつら……」

杉崎「もういいっていってんでしょぉ!!! ふたばぁぁ!!!!」

ふたば「しんちゃんのだって信じてくれたっスか!?」

杉崎「信じるも信じないも関係ないわよ!!!」ペチンッ!!!

45: 2014/06/13(金) 06:19:03.63
緒方「ふぅー!! ふぅー!!」ゴシゴシ

伊藤「おがちん、次私、私だから!!」

加藤「かわってぇ、おがちん!!」

杉崎「なによ!! アロマテラピーのための匂いが欲しかったんじゃないの!!」

ひとは「杉ちゃんの勘違いだったんじゃない?」

杉崎「え? どういうこと?」

ひとは「きっと緒方さんたちは……」

松岡「そのパンツの臭いを体に染み込ませることで霊力をあげていたのね!!!」

ひとは「え……」

松岡「なるほど。これは回収します」バッ

緒方「ちょ!! なにするのよ!!!」

松岡「これで私もまた一歩三女さんに近づいたわ!!!」

ひとは「やめて……そんなこと言ったら私が……」

緒方「三女……やはり……」

ひとは(ほら、やっぱり目をつけられてしまったぁ……!!)

46: 2014/06/13(金) 06:34:14.14
伊藤「幼馴染だもんね」

加藤「これで丸井家のみんなは佐藤くんのことが好きってことに」

みつば「なんで私までセットなのよ!! あんな変態パンツ男なんて頼まれたって下僕になんてしてやらないわ!!!」

ひとは「下僕なんだね」

松岡「あれ……? この臭いは……?」クンクン

緒方「やめなさいよ!! 勝手に佐藤くんのパンツの匂いを嗅ぐなんて!! 許されないわ!!」

宮下「お前がいうな」

杉崎「全く。酷い目にあったわ」

ふたば「ごめんっス、杉ちゃん。ちょっと強く擦りすぎたっスね」

松岡「杉ちゃん!! ちょっといい!?」ギュッ

杉崎「次はあんたか!?」

吉岡「さっちゃんまでこの恋愛大戦争に参戦なんだね!!」

松岡「んー……」クンクン

杉崎「か、顔がちかい……」

松岡「このパンツからは仄かに杉ちゃんの臭いもするわ!? どういうこと!?」

47: 2014/06/13(金) 07:08:00.76
吉岡「それは多分香水の臭いが……」

松岡「香水!? 杉ちゃん、その香水はどこ!?」

杉崎「な、なにするつもりよ!!」

松岡「それを飲めば霊感が強まるんでしょう!?」

杉崎「そんなわけないでしょう!?」

松岡「隠さなくていいの!! 緒方さんたちがこんなにも必氏になっていたのがいい証拠じゃない!!」

杉崎「え……」

みつば「ふっ」

杉崎「はっ!? やめて!! みつば!!」

みつば「ここにあるわよ、松岡ぁ」

松岡「それが香水!? 貸して!!」

杉崎「まって!!」

緒方「ねえ!! もういらないならパンツ返して!!」

松岡「これはいらないわ!!」

緒方「よし!!」パシッ

48: 2014/06/13(金) 10:34:18.20
みつば「ほら、これよ」

松岡「みっちゃーん!! それを私にー!!」テテテッ

宮下「人間じゃないな……」

ひとは「みっちゃんはメス豚だからね」

緒方「ほら!! これで作れるんでしょう!? 佐藤くんのアロマ!!! 作って!!!」ギュゥゥ

杉崎「今はそんなことより……!!」

伊藤「そんなことってどういうこと?」

杉崎「ひぃ!?」

みつば(クックックック……。私に変態ストーカー女との扱いに差をつけた罰よ……)

松岡「その香水さえあれば私も三女さんのようになれるのね!!」

ひとは「誰がそんなこといったんだろう」

吉岡「さっちゃんの三女さんに対する愛が重すぎるような……」

杉崎「やめて!! それは貴重な香水なの!!」

緒方「このパンツだけじゃ足りないの!?」ブフッ!!!

杉崎「あんたも離れなさいよ!! 鼻血が服にかかるでしょ!!」

49: 2014/06/13(金) 10:44:24.66
みつば「ふふふ……」

松岡「浴びるように飲まなきゃ~」

杉崎「やめて……おねがいだから……」

みつば「ふんっ。なんでも自慢するからこうなるのよ」

杉崎「お、おねがい……みつばぁ……」

みつば「……」

杉崎「おねがいぃ……」

松岡「これね!!」

みつば「……ダメ!!」サッ

杉崎「みつば……?」

松岡「どうして!? 少しぐらいわけてくれてもいいじゃない!! みっちゃんは三女さんの血が流れてるんだし、いいじゃない!!」

ひとは「どういう意味……」

みつば「私の言うことをなんでも聞くって誓ってからよ!!」

松岡「聞きます!!!」

吉岡「一切の躊躇がない!! 愛だね!!」

50: 2014/06/13(金) 11:21:41.06
みつば「もっとちゃんと誓いなさいよね。契約書とか書いて」

松岡「幾らでも書くわ!! だから、早くその霊水を……!!」

宮下「香水だろ!?」

みつば「とにかく今はダメ!!」

松岡「みっちゃん!! 意地悪しないで!!」

みつば「ダメよ!!」

杉崎「みつば……もしかして……」

ふたば「みっちゃんは優しいから杉ちゃんのものを守ってくれてるんスよ」

吉岡「みっちゃんは杉ちゃんのこと本当は好きなんだね。普段は素直になれないだけで」

宮下「まぁ、この状況だとそう見えるな」

みつば「勘違いしないでよね!! この女を完全な奴隷にしたいだけなんだから!!」

ふたば「みっちゃんはやっぱり優しい!!」

松岡「みっちゃん!! 何でもいうこと聞くからぁ!!」バッ

みつば「渡せないって言ってるでしょ!! 邪魔よ!! もう!!」サッ

ミシ……ミシミシ……バキッ!!!

51: 2014/06/13(金) 11:34:47.77
みつば「きゃぁ!?」

ふたば「危ない!! みっちゃん!!!」バッ!!!

みつば「ふたば!?」

ふたば「ふっ!!」ギュッ

みつば「あ、ありがとう」

ふたば「怪我はない?」

みつば「え、ええ……」

ふたば「ふぅー。良かったぁ」

みつば「もういいから」

ふたば「うすっ」

ひとは「床が陥没してるね」

宮下「重みに耐え切れなかったのか」

みつば「これはあれよ!! 欠陥よ、欠陥!! 手抜き工事が原因だわ!!!」

ひとは「まぁ、床の素材が軟くなっていただけだろうけど……。あれ、みっちゃん。香水は?」

みつば「え? あ、あら? どこに……」

52: 2014/06/13(金) 11:39:53.57
吉岡「こ、これじゃないかな?」

みつば「え?」

松岡「あー!? 霊水がー!!」

宮下「さっき落としたのか」

杉崎「あ……」

みつば「な、なによ!! 床に落ちたぐらいで中身が出ちゃうなんて随分と閉まりの悪い容器ね!!」

宮下「そういうことじゃないだろ」

吉岡「杉ちゃん……」

杉崎「雑巾で拭かなきゃね。凄い臭いだもの」

みつば「杉崎……あの……」

杉崎「別にいいわよ……もう……」

みつば「……」

松岡「もったいない……」

杉崎「どうしていつもこうなるの……はぁ……」

緒方「ちょっと!! 私たちを無視しないで!!!」

53: 2014/06/13(金) 11:46:06.12
杉崎「なによ!? もういいわよ!! あんなものを持ってきて!!」

緒方「これで佐藤くんの匂いは十分のはずよ!!」

杉崎「はぁ?」

緒方「だから!!」

加藤「待って、おがちん。もうこのパンツからはおがちんの匂いと杉崎さんの香水の匂いしかしないよ」

緒方「ど、どうして!?」

伊藤「あれだけ顔を拭けば……」

緒方「そ、そんな……!! 苦労したのに……!!」

加藤「苦労したと言っても……」

伊藤「ふたばちゃんを追いかけただけだから」

緒方「疲れただけじゃない!」

松岡「憑かれたの!? このパンツが!?」

緒方「え!? あ、ちょ……!!」

松岡「待ってて!! すぐに供養するから!!!」

緒方「いやぁー!!」

54: 2014/06/13(金) 11:54:50.54
松岡「ナムナム……」

緒方「あぁ……」

ひとは(さっちゃんの前では全てが無に帰す)

杉崎「佐藤くんの匂いなんて再現できるわけないでしょ。私たちが言ってたのは砂糖。シュガーのほうよ」

伊藤「そ、そうだったんだ」

加藤「勘違いしてごめんなさい」

杉崎「早とちりにもほどがあるわ」

みつば「ほーんと、いつもいつも人騒がせよね」

宮下「こら。お前も拭くの手伝えよ」

吉岡「すごい臭い……!! 窓、開けなきゃ……!!」

ふたば「残念っス。小生もがんばってしんちゃんのパンツを借りてきたのに」

ひとは「もしかして佐藤くんは今、パンツはいてないんじゃ……」

ふたば「でも熱があるから心配はないと思う」

ひとは「いやいやいや」

緒方「うぅぅ……佐藤くんの匂いに包まれたいだけなのに……だけなのに……何がいけないというの……」

55: 2014/06/13(金) 12:02:59.48
杉崎「こんなところで泣かないで」

緒方「うわぁぁぁん」

ふたば「おがちん、可哀相……。ひと、なんとかならないっスか?」

ひとは「なんとかって言われても」

松岡「ナーム、ナーム」

宮下「おい! 松岡!! 空気の入れ替えしてるんだから、その線香消してくれよ。鼻がおかしくなるだろ!!」

松岡「霊の仕業で!?」

宮下「お前の仕業だよ!!」

ひとは「……松岡さん」

松岡「なに、三女さん?」

ひとは「いい除霊スポットがあるんだけど」

松岡「え!? ホントに!?」

ひとは「ついてきて」

松岡「もちろん!」ギュッ

ひとは「……くっつかなくていいから」

56: 2014/06/13(金) 12:11:38.95
みつば「ひとは、どこに行ったのかしら」

吉岡「校内デートかなぁ」

宮下「なんにしても三女から松岡を誘うのは珍しいよな」

杉崎「そうよね」

緒方「うわぁぁぁん」

伊藤「おがちん。落ち着いて。また集めたらいいよ」

加藤「うん。匂いは佐藤くんが居る限りはいつでも感じることができるよ」

緒方「でも、私は詩織や真由美にも存分に味わってほしいから」

伊藤「おがちん……」

加藤「その気持ちだけでうれしいよ」

みつば「あいつら自分たちがどういう会話をしているのか分かっているのかしら?」

杉崎「わかっていたらあんなこといわないでしょ」

ふたば「友情っス!! 素晴らしいっス!!」

吉岡「愛情だね!! 素晴らしいよね!!」

宮下「どっちもどっちだな……」

57: 2014/06/13(金) 12:18:02.04
ひとは「ただいま」

ふたば「おかえりー。あれぇ? さっちゃんは?」

ひとは「緒方さん。これ」

緒方「え? こ、これは……佐藤くんの服!?」

ひとは「そう。嗅いでみて」

緒方「おぉぉ……」

ひとは「嗅ぐだけ。嗅ぐだけだから」

緒方「う、うん……」クンクン

加藤「この臭いは……」

伊藤「佐藤くんの臭いじゃない!!」

緒方「でも、これは佐藤くんの服だわ!! どういうこと!?」

ひとは「今、佐藤くんは熱を出して寝込んでいるから」

緒方「そーなの!? お見舞いにいかなきゃ!!!」

ひとは「待って! 緒方さんが行くとかえって重篤になっちゃうから。というより、今寝てるから起こしちゃいけないし」

緒方「そ、それもそうね……」

58: 2014/06/13(金) 12:26:20.68
ひとは「で、熱で体温が上がって体臭が若干変化してるの」

緒方「そ、そんなことが起こりえるの!? ずっと佐藤くんを見てきたけど、そんなことは一度も……!!」

ひとは「私はほら、幼馴染だから」

伊藤「……」

加藤「詩織ちゃん。抑えて」

緒方「幼馴染なら仕方ないわね」

宮下「あいつも意外と素直だよな」

杉崎「うん」

ひとは「で、この臭いだけど、どこかで嗅いだことあるでしょ」

緒方「これ? どこで……」

ふたば「クンクン……! この臭い、さっちゃんの臭いっス!!」

緒方「はぁぁぁ!? 三女ぉぉ……!!」

ひとは「ま、待って。確かに松岡さんの臭いともいえるけど、正確にはお線香の臭いに近いから」

みつば「あ……」

杉崎「もしかして……」 

59: 2014/06/13(金) 12:35:57.55
緒方「まぁ、佐藤くんの服だし、それに偽りはなさそうだけど」

ひとは「佐藤くんの体臭と似たこのお線香を使えば、いつでも匂いを感じることができると思うよ」

緒方「なるほどね。いつもの佐藤くんの匂いではないけど、これも佐藤くんの一部だというなら、これでいいわ!!!」

伊藤「でも、お線香なんてどこに……」

ひとは「ここにたくさんあるから使って」

緒方「ありがとう!! 三女!!」

杉崎「勝手にそんなことしていいの?」

ひとは「許可はもうもらってるから」

ふたば「流石、ひとは! 気がきくっス!」

みつば「いいとこあるじゃない」

ひとは「松岡さんが原因みたいなところもあるし、杉ちゃんも困ってたから」

吉岡「三女さん、一体誰が本命なの……」

宮下「もうそこから離れろ」

緒方「よし!! これを全部使いましょう!!」

加藤「まとめて火をつけたほうがいいかもね」

60: 2014/06/13(金) 12:41:43.34
栗山「佐藤くん、元気になったかなぁ」

栗山「あら……この臭い……お線香……?」

栗山「保健室から臭ってくる……。も、もしかして!!」

栗山「佐藤くん!!」ガラッ!!!

松岡「南無阿弥陀仏……南無阿弥陀仏……なんまいだー、なんまいだー……」チーン

佐藤「……」

栗山「佐藤くんがご臨終ぅー!?」

松岡「待っていてね、佐藤くん。あなたの中にいる悪い霊をだしてあげるからね」

佐藤(くそ……なんでこんなことに……!! 服はねえし、パンツはふたばがもっていくし……!!)

松岡「南無阿弥陀仏……南無阿弥陀仏……なんまいだー、なんまいだー……」チーン

佐藤(傍にこいつがいるから立ち上がれもしねー!!)

栗山「ご家族に連絡しなきゃ!!!」

佐藤(それだけはやめてくれー!!!!)

ジリリリリリリ!!!!!

栗山「な、なに!? 避難訓練!?」

61: 2014/06/13(金) 12:48:26.76
矢部「何があったの!!! 教室から煙が……!!」ガラッ!!!

緒方「頭から煙をかぶるといいと思うの!!」

伊藤「そうだね!」

加藤「もっと! もっと佐藤くんを……!!」

宮下「おい!! どこの寺だよ!! 警報機まで鳴ってんだぞ!! もうやめろ!!」

吉岡「常香炉っていうんだっけ?」

ひとは「そうだったかな」

杉崎「ごほっ……ごほっ……!! 服に臭いが移っちゃうでしょ!! もうやめてよぉ!!」

みつば「やっぱりこの変態集団だけはろくでもないわね!!!」

ひとは「床を壊したみっちゃんがいうことじゃないと思うけど」

みつば「なんですって!?」

矢部「ちょっと!! なにやってるのー!!! 火事だと思われちゃうからもうやめてー!!!」

千葉「いや、警報機なってるしもう手遅れじゃね……?」

緒方「これが佐藤くんのアロマなのねー!!」

杉崎「アロマテラピーじゃないわよ、こんなの……」


おしまい。

63: 2014/06/13(金) 14:11:05.22
みつどもえスレは貴重

引用元: みつどもえ「交響してアロマティカ・イレブン」