3: 2021/11/28(日) 18:29:41.19
しずく「歩夢さんは浦女の学校祭でメイド喫茶のお手伝いをしましたよね」

歩夢「うん。緊張したけど、楽しかったよ」

しずく「ちなみに、その時の写真ってありますか? 私は演劇部の方に行ってしまってあまり見れていないので、歩夢さんのメイド姿、もう一度見たいです」

歩夢「うん、あるよ。ちょっと待ってね……はい」

しずく「どれどれ……わあ! すごく可愛いですよ!」

歩夢「えへへ……ありがとう」

しずく(歩夢さんのメイド姿……閃きました!)

しずく「歩夢さん、メイド姿でせつ菜さんにご奉仕してみませんか?」

歩夢「わ、私がせつ菜ちゃんにご奉仕!?」

11: 2021/11/28(日) 18:37:04.31
しずく「はい! せつ菜さんメイドとか好きそうですし、歩夢さんの可愛さでご奉仕したらイチコロですよ!」

しずく「せつ菜さんにアタックするチャンスです!」

歩夢「ええ~そうかな……」

歩夢「って、なんで私がせつ菜ちゃんのこと好きだって知ってるの!?」

しずく「バレバレですよ。歩夢さんはいつもせつ菜さんと一緒にいますし」

しずく「先日のファンミであなたの理想のヒロインを二人でやりたいって言いだしたのも歩夢さんじゃないですか」

しずく「あれ、せつ菜さんの理想のヒロインになりたいってことですよね」

しずく「あれで気づかないのなんてせつ菜さんぐらいです」

歩夢「そこまでバレてたなんて……」

14: 2021/11/28(日) 18:41:21.16
しずく「それに、ご奉仕はスクールアイドルの特訓にもなります」

しずく「メイドさんの主人に対するご奉仕は、ライブに来てくれたファンの皆さんをどう喜ばせるか考えることに繋がります」

しずく「さらに、メイドさんを演じることで演技の練習にもなるので、ライブの合間に劇をすることになったときにも役に立ちます」

しずく「ですから、せつ菜さんにご奉仕しましょう! 歩夢さん!」

歩夢(せつ菜ちゃんへのご奉仕がスクールアイドルの特訓になる……)

歩夢(何より、せつ菜ちゃんが喜んでくれる……)

歩夢「しずくちゃんがそこまで言うなら、私、やってみるよ!」

しずく「歩夢さん!」

15: 2021/11/28(日) 18:45:09.88
歩夢「でも、メイド服はどうするの? 私、メイド服なんて持ってないよ」

しずく「服飾同好会のものを借ります」

しずく「場所は部室を使いましょう。ユニット別の練習ということにして、A・ZU・NAだけが部室を使える状況を作ります」

しずく「どういうご奉仕をするのかについては、これから一緒に考えて行きましょう」

歩夢「分かったよ、よろしくね、しずくちゃん」

19: 2021/11/28(日) 18:49:09.85
——

しずく「いよいよ決行当日ですね、歩夢さん」

歩夢「うん、緊張してきたけど、いっぱい練習したし大丈夫だよね」

しずく「はい! 今の歩夢さんなら、せつ菜さんもメロメロですよ!」

しずく「では、せつ菜さんを迎えに行ってきますので、準備しておいてください」

——

せつ菜「おはようございます、しずくさん」

しずく「おはようございます、せつ菜さん」

せつ菜「今日はユニット別の練習で、私たちはしずくさんが考えた練習メニューをするんですよね」

せつ菜「しずくさんと歩夢さんが先に来て準備するくらいですし、かなり気合の入った内容なんでしょう。とても楽しみです」

しずく「はい、きっとものすごく楽しいですよ」

20: 2021/11/28(日) 18:49:09.85
——

しずく「いよいよ決行当日ですね、歩夢さん」

歩夢「うん、緊張してきたけど、いっぱい練習したし大丈夫だよね」

しずく「はい! 今の歩夢さんなら、せつ菜さんもメロメロですよ!」

しずく「では、せつ菜さんを迎えに行ってきますので、準備しておいてください」

——

せつ菜「おはようございます、しずくさん」

しずく「おはようございます、せつ菜さん」

せつ菜「今日はユニット別の練習で、私たちはしずくさんが考えた練習メニューをするんですよね」

せつ菜「しずくさんと歩夢さんが先に来て準備するくらいですし、かなり気合の入った内容なんでしょう。とても楽しみです」

しずく「はい、きっとものすごく楽しいですよ」

21: 2021/11/28(日) 18:53:12.39
——

せつ菜「着きましたね」

しずく「あ、せつ菜さんから入ってもらっていいですか?」

せつ菜「はい、いいですけど……?」

せつ菜「おはようございま——」ガラガラ

歩夢「お帰りなさいませ、お嬢様」

せつ菜「あ、歩夢さん!? 何ですかその格好!?」

歩夢「それは、私がお嬢様のメイドだからです♡」

歩夢「今日は、いつも勉強やスクールアイドル活動を頑張っているせつ菜お嬢様のために、私、歩夢が精一杯ご奉仕させて頂きます♡」

23: 2021/11/28(日) 18:57:10.58
しずく「ということで、ごゆっくりお楽しみください♡」

せつ菜「ええ!? しずくさん!? ちょっと待ってください!」

せつ菜(行ってしまいました……)

歩夢「お嬢様、大丈夫ですか?」

せつ菜「ええ、大丈夫です。少し落ち着いてきました」

せつ菜「歩夢さん、そのメイド服とても似合っていますね、可愛いです」

歩夢「ありがとうございます。ですが……」

歩夢「せつ菜お嬢様、私はお嬢様のメイドなので、呼び捨てで『歩夢』とお呼びください♡」

せつ菜(あ、アユム!?)

25: 2021/11/28(日) 19:01:11.71
歩夢「ダメ……ですか?」ウルウル

せつ菜(うっ……上目遣い……破壊力がすごいです///)

せつ菜「……分かりました。あ、歩夢///」

歩夢「わあ、嬉しいです! ありがとうございます!」ニコッ

歩夢(呼び捨てで呼んでもらっちゃった!ちょっとくすぐったいけど嬉しいな///)

歩夢「それでは、紅茶のご用意をさせていただきますね」

せつ菜(そう言うと、歩夢さんは慣れた手つきで紅茶を淹れ始めました。所作の一つ一つに気品を感じてしまうほどです)

歩夢「紅茶でございます。熱いので、お気を付けてお召し上がりください♡」

せつ菜「ありがとうございます。それでは、いただきます」

26: 2021/11/28(日) 19:05:12.51
せつ菜「! おいしいです!」

歩夢「ふふっ、お口にあったようで良かったです」

せつ菜「歩夢がこんなに紅茶を淹れるのが上手だったなんて知りませんでした」

せつ菜「毎日飲みたいくらいおいしいです」

歩夢「へぇぅ!?///」

歩夢(毎日!? そ、それって……///)

せつ菜「? なんか変なこと言いましたか?」

歩夢「……なんでもありません!」

歩夢(……もう!もう!///)

27: 2021/11/28(日) 19:09:09.98
——

歩夢「お嬢様、そろそろお昼にしませんか?」

せつ菜「そうですね、結構おなかが空いてきたところです」

せつ菜「ひょっとして、歩夢が作ってくれたりするんですか?」

歩夢「はい、オムライスを作るつもりです」

せつ菜「わあ! 歩夢の手作りオムライス、楽しみです!」

歩夢「お嬢様の期待に応えられるよう、頑張って作りますね!」

歩夢「それでは、少々お待ちください」ガラガラ

28: 2021/11/28(日) 19:13:10.70
——

しずく「せつ菜さん、メイド歩夢さんはどうですか?」ガラガラ

せつ菜「しずくさん! 最高ですよ!!」

せつ菜「主人のために献身的に尽くすメイドさんのイメージは、まごころ系スクールアイドルの歩夢さんにピッタリです!」

せつ菜「可憐な歩夢さんにメイドさんの清楚さが加わって、もう無敵ですね!」

しずく「ふふっ、満足してもらえてるみたいで良かったです」

せつ菜「しずくさんが企画してくれたんですよね。おかげで素敵な歩夢さんが見られました」

しずく「提案したのは私ですけど、ご奉仕の内容については歩夢さんがほとんど考えてましたよ」

しずく「その時の歩夢さん、すごく真剣で、せつ菜さんのこととても大事に想ってるみたいでしたね」

せつ菜「そうなんですか。えへへ、ちょっと照れちゃいますね」

30: 2021/11/28(日) 19:17:14.76
しずく「あ、歩夢さんが考えたものに少しアドバイスはしましたよ」

しずく「歩夢さんには、せつ菜さんがドキドキするくらい魅力的なメイドさんを演じて欲しかったので」

せつ菜「あ! 歩夢さんが呼び捨てで呼ぶように言ったのも、しずくさんのアドバイスだったんですか?」

しずく「それは秘密です♡」

せつ菜「ええ!?」

歩夢『しずくちゃん、ドア開けてもらっていい? 両手がふさがっちゃってて開けれないの』

しずく「あ、出来たみたいですね」

しずく「はーい、今開けますね」ガラガラ

歩夢「ありがとうしずくちゃん」

しずく「いえいえ。それでは、次の準備に向かいますね」

歩夢「分かったよ、じゃあお願いね」

31: 2021/11/28(日) 19:21:15.29
歩夢「お嬢様、お待たせしました」

歩夢「歩夢特製ふわふわオムライスです!」

せつ菜「わあ! すごくおいしそうです!」

せつ菜「食べてもいいですか?」

歩夢「お待ちくださいお嬢様。召し上がる前に、私の方でおいしくなる魔法をかけさせていただきます」

せつ菜「まさか……アレをやってくれるんですか?」

歩夢「そのまさかです。私が『萌え萌えきゅんきゅん』と言うので、お嬢様も一緒に魔法をかけてください♡」

せつ菜「分かりました」

歩夢「では……いきますね」

歩夢「おいしくなぁれ♡ 萌え萌えきゅんきゅん♡」

せつ菜「萌え萌えきゅんきゅん!」

33: 2021/11/28(日) 19:25:16.75
『せつ菜♡』

歩夢「どうぞ、お召し上がりください♡」

せつ菜「わあっ! ケチャップで私の名前まで……! 嬉しいです!」

せつ菜「いただきます!」

せつ菜「うーん! 最高です! 今まで食べたオムライスの中で一番おいしいです!」

せつ菜「歩夢の萌え萌えきゅんきゅんもめちゃくちゃ可愛かったです!」

歩夢「ありがとうございます♡」

歩夢(すっごく恥ずかしかったけど、喜んでもらえてよかった♪)

34: 2021/11/28(日) 19:29:15.59
——

せつ菜「ごちそうさまでした!」

せつ菜「歩夢の料理、とてもおいしかったです」

せつ菜「……歩夢さん、また私に料理を作っていただけませんか?」

歩夢「! せつ菜ちゃんが良ければ、またいつでも作るね」

せつ菜「ありがとうございます! 歩夢さんの卵焼きとか食べてみたいです!」

歩夢「それなら、他にも食べたいもの教えてもらって、お弁当ごと作っちゃおうかな」

せつ菜「やったあ! 今から楽しみです!」

37: 2021/11/28(日) 19:33:18.25
しずく『歩夢さん、開けてもらっていいですか?』

歩夢「はーい」ガラガラ

しずく「せつ菜お嬢様、スペシャルドリンクをお持ちしました」

せつ菜「しずくさんもメイドさんになるんですか?」

歩夢「ダメだよ、しずくちゃん。せつ菜お嬢様のメイドは、わ、私だけなんだから///」

せつ菜(かわいいです)

しずく「ちょっとやってみたかっただけです。それにしても、歩夢さん、役に入り込んでますね。素晴らしいです!」

歩夢「もう、からかわないでよお」

歩夢「でも、メイドさん、結構楽しくなってきちゃったかも」

しずく「うふふ、その調子ですよ」

40: 2021/11/28(日) 19:37:14.34
しずく「それで、本題なんですけど……」

せつ菜「スペシャルドリンクでしたよね、いただいてもいいんですか?」

しずく「はい、ぜひ!」

せつ菜「あれ……でもこのストロー、飲み口が2つありますけど……」

しずく「ええ、それは二人で飲むためのものですから」

しずく「今回は、せつ菜さんと歩夢さんで一緒に飲んでもらいます」

せつ菜・歩夢「ええ!?」

歩夢「しずくちゃん! 二人で飲むなんて聞いてないよ!」

しずく「まあ、言っていませんから」フフッ

歩夢「私は良いけど、せつ菜ちゃんが嫌だって言ったらどうするの!?」

しずく「えー、せつ菜さんなら嫌だとは言わないと思いますけど」

しずく「どうなんですか、せつ菜さん?」

41: 2021/11/28(日) 19:41:17.70
せつ菜「……」

せつ菜「……イヤじゃ、ないです。むしろ……」

しずく「むしろ?」

せつ菜「歩夢! 一緒に飲んでください! これは主人である私の命令です!///」

歩夢「は、はい!///」

しずく(ごまかしましたね……)

しずく「それでは、どうぞ」

歩夢(これ……顔近くない!?///)

せつ菜(視線が合ってしまいます……///)

42: 2021/11/28(日) 19:45:14.00
しずく「ちょっとお二人とも、いつまでも見つめ合ってないで、ドリンクを飲んでください!」

歩夢「そんなこと言ったって……///」

せつ菜「歩夢、このままだとずっと飲めません。せーので一緒に飲みましょう」

歩夢「わ、分かりました///」

せつ菜「いきますよ……せーのっ!」

チューー

せつ菜「ぷはぁっ……はぁっ……///」

歩夢「はー……はぁっ……///」

しずく(一緒にドリンク飲んでるだけで、なんでここまでいやらしい雰囲気になるんですか……)

44: 2021/11/28(日) 19:49:19.54
——

せつ菜(あの後、ドリンクは長い時間をかけて飲み切りました)

せつ菜(歩夢さんの整った顔立ちや、ぷるぷるの唇ばかり気になってしまって、ドリンクの味なんて全然分かりませんでした)

歩夢「気を取り直して、本日最後のご奉仕をさせていただきます」

せつ菜「最後ですか……残念ですけど、しょうがないですよね」

歩夢「はい。ですが、このご奉仕はとっておきです」

歩夢「せつ菜お嬢様のためだけに、ライブをさせていただきます」

歩夢「それでは聞いてください。『あなたの理想のヒロイン』」

♪~

歩夢(この曲を選んだのは、メイドさんの雰囲気が合いそうだって思ったのもあるけど)

歩夢(一番の理由は、せつ菜ちゃんに、私の想いをぶつけられそうだったから)

歩夢(私のまじりっけなしの想い、届いてくれるといいな)

歩夢『好きだよ』

45: 2021/11/28(日) 19:53:16.97
——

せつ菜「歩夢のライブ……最高でした」

歩夢「ふふっ、ありがとうございます」

歩夢「短い間でしたけれど、せつ菜お嬢様にお仕えすることができて、私、幸せでした」

歩夢「……しずくちゃん、こんな感じでどうかな?」

しずく「歩夢さん、ばっちりでしたよ」

歩夢「えへへ、よかったあ」

しずく「それでは、私は片付けの方先やっておくので、お二人はゆっくりしていてください」ガラガラ

しずく(歩夢さん、想いを伝えちゃってください!)パチッ

歩夢(! 分かったよしずくちゃん。私、頑張るね!)

46: 2021/11/28(日) 19:57:19.99
歩夢「せつ菜ちゃん、今日の私、どうだったかな?」

せつ菜「すごく可愛かったですよ。特に、オムライスに魔法をかけたところはたまりませんでした」

歩夢「あれはもうやりたくないかな……」

せつ菜「あはは、やっぱり、ちょっと恥ずかしいですもんね」

せつ菜「他には、ライブも歩夢さんの可愛さがよく出てたと思います」

せつ菜「メイド服も曲にマッチしていましたし」

せつ菜「今後のA・ZU・NAで、メイドさんの衣装を着てライブするのもありかもしれませんね」

歩夢「せつ菜ちゃんのメイドも見たいし、いいかもね」

せつ菜「あと、ライブの最後で、好きだよって口パクするのも最高でしたね」

せつ菜「私にもこんな感じで愛情を伝えてくれるヒロインが欲しいなって思っちゃいました!」

47: 2021/11/28(日) 20:01:15.82
歩夢(せつ菜ちゃんの……ヒロイン……)

歩夢(今想いを伝えたら、こんな私でもなれるかな……)

歩夢(ライブでは声に出さなかった私の想い……)

歩夢(せつ菜ちゃんみたいに叫ぶことは出来ないけど)

歩夢(私なりの全力で伝えるね)

歩夢「……私、せつ菜ちゃんが好き」

歩夢「かっこよくって、いつも全力なせつ菜ちゃんが好き」

歩夢「私を……せつ菜ちゃんのヒロインにして欲しいな///」

せつ菜「あ、歩夢さん……///」

せつ菜「私も、歩夢さんのことが好きです」

せつ菜「だから、私のヒロインになって下さい」

49: 2021/11/28(日) 20:05:14.95
終わりです。お読みいただきありがとうございました。

50: 2021/11/28(日) 20:08:40.28
可愛かった

引用元: 歩夢「わ、私がせつ菜ちゃんにご奉仕!?」